JP2018128393A - 検査装置、および、フォーカス調整支援方法 - Google Patents

検査装置、および、フォーカス調整支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オートフォーカス機能のない撮影手段を備える検査装置におけるフォーカス調整を支援すること。【解決手段】実施形態の検査装置は、検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査し、外部操作によって撮影部による撮影時のフォーカスが調整される検査装置であって、検査時に検査対象物が配置される位置を含む所定の撮影領域を撮影する前記撮影部と、撮影部によって撮影された所定のコントラストを有する基準対象物の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出し、合焦度の指標値であるフォーカス指標値として、フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を算出する制御部と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、検査装置、および、フォーカス調整支援方法に関する。
従来、検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査する検査装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−83267号公報
このような検査装置で使用される撮影手段(いわゆるFA(Factory Automation)カメラ)は、オートフォーカス機能のないものが多い。その場合、手動操作で撮影手段のフォーカスを調整する必要があり、手間がかかる。
そこで、本発明の課題の一つは、オートフォーカス機能のない撮影手段を備える検査装置におけるフォーカス調整を支援することである。
実施形態の検査装置は、検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査し、外部操作によって撮影部による撮影時のフォーカスが調整される検査装置であって、検査時に検査対象物が配置される位置を含む所定の撮影領域を撮影する前記撮影部と、撮影部によって撮影された所定のコントラストを有する基準対象物の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出し、合焦度の指標値であるフォーカス指標値として、フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を算出する制御部と、を備える。
図1は、実施形態の検査装置を示す斜視図である。 図2は、実施形態の検査装置の一部を検査時の検査対象物の長手方向に見た模式図である。 図3は、実施形態の基準対象物を示す斜視図である。 図4は、実施形態の検査装置の構成を示すブロック図である。 図5は、実施形態の検査装置の制御部の機能を示すブロック図である。 図6は、実施形態の撮影画像を示す図である。 図7は、実施形態の検査装置による点検基準設定処理を示すフローチャートである。 図8は、実施形態の検査装置によるフォーカス指標値算出処理を示すフローチャートである。 図9は、実施形態において撮影画像からフィルタ画像を算出する処理の説明図である。 図10は、実施形態における撮影画像、フィルタ画像、および、それらのラインプロファイルの例を示す図である。 図11は、実施形態において明るさ指標値を算出するときに用いる撮影画像の領域を示す図である。 図12は、実施形態における点検基準設定時の表示画面の例を示す図である。 図13は、実施形態の検査装置による点検処理を示すフローチャートである。 図14は、実施形態における点検結果の表示画面の例を示す図である。
以下、実施形態の検査装置、フォーカス調整支援方法等について、図面を参照して説明する。図1は、実施形態の検査装置1を示す斜視図である。検査装置1は、検査対象物100の撮影画像に基づいて検査対象物100の表面を検査し、外部操作(手動操作または自動操作)によって撮影部3による撮影時のフォーカスが調整される。ここで、検査対象物100は、長尺形状かつ円管状(または円柱状)の部品(例えば、ホース、チューブ、棒等)である。
検査装置1は、一つの撮影部3に対して、複数(本実施形態では、一例として2つ)の光源2U、2Dを備えている。具体的に、光源2Uおよび光源2Dは、検査対象物100の長手方向(軸方向)に離間して配置されている。光源2Uおよび光源2Dは、環状(例えば円環状)に構成されている。光源2Uおよび光源2Dは、環状に配置された複数のLED(Light Emitting Diode)を有している。長尺形状の検査対象物100は、光源2Uおよび光源2Dの環状部分の内側(例えば、中央部)を貫通し、環状部分の軸方向に沿って延びている。また、光源2Uおよび光源2Dは、検査対象物100の長手方向(軸方向)と直交する面について面対称に配置されている。
また、検査対象物100の撮影領域Aは、光源2Uと光源2Dとの間(本実施形態では、一例として中間位置)に設定されている。撮影領域A(所定の撮影領域)は、検査時に検査対象物100が配置される位置を含む。光源2Uからの光は、検査対象物100の長手方向の一方側(図1では左側)から撮影領域Aに照射され、光源2Dからの光は、長手方向の他方側(図1では右側)から撮影領域Aに照射される。
また、検査対象物100は、検査中、搬送装置30(図4参照)によって、長手方向(軸方向)に搬送される。すなわち、検査装置1は、搬送装置30によって搬送されて移動している検査対象物100の表面を検査する。したがって、撮影領域Aは、検査対象物100の移動に伴って、検査対象物100の長手方向に沿って相対的に移動する。なお、検査対象物100は、例えば、光源2U側から光源2D側へ移動する。すなわち、光源2Uは、撮影領域Aに対して搬送方向の上流側に配置され、光源2Dは、撮影領域Aに対して搬送方向の下流側に配置されている。
撮影部3は、オートフォーカス機能のないFAカメラである。撮影部3は、検査対象物100の径方向外側に配置され、光学部品4を介して、検査対象物100の表面100aの画像を取得する。また、撮影部3は、手動操作用のフォーカス調整機構31を有する。ユーザは、フォーカス調整機構31を操作(例えば回転操作)することで、撮影部3のフォーカスを調整することができる。なお、ここでは、外部操作によって撮影部3による撮影時のフォーカスを調整する方法として、撮影部3が手動操作用のフォーカス調整機構31を有する場合を例にとって説明する。
光学部品4は、一つの撮影部3に対して、複数(本実施形態では、一例として2つ)のミラー4L、4Rである。ここで、図2は、実施形態の検査装置1の一部を検査時の検査対象物100の長手方向に見た模式図である。具体的に、ミラー4L、4Rは、図2に示すように、検査対象物100を基準に撮影部3の反対側で、軸方向(検査対象物100の長手方向)に見た場合にV字状に配置されている。ミラー4L、4Rは互いに120°の角度(撮影部3と検査対象物100とを結ぶ線Lに対して互いに反対側に60°となる角度)となる姿勢で配置されている。
ミラー4L、4Rは、いずれも、検査対象物100の表面100aに対向した平面状の反射面4a(鏡面)を有している。また、ミラー4L、4Rは、検査対象物100の長手方向(軸方向)と直交する面に沿って帯状に延びている。なお、隣接するミラー4L、4Rは、一体化されていてもよいし、分離されていてもよい。
また、光源2U、2D、撮影部3、および、光学部品4を含む検査部10(10U、10D)が、検査対象物100の長手方向(軸方向、搬送方向)に間隔をあけて複数箇所(本実施形態では、一例として二箇所)に設けられている。これら検査部10では、撮影部3および光学部品4の配置が異なっている。本実施形態では、搬送方向の上流側(図1の左側)に位置された検査部10Uでは、図1の上側に撮影部3が位置し、下側に光学部品4が位置する。よって、検査部10Uの撮影部3は、検査対象物100の図1の下側の領域の画像を取得する。一方、下流側(図1の右側)に位置された検査部10Dでは、図1の下側に撮影部3が位置し、上側に光学部品4が位置する。よって、検査部10Dの撮影部3は、検査対象物100の図1の上側の領域の画像を取得する。すなわち、複数の撮影部3は、それぞれ、検査対象物100の表面100aの相異なる領域(部位、位置)を撮影する。
また、本実施形態では、撮影部3は、ラインカメラ(ラインセンサ)として構成されている。撮影部3は、検査対象物100の幅方向に沿って一列に配置された複数の光電変換素子(撮影素子、不図示)を有する。すなわち、撮影部3は、検査対象物100の幅方向に沿った線状の画像(各光電変換素子に対応した画素毎の輝度値のデータ)を取得する。各撮影素子は、例えば256階調で輝度値のデータを取得する。撮影部3は、撮影される各時刻(タイミング)で、一次元の画像を取得する。モノクロ(白黒)の撮影部3の場合、各撮影素子について一つの画像データが取得される。カラーの撮影部3の場合、各撮影素子について複数(例えば、R(赤)G(緑)B(青)の三つ)の画像データが取得される。以下では、モノクロ(白黒)の撮影部3の場合を例にとって説明する。
光源2U、2Dによる検査対象物100への光の照射は、交互に実行される。そして、撮影部3による撮影(画像の取得)と、光源2U、2Dによる検査対象物100への光の照射(一例としては光源2U、2Dの発光の切り替え)とが、同期している。
なお、光源2U、2Dからの光の照射(切り替え)および撮影部3による撮影の周期や、搬送装置30による検査対象物100の搬送速度等は、適宜設定すればよい。ラインセンサは、エリアセンサより分解能が比較的高く、また応答性も比較的高いため、ラインセンサを用いることで、より精度の高い検査が可能となる場合がある。
次に、基準対象物について説明する。図3は、実施形態の基準対象物101を示す斜視図である。基準対象物101は、撮影部3のフォーカス調整に用いられるものであり、所定のコントラスト(輝度差)を有する。図3の例では、基準対象物101は、検査対象物100の一部と同じ長尺形状で、所定のコントラストとして長手方向に白色領域と黒色領域が延びている白黒の縞模様を有する。より具体的には、基準対象物101は、例えば、検査対象物100の一部と同じ長尺形状の棒に、上述の白黒の縞模様が印刷された紙を巻きつけることで、実現できる。
次に、検査装置1の構成について説明する。図4は、実施形態の検査装置1の構成を示すブロック図である。図4に示すように、検査装置1は、制御部20(例えばCPU(Central Processing Unit)等)、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、SSD(Solid State Drive)23、光照射コントローラ24、撮影コントローラ25、搬送コントローラ26、表示コントローラ27等を備える。
光照射コントローラ24は、制御部20からの制御信号に基づいて、光源2U、2Dの発光のオン、オフ等を制御する。なお、開閉を切り替えて光の出射と出射停止とを切り替えるシャッタ等の可変装置が用いられる場合には、当該可変装置の動作が制御される。撮影コントローラ25は、制御部20からの制御信号に基づいて、撮影部3による撮影を制御する。搬送コントローラ26は、制御部20からの制御信号に基づいて、搬送装置30による検査対象物100の搬送(開始、停止、速度等)を制御する。表示コントローラ27は、制御部20からの制御信号に基づいて、表示装置40による表示を制御する。
制御部20は、不揮発性の記憶部としてのROM21やSSD23等にインストールされたプログラム(アプリケーション)を読み出して実行する。RAM22は、制御部20がプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。なお、図4に示すハードウエアの構成はあくまで一例であって、例えばチップやパッケージにする等、種々に変形して実施することが可能である。また、各種演算処理は、並列処理することが可能であり、制御部20等は、並列処理が可能なハードウエア構成としてもよい。
ここで、図5は、実施形態の検査装置1の制御部20の機能を示すブロック図である。図5に示すように、制御部20は、ハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働によって、光照射制御部20a、撮影制御部20b、搬送制御部20c、画像処理部20d、表示制御部20e、合否判定部20f等として機能する。光照射制御部20aは、光照射コントローラ24を制御する。撮影制御部20bは、撮影コントローラ25を制御する。搬送制御部20cは、搬送コントローラ26を制御する。
画像処理部20dは、撮影部3によって取得した画像データの画像処理等を実行する。画像処理部20dは、撮影部3が取得した一次元の画像を取得順に並べることで、二次元の画像を作成する。また、画像処理部20dは、画像処理によって、検査対象物100の表面を検査する。表示制御部20eは、表示装置40(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescent Display)等)による表示を制御する。合否判定部20fは、検査装置1の点検処理時にフォーカス指標値に関する合否判定を行う(詳細は後述)。
ここで、フォーカス指標値について説明する。フォーカス指標値とは、合焦度(フォーカスが合っている度合い)を示す指標値である。このフォーカス指標値は、フォーカス調整機構31による撮影部3のフォーカス調整時や検査装置1の点検時等に用いられる。画像処理部20dは、例えば、撮影部3によって撮影された基準対象物101の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出し、フォーカス指標値として、フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を算出し、当該平均値を撮影画像の輝度値の平均値で除算した値を算出する(詳細は後述)。
また、画像処理部20dは、例えば、撮影部3によって撮影された基準対象物101の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出し、フォーカス指標値として、フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を算出してもよい。
また、ユーザによるフォーカス調整機構31を用いた操作によって撮影部3のフォーカスが調整されているとき、画像処理部20dが、フォーカス指標値の算出を繰り返し、表示制御部20eが、当該フォーカス指標値の経時的変化を表示装置40にグラフ表示させるようにしてもよい。
次に、明るさ指標値について説明する。明るさ指標値とは、検査時に用いられる光源2U、2D(照明装置)の劣化度合いを知るための明るさの指標値である。例えば、制御部20において、画像処理部20dが、明るさ指標値として、撮影画像の所定領域における輝度値の平均値を算出し(詳細は後述)、表示制御部20eが、表示装置40にその値を表示させる。
次に、撮影画像について説明する。図6は、実施形態の撮影画像を示す図である。図6(a)は、フォーカスが合っている撮影画像である。図6(a)に示す撮影画像は、基準対象物101が撮影部3によって直接撮影されている部分である画像101aと、基準対象物101がV字状のミラー4L、4R(図1)を介して撮影部3によって撮影されている部分である画像101b、101cを含む。本実施形態で画像処理の対象とするのは画像101b、101cである。そして、領域A1に示しているのは、画像101b、101cの拡大画像であるが、フォーカスが合っているので鮮明である。
一方、図6(b)は、フォーカスが合っていない撮影画像である。図6(b)に示す撮影画像は、図6(a)に示す撮影画像と同様に、画像101aと、画像101b、101cを含む。そして、領域A2に示しているのは、画像101b、101cの拡大画像であるが、フォーカスが合っていないので不鮮明である。
本実施形態では、まず、基準対象物101を用いて、フォーカス指標値、および、その許容度(例えば±5%)を点検基準として設定する。そして、例えば、検査装置1の定期点検のときに、算出したフォーカス指標値が点検基準の許容度の範囲に収まっていれば「正常」、収まっていなければ「異常」と判定する。また、明るさ指標値は、ユーザが光源2U、2D(照明装置)の劣化度合いを知るための判断材料となる。
次に、検査装置1による点検基準設定処理について説明する。図7は、実施形態の検査装置1による点検基準設定処理を示すフローチャートである。この処理の前に、ユーザは、検査装置1に基準対象物101をセットしておく。
まず、検査装置1において、制御部20の撮影制御部20bが撮影コントローラ25を制御し、撮影部3によって基準対象物101を撮影する(ステップS1)。次に、画像処理部20dは、基準対象物101の撮影画像を用いてフォーカス指標値を算出する(ステップS2)。
ここで、図8は、実施形態の検査装置1によるフォーカス指標値算出処理(図7のステップS2)を示すフローチャートである。まず、画像処理部20dは、撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出する(ステップS21)。これについて、図9を参照して説明する。図9は、実施形態において撮影画像からフィルタ画像を算出する処理の説明図である。
画像処理部20dは、図9に示すような3行3列の微分フィルタを用いて演算することで、フィルタ画像を算出する。その場合の撮影画像のラインプロファイルとフィルタ画像のラインプロファイルは、図9に示す通りである。撮影画像のラインプロファイルにおいて、縦軸は輝度値、横軸は画素である。フィルタ画像のラインプロファイルにおいて、縦軸は画素値、横軸は画素である。撮影画像の輝度値の範囲は0〜255であるのに対し、フィルタ画像の画素値の範囲は−255〜255となる。また、フィルタ画像の画素値は0が多いことがわかる。
図8に戻って、ステップS21の後、画像処理部20dは、フィルタ画像の画素値が0の領域を除外する(ステップS22)。これは、フォーカス指標値の大きさが小さくなりすぎることを防ぐためである。
次に、画像処理部20dは、フィルタ画像の画素値を絶対値に変換する(ステップS23)。次に、画像処理部20dは、フィルタ画像の画素値の平均値(X)を算出する(ステップS24)。次に、画像処理部20dは、撮影画像の輝度値の平均値(Y)を算出する(ステップS25)。次に、画像処理部20dは、フォーカス指標値として、XをYで除算した値を算出する(ステップS26)。
このようにして、図8に示す処理により、フォーカス指標値を算出できる。なお、フォーカス指標値を、Xではなく、XをYで除算した値としたのは、実際にはフォーカスの合っている度合いは同じなのに、照明の明るさによってフォーカス指標値が異なる、という事態を避けるためである。したがって、照明の明るさは一定であるという条件を満たすことができるのであれば、Xをフォーカス指標値として採用してもよい。
ここで、図10は、実施形態における撮影画像、フィルタ画像、および、それらのラインプロファイルの例を示す図である。図10(a1)は、フォーカスが合っている撮影画像である。図10(a2)は、図10(a1)に対応するラインプロファイルである。また、図10(b1)は、フォーカスが合っていない撮影画像である。図10(b2)は、図10(b1)に対応するラインプロファイルである。
また、図10(c1)は、図10(a1)の撮影画像を用いて算出したフィルタ画像である。図10(c2)は、図10(c1)に対応するラインプロファイルである。また、図10(d1)は、図10(b1)の撮影画像を用いて算出したフィルタ画像である。図10(d2)は、図10(d1)に対応するラインプロファイルである。
これらを見ればわかるように、フォーカスの合っている撮影画像(図10(a1))のラインプロファイル(図10(a2))は急峻な形状で、その撮影画像を用いて算出したフィルタ画像(図10(c1))のラインプロファイル(図10(c2))も急峻な形状となるので、このフィルタ画像を用いて算出したフォーカス指標値は大きな値となる。一方、フォーカスの合っていない撮影画像(図10(b1))のラインプロファイル(図10(b2))はゆるやかな形状で、その撮影画像を用いて算出したフィルタ画像(図10(d1))のラインプロファイル(図10(d2))もゆるやかな形状となるので、このフィルタ画像を用いて算出したフォーカス指標値は小さな値となる。つまり、フォーカス指標値が大きいほど、フォーカスが合っている度合いが高いことがわかる。
図7に戻って、ステップS2の後、画像処理部20dは、明るさ指標値を算出する(ステップS3)。ここで、図11は、実施形態において明るさ指標値を算出するときに用いる撮影画像の領域を示す図である。図11に示す領域A21が、明るさ指標値を算出するときに用いる撮影画像の領域である。画像処理部20dは、撮影画像のうちのこの領域A21のデータを用いて、明るさ指標値として、輝度値の平均値を算出する。なお、撮影画像の左右の両端を領域A21に含めていないのは、基準対象物101が三次元形状であることによる計算誤差を抑えるためである。
図7に戻って、ステップS3の後、表示制御部20eは、表示装置40に、ステップS2で算出したフォーカス指標値、ステップS3で算出した明るさ指標値を含む表示を行う(ステップS4)。ここで、図12は、実施形態における点検基準設定時の表示画面の例を示す図である。図12に示すように、この表示画面では、領域A11〜A19における表示と、ボタンB1、B2が表示される。
領域A11、A12には、それぞれ、図1の検査部10Uにおける撮影部3(カメラ#1)による撮影画像(図6(a)(b)の画像101b、101cに対応する画像)が表示される。また、領域A15には、領域A11、A12の撮影画像に対応するフォーカス指標値の経時的変化のグラフ表示(L11、L12。左端が最新値)と明るさ指標値(左側の縦グラフ)が表示される。
同様に、領域A13、A14には、それぞれ、図1の検査部10Dにおける撮影部3(カメラ#2)による撮影画像が表示される。また、領域A16には、領域A13、A14の撮影画像に対応するフォーカス指標値の経時的変化のグラフ表示(L21、L22。左端が最新値)と明るさ指標値(左側の縦グラフ)が表示される。
また、領域A17には、図1の検査部10Uにおける光源2U、2D(照明#1)に関する調光値が、画面上で操作可能にスライダ表示される。同様に、領域A18には、図1の検査部10Dにおける光源2U、2D(照明#2)に関する調光値が、画面上で操作可能にスライダ表示される。領域A19には、点検基準として設定されるフォーカス指標値の許容度(例えば±5%)が、画面上で操作可能にプルダウンメニュー表示される。
ボタンB1は、照明#1、#2の調光値を確認するために操作されるボタンである。ボタンB1が操作されると、領域A17、A18が表示される。ボタンB2は、点検基準設定ボタンである(詳細は後述)。
図7に戻って、ステップS4の後、制御部20は、点検基準設定ボタン(図12のボタンB2)の操作があったか否かを判定し(ステップS5)、Yesの場合はステップS6に進み、Noの場合はステップS1に戻る。
このステップS1からステップS5のNoまでのループが繰り返される間、ユーザは、表示画面(図12)を見ながら、図1の2つの撮影部3におけるフォーカス調整機構31を用いてフォーカスを調整したり、領域A17、A18を用いて照明#1、#2の調光値を調整したりする。また、ユーザは、領域A19を用いて許容度を選択する。そして、ユーザは、図12の表示画面における領域A15、A16を見て、各フォーカス指標値、各明るさ指標値が良好であると判断すれば、ボタンB2を操作する。
ボタンB2が操作されると、ステップS5でYesとなり、画像処理部20dは、そのときの各フォーカス指標値、各明るさ指標値、および、許容度を点検基準として設定し(ステップS6)、それらをSSD23(図4)に記憶させる。
次に、例えば、検査装置1の定期点検のときにおける処理(点検処理)について説明する。図13は、実施形態の検査装置1による点検処理を示すフローチャートである。この処理の前に、ユーザは、検査装置1に基準対象物101をセットしておく。
まず、検査装置1において、制御部20は、点検開始の操作があったか否かを判定し(ステップS31)、Yesの場合はステップS32に進み、Noの場合はステップS31に戻る。点検開始の操作は、例えば、ユーザが表示画面上で行う。
ステップS32において、制御部20は照明を点灯する。具体的には、光照射制御部20aは、光照射コントローラ24を制御し、光源2U、2Dを点灯させる。次に、撮影制御部20bは、撮影コントローラ25を制御し、撮影部3が基準対象物101を撮影する(ステップS33)。次に、画像処理部20dは、基準対象物101の撮影画像を用いてフォーカス指標値を算出する(ステップS34。図7のステップS2と同様)。次に、画像処理部20dは、明るさ指標値を算出する(ステップS35。図7のステップS3と同様)。
次に、合否判定部20fは、フォーカス指標値の合否判定を行う(ステップS36)。具体的には、合否判定部20fは、ステップS34で算出したフォーカス指標値が、図7のステップS6で設定したフォーカス指標値の許容度の範囲(例えば、設定したフォーカス指標値±5%の間の範囲)に収まっていれば「正常(合)」、収まっていなければ「異常(否)」と判定する。
次に、表示制御部20eは、表示装置40に、ステップS36で行った合否判定の結果(点検結果)等を表示する(ステップS37)。ここで、図14は、実施形態における点検結果の表示画面の例を示す図である。図14に示すように、この表示画面では、領域A31〜A37における表示が行われる。
領域A31、A32には、それぞれ、カメラ#1による撮影画像(図12の領域A11、A12のように2つ)に関するフォーカス指標値およびその合否結果(OKまたはNG)と、照明#1、#2に関する明るさ指標値が表示される。また、領域A33、A34には、それぞれ、カメラ#2による撮影画像に関するフォーカス指標値およびその合否結果(OKまたはNG)と、照明#1、#2に関する明るさ指標値が表示される。
また、領域A35におけるフォーカス点検OK(点検結果が正常)の表示と、領域A36におけるフォーカス点検NG(点検結果が異常)の表示と、のいずれか該当するほうが拡大して表示される。また、領域A37には、設定されているフォーカス指標値の許容度の範囲(判定基準)が表示される。
ユーザは、この表示画面を見ることで、フォーカス指標値、および、その合否判定結果や、明るさ指標値を知ることができる。
このように、本実施形態によれば、オートフォーカス機能のない撮影手段を備える検査装置1におけるフォーカス調整を支援することができる。例えば、従来は、ユーザが撮影画像を見ながら感覚的にフォーカス調整を行っていたので、調整精度にばらつきがあった。一方、本実施形態では、ユーザがフォーカス指標値という定量的な数値を用いて点検基準を設定し、その点検基準を用いてフォーカスの合否判定を行うことで、安定して高精度なフォーカス調整を実現できる。
また、ユーザがフォーカス調整機構31を用いて撮影部3のフォーカスを調整しているときに、フォーカス指標値の経時的変化を表示装置40にグラフ表示(図12の領域A15、A16)させることで、ユーザは、フォーカス指標値の点検基準を容易に適切に設定することができる。
また、フォーカス指標値とともに、明るさ指標値も算出して表示させることで、ユーザは、光源2U、2Dの劣化度合いを容易に知ることができる。
また、V字状に配置されているミラー4L、4Rが物理的にずれていると、同じ撮影部3に関する2つのフォーカス指標値が異なる場合がある。したがって、ユーザは、同じ撮影部3に関する2つのフォーカス指標値が異なっていることを知ることで、V字状に配置されているミラー4L、4Rが物理的にずれている可能性を知り、適切に対応することができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例である。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、実施形態の構成や形状は、部分的に他の構成や形状と入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、角度、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
また、検査対象物は、長尺形状部品以外であってもよい。また、検査対象物は、三次元形状でなくても、平面形状等のものであってもよい。また、検査対象物は、検査時に搬送されないものであってもよい。その場合、基準対象物における所定のコントラストは、上述のような白黒の縞模様ではなく、円模様や市松模様(格子模様)等の他の模様で実現してもよい。また、光学部品はミラー以外(例えば、レンズ、プリズム等)であってもよい。
また、基準対象物における所定のコントラストは、例えば、単白色の物に対してプロジェクションマッピング等の技術によって所定の画像を投影することで実現してもよい。
また、外部操作によって撮影部3による撮影時のフォーカスを調整する方法は、撮影部3が手動操作用のフォーカス調整機構31を有する場合に限定されず、例えば、ワークディスタンス(撮影部3(レンズ)と検査対象物との距離)を手動操作で調整する方法であってもよい。その場合、例えば、ユーザは、撮影部3か検査対象物の一方を動かして他方との距離を変える動作を行えばよい。
また、外部操作によって撮影部3による撮影時のフォーカスを調整する方法は、例えば、撮影部3に、フォーカス指標値に基づいて自動的に回転してフォーカスを調整する自動フォーカス調整機構を設ける方法でもよい。また、フォーカス指標値に基づいてワークディスタンスを自動的に調整する機構を設ける方法でもよい。そのような機構は、例えば、撮影部3の下に検査対象物を載せるワーク台がある場合、撮影部3かワーク台を自動的に上下動作させる機構として実現することができる。これらの方法によれば、検査装置において元々オートフォーカス機能のない撮影手段に対して、フォーカス指標値に基づいたオートフォーカス機能を追加することができる。
1…検査装置、2…光源、3…撮影部、4…光学部品、10…検査部、20…制御部、20a…光照射制御部、20b…撮影制御部、20c…搬送制御部、20d…画像処理部、20e…表示制御部、20f…合否判定部、21…ROM、22…RAM、23…SSD、24…光照射コントローラ、25…撮影コントローラ、26…搬送コントローラ、27…表示コントローラ、30…搬送装置、31…フォーカス調整機構、40…表示装置、100…検査対象物、100a…表面、101…基準対象物。

Claims (7)

  1. 検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査し、外部操作によって撮影部による撮影時のフォーカスが調整される検査装置であって、
    検査時に検査対象物が配置される位置を含む所定の撮影領域を撮影する前記撮影部と、
    前記撮影部によって撮影された所定のコントラストを有する基準対象物の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出し、合焦度の指標値であるフォーカス指標値として、前記フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を算出する制御部と、を備える検査装置。
  2. 検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査し、外部操作によって撮影部による撮影時のフォーカスが調整される検査装置であって、
    検査時に検査対象物が配置される位置を含む所定の撮影領域を撮影する前記撮影部と、
    前記撮影部によって撮影された所定のコントラストを有する基準対象物の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出し、合焦度の指標値であるフォーカス指標値として、前記フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を前記撮影画像の輝度値の平均値で除算した値を算出する制御部と、を備える検査装置。
  3. 前記制御部は、ユーザによる外部操作によって前記撮影部のフォーカスが調整されているとき、前記フォーカス指標値の算出を繰り返し、前記フォーカス指標値の経時的変化を表示部にグラフ表示させる、請求項1または請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記検査対象物は、長尺形状で、検査時に長手方向に搬送され、
    前記基準対象物は、前記検査対象物の一部と同じ長尺形状で、前記所定のコントラストとして長手方向に白色領域と黒色領域が延びている白黒の縞模様を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検査装置。
  5. 前記制御部は、前記検査時に用いられる照明装置の劣化度合いを知るための明るさの指標値である明るさ指標値として、前記撮影画像の所定領域における輝度値の平均値を算出し、表示部に表示させる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の検査装置。
  6. 検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査し、外部操作によって撮影部による撮影時のフォーカスが調整される検査装置によるフォーカス調整支援方法であって、
    前記検査装置は、検査時に検査対象物が配置される位置を含む所定の撮影領域を撮影する前記撮影部と、制御部と、を備えており、
    前記制御部が、前記撮影部によって撮影された所定のコントラストを有する基準対象物の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出するステップと、合焦度の指標値であるフォーカス指標値として、前記フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を算出するステップと、を含むフォーカス調整支援方法。
  7. 検査対象物の撮影画像に基づいて当該検査対象物の表面を検査し、外部操作によって撮影部による撮影時のフォーカスが調整される検査装置によるフォーカス調整支援方法であって、
    前記検査装置は、検査時に検査対象物が配置される位置を含む所定の撮影領域を撮影する前記撮影部と、制御部と、を備えており、
    前記制御部が、前記撮影部によって撮影された所定のコントラストを有する基準対象物の撮影画像に微分フィルタ演算を行うことでフィルタ画像を算出するステップと、合焦度の指標値であるフォーカス指標値として、前記フィルタ画像の画素値が0以外の領域における画素値の絶対値の平均値を前記撮影画像の輝度値の平均値で除算した値を算出するステップと、を含むフォーカス調整支援方法。
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