JP2018132394A - pH計 - Google Patents

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Abstract

【課題】ISFET式のpH計において、校正の知識や技能が十分でない者がセンサ構成部の汚染が残った状態で校正することを防止することが可能なpH計を提供する。【解決手段】pH計は、S10〜S16において、スロープ値と基準値との差異が許容値を超えているときにセンサ構成部の洗浄を促す旨の情報を表示するスパン検定を実行するようにし、かつ、スパン校正を実行できない構成にしたので、校正の知識や技能が十分でない者が汚染されたままスパン校正することを防止できる。さらに、作業者に対して汚染を警告するようにしたので、センサ構成部が汚染されたままゼロ校正とスパン校正の双方を実行したときのように、測定したpH値が実際のpH値と大きく乖離するようになることを防止できる。【選択図】図3

Description

本発明は、pH計に関し、特にセンサ構成部の校正に関するものである。
水素イオン指数pHを測定するpH計のセンサには、ガラス電極式とISFET式とがある。まず、特開2001−124722公報に開示されたガラス電極式のものについて説明する。図6は、一般的なガラス電極式のpH計の例を示す説明図である。図6において、30はpH計、31はpHセンサ、32はpH応答ガラス膜、33はpH応答ガラス膜支持体、34は内部液、35は信号取り出し電極、36は比較電極内部液、37は比較電極、38は容器、39は液絡である。
pH計30のpHセンサ31は、複合ガラスpH電極、すなわち、信号取り出し電極35と比較電極37との二つの電極(銀―塩化銀電極)で構成され、一方のpH電極はpH応答ガラス膜32が容器33の先端に固定され上記容器内には塩化カリ(KCL)からなる内部液34を有する。もう一方の比較電極37は容器38内に塩化カリ(KCL)かなる比較電極内部液36を有し液絡39でサンプル溶液に接するように構成される。比較電極37は、液絡部がどんなサンプル溶液と接しても都合のよいことに液間電位差を生じない特性を有しているので基準電極として用いられ、pH電極31のpH応答ガラス膜32の液間電位差を測定できる。
ところで、このようなガラス電極式の場合は、導電性のガラス膜という素材のために導電率も低い故の高インピーダンス、湿潤し少しずつ溶け出し膜減りを引き起こすなど長期の安定性に問題が有ることが一般的に知られている。経時的変化、つまり劣化によってpH感度が変化するので、比較的頻繁に校正を実行する必要がある。さらに、ガラス電極膜は、破損しやすいので、慎重に取り扱う必要があるなどの難点があった。このような種々の弱点を有しながらガラス電極を実用化するために長年の検討の結果、JIS規格による計器の取り扱いを定めることで、pH測定の再現性の向上に努めてきた。
一方、半導体技術を用いたISFET方式のpH計が注目されるようになっている。以下に特開2000−338077公報に開示されたISFET方式のものについて説明する。
図7は、一般的なISFET方式のpH計の例を示す説明図である。図7において、10はpH計、11は比較電極、12は液絡部、13は管状部、14はゴム栓部、15は銀―塩化銀電極線、16は比較電極内部液、17は外部接続端子、18は本体挿入部、19はOリング、20は本体部、21はISFET、22はセンサ構成部、29はサンプル溶液接触領域である。
図7に示すように、pH計10は、ISFET21を除くセンサ構成部22の大半をペンシル状に形成した本体部20とし、本体挿入部18に対して本体部20を挿脱可能にして、比較電極11の交換や分離してのメンテナンスをできるようにしている。また、本体挿入部18は、その外周部にOリング19を設けて、外部接続端子17の部位までサンプル溶液や洗浄液が浸潤することを防止している。比較電極11の内部には、銀―塩化銀電極線15を設けると共に比較電極内部液16で満たしている。管状部13の中の比較電極内部液16は、液絡部12から滲出する。液絡部12は、ゴム栓部14によって管状部13に固定されている。本体部20の先端にはISFET21を埋設している。以上の構成において、センサ構成部22をサンプル溶液に漬ける、あるいは、サンプル溶液をISFET21上に滴下してISFET21及び液絡部12に接触させるなど、サンプル溶液接触領域29がサンプル溶液に接触した状態にすることによってpH値を測定する。
図10は、ガラス電極式のpH計のセンサ構成部が汚染されたまま校正した場合の起電力特性を示す説明図である。
ところが、センサ構成部が汚染されたまま校正した場合には、図10に示すように、検量線Cに勾配調整されるべきところ、汚染の影響によって例えば検量線Dに勾配調整された状態になる。正しくない起電力特性に補正されると、その後に測定したサンプル溶液のpH値はすべて正しくないものとなる。特に、誤ったスパン校正を実行すると、強酸性又は強アルカリ性の溶液のpH値は正確な値と大きく相違してしまう。さらに、pH計に関する知識が十分でないと、過剰に校正を実行することもあり、誤った校正を実行する可能性が高くなる。くわえて、このように誤った校正を行った者は、自分自身がpH計を正しく管理していないことを省みず、製造業者や販売業者に対してクレームを申し出ることがあるので、製造業者や販売業者にとって大きな負担となる場合もある。
特開2001−124722公報 特開2000−338077公報
本発明は、上記課題を解決するために、ISFET式のpH計において、面倒な多点校正作業を行わないでも高精度のpH測定が可能なpH計を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、半導体電極及び比較電極を備えたセンサ構成部と、記憶部と、該記憶部に記憶された情報に基づいて該センサ構成部を制御する制御部を有するpH計において、前記センサ構成部は、半導体電極をpH感度が経時的に変化しないISFETからなるものとし、前記制御部は、校正モードにおいてゼロ校正のみを実行するようにあらかじめ設定されていることを特徴とするpH計である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、操作者からの入力を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部を有し、前記制御部は、前記操作部に対して第1のpH標準液のpH値の測定を指示する入力があったときに、前記センサ構成部において第1のpH標準液のpH値を検出し、該第1のpH標準液のpH値を前記記憶部に記憶させる第1の手順と、前記操作部に対して第2のpH標準液のpH値の測定を指示する入力があったときに、前記センサ構成部において第2のpH標準液のpH値を検出し、該第2のpH標準液の該pH値を前記記憶部に記憶させる第2の手順と、前記第1のpH標準液の前記pH値及び前記第2のpH標準液の前記pH値から前記センサ構成部におけるスロープ値を算出する第3の手順と、前記スロープ値と前記記憶部に記憶された基準値とを比較し、前記スロープ値と該基準値との差異が前記記憶部に記憶された許容値を超えている場合に、前記表示部に前記センサ構成部の洗浄を促す旨の情報を表示させる第4の手順を実行することを特徴とするpH計である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御部は、前記第4の手順において、前記スロープ値と前記基準値との差異が前記許容値を超えていない場合に、前記第1のpH標準液の前記pH値に基づいてオフセット値を補正するゼロ校正を実行することを特徴とするpH計である。
請求項1に記載の発明によれば、校正モードにおいてゼロ校正のみを行うので、スパン校正に起因する問題を起こすことがなく、高精度のpH測定が可能なpH計を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、実測のスロープ値と予め設定した基準値との差異が許容値を超えているときに、敢えてスパン校正を実行せずにセンサ構成部の洗浄を促す旨の情報を表示し、汚染されたまま校正することを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、実測のスロープ値と予め設定した基準値との差異が許容値を超えていない場合は、センサ構成部の汚染がない、又は、汚染が非常に少ない状態にあるので、ゼロ校正のみを実行することによって正確なpH測定ができる。
本発明の第1の実施の形態に係るpH計の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るpH計における校正時における動作を示すフロー図(1)である。 本発明の第1の実施の形態に係るpH計における校正時における動作を示すフロー図(2)である。 本発明の第2の実施の形態に係るpH計におけるスパン校正時における動作を示すフロー図である。 従来技術によるpH計におけるスパン校正時における動作を示すフロー図である。 一般的なガラス電極式のpH計の例を示す説明図である。 一般的なISFET式のpH計の例を示す説明図である。 ISFET式のpH計における動作原理の説明図である。 ISFET式のpH計の校正によって起電力特性を補正する手順を示す説明図であり、ISFET式のpH計の校正によって起電力特性を補正する手順を示す説明図であり、(a)は検量線Aを検量線Bにシフトさせるゼロ校正を示し、(b)は検量線Bを検量線Cに勾配調整するスパン校正を示す。 ガラス電極式のpH計のセンサ構成部が汚染されたまま校正した場合の起電力特性を示す説明図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るpH計について図面に基づいて説明する。なお、本発明は、pH計に実装したプログラムの校正時における動作に係るものであるので、ハードウェアに係る構成は図6及び図7に示すものであってもよく、あるいは、ISFET式であって同様の機能を有するものであればこれら以外のものであってもよい。なお、本願において、半導体電極(ISFET)においてpH感度が経時的に変化し難いとは、pH計を長期間使用しても、校正が必要となるような大きさのpH感度の変化がない、具体的には経時的な変化が10%を超えない、と定義する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るpH計の概略構成を示すブロック図である。図1において、40はマイクロコンピュータ、41はフラッシュメモリ、42は操作ボタン、43は液晶ディスプレイ、44は外部インタフェース、45はAD/DAコンバータ、46はフラッシュメモリ、47は温度センサであり、その他の符号は図7と同じものを示す。また、図8は、ISFET式のpH計における動作原理の説明図である。図8において、23はP型基板、24はゲート絶縁膜、25はドレイン電極、26はソース電極、27a及び27bはN型層、28はNチャンネル層、48はサンプル溶液である。
この実施の形態に係るpH計10は、マイクロコンピュータ40、センサ構成部22、フラッシュメモリ41、操作ボタン42、液晶ディスプレイ43、外部インタフェース44、45はAD/DAコンバータ及び電源部44を備えている。なお、この他に、温度センサ、USB接続端子、スピーカなどを備えていてもよい。校正時の動作においても同様である。センサ構成部22については後述する。マイクロコンピュータ40は、CPUやキャッシュメモリなどで構成されており、全体の制御部として、センサ構成部22、フラッシュメモリ41、操作ボタン42、液晶ディスプレイ43、さらに図示していない電源回路などの動作を制御し、あるいは、受信した信号に基づいて各種の判断を実行するものである。フラッシュメモリ41は、測定動作などに必要となる各種プログラムや設定値など、動作に必要な各種情報の記憶部である。なお、フラッシュメモリと同様に情報を保持できるものであれば、他の記憶デバイスを用いてもよい。操作部42は、押しボタンスイッチで構成されており、操作者からの入力を受け付ける操作部となる。なお、タッチパネルなど同様に動作可能なものであれば、他の操作デバイスであってもよい。
液晶ディスプレイ43は、pH計10の動作状態や異常発生、操作部42で入力された事項などの操作者に対して必要な情報を伝達する表示部となる。なお、液晶ディスプレイ以外の表示デバイスであってもよく、操作部42と共通のタッチパネルで構成してもよい。外部インタフェース44は、外部コンピュータとの通信をするための接続部であり、外部コンピュータにおいてpH計10の校正等に関する情報を管理することを可能にするものである。また、外部インタフェース44は、USB端子などの有線接続用のデバイス、あるいは、Bluetooth(登録商標)などの無線接続用のデバイスのいずれであってもよい。AD/DAコンバータ45は、センサ構成部22の各センサ(電極)とマイクロコンピュータ40との間で、アナログ信号とデジタル信号を相互変換し、両者の信号の送受信を仲介する。フラッシュメモリ46は、ISFET21でpH値を測定する際に必要な当該ISFETに固有の情報を記憶である。また、フラッシュメモリ46は、AD/DAコンバータ45を介してマイクロコンピュータ40に接続された各センサとは異なり、バスを介してマイクロコンピュータ40に接続されている。なお、フラッシュメモリ46を設けずに、各種の情報をすべてフラッシュメモリ41記憶させるようにしてもよい。温度センサ47は、サンプル溶液の温度を検出するためのものである。
また、第1の実施の形態に係るpH計10は、後述する校正時の動作に特徴があるが、この校正時の動作はフラッシュメモリ41に記憶されたプログラムがフラッシュメモリ46に記憶された情報によって実現される。この校正時の動作において、第1の実施の形態に係るpH計10では、操作者がどのような入力をしてもスパン校正を実行しないように校正されている。これは、高品質のISFETを用いたpH計では、pH感度の経時的変化がなく、スパン校正の必要がないことを鑑みたことによるものである。さらに、pH計に関する知識や技能が十分でない者がスパン校正を実行することによって、かえって正確なpH値を測定できなくなる問題も鑑みている。pH感度の経時的変化がない、又は、ほとんどないという特徴がある。なお、後述する第2の実施の形態に係るpH計では、センサ構成部22の汚染を警告する一方、操作者によるスパン校正の実行を可能な校正にしている。言い換えると、従来技術に係るpH計においては操作者にスパン校正を積極的に実行させる構成を有しているのに対して、第1の実施の形態に係るpH計ではスパン校正に対して禁止的に動作する構成を有し、第2の実施の形態に係るpH計ではスパン校正を消極的に実行する構成を有している。
続けて、センサ構成部22の詳細について説明する。ISFET21は、電位応答型センサであり、図8に示すように、P型基板23の表面に作られた薄いゲート絶縁膜24が電解質のサンプル溶液48に接触しており、さらにサンプル溶液48にゲート電極である比較電極11が接した構造からなっている。さらに、N型層27a及び27bを形成し、N型層27a及び27bにドレイン電極25とソース電極26をそれぞれ形成し、これらの電極間にバイアス電圧を引加する。ISFET21のデバイス動作は、ゲート絶縁膜24付近に形成されるNチャンネル層28を利用する。すなわち、サンプル溶液48中で水素イオン濃度が増すと、P型半導体の主なキャリアである正孔はこれに反発してゲート絶縁膜24から遠ざかり、通常はP型層内に少数派として存在する電子がゲート絶縁膜24下付近に引き寄せられるので、ドレイン電極25とソース電極26との間にNチャンネル層28という電流通路が形成される。このように、比較電極11のゲート電圧によってドレイン電極25とソース電極26との間の電流をコントロールすることができる。水素イオン濃度が高いほどNチャンネル層28が厚くなって電流が多く流れるので、この電流値によってイオン濃度を検知することができる。このようなISFET21及び比較電極11をペンシル型のpH計に適用した例が前述した図8のものである。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るpH計における校正時における動作を示すフロー図(1)である。また、図3は、本発明の第1の実施の形態に係るpH計における校正時における動作を示すフロー図(2)である。さらに、図4は、本発明の第2の実施の形態に係るpH計における校正時における動作を示すフロー図である。くわえて、図5は、従来技術によるpH計におけるスパン校正時における動作を示すフロー図である。また、図9は、ISFET式のpH計の校正によって起電力特性を補正する手順を示す説明図であり、(a)は検量線Aを検量線Bにシフトさせるゼロ校正を示し、(b)は検量線Bを検量線Cに勾配調整するスパン校正を示す。
さらに、第1の実施の形態に係るpH計の校正時における動作手順について述べる。この実施の形態に係るpH計は、pH計10を校正モードに移行し、オフセット値を補正するゼロ校正のための動作を行った後、別のpH標準液を使用して次の手順に移行したときに、スロープ値を補正するための動作を実行するのではなく、スロープ値を算出してセンサ構成部22が汚染されている可能性がある場合に汚染を警告する旨のメッセージを表示部43に表示する検定動作を実行する点において特徴がある。言い換えると、ゼロ校正を実行するための校正モードと、センサ構成部22が汚染されていないかをスロープ値を算出して判定するスパン検定モードを一体的に実行する手順となっている。
すなわち、図2に示すように、pH計10の電源をON状態にすると、初期動作を開始(S1)し、測定モードや校正モードへの移行可能な状態となり、測定モードや校正モードへの移行を促すメッセージを液晶ディスプレイ43に表示する(S2)。この状態において、操作ボタン42に校正モード移行を指示する入力があるかどうか判断し(S1)、入力があったときにはS4に進み(S2)入力がない場合にはS2を繰り返す。なお、測定モードやメンテナンスモードにおいて、コマンドを入力することによってそれらのモードからS4に直接的に移行するようにしてもよい。
校正モードに移行すると(S4)、ゼロ校正を実行可能である旨を表示し(S5)、ゼロ校正用の標準サンプル液におけるゲート電極である比較電極11とソース電極26との間の電圧値Vgsを測定する(S6)。操作者がゼロ校正用の標準サンプル液をセンサ構成部22のISFET21及び比較電極11に接した状態にしていれば、何らかの電圧値が測定されるので、電圧値Vgsが測定されたかどうか判断し(S7)、測定された場合は、ゼロ校正を実行し(S8)、測定されない場合にはS7を繰り返す。ゼロ校正を実行した場合には、ゼロ校正を実行したことを液晶ディスプレイ43に表示して操作者に通知する。
続けて、図3に示すように、スパン検定を実行可能である旨を表示し(S10)、スパン校正用の標準サンプル液における比較電極11とソース電極26との間の電圧値Vgsを測定し(S11)、電流値が検出されたかどうか判断する(S12)。操作者がスパン校正用の標準サンプル液をセンサ構成部22のISFET21及び比較電極11に接した状態にしていれば、何らかの電流値が測定されるので、その測定された電流値からスロープ値を算出する。測定されない場合にはS12を繰り返す。算出されたスロープ値がフラッシュメモリ41に記憶された基準値に対して許容値を超えている場合には、センサ構成部22が汚染されていると判断し(S13)、液晶ディスプレイ43に汚染を警告する情報を表示する(S14)。S13において、スロープ値が基準値に対して許容値を超えていない場合には、センサ構成部22が正常な状態にあることを液晶ディスプレイ43に表示する(S15)。さらに、S13における判断結果をスパン検定情報としてフラッシュメモリ41に記憶し(S16)、S2に戻る。なお、S16の後にスムーズに実際の測定業務ができるように、直ちに図示していない測定モードに移行ようにしてもよい。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係るpH計10では、図9(a)に示すようなゼロ校正を実行した後にスロープ値を測定し、スロープ値が基準値に対して許容値を超えていない可動か判断し、スロープ値が基準値に対して許容値を超えている場合にはセンサ構成部22の汚染に関する警告を表示し、許容値を超えていない場合には正常状態にあることを表示するスパン検定を実行する一方、いずれの状態においてもスパン校正は行わないことに特徴がある。なお、操作者がS16の手順の後にセンサ構成部22を十分洗浄してから図2及び図3の手順を繰り返したときに、スロープ値が基準値に対して許容値を超えていない場合には、正常状態にあることを表示するようになる。しかし、この場合においてもスパン校正は実行されない。つまり、第1の実施の形態に係るpH計10では、ゼロ校正は実行することが可能であるが、スロープ値が基準値に対して許容値を超えているかどうかに関わらず絶対にスパン校正を実行することができない。なお、S7とS8との間に、測定値とゼロ校正の基準値との差異が予め決められた許容値より大きい場合にS8に進み、許容値より小さい場合にはゼロ校正を実施せずにS2に戻る手順と、ゼロ校正を実行しなかった場合にその旨を表示する手順を設けてもよい。
次に、第2の実施の形態に係るpH計の校正時における動作手順について述べる。この実施の形態に係るpH計は、pH計10を校正モードに移行し、オフセット値を補正するゼロ校正のための動作を行った後、別のpH標準液を使用して次の手順に移行したときに、スロープ値を算出してセンサ構成部22が汚染されている可能性がある場合に汚染を警告する旨のメッセージを液晶ディスプレイ43に表示する検定動作を実行するが、その後にスパン校正を強行できる点に最も特徴がある。言い換えると、ゼロ校正を実行するための校正モードと、センサ構成部22が汚染されていないかをスロープ値を算出して判定するスパン検定モードと、スパン校正モードを一体的に実行する手順となっている。
具体的には、第2の実施の形態に係るpH計において、ゼロ校正を実行するまでの手順は、図2に示した第1の実施の形態に係るpH計のS1からS9までの手順と全て同じである。S9以降においては、図4に示すように、スパン校正を実行可能である旨を表示し(S20)、スパン校正用の標準サンプル液における比較電極11とソース電極26との間の電圧値Vgsを測定し(S21)、電流値が検出されたかどうか判断する(S22)。操作者がスパン校正用の標準サンプル液をセンサ構成部22のISFET21及び比較電極11に接した状態にしていれば、何らかの電流値が測定されるので、その測定された電流値からスロープ値を算出する。測定されない場合にはS22を繰り返す。算出されたスロープ値がフラッシュメモリ41に記憶された基準値に対して許容値を超えている場合には、センサ構成部22が汚染されていると判断し(S23)、液晶ディスプレイ43に汚染を警告する情報を表示する(S24)。
S23において、スロープ値が基準値に対して許容値を超えていない場合には、センサ構成部22が正常な状態にあることを液晶ディスプレイ43に表示し(S25)、ゼロ校正及びスパン校正に関する情報をフラッシュメモリ41に記憶した上で(S29)、S2に戻る。S24において汚染を警告する情報を表示した後に、操作ボタン42からスパン校正を敢えて強行する旨の入力があるかどうか判断し(S26)、入力があった場合にはスパン校正を強行的に実行する(S27)。続けて、スパン校正を強行的に実行した旨を液晶ディスプレイ43に表示し(S28)し、S29に進む。なお、S29の後にスムーズに実際の測定業務ができるように、直ちに測定モードに移行ようにしてもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るpH計では、ゼロ校正を実行した後にスロープ値を測定し、スロープ値が基準値に対して許容値を超えていない可動か判断し、スロープ値が基準値に対して許容値を超えている場合にはセンサ構成部22の汚染に関する警告を表示し、許容値を超えていない場合には正常状態にあることを表示するスパン検定を実行する手順までは第1の実施の形態に係るpH計10と同じであるが、センサ構成部22の汚染に関する警告を表示した後に、図9(b)に示すようなスパン校正を強行できる点が相違している。以上のように、第1の実施の形態に係るpH計ではスパン校正を実行する手順が存在しない構成を有し、第2の実施の形態に係るpH計ではスパン校正を強行的に実行できる構成を有しており、近年におけるISFET式のpH計における耐久性の顕著な向上を踏まえた新しい技術思想と言える。
なお、従来技術によるpH計におけるスパン校正時における一般的な手順は、以下のようなものである。すなわち、図5に示すように、スパン校正を実行可能である旨を表示し(S30)、スパン校正用の標準サンプル液における比較電極11とソース電極26との間の電圧値Vgsを測定し(S31)、電流値が検出されたかどうか判断する(S32)。操作者がスパン校正用の標準サンプル液をセンサ構成部22のISFET21及び比較電極11に接した状態にしていれば、何らかの電流値が測定されるので、その測定された電流値からスロープ値を算出し、算出値に応じたスパン校正を実行する(S33)。さらに、スパン校正を実行した旨を液晶ディスプレイ43に表示し(S34)した上で、ゼロ校正及びスパン校正に関する情報をフラッシュメモリ41に記憶し(S35)、S2に戻る。以上のように、従来技術によるpH計では、ゼロ校正の後、スパン校正を直ちに実行するので、pH計に関する知識が十分でない者が誤った校正を実行するおそれがある。さらに、操作者がpH計に関して十分に知識を持っている場合でも、センサ構成部22を事前に洗浄することを忘れている場合にスパン校正をそのまま実行するおそれがある。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係るpH計は、図3のS13からS15において、実測のスロープ値と予め設定した基準値との差異が許容値を超えているときに、校正を実行せずにセンサ構成部22の洗浄を促す旨の情報を表示するようにした、つまり校正モードとセンサ構成部22に対する検定モードを一連の操作で実行できるので、校正に関する知識や技能が十分でない者が汚染されたまま校正することを防止できる。また、実測のスロープ値と予め設定した基準値との差異許容値を超えていない場合であっても、ゼロ校正のみを実行するようにしたので、ゼロ校正と不要なスパン校正の双方を実行したときのように、測定したpH値が実際のpH値と大きく乖離pH計の信頼性を損なうことを防止できる。
また、本発明の第2の実施の形態に係るpH計10は、図4のS23からS29までの手順を実行するので、汚染を警告する情報の表示に関わらず、スパン校正を敢えて強行することが可能である、つまりつまり校正モードとセンサ構成部22に対する検定モードを一連の操作で実行できる上に、これに続けてスパン校正を強行できるので、例えばpH計の校正について専門的な知見を持つものが事前にセンサ構成部22を十分に洗浄している場合には、警告を無視してスパン校正を実行することも可能となる。また、強酸性又は強アルカリ性のサンプル溶液の測定を頻繁に実行すると電極が劣化する場合がある。このような場合、スパン検定と及び校正を実行することでISFET式のpH計を適切に良否の管理をすることが可能となる。
なお、本発明は以上に説明した内容に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて種々の変形を加えることが可能である。例えば、S28及びS29のように、表示部に表示する手順が連続する場合には、双方の情報を同時に表示する1つの手順としてもよい。また、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るpH計において温度の測定を可能とする構成を有するので、ゼロ校正又はスパン校正の前に、又は、後に、標準サンプル液の温度を測定して表示するようにしてもよい。また、温度データを校正に関する情報と共に記憶部に記憶するようにしてもよい。さらに、測定したサンプル液のpH値、温度などの情報をフラッシュメモリ41に記憶し、必要に怖じて外部インタフェース44を介して外部コンピュータに読み出し、測定結果の管理記録の作成などに利用できるようにしてもよい。
10 pH計
11 比較電極
12 液絡部
13 管状部
14 ゴム栓部
15 銀―塩化銀電極線
16 サンプル溶液
17 外部接続端子
18 本体挿入部
19 Oリング
20 本体部
21 ISFET
22 センサ構成部
23 P型基板
24 ゲート絶縁膜
25 ドレイン電極
26 ソース電極
27a N型層
27b N型層
28 Nチャンネル層
29 サンプル溶液接触領域
30 pH計
31 pHセンサ
32 pH応答ガラス膜
33 pH応答ガラス膜支持体
34 内部液
35 信号取り出し電極
36 比較電極内部液
37 比較電極
38 容器
39 液絡
40 マイクロコンピュータ
41 フラッシュメモリ
42 操作ボタン
43 液晶ディスプレイ
44 外部インタフェース
45 AD/DAコンバータ
46 フラッシュメモリ
47 温度センサ
48 サンプル溶液

Claims (3)

  1. 半導体電極及び比較電極を備えたセンサ構成部と、記憶部と、該記憶部に記憶された情報に基づいて該センサ構成部を制御する制御部を有するpH計において、
    前記センサ構成部は、半導体電極をpH感度が経時的に変化し難い、又は、変化しないISFETからなるものとし、
    前記制御部は、校正モードにおいてゼロ校正のみを実行するようにあらかじめ設定されていることを特徴とするpH計。
  2. さらに、操作者からの入力を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部を有し、
    前記制御部は、前記操作部に対して第1のpH標準液のpH値の測定を指示する入力があったときに、前記センサ構成部において第1のpH標準液のpH値を検出し、該第1のpH標準液のpH値を前記記憶部に記憶させる第1の手順と、
    前記操作部に対して第2のpH標準液のpH値の測定を指示する入力があったときに、前記センサ構成部において第2のpH標準液のpH値を検出し、該第2のpH標準液の該pH値を前記記憶部に記憶させる第2の手順と、
    前記第1のpH標準液の前記pH値及び前記第2のpH標準液の前記pH値から前記センサ構成部におけるスロープ値を算出する第3の手順と、
    前記スロープ値と前記記憶部に記憶された基準値とを比較し、前記スロープ値と該基準値との差異が前記記憶部に記憶された許容値を超えている場合に、前記表示部に前記センサ構成部の洗浄を促す旨の情報を表示させる第4の手順を実行することを特徴とする請求項1に記載のpH計。
  3. 前記制御部は、前記第4の手順において、前記スロープ値と前記基準値との差異が前記許容値を超えていない場合に、前記第1のpH標準液の前記pH値に基づいてオフセット値を補正するゼロ校正を実行することを特徴とする請求項2に記載のpH計。
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