JP2018131423A - 上気道感染症予防又は上気道感染症状緩和用経口組成物 - Google Patents

上気道感染症予防又は上気道感染症状緩和用経口組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、25−ヒドロキシコレカルシフェロールの上気道感染症予防又は緩和効果を与えるために、必要十分量の25−ヒドロキシコレカルシフェロールが安定化されている組成物を提供することを課題とする。【解決手段】25−ヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とする上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物。【選択図】図2

Description

本発明は、上気道感染症予防又は上気道感染症状緩和用経口組成物に関する。
上気道は、鼻孔から喉頭(気管末端)までの範囲の器官をいう。かぜなどの症状を引き起こすウイルス類が鼻粘膜から咽頭粘膜に感染し、これらの部位にウイルスが増殖することによって、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛みなどの症状があらわれる場合を医学上、上気道感染症(かぜ症候群)としている。なお、上気道に感染したウイルスが気管から呼吸細気管支まで移行し、これらの部位で増殖することにより気管支炎の症状があらわれることを下気道感染症と呼ぶ。
通常の上気道感染症(かぜ症候群)であれば、体力があれば自然に治癒し、1週間程度で回復する。原因となる微生物としてはウイルスが大部分で、全体の80〜90%を占め、残りは一般細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどである。ウイルスの中ではライノウイルス、コロナウイルスが多く、これに続くのがRSウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスである。これらのウイルスには季節的流行の特徴があり、ライノウイルスは春と秋、コロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスは冬に多い傾向があるといわれている。上気道感染症の防御のためには、手洗い・うがいをすること、バランスのとれた食事を摂ること、十分な睡眠時間を取るなどの日常習慣の励行が推奨されている。
また、いわゆるかぜ症候群に対する予防にビタミンDの摂取が効果的であるといわれている。
ビタミンD(vitamin D)は、ビタミンの一種であり、脂溶性ビタミンに分類される。ビタミンDはさらにビタミンD(エルゴカルシフェロール、Ergocalciferol)とビタミンD(コレカルシフェロール、Cholecalciferol)に分けられる。ビタミンDは植物に、ビタミンDは動物に多く含まれ、ヒトではビタミンDが重要な働きを果たしている。ビタミンD欠乏は、日光への不十分な曝露、不十分な食事摂取、栄養成分吸収減退、異常代謝に関係している。また、ビタミンD欠乏は、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症、高血圧症、心血管疾患、統合失調症、うつ病、神経系疾患、糖尿病、感染症、喘息、アレルギー、ガン、およびいくつかの自己免疫病に関わることが知られている。
ビタミンD(コレカルシフェロール)は、肝臓でC25の位置でヒドロキシ化の代謝を受け、25−ヒドロキシコレカルシフェロール(別名25(OH)D、カルシフェジオール)へと変化し肝細胞に貯えられ、必要なときにα−グロブリンと結合しリンパ液中に放出される。この代謝物を含めてビタミンDとして利用されている。
近年、このビタミンDの代謝物である25−ヒドロキシコレカルシフェロールの作用が注目を集めている。例えば筋肉の発達促進(特許文献1)、高血糖の改善(特許文献2)、高血圧症の改善(特許文献3)、生殖能力の改善(特許文献4)、エオタキシンの増加に伴って発症するアレルギー疾患の改善(特許文献5)などが代表的な作用である。
また特許文献6には、ビタミンD代謝物(25(OH)D)の20位の誘導体が、強い炎症性呼吸器疾患や感染症を治療できることが記載されている。
上記したようにビタミンDは、肝臓によって25−ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)に代謝される。次に肝臓または腎臓内で1,25−ジヒドロキシビタミンDに変換される。ビタミンD代謝物は、血漿中で担体タンパク質に結合され、身体全体に分布する。血清25(OH)Dレベルは、ビタミンDの体内貯蔵レベルを反映し、ビタミンD欠乏の臨床症状と相関するといわれている。しかしその有効性レベルを維持するための投与量をどのように定めるべきかについては、全く不明である。
一方、上記した上気道感染症の原因の一つであるインフルエンザの流行と血液中の25(OH)Dレベルに重要な関係があることが非特許文献1に紹介されている。ここではビタミンDとして800IU/日投与することで風邪の発症の季節性がなくなることが紹介されている。ところが、その後の臨床試験では、ビタミンDに有意な上気道感染症予防効果が認められないという試験結果が得られたとの報告もあり、ビタミンDの上気道感染症に対する有効性については混沌とした状態にあるといっても過言ではない。
また、25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D)は、化学的に極めて不安定なことが知られている。特に酸化による影響が大きい。通常、空気中で酸化されてその活性を速やかに消失することが知られている。特許文献7には、ビタミンDと油成分、ポリグリセリン脂肪酸エステル多価アルコールを含む安定なマイクロエマルジョンの技術が開示されている。特許文献8には、活性型ビタミンD類を塩基性高分子物質中に分散してなる安定化組成物が記載されている。
特許第5593550号公報 特許第5691072号公報 特表2011−511826号公報 特表2009−504699号公報 特表2013−545766号公報 特許第3992297号公報 特開平11−236330号公報 特開平05−279260号公報
ビタミン広報センター発行ニュースレター:2009年9月公開「インフルエンザに対する免疫力の検証」 http://www.vic-japan.gr.jp/
本発明者は、ビタミンD代謝物である25−ヒドロキシコレカルシフェロールの上気道感染症に対する効果を検証する過程で、ヒトにおける上気道感染症を予防又は緩和する有効な25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中有効濃度を明らかにし、さらにその効果を得るための有効投与量を明らかにした。またこの有効投与量は投与する製剤中の25−ヒドロキシコレカルシフェロールの安定性に依存していることに着目し、上気道感染症に対する予防又は緩和効果をより確実にするための組成を見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、25−ヒドロキシコレカルシフェロールの上気道感染症予防又は緩和効果を与えるために、必要十分量の25−ヒドロキシコレカルシフェロールが安定化された経口組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は以下の通りである。
(1)25−ヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とする上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物。
(2)25−ヒドロキシコレカルシフェロール10μg以上を1日一回摂取することができるように調製された25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中濃度が30ng/mLに満たないヒトのための(1)に記載の経口組成物。
(3)25−ヒドロキシコレカルシフェロールの長期間安定性を有する(1)又は(2)に記載の経口組成物。
(4)酵素分解大豆レシチン又はライスレシチンオイルから選ばれる1以上のレシチンを含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の経口組成物。
(5)縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸及びモノラウリン酸ソルビタンから選ばれる1以上の界面活性剤を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の経口組成物。
(6)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチメセルロースから選択される1以上のセルロース誘導体を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の経口組成物。
(7)酵素分解大豆レシチン又はライスレシチンオイルから選ばれる1以上のレシチンと、縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸及びモノラウリン酸ソルビタンから選ばれる1以上の界面活性剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースから選択される1以上のセルロース誘導体を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の経口組成物。
(8)1日用量として25−ヒドロキシコレカルシフェロールを10〜35μg含有する(1)〜(7)のいずれかに記載の経口組成物。
本発明により、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを1日当たり10μg投与することができる、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物が提供される。この組成物は、日常的に摂取することで血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持することができる。
また、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物であって、血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持するために組成物中に含有される25−ヒドロキシコレカルシフェロール(ビタミンD代謝物)が安定化された経口用組成物を提供できる。
臨床試験1において、プラセボ、ビタミンD、25(OH)Dを投与した被験者の投与前後の血中25(OH)D濃度を示すグラフである。 本発明の組成物(酵素分解大豆レシチン、ライスレシチンオイル含有)の25(OH)Dの安定性試験の結果を示すグラフである。 本発明の組成物(縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸、およびモノラウリン酸ソルビタン含有)の25(OH)Dの安定性試験の結果を示すグラフである。 本発明の組成物(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース含有)の25(OH)Dの安定性試験の結果を示すグラフである。
本発明は、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とする上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物に係る発明である。
25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、25(OH)Dとも表記される化合物であって、海外及びわが国においては飼料用添加物として市販されており、これを本発明に用いることができる。なお、本発明に用いられる25−ヒドロキシコレカルシフェロールについて、本願明細書においてはビタミンD代謝物、25OHD3、25OHDと記載する場合がある。尚、25OHDと記載しているものは、25OHDに加えて25OHDも含まれる場合がある(後述する臨床試験において血清25-hydroxyvitamin D濃度はRIA2抗体法にて測定した為、食事の内容により25OHDが含まれるケースが想定できるが、本試験ではほとんど無視できるレベルと考えられる)。
ヒトにおいて、本発明でいうところの、上気道感染症予防又は上気道感染症状緩和効果を得るためには、日常的に血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロールの濃度を30ng/mLを超えるようにする必要がある。このためには日常、毎日25−ヒドロキシコレカルシフェロールを10μg以上摂取できるような組成物を投与する必要がある。なお25−ヒドロキシコレカルシフェロールやビタミンD類は、高用量を摂取すると有害作用をもたらす場合があるため、1日の25−ヒドロキシコレカルシフェロールの摂取量又は投与量は、この量を大幅に超過しないようにし、35μg以下とすることが好ましい。
また、本願発明者らの研究によると、25−ヒドロキシコレカルシフェロールの通常の錠剤は、調製直後から速やかにその含有量が減じていくことが確認された。これを防ぐためには、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを含む組成物もしくは製剤には、酵素分解大豆レシチン及びライスレシチンオイルから選ばれる1以上のレシチンを配合するか、縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸およびモノラウリン酸ソルビタンから選ばれる1以上の界面活性剤を配合するか、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースのいずれか1以上を配合するかしなければならない。あるはこれらの全てを配合しなければならない。かくすることで、調製した組成物中の25−ヒドロキシコレカルシフェロールが長期間安定化し、日常的に1日用量として、25−ヒドロキシコレカルシフェロール10〜35μgを含む本発明組成物を経口で投与することによって、血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロールの濃度を、常時30ng/mLを超えて維持することができる。
本発明で用いる大豆レシチンとは、大豆油を得る工程で、脱ガム工程によって得られる水和物であり、レシチンとその他リン脂質を含む。本発明においては食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
酵素分解大豆レシチンとは、リゾレシチンとも呼ばれ、大豆レシチンを酵素処理したものである。大豆レシチンと同様に食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
ライスレシチンオイルとは、米油精製工程において、大豆レシチンと同様に脱ガム工程によって得られる水和物であり、レシチンとその他リン脂質を含む。本発明においては食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
本発明の組成物を得るためには、25−ヒドロキシコレカルシフェロールをエタノールなどの溶媒に溶解させる。溶媒としては水又はエタノールが好ましい。この溶解液を酵素分解大豆レシチン、ライスレシチンオイルから選択される1以上のレシチン(以下「レシチン類」)と均質に混合し、混合終了後25−ヒドロキシコレカルシフェロールを含むレシチン類を乾燥させて溶媒を除去することで得ることができる。混合に当たっては、25−ヒドロキシコレカルシフェロールが可能な限り小粒子として分散されるように混合する。必要に応じて高圧ホモジナイザーを用いることもできる。乾燥にあたっては、できるだけ低温で行うことが好ましく、真空凍結乾燥や減圧乾燥などの方法を採用することが好ましい。
レシチン類と25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、レシチン類1000質量部当たり25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D)を0.1〜10質量部の比率となるようにすることが好ましい。
かくして得られる組成物は、レシチン中に25−ヒドロキシコレカルシフェロールが分散した状態で安定化される。
この組成物は、そのまま経口投与することができる。また常法によって賦形剤を加えて錠剤やカプセル剤とすることができる。経口投与剤とする場合、1日の投与量が25−ヒドロキシコレカルシフェロールとして10〜35μgとなるように製剤化する。
なお、この組成物は、澱粉や糖を加えて粉末とし、散剤や顆粒剤とすることも可能である。
本発明には界面活性剤としてグリセリン脂肪酸エステルを配合することができる。
本発明で用いるグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの持つ3つのヒドロキシ基のうち1つないし2つに脂肪酸がエステル結合したもので、代表的な食品用乳化剤である。
本発明に使用するグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン重合度1〜5が好ましく、HLBが5以下を示すものを使用する。
本発明には界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステルを配合することができる。
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタンと脂肪酸のエステルで、食品用乳化剤や化粧品・工業用界面活性剤として、単独または他の界面活性剤と配合して用いられる。
ソルビタンには水酸基が4つあり、それぞれに各種の脂肪酸がエステル結合するため、種類は多様である。本発明の目的にはモノラウリン酸ソルビタン(ソルビトール型)を示すものが適する。
本発明の組成物を得るためには、25−ヒドロキシコレカルシフェロールをエタノールなどの溶媒に溶解させる。溶媒としては水又はエタノールが好ましい。この溶解液をグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルと均質に混合し、混合終了後25−ヒドロキシコレカルシフェロールを含むグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの溶液を乾燥させて溶媒を除去することで得ることができる。混合に当たっては、25−ヒドロキシコレカルシフェロールが可能な限り小粒子として分散されるように混合する。必要に応じて高圧ホモジナイザーを用いることもできる。乾燥にあたっては、できるだけ低温で行うことが好ましく、真空凍結乾燥や減圧乾燥などの方法を採用することが好ましい。
グリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルと25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、グリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステル1000質量部当たり、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを0.1〜10質量部の比率となるようにすることが好ましい。
かくして得られる組成物は、グリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステル中に25−ヒドロキシコレカルシフェロールが分散した状態で安定化される。この組成物は、そのまま経口投与することができる。また常法によって賦形剤を加えて錠剤やカプセル剤とすることができる。経口投与剤とする場合、1日の投与量が25−ヒドロキシコレカルシフェロールとして10〜35μgとなるように製剤化する。
なお、この組成物は、澱粉や糖を加えて粉末とし、散剤や顆粒剤とすることも可能である。
本発明で用いるヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「HPMC」)は、メチルセルロースにヒドロキシプロポキシル基を導入したセルロースエーテルであり、水溶性のセルロース誘導体である。本発明の目的に適したHPMCは、食品添加物用としても市販されている。このようなHPMCとしては、信越化学工業株式会社製のHPMCメトローズ SE06、メトローズSE50、メトローズNE100、メトローズSFE400、メトローズNE4000、メトローズSFE4000を例示することができる。
本発明で用いるヒドロキシプロピルセルロース(以下「HPC」)は、セルロースの水酸基を酸化プロピレンでエーテル化することで得られ、多数のヒドロキシプロピル基(−OCHCH(OH)CH)を持つ。1グルコースあたりの置換された水酸基の平均数は置換度(degree of substitution,DS)として表され、これは最大3である。しかしヒドロキシプロピル基にも水酸基が含まれるため、反応途中にここもエーテル化される。そのため、1グルコースあたりのヒドロキシプロピル基の数であるモル置換度(moles of substitution,MS)は3より大きくなる。
セルロースは結晶性が高いため、HPCを水溶性とするにはMSを4以上にする必要がある。また疎水基と親水基を持つため、下限臨界溶液温度(LCST)は約45℃で、これ以上の温度では不溶性となる。本発明においては水溶性であることが好ましい。
HPCは、食品添加物として広く利用されており、その安全性も熟知されている。HPCの分子量は、食品添加物として市販されているものとしては、質量平均分子量40000〜910000の範囲であるが、必要に応じて分子量の範囲を選択できる。本発明にあっては分子量の小さいものが好ましく、特に好ましくは、質量平均分子量が40000〜140000ものである。なおHPCの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC法)で容易に測定可能である。
食品添加物として市販されているHPCとしては、例えば日本曹達株式会社のセルニーSSL(分子量40000)、セルニーSL(分子量100000)、セルニーL(分子量140000)、セルニーM(分子量620000)、セルニーH(分子量910000)を例示することができる。
メチルセルロース(以下「MC」)は、例えば信越化学工業株式会社製のメトローズMCE−400を例示することができる。
本発明の組成物を得るためには、25−ヒドロキシコレカルシフェロールをエタノールなどの溶媒に溶解させる。溶媒としては水又はエタノールが好ましい。この溶解液をHPMC、HPC又はMCと均質に混合し、混合終了後25−ヒドロキシコレカルシフェロールを含むHPMC、HPC又はMCの溶液を乾燥させて溶媒を除去することで得ることができる。混合に当たっては、25−ヒドロキシコレカルシフェロールが可能な限り小粒子として分散されるように混合する。必要に応じて高圧ホモジナイザーを用いることもできる。乾燥にあたっては、できるだけ低温で行うことが好ましく、真空凍結乾燥や減圧乾燥などの方法を採用することが好ましい。
HPMC、HPC又はMCと25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、HPMC、HPC又はMC1000質量部当たり25−ヒドロキシコレカルシフェロールを0.1〜10質量部の比率となるようにすることが好ましい。
かくして得られる組成物は、HPMC、HPC又はMCの形成するマトリックス構造中に25−ヒドロキシコレカルシフェロールが分散した状態で安定化される。
この組成物は、そのまま経口投与することができる。また常法によって賦形剤を加えて錠剤やカプセル剤とすることができる。経口投与剤とする場合、1日の投与量が25−ヒドロキシコレカルシフェロールとして10〜35μgとなるように製剤化する。
なお、この組成物は、澱粉や糖を加えて粉末とし、散剤や顆粒剤とすることも可能である。
以下に、試験例並びに実施例を示し本発明の作用効果について具体的に説明する。
<臨床試験(1)>
本発明の組成物の投与がヒト血液中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度に及ぼす影響について試験例を示し説明する。
1.女性の血中25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度に与える影響試験
1)試験対象
被験者選択基準及び除外基準は下記の通りである。
選択基準
1. 健常な閉経後の日本人女性
2. 年齢50歳以上70歳未満
3. 血中25(OH)D濃度30ng/mL以下
4. 臨床化学検査、血液学的検査をもとに健康であると判断された者
5. BMI18.5〜24.9kg/m
6. 本人の自由意思に基づく文書による同意が得られる者
除外基準
1. 喫煙者
2. 日光に過度に曝露する行動の予定
3. 血清カルシウムが10.2mg/dL以上
4. 空腹時血糖値が100mg/dL以上
5. 過去6ヵ月以内のホルモン補充療法
6. 試験期間中のマルチビタミン以外のサプリメントの使用(試験開始前に摂取を中止し試験が終わるまで摂取しない者は除く)
7. 過去3ヵ月以内のビタミンDサプリメントの使用
8. 過去3ヵ月以内に600mg/日以上のカルシウムサプリメントの使用
9. 安静時血圧が145/95mmHg以上
10.高血圧の治療
11.精神疾患の罹患歴、試験内容の理解が難しい状態
12.高強度の運動を継続的に行う者
13.試験食品の吸収に影響する状態:腸管吸収障害、スプルー(小腸の吸収障害を伴う症候群)、大腸炎、消化器手術、M.Whipple病(全身性細菌感染症による吸収不良症候群)
14.高カルシウム血症の保因リスクとなる疾患:多臓器肉芽腫性疾患、結核、リンパ腫、原発性副甲状腺機能亢進症
15.腎臓結石
16.クレアチニンクリアランスが30mL/min以下(重篤な腎不全)
17.乳製品に対する過敏症またはアレルギー
18.薬物の使用:抗凝固薬、ステロイド薬、副甲状腺ホルモン、チアジド系利尿薬、抗痙攣薬、抗精神病薬、統合失調症治療薬、脂肪の吸収に影響を及ぼす薬
19.骨代謝に影響を及ぼす可能性のある薬物の過去1年間における使用
20.脂肪を含まない食事を摂っている、その他の極端な食習慣
21.減量プログラムの実践、食事が医師の管理下にある
22.急性または重篤な疾病の兆候:意図していない減量、寝汗、癌の治療など
23.過去1年以内の骨折または過去3ヵ月以内の転倒
24.アルコール消費量:≦140g/週
25.試験責任医師または試験分担医師が試験対象として不適合と判断した者
2)試験対象品
次の錠剤を試験品とした。
25−ヒドロキシコレカルシフェロール 10μg含有製剤
ビタミンD 10μg含有製剤
プラセボ製剤 25−ヒドロキシコレカルシフェロールをセルロースで置換
3)試験プロトコール
無作為化二重盲検並行群間比較試験とした。摂取方法および摂取期間は、1日1回朝食後に112日間(16週間)摂取する。
スクリーニング検査および摂取16週後検査日には、体重測定、血圧、脈拍測定、臨床検査、食物摂取頻度調査(BDHQ(株式会社ジェンダーメディカルリサーチ))を実施した。
臨床検査は、血液検査として25−ヒドロキシコレカルシフェロール、1α,25(OH)vitamin D、serum Ca、intact parathyroid hormone、HbA1c(NGSP)、血清25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度はRIA2抗体法にて測定した。
4)被験食品の摂取状況と安全性
1日1回の摂取の順守状況は最終検査時に残存被験食品数を算定して判定した。有害事象の出現状況は日誌および最終検査時に実施した問診により監視した。
5)指導事項
被験者には、試験期間中、下記の指導事項の尊守を求めた。
・長期旅行や激しい運動(登山、マラソン等)、太陽光に強度に曝露する行動を控える
・過剰な飲酒は避ける
・生活習慣を変更しない
・新しいサプリメント・医薬品の摂取開始は原則禁止(体調不良時の頓服薬の服用は可)
・他のヒト試験への参加や献血は禁止
6)統計解析
試験実施計画書に適合した解析対象集団(被験食品の摂取期間中の摂取率が80%未満であった者、指導事項を守れなかった者、摂取後検査を受けなかった者を除外)を解析した。各群内の摂取前後の比較について対応のあるt検定を行い、有意水準は両側5%とした。統計解析ソフトはExcel統計ver.7(エスミ社)を使用した。
2.結果
1)被験者
スクリーニング試験には112名が参加し、そのうち被験者の選択基準に適合し除外基準に該当しない82名の被験者をランダム化した。ランダム化後、摂取開始前に3例が同意を撤回した。試験食品の摂取を開始した被験者はプラセボ群27例、ビタミンD群26例、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群26例であった。うち、7例が個人的な理由により同意を撤回(プラセボ群:摂取後検査日の都合が悪いため1例、ビタミンD群:膝・肩の痛みがあるため1例、歯科治療を開始するため1例、摂取後検査日の都合が悪いため1例、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群:胃炎のため1例、家族の看病のため1例、アトピー性皮膚炎の治療を開始するため1例)し、1例が試験責任医師の判断により中止(ビタミンD群:風邪等の症状が続き内服治療をおこなったため)となり、計70例が試験を完遂した。完遂した被験者のうち試験計画書に適合しないと判断された被験者4例(プラセボ群:指導事項からの逸脱(高強度の運動を継続的におこなったため)1例、ビタミンD群:試験食品の摂取率が80%未満1例、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群:試験食品の摂取率が80%未満2例)を除いた66名を試験実施計画書に適合した解析対象集団とした。試験実施計画書に適合した解析対象集団の背景を表1に示した。
Figure 2018131423
2)血液検査
血中25(OH)D濃度はビタミンD群、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群でベースライン検査に比べて最終検査時で有意に上昇した。一方プラセボ群では有意に低下した(図1参照)。その他の血液項目の結果について、表2に示した。血中1,25(OH)DはビタミンD群、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で、ベースライン検査に比べて最終検査時で有意に上昇した。calcium濃度は3群ともベースライン検査に比べて最終検査時で有意に上昇したが、ビタミンD群、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群においては、血中calcium濃度が基準値(10.2mg/dL)を超えた被験者は認められなかった。プラセボ群では1例で10.0mg/dLから10.5mg/dLへ変動した。副甲状腺ホルモンは3群とも有意な変動は認められなかった。HbA1cはビタミンD群のみ有意に上昇したが、基準値内(4.6−6.2%)での変動であった。
Figure 2018131423
3)BMI、血圧
3群ともBMIに有意な変動はなかった。拡張期血圧は3群ともベースライン検査に比べて最終検査時で有意に上昇した。拡張期血圧は3群とも有意な変動は認められなかった。
4)食事調査、活動量
25−ヒドロキシコレカルシフェロール群でのみ、タンパク質、ビタミンDの摂取量がベースライン検査に比べて最終検査時で有意に低下した。その他の項目に有意な変動は認められなかった。
5)安全性
被験食品摂取に関連する有害事象の報告はなかった。
3.評価・考察
閉経後の女性おいて、25−ヒドロキシコレカルシフェロールの10μg/日摂取により有意に血中25(OH)D濃度が上昇し、血中25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が30ng/mLに達することが確認できた。
以上の試験から、25−ヒドロキシコレカルシフェロールをヒトに連日10μg/日投与することで、血中25(OH)D濃度を30ng/mLを超えて維持できることが明らかとなった。
<臨床試験(2)>
以下に25−ヒドロキシコレカルシフェロールをヒトに投与し、上気道感染症の予防又は緩和を達成できることを確認した試験例を示して説明する。
1.25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取による上気道感染症への影響確認試験
1)試験対象者
予め同意を取得した被験者候補428例に、スクリーニング検査として、疾病歴や飲酒習慣、食習慣などの背景調査、体調確認、計測、臨床検査を実施し、選択条件に合致し、除外基準に合致しない252例を選択した。
被験者の選択は、同意能力を有しており、I:同意取得時の年齢が45歳以上74歳以下の健常日本人、II:血清25(OH)D濃度が30ng/mL以下、III:BMIが18.5kg/m以上24.9kg/m以下に該当する者であり、以下の除外条件に該当しない者を選択した。
I :喫煙者
II :重篤な疾患(例:肝疾患、腎疾患、感染症、癌)に罹患している者
III :試験結果に影響を与える疾患(例:高カルシウム血症)に罹患している者
IV :試験期間中に日光に過度に曝露する行動(例:農作業、リゾート旅行)予定がある者
V :空腹時血糖値が110mg/dL以上の者
VI :過去6ヵ月以内にホルモン補充療法を受けた者
VII :試験期間中のマルチビタミン以外のサプリメントの使用者、ただし試験開始前に摂取を中止し試験が終わるまで摂取しない者は除く
VIII :過去3ヵ月以内のビタミンDサプリメントの使用
IX :過去3ヵ月以内に600mg/日以上のカルシウムサプリメントの使用
X :高血圧:安静時血圧が145/95mmHg以上
XI :高血圧の治療
XII :精神疾患の罹患歴、試験内容の理解が難しい状態
XIII :高強度の運動を継続的に行う者(高強度の運動を週3回以上行う者)
XIV :試験食品の吸収に影響する状態:腸管吸収障害、スプルー(小腸の吸収障害を伴う症候群)、大腸炎、消化器手術、M.Whipple病(全身性細菌感染症による吸収不良症候群)
XV :高カルシウム血症の保因リスクとなる疾患:多臓器肉芽腫性疾患(サルコイドーシス)、結核、リンパ腫、原発性副甲状腺機能亢進症)
XVI :腎臓結石
XVII :クレアチニンクリアランスが30mL/min以下(重篤な腎不全)
XVIII:乳製品に対する過敏症またはアレルギー
XIX :薬物の使用:抗凝固薬、ステロイド薬、副甲状腺ホルモン、チアジド系利尿薬、抗痙攣薬、抗精神病薬、統合失調症治療薬、脂肪の吸収に影響を及ぼす薬(ゼニカル、アライなどの末梢性肥満改善薬、脂肪吸収阻害薬)
XX :骨代謝に影響を及ぼす可能性のある薬物(ビスホスホネート、ホルモン補充療法薬、エストロゲン受容体調節因子、カルシトニン)の過去1年間における使用
XXI :脂肪を含まない食事をとっている、その他の極端な食習慣
XXII :減量プログラムの実践、食事が医師の管理下にある
XXIII:急性または重篤な疾病の兆候:意図していない減量、寝汗、癌の治療など
XXIV :アルコール消費量:≦140g/週
XXV :試験責任医師または試験分担医師が試験対象として不適合と判断した者
2)試験対象品
被験食品には25−ヒドロキシコレカルシフェロール10μgを含有するハードカプセル製剤とした。プラセボは25−ヒドロキシコレカルシフェロールを結晶セルロースに置きかえ、色調などが被験食品と区別がつかないように作製した。25−ヒドロキシコレカルシフェロールはDSM Nutritional Products,Ltd.より入手した。
3)上気道感染症の診断と評価の基準
上気道感染症の発症、身体重症度およびquality−of−life(QOL)の評価には日本語版Wisconsin Upper Respiratory Symptom Survey−21(WURSS−21)を使用した。WURSS−21は21個の質問からなり、最初の質問(0−7のリッカート尺度:0=症状なし、1=ほんの少し具合が悪い、3=少し具合が悪い、5=中程度に具合が悪い、7=ひどく具合が悪い)は試験期間中毎日回答させ、発症の有無および罹患期間の判定に使用した。
2番目から11番目の10個の質問は、上気道感染症の10の身体症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咽頭痛、のどのいがらっぽさ、咳、のどかれ、鼻づまりによる頭部および顔面の圧迫感・重さ、痰がたまる、またそれによる胸部の圧迫感・疲労)に関する質問で、0−7のリッカート尺度(0=なし、1=とても軽い、3=軽い、5=中程度、7=重度)を回答させ、合計値を身体重症度スコアとした。
12番目から20番目の9個の質問は、QOLに関する事象(物事を明確に考えられる、熟睡する、楽に呼吸できる、歩く、階段を上る、運動する、日常生活を行える、家の外で仕事ができる、家の中で仕事ができる、他人と交流ができる、自分の生活を楽しめる)についての質問で、0−7のリッカート尺度(0=なし、1=とても軽い、3=軽い、5=中程度、7=重度)を回答させ、合計スコアをQOLスコアとした。
上気道感染症の発症日は、最初の質問に2日連続で0を選択した後に、1−7を選択した日とし、消失日は、発症後2日連続で0を選択した時の2日前(最後に1−7を選択した日)とした。本試験における上気道感染症のイベントは、罹患期間(発症日から消失日の期間)が2日以上で、かつ罹患期間中の身体重症度スコアの最高値が10を超えるものとした。罹患期間、身体重症度スコアおよびQOLスコアは試験期間中の最高値を評価対象とした。
4)試験プロトコール
試験は無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験とした。すなわち、試験に関与しない担当者が乱数を用いて割付表を作成し、無作為に被験者を25−ヒドロキシコレカルシフェロール群とプラセボ群の2群に分け、それぞれを摂取させた。盲検化の対象は、試験に関与する者すべてであり、割付の開鍵は解析対象者の固定後に行った。
試験期間中は、WURSS−21への記入と日誌に自覚症状および医薬品や健康食品の摂取など指導内容の逸脱の有無について記録させた。なお、本試験の試験食品摂取期間は冬季(1月)から春季(5月)までであった。
スクリーニング検査および摂取16週後検査日には、体重測定、血圧、脈拍測定、臨床検査、食物摂取頻度調査(FFQg ver.4.0(建帛社))を実施した。
臨床検査は、血液検査として25(OH)D、1α,25(OH)vitamin D、serum Ca、intact parathyroid hormone、 white blood cell、red blood cell、hemoglobin、hematocrit、platele、triglyceride、total cholesterol、HDL−cholesterol、LDL−cholesterol、blood glucose、immunoreactive insulin、HbA1C、gamma−glutamyl trans peptidase、aspartate transaminase、alanine transaminase、total bilirubin、total protein、albumin、albumin/globulin ratio、alkaline phosphatase、lactate dehydrogenase、creatine phosphokinase、creatinine、uric acid、blood urea nitrogen、sodium、potassium、chloride、magnesium、serum iron、unsaturated iron binding capacity、尿検査はurine sugar、urine occult blood、urine protein、urinary calcium、urine creatinineを測定した。血清25(OH)D濃度はRIA2抗体法にて測定した。
5)症状観察
(ア)主要評価項目
摂取期間16週間中の上気道感染症の発症率とした。上気道感染症の発症率は各群の上気道発症を発症した被験者数を各群の被験者数で除して算出した。
(イ)副次評価項目
身体重症度スコア、QOLスコア、罹患期間、4週間ごとの新規上気道感染症発症率とした。身体重症度スコア、QOLスコアおよび罹患期間は、上気道感染症を発症した被験者を評価対象とした。
6)サブグループ解析
骨軟化症やくる病などのリスクが高まるのは欠乏状態とされる血清25(OH)D濃度が20ng/mL以下であり、血清25(OH)D濃度が20ng/mL超30ng/mL以下では転倒などのリスクが高まる不足状態であるとしている。血清25(OH)D濃度低下が上気道感染症の発症率を増加させるという報告から、摂取前検査時の血清25(OH)D濃度が不足状態の被験者および欠乏状態の被験者でそれぞれ、上気道感染症の発症率、身体重症度スコア、QOLスコア、罹患期間、4週間ごとの新規上気道感染症発症率を評価した。
7)探索的な有効性解析
探索的な有効性解析として、身体重症度スコアの合計値、QOLスコアの合計値を評価した。合計値は、摂取期間中の上気道感染症発症時のスコアをすべて合計して算出した。
8)安全性評価
安全性の評価は、臨床検査値の変動、被検者からの自覚症状の訴え、医師による有害事象についての慣例的な診察を基に評価した。
9)解析対象者
有効性解析対象は、試験実施計画書に適合した解析対象集団(PPS)とした。PPSは、所定の試験スケジュールを完遂した被験者である最大の解析対象集団(Full analysis set;FAS)の内、I:試験食品の摂取率が80%を下回った者、II:試験結果の信頼性を損なう行為(日誌記録の欠損や指導事項の不遵守など)が顕著に見られる者、III:割付後に除外基準に該当していたことが明らかになった者、IV:試験食品摂取開始日から上気道感染症を発症していた者、V:除外することが適当であると試験責任医師が判断した者、を除外した集団とした。
安全性の評価の内、有害事象についてはFASを評価対象とした。臨床検査値などの評価はPPSを評価対象とした。
10)統計解析
被験者の年齢、BMI、血清25(OH)D濃度、血清1α,25(OH)vitamin D濃度、インタクトPTH、血清カルシウム、尿中カルシウム、クレアチニンクリアランスはStudent’s t test、性別はFisher’s exact testでプラセボ群と25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の比較を行った。
主要評価項目の摂取期間16週間中の上気道感染症の発症率および副次評価項目の4週ごとの新規上気道感染症の発症率は、Fisher’s exact testで評価した。その他の副次評価項目の評価は、上気道感染症の罹患期間にはGeneralized Wilcoxon test、身体重症度スコアおよびQOLスコアはStudent’s t testを適用した。なお、上気道感染症の罹患期間の中央値はカプラン−マイヤー法を用いて求めた。
検定の有意水準は両側5%とし、両側10%を有意傾向とした。全ての解析はJMP(登録商標)12(SAS Institute)を使用した。
2.試験結果
1)被験者の背景
同意を取得した被験者候補428例に対し、スクリーニング検査を実施し、252例の被験者を選択した。この252例を25−ヒドロキシコレカルシフェロール群とプラセボ群にそれぞれ126例ずつ無作為に割付けた。このうち、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の1例とプラセボ群の1例の計2例が、試験食品摂取前に同意の撤回をして、脱落した。この結果、250例が試験食品摂取を開始した。試験食品摂取中に25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の1例、プラセボ群の2例が個人の理由で最終検査に来院できないことを理由に同意の撤回をして脱落し、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の124例、プラセボ群の123例が所定の試験スケジュールを完遂した。試験スケジュールを完遂した247例の内、制限事項の不遵守により25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の1例とプラセボ群の1例、食事調査などの回答状況から有効性の評価項目の信頼性の疑いがあったプラセボ群の1例、試験食品摂取開始日に上気道感染症を発症していた25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の13例、プラセボ群の15例、試験食品摂取前より高血圧症の治療を開始し、除外基準に該当したことが明らかとなったプラセボ群の1例がPPSより除外された。よって、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の110例、プラセボ群の105例がPPSとなった。試験食品の摂取率は25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で99.8%、プラセボ群で99.4%であった。安全性の評価対象は試験食品を摂取した250例の内、安全性の評価ができると判断された248例(25−ヒドロキシコレカルシフェロール群125例、プラセボ群123例)となった。
本試験のPPSの被験者背景情報を表3に示す。
Figure 2018131423
性別を除き、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群とプラセボ群との間に有意差が認められる項目はなかった。なお、血清25(OH)D濃度に関して、欠乏状態(20 ng/mL以下)と判断される者は25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で61例、プラセボ群で60例、不足状態(20ng/mL超30ng/mL以下)と判断される者は25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で49例、プラセボ群で45例であった。
FFQgによる食事調査の結果を表4に示す。
Figure 2018131423
25−ヒドロキシコレカルシフェロール群およびプラセボ群で試験食品摂取前から摂取16週後時点で有意に変動した項目はなく、群間で有意な差を示す項目もなく、本試験期間中での食習慣の大きな変動はなかったものと推測された。
3.有効性評価
1)主要評価項目
本試験で摂取期間中に上気道感染症を発症した被験者は25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で41例、プラセボ群では43例であった。なお、摂取期間中の上気道感染症の総イベント数は25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で52件、プラセボ群では66件であった。
主要評価項目である摂取期間16週間中の上気道感染症の発症率は、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群で37.3%、プラセボ群で41.0%であった(表5参照)。
Figure 2018131423
2)副次評価項目
身体重症度スコアは、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群が26.7±11.6であったのに対し、プラセボ群で31.2±16.3であり、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群が低値ではあった。QOLスコアについては、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群が27.6±17.2であったのに対し、プラセボ群で31.3±19.3であり、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群が低値であった。
上気道感染症の罹患期間については、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群(中央値:10日間)はプラセボ群(中央値:13日間)と比較して、低値であった(表5参照)。
25(OH)Dの活性化(ヒドロキシル化)は主として腎臓が担っていることから、腎機能マーカーであるクレアチニンクリアランスと性別を調整因子として、罹患期間についてさらに解析を行ったところ、食品効果が有意(p=0.046)であり、25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取による上気道感染症の罹患期間短縮効果が示された。
4週ごとの新規上気道感染症発症率については、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群およびプラセボ群ともに季節が進むにつれて、発症率が低下していた。また発症率の低下は、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群がプラセボ群と比較して早く低下しており、25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取による影響と判断した(表6参照)。
Figure 2018131423
3)サブグループ解析
スクリーニング時の血清25(OH)D濃度が20ng/mL以下の25(OH)D欠乏層および20ng/mL超30ng/mL以下の25(OH)D不足層の上気道感染症の発症率、身体重症度スコア、QOLスコア、罹患期間、4週ごとの新規上気道感染症発症率を表7および表8に示す。
Figure 2018131423
Figure 2018131423
上気道感染症の発症率については、血清25(OH)D欠乏層および不足層のいずれにおいても、25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取による発症率への影響について、プラセボ群との有意差はなかった。しかしながら、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群において、25(OH)D不足層は欠乏層と比較して、上気道感染症の発症率が低く、高い血清25(OH)D濃度が上気道感染症の発症予防に有効であった。
4週ごとの新規上気道感染症イベントの発症率については、血清25(OH)D欠乏層および不足層のいずれにおいても、試験期間が経過するにつれて、発症率の低下が認められた。しかしながら、いずれの層でも25−ヒドロキシコレカルシフェロール群とプラセボ群に有意な差は認められなかった。上気道感染症の発症率の25−ヒドロキシコレカルシフェロール群とプラセボ群の差に着目すると、25(OH)D欠乏層では、摂取開始9−12週後が最大(25−ヒドロキシコレカルシフェロール群:8.2%、プラセボ群:18.3%)であった。一方で、25(OH)D不足層では、摂取開始後5−8週後に25−ヒドロキシコレカルシフェロール群とプラセボ群の差が最大(25−ヒドロキシコレカルシフェロール群:10.2%、プラセボ群:22.2%、p=0.159)であり、25(OH)D欠乏層と比較して、25(OH)D不足層の方が25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取群の上気道感染症の発症率の低下は早かった。
身体重症度スコアおよびQOLスコアについては、25(OH)D欠乏層では、QOLスコアがプラセボ群と比較して低値であった。一方で、25(OH)D不足層は、身体重症度スコアがプラセボ群と比較して低値であった。
4)有効性
被験食品摂取期間中の上気道感染症の身体重症度と上気道感染症によるQOLの低下を、罹患期間などとあわせて総合的に判断するために、試験食品摂取期間中の身体重症度スコアとQOLスコアの合計値をそれぞれ算出した。その結果を表9に示す。
Figure 2018131423
身体重症度スコアの合計値は、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群はプラセボ群と比較して有意に低値(p=0.0496)であった。QOLスコアの合計値では、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群はプラセボ群と比較して有意に低値(p=0.019)であった。これらの結果から、25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取が上気道感染症罹患時の身体重症度の緩和やQOLを改善したことが明らかとなった。
5)25(OH)D血中濃度
試験開始前、試験食品摂取期間中の血清25(OH)D濃度は、株式会社エスアールエルに依頼しRIA2抗体法にて測定した。
結果を表10に示す。
Figure 2018131423
25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取群の16週経過後の血清25(OH)D濃度は、25(OH)D欠乏層で初期値15.4±2.7ng/mLから41.9±11.6ng/mLと約2.7倍上昇した。また、25(OH)D不足層で初期値24.9±3.1ng/mLから49.6±13.6ng/mLと約1.99倍上昇した。このことから25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中濃度が30ng/mLに満たないヒトが1日10μg摂取し続けると、30〜50ng/mLに維持できることが分かった。
6)安全性
いくつかの項目で、有意な変動が見られた項目があったが、いずれも臨床的意義のない変動であると試験責任医師は判断した。また、期間中に高カルシウム血症を発症した被験者はいなかった。
有害事象は、25−ヒドロキシコレカルシフェロール群の73例に256件、プラセボ群の74例に339件発生した。発生した有害事象については感冒、腹痛などの症状で、いずれも軽度であり、試験期間中に症状が消失した。すべての有害事象に関して、試験責任医師は試験食品との関連性を否定した。有害事象の発現率は群間で差は認められなかった。
以上の結果より、本試験条件下における25−ヒドロキシコレカルシフェロールの安全性に問題は無かった。
4.総合評価
25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取によって血清25(OH)D濃度が上昇していると考えられる摂取開始から9−12週間後に、上気道感染症の発症率でプラセボ群との差が大きかった。これは、血清25(OH)D濃度を高くすることで上気道感染症を予防できたものと評価した。血清25(OH)D濃度が欠乏(20ng/mL以下)している被験者層と比較して血中25(OH)D濃度が不足(20ng/mL超30ng/mL以下)している被験者層でより早く発症率の低下がみられた。
すなわち血清中の25(OH)Dが30ng/mL以下のヒトに本発明の組成物を投与することで上気道感染症を低下させる。
また、上気道感染症の罹患期間を、25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取によって短縮することが確認された(軽減できた)。さらに、25−ヒドロキシコレカルシフェロール摂取によって上気道感染症罹患時の身体重症度およびQOLを改善したことから、上気道感染症の緩和効果を本発明の組成物が有することが確認できた。
次に、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを含有する組成物の安定性について試験例を示し説明する。これは、上気道感染症の予防又は上気道感染症状緩和効果をより確実にすることを目的とした取り組みである。すなわち血中25(OH)D濃度を長期にわたり高く維持させる為には、25−ヒドロキシコレカルシフェロールの有効投与量を確実に投与できる組成物(製剤)である必要があり、そのためには組成物(製剤)中の25−ヒドロキシコレカルシフェロールの安定性の確保が非常に重要なことに基づく。組成物(製剤)中に含有される25−ヒドロキシコレカルシフェロールが安定化されることで、長期保存に耐えうる市場に流通させてもよい製品となる。
尚、参考情報として、ビタミンD(コレカルシフェロール)も試験した。以下の説明中で25−ヒドロキシコレカルシフェロールとコレカルシフェロールを区別しないときはビタミンD類と表記している。
<25−ヒドロキシコレカルシフェロール組成物の安定性試験>
以下に試験例を示し、本発明を説明する。
1.レシチン類によるビタミンD類の安定性試験
(1)ビタミンD
下記の表11に示すビタミンD類を用いて試験をおこなった。
Figure 2018131423
(2)レシチン類
市販の下記の表12に示すレシチン類を試験に用いた。
Figure 2018131423
(3)試験方法
・試料の調製
1)コレカルシフェロールの調製
ビタミンD175μgを無水エタノール1750mgに溶解させ溶液とした。この溶液1.75gをバイアル瓶に予め秤量してあった各レシチン類1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥して除去し試験用の組成物を得た。
2)25−ヒドロキシコレカルシフェロールの調製
(25(OH)D)10.205mgを無水エタノール500gに溶解させ溶液とした。この溶液2.5gをバイアル瓶に予め秤量してあった各レシチン類1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥し試験組成物を得た。
3)安定性試験
上記試験組成物を60℃の恒温槽で2週間保存し、ビタミンD類の残存率を測定した。
・コレカルシフェロールの分析方法
1.コレカルシフェロール含有試験組成物約0.01gを精密に量り、20mL程度の容器に入れ、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、5分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに採取し、15000rpmで5分遠心する。上清を試料溶液とする。
2.コレカルシフェロール標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.5、1.0、5.0、10.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜、希釈し、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、コレカルシフェロールのピーク面積を求める。標準溶液のコレカルシフェロールのピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料のコレカルシフェロールの含量を求める。
3.測定条件
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長265nm)
カラム :内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 資生堂社製)
カラム温度:40℃
移動相 :アセトニトリル
流速 :1mL/分
4.計算法
含有量(μg/g)=(試料溶液のコレカルシフェロール面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
・25−ヒドロキシコレカルシフェロールの分析方法
1.25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D)含有試験組成物約0.1gを20mL程度の容器に精密に量り、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、10分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに移し、15000rpmで5分遠心する。上清を試料溶液とする。
2.25(OH)D標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、25(OH)Dのピーク面積を求め標準溶液の25(OH)Dのピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料の25(OH)D含量を求める。
3.測定条件
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長265nm)
カラム :内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 資生堂社製)
カラム温度:40℃
移動相 :80%アセトニトリル水溶液
流速 :1mL/分
4.計算法
25(OH)D含量(μg/g)=(試料溶液の25(OH)D面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
(4)結果
各試料の安定性試験結果を表13及び図2に示す。なお結果は、保存期間経過後の残存率で表している。
Figure 2018131423
コレカルシフェロールは大豆レシチン、卵黄レシチン、酵素分解卵黄レシチン、ヒマワリレシチン、ライスオイルレシチンにより安定化し、酵素分解大豆レシチンでは安定化しなかった。一方25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、コレカルシフェロールとは異なり、酵素分解大豆レシチンで最も安定化され、次いでライスオイルレシチンで安定化した。また25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、大豆レシチンや卵黄レシチン、酵素分解卵黄レシチン及びヒマワリレシチンでは安定化しなかった。
<グリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルによるビタミンD類の安定性試験>
(1)ビタミンD
下記の表14に示すビタミンD類を用いて試験をおこなった。
Figure 2018131423
(2)グリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステル
グリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルとして下記の表15に示す化合物を試験に用いた。
Figure 2018131423
(3)試験方法
・試料の調製
1)コレカルシフェロールの調製
ビタミンD175μgを無水エタノール1750mgに溶解させ溶液とした。この溶液1.75gをバイアル瓶に予め秤量してあった各グリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステル1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥して除去し試験用の組成物を得た。
2)25−ヒドロキシコレカルシフェロールの調製
25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D)10.205mgを無水エタノール500gに溶解させ溶液とした。この溶液2.5gをバイアル瓶に予め秤量してあった各グリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステル1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥し試験組成物を得た。
3)安定性試験
上記試験組成物を60℃の恒温槽で2週間保存し、ビタミンD類の残存率を測定した。
・コレカルシフェロールの分析方法
1.コレカルシフェロール含有組成物約0.01gを精密に量り、20mL程度の容器に入れ、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、5分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに採取し、15000rpmで5分遠心する。上清を試料溶液とする。
2.コレカルシフェロール標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整する。ついで、0.1、0.5、1.0、5.0、10.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜、希釈し、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、コレカルシフェロールのピーク面積を求め、標準溶液のコレカルシフェロールのピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料のコレカルシフェロールの含量を求める。
3.測定条件
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長265nm)
カラム :内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 資生堂社製)
カラム温度:40℃
移動相 :アセトニトリル
流速 :1mL/分
4.計算法
含有量(μg/g)=(試料溶液のコレカルシフェロール面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
・25−ヒドロキシコレカルシフェロールの分析方法
1.25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D)含有組成物約0.1gを20mL程度の容器に精密に量り、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、10分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに移し、15000rpmで5分遠心する。上清を試料溶液とする。
2.25(OH)D標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、25(OH)Dのピーク面積を求め標準溶液の25(OH)Dピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料の25(OH)D含量を求める。
3.測定条件
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長 265nm)
カラム :内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 資生堂社製)
カラム温度:40℃
移動相 :80%アセトニトリル水溶液
流速 :1mL/分
4.計算法
25(OH)D含量(μg/g)=(試料溶液の25(OH)D面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
(4)結果
各試料の安定性試験結果を表16及び図3に示す。なお結果は、保存期間経過後の残存率で表している。
Figure 2018131423
25(OH)D縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(サンソフトNo.818R)で最も安定化し、次いでモノオレイン酸ペンタグリセリン(サンソフトA−171E)、モノグリセライド(エマルジーMH)、モノラウリン酸ソルビタン(L−300)により安定化した。しかし、デカオレイン酸デカグリセリン(サンソフトQ−1710S)、ペンタオレイン酸デカグリセリン(リョートーポリグリエステルO−50D)には安定化効果が確認できなかった。一方、コレカルシフェロールは、モノラウリン酸ソルビタンで最も安定化し、他はほぼ同様な結果であった。
<水溶性セルロース誘導体によるビタミンD類の安定性試験>
(1)ビタミンD
下記の表17に示すビタミンD類を用いて試験をおこなった。
Figure 2018131423
(2)セルロース及びセルロース誘導体
水溶性セルロース誘導体として下記の表18に示す化合物を試験に用いた。
Figure 2018131423
(3)試験方法
・試料の調製
1)コレカルシフェロールの調製
コレカルシフェロール結晶175μgを無水エタノール1750mgに溶解させ溶液とした。この溶液1.75gをバイアル瓶に予め秤量してあった各結晶セルロース及びセルロース誘導体1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥して除去し、試験用の組成物を得た。
2)25(OH)Dの調製
(25(OH)D)10.205mgを無水エタノール500gに溶解させ溶液とした。この溶液2.5gをバイアル瓶に予め秤量してあった各結晶セルロース及びセルロース誘導体1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥し試験組成物を得た。
3)安定性試験
上記試験組成物を60℃の恒温槽で2週間保存し、ビタミンD類の残存率を測定した。
・コレカルシフェロールの分析方法
1.コレカルシフェロール含有試験組成物約0.01gを精密に量り、20mL程度の容器に入れ、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、5分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに採取し、15000rpmで5分遠心する。上清を試料溶液とする。
2.コレカルシフェロール標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.5、1.0、5.0、10.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜、希釈し、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、コレカルシフェロールのピーク面積を求め、標準溶液のコレカルシフェロールのピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料のコレカルシフェロールの含量を求める。
3.測定条件
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長265nm)
カラム :内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 資生堂社製)
カラム温度:40℃
移動相 :アセトニトリル
流速 :1mL/分
4.計算法
含有量(μg/g)=(試料溶液のコレカルシフェロール面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
・25−ヒドロキシコレカルシフェロールの分析方法
1.25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D)含有試験組成物約0.1gを20mL程度の容器に精密に量り、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、10分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに移し、15000rpmで5分遠心する。上清を試料溶液とする。
2.25(OH)D標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、25(OH)Dのピーク面積を求め標準溶液の25(OH)Dのピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料の25(OH)D含量を求める。
3.測定条件
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長265nm)
カラム :内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 資生堂社製)
カラム温度:40℃
移動相 :80%アセトニトリル水溶液
流速 :1mL/分
4.計算法
25(OH)D含量(μg/g)=(試料溶液の25(OH)D面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
(4)結果
各試料の安定性試験結果を表19及び図4に示す。なお結果は、保存期間経過後の残存率で表している。
Figure 2018131423
25(OH)Dは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースによって安定化することが確認できた。一方、コレカルシフェロールはヒドロキシプロピルセルロースで最も安定化し、メチルセルロースでは安定化しなかった。また結晶セルロースは、ビタミンD類の安定化には寄与しなかった。
前述の結果を踏まえ、以下に、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とした安定な上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物の実処方例を示す。
1.25(OH)D含有組成物の調製(前述した安定性試験で調製したものと同一組成。これを基本処方(a、b)に配合して製剤化する)
[25(OH)D]
1.0205gを無水エタノール50kgに溶解させ溶液とした。この溶液250gを量りとり、下記に示す成分A〜Iのいずれか100gを加え、撹拌混合した後、乾燥して25(OH)D含有組成物約100gを得た。
尚、以下の説明中、25(OH)D含有組成物とするために添加した成分がAの場合、得られた25(OH)D含有組成物のことを「25(OH)D含有組成物A」とあらわす。
成分A;酵素分解大豆レシチン(理研ビタミン(株)製、レシマールEL)
成分B;ライスレシチンオイル(築野食品工業(株)製、ライスレシチン)
成分C;モノラウリン酸ソルビタン(理研ビタミン(株)製、L−300)
成分D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(太陽化学(株)製、サンソフトNo.818R)
成分E;モノオレイン酸ペンタグリセリン(太陽化学(株)製、サンソフトA−171E)
成分F;モノグリセライド(理研ビタミン(株)製、エマルジーMH)
成分G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトローズNE−4000)
成分H;ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、セルニーSSL)
成分I;メチルセルロース(信越化学工業(株)製、MCE−400)
2.錠剤の実処方例
錠剤の基本処方aに、25(OH)D含有組成物(D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、E;モノオレイン酸ペンタグリセリン、F;モノグリセライド、G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、I;メチルセルロースのいずれか)を57.15質量%加えて粉体を調製した。得られた粉体を、直径7mm平型隅角杵を使用し、1錠当たりの重量を100mgに設定して打錠を行った。
[基本処方a] 質量%
1.25(OH)D含有組成物(D、E、F、G、Iのいずれか) 57.15
2.結晶セルロース 42.35
3.ステアリン酸マグネシウム 0.5
25(OH)D含有組成物(D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、E;モノオレイン酸ペンタグリセリン、F;モノグリセライド、G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、I;メチルセルロース)のいずれかを含む本錠剤1錠は、25(OH)Dを約10μg含有する。そして本錠剤中の25(OH)Dは1年経過後も80%以上を維持した。25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中濃度が30ng/mLに満たないヒトが本発明の錠剤を1日に1〜2錠摂取することで、血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持することができ、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和作用を発揮し非常に有用であった。
3.ハードカプセルの実処方例
ハードカプセル充填用粉体の基本処方bに、25(OH)D含有組成物(A;酵素分解大豆レシチン、B;ライスレシチンオイル、C;モノラウリン酸ソルビタン、D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、E;モノオレイン酸ペンタグリセリン、F;モノグリセライド、G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、H;ヒドロキシプロピルセルロース、I;メチルセルロースのいずれか)を57.15質量%加えて粉体を調製した。得られた粉体を、3号カプセルを使用して、1カプセル当たり100mgの粉体を充填した。
[基本処方b] 質量%
1.25(OH)D含有組成物(A、B、C、D、E、F、G、H、Iのいずれか) 57.15
2.乳糖 20
3.結晶セルロース 22.35
4.ステアリン酸マグネシウム 0.5
25(OH)D含有組成物(A;酵素分解大豆レシチン、B;ライスレシチンオイル、C;モノラウリン酸ソルビタン、D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、E;モノオレイン酸ペンタグリセリン、F;モノグリセライド、G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、H;ヒドロキシプロピルセルロース、I;メチルセルロース)のいずれかを含む本ハードカプセル1錠は、25(OH)Dを約10μg含有する。そして本ハードカプセル中の25(OH)Dは1年経過後も80%以上を維持した。25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中濃度が30ng/mLに満たないヒトが本発明のハードカプセルを1日に1〜2錠摂取することで、血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持することができ、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和作用を発揮し非常に有用であった。
4.軟カプセルの実処方例
まず軟カプセルを調製し、次に前記した基本処方bに25(OH)D含有組成物(A;酵素分解大豆レシチン、B;ライスレシチンオイル、C;モノラウリン酸ソルビタン、D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、E;モノオレイン酸ペンタグリセリン、F;モノグリセライド、G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、H;ヒドロキシプロピルセルロース、I;メチルセルロースのいずれか)を57.15質量%加えた粉体を調製し、1軟カプセル当たり100mgとなるように充填した。
(軟カプセル処方) 質量%
1.ゼラチン 73.5
2.グリセリン 14.5
3.D−ソルビトール(70%) 12
25(OH)D含有組成物(A;酵素分解大豆レシチン、B;ライスレシチンオイル、C;モノラウリン酸ソルビタン、D;縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、E;モノオレイン酸ペンタグリセリン、F;モノグリセライド、G;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、H;ヒドロキシプロピルセルロース、I;メチルセルロース)のいずれかを含む本ソフトカプセル1錠は、25(OH)Dを約10μg含有する。そして本ソフトカプセル中の25(OH)Dは1年経過後も80%以上を維持した。25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中濃度が30ng/mLに満たないヒトが本発明のソフトカプセルを1日に1〜2錠摂取することで、血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持することができ、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和作用を発揮し非常に有用であった。
一方、25(OH)Dの安定化処理を施していないハードカプセル製剤[25(OH)D含有組成物(添加成分;結晶セルロース)をハードカプセル充填用粉体の基本処方bに57.15質量%加えて粉体を調製し、得られた粉体を、3号カプセルを使用して1カプセル当たり100mgの粉体を充填したもの]は、アルミ袋に30粒入れてシリカゲルを1グラム同梱し25℃60%RTで保管したときの1年後の25(OH)D含有量は初期値(100)から73%にまで低下しており、安定な製剤として市場供給できないものであった。
以上示したとおり、本発明により、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを1日当たり10μg投与することができる、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物が提供できた。この組成物は、日常的に摂取することで血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持することができた。
また、25−ヒドロキシコレカルシフェロールを、酵素分解大豆レシチン又はライスレシチンオイルから選ばれる1以上のレシチン、縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸及びモノラウリン酸ソルビタンから選ばれる1以上の界面活性剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースから選択される1以上のセルロース誘導体、のいずれか或いは複数を組み合わせて調製することで25−ヒドロキシコレカルシフェロール安定化組成物とすることができ、そのまま散剤や顆粒剤にしたり、これを含有する錠剤、ソフトカプセル製剤、ハードカプセル製剤にしたりすることができた。これらの製剤は、血中の25−ヒドロキシコレカルシフェロール濃度を30〜50ng/mLに維持するために組成物中に含有される25−ヒドロキシコレカルシフェロール(ビタミンD代謝物)が室温保管1年後でも80%を下回らないように安定化された、上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口用組成物として提供できた。

Claims (8)

  1. 25−ヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とする上気道感染症の予防または上気道感染症状緩和用の経口組成物。
  2. 25−ヒドロキシコレカルシフェロール10μg以上を1日一回摂取することができるように調製された25−ヒドロキシコレカルシフェロールの血中濃度が30ng/mLに満たないヒトのための請求項1に記載の経口組成物。
  3. 25−ヒドロキシコレカルシフェロールの長期間安定性を有する請求項1又は2に記載の経口組成物。
  4. 酵素分解大豆レシチン又はライスレシチンオイルから選ばれる1以上のレシチンを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の経口組成物。
  5. 縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸及びモノラウリン酸ソルビタンから選ばれる1以上の界面活性剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の経口組成物。
  6. ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチメセルロースから選択される1以上のセルロース誘導体を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の経口組成物。
  7. 酵素分解大豆レシチン又はライスレシチンオイルから選ばれる1以上のレシチンと、縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、モノグリセリン脂肪酸及びモノラウリン酸ソルビタンから選ばれる1以上の界面活性剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースから選択される1以上のセルロース誘導体を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の経口組成物。
  8. 1日用量として25−ヒドロキシコレカルシフェロールを10〜35μg含有する請求項1〜7のいずれかに記載の経口組成物。
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