JP2018126583A - 噴霧エジェクタ機構、電荷分離及び制御可能な液滴電荷を提供する装置、並びに低投与量の点眼 - Google Patents

噴霧エジェクタ機構、電荷分離及び制御可能な液滴電荷を提供する装置、並びに低投与量の点眼 Download PDF

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Abstract

【課題】対象に対して安全で適切かつ反復可能な投与量を送達する送達装置を提供する。
【解決手段】流体の液滴を発生させる電荷分離エジェクタ機構1601であって、該機構は、その厚さを貫通して形成された複数の開口を有するジェネレータプレート1602と、電圧印加時に、前記ジェネレータプレート1602を直接又は間接的に振動させるように動作可能な圧電アクチュエータ1604と、2つの導電層と、誘電体層と、を備え、第1の導電層が、前記誘電体層から前記圧電アクチュエータ1604を分離し、前記誘電体層が、第2の導電層から前記第1の導電層を分離し、前記第2の導電層が、前記ジェネレータプレート1602から前記誘電体層を分離し、それによって、前記ジェネレータプレート1602を電荷分離し、接地する、前記エジェクタ機構である。
【選択図】図1

Description

関連出願
特許協力条約による本特許出願は、2012年12月13日に出願された米国仮出願第61/736,948号、2012年11月5日に出願された第61/722,589号、2012年5月4日に出願された第61/642,867号、及び2012年4月10日に出願された61/622,148号の出願日の利益を主張し、これらの内容を、参照によりこれらの全体において本明細書に援用する。
ミスト又はスプレーの形態で製品を投与する噴霧装置の使用は、安全で使いやすい製品に対して大きな可能性のある分野である。しかしながら、かかる装置の提供における主な課題は、適切な用量の一貫性のある正確な送達を提供することである。噴霧装置に必要とされる重要な分野は、眼科用薬剤の送達である。
点眼薬の場合と同様に、流体の従来の適用は、特に、重要な投与の瞬間において瞬き又は痙動を起こし、これによって、液滴が眼瞼、鼻又は顔のその他の部分の上に落下する傾向のある子供及び動物に対し、常に問題を提起している。特に流体が異なる温度である場合、眼球上への流体の大きな滴の衝撃も、瞬き反応を引き起こす傾向がある。また、高齢者、障害者及び脳卒中の犠牲者も、適切に点眼薬の管理に必要な手先の器用さ及び協調を失うことが多い。さらに、好ましくない投与によって、対象のコンプライアンスが問題となる場合がある。
具体的には、点眼瓶によって分配される一般的な医療用液滴は、流体の粘性及び表面張力によって異なる。単一液滴により投与される有効成分の量を制御するために、有効成分の濃度は、容積によって調整される。濃度が規定されると、1滴以上の正確な投与が必要な場合がある。しかしながら、ヒトの眼は通常、一度に7 μlの流体しか保持することができないので、単一医療用液滴であっても、眼から薬剤の一部が流出し失われる可能性がある。複数の液滴の投与によって、眼中における薬剤保持についての問題が悪化することが多い。対象(患者、subjects)には、通常、一度に投与に必要なすべての液滴を投与し、この投与は、問題を悪化させ、眼から流出及び漏出する薬剤が50〜90%に至る(result in 50 to 90 of the medication overflowing and leaking out of the eye)場合がある。
別の問題は、規定された濃度の単一液滴がそれ自体、用量の下限を示し、規定された濃度で投与することができる有効成分の量を示すということである。例えば、より低い用量が望ましいことが多い、小児科での適用は、液滴の大きさ/用量が問題となり得る例である。
したがって、眼科用、局所用、経口用、経鼻用又は経肺用の、対象に対して安全で適切かつ反復可能な投与量を送達する送達装置の必要性が存在する。
特定の局面において、本開示は、医薬組成物の液滴電荷、液滴の大きさ及び/又は液滴堆積パラメータを制御することによって、低投与量の医薬組成物をその必要がある対象の眼に送達する方法に関する。この点に関して、本開示のエジェクタ装置を使用して、例えば、標準的な点眼器の使用及び投与量と比較して、反復可能な方法により、低投与量の医薬組成物を対象の眼上に堆積させることができる。
一態様において、本開示は、標準的な点眼器の投与量と比較して、低投与量の医薬組成物をその必要がある対象の眼に送達する方法であって、この方法は、(a)制御可能な液滴電荷を有した、低投与量の医薬組成物を含む液滴を発生させることと、(b)対象の眼に低投与量の医薬組成物を含む液滴を送達することとを含み、標準的な点眼器による送達と比較して、制御可能な液滴電荷が、対象の眼への液滴の送達を向上させる方法に関する。
別の態様において、本開示は、標準的な点眼器の投与量と比較して、低投与量の医薬組成物をその必要がある対象の眼に送達する方法であって、この方法は、(a)低投与量の医薬組成物を含む液滴を発生させることであって、前述の液滴が、約15ミクロン〜約100ミクロンの径の平均液滴サイズ、及び約0.5 m/s〜約20 m/sの平均吐出速度を有する、液滴を発生させることと、(b)対象の眼に低投与量の医薬組成物を含む液滴を送達することとを含み、液滴の吐出質量の約80%〜約100%が眼上に堆積する方法に関する。
特定の他の態様において、本開示は、吐出液滴を制御可能に帯電させ、これによって、所望の投与表面、例えば組織又は生体表面に吐出液滴の送達を向上させる、噴霧エジェクタ機構及びエジェクタ装置に関する。
特定の実施形態において、噴霧エジェクタ機構及びエジェクタ装置は、投与前に保存中の液滴流体を帯電させることなく、このため、帯電による保存中の液滴流体の潜在的な物理的及び化学的相互作用、分解、変性などが最小となり、吐出液滴の投与時に、吐出液滴に制御可能な電荷を提供するように構成される。
更に他の態様において、本開示は、流体の局所的帯電及び放電による液滴駆動、液滴再捕獲を生じる誘導帯電(induction charging induced droplet recapture)、及び化学的変性を抑制又は排除する、エジェクタ機構及びエジェクタ装置に関する。
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、当業者に明らかになる。
図1は、本開示の特定の態様に係るエジェクタ装置の断面図を示す。 図2Aは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ装置における活性化エジェクタプレートの断面図を示す。 図2Bは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ装置における活性化エジェクタプレートの断面図を示す。 図3Aは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ機構の概略図である。 図3Bは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ機構の分解図である。 図3Cは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ機構の平面図である。 図4Aは、本開示の特定の態様に係る液滴の誘導帯電及び摩擦帯電、並びに関連するエジェクタシステム駆動信号を示す。 図4Bは、本開示の特定の態様に係る液滴の誘導帯電及び摩擦帯電、並びに関連するエジェクタシステム駆動信号を示す。 図4Cは、本開示の特定の態様に係る液滴の誘導帯電及び摩擦帯電、並びに関連するエジェクタシステム駆動信号を示す。 図4Dは、本開示の特定の態様に係る液滴の誘導帯電及び摩擦帯電、並びに関連するエジェクタシステム駆動信号を示す。 図5は、本開示の特定の態様に係る電荷分離エジェクタ機構の三次元拡大図を示す。 図6は、本開示の特定の態様に係る互換性のある差動信号、接地エジェクタ面、電荷分離構造を有する液滴エジェクタ機構の三次元拡大図を示す。 図7Aは、本開示の特定の態様に係る(A)下側に銅構造のない、及び(B)下側に銅構造がある銅/PEEK/銅エジェクタ面に接着されたFPCの断面を示す。 図7Bは、本開示の特定の態様に係る(A)下側に銅構造のない、及び(B)下側に銅構造がある銅/PEEK/銅エジェクタ面に接着されたFPCの断面を示す。 図8は、本開示の特定の態様に係る図7Bの実施形態の分解上面図を示す。 図9Aは、本開示の特定の態様に係る(A)下側に銅構造のない、及び(B)下側に銅構造があるDLCコーティングSS316Lエジェクタ面に接着されたFPCの断面図を示す。 図9Bは、本開示の特定の態様に係る(A)下側に銅構造のない、及び(B)下側に銅構造があるDLCコーティングSS316Lエジェクタ面に接着されたFPCの断面図を示す。 図10は、本開示の特定の態様に係る試料電荷分離エジェクタ機構の例示的な性能評価を示す。 図11Aは、本開示の特定の態様に係るフライングリード接続状態及び接続していない状態の(銅/PEEK/銅エジェクタ面に結合された)多層フレックス回路エジェクタの断面を示す。 図11Bは、本開示の特定の態様に係るフライングリード接続状態及び接続していない状態の(銅/PEEK/銅エジェクタ面に結合された)多層フレックス回路エジェクタの断面を示す。 図12は、本開示の特定の態様に係るFPC/PEEK電荷分離エジェクタアセンブリ及び過程を示す。 図13は、本開示の特定の態様に係るFPC/SS電荷分離エジェクタアセンブリ及び過程を示す。 図14Aは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ機構、エジェクタシステム駆動信号、及び関連する電場の代替的な実施形態を示し、圧電体の上部端子のみに適用されたシングルエンド型駆動とともに、接地されたエジェクタ面及び駆動信号並びに関連する場を示す。 図14Bは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ機構、エジェクタシステム駆動信号、及び関連する電場の代替的な実施形態を示し、圧電体及びエジェクタ面がともに電圧によって交流駆動し、他の電極が接地された差動駆動エジェクタシステム、駆動信号及び関連する場を示す。 図14Cは、本開示の特定の態様に係るエジェクタ機構、エジェクタシステム駆動信号、及び関連する電場の代替的な実施形態を示し、追加された第3の導体及び誘電体を有する電荷分離、駆動信号及び関連する場の実施形態を示す。 図15Aは、標準的な点眼器(E)に対する本開示のエジェクタ装置(W)用いた、基準線からの平均拡張変化%を示し、図示されている投与量は、2.5%フェニレフリン及び1%トロピカミドのそれぞれに該当する。 図15Bは、標準的な点眼器(E)に対する本開示のエジェクタ装置(W)用いた、(t=0分における基準線の拡張に対する)基準線からの平均拡張変化%を示し、図示されている投与量は、2.5%フェニレフリン及び1%トロピカミドのそれぞれに該当する。 図16Aは、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して1.5 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された1匹のイヌの眼圧を示す。 図16Bは、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して1.5 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された1匹のイヌの瞳孔径を示す。 図17Aは、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して3.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された1匹のイヌの眼圧の変化を示す。 図17Bは、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して3.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された1匹のイヌの瞳孔径を示す。 図18Aは、従来の点眼器投与(点滴器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して9.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の眼圧を示す。 図18Bは、従来の点眼器投与(点滴器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して9.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の瞳孔径を示す。 図19Aは、従来の点眼器投与(一般的な点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper)を介して12.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の眼圧を示す。 図19Bは、従来の点眼器投与(一般的な点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper)を介して12.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の眼圧の変化を示す。 図19Cは、従来の点眼器投与(一般的な点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper)を介して12.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の瞳孔径を示す。 図20は、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して30 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された2匹のイヌの眼圧を示す。 図21Aは、従来のピペット(pippette)投与(マイクロピペッター)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して9.0 μlの0.004%トラボプロストによって処置された動物の眼圧を示す。 図21Bは、従来のピペット投与(マイクロピペッター)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して9.0 μlの0.004%トラボプロストによって処置された1匹のイヌの瞳孔径を示す。 図22Aは、従来の点眼器投与(点滴器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して18.0 μlの0.004%トラボプロストによって処置された午前中の動物の眼圧を示す。 図22Bは、従来の点眼器投与(点滴器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して18.0 μlの0.004%トラボプロストによって処置された午前中における1匹のイヌの瞳孔径を示す。 図22Cは、従来の点眼器投与(点滴器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して18.0 μlの0.004%トラボプロストによって処置された午前中の動物の眼圧を示す。 図22Dは、従来の点眼器投与(点滴器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して18.0 μlの0.004%トラボプロストによって処置された午前中における1匹のイヌの瞳孔径を示す。 図23Aは、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して6.0 μlの0.03%ビマトプロストによって処置された動物の眼圧を示す。 図23Bは、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して6.0 μlの0.03%ビマトプロストによって処置された1匹のイヌの瞳孔径を示す。 図24Aは、0.005%ラタノプロストの従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して6.0 μlの0.025%(5回)ラタノプロストによって処置された動物の眼圧を示す。 図24Bは、0.005%ラタノプロストの従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して6.0 μlの0.025%(5回)ラタノプロストによって処置された動物の瞳孔径を示す。 図25Aは、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して12.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の眼圧を示す。 図25Bは、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)を介して12.0 μlの0.005%ラタノプロストによって処置された動物の瞳孔径を示す。 図26Aは、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)によって9.0 μlの0.005%ラタノプロストを投与した後におけるAHに含まれるラタノプロストの酸の週平均レベルを示す。 図26Bは、従来の点眼器投与(点眼器)と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置(Whisper MDD)によって9.0 μlの0.005%ラタノプロストを週2回投与した後におけるAHに含まれるラタノプロストを示す。 図27Aは、図14Aのエジェクタシステムの実施形態において測定されたシングルエンド型駆動波形のプロットを示し、流体の小さな周期電圧が振動プレートを流れる電流から生じることを示す。 図27Bは、図14Bのエジェクタシステムの実施形態において測定されたシングルエンド型駆動波形のプロットを示し、流体の大きな周期電圧が、振動プレートの交流電位との直接接触によるものであることを示す。 図27Cは、図14Cのエジェクタシステムの実施形態において測定されたシングルエンド型駆動波形のプロットを示し、流体の小さな周期電圧が、図14Aの標準システムの半分以下のレベルである、振動プレートを流れる電流によるものであることを示す。 図28は、本開示の実施形態に係る帯電振動プレートの開口の振動時において液滴駆動を経験する液滴を示す。 図29は、本開示に係る実施形態による電荷分離エジェクタ装置における質量堆積のプロットを示す。 図30A−Cは、本開示に係る実施形態による振動プレート駆動及び圧電体電極接地の効果についての画像を示す。 図31は、薬剤ラタノプロストを有する流体を用いて図14Aのエジェクタの実施形態によって矩形波を適用した後のエジェクタ面の画像を示す。 図32は、薬剤トロピカミドを有する流体を用いて図14Aのエジェクタの実施形態によって矩形波を適用した後のエジェクタ面の画像を示す。 図33Aは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Bは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Cは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Dは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Eは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Fは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Gは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Hは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図33Iは、本開示の態様に係る制御可能な液滴帯電を示す。 図34Aは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐中性)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の瞳孔径を示す。 図34Bは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐中性)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の眼圧を示す。 図34Cは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐中性)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の瞳孔径を示す。 図34Dは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐中性)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の眼圧を示す。 図34Eは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐負、Whisper‐中性)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の瞳孔径を示す。 図34Fは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐負、Whisper‐中性)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の眼圧を示す。 図34Gは、従来のピペット投与(Pippette‐中性)と比較した、本開示の制御可能な液滴電荷を有する噴霧エジェクタ装置(Whisper‐正、Whisper‐負、Whisper‐中性34A)によってトラボプロスト(Travatan)投与した後の眼圧を示す。
本開示は、指向性液滴流(directed stream of droplet)を発生させるエジェクタ機構及び装置、並びに、標的に吐出液滴流を送達する改良方法に関する。装置及び方法は、眼科用、局所用、経口用、経鼻用又は経肺用の流体の送達に有用であり、具体的には、眼への眼科用流体の送達に用いるのに有用であり得る。
本開示の特定の態様は、例えば、医薬組成物の電荷、液滴の大きさ及び/又は液滴堆積パラメータを制御することによって、標的に治療上有効な低投与量の医薬組成物を送達する装置及び方法に関する。特定の態様において、吐出液滴流は、本開示のエジェクタ装置によって提供することができる。ただし、本開示は、そのように限定されるものではなく、制御可能な電荷、液滴の大きさ及び/又は液滴堆積パラメータを指向性液滴流に提供するいずれかの適切な方法を用いることができる。例えば、特定の実施形態では、帯電電極及び接地面(例えば、木製チップ(wooden tip))とともに構成された眼科用ピペットを用いることができる。
特定の他の態様において、エジェクタ装置には、指向性液滴流を発生させる電荷分離エジェクタ機構が含まれる。特定の態様において、装置及び方法は、吐出液滴流に、制御可能な電荷を提供することができる。更に他の態様において、装置及び方法は、標的に、吐出液滴流の送達の向上及び投与戦略を提供することができる。本開示によれば、送達標的には、関心対象の生体組織表面、例えば、口腔粘膜、キーゼルバッハ叢(Kiesselbach's Plexus)、鼻咽頭、中咽頭、喉頭、気管、気管支及び肺胞を含む上皮及び粘膜表面が含まれ得る。さらに、指向性液滴流は、胃腸管及び尿生殖路の粘膜を治療するのに用いることができる。
特定の実施形態において、装置及び方法は、所望の標的(例えば、標準的な点眼用途及び投与量と比較して、その必要がある対象の眼)に治療上有効な低投与量の医薬組成物を反復可能に送達するのに提供される。特定の態様において、治療上有効な低投与量は、例えば、標準的な点眼器の投与量の容積の3/4、1/2、1/4、1/6、1/8(例えば、およそ0.02〜0.75)などの用量により、眼に送達することができる。一例として、標準的な点眼器によるおよそ25 μlからおよそ70 μlと比較して、特定の実施形態では、0.5 μl〜10 μlの医薬組成物を対象の眼に送達することができ、同等か又は向上した治療効果が得られる。
さらに、特定の態様において、低濃度の活性薬剤を含む治療上有効な低投与量の医薬組成物は、例えば、標準的な点眼用組成物と比較して、同等の治療投与量の活性薬剤をその必要がある対象に送達するのに利用することができる。この点に関して、本開示の特定の制御送達方法により、標準的な点眼器と比較して、送達に必要な活性薬剤の投与量及び量を低減できるような反復可能な方法で、治療上有効な低投与量の医薬組成物を対象の眼に送達することができる。理論によって制限されるものではないが、このように、安全性及び有効性を向上させることができ、望ましくない副作用を最小化することができる。
投与戦略では、治療の初期化、治療の停止、治療の切替え、及び対象の種々の状態に、種々のアプローチを組み込むこともできる。投与方式又は戦略の例としては、1日1回投与、1日2回投与、1日3回投与、連続投与、ボーラス投与、毎週投与、毎月投与、漸減投与、必要に応じた投与、及び医師、医療提供者、対象又は家族によるフィードバック投与(feedback dosing)が挙げられる。さらに、必要に応じて、投与計画には、眼ごとの投与が含まれていてもよい。これらを用いることができる臨床シナリオには、慢性疾患、疾患の悪化、抑制治療の必要性、再発治療の必要性、又は薬物耐性のような治療の状態が含まれる。
一実施形態では、標準的な点眼器の投与量と比較して、治療上有効な低用量の医薬組成物をその必要がある対象の眼に送達する方法であって、この方法は、(a)低投与量の医薬組成物の指向性液滴流を発生させることであって、液滴が、所望の平均液滴サイズ及び平均初期吐出速度を有する、指向性液滴流を発生させることと、(b)対象の眼に低投与量の医薬組成物の治療有効量の液滴を送達することであって、液滴が、液滴の所望割合の吐出質量を眼に送達する、液滴を送達することとを含む方法が提供される。特定の態様において、指向性液滴流は、制御可能な電荷とともに吐出することができ、これによって、眼への液滴の送達を向上させることができる。
眼に治療上有効な低投与量の医薬組成物を提供及び送達することが可能な装置は、本明細書に記載されている。一例として、指向性液滴流は、エジェクタ機構によって発生させることができ、エジェクタ機構は、ジェネレータプレート及び圧電アクチュエータを備え、ジェネレータプレートには、その厚さを貫通して形成された複数の開口が含まれている。圧電アクチュエータは、低投与量の医薬組成物の指向性液滴流を発生させる周波数で、ジェネレータプレートを直接又は間接的に振動させるように作動し得る。特定の態様において、エジェクタ機構は、電荷を分離することができ、吐出液滴に制御可能な電荷を提供することができる。
具体的には、本明細書に記載されている装置によって、制御可能なサイズ分布であって、それぞれの分布が平均液滴サイズを有する分布により、指向性液滴流を発生させることができる。特定の実施形態において、平均液滴サイズは、約15ミクロン〜約100ミクロン、約20ミクロン〜約100ミクロン、約20ミクロン超〜約100ミクロン、約20ミクロン〜約80ミクロン、約25ミクロン〜約75ミクロン、約30ミクロン〜約60ミクロン、約35ミクロン〜約35ミクロンなどの範囲内にあり得る。ただし、平均液滴サイズは、意図する用途に応じて、2500ミクロンという大きな大きさであってもよい。さらに、液滴の平均初期速度は、約0.5 m/s〜約20 m/s、例えば、約0.5 m/s〜約10 m/s、約1〜約10 m/s、約1 m/s〜約5 m/s、約1 m/s〜約4 m/s、約2 m/sなどであってもよい。明細書において用いる吐出サイズ及び初期吐出速度は、液滴がエジェクタプレートから離れるときの液滴の大きさ及び初期速度である。標的に誘導された液滴流によって、その組成を含む一定の割合の液滴質量が所望の位置に堆積する。
本開示の特定の態様において、エジェクタ装置は、実質的に蒸発せずに、空気混入がなく、又は標的表面(例えば、眼の表面)から外れることなく液滴を吐出し、これによって、一貫性のある投与が促進される。平均吐出液滴サイズ及び平均初期吐出速度は、流体の粘度、表面張力、エジェクタプレートの特性、形状及び寸法、並びにその駆動周波数を含む圧電アクチュエータの動作パラメータなどの要因によって異なる。一部の実施形態において、液滴の吐出質量の約60%〜約100%、約65%〜約100%、約75%〜約100%、約80%〜約100%、約85%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%などが、眼の表面に堆積し、かかる堆積は、動作及び使用条件とは無関係に反復可能である。液滴流の流れ方向は、水平方向であってもよいし、又は、使用時にユーザが作動機構を意図するように選択するいずれかの方向であってもよい。
液滴の性能は、一般に、粒子径と関係がある。限定されることを意図するものではないが、吐出液滴は、空気抵抗によって停止する(すなわち、吐出液滴の停止距離)まで減速される。また、吐出液滴は、重力によって垂直に落下する。短い加速時間の後、液滴は、抵抗力と重力が等しくなる終端速度に達する。吐出液滴は、これらとともに空気を運ぶことができ、これによって混入気流が発生し、そして、この混入気流は、計算停止距離を超えて吐出液滴を運ぶのを補助する。ただし、混入空気レベルの増加によって、混入気流が衝突面(例えば、眼の表面)において90°向きを変える必要があるため、吐出液滴は、かかる衝突面を流れ得る。小さな吐出液滴(例えば、約17ミクロン未満、約15ミクロン未満などの平均径を有する液滴)は、気流によって眼の表面に沿って運ばれ、当該表面に衝突し得ない。これに対して、大きな吐出液滴は、小さな液滴の等価質量よりも少ない混入空気を発生させ、表面に衝突するのに十分な運動量を有する。吐出液滴の停止距離は、この効果の指標である。
低投与量の医薬組成物の液滴電荷、液滴の大きさ及び/又は堆積パラメータを制御することによって、治療上有効な低投与量の医薬組成物をその必要がある対象の眼に送達する方法であって、この方法は、(a)その必要がある対象に対する低投与量の医薬組成物の所望投与量を決定することと、(b)所望投与量を有する低投与量の医薬組成物の指向性液滴流を発生させることであって、液滴が、所望の電荷、平均液滴サイズ、平均初期吐出速度又はこれらの組合せを有する、指向性液滴流を発生させることと、(c)決定した所望の投与量に基づいて、単一の適用又は複数の適用により、対象の眼に低投与量の医薬組成物の治療有効量の液滴を送達することであって、液滴が、液滴の所望割合の吐出質量を眼に送達する、液滴を送達することとを含む方法も提供される。
本明細書に記載されているものを含む多くの要因が、所望の投与量に影響を及ぼし得る。所望の投与量が決定されると、さらに、必要に応じて、所望の頻度も決定されると、かかる用量を送達することができる。投与の頻度は、回数、周期性又はこれらの双方によって異なり得る。
更に他の態様において、本開示には、吐出液滴流の電荷を制御することによって、標的への流体の送達を向上させる装置及び方法が含まれる。この点に関して、方法は、吐出液滴を制御可能に帯電させるように構成された吐出装置によって吐出液滴流を提供し、これによって、所望の投与部位への吐出液滴の送達を向上させることを含む。
一例として、そして、限定されることを意図するものではないが、吐出液滴の制御可能な電荷は、所望の表面への投与時の吐出液滴の付着、分散、滞留時間、吸収、輸送、生体内変換及び/又はバイオアベイラビリティを増加させることによって、標的送達部位への吐出液滴流の投与を向上させることができる。具体的には、制御された液滴の電荷は、少なくとも部分的に、液滴の変化と、投与表面、例えば、眼、口腔粘膜、肺、又は関心対象のその他の組織の帯電特性との間の相互作用により、吐出液滴の送達を向上させることができる。例えば、正に帯電した液滴は、眼の正味の負に帯電した表面に広がり、当該表面を通過し、例えば、これによって、液滴中に含まれる薬剤のバイオアベイラビリティが高められる。
エジェクタ装置及びエジェクタ機構が開示されており、これらは、制御可能に吐出液滴を帯電させ、及び/又は液滴の大きさ及び液滴堆積パラメータを制御し、これによって、所望の投与部位への吐出液滴の送達が向上する。ただし、本開示はそのように限定されるものではなく、制御可能な電荷、液滴径及び/又は液滴堆積パラメータを有する指向性液滴流を提供するいずれかの適切な方法を用いることができる。一例として、誘導帯電及び/又は摩擦帯電によって、制御可能に吐出液滴を帯電させるように構成された圧電駆動エジェクタ装置を用いることができる。
例えば、特定の態様において、本開示のエジェクタ装置又はエジェクタ機構は、誘導(induction)によって吐出液滴を帯電させることができる。かかる装置及びエジェクタ機構は、吐出流体に正又は負の制御可能な電荷を生じる電場を発生させるように構成することができる。特定の構成において、液滴流体は、吐出時以外に(例えば、吐出前に)、電場に帯電されていないか、又は暴露されていない。液滴流体は、所望の投与部位投与への吐出時に、制御可能かつ反復可能に帯電されるにすぎない。
特定の実施形態において、本明細書に記載されている方法は、その必要がある対象において、緑内障を含むがこれに限定されない、種々の眼の疾患、症状、不快感、感染及び障害を治療、改善又は予防するのに用いることができる。医薬組成物には、対象の眼への投与に関連して用いる適切な組成物が含まれ得るが、これに限定されず、当該組成物は、例えば、懸濁液又はエマルジョンであってもよく、また、本開示のエジェクタ機構を用いて、液滴を形成することが可能な範囲において適切な粘度を有していてもよい。本明細書において更に詳細に説明したように、本開示の特定の態様によれば、エジェクタ装置のエジェクタ機構は、標的に対して誘導できる指向性液滴流を形成することができる。
この点に関して、所望の眼活性を示す、いずれかの適切な薬剤を投与することができる。態様において、薬剤は、処方箋によって入手可能である。別の態様において、薬剤は、店頭で入手可能である。態様において、薬剤は、生物学的薬剤であるか、又はこれを含む。態様において、生物学的薬剤は、全長抗体、全長抗体の活性断片、ペプチド、ペグ化ペプチド及び酵素成分からなる群より選択される。別の態様において、生物学的成分は、ベバシズマブ、ラニビズマブ、FV断片、二重特異性抗体、融合分子、ペガプタニブ、プラスミン及びマイクロプラスミンからなる群より選択される。更なる態様において、生物学的薬剤は、ラニビズマブ抗体FAB(Lucentis(商標)を含む。)、VEGF Trap融合分子(VEGF Trap-Eye(商標)を含む。)、マイクロプラスミン酵素(Ocriplasmin(商標)を含む。)、マクジェンペグ化ペプチド(Pegaptanib(商標)を含む。)及びベバシズマブ(Avastin(商標)を含む。)からなる群より選択される。
別の態様において、投与される薬剤は、小分子であるか、又はこれを含む。例えば、投与される薬剤は、シクロスポリン、ネオマイシン、ビオモニジン(biomonidine)、並びに、例えば、トブラマイシン、ゲンタマイシン及びラタノプロストを含むアミノグリコシド抗生物質を含んでいてもよい。
態様において、送達される薬剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、テトラヒドロゾリンHCl、マレイン酸フェニラミン、フマル酸ケトチフェン、オキシメタゾリンHCl、ナファゾリンHCl、マレイン酸フェニラミン、モキシフロキサシン塩酸塩、ブロムフェナク、プロパラカイン塩酸塩、ジフルプレドナート、ガチフロキサシン、トラボプロスト、ベポタスチンベシラート、ガチフロキサシン、ロテプレドノールエタボネート、チモロール点眼液(timolol ophthalmic)、オロパタジン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、レボフロキサシン、ケトロラクトロメタミン、ラタノプロスト、ビマトプロスト、及びBAKを含まないラタノプロストからなる群より選択される薬剤を含む。別の態様において、薬剤は、Refresh Tears(商標)、Visine Advanced Relief(商標)、Naphcon A(商標)Sensitive Eyes(商標)、Renu(商標)、Opti-free(商標)リウエッティングドロップス(rewetting drops)、Visine A.C(商標)、Hypo tears(商標)、Alaway(商標)、Visine L.R.(商標)、Visine(商標)オリジナル、Rohto Cool(商標)、Soothe XP(商標)、Zaditor(商標)、Bausch & Lomb Advanced Eye Relief Redness(商標)、Visine A(商標)、Opcon-A(商標)、ウォルグリーン(Walgreens)人工涙液、Visine(商標)ドライアイリリーフ(dry eye relief)、Advanced Eye Relief Dry Eye(商標)、Opti-free Replenish(商標)、Clear Eyes(商標)レッドネスリリーフ(redness relief)、Vigamox(商標)、Bromday(商標)、Durezol(商標)、Zymaxid(商標)、Travatan Z(商標)、Tropicamide(商標)、 Bepreve(商標)、Zymar(商標)、Lotemax(商標)、Istalol(商標)、Pataday(商標)、AK-Dilate(商標)、Toradol(商標)、Xalatan(商標)及びLumigan(商標)からなる群より選択される。
別の態様において、送達される薬剤は、フルオロシリコーンアクリレート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、テトラヒドロゾリンHCl、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、ヒプロメロース、硫酸亜鉛、ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩(dorzolamide HCl timolol maleate)、アジスロマイシン、酒石酸ブリモニジン、ネパフェナク、ブリンゾラミド、ベシフロキサシン(besifloxacin)、ドルゾラミドHCl、酢酸プレドニソン(prednisone acetate)、ロテプレドノールエタボネート、トブラマイシン/デキサメタゾン及びシクロスポリンからなる群より選択される薬剤を含む。更なる態様において、薬剤は、Tears Naturale II(商標)、Optimum NWN(商標)、Thera Tears(商標)、Systane Ultra(商標)、GenTeal(商標)、Systane Lubricant Eye Drops(商標)、Blink(商標)涙液、Visine Max Redness Relief(商標)、Refresh Optive(商標)、Muro128(商標)、Systane Balance(商標)、Rohto Hydra(商標)、Rohto Ice(商標)、ウォルグリーン人工涙液、Rohto Arctic(商標)、Clear Eyes(商標)天然涙液潤滑剤、Similasan(商標)ピンクアイリリーフ、Similasan(商標)アレルギーアイリリーフ、Cosopt(商標)、AzaSite(商標)、Alphagan P(商標)、Nevanac(商標)、Azopt(商標)、Besivance(商標)、Trusopt(商標)、Alrex(商標)及びRestasis(商標)からなる群より選択される。
態様において、送達される眼科用薬剤は、緑内障を治療するのに用いられる。態様において、緑内障用薬剤は、トラボプロスト、チモロール点眼液、ラタノプロスト、ビマトプロスト、ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩、酒石酸ブリモニジン、ブリンゾラミド、ドルゾラミドHCl、及びBAKを含まないラタノプロストからなる群より選択される。更なる態様において、薬剤は、トラボプロスト、チモロール点眼液、ラタノプロスト、ビマトプロスト、及びBAKを含まないラタノプロストからなる群より選択される。別の態様において、薬剤は、ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩、酒石酸ブリモニジン、ブリンゾラミド及びドルゾラミドHClからなる群より選択される。態様において、緑内障用薬剤は、Travatan(商標)、Istalol(商標)、Xalatan(商標)、Lumigan(商標)、Cosopt(商標)、Alphagan P(商標)、Azopt(商標)及びTrusopt(商標)からなる群より選択される。別の態様において、薬剤は、Travatan(商標)、Istolol(商標)、Xalatan(商標)及びLumigan(商標)からなる群より選択される。更なる態様において、薬剤は、Cosopt(商標)、Alphagan P(商標)、Azopt(商標)及びDorzolamide HCl(商標)からなる群より選択される。
「治療有効」量という用語は、特定された眼の症状(例えば、疾患若しくは障害)を治療、改善、予防又は排除するか、又は検出可能な治療効果若しくは予防効果を発揮するのに用いられる活性薬剤の量を意味する。効果は、例えば、化学マーカー、抗原レベル、又は罹患率若しくは死亡率などの測定可能な事象に対する時間によって、検出することができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、大きさ及び健康状態;症状の特徴及び程度;並びに、投与のために選択された治療又は治療の組合せによって異なる。所定の状況に対する有効量は、臨床医の技術及び判断の範囲内であるルーチン試験によって決定することができる。薬剤のうちのいずれかを有効量で提供することができる。
いずれかの活性薬剤について、有効量は、細胞培養アッセイにおいて、例えば、ラット又はマウスモデルなどの動物モデルのいずれかにおいて、最初に推測することができる。また、動物モデルは、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するのに用いることもできる。そして、かかる情報は、ヒトにおける有用な用量及び投与経路を決定するのに用いることができる。
態様において、薬剤中の有効成分の濃度は、溶液中の有効成分の割合として測定される。態様において、有効成分の濃度は、約0.0001%〜約5%である。別の態様において、薬剤中の有効成分の濃度は、約0.0005%〜約1%である。他の態様において、有効成分の濃度は、約0.0005%〜約0.0001%、約0.0001%〜約0.001%、又は約0.0005%〜約0.001%である。他の態様において、有効成分の濃度は、約0.005%〜約0.001%、又は約0.001%〜約0.01%である。別の態様において、有効成分の濃度は、約0.001%〜約0.5%である。種々の他の態様において、有効成分の濃度は、溶液の割合として測定される、約0.0001%、約0.0005%、約0.001%、約0.0025%、約0.005%、約0.01%、約0.025%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%及び約5%からなる群より選択される。ただし、本開示の方法によって得られる低用量を考慮すると、高い濃度は、意図する用途に応じて用いることができる。例えば、溶液の割合として測定される、薬剤中の有効成分の約10%、約20%、約25%を利用することができる。
他の態様において、本開示は、概して、例えば、眼科用、局所用、経口用、経鼻用又は経肺用の指向性液滴流の送達において、具体的には、眼への眼科用流体の送達に用いるのに有用なエジェクタ装置に関する。液滴は、エジェクタ機構に連結された貯留部内に収容された流体からエジェクタ機構によって形成することができる。本明細書中に特に記載されている場合を除き、エジェクタ機構及び貯留部は、使い捨て又は再利用可能であってもよく、その構成要素は、エジェクタ装置のハウジング内に被覆されていてもよい。具体的には、例示的なエジェクタ装置及びエジェクタ機構は、電荷分離エジェクタ機構、エジェクタ装置及び使用方法という名称の2012年11月5日に出願された米国特許出願第61/722,589号、「エジェクタ機構、エジェクタ装置及び使用方法」という名称の2012年12月12日に出願された米国特許出願第13/712,784号、並びに、「高弾性高分子エジェクタ機構、エジェクタ装置及び使用方法」という名称の2012年12月12日に出願された米国特許出願第13/712,857号に示されており、これらはそれぞれ、参照によりこれらの全体において本明細書に援用される。
例えば、図1を参照すると、エジェクタアセンブリ1600には、エジェクタ機構1601と貯留部1620とが含まれ得る。エジェクタ機構1601には、1以上の開口1626を含むジェネレータプレート1632(図2A〜3A)に連結されたエジェクタプレート1602を備える、振動プレートアセンブリ又はハイブリッド機構が含まれ、これらは、アクチュエータ1604(例えば、圧電アクチュエータ)によって活性化することができる。圧電アクチュエータ1604は、振動するか、又は、それ以外に、1以上の開口1626から液滴として、貯留部1620から流体1610を送達するようにエジェクタプレート1602を移動させ、方向1614に沿って、1以上の開口1626から吐出液滴流を形成する。
一部の用途において、眼科用流体は、例えば、成人若しくは小児、又は動物において、眼1616の方に吐出することができる。流体は、眼若しくは皮膚表面において、又は経鼻用若しくは経肺用のいずれかにおいて、ヒト又は動物の不快感、症状又は疾患を治療する薬剤を含有していてもよい。
エジェクタ1604とエジェクタプレート1602の取付けは、吐出アセンブリ1600の動作、及び単一液滴又はその流れの発生に影響を及ぼすこともある。図1の実施形態において、例えば、エジェクタ1604(又は多くの個別のエジェクタ要素1604)は、貯留部1620とは反対の面1622において、エジェクタプレート1602の周辺領域に連結することができる。
エジェクタプレート1602の中央領域1630には、流体1610が通って液滴1612を形成する1以上の開口1626を備えた、吐出領域1632が含まれている。吐出領域(若しくは液滴ジェネレータ)1632は、中央領域1630の、例えば中心の一部を占め得るか、又は、吐出領域1632の吐出孔パターンは、中央領域1630の実質的にすべての領域を占め得る。さらに、貯留部のハウジング1608の開口領域1638は、吐出領域1632の大きさに実質的に対応するか、又は、開口領域1638は、吐出領域1632よりも大きくてもよい。
図1に示されているように、エジェクタプレート1602は、流体1610を収容する貯留部1620に配置されているか、又は当該貯留部と流体連通している。例えば、貯留部のハウジング1608は、貯留部の壁1650に対して封止するOリング1648aなどの適切なシール又は継手を用いて、第1の主面1625の周辺領域1646において、エジェクタプレート1602に連結することができる。また、貯留部のハウジング1608の部分1644は、折畳み式ブラダー(collapsible bladder)の形態で設けることもできる。ただし、本開示は、そのように限定されるものではなく、いずれかの適切な折畳み式ブラダー又は貯留部を用いることができる。
励起前において、液滴発生装置(又は吐出機構)1600は、静止状態に設定されている。アクチュエータ1604(例えば、圧電アクチュエータ)の相反する面1634及び1636上の電極1606a及び1606bに電圧が印加されると、図2A及び2Bにそれぞれ示されているように、エジェクタプレート1602は、相対的凹状1700と相対的凸状1701との間で変化するように曲がる。
交流電圧によって駆動すると、アクチュエータ1604は、エジェクタプレート1602の凹状1700及び凸状1701を逆転させるように作動し、これによって、吐出領域(液滴ジェネレータ)1632において、エジェクタプレート1602の周期的運動(振動)が生じる。上述したように、液滴1612は、開口(aperture, opening)1626において形成されるとともに、吐出領域1632の振動運動によって、1以上の液滴1612が、例えば、単一液滴(要求に応じた液滴)の適用において、又は液滴流として、流体送達(吐出)方向1614に沿って吐出される。
上述したように、駆動電圧及び周波数は、吐出機構の性能向上のために選択することができる。特定の態様において、アクチュエータ1604の振動周波数は、エジェクタプレート1602の共振周波数又はその付近で、又は重合せ、干渉若しくは共振結合によって、かかる共振においてエジェクタプレート1602を振動させるように選択される1以上の周波数で選択することができる。
共振周波数又はその付近(例えば共振の半値全幅以内)で作動する場合、エジェクタプレート1602は、エジェクタ領域(液滴ジェネレータ)1632の移動を増幅することができ、これによって、直接連結構造と比較して、アクチュエータの相対的な所要電力を減少させることができる。エジェクタプレート1602及び液滴ジェネレータ1632を含む共振系の減衰係数は、疲労破壊を低減し、実質的に故障することなく耐用年数を増加させるために、圧電アクチュエータの入力電力よりも大きくなるように選択することもできる。
例示的なハイブリッドエジェクタ機構は、「エジェクタ機構、エジェクタ装置及び使用方法」という名称の2012年12月12日に出願された米国特許出願第13/712,784号、並びに、「高弾性高分子エジェクタ機構、エジェクタ装置及び使用方法」という名称の2012年12月12日に出願された米国特許出願第13/712,857号に開示されており、これらは、参照により本明細書に援用される。一特定実施形態において、例えば、図3Aに示されているように、ジェクタプレート機構1601には、ジェネレータプレート型アクチュエータ1604に連結された回転対称エジェクタプレート1602が含まれ得る。ただし、本開示は、そのように限定されるものではない。図3Aの特定の構成において、ジェネレータプレート型アクチュエータ1604には、上述したように、回転対称エジェクタプレート1602を駆動する、1以上の個別の圧電素子又はその他のアクチュエータ要素が組み込まれている。エジェクタプレート1602の液滴ジェネレータ(エジェクタ)領域1632は、中央領域1630において、開口1626のパターンを含んでいるか、又は当該パターンによって形成されており、下記のように、適切な駆動信号発生回路を用いて駆動する。駆動電圧を発生させる例示的な技術は、「エジェクタ装置及びシステムのための方法、ドライバ及び回路」という名称の2012年5月15日に出願された米国仮特許出願第61/647359号に示されており、これは、参照により本明細書に援用される。
図3Bは、対称なエジェクタ機構1601の分解図である。本実施形態において、エジェクタプレート1602は、図5Bの左右に示されているように、背面(裏面)1625及び正面(表面)1622のそれぞれから、別々の(別個の)液滴発生要素(エジェクタ領域)1632を利用する。液滴発生要素1632は、中央開口1652において、エジェクタプレート1602に機械的に連結されており、上述したように、ジェネレータプレート型アクチュエータ1604によって駆動すると、流体液滴流を発生させるように構成された開口1626のパターンを含んでいる。
図3Cは、対称なエジェクタ機構1601の平面図である。上述したように、エジェクタ機構1601には、ジェネレータプレート型アクチュエータ1604との機械的継手1604Cを備えたエジェクタプレート1602と、中央領域1630において開口1626のパターンを有する液滴ジェネレータ1632とが含まれている。エジェクタ機構1601は、タブ型の機械的継手要素1655において、又は、図3を参照して上述したその他の適切な連結を用いて、開口1651を介して流体貯留部又はその他の吐出装置の構成要素に連結することができる。
図3Cに示されているように、エジェクタ機構1601及びエジェクタプレート1602は、用途に応じて、例えば、約21 mm、又は約10 mm以下から約25 mm以上の範囲で、全体寸法1654によって構成することができる。エジェクタプレート1602及び液滴ジェネレータ1632に適した材料には、ステンレス鋼などの柔軟応力(flexible stress)及び疲労耐性金属が含まれるが、これらに限定されない。
配向(orientation)の目的のために、図3A〜3Cに示されているようなエジェクタ機構1601の種々の構成要素を、図1を参照して上述したように、流体1610又は貯留部1620の位置に対して説明することができる。一般的に、液滴流又は吐出方向1614に沿って構成されるように、機構1601の近位要素は、流体貯留部1620の近くに配置され、遠位要素は、流体貯留部1620から離れて配置されている。
特定の態様において、エジェクタ装置には、指向性液滴流として吐出される流体に、正又は負の制御可能な電荷を生じる電場を発生させるように構成された圧電エジェクタ機構が含まれている。種々の実施形態において、エジェクタ装置には、エジェクタアセンブリが含まれ、このエジェクタアセンブリには、制御可能な電荷を有する制御可能な流体液滴流を発生させるように構成された電荷分離エジェクタ機構が含まれている。
交流極性によって圧電素子に電場が印加されると、圧電素子の周期的運動が生じる。特定の構成において、圧電素子への電場の印加は、圧電素子の2つの電極への2つの異なる電圧又は電位の接続によって達成することができる。特定の例において、60ボルトを超える電圧は、圧電素子を十分に駆動させるのに必要であり得る。バッテリ駆動システムにおいて、高出力電圧は、入力電圧及び電圧変換器の制限により、発生させることが困難である。シングルエンド型構造(すなわち、電気信号によって駆動する一方の電極のみを有する構造であって、他方が接地されている。)では、多くの圧電バッテリ駆動システムを駆動させることは困難である。
差動信号は、単一の電源から実効電圧振幅を増加させ、圧電体に印加できる電場のバッテリ制限を克服するのに用いることができる(すなわち、等しい振幅及び異極性電気信号は、圧電体のそれぞれの電極に印加されている。)。ただし、差動信号は、差動駆動面に直接接触している流体を経時的に帯電及び放電することができるという点で、指向性液滴流を吐出するように構成された装置によって生じた結果ではない。例えば、表面電位が経時的に振動する場合、流体は、帯電及び放電する。起電力は、吐出時に、発生した液滴を交流電位面の方に引き出すこともでき、これによって、システムの吐出性能が低下し、吐出面に流体が堆積する。また、液滴駆動は、電解液中で発生し、エジェクタ孔から流体を引き出し、エジェクタ面を浸水させることもできる。
特定の実施形態において、液滴エジェクタ装置は、液滴エジェクタプレートを含む圧電駆動液滴エジェクタ装置であってもよく、圧電体を駆動させる電位は、液滴エジェクタプレートから完全に分離(isolated、絶縁されている)している。この点に関して、エジェクタ機構は、接地されたエジェクタ面を維持しつつ、例えば、携帯型、バッテリ駆動装置の差動信号を可能にするように構成された、電荷分離エジェクタ機構(charge isolated ejector mechanism)であってもよい。一般に、圧電素子は、金属被覆によって一方で結合され、導電リングによって他方が結合されている。導電リングは、薄い誘電体ワッシャーによって、接地されたエジェクタプレートから電気的に絶縁されている。このシステムは、圧電素子を電気的に駆動させる2つの別個の端子を備え、依然として、電気的にエジェクタプレートを接地している。特定の実施形態において、接地されたエジェクタプレートは、それ自体、流体液滴流を発生させる開口を備え得るか、又は、開口などを備えたジェネレータプレートに連結され得る。
本明細書中に特に記載されている場合を除き、例示的な装置の構成には、電荷分離エジェクタ機構が含まれていてもよい。電荷分離とともに液滴駆動の防止によって、分離電荷エジェクタプレート上に静電電位を維持することができる。特定の態様において、接地されているか、正の電圧であるか又は負の電圧である電位は、吐出時に、静的であり、すなわち変化しない。この点において、エジェクタプレートは、絶縁体又は導体であり得る。ただし、エジェクタプレートは絶縁体であり、電極は、静電電位を提供するように、幾つかの場所においてプレートに接している必要がある。
一実施形態において、ジェネレータプレートを備えた電荷分離エジェクタ面は、流体に接触する近位面を有し、ジェネレータプレートは、1以上の開口を有し得る。態様において、エジェクタ面は、導電層からエジェクタ面を分離する誘電体層に接し得る。一態様において、導電層は、電圧の印加時に振動するように動作可能である圧電アクチュエータから誘電体層を分離することができる。
他の態様において、投与時に流体液滴を吐出する制御可能な電場を印加するエジェクタ装置構造及び機構が開示されている。これらの構造において、流体は、投与前に、電場に帯電されていないか、又は電場に暴露されていない。流体は、吐出時に、制御可能かつ反復可能に正又は負に帯電されるにすぎず、このことは、投与の標的部位における堆積、薬剤輸送及びバイオアベイラビリティに有益である。特定の実施形態において、かかるエジェクタ装置構造には、本明細書に記載されているように電荷分離エジェクタ機構が含まれ得る。
特定の態様において、液滴が本開示に従って吐出されると、電場は、流体中に電荷を生じ、磁場と並ぶように分離する。静電電位面が電源又は電気接地によって設定電位に維持されているため、エジェクタプレートに接している電荷は、液滴がエジェクタプレートから離れるに伴って、電源/電気接地により除去され、排出される。液滴は、正味の電荷(net electrical charge)を保持し、当該電荷は、エジェクタ面が基準電極よりも高い電位である場合、正であり、エジェクタ面が基準電極よりも低い電位である場合、負である。この過程は、例示的な電位及び誘導帯電に基づく吐出システムとともに、図4A〜4Bに示されている。この構成において、流体は、液滴がエジェクタプレートを離れる瞬間まで、帯電されない。基準面をより接近移動することによって、帯電の強度を増加させることができる。基準とエジェクタプレートとの間の電位差も、電場を増加させるように増加させることができる。それぞれの液滴に堆積した電荷は反復可能であり、印加される電場に対して概して線形である。静電電位は、終始又は吐出時のみに印加することができる。
具体的には、特定の実施形態において、図4A及び4Bは、液滴の誘導帯電を示している。図4Aは、例示的な電気信号を示し、最大出力電圧と接地部材との間の交流圧電駆動信号を示している。エジェクタプレートは、最大出力電圧と負の最大出力電圧との間の規定された電位であってもよい。図4Bは、エジェクタプレートと接地部材との間の電場線(E-field line)を示している。液滴が帯電したエジェクタプレートを離れると、液体中の電荷は、電場において再分散し、定電位面によって除去され、吐出時に電荷液滴のままにする。
本開示の他の実施形態は、摩擦帯電によって電荷を付与することができる。摩擦帯電は、物質が一定の速度において擦れると、電荷が摩擦によって表面から除去されるという公知の現象である。摩擦帯電は、従来、無作為である(random)と考えられているが、これは、吐出面の電位が浮遊し続ける場合の例にすぎない(電源又は電気接地からの規定された電位がない。)。これは、図4Cに示され、液滴は、物質から電荷を除去するが、電荷不均衡を消失させる電源又は電気接地はない。この構成において、液滴は、エジェクタ面において電荷の均衡を保つように、無作為に正又は負に帯電している。
これに対して、本開示の特定の態様によれば、エジェクタ面の電位を制御し、それぞれの液滴吐出の間にエジェクタ面の電荷を均一にすることによって、摩擦帯電は、システムの電位に対して、常に正又は常に負にすることができる。さらに、液滴吐出の速度を制御することによって、それぞれの液滴に付与される電荷の量を制御することができる。具体的には、図4C〜4Dを参照すると、エジェクタ機構は、(C)エジェクタ面の電荷が浮遊しており、すなわち、規定された電位を有さず、このため、それぞれの吐出によって、電荷が液滴又はエジェクタ面から無作為に除去され、エジェクタ面において電荷が均一になっており、(D)エジェクタ面が負の電荷を消失させるように接地され、このため、摩擦により、電荷の除去がそれぞれの吐出と同一の絶対値(sign and magnitude)を維持する。
制御可能な電荷を提供することが可能な例示的な電荷分離エジェクタ機構が図5に示されている。図示されている実施形態において、接地層は、外部基準電位を形成する。エジェクタ機構には、圧電駆動信号の分離電極と、静電電位制御用のエジェクタプレートに接する電極とが含まれている。本実施形態において、エジェクタプレート上の正の電位は正電荷を生じ、負の電位は負電荷を生じる。
図示されているように、エジェクタプレートは、AC駆動電位から分離することができ、静電電位は、エジェクタプレート上に配置することができる。特定の実施形態において、外部電極は、異なる基準電位を有するエジェクタプレートに近接して配置することができ、定電圧をエジェクタプレートに供給することができる。そして、電場は、2つの面の間において発生させることができる。電場の極性は、大きな電位を有する面によって決定される。電場の大きさは、平行な面に対する関係E=V/dにおいて、面とこれらの面の分離との間の電圧差によって決定される。吐出される流体は1つの帯電表面にしか接触せず、完全に絶縁体に含まれるので、流体は、電流自体を伝導しない。吐出時において、薬剤は、機械的運動により加速し、吐出プレートの面を通過した瞬間に、電場E=V/dを受ける。電荷は、電場と並ぶように再分散し、吐出速度により、静電電極1の極性電荷は、流体から除去され、静電電極2によって消失する。その後、流体は、液滴として吐出され、輸送時に所望の電荷を保持する。
特定の実施形態において、リテーナフレックス回路(retainer flex circuit)の接地層は、エジェクタプレートの表面とともに基準電位を形成することができる。静電圧は、エジェクタプレートに印加され、その結果、液滴が吐出されると、電荷が液滴に印加されるが、流体の貯留中には、印加されない。電荷は、このような構成において表面電位を変化させることによって、直線的に変化させることができる。さらに、ゼロ電荷は、エジェクタ面を接地することによって、吐出時に、流体に付与することができる。エジェクタ面は、電気絶縁性又は導電性であってもよい。電気絶縁層は、電極接続を必要とし、(電気的に)浮遊(floating)させておくことはできない。リテーナフレックスとエジェクタ面との間のプラスチック部品は、顕著には帯電に影響を及ぼさない。
図6を参照すると、エジェクタ機構1601は、遠位圧電アクチュエータ1604を備え、このアクチュエータ1604は、まず導電層1660、そして誘電体層1662によって近位エジェクタプレート1602から分離される。一態様において、圧電アクチュエータ1604の遠位側は、金属被覆によって一方で結合され、導電層1660によって近位側で結合されている。一態様において、誘電体層1662の遠位側は、導電層1660に近接して配置され、誘電体層1662は、ともに分離して、エジェクタプレート1602を電荷分離する。エジェクタプレート1602の近位側は、流体1610に接し、貯留部1620と流体連通している。エジェクタプレート1602の遠位側は、誘電体層1662の近位側に接している。態様において、エジェクタプレート1602は接地され、誘電体層1662によって導電層1660から電気的に絶縁することができる。一態様において、エジェクタ機構1601は、圧電体を電気的に駆動させる2つの別個の端子と、面1634(例えば、遠位面)に電極1606aと、面1636(例えば、近位面)に電極1606bを備えている。一態様において、導電層1662を分離する誘電体層1662は、電荷分離エジェクタプレート1602を備えている。更なる態様において、電荷分離エジェクタプレート1602は、接地され得る。
本発明に係る態様において、誘電体層1662は、プラスチック、ガラス、磁器などを含み得る。誘電体層は、いずれかの適切な大きさ、並びに圧電素子及びエジェクタ面に適合する形状とすることができる(例示的な寸法が図8に示されているが、本開示は、そのように限定されるものではない。)が、液滴発生及び吐出を妨げない。特定の態様において、誘電体層の厚さは、10 μm〜30 μm、12 μm〜25 μm、15 μm〜25 μmなどであり得る。好ましい構成において、誘電体層は、圧電素子及び/又はエジェクタ面の形状に同心であり、その厚さは、電荷分離エジェクタ機構の剛性を低減するように最小化されている。
一態様において、誘電体層は、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はナイロンから選択されるプラスチックであり得る。態様において、誘電体層は、ポリエステル(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、高衝撃性ポリスチレン(high impact polystyrene)(HIPS)、ポリアミド(FA)(例えば、ナイロン)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)、ポリウレタン(PU)、メラミンホルムアルデヒド(MF)、プラスターチ(plastarch)材料、フェノール樹脂(PF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)(Ultem)、ポリ乳酸(PLA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は尿素‐ホルムアルデヒド(UF)からなる群より選択することができる。
本開示に係る態様において、導電層1660は、金属、グラファイト又はポリマーを含み得る。導電層は、いずれかの適切な大きさ、並びに圧電素子及びエジェクタ面に適合する形状とすることができる(しかし、本開示は、そのように限定されるものではない。)が、液滴発生及び吐出を妨げない。特定の態様において、導電層の厚さは、10 μm〜30 μm、12 μm〜25 μm、15 μm〜25 μmなどであり得る。好ましい構成において、導電層は、圧電素子及び/又はエジェクタ面の形状に同心であり、その厚さは、電荷分離エジェクタ機構の剛性を低減するように最小化されている。
一態様において、電層1660は、銅、アルミニウム、銀又は金であり得る。一態様において、ポリマーはメラニンであり得る。別の態様において、ポリマーは、ポリ(フルオレン)、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリナフタレン、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリアゼピン、ポリアニリン(PANI)、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p‐フェニレンスルフィド)(PPS)、ポリ(アセチレン)(PAC)、又はポリ(p‐フェニレンビニレン)(PPV)であり得る。
本開示の態様において、電荷分離エジェクタ機構の少なくとも1以上の層は、フレキシブルプリント回路(FPC)、例えば、2つの信号層及び接地層として構成することができる。吐出機構の動作は、一般に、構成材料の剛性によって影響を受けることがある。剛性は、一般に、接着剤の使用、接着剤の剛性及び接着剤の厚さによって影響を受ける。このため、特定の態様において、電荷分離エジェクタ機構の構造及び構成は、この点に関して、性能を向上させるように最適化されている。そして、特定の実施形態において、FPC層は、例えば、エジェクタ面、圧電素子などの電荷分離エジェクタ機構の残りの層に連結することができる。
FPCとして構成された電荷分離エジェクタ機構の層は、いずれかの適切な方法により設計及び作製することができる。特定の態様において、FPCは、その厚さを最小化するように、構成することができる。この点に関して、接着剤のない構造が好ましいが、本開示は、そのように限定されるものではない。特定の態様において、FPC層は、電荷分離エジェクタ機構の誘電体層及び導電層とともに、本明細書で更に詳細に説明するように、作製及び組立てを補助する、接着層(例えば、接着剤のない接着層)、フライングリード接続などを含み得る。
図7A〜7Bを参照すると、例示的な導電層/誘電体層の構造が示されている。図7A〜7Bに示されているように、回路のコアは、ポリイミド系二重銅張積層板(dual copper clad polyimide laminate)(接着剤なし)から形成されている。ポリイミドは、その下側にある銅に沿って、穿孔するか又は穴を開けることができる。フォトレジストコーティングを塗布し、画像を形成し、両面に銅をパターニングすることができる。そして、LPI(液状の光画像形成可能な)半田マスク又はポリイミドカバー被覆コーティングは、上部の銅及び底部の電気的保護を提供するように塗布することができる。特定の実施形態において、LPIは、非常に薄い層により、接着剤なしで電気的絶縁を提供するように使用される、架橋フォトレジストから選択することができる。圧電体への電気的接続は、(上下のみ、横向きに伝導しない)銅と圧電体との間の圧電異方性伝導を提供するように、5%のニッケル粉末とエポキシ樹脂を混合することによって確実にすることができる。圧電体の上部は、いずれかの適切な方法、例えば、圧電体の上部から側面の下方に及びFPC電極上などに塗布された金属被覆エポキシ樹脂によって、スズ/半田を流れ落とすこと(FPCと圧電体の上部において電極を接続し、圧電体の側面を流れ落として、冷却する大型の半田液滴)により、銅リングの外側上部に連結することができる。
図示されているように、特定の実施形態は、追加の金属下地層を保持し(図7B)、特定の実施形態は、誘電体とエジェクタ面との間に電気的に浮遊している金属下地層をエッチング除去し、除去する(図7A)。理論によって制限されるものではないが、この金属下地層は、FPCを平坦に維持するように機能し、これによって、圧電体の接着を補助し、また、(ポリマーが金属接着するのではなく)金属を金属接着することができる。ただし、金属層の追加は、FPCの剛性を増加させる。このため、設計パラメータは、FPCの所望の最終用途、及び電荷分離エジェクタ機構に応じて、選択することができる。
図8は、例示的な層の構成を示した図7Bの実施形態の分解上面図を示しており、例示的な圧電素子/エジェクタの表面形状に適合することができ、接着を補助するために、フローティングリード線を含み得る。
図9A〜9Bを参照すると、FPCは、同一の一般的な構造と同様に作製することができ、ステンレス鋼(例えば、DLC(ダイヤモンド様炭素)コーティングSS316L)、金、又はその他の適切なエジェクタ面に接着することができる。製造された装置の例示的な性能曲線を図10に示す。
接着剤を利用する代替的なFPCの構成を図9A及び9Bに示す。図11A及び11Bを参照すると、フライングリード接続(すなわち、圧電体の上部に接続するフローティング金属リード)によって又は当該接続によらずに、銅/PEEK/銅エジェクタ面に接着されている、多層FPCが示されている。他の実施例(図示せず)では、この種のFPCもSS316Lに結合することができるが、その場合、層2の銅は、場合によっては、含まれていないこともある。
FPCとエジェクタ面をともに接着するいずれかの適切な方法を用いることができる。
一実施形態において、エジェクタ面とフレキシブルプリント回路をともに接着すること(例えば、ジェネレータプレートに連結されたエジェクタプレート)は、例えば、表面処理(プラズマエッチング、ウェットエッチング、機械的研磨などによる粗面化処理)、及び、高圧縮におけるプラスチック(一般値750F/350 psiのポリイミド、350F/350 psiのPEEKなど)のガラス遷移温度を超える加熱加圧によって、接着剤に特異的な加熱及び加圧下で硬化する接着剤の薄いシートを適用すること、又はその他の接着によって、達成することができる。
一例として、図12は、FPC及び銅/PEEK/銅エジェクタ面から、電荷分離エジェクタ機構を発生させる例示的な過程を示している。ジェネレータプレートの開口は、装置の製造(すべてのフォトリソグラフィ及びエッチング工程)後に、PEEKからレーザ微細加工をすることができる。同様に、図11は、FPCに、エジェクタプレート(不動態化ステンレス鋼板)を接着する一般的な過程を示している。その後、柔軟な医療用接着剤を用いて、ジェネレータプレート(エジェクタの開口を含有する活性化エジェクタメッシュ)を接着することができる(柔軟な接着剤は、活性領域に十分なモーディング(moding)及び良好な吐出を可能にすることが好まれ得る。)。また、FPCは、穿孔され、そして、あらかじめ穿孔、EDM、エッチング、レーザ機械加工されるか、又は、その他により作製される、エジェクタ面(例えば、ステンレス鋼製の円環若しくはPEEKの円環)に接着することもできる。
代替的な実施形態において、FPCのそれぞれの層は、例えば、レーザ、EDM、エッチング、穿孔、又はその他の適切な技術を用いて、別個に切断し、次いで、そのそれぞれを位置合わせして、接着剤とともに別々に接着することができる。
本開示は、電荷分離エジェクタ面を用いて流体の液滴を発生させる方法を提供し、当該方法を含む。一部の実施形態において、方法には、エジェクタ面を振動させて流体の液滴を発生させるように動作可能な圧電アクチュエータに、電圧を印加することが含まれる。態様において、エジェクタ領域は、ジェネレータプレートを備えた電荷分離接地エジェクタ面を有し得る。特定の態様において、電荷分離エジェクタ面には、ジェネレータプレートに連結されたエジェクタプレートが含まれ得る。一部の更なる態様において、電荷分離エジェクタ面は、接地することができる。態様において、例えば、エジェクタプレート及び/又はジェネレータプレートを備えたエジェクタ面は、不活性材料でコーティングすることができる。
本発明の多くの実施形態について開示されている。本開示は、一実施形態の特徴のうちのいずれかと、その他の実施形態のうちの1以上の特徴を組み合わせることが考慮される。例えば、エジェクタ機構又は貯留部のうちのいずれかを、開示されているハウジング又はハウジングの特徴、例えば、カバー、支持体、レスト、照明、シール及びガスケット、充填機構又はアライメント機構のうちのいずれかと組み合わせて用いることができる。開示されている発明のいずれかの要素、及び当業者の範囲内に入る更なる変形形態が、本開示によって考慮される。かかる変形形態には、材料、コーティング又は製造方法の選択が含まれる。
電気技術及び電子技術のうちのいずれかを、いずれかの実施形態で無制限に用いることができる。さらに、いずれかの実施形態及びすべての実施形態に対して、いずれかのネットワーク構築、遠隔アクセス、対象モニタリング、e‐ヘルス、データ記憶、データマイニング又はインターネット機能性が応用可能であり、ともに実行可能である。さらにまた、いずれかの実施形態の機能性に、生理学的パラメータの試験又は測定の実施などの追加の診断機能を組み込むことができる。緑内障又はその他の眼の検査は、これらの診断機能性の一部として装置によって実施可能である。当該技術分野において公知であり、本明細書で明示的に列挙されていない他の製造方法を用いて、装置を製造し、試験し、修理し又は維持することができる。さらに、装置には、より高度な画像形成機構又はアライメント機構が含まれ得る。例えば、装置又は基部は、ユーザと装置を整合させるための特異的なIDを作成し、両眼間の輪郭を描くように、虹彩又は網膜スキャナを備えているか又はこれらに連結されていてもよい。または、装置又は基部は、いずれかの適切な種類の写真撮影又は放射線医学用の高度な画像形成装置に連結されているか又はこれを含んでいてもよい。
本発明の理解を支援するために、次に示す実施例が含まれる。本明細書に説明する試験は、当然のことながら、本発明を具体的に限定するものと解釈されるべきではなく、当業者の範囲内に入る現在公知の又はその後発展される本発明のかかる変形形態は、本明細書に説明し以下に特許請求の範囲に記載する本発明の範囲内に入ると考えられる。
実施例
実施例1
本実施例は、ヒト対象における本開示のエジェクタ装置を用いた臨床拡張試験に関する。本実施例は、本開示のエジェクタ装置により、指向性液滴流での低投与量の医薬組成物を送達することによって、点眼器の投与量の1/4を用いるだけで、標準的な点眼器と同等の拡張が示されることを実証する。
材料及び方法
本試験の第1の治療群では、35人の対象の片方の眼に、エジェクタ装置から、3.0 μlの用量の2.5%フェニレフリンを2回、3.0 μlの用量の1%トロピカミドを2回投与し、また、他方の眼に、標準的な点眼器から、2.5%フェニレフリンを1回(およそ26 μl)、1%トロピカミドを1回(およそ26 μl)投与する。本試験の第2の治療群では、35人の対象の片方の眼に、エジェクタ装置から、6 μlの用量の2.5%フェニレフリンを1回、6 μlの用量の1%トロピカミドを1回投与し、また、他方の眼に、標準的な点眼器から、2.5%フェニレフリンを1回、1%トロピカミドを1回投与する。本試験の第3の治療群では、35人の対象の片方の眼に、エジェクタ装置から、1.5 μlの用量の2.5%フェニレフリンを1回、1.5 μlの用量の1%トロピカミドを1回投与し、また、他方の眼に、標準的な点眼器から、2.5%フェニレフリンを1回、1%トロピカミドを1回投与する。
点眼器からの1滴の2.5%フェニレフリンに対する、エジェクタ装置によって送達される1.5 μlの投与量を1回、又は6 μlの投与量を1回、又は3 μlの投与量を2回という3つの異なる投与量の有効性を、点眼器からの1滴の1%トロピカミドに対する、エジェクタ装置によって送達される1.5 μlの投与量の1%トロピカミドを1回、又は6 μlの投与量を1回、又は3 μlの投与量の投与量を2回とともに、処置前基準線に対する投与後10分、20分及び60分における対象の瞳孔拡張の増加率を測定することによって評価する。
結果
図15Aは、従来の点眼器の投与と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置による送達における処置前基準線からの測定された平均拡張変化率を示している。図15Bは、点眼器と比較した、噴霧エジェクタ装置における投与前拡張基準線に対する平均拡張相違率を示している。相違は、対象に特定して算出し、そして、平均される。
考察
図15Aは、エジェクタ装置(例えば、低投与量の医薬組成物の指向性液滴流)と、標準的な点眼器の双方によって送達された拡張薬剤によって、実質的に対象の眼を拡張させ、また、投与後、時間が経過するほど、60分の最大投与後測定点まで、単調に平均拡張度が増加することを示している。
図15Bは、エジェクタ装置からの1.5 μlによる1回の投与が、点眼器からの1回の液滴と統計的に等しい拡張度を達成せず(p値(両側検定)(2-tailed p-values)0.001未満と同等)、エジェクタ装置からの6 μlによる1回の投与のすべて、及び3 μlによる2回の投与の3つのうちの2つが、点眼器と統計的に等しい拡張度を達成した(6 μlによる1回投与のp値(両側検定)がすべて0.20超;10分及び60分における3 μlによる2回投与のp値(両側検定)がそれぞれ、0.17及び0.10である。)ことを示している。さらに、3 μlによる2回の投与は、投与後20分において、エジェクタ装置が、点眼器よりも統計的に有意に高い平均拡張を達成した事例であった(p値(両側検定)=0.05)。
実施例2
本実施例は、眼圧(IOP)に対するラタノプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、未処置の眼と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置による1.5 μlの0.005%ラタノプロストの1日1回の滴下後におけるIOP及び瞳孔径(PD)の減少について評価する。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニー(MacKay Colony)から、1匹の緑内障ビーグル犬(雌、3歳)を、本試験に選択した。試験を開始する前に、動物を最低1週間休ませた。試験開始前に、動物の片方の眼を、1.5 μlの0.005%ラタノプロストを投与するように割り当て、反対側の眼を、対照として未処置のままにするように割り当てた。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なった。PDを、ジェイムソンキャリパー(Jameson Caliper)(mm水平)によって測定した。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定した。IOP及びPDを、0、1、2、4、7及び18時間の時点において、2日間、毎日測定した。0時間の時点での測定直後に、噴霧装置を用いて、動物の割り当てられた眼に1.5 μlの0.005%ラタノプロストを投与した。反対側の眼は、未処置のままにした。噴霧装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、1、2、4、7及び18時間の時点において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。統計交差は、本試験に利用しなかった。
結果
処置された眼のIOPは、2時間で、11 mmHgまで減少し、初期値から最大16 mmHg減少した(図16A)。PDは、1時間で極小まで(0)減少し、7時間まで維持された(図16B)。
考察
Whisper(商標)MDD装置によって送達される1.5 μlの用量の0.005%ラタノプロストは、従来の治療法と同様に、IOPの低下及び瞳孔の収縮において有効であることを示した。本試験は、噴霧エジェクタ装置が、1.5 μlの用量のラタノプロストを常に送達できることを確認する。
実施例3
本実施例は、眼圧(IOP)に対するラタノプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、未処置の眼と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置による3.0 μlの0.005%ラタノプロストの1日1回の滴下後におけるIOP及び瞳孔径(PD)の減少について評価する。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニーから、1匹の緑内障ビーグル犬(雌、3歳)を、本試験に選択した。試験開始前に、動物の片方の眼を、3.0 μlの0.005%ラタノプロストを投与するように割り当て、反対側の眼を、対照として未処置のままにするように割り当てた。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なった。PDを、ジェイムソンキャリパー(mm水平)によって測定した。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定した。IOP及びPDを、0、1、2、4、7及び18時間の時点において、2日間、毎日測定した。0時間の時点での測定直後に、噴霧エジェクタ装置を用いて、動物の割り当てられた眼に3.0 μlの0.005%ラタノプロストを投与した。反対側の眼は、未処置のままにした。噴霧エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、1、2、4、7及び18時間の時点において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。統計交差は、本試験に利用しなかった。
結果
処置された眼のIOPは、2時間で、19 mmHgまで減少し、初期値から12 mmHg減少した(図17A)。最大の減少は、第2日目の7時間においてみられた。PDは、1時間で極小まで(0)減少し、7時間まで維持された(図17B)。
考察
結果は、1.5 μlの用量の0.005%ラタノプロストとともに、3.0 μlの用量が、従来の治療法と同様に、IOPの低下及び瞳孔の収縮において有効であることを示す。本試験は、噴霧エジェクタ装置が、3.0 μlの用量のラタノプロストを常に送達できることを確認する。
実施例4
本実施例は、眼圧(IOP)に対するラタノプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、従来の点眼器による1日1回送達された26 μlのラタノプロストの平均と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置による9 μlのラタノプロストの1日1回の眼圧(IOP)に対する効果について評価する。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニーから、6匹の緑内障ビーグル犬(4匹の雄及び2匹の雌、3〜8歳)を、本試験に選択した。包含される条件には、専門動物眼科医(boarded veterinary ophthalmologist)の肉眼による検査によって判断される、IOPの上昇及び緑内障の症状の文書化が含まれていた。
試験を開始する前に、すべての動物を最低1週間休ませた。IOP及び瞳孔径(PD)を、初期基準線レベルを確立するために、4日間(試験第1〜4日)、毎日、5回(0、1、2、4及び7時間)測定した。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なった。PDを、ジェイムソンキャリパー(mm水平)によって測定した。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定した。3日の休息後、片方の眼を、噴霧エジェクタ装置の送達によって9 μlの0.005%ラタノプロストを投与するように無作為に割り当て、反対側の眼に、従来の点眼容器(26〜30 μl)から従来のラタノプロストを投与した。
試験第5〜9日目に、IOP及びPD測定を、およそ0900時間(0時間の時点)で行なった。0時間の時点での測定直後に、噴霧エジェクタ装置によって、それぞれの動物の割り当てられた眼に9 μlの用量の一般的な0.005%ラタノプロストを1日1回投与した。反対側の眼に、従来の点眼器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与した(ポジティブコントロール)。噴霧エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、0、1、2、4及び7時間の時点において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。統計交差は、本試験に利用しなかった。
結果
噴霧エジェクタ装置及び一般的な点眼器の処置の結果は同様であった。9 μlの用量は、従来の治療法と同様に、IOPの低下及び瞳孔の収縮において有効であった。点眼器投与の作用持続性は大きかったが、噴霧エジェクタ装置による治療は、IOPの基準線よりも有意に低い値を維持していた(図18A及び18B)。噴霧エジェクタ装置を用いて処置された眼の刺激は、点眼器によって処置された眼で観察されたものよりも少なかった。
考察
噴霧エジェクタ装置を介した1日1回午前中投与による、9 μlの0.005%ラタノプロスト投与は、7時間の試験期間で5日間にわたって、一般的な点眼器の用量のおよそ1/3で、従来の点眼器による治療法と同様に、IOPの制御において有効であった。薬力学(PD)試験は、実施例12の薬物動態(PK)試験のコンパニオン試験(companion study)であり、実施例12は、噴霧エジェクタ装置による9 μlのラタノプロストの送達後における眼房水中のラタノプロストの酸のバイオアベイラビリティを、点眼器によって送達される26 μlのラタノプロストと比較している。
実施例5
本実施例は、眼圧(IOP)に対するラタノプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、6匹の緑内障ビーグル犬での並行無作為化交差試験のIOP低下における噴霧エジェクタ装置による低用量ラタノプロストの効果について評価する。試験時に、標準的な点眼器から1滴(およそ24 μl)として送達する場合に対する、本開示のエジェクタ装置を用いてラタノプロストを(例えば、低投与量の指向性液滴流として)6 μlの用量で2回送達する場合の緑内障ビーグル犬のIPOを測定する。
材料及び方法
フロリダ大学(UF)のマッケイ緑内障ビーグル犬コロニーから、6匹の緑内障動物(4匹の雄及び2匹の雌、3〜8歳)を、本試験に選択した。包含される条件には、専門動物眼科医の肉眼による検査によって判断される、眼圧(IOP)の上昇及び緑内障の症状の文書化が含まれていた。
試験を開始する前に、すべての動物を最低1週間休ませる。眼圧(IOP)、瞳孔径(PD)及び心拍数(HR)を、初期基準線レベル(試験第1〜5日)を確立するために、5日間、毎日、6回(0、0:30、0:45、1、2、7時間)測定する。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なう。PDを、ジェイムソンキャリパー(mm水平)によって測定する。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定する。HRを、大腿血管の触診によってモニタリングする。
2日の休息後、片方の眼を、噴霧エジェクタ装置の送達によって薬剤を投与するように無作為に割り当て、反対側の眼に、点眼容器から従来のラタノプロストを投与する。
活性薬剤送達を、試験第8日目から開始する。5日間、IOP及びPDの測定を0900で行なう。0900の測定直後(0時間の時点)に、エジェクタ装置によって、それぞれの動物の割り当てられた眼に6 μlの一般的なラタノプロストを投与し、続いて、(結膜嚢の過負荷を回避するために)3分後に、2回目の追加の6 μlの投与をする。反対側の眼に、FDA承認容器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与する(ポジティブコントロール)。エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認する(表1)。標準測定を、毎日(0:30、0:45、1、2、7時間)、継続する。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれているが、これらに限定されない。
休息から7日後、試験第22日目に開始し、処置を繰り返すが、唯一の変更点は、統計的管理のための反対側の眼の使用である。最初に割り当てられた薬剤によるすべての眼をポジティブコントロールとして用い、FDA承認点眼容器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与する。反対側の割り当てられた眼に6 μlの一般的なラタノプロストを投与し、続いて、3分後に、2回目の追加の6 μlの投与し、全12 μlのラタノプロストを投与する。
結果
図19A〜19Cは、エジェクタ装置が、従来の点眼器を用いて得られたものと概して一致することを示している。試験時のIOP圧を図19Aに示し、試験時のIOPの変化を図19Bに示し、そして、試験時の瞳孔径を図19Cに示している。
エジェクタ装置(例えば、低投与量の医薬組成物の指向性液滴流)と従来の点眼器によるラタノプロスト処置はともに、IOPを減少させ、虹彩の縮瞳を生じた。エジェクタ装置によるIOPの変化は、第1日目の0:45の時点で、基準線から有意に異なっていた。最初の7時間におけるIOPの最大変化は、−34.8 mmHg(69%)であった。従来の処置も同様に、0:45の時点でIOPの有意性を示した。従来の処置において、最初の7時間におけるIOPの最大変化は、−38.0 mmHg(72%)であった。IOPに対するエジェクタ装置による処置と従来の処置との間には有意差はなかった。
有意な瞳孔径の変化は、第1日目の0:30の時点で、エジェクタ装置による処置でみられた。虹彩は、1時間で極小の状態(最大縮瞳)に達し、残りのモニタリング7時間まで維持された。有意な瞳孔径の変化は、0:30の時点で従来のラタノプロスト処置でみられた。虹彩は、1時間で極小の状態に達し、残りのモニタリング7時間まで維持された。
本試験において、心拍数の変化はなく、その平均値は、およそ25拍/15秒(100 bpm)であった。過度の眼刺激又はその他の眼の問題についての報告はなかった。一部の結膜刺激が、プロスタグランジンの使用に関連して、従来の処置による眼で認められた。
考察
要約すると、1日1回滴下した場合に、低投与量の0.005%ラタノプロストは、標準的な点眼器に相応して、有意に緑内障ビーグルのIOPを低下させる。IOPの低下は、約20 mmHg(45%)から27 mmHg(60%)まで変動した。結果は、たとえ、本開示のエジェクタ装置によって送達される2回の6 μlの用量が、標準的な点眼器によって送達される量のおよそ1/2であっても、(例えば、低投与量の指向性液滴流として)本開示のエジェクタ装置によって達成されたイヌのIOPの低下が、低投与量の標準的な点眼器によるものと統計的に区別できないことを示す。
実施例6
本実施例は、眼圧(IOP)に対するラタノプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、従来の点眼器による1日1回およそ26〜30 μlの滴下と比較した、本開示の噴霧エジェクタ装置による1日1回30 μlの0.005%ラタノプロストの滴下の眼圧(IOP)に対する効果について評価する。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニーから、2匹の緑内障ビーグル犬(2匹の雌、3〜8歳)を、本試験に選択した。試験を開始する前に、両方の動物を最低1週間休ませた。試験開始前に、それぞれの動物の片方の眼を、噴霧エジェクタ装置による送達によって30 μlの0.005%ラタノプロストを投与するか、又は、もう片方の眼に、0.005%ラタノプロストを1滴投与するように割り当てた。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なった。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて、0、1、2、4及び7時間の時点において、2日間、毎日測定した。0時間の時点での測定直後に、噴霧エジェクタ装置を用いて、それぞれの動物の割り当てられた眼に30 μlの用量の0.005%ラタノプロストを投与した。反対側の眼に、従来の点眼器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与した(ポジティブコントロール)。噴霧エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、1、2、4及び7時間の時点において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。統計交差は、本試験に利用しなかった。
結果
噴霧エジェクタ装置及び点眼器によって処置された動物のIOPの低下は、同様であった(図20)。噴霧エジェクタ装置による送達される30 μlの用量は、従来の点眼器による治療法と同様に、IOPの低下及び瞳孔の収縮において有効であった。
考察
結果は、噴霧エジェクタ装置が、30 μlの用量の0.005%ラタノプロストを送達できることを確認する。本パイロット試験において、噴霧エジェクタ装置による薬剤送達は、従来の点眼器による治療法と同様に、IOPを制御するのに有効であり、作用持続性が増加する傾向にあることが実証された。本試験は、この一連の試験において1.5 μl〜30 μlである、プロスタグランジンプロドラッグ送達の有効投与量範囲を遂行する。
実施例7
本実施例は、眼圧(IOP)に対するトラボプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた無作為化交差臨床試験に関する。具体的には、本試験は、本開示の噴霧エジェクタ装置によって送達される9 μlの用量の0.004%トラボプロスト(Travatan Z(登録商標)、Alcon Laboratories社(Fort Worth, TX USA)製)の有効性について、24時間眼圧(IOP)用量/応答曲線の抑制及び平低化、並びに午前中の眼圧(IOP)スパイクの制御において、マイクロピペットによる送達と比較する。また、本試験は、噴霧エジェクタ装置の有効性について、IOP及び眼の刺激をモニタリングすることによっても、標準的なマイクロピペットと比較する。
本開示の噴霧エジェクタ装置及び方法の開発前に、治験及び市販プロスタグランジンアゴニストを、およそ26 μlの量で点眼器によって送達した。防腐剤に耐性のない患者、又は眼表面疾患(OSD)患者は、調剤された防腐剤を含まない薬剤の点眼器と同等の用量を用い、単回投与ピペットを用いて治療されている。本方法は、安全性及び使いやすさについての問題を伴う。近年、点眼器と同等の用量を単回投与送達する、防腐剤を含まないIOP低下剤は、無菌ブローフィル(blow-fill)ピペットで販売されている。しかしながら、眼の創傷及び有用性についての問題は依然としてある。
本開示の噴霧エジェクタ装置によって低用量で送達される薬剤については、用量当たりの防腐剤の暴露を低減することができ、1日1回の投与によって、防腐剤により誘発される眼の刺激が更に低減される。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニーから、6匹の緑内障ビーグル犬(3匹の雄及び3匹の雌、3〜8歳)を、本試験に選択した。包含される条件には、専門動物眼科医の肉眼による検査によって判断される、IOPの上昇及び緑内障の症状の文書化が含まれていた。
試験を開始する前に、すべての動物を最低1週間休ませた。眼圧(IOP)、瞳孔径(PD)及び心拍数(HR)を、初期基準線レベル(試験第1〜5日)を確立するために、およそ2100時間から開始して5日間、毎日、0、12、13、14、16及び19時間の時点で測定した。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ訓練された操作者によって行なった。PDを、ジェイムソンキャリパー(mm水平)によって測定した。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定した。HRを、大腿血管の触診によってモニタリングした。2日の休息後、それぞれの動物の片方の眼を、噴霧エジェクタ装置の送達によって9μlの0.004%トラボプロストを投与するように無作為に割り当て、反対側の眼を、マイクロピペットによって同一の用量で処置するように割り当てた。
活性薬剤送達を、試験第8日目に開始した。5日間、IOP及びPDの測定をおよそ2100時間で行なった。この測定の直後(0時間の時点)に、噴霧エジェクタ装置によって、それぞれの動物の割り当てられた眼に9.0±0.9μlの0.004%トラボプロスト(Travatan Z(登録商標)、Alcon Laboratories社(Fort Worth, TX USA)製)を投与した。反対側の眼に、マイクロピペットによって、同一の用量(9.0 μl)の同一の薬剤(ポジティブコントロール)を投与した。噴霧エジェクタ装置及びマイクロピペットの精度をすべての使用前後に確認した。標準測定を、12、13、14、16、19時間において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。
休息から7日後、試験第22日目に開始し、統計的管理のために反対側の眼を用いたこと以外は、上述したように処置を繰り返した。最初に割り当てられた薬剤によるすべての眼をポジティブコントロールとして用い、マイクロピペットによって、9μlの0.004%トラボプロストを投与した。噴霧エジェクタ装置によって、反対側の眼に、9μlの0.004%トラボプロストを投与した。
結果
噴霧エジェクタ装置によって、試験第1日目の12時間の時点において、基準線からIOPが有意に変化した。最初の24時間におけるIOPの最大変化は、−20.0mmHg(59%)であった。第1日目の初期平均IOPレベルは33.75mmHgであり、5日間の処置後、観察された最も高い日平均ピークは18.83mmHgであり、これは、同様の基準線レベルの30.83mmHgを下回っていた(図21A)。試験第1日目の12時間の時点において、噴霧エジェクタ装置処置によって有意なPD変化がみられた。虹彩は、12時間の時点において最大の縮瞳(1.17mm)に達し、モニタリングの残りの時間にわたって、基準線レベルに上昇し始めた(図21B)。本試験において、HRの変化はなく、その平均値は、25拍/15秒(100bpm)であった。過度の眼刺激又はその他の眼の問題についての報告はなかった。
噴霧エジェクタ装置及びマイクロピペットはともに十分に機能した。試験において、処置間に統計的な有意差は認められなかった(p=0.7546)。このことは、送達方法に関係なく、低用量でのトラボプロストの有効性を実証する。ただし、送達方法に関する問題については留意されるべきである。両方の処置方法は、同様のレベルの全体的刺激を示した。
考察
トラボプロストは、毎日24時間、IOPを低下させるために検討したプロスタグランジンアゴニストの中で最も有効であり、プロスタグランジンプロドラッグによる処置で多くみられた午前中のIOPスパイクの優れた制御を含む。
実施例8
本実施例は、眼圧(IOP)に対するトラボプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた無作為化交差臨床試験に関する。具体的には、本試験は、本開示の噴霧エジェクタ装置による18μlの0.004%トラボプロストの1日1回午前中又は午後の滴下後の眼圧(IOP)に対する効果について、従来の点眼器による1日1回平均26μlの送達と比較して、評価する。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニーから、6匹の緑内障ビーグル犬(4匹の雄及び2匹の雌、3〜8歳)を、本試験に選択した。包含される条件には、専門動物眼科医の肉眼による検査によって判断される、眼圧(IOP)の上昇及び緑内障の症状の文書化が含まれていた。
試験を開始する前に、すべての動物を最低1週間休ませた。IOP及び瞳孔径(PD)を、初期基準線レベルを確立するために、4日間(試験第1〜4日)、毎日、0、1、2、4、7及び12時間の時点で測定した。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なった。PDを、ジェイムソンキャリパー(mm水平)によって測定した。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定した。3日の休息後、片方の眼を、噴霧エジェクタ装置の送達によって9μlで2回、18μlのトラボプロストを投与するように無作為に割り当て、反対側の眼に、従来の点眼容器からトラボプロストの用量(平均26 μl)を投与した。
試験第5日目及び6日目において、IOP及びPDの測定をおよそ0900時間で行なった。この測定の直後(0時間の時点)に、噴霧エジェクタ装置によって、それぞれの動物の割り当てられた眼に18μlのトラボプロストを投与した。反対側の眼に、従来の点眼器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与した(ポジティブコントロール)。噴霧エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、0、1、2、4、7及び12時間の時点において、毎日、継続した。
試験第7〜9日目において、測定12時間の時点の直後(およそ2100時間)に、噴霧エジェクタ装置によって、それぞれの動物の割り当てられた眼に18μlのトラボプロストを投与した。反対側の眼に、従来の点眼器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与した(ポジティブコントロール)。噴霧エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、0、1、2、4、7及び12時間の時点において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。統計交差は、本試験に利用しなかった。
結果
噴霧エジェクタ装置及び従来の点眼器の結果は同様であった。噴霧エジェクタ装置よって送達される18μlの投与量は、従来の治療法と同様に、IOPの低下及び瞳孔の収縮において有効であった。点眼器と比較して、噴霧エジェクタ装置による薬剤送達後のIOPの低下の持続性に有意差はなかった。両方の処置は、試験期間において、全24時間の基準線よりもはるかに低いIOP値を維持していた(図22A〜22D)。噴霧エジェクタ装置を用いて処置された眼の刺激は、点眼器によって処置された眼で観察されたものよりも少なかった。
考察
噴霧エジェクタ装置による18μlの午前中又は午後用量のトラボプロストの送達は、点眼器平均送達用量(26μl)のおよそ2/3であっても、従来の治療法と同様に、IOPの制御に有効である。処置後のIOPは、常に20mmHg未満を維持していた。IOP及びこの一連の先行試験における日変化の効果を含む数学モデルに基づき、トラボプロストの1日1回午後投与によって、最大24時間のIOP低下が提供される必要がある。噴霧エジェクタ装置による眼の刺激が認められないことは、プロスタグランジンプロドラッグ感受性患者、随伴性眼疾患患者、及び最適な制御を必要とする重度の緑内障患者におけるその用途を示すものである。
実施例9
本実施例は、眼圧(IOP)に対するビマトプロストの効果を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、本開示の噴霧エジェクタ装置による6 μlの0.03%ビマトプロスト(Lumigan(登録商標);Allergan社(Irvine, CA USA)製)の1日1回午前中滴下の眼圧(IOP)及び瞳孔径(PD)に対する効果について、従来の点眼器による1日1回平均26μlの送達と比較して、評価する。
材料及び方法
フロリダ大学の緑内障ビーグル犬のマッケイコロニーから、6匹の緑内障ビーグル犬(4匹の雄及び2匹の雌、3〜8歳)を、本試験に選択した。包含される条件には、専門動物眼科医の肉眼による検査によって判断される、IOPの上昇及び緑内障の症状の文書化が含まれていた。
試験を開始する前に、すべての動物を最低1週間休ませた。IOP及びPDを、初期基準線レベルを確立するために、4日間(試験第1〜4日)、毎日、0、1、2、4及び7時間の時点で測定した。基本的な測定プロトコルに常に従い、同じ操作者によって行なった。PDを、ジェイムソンキャリパー(mm水平)によって測定した。IOPを、清浄なプローブ(iCare)を備えたTonoVet機器を用いて測定した。3日の休息後、片方の眼を、噴霧エジェクタ装置の送達によって6μlの0.03%ビマトプロストを投与するように無作為に割り当て、反対側の眼を、従来の点眼容器から従来のビマトプロスト(26〜30μl)を投与するように割り当てた。
試験第5〜9日目において、IOP及びPDの測定をおよそ0900時間(0時間の時点)で行なった。これらの測定の直後に、噴霧エジェクタ装置によって、それぞれの動物の割り当てられた眼に6 μlの0.03%ビマトプロストを投与した。反対側の眼に、従来の点眼器から、同一の市販局所用薬剤の臨床用量(1滴)を投与した(ポジティブコントロール)。噴霧エジェクタ装置の精度をすべての使用前後に確認し、処置前に10%の送達用量の精度が必要であった。標準測定を、0、1、2、4及び7時間の時点において、毎日、継続した。考えられ得るエンドポイントには、過度の眼刺激、眼の損傷、及びその他の疾患又は創傷が含まれていたが、これらに限定されなかった。統計交差は、本試験に利用しなかった。
結果
噴霧エジェクタ装置及び従来の点眼器の結果は同様であった。6μlの用量は、従来の治療法と同様に、IOPの低下及び瞳孔の収縮において有効であった。点眼器によって投与される用量の持続性は大きかったが、噴霧エジェクタ装置による治療は、基準線よりも低いIOP値を維持していた(図23A〜23B)。噴霧エジェクタ装置を用いて処置された眼でみられた刺激は、点眼器によって処置された眼よりも顕著に少なかった。
考察
噴霧エジェクタ装置による6μlの0.3%ビマトプロストの1日1回午前中の送達は、26μlの点眼器平均用量のおよそ1/4未満であっても、従来の治療法と同様に、IOPの制御に有効である。試験時に眼の刺激のないことが認められた。
実施例10
本実施例は、標準的な点眼器と比較した、濃度を変更させた有効成分を含む低投与量の医薬組成物によって達成されるIOPの減少を評価するための、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。具体的には、本試験は、6匹の緑内障ビーグル犬での並行無作為化交差試験のIOP低下における噴霧エジェクタ装置によって送達される低用量高濃度ラタノプロストについての有効性を評価する。
材料及び方法
種々のレベルの遺伝性緑内障に罹患した6匹のビーグル犬を用いた。すべての動物を、フロリダ大学で飼育されている緑内障ビーグル犬の既存コロニーから入手した。3〜9歳の4匹の雄及び2匹の雌を本試験に選択した。すべてのイヌの体重は少なくとも5kgであった。馴化及び隔離は必要ではなかった。動物を、刺青、マイクロチップ及びマークによって特定した。
試験に供する前に、イヌが健康であることを保証するために、イヌを検査した。イヌを、運動条件を達成するのに十分な大きさの屋内ドッグランに収容した。動物を、温度及び湿度などの自然環境要素に暴露させた。飼育及び衛生管理は、フロリダ大学動物ケアサービス(UF ACS)のプロトコルに従って行なった。
イヌに、実験室用イヌ餌(Teklad Global 21%タンパク質イヌ餌)を与えた。食事の検証及び分析は、ベンダーのHarlan Tekladによって提供された。イヌに水道水を自由に与えた。水中の汚染物質の存在は認められず、地域水区域によって供給されている区域以外の区域では分析せず、US ACSプロトコルに指定されているとおりに分析を行なった。環境パラメータ(温度及び湿度)を毎日測定した。
試験第1日目の前に、眼科検査(フルオレセインによるスリットランプ及び間接検眼法)を、それぞれの動物の眼で行なった。眼の所見を、McDonald‐Shadduck評価システムに従って評価した。眼の所見を、標準化データ収集シートを用いて記録した。肉眼観察を、眼病変を評価するDraizeスケールに従って記録した。試験第1日目の前に、基本的な無作為化に基づいて、動物に処置を割り当てた。
Westlab薬局によって処方された6.0±0.6μlの5倍濃縮(0.025%)ラタノプロストを、噴霧エジェクタ装置を用いて、それぞれの動物の1つの無作為化された眼に滴下した。エジェクタ装置からのそれぞれ6μlの用量には、標準的な点眼器のラタノプロストの活性剤の5倍の濃度が含まれていた。改良ラタノプロストは、点眼器の標準液滴と同一量の活性剤を含有することを目的としていたが、液体のおよそ1/4の容積にすぎない。反対側の眼に、点滴器に補充された市販の一般的なラタノプロストを1滴投与した。すべての噴霧エジェクタ装置による処置を、処置前及び処置後の処置較正測定を用いて、送達精度を検証した。処置前はすべて、使用前の標的6.0μlの10%(0.6)以内であることが予測された。
7日の休息後、眼の選択を逆にした。IOP、心拍数及び瞳孔径(PD)の測定を、予備試験及び交差試験において、0:15、0:30、0:45、1、2、4、7及び18時間に行なった。動物眼科医は、眼の副作用の証拠を得るために、試験前後において、それぞれの試験対象を評価した。
結果
噴霧エジェクタ機構(0.025%で6.0μl)と一般的なラタノプロスト(0.005%)点眼器はともに、同様の結果であった。本試験において、いずれかの時点に、眼圧(IOP)(p=0.823)間にも、瞳孔径(PD)(p=0.943)間にも有意差はなかった。IOPは、試験の初日におよそ45.4 mmHg減少し、その後の日には、24.7mmHg減少した。PDは、毎日、1時間の時点までに極小サイズ(0mm)になると予測されるように、減少した。異常又は予期しない結果はなかった。プロスタグランジン類似体によって生じる一般的な刺激があった。
考察
要約すると、噴霧エジェクタ装置による6.0±0.6μlの0.025%ラタノプロスト送達におけるIOP及びPDの結果は、1日1回1滴(およそ26.0±10.0μl)のラタノプロストによる従来の送達と統計的に同等である。両方の処置は、毎日滴下する場合、緑内障ビーグル犬において有意にIOPを低下させる。点眼器によって送達されるラタノプロストの濃度の5倍(5X)の、噴霧エジェクタ装置によって送達されるラタノプロストは、点眼器による投与後よりも刺激を生じなかった。噴霧エジェクタ装置による等価用量の低用量高濃度処方の使用は、用量当たり低い防腐剤量が可能になり、また、咽頭への少ない流出によって全身毒性を低減することにより、治療効果を向上させることができる。
実施例11
本実施例は、従来の点眼器による平均26μlの1日1回滴下と比較した、噴霧エジェクタ装置による12μlのラタノプロストの12時間間隔(q12h)滴下(BID)の眼圧(IOP)に対する効果を評価する、緑内障のビーグル犬を用いた臨床試験に関する。
本試験は、従来の点眼器によって送達される用量の50%未満である、既知の有効用量の6 μl用量の0.005%ラタノプロストを2回滴下する。6μl用量を、24時間のIOP変動を減少させることを試みて、1日1回点眼器により滴下した0.005%ラタノプロストとの並行無作為化交差比較において、噴霧装置によって12時間間隔投与した。
材料及び方法
種々のレベルの遺伝性緑内障に罹患した4匹のビーグル犬を用いた。すべての動物を、フロリダ大学で飼育されている緑内障ビーグル犬の既存コロニーから入手した。3〜9歳の2匹の雄及び2匹の雌を本試験に選択した。すべてのイヌの体重は少なくとも5kgであった。馴化及び隔離は必要ではなかった。動物を、刺青、マイクロチップ及びマークによって特定した。
試験第1日目の前に、眼科検査(フルオレセインによるスリットランプ及び間接検眼法)を、それぞれの動物の眼で行なった。眼の所見を、McDonald‐Shadduck評価システムに従って評価し、肉眼観察を、眼病変を評価するDraizeスケールに従って記録した。眼の所見を、標準化データ収集シートを用いて記録した。
試験は、市販のラタノプロスト(0.005%)を用い、これを、噴霧エジェクタ装置及び従来の点眼器よって滴下した。試験対象眼を無作為化した。試験動物の試験対象眼に、噴霧エジェクタ装置によって1回投与し、反対側の眼に、従来の点眼器によって1滴投与した。試験第1日目において開始し、基準(baseline)データを、0、1、2、4、7及び12時間の時点において5日間収集した。試験第7日目において、第1の投与をおよそ0900時間(試験第0時間)で行なった。噴霧エジェクタ装置を用いて、それぞれのイヌの1つの無作為に割り当てられた試験対象眼内に6 μl送達した。5秒後、第2の6μlの用量を同じ眼に投与した。反対側の眼(ポジティブコントロール)に、従来の点眼器によって、一般的な0.005%ラタノプロストを1滴投与した。試験第7日目の試験0時間において開始し、瞳孔径(PD)、眼圧(IOP)及び心拍数(HR)を、毎日、0、1、2、4、7及び12時間においてモニタリングした。投与は、毎日、0及び12時間の測定後に行なった。この手順を5日間繰り返した。試験は、試験24時間の測定後に終了した。
結果
5日間測定したところ、基準(baseline)IOPは、日平均48.4±1.16mmHgであった。基準PDは、平均6.4±0.15mmであった。午前中と午後の測定値との間に有意差はなかった。IOPの一部の傾向は、午後に低い圧力が測定され、わずかに昼行性の効果を示した。試験第7日目の0時間の時点の測定値は、基準データを反映していた。
噴霧エジェクタ装置によって処置された眼において、IOPは、試験第7日目の初日の滴下において急速に低下し、7時間において、15.5±2.2mmHgのレベルまで最大28mmHgの減少であった。第8日目において、最大IOPは17.2±3.0mmHgであり、最小値は、7時間において、13.6±1.2mmHgであった。第9日目において、最大IOPは26.2±6.3mmHgであり、最小値は、4時間において、16.2±1.5mmHgであった。第10日目において、最大IOPは27.5±3.5mmHgであり、最小値は、4時間において、14.0±1.3mmHgであった。第11日目も同様であり、最大IOPが26.5±2.8mmHgであり、最小値は、7時間において、14.7±0.9mmHgであった(図25A)。
点眼器によって処置された眼も、IOPの減少を示した。これらの変化は、発表された結果を追随し、試験5日間で最大27.5mmHgの減少であった。日最大値は、噴霧エジェクタ装置によって処置された眼よりも概して高かった。点眼器によって処置された眼の日平均変化(最大値から最小値を引いたもの)は14.6mmHgであり、噴霧エジェクタ装置を用いて処置された眼では、日平均変化は7.6mmHgであった。
PDの変化は、両方の処置において類似しており、PDは、ほとんどの日において1時間の時点までに最小径(極小)に達した。点眼器によって処置された眼は、最大24時間で正常PDに戻り、噴霧エジェクタ装置を用いて処置された眼では、PDは、非常に長く収縮したままであった(図25B)。心拍数の変化は報告されなかった。眼の刺激、損傷、又は処置のいずれかによる不快感の顕著な報告はなかった。
考察
要約すると、噴霧エジェクタ装置による0.005%ラタノプロストの送達は、BIDを滴下した場合、緑内障ビーグル犬のIOPを有意に低下させた。ラタノプロストの1日2回の滴下では、標準用量の50%未満の使用でも、日IOPの変動が少なかった。点眼器による送達と比較して、噴霧エジェクタ装置による投与は、予測される午前中IOPスパイクを防止した。
低投与量は、プロスタグランジン類似体の大量使用でみられることが多い、眼に対する少ない刺激に関連していた。IOPの平均変動は、7.6mmHg(30%)であり、1日1回の投与に対して実質的な低下を表した。PDは、ラタノプロストの点眼器による送達後と比較して、噴霧エジェクタ装置送達後に長い持続期間で低いままであった。
明確な傾向は、一連の本試験で示されており(実施例1〜11)、これらは、本開示の噴霧エジェクタ装置によって送達される薬剤が、低い総用量、低い総投与量、及び高い投与濃度において有効であり、眼の刺激が少ないことを示している。
実施例12
本実施例は、本開示の噴霧エジェクタ装置による9μlの0.005%ラタノプロストの送達後における眼房水(AH)中のラタノプロストの酸レベルを、標準的な点眼器による26μlの0.005%ラタノプロストの送達と比較した、緑内障のビーグル犬を用いた薬物動態臨床試験に関する。
材料及び方法
8匹の健康な実験用ビーグル犬を本試験に選択した。包含される条件には、専門動物眼科医の肉眼による検査によって判断される、一般に全体的な健康及び正常な眼の状態が含まれていた。噴霧装置の投与前及び投与後の質量堆積較正は、9μlの意図された用量の常に10%以内であった。9.0μl用量の市販プロスタグランジンプロドラッグ、ラタノプロストを、噴霧エジェクタ装置を用いて、8匹の正常血圧のビーグル犬それぞれの2つの眼に局所的に滴下した。ラタノプロストの酸のレベルを、7時間の期間で5日間にわたって、毎日、前眼房水除去(aqueocentesis)によって得られた眼房水(AH)中で測定した。このプロトコルを、点眼器(平均用量26μl)によって送達される0.005%ラタノプロストにおいて繰り返した。
第1部
すべてのイヌに2週間の休薬期間及び馴化期間を設けた。第1週目において、すべての動物を群に割り当て、それぞれの群に2匹の動物を群1、2、4及び7に割り当てた。試験第1日目、0時間(±15分)において、噴霧エジェクタ装置により、それぞれの動物の眼に9μlの0.005%ラタノプロストを投与した。第1時間において、群1の2匹のイヌに鎮静剤を与え(Torbugesic(登録商標)0.1〜1mg/kg)、局所眼科用麻酔薬(プロパラカイン塩酸塩点眼液USP、0.5%)を与えた。局所麻酔薬の効果が現われたら、IOP及びPDを測定した。不安及び動作が示される場合、優れた結果を有する1mcg/kgデクスメデトミジンを用いて、鎮静プロトコルを変更し、研究者が試験において4つのアリコートのAHを得るのを妨げた。次いで、それぞれの眼を、0.1%ベタジン溶液で穏やかに洗浄した。それぞれの眼に、27g又は30gの針を慎重に用いて、前房から最低50〜75μlのAHを採取した。それぞれの試料を1.5mlエッペンドルフチューブに入れ、標識し、ドライアイス上でまず保存し、その後、−80℃の急速冷凍装置(ultra-freezer)に保存した。滅菌綿棒から直接圧力を加えることによって針穿刺を行なった。局所用抗生物質を毎日、最終的注意として眼に適用した。これは、第2、4及び7時間において、グループ化されたイヌのそれぞれの対で繰り返した(5日間、1日当たり16試料)。5日間で全76のAH試料を採取した。第2週目は、動物の休薬及び治癒の週として利用した。
第2部
第3週目は、0時間の時点において、点眼器による平均用量26μlの0.005%ラタノプロスト送達の代わりに、第1週のプロトコルに従った。5日間で全74のAH試料を、80回の前眼房水除去による試みで採取した。AH試料をすべて−80℃に凍結し、ドライアイス上で保存し、その後、ラタノプロストに特異的なHPLC法を用いて、ラタノプロストの酸について分析した。試験終了時に、動物を物理的に検査し、選定、又は適切であると考えられる他の利用のために準備した。
結果
第1部
噴霧エジェクタ装置によって送達される9 μlの0.005%ラタノプロストの投与後、1、2,4及び7時間に採取したAH試料はそれぞれ、0.43±0.11μg/ml、0.54±0.10μg/ml、0.28±0.08μg/ml及び0.30±0.06μg/mlのレベルのラタノプロストの酸を有することが分かった(表2)。
第2部
点眼器によって送達される平均投与量26μlの0.005%ラタノプロストの投与後、1、2,4及び7時間に採取したAH試料はそれぞれ、0.50±0.14μg/ml、0.15±0.03μg/ml、0.28±0.09μg/ml及び0.27±0.04μg/mlのレベルのラタノプロストの酸を有することが分かった(表3)。
本試験の第1部及び2部におけるラタノプロストの酸の週及び日平均レベルは、図26A及び26Bに示されている。図26A(表4)は、噴霧エジェクタ装置による投与後のラタノプロストレベルの薬理学的に活性のある酸の大きな最大濃度(CMAX)及び曲線下面積(AUC)を強調している。
考察
1時間後では、AHにおけるラタノプロストの酸レベルは、本開示の噴霧エジェクタ装置による9μlのラタノプロスト送達後よりも、点眼器による26μlのラタノプロスト送達後において高い。第2時間では、噴霧エジェクタ装置送達によってラタノプロストが投与された眼中のラタノプロストの酸レベルは、25%を超えて上昇したが、点眼器によって処置された眼のレベルは、80%を超えて減少した。第4時間及び7時間では、噴霧エジェクタ装置により送達されるラタノプロストの酸の量は、その初期レベルの50%で安定し、点眼器によって送達される酸形態のラタノプロストは、およそ40%で安定していた。IOPの減少及びPDの減少は、実施例4のコンパニオン試験での7時間の試験期間において、両方の送達方法(噴霧エジェクタ装置によって送達される9μl、及び点眼器によって送達される26μl)で同等であった。
本試験の結果は、受動拡散、浸透及び能動輸送が両方の送達系によって生じ、また、噴霧エジェクタ装置によって送達されるプロスタグランジンプロドラッグが、高い速度(3倍)で吸収され、高い用量で点眼器によって送達される薬剤よりも長い持続性があることを示唆している。液滴の大きさ、液滴運動量、用量及びその他の要因は、薬物動態、並びに噴霧プロスタプロドラッグ、ラタノプロストのIOP及びPD減少効果に影響を及ぼすと考えられる。
実施例13
本実施例は、エジェクタ面の帯電、及び本開示の電荷分離噴霧エジェクタ装置の流体負荷について評価する。
図14A〜14Cを参照すると、エジェクタシステムは、それぞれの導電面において信号を送信し、図14Aでは、シングルエンド型駆動が、接地されたエジェクタ面を有する圧電体の上部端子のみに適用され、図14Bでは、圧電体及びエジェクタ面がともに電圧によって交流駆動し、他の電極が接地された差動駆動エジェクタシステムがあり、図14Cでは、第3の導体及び誘電体が追加され、エジェクタ面が接地された圧電体を差動駆動させる。
標準圧電エジェクタトポロジーを図14A〜14Bに示し、圧電体が、ハイブリッドエジェクタ又はエジェクタノズルを有する単一膜であり得るエジェクタプレートに結合されている。図14Aの装置には、標準圧電エジェクタトポロジーが、エジェクタ面で接地されたままで示されている。圧電体の他の電極は、シングルエンド型電気信号によって駆動し、すなわち、接地電極に対して同等のかつ逆の極性で振動する。接地されたエジェクタ面の定電位により、電圧は流体に印加されず、流体に電場があるか、又はほとんどゼロである。
図27Aは、図14Aのエジェクタシステムの実験室において測定されたシングルエンド型駆動波形を示している。小さな周期電圧は、エジェクタプレートを流れる電流により、流体中に発生する。流体(蒸留水)中で発生した電圧は、流体貯留部周辺で局所的に(直接上部に)電場によって無限小双極子(infinitely small dipole)において誘導される電圧よりも低く、圧電体に印加される信号よりも小さい桁の大きさである。図27Bは、エジェクタプレートが接地されている間、電流が接地されたプレートに流れると、有限電圧(finite voltage)は、抵抗損失により、エジェクタプレート上で依然として発生していることを示している。したがって、流体は、流体貯留部周辺で局所電場によって無限小双極子において誘導される電圧よりも低く、圧電駆動信号をおよそ2桁下回る小さな電圧変動を受ける。
図14Bの装置には、標準圧電エジェクタトポロジーが示されており、エジェクタ面及び圧電体電極が差動駆動し、すなわち、半周期オフセットされた等しい信号がある。一方の電極が駆動している間、他方の電極は、同等及び逆の極性のいずれかにより接地されている。エジェクタシステムのいずれの部分も、このシステムにおいては直接接地されていない。それぞれの電極の電圧は、電源の接地を基準にし、2つの電極の変化する電位の間に電場が形成し、圧電体が励起される。接地されていないエジェクタ面の電位の変化により、電圧は、エジェクタ電極に対応する流体に周期的に印加され、交流極性電場は、駆動信号に対して非常に大きな振幅である流体中に存在する。蒸留水によるこの構成の実際の実験室測定は、差動駆動下で、エネルギーを蓄積し、エネルギーをエジェクタ面に戻すコンデンサとして、流体が機能することを示す。これによって、これらの流体に電流が増加すると、電解特性を有した流体に非常に有害な電流が流体中に誘導される。
図27Bは、図14Bのエジェクタシステムの実験室において測定された差動駆動波形を示している。大きな周期電圧は、エジェクタプレートの交流電位との直接接触により、流体中に発生する。流体は、エジェクタ表面電位に従うコンデンサと同様に、周期的に帯電及び放電する。電解流体は、抵抗器と非常に類似しており、波形に直接従う。
これに反して、本開示によれば、図14Cの装置には、電荷分離エジェクタトポロジーが示されており、エジェクタ面が接地されたままであり、圧電素子が差動駆動している。大部分の電場は、逆の極性の場合、差動駆動する電極間に閉じ込められ、それぞれの電極上で等しい振幅信号を送信する。エジェクタ面は、接地されたままである。図14Cに示されているように、同一の交流極性信号の場合、圧電体電極が駆動すると、エジェクタ面における電場はゼロであり、図14Aのシングルエンド型の場合の1/4である(1/2に分割されたその電極及び電場におけるシングルエンド型駆動の電圧の半分、1/2は、圧電体電極に移行し、他のものは、エジェクタ面に移行する。)。この構成の結果は、両電極が同等及び逆の極性信号で駆動する場合、流体に対してほぼ完全な電場遮蔽である。図14Cに示されているように、両電極が、交流接地信号及び正の極性信号によってオフセットされた駆動時間である場合、図27Cに示されている実験室の測定は、電圧の1/2未満が、図27Bのシングルエンドの場合にみられ、圧電信号よりも2桁を超えて少ない大きさであることを示す。真の差動駆動において、流体に付与される電圧は、1桁以上更に減少する。
図27Cは、本開示の実施形態によるエジェクタシステムの実験室において測定された電荷分離エジェクタの波形を示している。小さな周期電圧は、図14Aの標準システムの半分以下のレベルであるエジェクタプレートを流れる電流により、流体中に発生する。空気中に発生する電圧は、流体貯留部付近の標準システムによって発生する電場をどれくらい十分に遮蔽するかを示す。
エジェクタに接触している流体は、その収容貯留部中にある場合、交互に帯電及び放電する。この帯電及び放電は、非不動態化導電面(unpassivated, conducting surface)において腐食反応を触媒作用することができる。吐出孔における振動時に、エジェクタの電荷は、流体に対して極性を逆にすることができ、これによって、液滴からエジェクタ面への電場が発生し、エジェクタ面の上に流体を引く起電力が生じる(electro-wetting、液滴駆動)。液滴駆動がエジェクタ面に流体ビーズ(bead)を形成した後、そのプロセスは、続いて吐出される液滴と干渉するエジェクタ面の方に、吐出されていない流体を継続して送り込むことができる。噴霧方式におけるメッシュの振動のみがこの問題を強める。図28は、液滴駆動過程を示している。
電圧(V)が基板と流体との間に印加されると、接触角θは、次に示す関係に従って、(特定の臨界値又は「飽和」値まで)減少する。
上の式において、ε、εθはそれぞれ、流体と導電性基板との間の界面における絶縁膜の誘電率、自由空間の誘電率である。絶縁膜の厚さはtで表され、γという用語は、流体の表面張力である。液滴の縁の方への電場線のフリンジング(周辺化、fringing)によって、表面に流体をより近づけ(接触角θは、印加電圧の関数として減少する。)、基板に接する液滴の面積が増加する。この現象は液滴駆動(electro-wetting)と呼ばれる。薬剤がメッシュの表面を液滴駆動すると、漏出した薬剤のバルクが蒸発した後に、膜が残り、流体吐出を低下させ及び/又は妨げる。
実施例14
本実施例は、本開示の電荷分離エジェクタ機構によって達成される質量堆積について評価する。エジェクタ装置の質量堆積を測定するために、エジェクタ装置を試験装置に固定し、接地線及び陽極ワイヤ(positive wire)を演算増幅器に接続し、そして、電流プローブ及び電圧プローブをオシロスコープに接続する。周波数及び電圧は、例えば、50キロヘルツ(kHz)の周波数において、ピーク(90Vpp)正弦波に対して90Vピークに設定し、エジェクタ装置からの噴霧は、1ミリグラム(mg)の感度を有するスケールを用いて、24 mm×60 mmのNo.1カバーガラス上で5回測定し、追跡可能な証明書を用いて、1 mgクラス1重量によって較正する。それぞれの測定において、カバーガラスをスケール上に置き、スケールをゼロにする。スライドをエジェクタ装置の噴霧経路に置き、所定時間、電圧を印加する。スライドをスケールに戻し、質量を測定し、記録する。カバーガラスを清浄化し、それぞれの測定前に、スケールを再度ゼロにする。全5つの測定を周波数ごとに記録する。過程を、所定のステップサイズ(通常1 kHz)に基づいて周波数を漸増させて繰り返す。
電荷分離エジェクタ装置の質量堆積プロファイルを決定した。結果を図29に示すが、優れた性能を示す。図14Cに示されているように構成された電荷分離エジェクタ装置によって、エジェクタ面は常に接地されており、これによって、帯電効果及び液滴駆動により生じるビーディングを妨げ、依然として、差動信号の電気的利点が認められる。
実施例15
本実施例は、本開示の電荷分離エジェクタ機構表面の液滴駆動及び腐食について評価する。振動電場によって電荷分離エジェクタ機構の液滴駆動を検討するために、エジェクタプレート又は接地された圧電アクチュエータのいずれかを備えた図14Cに従って、エジェクタ装置を設定する。試験において、流体は、蒸留水(非導電性)、又は導電性にさせるように塩を加えた水のいずれかである。液滴形成を生じる吐出から、液滴駆動による効果を切り離すため、エジェクタ装置を、非吐出周波数である1 kHzの周波数で駆動させる。
第1の試験では、エジェクタ面を接地し、圧電アクチュエータを0〜70Vの矩形波によって駆動させる。流体がいずれかの電場を受けておらず、エジェクタプレート表面がゼロの一定電位に維持されている(接地)ため、蒸留水又は塩水のいずれかによって変化は観察されない。
第2の試験では、圧電アクチュエータを接地し、エジェクタ面を0〜70Vの矩形波によって駆動させる。エジェクタ面を0〜70Vの矩形波によって駆動させ、圧電アクチュエータを接地し、エジェクタ面の背部にある流体が、実際の作動条件下で印加される電場に類似する電場に遭遇するのを保証する。流体が蒸留水である場合、蒸留水は導電性でないので、変化は観察されない。
第3の試験では、圧電アクチュエータを接地し、エジェクタプレート1602を、上の2つの試験と同様であるが蒸留水を塩水に換えて、0〜70Vの矩形波によって駆動させる。図30A〜30Cに示されているように、変化は、ほぼすぐみられ(図30Aの最初の画像と、図30Bの真ん中の画像の比較)、液滴が形成し始めている。試験を継続すると、図30Cに見られるように、化学反応が明らかになる。
電荷分離エジェクタ機構に対する液体製剤の潜在的な液滴駆動及び腐食作用を評価するために、水/塩水ではなく、例示的な液体製剤を用いて、試験を繰り返す。液体製剤には、塩水に類似させるように、種々の塩が含まれ、部分的に酸性であってもよい。
試験では、流体は、医薬品ラタノプロストを含む。上述のように、エジェクタ面を、0〜70Vの矩形波によって駆動させ、圧電アクチュエータを接地する。図31に示されているように、2分後、ラタノプロストを含有する流体を、エジェクタプレート表面において観察することができ、薬剤は、エジェクタプレート表面と化学的に反応する。
別の試験では、流体は、医薬活性剤トロピカミドを含む。上述のように、エジェクタ面を、0〜70Vの矩形波によって駆動させ、圧電アクチュエータを接地する。図32に示されているように、2分後、トロピカミドを含有する流体を、エジェクタプレート表面において観察することができ、薬剤は、エジェクタプレート表面と化学的に反応する。
実施例16
本実施例は、噴霧エジェクタ機構によって吐出される液滴の帯電について評価する。
材料及び方法
電位計と塩水又はその他の試験流体を吐出する装置に連結されたファラデーケージに収容されているファラデーカップを用いて、すべての測定を行なった。吐出面をすべて、ファラデーカップの上1〜2 cmに配置した。吐出方法による質量の差を考慮して、電荷測定を吐出質量に標準化した。必要に応じて、接地面をエジェクタ機構の上下に配置した。
ファラデーカップの出力を電位計の入力に接続し、電位計の接地は、共通の接地レールを基準とする。また、試験において、ファラデーケージも、共通の接地を基準とする。導電性チューブをファラデーケージの上に置き、ファラデーケージ内部で受ける電気的干渉を制限することによって、信号対雑音比を増加させる。DC電源の二重側面を直列に接続し、最大125V DCまで電圧を促進する。安全対策として、抵抗器を電源の出力に配置する。実験台を、ファラデーケージの上11 mmの設定高さにおいて機械的噴霧器を保持するように配置する。エジェクタ機構のエジェクタプレートは、貯留部を誘導帯電する電極として機能する。電極を電源の一方の極性に接続し、逆の極性を共通の接地部材に接続する。これによって、電極とファラデーケージとの間の空間に電場を形成することができる。
電位計をウォーミングアップし、ゼロにし、一方、選択されたエジェクタを機械的噴霧器に取り付け、貯留部に塩水(又はその他の試験流体)を充填する。エジェクタからの液滴当たりの平均質量を測定し、記録する。基準線を浮遊している貯留部から取り出し、次いで、それぞれの測定後に、接地された貯留部の電位計をゼロにする。誘導帯電分析では、基準線が得られると、電極を電源に接続し、測定を、それぞれの極性から25Vステップにおいて25V〜125Vで行なう。この手順を、それぞれのエジェクタアセンブリについて繰り返す。摩擦帯電の影響を抑制するために、シリンジを用いて流体をメッシュ孔に押し通すことによって、速度をゼロ付近まで低減させた。液滴の速度は、ゼロに可能な限り近かった。
摩擦帯電分析では、ファラデーカップをエジェクタ面と同じ電位に接続する。エジェクタ面を、−125Vから+125Vの電位において掃引し、摩擦帯電効果を判断する。
材料及び方法
図示されているように、本開示の態様によれば、液滴の誘導帯電は、制御可能かつ反復可能であり、帯電極性及び振幅は制御可能である。この点に関して、本開示のエジェクタ機構の複数の構成について評価した。
例えば、特定の構成は、ステンレス鋼製エジェクタプレート上に取り付けられたジェネレータプレートを有するハイブリッドエジェクタ機構を備えている。特定の実施形態において、ステンレス鋼製エジェクタプレートは、流体と接触する側においてダイヤモンド様炭素コーティング(DLC)によって不動態化されている。特定の実施形態において、ジェネレータプレートは、エジェクタプレートのDLC不動態化側に取り付けられており、この場合、当該DLC不動態化側は流体である。他の構成において、ジェネレータプレートは、DLC/流体側とは反対側に取り付けられている。特定の実施形態には、PEEKジェネレータプレートが含まれ、他のものには、めっきされた不動態化NiCoジェネレータプレートが含まれている。構成には、非不動態化又はDLCステンレス鋼製エジェクタプレート、PEEK又は金不動態化NiCoジェネレータプレート、及びジェネレータプレートの流体又は非流体側取付けなどの種々の組合せが含まれていてもよい。他の実施形態には、モノリシックPEEK又は「PIMP」における穿孔を含むジェネレータプレートを備えた、非ハイブリッドエジェクタ機構が含まれている。PIMP構造は、「未処理の(virgin)」又は中心に開けたエジェクタ孔のパターンにタルクを充填し4つの柱部が取り付けられた全PEEK部分として配置することができる。
特定の構成では、ステンレス鋼製エジェクタプレートを接地(0)電位に維持するという点で、エジェクタ機構を「遮蔽」することができる。非ハイブリッド構成では、ステンレス鋼製リングをPIMPエジェクタの上部に取り付け、接地(0)電位に維持する。この構成では、PEEKが絶縁材料であり、電荷を排出することが困難であるので、ステンレス鋼製リングが使用される。遮蔽された構成は、ジェネレータプレート単独の摩擦帯電効果を試験するのに有用であった。
特定の構成では、帯電電極の配置も変更される。一構成では、環状部(エジェクタプレート)を高電位/ホット(hot)電位又は正の電位に維持し、リテーナプレート(リテーナフレックス)に取り付けられたフレックス回路を、接地部材(「AHFG」)に保持する。他の構成は、環状部(エジェクタプレート)を接地部材に保持し、リテーナフレックスをホット電位(「AGFH」)に維持するという点で、AHFGの逆である。
図33A〜33Cは、エジェクタ面への印加電圧に対する付与された電荷をグラム当たりのピコクーロンで示している。試験したエジェクタ機構(上述の説明)において、液滴上の印加電位と測定電荷との間に直線関係が示されている。とりわけ、エジェクタ面が外部電極と同じ電位に維持される場合、電場が存在せず、測定可能な電荷が液滴に付与されない。
図33Dは、(上述した)種々のエジェクタ機構構成のゼロに近い速度により噴出摩擦帯電によって付与された電荷を示している。図示されているように、付与された摩擦帯電は、誘導帯電よりも低い少なくとも3桁の大きさである。
図33E〜33Gは、塩水と代表的な眼科用薬剤ラタノプロストの帯電の両方を示し、液滴の制御可能な誘導帯電が、種々の代表的な流体において達成され得ることを確立している。
図33H〜33Iは、比較のための、ピペットにより送達される液滴の平均電荷データについて示し、液滴上の電荷を制御する代替的な機構を示している。
実施例17
本試験の目的は、正に帯電したスライドガラスを用いて、本開示の噴霧エジェクタ装置によって吐出された液滴の表面相互作用を分析することである。本試験は、眼表面と噴霧エジェクタ装置との間の電荷差を模倣することを目的とする。
材料及び方法
本試験において、眼の表面をシミュレートするのにスライドガラスを用いる。スライドガラスに正電荷を発生させる。DCオフセット電荷によって、噴霧エジェクタ装置に電荷を発生させる。噴霧中の電荷をファラデーケージによって測定する。
結果
正電荷噴霧によって、液滴は、スライドガラス表面に玉のようになる傾向がある。負電荷噴霧によって、液滴は、スライドガラス表面を湿らせる傾向がある。
考察
液滴とスライドガラス表面との間の電荷差によって、表面相互作用における挙動に顕著な相違がある。この点に関して、眼の表面は、正味の負電荷を有し、このため、正電荷噴霧は、眼表面への液体分散及び付着を促進することができる。同様に、負電荷は、電荷と同等の極性により、眼表面からの流出低減を促進することができる。
実施例18
本実施例は、処置に対する液滴電荷の効果を評価するための、緑内障ビーグル犬を用いた臨床試験に関する。
材料及び方法
緑内障ビーグル犬のインビボ薬力学(PD)試験、及び健康なイヌの薬物動態(PK)試験は、本開示の噴霧エジェクタ装置を用いて角膜上に噴霧した市販プロスタグランジンアゴニストの優れた眼圧(IOP)低下効果、及びバイオアベイラビリティの有意な増加を示している(実施例2〜15を参照)。これらの試験に用いた装置は、摩擦帯電及び誘導正電荷を有することが分かった。
本実施例の試験は、処置に対する液滴電荷の効果を更に調査する。実施例2〜15において上述したとおりに、動物の選択及び薬剤の投与を行なうことができる。これらの試験では、0.002%、0.004%又は0.0005%のトラボプロスト(Travatan Z(登録商標)、Alcon Laboratories社(Fort Worth, TX USA)製)を、制御可能な液滴電荷を有する本発明の噴霧エジェクタ装置によって動物に投与した。
結果
本開示の噴霧エジェクタ装置による制御可能な液滴帯電によって、薬剤を改良することなく、IOP低下効果が向上し、効果の持続性が延長し、PF2aプロスタグランジンアゴニストプロドラッグのバイオアベイラビリティが増加する。
具体的には、図34A〜34Hに示されているように、低用量のトラボプロスト(3マイクロリットル、0.002%及び0.0005%)は、制御可能な液滴電荷を有する本開示の噴霧エジェクタ装置によって送達される場合、IOPを大幅に低下させる。制御可能な液滴電荷噴霧投与は、点眼器又はピペットによる従来の送達と比較して、3倍のIOP低下有効性、対応する防腐剤の3倍の低減、及び同じ分類のPF2aプロスタグランジンアゴニスト薬剤の4倍のバイオアベイラビリティを達成する。制御可能な液滴電荷噴霧投与は、(lxqd@hs投与によって)トラボプロストのIOP低下効果を生じ、24時間IOP低下を示し、従来の投与によって観察される鋸歯状IOP曲線を低減する。また、データは、リガンド受容体のバイアスの増強、及びトラボプロストの薬理学的に活性のある形態への考えられ得る生体内変化の増強が、液滴帯電投与の制御によって生じることも示唆している。
図34A〜34Dは、非常に低用量(0.0005%、0.002%)の正帯電トラボプロスト(3mcl)によって、(非帯電液滴と比較して)瞳孔径の少ない減少、及び大きなIOP低下を示し、考えられ得るリガンドGPCR受容体のバイアスを示唆している。
図34E及び34Fは、トラボプロストの正負両方による制御可能な液滴帯電噴霧投与の逆説的なIOP/瞳孔径効果を示し、複数の受容体(PF2aプロスタグランジンアゴニスト受容体、カチオン性及びアニオン性受容体)による結合、リガンド(薬剤)細胞内シグナル伝達のバイアス、及び生体内変化の加速を示唆している。図34F及び34Gは、0.004%正負帯電トラボプロストによる(非帯電液滴と比較した)大きなIOP低下を示し、角膜への逆の電荷の付着が、薬剤効果増強の唯一のメカニズムでないことを更に示唆している。
例示的な実施形態を参照し本発明が説明されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされ、均等物をその構成要素に置換できることが当業者によって理解される。さらに、その本質的範囲から逸脱することなく、本発明の教示を特定の状況及び事態に適応させるように、変更することができる。したがって、本発明は、本明細書に開示されている特定の実施例に限定されないが、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を包含する。次の態様も考えられる。
[態様9]
標準的な点眼器と比較して、治療上有効な低投与量の医薬組成物を含む指向性液滴流を発生させて、その必要がある対象の眼に送達するエジェクタ機構であって、該エジェクタ機構は、
ジェネレータプレート及び圧電アクチュエータを備え、前記ジェネレータプレートに、その厚さを貫通して形成された複数の開口が含まれ、前記圧電アクチュエータが、前記低投与量の医薬組成物の指向性液滴流を発生させる頻度において、前記ジェネレータプレートを直接又は間接的に振動させるように動作可能であり、
15ミクロンよりも大きい平均液滴サイズで前記指向性液滴流を発生させ、使用時に、前記指向性液滴流を対象の眼上に堆積させるように、発生した指向性液滴流が低い混入気流を有し、
標準的な点眼器の投与量の容積の3/4未満で、前記対象の眼上に堆積するために、前記低投与量の医薬組成物を発生させる、
エジェクタ機構。
[態様10]
前記エジェクタ機構は、標準的な点眼器の投与量の容積の1/2未満で、前記対象の眼上に堆積するために、前記治療上有効な低投与量の医薬組成物を発生させる、態様9に記載のエジェクタ機構。
[態様11]
前記エジェクタ機構は、標準的な点眼器の投与量の容積の1/4未満で、前記対象の眼上に堆積するために、前記治療上有効な低投与量の医薬組成物を発生させる、態様9に記載のエジェクタ機構。
[態様12]
前記エジェクタ機構は、20〜400ミクロンの範囲の平均液滴径で、
前記指向性液滴流を発生させる、態様9に記載のエジェクタ機構。
[態様13]
前記エジェクタ機構は、前記指向性液滴流が、0.5 m/s〜10 m/sの範囲の平均初期速度で、前記指向性液滴流を発生させる、態様9に記載のエジェクタ機構。
[態様14]
前記エジェクタ機構が、態様1に記載の電荷分離エジェクタ機構である、態様9に記載のエジェクタ機構。
[態様15]
態様9に記載のエジェクタ機構であって、
前記エジェクタ機構は、制御可能な液滴電荷を有した、前記低投与量の医薬組成物を含む指向性液滴流を発生させ、
前記制御可能な液滴電荷が、標準的な点眼器による送達と比較して、対象の眼への前記液滴の送達を向上させるエジェクタ機構。

Claims (8)

  1. 流体の液滴を発生させる電荷分離エジェクタ機構であって、該機構は、
    その厚さを貫通して形成された複数の開口を有するジェネレータプレートと、
    電圧印加時に、前記ジェネレータプレートを直接又は間接的に振動させるように動作可能な圧電アクチュエータと、
    2つの導電層と、
    誘電体層と、を備え
    第1の導電層が、前記誘電体層から前記圧電アクチュエータを分離し、前記誘電体層が、第2の導電層から前記第1の導電層を分離し、前記第2の導電層が、前記ジェネレータプレートから前記誘電体層を分離し、それによって、前記ジェネレータプレートを電荷分離し、接地する、
    前記エジェクタ機構。
  2. 前記エジェクタ機構が、前記ジェネレータプレートに連結されたエジェクタプレートを更に備え、前記圧電アクチュエータが、前記エジェクタプレート、そして前記ジェネレータプレートを振動させるように動作可能であり、前記誘電体層が、前記第2の導電層から前記エジェクタプレートを分離する、請求項1に記載のエジェクタ機構。
  3. 前記エジェクタプレートが、前記ジェネレータプレートと並んで配置された中央開口領域を有し、前記圧電アクチュエータが、前記ジェネレータプレートの前記複数の開口を閉塞しないように、前記エジェクタプレートの周辺領域に連結されている、請求項2に記載のエジェクタ機構。
  4. 前記ジェネレータプレートの前記複数の開口が、前記ジェネレータプレートの中央領域に配置され、該中央領域が、前記圧電アクチュエータに覆われず、前記エジェクタプレートの前記中央開口領域と並んで配置されている、請求項3に記載のエジェクタ機構。
  5. 前記ジェネレータプレートの大きさが、前記エジェクタプレートよりも小さく、前記ジェネレータプレートの大きさが、前記中央領域によって占有された領域、及び、前記複数の開口の配置によって、少なくとも部分的に決定される、請求項3に記載のエジェクタ機構。
  6. 前記誘電体層及び前記2つの導電層が、フレキシブルプリント回路構造として構成されている、請求項1に記載のエジェクタ機構。
  7. 1以上の接着層を、前記第1の導電層、前記圧電アクチュエータ、前記誘電体層、第2の導電層、及び/又は前記ジェネレータプレートのうち1以上の間に更に備えている、請求項1に記載のエジェクタ機構。
  8. 少なくとも1つの追加の金属化層を、前記第1の導電層とは反対の前記圧電アクチュエータの側に更に備えている、請求項1に記載のエジェクタ機構。
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