JP2018131644A - スパッタリング装置用の回転式カソードユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】筒状のターゲットと、ターゲットを回転自在に支持する支持ブロックと、ターゲット内に当該ターゲットを冷却する流体を循環させる流体循環通路とを備えるスパッタリング装置用の回転式カソードユニットを十分な耐モーメント荷重性能を持ちながら、軸線方向寸法を短くできる構成とする回転式カソードユニットの提供。【解決手段】支持ブロックSb1がターゲットTgの軸線方向に沿ってのびる内筒体22と、内筒体と同心に配置され、ターゲットの軸線方向一端が連結されてターゲットと共に回転駆動される外筒体23とを有し、内筒体の内部空間が流体循環通路Fpの第1通路27を構成すると共に、内筒体と外筒体との間の空間が流体循環通路の第2通路28を構成し、外筒体が、支持ブロックのハウジング21に設けた単一の第1軸受24と、第1通路内に設けた第2軸受Brとを介して軸支されるスパッタリング装置用の回転式カソードユニット。【選択図】図2

Description

本発明は、スパッタリング装置に用いられる回転式カソードユニットに関する。
この種の回転式カソードユニットは例えば特許文献1で知られている。このものは、円筒状のターゲットと、ターゲットの軸線方向両端に夫々配置されてターゲットを回転自在に支持する一対の支持ブロックと、ターゲット内に当該ターゲットを冷却する流体を循環させる流体循環通路とを備える。一方の支持ブロックは、ターゲットの軸線方向に沿ってのびる内筒体と、内筒体と同心に配置されてターゲットの軸線方向一端が連結される外筒体とを有し、内筒体の内部空間が流体循環通路の第1通路を構成すると共に、内筒体と外筒体との間の空間が流体循環通路の第2通路を構成するようにしている。また、内筒体と外筒体との間には、内筒体の外表面と外筒体の内表面とに夫々接触して両者を電気的に接続して導通するブラシが設けられている。そして、ターゲットをスパッタリングする場合、スパッタ電源によりブラシから外筒体を介して例えば負の電位を持った所定電力がターゲットに投入されると共に、外筒体に連結された駆動手段により外筒体を回転駆動することで、ターゲットを軸線回りに回転駆動されるようになっている。
また、上記従来例のものでは、外筒体が一方の支持ブロックのハウジング内に設けた軸受(単列深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受)を介して軸支されている。ここで、ターゲットがその軸線回りに所定の回転速度で回転駆動される間、ターゲットが軸振れすると、ターゲット表面から基板表面までの距離が変化し、これでは、基板表面に膜厚の均一性よく成膜することができない。上記従来例のものでは、一方の支持ブロックのハウジング内に複数個の軸受を並設し、これらの軸受を介して外筒体を軸支させる構成を採用していたが、これでは、カソードユニットの軸線方向寸法(長さ)が長くなってしまい、ひいては、このカソードユニットを設けたスパッタリング装置の大型化を招来するという問題がある。そのため、単一の軸受を介して外筒体を軸支させることが考えられる。
ところで、上記従来例のものでは内筒体と外筒体との間にブラシが設けられているが、この種の回転式カソードユニットでは、外筒体(筒体)の外周面に面接触するようにブラシを設けるものも多々ある。ここで、筒体に対するブラシの相対回転により筒体表面をブラシが摺動すると、ブラシが削られて削り粉(パーティクル)が発生する。そして、様々な径で発生したパーティクルの中には、時間経過に伴う酸化等の影響を受け、高抵抗のパーティクルに変化するものもある。このような高抵抗のパーティクルが筒体表面とブラシとの摺動面に付着、侵入すると、筒体表面に対するブラシの真実接触面積がその付着、侵入したパーティクルにより増減し、ブラシから筒体を介してターゲットに電力投入するときの電路が、ブラシから直接筒体を経る経路と、ブラシからパーティクルを介して筒体を経る経路との2系統になってしまう。この場合、2系統の比率はパーティクル径や量によって変化しかつその2系統の電路となる真実接触面積の合計も変化することで、ブラシと筒体との抵抗値の変動を招く。結果として、当初設計時、筒体を軸支する軸受側に流れる電流は問題なかったとしても、ブラシと筒体との抵抗値変動に伴って無視できない電圧が軸受側に印加される場合がある。このとき、電流が転動体(玉)の軌道面を流れることで電食を生じる虞があり、これでは、転動体(玉)の軌道面が荒れて設計寿命を満たさなくなる。これを考慮して、単一の軸受を介して筒体を軸支させる場合、一般に全て鉄鋼や軸受鋼で製造される軸受を、電気回路の抵抗値が無限大となるように、例えば全セラミック製としたり、軸受の転動体(玉)のみを絶縁性部材(セラミックスボール)で構成したり、または、軸受の内輪や外輪を絶縁処理したりすることが考えられるが、これでは、加工が困難であったり、その製造や組み立てにおいて工程を増加させるという問題を招来する。
国際公開第2016/132663号パンフレット
本発明は、以上の点に鑑み、上記従来例のものと比較してその軸線方向寸法を短くできるスパッタリング装置用の回転式カソードユニットを提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の一の態様では、筒状のターゲットと、ターゲットを回転自在に支持する支持ブロックとを備えるスパッタリング装置用の回転式カソードユニットであって、支持ブロックが、ターゲットの軸線方向一端が連結されてターゲットと共に回転駆動される筒体とを有し、筒体表面を摺動するブラシから筒体を介してターゲットに電力投入されるようにしたものにおいて、筒体が単一の軸受を介して軸支され、この筒体に対するブラシの摺動面に侵入、付着してブラシと筒体との抵抗値を変動させるパーティクルを除去する除去手段が設けられることを特徴とする。
以上によれば、何等かの原因で高抵抗のパーティクルが筒体表面とブラシとの摺動面に付着、侵入しても、このようなパーティクルが除去手段により筒体表面とブラシとの摺動面から(系外に)可及的速やかに排出される。このため、ブラシと筒体との抵抗値の変動が防止されることで、ブラシと筒体との抵抗値変動に伴って無視できない電圧が軸受側に印加されることで軸受に電食が生じるといった問題は生じない。その結果、単一の軸受を介して筒体を軸支させることで上記従来例のものと比較してその軸線方向寸法を短くできる。なお、除去手段としては、気体や液体を用いるものが利用できる。
ところで、ターゲットの軸長や重量によっては、ターゲットが軸振れしないように筒体を軸支する軸受に十分な耐モーメント荷重性能が要求される場合がある。ここで、耐モーメント荷重性能を担保しようとする場合、少なくとも2個以上の軸受を用い、これらの軸受が軸線方向に離間配置されるように設計を行うことが一般的であるが、これでは、軸方向に長くなってしまう。そこで、上記課題を解決するために、本発明の他の態様では、筒状のターゲットと、ターゲットを回転自在に支持する支持ブロックと、ターゲット内に当該ターゲットを冷却する流体を循環させる流体循環通路とを備えるスパッタリング装置用の回転式カソードユニットであって、支持ブロックが、ターゲットの軸線方向に沿ってのびる内筒体と、内筒体と同心に配置され、ターゲットの軸線方向一端が連結されてターゲットと共に回転駆動される外筒体とを有し、内筒体の内部空間が流体循環通路の第1通路を構成すると共に、内筒体と外筒体との間の空間が流体循環通路の第2通路を構成するものにおいて、外筒体が、支持ブロックのハウジングに設けた単一の第1軸受と、流体循環通路の第1通路内に設けた第2軸受とを介して軸支されることを特徴とする。
以上によれば、外筒体を軸支するために支持ブロックのハウジング内に設けられる第1軸受を単一としたため、軸線方向寸法は短くて済む。そして、外筒体が、第1軸受から軸線方向に離間した、第1通路内の第2軸受を介して更に軸支されているため、耐モーメント荷重性能が向上する。また、第1通路内に第2軸受を設ける構成を採用したため、従来なら外筒体に外挿される第2軸受の予定位置に、他の機能部品(接触式シール、ブラシ等)を設けることもできる。その結果、上記従来例のものと同等の十分な耐モーメント荷重性能を持ちながら、汎用の接触式シールを設けて媒体と真空との絶縁を行うことができ、または、上記従来例のものと比較して、並設される軸受の数だけその軸線方向寸法を短くできる構成が実現できる。
本発明において、内筒体と外筒体とが導電性を有し、ターゲットに例えば負の電位を持った所定電力を投入するために内筒体とターゲットとを同電位にするような場合、前記第2軸受を、第1通路に配置されて内筒体と外筒体とが相対回転される間、当該内筒体と当該外筒体とを導通するブラシで兼用することが好ましい。これによれば、部品点数を少なくでき、低コストを図れる等、有利である。
回転式カソードユニットを説明する正面図。 図1に示す回転式カソードユニットの一方の支持ブロックを示す拡大断面図。 流体循環通路内に設けられるブラシを説明する斜視図。
以下、図面を参照して、本発明のスパッタリング装置用の回転式カソードユニットの実施形態を説明する。以下において、回転式カソードユニットは水平姿勢で図外の真空チャンバに配置されるものとし、鉛直方向としての「上」、「下」並びに軸線方向としての「右」、「左」といった方向は図1を基準にする。この場合、軸線方向一方が図1中、右側、軸線方向他方が図1中、左側に対応する。
図1を参照して、RCは、本発明の実施形態の回転式カソードユニットであり、図外の真空チャンバ内で成膜対象物たる基板Wに上下方向で間隔を存して対向配置される円筒状のターゲットTgを備える。ターゲットTgは、筒状のバッキングチューブ11と、バッキングチューブ11にインジウムやスズなどのボンディング材(図示せず)を介して接合される筒状のターゲット材12とで構成される。ターゲット材12としては、基板Wに成膜しようとする膜の組成に応じて金属や金属化合物の中から適宜選択されたものが用いられる。
バッキングチューブ11は、ターゲットTgの左右方向略全長に亘ってのびる外管13に外挿され、外管13内には同心に内管14が設けられている。外管13の左右方向両端の開口はキャップ体15,15で夫々閉塞され、キャップ体15,15には軸線方向の透孔15aが夫々開設されている。そして、内管14の内部空間が、例えばターゲット材12のスパッタリング中、冷却水等の流体を循環させてターゲット材12を冷却するための流体循環通路Fpの第1往路16を構成し、外管13と内管14との間の空間が流体循環通路Fpの第1復路17を構成する。この場合、特に図示して説明しないが、例えば外管13と内管14との間の空間に公知の構造を持つ磁石ユニットを組み込み、ターゲット材12のスパッタリング中、基板WとターゲットTgとの間の空間に磁場の垂直成分がゼロとなる位置を通る線がターゲット材12の軸線方向略全長に沿ってのびてレーストラック状となる漏洩磁場を発生させるようにしている。
なお、本実施形態では、内管14と外管13とを同心に配置した二重管構造のものを例示するが、これに限定されるものではなく、ターゲットTgを支持しつつ第1往路16と第1復路17とを設けることができるものであればその形態は問わない。ターゲットTgは、その軸線方向両端にクランプCpを介して夫々連結した一対の支持ブロックSb,Sbで支持される。クランプCpとしては、その着脱が容易なものであれば特に制限はなく、公知のものが利用できる。
軸線方向一方(図1中、右側)の支持ブロックSbは、図2に示すように、ハウジング21を備え、ハウジング21の右内壁には左右方向にのびる内筒体22が立設され、内筒体22の左端が内管14に液密に連結されている。ハウジング21に固定の内筒体22の周囲には、この内筒体22と同心に外筒体23が配置されている。外筒体23は、単一の軸受24を介してハウジング21に内挿された支持部材25で軸支されている。軸受24としては、一般に全て鉄鋼や軸受鋼で製造される単列深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、四点接触玉軸受またはクロスローラ軸受等が用いられる。外筒体23にはまた、軸受24の右側に位置させて、グリス溜まり26aを持つ単一のオイルシール26が外挿されている。この場合、グリス溜まり26aが後述の第2復路に面する姿勢で設けられている。この場合、オイルシール26と軸受24との間の隙間や、オイルシール26のダストリップ部と外筒体23との間の隙間をグリス溜まり26aとしてもよい。なお、特に図示して説明しないが、グリス溜まり26a内のグリスが軸受24に有効に供給されるようにするために、グリス溜まり26aに、グリスの流出を防止する接触式または非接触式のシールド板を付設しておくことが好ましい。
外筒体23の左端には取付フランジAfが設けられ、取付フランジAfに装着したOリングFsにバッキングチューブ11の右端を重ね合わせ、この状態でクランプCpにより連結されている。そして、内筒体22の内部空間が流体循環通路Fpの第1通路としての第2往路27を形成し、内筒体22と外筒体23との間の空間が流体循環通路Fpの第2通路としての第2復路28を構成する。外筒体23の内周面にはまた、径方向にくぼむ環状の凹部23aが形成され、この凹部23aを介して第2復路28内には、内筒体22の外表面と外筒体23の内表面とに夫々接触して両者を電気的に接続して導通するブラシBrが嵌着されている。本実施形態では、軸受24が第1軸受を、ブラシBrが第2軸受を構成するようにしている。
ブラシBrは、図3に示すように、内筒体22や外筒体23の材質に対して優先的に削られる材質、例えばグラファイト製であり、第1ブラシ片3と第2ブラシ片4とで構成される。第1ブラシ片3と第2ブラシ片4とは、例えば、次のように作製されている。即ち、内筒体22と外筒体23との間の径方向の長さと同等の肉厚を持ち、第2復路28内に挿設可能な筒状部材(図示せず)を、径方向に略等間隔で複数の円弧部分に分割する。このとき、この分割面を径方向に対して異なる方向に交互に傾斜させることで、径方向外方に向かって先細りなるテーパ状の分割面を持つ一方の円弧部分と、径方向外方に向かって末拡がりなテーパ状の分割面を持つ他方の円弧部分とし、一方の円弧部分を第1ブラシ片3、他方の円弧部分を第2ブラシ片4としている。これにより、第1ブラシ片3は、内筒体22の外周面22aに面接触する内壁面3aを持つと共に、第2ブラシ片4が外筒体23の内周面23bに面接触する外壁面4aを持ち、第1ブラシ片3と第2ブラシ片4との夫々分割面としての側壁面3b,4bが径方向に対して傾斜するテーパ状に形成されて互いに面接触する。
また、第1ブラシ片3と第2ブラシ片4とを第2復路28に挿設した状態で、第1ブラシ片3の外壁面3cと外筒体23の内周面23bとの間に空間5aが形成されるように第1ブラシ片3の外壁面3cを上記筒状部材の同心の円弧に沿って切削すると共に、第2ブラシ片4の内壁面4cと内筒体22の外周面22aとの間に空間5bが設けられるように第2ブラシ片4の内壁面4cを筒状部材の同心の円弧に沿って切削している。これにより、第1ブラシ片3がその内壁面3aと同心の円弧状に湾曲する外壁面3cを有し、第2ブラシ片4がその外壁面4aと同心の円弧状に湾曲する内壁面4cを有する。そして、第1ブラシ片3の外壁面3cとこの外壁面3cから径方向外方に延出する第2ブラシ片4の側壁面4b,4bとで及び、第2ブラシ片4の内壁面4cとこの内壁面4cから径方向内方に延出する第1ブラシ片3の側壁面3b,3bとで流体の通過を許容する第2復路28の通路部分が画成される。
更に、第1ブラシ片3と第2ブラシ片4とを第2復路28に挿設するとき、第1ブラシ片3の1個を省略し、この省略される第1ブラシ片3両側に位置する第2ブラシ片4の側壁面4b間には、両第2ブラシ片4に対して離間方向の付勢力を付与する付勢手段としてのコイルばね6が縮設されている。この場合、同一のばね定数を持つ3本のコイルばね6を軸線方向に等間隔で配置している。この場合、コイルばね6には、必要に応じて撓みや座屈を防止する公知の機構を設けるようにしてもよい。なお、ブラシBrを第2軸受と見立てた場合のラジアル方向の許容荷重は、コイルばね6の付勢力、第1ブラシ片3の側壁面3bと第2ブラシ片4の側壁面4bとの間の摩擦係数、及び、傾き角度に基づく分力を数式で表し、付勢力、摩擦係数、角度を適宜求めることで所望の荷重を担保することが可能となる。
また、ハウジング21には、内部に元往路7aと元復路7bとが夫々設けられた導電性の元管7が設けられ、一端がハウジング21を貫通して内筒体22までのびて元往路7aが第2往路27に連通し、元復路7bが第2復路28に連通している。元管7の他端は、公知の構造を有するチラーユニットChに接続されている。また、元管7には、図外のスパッタ電源からの出力ケーブルPkが接続されている。これにより、ターゲットTgを回転駆動しながら、スパッタ電源からの出力ケーブルPkを介してターゲットTgに例えば負の電位を持った所定電力を投入することができる。
軸線方向他方(図1中、左側)の支持ブロックSbは、ハウジング81を備え、ハウジング81内には、左右方向にのびる駆動軸82が設けられている。駆動軸82は、転がり玉軸受け等の単一の軸受83を介してハウジング81に内挿された支持部材84で軸支されている。なお、特に図示して説明しないが、駆動軸82の右端には取付フランジが設けられ、上記一方の支持ブロックSbと同様、取付フランジに装着したOリングにバッキングチューブ11の左端を重ね合わせ、この状態でクランプCpにより連結されている。これにより、両支持ブロックSb,SbでターゲットTgを回転自在に支持したときの軸芯のずれを吸収するようにしている。また、駆動軸82には、ターゲットTgを回転駆動する駆動手段9が設けられている。駆動手段9は、モータ91と、モータ91の出力軸に設けたプーリー92と駆動軸82との間に巻き掛けられるベルト93とを備える。これにより、モータ91によってターゲットTgを所定の速度で回転駆動することができる。この場合、他方の支持ブロックSb側での耐モーメント荷重性能を向上させるため、駆動軸82の左側に小径軸部82aを突設し、単列深溝玉軸受等の単一の軸受85を介して支持部材84で軸支されるようにしている。なお、ブラシBrについては、第2軸受としても機能し得るものであれば、その形態は上記のものに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、駆動軸82の左側に小径軸部82aを突設したものを例に説明したが、これに限定されるものではない。更に軸長を短くしたい場合には、駆動軸82に左側に小径軸部82aを突設した部分を凹設し、プーリー92内に単一の軸受85を収納し、軸受85左面をベルト93左面と同一線から右側に配置すると共に、ハウジング81から小径軸部82aに相当する部位に同様の小径軸部を突設し、この小径軸部を介して軸支する構成とすれば、ハウジング81の厚み+ベルト93幅+単一の軸受83幅で最短の支持ブロックを構成することが可能となる。
以上の実施形態によれば、外筒体23を軸支するために支持ブロックSbのハウジング21内に設けられる第1軸受24を単一としたため、軸線方向寸法は短くて済む。しかも、外筒体23が、第1軸受24から軸線方向に離間した、流体循環通路Fpの第2復路28内のブラシBrを介して更に軸支されているため、耐モーメント荷重性能が向上する。その結果、本実施形態の回転式カソードユニットRCは、十分な耐モーメント荷重性能を持ちながら、上記従来例のものと比較して、並設される軸受の数だけその軸線方向寸法を短くできる構成が実現できる。また、ブラシBrを第2軸受として兼用したため、部品点数を少なくでき、低コストを図れる等、有利である。
ところで、外筒体23を摺動するブラシBrから外筒体23を介してターゲットTgに電力投入する場合、外筒体23に対するブラシBrの相対回転により外筒体23表面をブラシBrが摺動すると、ブラシBrが削られて削り粉(パーティクル)が発生する。そして、様々な径で発生したパーティクルの中には、時間経過に伴う酸化等の影響を受け、高抵抗のパーティクルに変化するものもある。このような高抵抗のパーティクルが外筒体23とブラシBrとの摺動面に付着、侵入すると、外筒体23表面に対するブラシBrの真実接触面積がその付着、侵入したパーティクルにより増減し、ブラシBrから外筒体23を介してターゲットTgに電力投入するときの電路が、ブラシBrから直接外筒体23を経る経路と、ブラシBrからパーティクルを介して外筒体23を経る経路との2系統になってしまう。この場合、2系統の比率はパーティクル径や量によって変化しかつその2系統の電路となる真実接触面積の合計も変化することで、ブラシBrと外筒体23との抵抗値の変動を招く。結果として、当初設計時、第1軸受24に流れる電流は問題なかったとしても、ブラシBrと外筒体23との抵抗値変動に伴って無視できない電圧が第1軸受24に印加される場合がある。このとき、電流が転動体(玉)の軌道面を流れることで電食を生じる虞があり、これでは、転動体(玉)の軌道面が荒れて設計寿命を満たさなくなる。
それに対して、上記実施形態では、ブラシBrが流体循環通路Fpの第2復路28内に設けられているため、流体循環通路Fpを流れる流体が除去手段としての役割を果たすことで、パーティクルが外筒体23とブラシBrとの摺動面から(系外に)可及的速やかに排出される。このため、ブラシBrと外筒体23との抵抗値の変動が防止されることで、ブラシBrと外筒体23との抵抗値変動に伴って無視できない電圧が第1軸受24に印加されることで第1軸受24に電食が生じるといった問題は生じない。なお、流体循環通路Fp内を流体が流れても、外筒体23とブラシBrとの摺動面から全てのパーティクルが排出されるものではなく、その一部が残存するが、本実施形態のようにブラシBrをグラファイト製にしておけば、その削り粉が潤滑剤としての役割を果たすため、グリス等の潤滑剤やこれを摺動面に供給するために機構が不要にできる。ここで、パーティクルを除去しないブラシを採用した従来技術の場合、本発明の属する技術分野の支持ブロックでは、その高電圧印加により軸受の電食は避けられないと考えることが常識であり、またそれが事実であったが、発明者らは、安定した抵抗値を実現する本発明を適用すれば非絶縁性の軸受であっても電食は生じないことを実施確認できた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記のものに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。上記実施形態では、外筒体23を軸支する単一の軸受24を第1軸受、ブラシBrを第2軸受としたものを例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2軸受としてのブラシBrを用いず、第1軸受24同様の単列深溝玉軸受を流体循環通路Fpの第2復路28内に設けることができる。このとき、球軸受にはその軸線方向に流体通路を設ける必要があることから、その流路を確保する都合上、球軸受側面にシールド板を設けていない物を利用することになる。当然ではあるが、保持器も流路の阻害容易となることから極小とすべきである。また、ターゲット材12を冷却するための冷媒として潤滑を兼用するオイル等とすることができる。
また、本発明の他の態様に係る実施形態では、上記形態または他の公知の形態のブラシを外筒体23の外表面を摺動するように設けることができ、このような場合には、支持部材25に気体供給管(図示せず)を設け、気体供給管から外筒体23に対するブラシBrの摺動面に気体を吹き付けるように構成しておけば、ブラシBrが削られることで発生する削り粉(パーティクル)を、外筒体23とブラシBrとの摺動面に侵入、付着したりすることなく、系外に排出できる。この場合、気体供給管が除去手段としての役割を果たす。なお、削り粉に気体を吹き付ける場合、その削り粉が周囲に撒き散らされないように、例えば、吸引式の捕集器を併用することが好ましい。
RC…回転式カソードユニット、Br…ブラシ(第2軸受)、Cp…クランプ、Fp…流体循環通路、Sb,Sb…支持ブロック、Tg…ターゲット、22…内筒体、23…外筒体、24…玉軸受(第1軸受)、27…第2往路(第1通路)、28…第2復路(第2通路)。

Claims (3)

  1. 筒状のターゲットと、ターゲットを回転自在に支持する支持ブロックとを備えるスパッタリング装置用の回転式カソードユニットであって、
    支持ブロックが、ターゲットの軸線方向一端が連結されてターゲットと共に回転駆動される筒体とを有し、筒体表面を摺動するブラシから筒体を介してターゲットに電力投入されるようにしたものにおいて、
    筒体が単一の軸受を介して軸支され、この筒体に対するブラシの摺動面に侵入、付着してブラシと筒体との抵抗値を変動させるパーティクルを除去する除去手段が設けられることを特徴とする回転式カソードユニット。
  2. 筒状のターゲットと、ターゲットを回転自在に支持する支持ブロックと、ターゲット内に当該ターゲットを冷却する流体を循環させる流体循環通路とを備えるスパッタリング装置用の回転式カソードユニットであって、
    支持ブロックが、ターゲットの軸線方向に沿ってのびる内筒体と、内筒体と同心に配置され、ターゲットの軸線方向一端が連結されてターゲットと共に回転駆動される外筒体とを有し、内筒体の内部空間が流体循環通路の第1通路を構成すると共に、内筒体と外筒体との間の空間が流体循環通路の第2通路を構成するものにおいて、
    外筒体が、支持ブロックのハウジングに設けた単一の第1軸受と、流体循環通路の第1通路内に設けた第2軸受とを介して軸支されることを特徴とするスパッタリング装置用の回転式カソードユニット。
  3. 請求項2記載のスパッタリング装置用の回転式カソードユニットであって、内筒体と外筒体とが導電性を有するものにおいて、
    前記第2軸受を、第1通路に配置されて内筒体と外筒体とが相対回転される間、当該内筒体と当該外筒体とを導通するブラシで兼用したことを特徴とするスパッタリング装置用の回転式カソードユニット。

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