JP2018132093A - 変速装置 - Google Patents

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仁 伊澤
Hitoshi Izawa
仁 伊澤
小林 靖彦
Yasuhiko Kobayashi
靖彦 小林
拓 秋田
Hiroshi Akita
拓 秋田
和男 仁禮
Kazuo Nire
和男 仁禮
長谷川 善雄
Yoshio Hasegawa
善雄 長谷川
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を係合する際や解放する際の制御性の向上を図る。【解決手段】複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際および解放する際には、対象要素について、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して油圧制御装置を制御する。そして、この際には、トルク容量指令に基づく対象要素における摩擦材の被押圧力と、油圧制御装置の作動油の油温に基づく対象要素におけるピストンのフリクションと、に基づいて油圧指令を設定する。【選択図】図7

Description

本開示は、変速装置に関する。
従来、この種の変速装置としては、複数の係合要素を選択的に係合して複数の変速段を形成する変速機と、複数の係合要素に油圧を供給する油圧制御装置とを備え、目標トルク容量を実現するために、供給油圧指令値を用いて油圧制御装置を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−247380号公報
こうした変速装置では、複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際や解放する際には、対象要素において、ピストンの移動に対するフリクションが生じる。上述の変速装置では、このフリクションが適切に考慮されていないことから、供給油圧指令の精度ひいては制御性の向上に更に改善の余地がある。
本開示の変速装置は、複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を係合する際や解放する際の制御性の向上を図ることを主目的とする。
本開示の変速装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の変速装置は、
複数の係合要素を選択的に係合して複数の変速段を形成する変速機と、
前記複数の係合要素に油圧を供給する油圧制御装置と、
前記複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際および解放する際には、前記対象要素について、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して前記油圧制御装置を制御する制御装置と、
を備える変速装置であって、
前記制御装置は、前記トルク容量指令に基づく前記対象要素における摩擦材の被押圧力と、前記油圧制御装置の作動油の油温に基づく前記対象要素におけるピストンのフリクションと、に基づいて前記油圧指令を設定する、
ことを要旨とする。
この本開示の変速装置では、複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際および解放する際には、対象要素について、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して油圧制御装置を制御する。そして、この際には、トルク容量指令に基づく対象要素における摩擦材の被押圧力と、油圧制御装置の作動油の油温に基づく対象要素におけるピストンのフリクションと、に基づいて油圧指令を設定する。したがって、油温に基づくピストンのフリクション(油温に応じて変化するフリクション)を考慮して油圧指令を設定するから、このフリクションを考慮せずに或いはこのフリクションを一律の値として用いて油圧指令を設定するものに比して、油圧指令をより適切に設定することができる。この結果、対象要素を係合する際や解放する際の制御性の向上を図ることができる。ここで、「摩擦材の被押圧力」は、摩擦材がピストンから受ける力を意味する。
本開示の実施形態としての変速装置20を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図である。 自動変速機25を有する変速装置20の構成の概略を示す構成図である。 クラッチC1の構成の一例を示す構成図である。 自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2,ワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を表した作動表を示す説明図である。 油圧制御装置60の構成の概略を示す構成図である。 係合側要素および解放側要素についてのトルク容量指令および油圧指令の一例を示す説明図である。 変速ECU80により実行される油圧指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmとリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfとの関係の一例を示す説明図である。 ピストン55の仮被押圧力Fpitmpおよび油温Toとピストン55のフリクション絶対値との関係の一例を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の実施形態としての変速装置20を搭載する自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、自動変速機25を有する変速装置20の構成の概略を示す構成図である。
自動車10は、図1および図2に示すように、エンジン12と、エンジン12を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)16と、エンジン12のクランクシャフト14に取り付けられた流体伝動装置23と、エンジン12からの動力により駆動されるオイルポンプ24と、を備える。また、自動車10は、流体伝動装置23の出力側に入力軸26が接続されると共にギヤ機構42やデファレンシャルギヤ44を介して駆動輪18a,18bに出力軸28が接続されて入力軸26に入力された動力を変速して出力軸28に伝達する有段の自動変速機25と、オイルポンプ24からの作動油を流体伝動装置23や自動変速機25に供給する油圧制御装置60と、を備える。さらに、自動車10は、油圧制御装置60を制御することによって流体伝動装置23や自動変速機25を制御する変速機用電子制御ユニット(以下、「変速機ECU」という)80と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)17と、を備える。ここで、変速装置20としては、主として、自動変速機25,油圧制御装置60,変速機ECU80が該当する。
エンジンECU16は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートと、を備える。エンジンECU16には、クランクシャフト14に取り付けられたクランク角センサ14aからのクランク角θeなどのエンジン12の運転状態を検出する各種センサからの信号や、アクセルペダル91の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Acc,車速センサ98からの車速Vなどの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU16は、クランク角センサ14aからのクランク角θeに基づいてエンジン回転速度Neを演算している。また、エンジンECU16からは、スロットルバルブを駆動するスロットルモータへの駆動信号や燃料噴射弁への制御信号,点火プラグへの点火信号などが出力ポートを介して出力されている。
流体伝動装置23は、エンジン12のクランクシャフト14にフロントカバーを介して接続される入力側のポンプインペラや、自動変速機25の入力軸26に接続される出力側のタービンランナ,ポンプインペラおよびタービンランナの内側に配置されてタービンランナからポンプインペラへの作動油の流れを整流するステータ,ステータの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ,フロントカバーと入力軸26とを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ等を有するトルクコンバータとして構成されている。オイルポンプ24は、ポンプボディおよびポンプカバーからなるポンプアッセンブリや、流体伝動装置23のポンプインペラに接続される外歯ギヤ,外歯ギヤと噛合する内歯ギヤ等を有するギヤポンプとして構成されている。
自動変速機25は、8段変速式の変速機として構成されており、図2に示すように、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構30と、ラビニヨ式の第2遊星歯車機構35と、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための4つのクラッチC1〜C4,2つのブレーキB1,B2,ワンウェイクラッチF1と、を備える。
第1遊星歯車機構30は、外歯歯車であるサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ32と、互いに噛合すると共に一方がサンギヤ31に、他方がリングギヤ32に噛合する2つのピニオンギヤ33a,33bの組を自転自在(回転自在)かつ公転自在に複数保持するプラネタリキャリヤ34と、を有する。図示するように、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31は、トランスミッションケース22に固定されており、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34は、入力軸26に一体回転可能に連結されている。第1遊星歯車機構30は、いわゆる減速ギヤとして構成されており、入力要素であるプラネタリキャリヤ34に伝達された動力を減速して出力要素であるリングギヤ32から出力する。
第2遊星歯車機構35は、外歯歯車である第1サンギヤ36aおよび第2サンギヤ36bと、第1,第2サンギヤ36a,36bと同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ37と、第1サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、第2サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持するプラネタリキャリヤ39と、を有する。第2遊星歯車機構35のリングギヤ37は、自動変速機25の出力部材として機能し、入力軸26からリングギヤ37に伝達された動力は、ギヤ機構42やデファレンシャルギヤ44を介して左右の駆動輪18a,18bに伝達される。また、プラネタリキャリヤ39は、ワンウェイクラッチF1を介してトランスミッションケース22により支持され、プラネタリキャリヤ39の回転方向は、ワンウェイクラッチF1により一方向に制限される。
クラッチC1〜C4は、いずれも、ピストン,複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート),作動油が供給される油室(係合油室およびキャンセル油室),リターンスプリング,シール部材等により構成される油圧サーボを有し、2つの回転系を互いに接続すると共に両者の接続を解除する摩擦式油圧クラッチとして構成されている。また、ブレーキB1,B2は、いずれも、ピストン,複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート),作動油が供給される油室(係合油室およびキャンセル油室),リターンスプリング,シール部材等により構成される油圧サーボを有し、回転系を固定系に回転不能に固定すると共にその固定を解除する摩擦式油圧ブレーキとして構成されている。
ここで、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2のうちクラッチC1の構成の一例について、図3を用いて説明する。クラッチC2〜C4およびブレーキB1,B2については、クラッチC1と同様に考えることができる。図3に示すように、クラッチC1は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32に連結されるクラッチハブ51と、第2遊星歯車機構35の第1サンギヤ36aに連結されるクラッチドラム52と、両面に摩擦材53aが貼付されると共にクラッチハブ51に形成されたスプラインに嵌合される複数の摩擦プレート53と、クラッチドラム52の外筒部52a(クラッチハブ51と径方向で対向する部分)に形成されたスプラインに嵌合される複数のセパレータプレート54およびバッキングプレート54aと、複数の摩擦プレート53および複数のセパレータプレート54のうち最近接のセパレータプレート54を押圧する押圧部55aを有するピストン55と、を備える。ピストン55は、クラッチドラム52に対してクラッチC1の軸方向(図中左右方向)に移動自在となるようにクラッチドラム52の内筒部52bに嵌合される。ピストン55の内周部とクラッチドラム52の内筒部52bとの間には、ゴムなどにより形成されたシール部材58aが配置され、ピストン55の突出部55bとクラッチドラム52の中間筒部52cとの間には、ゴムなどにより形成されたシール部材58bが配置される。これにより、クラッチドラム52とピストン55との軸方向における間には、係合油室59aが画成される。クラッチドラム52の内筒部52bのうち軸方向におけるピストン55よりもクラッチハブ51側(図中右側)には、キャンセルプレート56が固定される。キャンセルプレート56の外筒部56aとピストン55の突出部55bとの間には、ゴムなどにより形成されたシール部材58cが配置される。これにより、ピストン55とキャンセルプレート56との軸方向における間には、係合油室59a内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室59bが画成される。ピストン55とキャンセルプレート56との間には、リターンスプリング57が配置される。このクラッチC1では、クラッチドラム52の内筒部52bに形成された油孔52hを介して係合油室59aに係合油圧(作動油)が供給されると、ピストン55がキャンセルプレート56に接近する側(図中右側)に移動し、複数の摩擦プレート53および複数のセパレータプレート54が押圧されて係合する。また、クラッチC1は、係合油室59aの係合油圧が油孔52hを介して排出されると、リターンスプリング57の付勢力によりピストン55がキャンセルプレート56から離間する側(図中左側)に移動し、複数の摩擦プレート53および複数のセパレータプレート54の押圧が解除されて係合が解除する。
クラッチC1は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第1サンギヤ36aとを互いに接続すると共に両者の接続を解除することができる。クラッチC2は、入力軸26と第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39とを互いに接続すると共に両者の接続を解除することができる。クラッチC3は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを互いに接続すると共に両者の接続を解除することができる。クラッチC4は、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを互いに接続すると共に両者の接続を解除することができる。
ブレーキB1は、第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bをトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共に第2サンギヤ36bのトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる。ブレーキB2は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39をトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共にプラネタリキャリヤ39のトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる。
ワンウェイクラッチF1は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39に連結(固定)されるインナーレースや、トランスミッションケース22に固定されるアウターレース,インナーレースとアウターレースとの間に配置されたトルク伝達部材(複数のスプラグ等)を有し、プラネタリキャリヤ39の一方向の回転のみを許容する。
これらのクラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2は、油圧制御装置60による作動油の給排を受けて動作する。図4に自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C4,ブレーキB1,B2,ワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を表した作動表を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2を図4の作動表に示す状態とすることにより、第1速〜第8速の前進段および第1速,第2速の後進段とを提供する。具体的には、図4に示すように、前進1速は、クラッチC1を係合すると共にクラッチC2〜C4およびブレーキB1,B2を解放することにより形成される。なお、前進1速は、エンジンブレーキ時には、ブレーキB2も係合される。前進2速は、クラッチC1およびブレーキB1を係合すると共にクラッチC2〜C4およびブレーキB2を解放することにより形成される。前進3速は、クラッチC1,C3を係合すると共にクラッチC2,C4およびブレーキB1,B2を解放することにより形成される。前進4速は、クラッチC1,C4を係合すると共にクラッチC2,C3およびブレーキB1,B2を解放することにより形成される。前進5速は、クラッチC1,C2を係合すると共にクラッチC3,C4およびブレーキB1,B2を解放することにより形成される。前進6速は、クラッチC2,C4を係合すると共にクラッチC1,C3およびブレーキB1,B2を解放することにより形成される。前進7速は、クラッチC2,C3を係合すると共にクラッチC1,C4およびブレーキB1,B2を解放することにより形成される。前進8速は、クラッチC2およびブレーキB1を係合すると共にクラッチC1,C3,C4およびブレーキB2を解放することにより形成される。後進1速は、クラッチC3およびブレーキB2を係合すると共にクラッチC1,C2,C4およびブレーキB1を解放することにより形成される。後進2速は、クラッチC4およびブレーキB2を係合すると共にクラッチC1〜C3およびブレーキB1を解放することにより形成される。
油圧制御装置60は、図5に示すように、オイルポンプ24から圧送される作動油の一部をクーラ71やギヤ,ベアリング等の潤滑対象72に供給しながら調圧してライン圧用油路63にライン圧PLを発生させるレギュレータバルブ62と、ライン圧用油路63のライン圧PLを調圧してクラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2の各油圧サーボに供給するリニアソレノイドバルブSLC1〜SLC4,SLB1,SLB2(SLC2〜SLC4とSLB1は図示省略)と、を備える。
変速機ECU80は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートと、を備える。変速機ECU80には、油圧制御装置60内の作動油の油温を検出する油温センサ68からの油温Toや、ライン圧PLを検出する油圧センサ69からのライン圧PL,シフトレバー95の位置を検出するシフトポジションセンサ96からのシフトポジションSP,車速センサ98からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。変速機ECU80からは、油圧制御装置60(リニアソレノイドバルブSLC1〜SLC4,SLB1,SLB2)への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
なお、エンジンECU16とブレーキECU17と変速機ECU80とは、相互に通信ポートを介して接続されており、相互に制御に必要な各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。変速機ECU80は、エンジン回転速度Neやイグニッションスイッチからのイグニッション信号,アクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度AccをエンジンECU16を介して通信により入力したり、ブレーキペダル93の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ94からのブレーキ開度BraをブレーキECU17を介して通信により入力したりしている。
こうして構成された本実施形態の自動車10に搭載される変速装置20では、変速機ECU80は、エンジン12の運転中に、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて自動変速機25の目標変速段が変更された(変速要求が行なわれた)ときには、変速制御として、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2のうち、係合すべき係合要素としての係合側要素が係合されると共に解放すべき係合要素としての解放側要素が解放されるように油圧制御装置60を制御する。例えば、前進第6速から前進第5速に切り替える際には、クラッチC1,C4がそれぞれ係合側要素,解放側要素に該当する。この変速制御の際には、係合側要素および解放側要素のそれぞれについて、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して油圧制御装置60を制御する。
図6は、係合側要素および解放側要素についてのトルク容量指令および油圧指令の一例を示す説明図である。係合側要素および解放側要素についてのトルク容量指令は、変速制御の開始からの時間に基づいて設定されるものとした。
変速制御が開始すると、係合側要素についてのトルク容量指令は、値0で保持されるように設定され、解放側要素についてのトルク容量指令は、係合状態のときの値が保持されるように設定される(時刻t11〜t12)。このとき、係合側要素についての油圧指令は、ストローク制御が実行されるように設定され、解放側要素についての油圧指令は、第1段階解放制御が実行されるように設定される。ストローク制御は、係合側要素のピストンと最近接の摩擦係合プレートとの隙間を詰める(ピストンをストロークさせる)ファストフィルと、その後に油圧を比較的低い待機圧で保持する低圧待機と、を行なう制御である。第1段階解放制御は、油圧を1段低下させて解放側要素をスリップ係合させる制御である。
続いて、係合側要素についてのトルク容量指令およびこれに基づく油圧指令は、トルク相制御が実行されるように設定され、解放側要素のトルク容量指令およびこれに基づく油圧指令は、第2段階解放制御が実行されるように設定される(時刻t12〜t13)。トルク相制御および第2段階解放制御は、係合側要素の油圧を徐々に上昇させると共に解放側要素の油圧を徐々に低下させて、トルクの伝達を変更前の変速段による伝達から変更後の変速段による伝達に変更する制御である。
そして、係合側要素についてのトルク容量指令およびこれに基づく基本油圧指令は、イナーシャ相制御,終期制御の順に実行されるように設定され、解放側要素についてのトルク容量指令およびこれに基づく基本油圧指令は、第3段階解放制御が実行されるように設定される(時刻t13〜)。イナーシャ相制御は、係合側要素の油圧を更に徐々に上昇させて、自動変速機25の入力軸26の回転速度Ninを変速後の変速段(目標変速段)に応じた回転速度に近づける制御である。終期制御は、係合側要素の油圧を更に上昇させる制御である。第3段階解放制御は、解放側要素の油圧を更に低下させる制御である。
次に、こうして構成された本実施形態の自動車10に搭載される変速装置20の動作、特に、変速制御における係合側要素および解放側要素のそれぞれについて、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定する際の動作について説明する。図7は、変速ECU80により実行される油圧指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、変速制御における係合側要素および解放側要素のそれぞれについて並列に繰り返し実行される。例えば、前進第6速から前進第5速に切り替える際には、クラッチC1,C4がそれぞれ係合側要素,解放側要素に該当するから、クラッチC1,C4のそれぞれについて図7のルーチンが並列に繰り返し実行される。なお、理解の容易のために、係合側要素や解放側要素の各部について、図3と同様の符号を付して(摩擦材53a,ピストン55,リターンスプリング57等として)説明する。
油圧指令設定ルーチンが実行されると、変速ECU80は、まず、油温Toや対象要素,対象要素のトルク容量指令Tc*,対象要素の係合側フラグEFなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、油温Toは、油温センサ68により検出されたものを入力するものとした。対象要素は、係合側要素および解放側要素のうち本ルーチンで対象としている係合要素(例えば、前進第6速から前進第5速に切り替える際におけるクラッチC1またはクラッチC4)である。対象要素のトルク容量指令Tc*は、変速制御の開始からの時間に応じて設定されたもの(図6参照)を入力するものとした。対象要素の係合側フラグEFは、対象要素を係合する際(対象要素が係合側要素であるとき)には値1が設定され、対象要素を解放する際(対象要素が解放側要素であるとき)には値0が設定されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、係合側要素についてのストローク制御(解放側要素についての第1段階解放制御)の完了前であるか完了後であるかを判定する(ステップS110)。この処理は、図6を参照すると、変速制御の開始から低圧待機の終了(イナーシャ相制御の開始)までの時間(時刻t11〜t12の時間)が経過したか否かを判定することにより、行なうことができる。
ステップS110で係合側要素についてのストローク制御の完了前であると判定されたときには、対象要素の係合側フラグEFの値を調べる(ステップS120)。そして、対象要素の係合側フラグEFが値1のときには、対象要素を係合する際である(対象要素が係合側要素である)と判断し、対象要素についてのストローク制御用の油圧指令を設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。一方、対象要素の係合側フラグEFが値0のときには、対象要素を解放する際である(対象要素が解放側要素である)と判断し、対象要素についての第1段階解放制御用の油圧指令を設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。
ステップS110で係合側要素についてのストローク制御の完了後であると判定されたときには、対象要素のトルク容量指令Tc*に基づいて、対象要素において摩擦材53aがピストン55から受ける力(以下、「被押圧力Ffm」という)を推定する(ステップS150)。ここで、対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmは、その摩擦材53aの摩擦係数μfおよび枚数Nfおよび有効半径Rfと、対象要素のトルク容量指令Tc*と、を用いて式(1)により推定することができる。対象要素における摩擦材53aの有効半径Rfは、その摩擦材53aの内径Rinと外径Routとを用いて式(2)により計算することができる。
Ffm=Tc*/(μf・Nf/Rf) (1)
Rf=2/3・(Rout3-Rin3)/(Rout2-Rin2) (2)
続いて、対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmに基づいて、対象要素の変形に伴うリターンスプリング57の縮み量(以下、「変形起因縮み量Drsdf」という)を推定する(ステップS160)。対象要素を係合する際には、ストローク制御が完了してトルク相制御が開始し、ピストン55が係合油室59aの油圧から受ける力(後述の被押圧力Fpi)がストローク制御の完了時相当の力よりも大きくなると、摩擦係合プレート(摩擦プレート53およびセパレータプレート54)や摩擦材53a,ピストン55,クラッチドラム52,シール部材58a,58b,58cなどが変形し、その分だけリターンスプリング57がストローク制御の完了時相当の長さに比して縮むと考えられる。また、対象要素を解放する際には、ピストン55の被押圧力Fpiがストローク制御の完了時相当の力以下になるまで、摩擦係合プレートなどが変形しているために、リターンスプリング57がストローク制御の完了時相当の長さに比して縮んでいると考えられる。対象要素におけるリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfは、これを考慮して推定されるものである。この対象要素におけるリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfは、対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmとリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfとの関係を予め実験や解析により定めてマップとして図示しないROMに記憶しておき、摩擦材53aの被押圧力Ffmが与えられると、このマップから対応するリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfを導出して推定するものとした。対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmとリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfとの関係の一例を図8に示す。なお、この関係は、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2のそれぞれについて定められる。図示するように、対象要素におけるリターンスプリング57の縮み量Drsdfは、対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmが大きいほど大きくなる傾向に設定される。これは、摩擦材53aの被押圧力Ffmが大きいほど、摩擦係合プレートなどの変形の程度が大きくなり、リターンスプリング57がより縮んでいると考えられるためである。
そして、対象要素におけるリターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfにリターンスプリング57のばね定数krsを乗じて、対象要素の変形に伴うリターンスプリング57の荷重(以下、「変形起因荷重Frsdf」という)を推定する(ステップS170)。そして、対象要素におけるリターンスプリング57の変形起因荷重Frsdfをそのリターンスプリング57の作動荷重Frs0に加えて、対象要素におけるリターンスプリング57の荷重Frsを推定する(ステップS180)。ここで、対象要素におけるリターンスプリング57の作動荷重Frs0は、対象要素におけるストローク制御の完了時相当の荷重を意味し、具体的には、対象要素を係合する際(対象要素が係合側要素である場合)には、対象要素の摩擦係合プレートの変形開始直前のリターンスプリング57の荷重を意味し、対象要素を解放する際(対象要素が解放側要素である場合)には、対象要素の摩擦係合プレートの変形解消直後のリターンスプリング57の荷重を意味する。このリターンスプリング57の作動荷重Frs0は、予め実験や解析により定められた値を用いることができる。
次に、対象要素における摩擦材53aの被押圧力Ffmとリターンスプリング57の荷重Frsとの和を、対象要素においてピストン55が係合油室59aの油圧により押圧される力(以下、「被押圧力Fpi」という)の仮の値(以下、「仮被押圧力Fpitmp」という)として推定する(ステップS190)。続いて、対象要素におけるピストン55の仮被押圧力Fpitmpと油温Toと係合側フラグEFとに基づいて、対象要素におけるピストン55のフリクションFpfを推定する(ステップS200)。
ここで、対象要素におけるピストン55のフリクションFpfは、ピストン55が係合側(摩擦係合プレートに接近する側)または解放側(摩擦係合プレートから離間する側)に移動する際のフリクションであり、例えば、シール部材58a,58b,58cによるフリクションを挙げることができる。このピストン55のフリクションFpfは、ピストン55の仮被押圧力Fpitmpおよび油温Toに基づいてフリクションFpfの絶対値(以下、「フリクション絶対値」という)を推定し、係合側フラグEFが値1のときにはピストン55のフリクション絶対値に値1を乗じてピストン55のフリクションFpfを推定し、係合側フラグEFが値0のときにはピストン55のフリクション絶対値に値(−1)を乗じてピストン55のフリクションFpfを推定するものとした。
対象要素におけるピストン55のフリクション絶対値は、ピストン55の仮被押圧力Fpitmpおよび油温Toとピストン55のフリクション絶対値との関係を予め実験や解析により定めてマップとして図示しないROMに記憶しておき、ピストン55の仮被押圧力Fpitmpおよび油温Toが与えられると、このマップから対応するピストン55のフリクション絶対値を導出して推定するものとした。ピストン55の仮被押圧力Fpitmpおよび油温Toとピストン55のフリクション絶対値との関係の一例を図9に示す。図示するように、ピストン55のフリクション絶対値は、ピストン55の被押圧力Fpitmpが大きいほど絶対値が大きくなる傾向に設定される。これは、ピストン55の被押圧力Fpitmpが大きいほどピストン55の垂直抗力やシール部材58a,58b,58cによる接触面積の増加などによりピストン55のフリクション絶対値が大きくなると考えられるためである。また、ピストン55のフリクション絶対値は、油温Toが所定範囲(値0付近の範囲)よりも高温側の領域では、油温Toが低いほど大きくなる傾向に設定され、油温Toが所定範囲よりも低温側の領域では、油温Toが低いほど小さくなる傾向に設定される。これは、油温Toが所定範囲よりも高温側の領域では、油温Toが低いほど作動油の粘性が低くなってピストン55のフリクション絶対値が小さくなり、油温Toが所定範囲よりも低温側の領域では、油温Toが低いほどシール部材58a,58b,58c(ゴムなどにより形成)が硬化することによってピストン55のフリクション絶対値が小さくなると考えられるためである。所定範囲は、作動油の粘性におけるフリクション絶対値の温度依存性の影響と、シール部材58a,58b,58cの硬度におけるフリクション絶対値の温度依存性の影響と、の大小関係が反転する境界付近の範囲として定められる。
ステップS200でピストン55のフリクションFpfを推定すると、推定したピストン55のフリクションFpfをピストン55の仮被押圧力Fpitmpに加えて、ピストン55の被押圧力Fpiを推定し(ステップS210)、推定したピストン55の被押圧力Fpiに基づいて油圧指令Po*を演算して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。ここで、油圧指令Po*の演算は、ピストン55の被押圧力Fpiをピストン55の面積で除することにより、行なうことができる。
このように、本実施形態では、係合側要素についてのストローク制御(解放側要素についての第1段階解放制御)の完了後には、対象要素(係合側要素または解放側要素)について、トルク容量指令Tc*に基づく摩擦材53aの被押圧力Ffmと、油圧制御装置60の作動油の油温Toに基づくピストン55のフリクションFpfと、に基づいて油圧指令Po*を設定して油圧制御装置60を制御する。これにより、ピストン55のフリクションFpfを考慮せずに或いはピストン55のフリクションFpfを一律の値として用いて油圧指令Po*を設定するものに比して、油圧指令Po*をより適切に設定することができる。この結果、対象要素を係合する際や解放する際の制御性の向上を図ることができる。しかも、油圧制御装置60の作動油の油温Toに加えて、対象要素を係合する際か解放する際か(対象要素が係合要素であるか解放側要素であるか)と、摩擦材53aの被押圧力Ffmとリターンスプリング57の荷重Frsとの和として得られるピストン55の仮被押圧力Fpitmpと、にも基づいてピストン55のフリクションFpfを推定する。これにより、ピストン55のフリクションFpfをより適切に推定することができ、油圧指令Po*をより適切に設定することができる。
また、本実施形態では、係合側要素についてのストローク制御の完了後には、対象要素について、摩擦材53aの被押圧力Ffmとピストン55のフリクションFpfとに加えて、リターンスプリング57の縮み量に基づくリターンスプリング57の荷重Frsにも基づいて対象要素の油圧指令Po*を設定する。これにより、油圧指令Po*をより適切に設定することができる。しかも、対象要素の変形に伴うリターンスプリング57の荷重である変形起因荷重Frsdfを考慮してリターンスプリング57の荷重Frsを推定する。これにより、対象要素の変形を考慮しない即ちこの変形に基づく変形起因荷重Frsdfを考慮しないものに比して、リターンスプリング57の荷重Frsをより適切に推定することができる。
上述の実施形態では、係合側要素についてのストローク制御の完了後には、対象要素について、油圧制御装置60の作動油の油温Toと、対象要素を係合する際か解放する際かと、摩擦材53aの被押圧力Ffmと、リターンスプリング57の荷重Frsと、に基づいてピストン55のフリクションFpfを推定するものとした。しかし、対象要素について、対象要素を係合する際か解放する際かと、摩擦材53aの被押圧力Ffmと、リターンスプリング57の荷重Frsと、のうちの少なくとも1つを考慮せずにピストン55のフリクションFpfを推定するものとしてもよい。例えば、対象要素について、油圧制御装置60の作動油の油温Toだけに基づいてピストン55のフリクションFpfを推定するものとしてもよい。
上述の実施形態では、係合側要素についてのストローク制御の完了後には、対象要素について、リターンスプリング57の荷重Frsを推定し、この摩擦材53aの被押圧力Ffmとリターンスプリング57の荷重Frsとの和として得られるピストン55の仮被押圧力Fpitmpに基づいて油圧指令Po*を設定するものとした。しかし、対象要素について、リターンスプリング57の荷重Frsとして一律の値(例えば、上述の作動荷重Frs0)を用いるものとしてもよい。
上述の実施形態では、係合側要素についてのストローク制御の完了後には、対象要素について、リターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfにリターンスプリング57のばね定数krsを乗じてリターンスプリング57の変形起因荷重Frsdfを推定し、そのリターンスプリング57の変形起因荷重Frsdfをリターンスプリング57の作動荷重Frs0に加えてリターンスプリング57の荷重Frsを推定するものとした。しかし、対象要素について、リターンスプリング57の、初期状態(係合油室59aに油圧が作用していない状態)からの縮み量Drsにリターンスプリング57のばね定数krsを乗じてリターンスプリング57の荷重Frsを推定するものとしてもよい。ここで、リターンスプリング57の初期状態からの縮み量Drsは、対象要素を係合する際のストローク制御の完了時相当のリターンスプリング57の縮み量Drsdf0と、リターンスプリング57の変形起因縮み量Drsdfと、の和として考えることができる。リターンスプリング57の縮み量Drsdf0は、予め実験や解析により定められた値を用いることができる。また、リターンスプリング57の縮み量Drsdf0とリターンスプリング57のばね定数krsとの積(Drsdf0・krs)は、上述のリターンスプリング57の作動荷重Frs0に相当する。
以上説明したように、複数の係合要素(C1〜C4,B1,B2)を選択的に係合して複数の変速段を形成する変速機(25)と、前記複数の係合要素(C1〜C4,B1,B2)に油圧を供給する油圧制御装置(60)と、前記複数の係合要素(C1〜C4,B1,B2)のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際および解放する際には、前記対象要素について、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して前記油圧制御装置(60)を制御する制御装置(80)と、を備える変速装置(20)であって、前記制御装置(80)は、前記トルク容量指令に基づく前記対象要素における摩擦材の被押圧力と、前記油圧制御装置の作動油の油温に基づく前記対象要素におけるピストンのフリクションと、に基づいて前記油圧指令を設定することを要旨とする。
この本開示の変速装置では、複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際および解放する際には、対象要素について、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して油圧制御装置を制御する。そして、この際には、トルク容量指令に基づく対象要素における摩擦材の被押圧力と、油圧制御装置の作動油の油温に基づく対象要素におけるピストンのフリクションと、に基づいて油圧指令を設定する。したがって、油温に基づくピストンのフリクション(油温に応じて変化するフリクション)を考慮して油圧指令を設定するから、このフリクションを考慮せずに或いはこのフリクションを一律の値として用いて油圧指令を設定するものに比して、油圧指令をより適切に設定することができる。この結果、対象要素を係合する際や解放する際の制御性の向上を図ることができる。ここで、「摩擦材の被押圧力」は、摩擦材がピストンから受ける力を意味する。
本開示の変速装置において、前記制御装置(80)は、前記油圧制御装置の作動油の油温が所定範囲よりも高温側の領域では、前記油温が低いほど大きくなる傾向に前記ピストンのフリクションを推定し、前記油圧制御装置の作動油の油温が前記所定範囲よりも低温側の領域では、前記油温が低いほど小さくなる傾向に前記ピストンのフリクションを推定するものとしてもよい。
本開示の変速装置において、前記制御装置(80)は、前記対象要素を係合する際か解放する際かに基づいて前記ピストンのフリクションを推定するものとしてもよい。また、前記制御装置は、前記摩擦材の被押圧力が大きいほど絶対値が大きくなる傾向に前記ピストンのフリクションを推定するものとしてもよい。これらのようにすれば、ピストンのフリクションをより適切に推定することができる。
本開示の変速装置において、前記制御装置(80)は、前記摩擦材の被押圧力と、前記対象要素におけるリターンスプリングの縮み量に基づく荷重と、の和に基づいて前記ピストンのフリクションを推定するものとしてもよい。この場合、前記リターンスプリングの荷重は、前記対象要素の変形に伴う前記リターンスプリングの荷重である変形起因荷重を含むものとしてもよい。これらのようにすれば、ピストンのフリクションをより適切に推定することができる。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、変速装置の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a クランク角センサ、16 エンジンECU、17 ブレーキECU、18a,18b 駆動輪、20 変速装置、22 トランスミッションケース、23 流体伝動装置、24 オイルポンプ、25 自動変速機、26 入力軸、28 出力軸、30 第1遊星歯車機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33a,33b ピニオンギヤ、34 プラネタリキャリヤ、35 第2遊星歯車機構、36a 第1サンギヤ、36b 第2サンギヤ、37 リングギヤ、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、39 プラネタリキャリヤ、42 ギヤ機構、44 デファレンシャルギヤ、51 クラッチハブ、52 クラッチドラム、52a 外筒部、52b 内筒部、52c 中間筒部、52h 油孔、53 摩擦プレート、53a 摩擦材、54 セパレータプレート、54a バッキングプレート、55 ピストン、55a 押圧部、55b 突出部、56 キャンセルプレート、56a 外筒部、57 リターンスプリング、58a,58b,58c シール部材、59a 係合油室、59b キャンセル油室、60 油圧制御装置、62 レギュレータバルブ、63 ライン圧用油路、68 油温センサ、69 油圧センサ、71 クーラ、72 潤滑対象、80 変速機ECU、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 ブレーキペダルポジションセンサ、95 シフトレバー、96 シフトポジションセンサ、98 車速センサ、C1〜C4 クラッチ、B1,B2 ブレーキ、F1 ワンウェイクラッチ、SLC1〜SLC4,SLB1,SLB2 リニアソレノイドバルブ。

Claims (6)

  1. 複数の係合要素を選択的に係合して複数の変速段を形成する変速機と、
    前記複数の係合要素に油圧を供給する油圧制御装置と、
    前記複数の係合要素のうちの何れかの係合要素を対象要素として係合する際および解放する際には、前記対象要素について、トルク容量指令に基づいて油圧指令を設定して前記油圧制御装置を制御する制御装置と、
    を備える変速装置であって、
    前記制御装置は、前記トルク容量指令に基づく前記対象要素における摩擦材の被押圧力と、前記油圧制御装置の作動油の油温に基づく前記対象要素におけるピストンのフリクションと、に基づいて前記油圧指令を設定する、
    変速装置。
  2. 請求項1記載の変速装置であって、
    前記制御装置は、前記油圧制御装置の作動油の油温が所定範囲よりも高温側の領域では、前記油温が低いほど大きくなる傾向に前記ピストンのフリクションを推定し、前記油圧制御装置の作動油の油温が前記所定範囲よりも低温側の領域では、前記油温が低いほど小さくなる傾向に前記ピストンのフリクションを推定する、
    変速装置。
  3. 請求項1または2記載の変速装置であって、
    前記制御装置は、前記対象要素を係合する際か解放する際かに基づいて前記ピストンのフリクションを推定する、
    変速装置。
  4. 請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の変速装置であって、
    前記制御装置は、前記摩擦材の被押圧力が大きいほど絶対値が大きくなる傾向に前記ピストンのフリクションを推定する、
    変速装置。
  5. 請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の変速装置であって、
    前記制御装置は、前記摩擦材の被押圧力と、前記対象要素におけるリターンスプリングの縮み量に基づく荷重と、の和に基づいて前記ピストンのフリクションを推定する、
    変速装置。
  6. 請求項5記載の変速装置であって、
    前記リターンスプリングの荷重は、前記対象要素の変形に伴う前記リターンスプリングの荷重である変形起因荷重を含む、
    変速装置。
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