JP2018126284A - 電気刺激装置、電気刺激方法、およびプログラム - Google Patents

電気刺激装置、電気刺激方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの不要な動作を抑えることができる電気刺激装置を提供する。
【解決手段】電気刺激装置100は、皮膚表面に配置される電極部120と、筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化を検出する検出部110と、検出される関節の角度変化が所定値以上の場合に、その角度変化のパターンを判定し、複数の電極を介して筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する処理回路130とを備え、処理回路130は、関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、角度変化のパターンとして判定したときには、筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、上述のパラメータとして調整する。
【選択図】図6

Description

本開示は、筋肉に電気刺激を与える電気刺激装置などに関するものである。
外部装置により生体に電気刺激を与えると、筋肉が収縮する。このような筋収縮を誘発するための電気刺激は、筋電気刺激(Electrical Mascular Stimulation:EMS)と呼ばれる。たとえば、生体の表面に貼り付けた電極から筋電気刺激が与えられる。なお、以下では、このような筋電気刺激を、単に電気刺激という。生体表面の電極から電気刺激を与えると、興奮閾値の低い運動神経が刺激され、その興奮が筋肉に伝わることで結果として筋肉が収縮する。電気刺激の強度を上げると、一定レベルまでは筋収縮の強度も上がるという特性がある。ただし、電気刺激により、運動神経の近傍にある感覚神経も同時に刺激されるために、刺激強度が強いとユーザが痛みを感じる。そこで、ユーザが耐えられる最大の刺激強度を求めて、その80%程度以下の強度の電気刺激が用いられることが多い。
電気刺激の目的の1つは、ユーザに少ない負担で運動をさせることである。特許文献1では、大腿部に対して4−20Hzのパルス状の電気刺激を印加することで、筋収縮を誘発し、筋肥大をさせる技術が開示されている。この技術では、心肺または関節に負担をかけずに運動ができる。したがって、この技術は、特に整形外科的疾患のあるユーザ、または、糖尿病性合併症もしくは心血管系合併症などの臓器障害のあるユーザに対して効果的であるとされている。
国際公開公報2009/072437号
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ユーザが不適切な動作を行ってしまうという課題がある。
たとえば、睡眠中に電気刺激を行う場合、誘発された筋収縮によって関節の角度変化を含む動作が発生すると、無意識のユーザが場所を移動して転落する、あるいは、近くで寝ている他者に危害を加えるなどの可能性がある。
そこで、本開示は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、ユーザの不適切な動作を抑えることができる電気刺激装置などを提供する。
本開示の一態様に係る電気刺激装置は、ユーザの筋肉に電流を印加することによって、前記筋肉に電気刺激を与える電気刺激装置であって、前記筋肉に対応する前記ユーザの皮膚表面に配置される複数の電極と、前記筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化を検出する検出部と、前記検出部によって検出される前記関節の角度変化が所定値以上の場合に、前記角度変化のパターンを判定し、前記複数の電極を介して前記筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する処理回路とを備え、前記処理回路は、前記関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、前記筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、前記パラメータとして調整する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の電気刺激装置は、ユーザの不適切な動作を抑えることができる。
図1は、電気刺激開始後の筋収縮開始と動作開始とのタイミングを模式的に示す図である。 図2は、2つの筋肉のそれぞれに同じ電気刺激を与えた場合の発揮筋力の変化を模式的に示す図である。 図3は、干渉電流刺激法を模式的に示す図である。 図4は、干渉電流刺激法における電極の配置の一例を示す図である。 図5に、安静時および低周波刺激法による電気刺激と、干渉電流刺激法による電気刺激とのそれぞれによる平均消費カロリーを示す図である。 図6は、実施の形態における電気刺激装置の機能構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態における電気刺激装置の構成および利用環境を示す図である。 図8は、実施の形態における、関節の角度変化の要因を判別するためのテーブルを示す図である。 図9は、実施の形態における、関節の角度変化の要因に対して行われる干渉電流の調整内容を特定するためのテーブルを示す図である。 図10に、実施の形態における、干渉電流と関節角度の変化との一例を模式的に示す図である。 図11は、実施の形態における、干渉電流と関節角度の変化との他の例を模式的に示す図である。 図12は、実施の形態における電気刺激装置の処理動作を示すフローチャートである。 図13Aは、本開示の一態様に係る電気刺激装置の構成を示す図である。 図13Bは、本開示の一態様に係る電気刺激装置の処理動作を示すフローチャートである。
(本開示の基礎となった知見)
まず、本開示における用語を定義する。
筋収縮とは、筋肉が力を発揮することである。筋収縮は3種類に大別される。筋肉の長さが短くなる短縮性筋収縮と、筋肉の長さが長くなる伸張性筋収縮と、筋肉の長さが変わらない等尺性筋収縮とである。短縮性筋収縮と伸張性筋収縮は、関節角度を変化させ関節運動を生じさせるため動的収縮と呼ばれる。一方、等尺性筋収縮は、関節の角度が変化しないことから静的収縮と呼ばれる。
動作とは、短縮性筋収縮あるいは、伸張性筋収縮の結果として、関節の角度に変化が生じたことと定義する。
屈曲筋とは、関節を屈曲させる筋肉である。伸展筋とは、関節を伸展させる筋肉である。
次に、従来の技術に対する課題などについて詳細に説明する。
前述のように、皮膚表面から電気刺激を与えると、運動神経が興奮し、ユーザの意図とは無関係に筋収縮が誘発される。筋肉のトレーニング効果を得るためには、所定以上の強度の筋収縮が必要になるが、電気刺激によってその強度以上の筋収縮を誘発できれば、ユーザが随意的に筋収縮を行わなくても筋肉をトレーニングできる可能性がある。
しかしながら、上記特許文献1の技術では、特に睡眠の状態など、ユーザが無意識状態のときに、電気刺激によって短縮性筋収縮あるいは伸張性筋収縮が生じて動作が誘発されると、たとえばユーザがベッドから転落する、あるいは近くで寝ている他者に危害を加えるなどの可能性がある。屈曲筋と伸展筋の発揮筋力がつりあった状態で共に収縮し、関節運動が生じない等尺性筋収縮であれば、そのような状況は発生しないが、上記特許文献1の技術では、電気刺激により等尺性筋収縮を誘発することは困難である。
電気刺激によって等尺性筋収縮を誘発するのが難しい理由として、次の2つが挙げられる。1つ目は、筋肉ごとのタイミングの違いである。つまり、電気刺激を印加してから、筋収縮が開始されるまでの時間および、動作が誘発されるまでの時間が、筋肉ごとに異なっている。
図1に、電気刺激開始後の筋収縮開始と動作開始とのタイミングを模式的に示す。図1に示すように、電気刺激を印加するタイミングが同じでも、筋Aと筋Bでは筋収縮開始および動作開始のタイミングが異なる。たとえば、ある関節の屈曲筋が筋Aであり、伸展筋が筋Bである。同じ時刻から電気刺激を開始しても、伸展筋である筋Bの方が早くに筋収縮および動作を開始するため、一時的に伸展動作が誘発される。
2つ目は、筋肉ごとの収縮力の違いである。なお、収縮力は、発揮筋力ともいう。
図2に、筋Aおよび筋Bのそれぞれに同じ電気刺激を与えた場合の発揮筋力の変化を模式的に示す。筋Aでは、筋収縮開始直後においては、発揮筋力が小さいが、その発揮筋力は時間経過によらずほぼ一定である。一方、筋Bでは、筋収縮開始直後には発揮筋力が高いが疲労に伴い、発揮筋力が低下する。筋Aと筋Bに同じ強度で電気刺激を与え続けると、刺激開始時には伸展運動が誘発され、時間経過とともに屈曲運動が誘発される。
そこで、本発明者らは、屈曲筋と伸展筋のそれぞれの収縮特性に合わせて、電気刺激のタイミングおよび強度を調整し、等尺性筋収縮を誘発する手法を考案した。
筋収縮を誘発するための電気刺激には、低周波刺激法と干渉電流刺激法とがある。低周波刺激法では、運動神経が反応する周波数帯である約1kHz以下の周波数の電流を印加する。1kHz以下の周波数は、感覚神経も反応する周波数帯であることから痛みを感じやすく、また、電流伝播経路にある全ての神経を興奮させるため深層筋のみを収縮させることはできない。一方、干渉電流刺激法では、運動神経が反応しにくい周波数帯(たとえば2kHz以上)にある互いに異なる周波数の2つ以上の電流を同時に印加し、生体内で生成した干渉電流によって神経を興奮させる。なお、干渉電流は、干渉波ともいい、上述の2つ以上の電流は、搬送電流または搬送波という。搬送波の周波数では、感覚神経が反応しにくいことから、ユーザは痛みを感じにくく、干渉波生成領域のコントロールにより深層筋のみの収縮も可能である。以下、干渉波生成領域のコントロールにより、深層筋を含む単独の筋肉の刺激が可能な干渉電流刺激法を例に述べる。
図3は、干渉電流刺激法を模式的に示す。干渉電流刺激法により、ある関節の屈曲筋と伸展筋の両方を刺激する。このとき、図3の(a)に示すように、屈曲筋と伸展筋の両方の神経にかかるような干渉波生成領域を生成する方法がある。この場合、正電極1aとGND電極1bとの間に搬送電流を印加し、正電極2aとGND電極2bとの間に搬送電流を印加する。これらの搬送電流の干渉によって、干渉波が生じる干渉波生成領域が生成される。この干渉波生成領域が、屈曲筋と伸展筋の両方の神経にかかるように配置される。しかし、その場合には、屈曲筋と伸展筋の収縮力をそれぞれ個別にコントロールできない。そこで、本発明者らは、図3の(b)に示すように、屈曲筋と伸展筋のそれぞれを刺激するための2つの干渉波生成領域を独立に生成する手法を考案した。その場合には、屈曲筋を刺激する干渉波を生成するための搬送電流Aと、伸展筋を刺激する干渉波を生成するための搬送電流Bとの干渉も生じる。しかし、搬送電流Aの周波数と、搬送電流Bの周波数とを1kHz以上離すことにより、筋収縮の誘発という観点では、両者の干渉の影響を無視できる。
たとえば、仰臥位(仰向けで寝ている状態)において大腿部の伸展筋(大腿直筋等)と屈曲筋(ハムストリングス)とを独立の干渉波生成領域で刺激するためには、たとえば図4のように電極を配置してもよい。
図4は、干渉電流刺激法における電極の配置の一例を示す。図4の(a)は、屈曲筋および伸展筋の筋繊維方向と平行に、搬送電流を印加するための複数の電極を並べた例を示す。A電極対の電極A+と電極AGとの間、B電極対の電極B+と電極BGとの間、C電極対の電極C+と電極CGとの間、および、D電極対の電極D+と電極DGとの間に、搬送電流を印加する。なお、符号「+」が付された電極は、正の電極であり、符号「G」が付された電極は、グラウンドの電極である。A電極対とB電極対の干渉電流により伸展筋を刺激するため、A電極対の搬送電流とB電極対の搬送電流との周波数の差を、1kHzより小さく設定する。C電極対とD電極対に関しても同様である。ここで、A電極対と、C電極対またはD電極対とによって生じる干渉電流を抑える必要があり、同様に、B電極対と、C電極対またはD電極対とによって生じる干渉電流を抑える必要がある。そこで、A電極対と、C電極対またはD電極対との間の搬送電流の周波数差と、B電極対と、C電極対またはD電極対との間の搬送電流の周波数差とを、1kHz以上とする。また、図4の(b)に示すように、筋繊維方向と平行に配置したA電極対の搬送電流と、筋繊維方向と垂直に配置したB電極対の搬送電流とを干渉させるように、各電極を配置してもよい。
以下、本発明者らが実施した電気刺激の実験について述べ、大腿部の屈曲筋と伸展筋のそれぞれを独立の干渉波で刺激した場合に、低周波刺激法と同程度にカロリー消費が亢進されることを示す。
被験者は、健常男性2名であった。被験者は、右脚の大腿部に干渉電流刺激用の電極を装着し、左脚の大腿部に低周波刺激用の電極を装着した。干渉電流刺激法と低周波刺激法のそれぞれの刺激強度(すなわち電流値)を、被験者の痛みのレベルが同じになるように設定した。実験時の姿勢は、仰臥位とした。
干渉電流刺激用の電極として、76mm×46mmのゲルシート(ロングユースパッドEW0603P、パナソニック株式会社製)を用いた。各電極対を、図4の(a)に示す配置、すなわち筋繊維方向と平行に貼り付けた。電極中心位置は、上前腸骨棘と膝蓋骨の遠位1/4(A+、B+、C+、D+)および遠位3/4(AG、BG、CG、DG)とした。つまり、電極A+、B+、C+、およびD+と、電極AG、BG、CG、DGとの間の中心である電極中心位置は、上前腸骨棘と膝蓋骨との間にあって、上前腸骨棘との間の距離の3倍の距離だけ、膝蓋骨から離れている。伸展筋側の2つの搬送電流の周波数をそれぞれ6000Hzと6020Hzとし、屈曲筋側の2つの搬送電流の周波数をそれぞれ4000Hzと4020Hzとした。これにより、伸展筋側および屈曲筋側のそれぞれで、20Hzの干渉波を生成した。5秒の電流印加と、2秒の休憩を1サイクルとして、その1サイクルの処理を5分間経過するまで繰り返した。
また、低周波刺激法による電気刺激を、ベルト電極式骨格筋電気刺激法(オートテンズプロ リハビリユニットII、株式会社ホーマーイオン研究所製)により実施した。電極ベルトの位置を、上前腸骨棘と膝蓋骨の遠位1/4および遠位3/4とした。干渉電流刺激法と同様に、5秒の電流印加と、2秒の休憩を1サイクルとして、その1サイクルの処理を5分間繰り返した。干渉電流刺激法と低周波刺激法の刺激順序は、被験者間でカウンタバランスした。
呼気ガスセンサ(QUARK CPET、COSMED製)を用いて測定した、被験者の酸素摂取量(VO2)と二酸化炭素排出量(VCO2)から、以下の(式1)に基づいて、消費カロリーを算出した。
Figure 2018126284
図5に、安静時と、低周波刺激法による電気刺激を受けているときと、干渉電流刺激法による電気刺激を受けているときとの、それぞれの平均消費カロリーを示す。図5に示すように、各被験者で痛みレベルを揃えた場合には、干渉電流刺激法によって、低周波刺激法と同程度以上のカロリーが消費されるといえる。
なお、本発明者らが実施した予備実験により、同じ電流値で干渉電流刺激法による電気刺激を行った場合、搬送電流の周波数を高くするほど、痛みを感じにくかった。また、仰臥位において大腿部に干渉電流を印加すると、屈曲筋側よりも伸展筋側でより痛みを感じやすかった。よって、仰臥位で大腿部の伸展筋(大腿直筋等)と屈曲筋(ハムストリングス)を共収縮させる場合の搬送電流の周波数は、屈曲筋側よりも伸展筋側を高く設定するとよいといえる。
本発明者らは、上述の知見に基づき、関節角度の変化に基づいて電気刺激を与えるタイミング、周波数および強度を詳細に調整する方法を考案した。
つまり、上述のように得られた知見に基づく、本開示の一態様に係る電気刺激装置は、ユーザの筋肉に電流を印加することによって、前記筋肉に電気刺激を与える電気刺激装置であって、前記筋肉に対応する前記ユーザの皮膚表面に配置される複数の電極と、前記筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化を検出する検出部と、前記検出部によって検出される前記関節の角度変化が所定値以上の場合に、前記角度変化のパターンを判定し、前記複数の電極を介して前記筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する処理回路とを備え、前記処理回路は、前記関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、前記筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、前記パラメータとして調整する。具体的には、前記処理回路は、前記関節が屈曲のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、前記屈曲筋に印加される電流の電流値を下げる、または、前記伸展筋に印加される電流の電流値を上げてもよい。
例えば、関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているときには、その一方の筋肉に印加される電流によって誘発される収縮力が、他方の筋肉に印加される電流によって誘発される収縮力よりも大きいと想定される。つまり、屈曲筋と伸展筋とにおける電気刺激の強度が要因と想定される。なお、このときには、関節の角度は、その電流と実質的に同じ周波数で変化している。そこで、本開示の一態様では、上述のように関節が動いているときには、屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値が調整されるため、屈曲筋および伸展筋のそれぞれに誘発される収縮力を等しくすることができる。これにより、等尺性筋収縮を適切に誘発することができる。その結果、ユーザの不要な動作を抑えることができる。
つまり、本開示の一態様では、同じ関節の屈曲筋と伸展筋の両方を刺激することで、筋収縮を誘発しながら関節角度を変えない電気刺激装置を提供することができる。言い換えれば、本開示の電気刺激装置によれば、同じ関節の屈曲筋と伸展筋の両方を、収縮力がつりあうように刺激することで、その関節を動作させずに筋収縮を誘発できる。これにより、たとえば睡眠時においても安全な筋肉トレーニングが実現できる。
また、前記処理回路は、さらに、前記関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返しているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、前記屈曲筋および前記伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の位相を、前記パラメータとして調整してもよい。
例えば、関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返しているときには、屈曲筋および伸展筋のそれぞれで、印加される電流によって収縮力が誘発されるタイミングが異なっていると想定される。つまり、屈曲筋と伸展筋とにおける電気刺激のタイミングが要因と想定される。そこで、本開示の一態様では、上述のように関節が動いているときには、屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の位相が調整されるため、屈曲筋および伸展筋のそれぞれで収縮力が誘発されるタイミングを等しくすることができる。これにより、等尺性筋収縮を適切に誘発することができる。その結果、ユーザの不適切な動作を抑えることができる。
また、前記処理回路は、さらに、前記筋肉に印加される電流の立ち上がり時または立ち下がり時である変化期間に、前記関節が屈曲または伸展をしているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、前記変化期間において、前記屈曲筋および前記伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の周波数を前記パラメータとして増加し、かつ、前記電流の休止区間を設けてもよい。
例えば、筋肉に印加される電流の立ち上がり時または立ち下がり時に、関節が屈曲または伸展をしているときには、屈曲筋および伸展筋のそれぞれで、印加される電流の立ち上がりまたは立ち下がりによって誘発される収縮力が異なっていると想定される。そこで、本開示の一態様では、上述のように関節が動いているときには、立ち上がりまたは立ち下がりのときにおいて、屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の周波数を増加し、かつ、その電流の休止区間を設ける。これにより、屈曲筋および伸展筋のそれぞれで、印加される電流の立ち上がりまたは立ち下がりによって誘発される収縮力を等しくすることができる。その結果、等尺性筋収縮を適切に誘発することができ、ユーザの不適切な動作を抑えることができる。
また、前記屈曲筋および前記伸展筋のそれぞれには、周波数が互いに異なる2つ以上の搬送電流によって生じる干渉電流が、前記複数の電極に含まれる2対以上の電極を介して印加されてもよい。
これにより、ユーザに対して痛みを感じ難くすることができるとともに、単独の筋肉に電気刺激を与えやすくすることができる。
例えば、前記屈曲筋に印加される前記2つ以上の搬送電流のそれぞれと、前記伸展筋に印加される前記2つ以上の搬送電流のそれぞれとは、周波数が互いに1kHz以上異なっていてもよい。
これにより、屈曲筋に印加される搬送電流と、伸展筋に印加される搬送電流とが干渉してユーザの不必要な部位にまで筋収縮を誘発してしまうことを抑えることができる。
また、前記関節の角度変化に対する前記所定値は、10度であってもよい。
これにより、電流の印加によって誘発される関節の動作とは異なる微細な関節の動きによって、パラメータが過剰に調整されてしまうことを適切に抑えることができる。
また、前記処理回路は、前記パラメータを調整することによって、前記関節の角度変化を抑えてもよい。
これにより、ユーザの不適切な動作を抑えることができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
<関節角度に基づく干渉波生成の制御>
以下では、本実施の形態における電気刺激装置の構成および動作について説明する。なお、本実施の形態における電気刺激装置は、等尺性筋収縮誘発システムともいう。
図6は、本実施の形態における電気刺激装置100の機能構成を示す。電気刺激装置100は、ユーザの筋肉に電流を印加することによって、その筋肉に電気刺激を与える電気刺激装置であって、検出部110と、電極部120と、処理回路130とを備える。
電極部120は、筋肉に対応するユーザの皮膚表面に配置される複数の電極からなる。
検出部110は、上述の筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化を検出する。なお、関節の角度変化は、関節において互いに連結される2つの骨のなす角度の変化であって、関節角度の変化ともいう。
処理回路130は、検出部110によって検出される関節の角度変化が所定値以上の場合に、その角度変化のパターンを判定し、電極部120を介して筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する。このような処理回路130は、判定部131と、強度調整部132と、タイミング調整部133と、周波数調整部134と、刺激生成部135とを備えている。処理回路130と検出部110とは、有線または無線で接続されている。処理回路130と電極部120とは、有線で接続されている。なお、処理回路130は、例えば樹脂材料などによって成型されたケースに収納されている。
<利用環境>
図7に、本実施の形態における電気刺激装置100の構成および利用環境を示す。この電気刺激装置100の検出部110は、ユーザ5のある関節の関節角度の変化を計測する。そして、検出部110は、処理回路130に、関節の角度変化を示す情報を送付する。電極部120は、処理回路130と有線で接続され、処理回路130で生成された電気刺激(すなわち電流)をユーザ5に印加するための複数の電極である。図7に示す利用環境では、電気刺激装置100は、下肢トレーニングに用いられるが、電極部120をユーザ5の腹部に配置することで腹部トレーニングに利用することも可能である。電極部120に含まれる複数の電極のそれぞれは、ゲルシートであってもよいし、衣服に埋め込まれた導電性の布であってもよい。
<検出部110>
検出部110は、電極部120が配置された筋肉によって動作する関節の角度の変化を検出する。そして、検出部110は、判定部131に、関節の角度変化を示す情報を送付する。検出部110は、たとえば、その関節付近に配置された歪みセンサであるが、圧力センサであってもよい。つまり、検出部110は、関節付近の皮膚表面の歪み、または、その歪みによって生じる圧力の変化を、関節の角度変化として検出する。
<判定部131>
判定部131は、検出部110から、関節の角度変化を示す情報を検出情報として受け取る。そして、判定部131は、関節の角度変化が所定値以上の場合に、予め定められたテーブルに基づいて関節の角度変化の要因を判別する。ここで、関節の角度変化に対する上述の所定値は10度である。これにより、電流の印加によって誘発される関節の動作とは異なる微細な関節の動きによって、パラメータが過剰に調整されてしまうことを適切に抑えることができる。
図8は、関節の角度変化の要因を判別するためのテーブルを示す。
テーブルは、図8に示すように、関節角度の変化態様と、関節角度の変化の要因と、情報伝達先とを関連付けて示す。なお、関節角度の変化態様は、関節の角度変化のパターンである。関節角度の変化の要因は、そのパターンの角度変化が生じる要因である。また、情報伝達先は、判定部131からの情報を取得する、強度調整部132、タイミング調整部133、および周波数調整部134のうちの何れか1つである。
この図8に示すように、判定部131は、検出部110から送付された検出情報に示される角度変化が所定値以上でない場合には、電気刺激の調整項目、すなわち電気刺激に用いられる電流の調整すべきパラメータはなしと判別する。
また、検出情報によって示される角度変化が、電気刺激(すなわち干渉電流)による一方方向への変化であって、かつ干渉電流と同じ周波数の変化である場合には、判定部131は、関節角度の変化の要因が、電気刺激の強度(すなわち電流の振幅)であると判別する。つまり、判定部131は、関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、角度変化のパターンとして判定すると、そのパターンの角度変化が生じる要因が、干渉電流の電流値であると判別する。
また、検出情報によって示される角度変化が、屈曲と伸展とが交互に繰り返される変化である場合には、判定部131は、関節角度の変化の要因が、電気刺激のタイミング(電流の位相)であると判別する。屈曲と伸展とが交互に繰り返される変化とは、屈曲の後に伸展がある変化、または伸展の後に屈曲がある変化である。つまり、判定部131は、関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返しているパターンを、角度変化のパターンとして判定すると、そのパターンの角度変化が生じる要因が、干渉電流の位相であると判別する。
また、検出情報によって示される角度変化が、屈曲および伸展のうちのいずれかの一方のみが断続的に行われる変化である場合には、判定部131は、関節角度の変化の要因が、筋肉ごとの筋収縮強度の違いであると判別する。この筋収縮強度の違いは、主動筋と拮抗筋とのそれぞれの筋収縮強度の立ち上がり、または立ち下がりの特性の違いである。なお、主動筋および拮抗筋のうちの一方が屈曲筋であり、他方が伸展筋である。つまり、判定部131は、筋肉に印加される電流の立ち上がり時または立ち下がり時である変化期間に、関節が屈曲または伸展をしているパターンを、角度変化のパターンとして判定する。そして、このときに、判定部131は、そのパターンの角度変化が生じる要因が、変化期間における伸展筋と屈曲筋との筋収縮強度の違いであると判別する。言い換えれば、判定部131は、その要因がその変化期間における干渉電流の波形であると判別する。
そして、判定部131は、関節角度の変化の要因が電気刺激の強度であると判別した場合には、強度調整部132へ、干渉電流の調整を指示するための調整情報を出力する。また、判定部131は、関節角度の変化の要因が電気刺激のタイミングであると判別した場合には、タイミング調整部133へ上述の調整情報を出力する。また、判定部131は、関節角度の変化の要因が、立ち上がりまたは立ち下がり時における屈曲筋と伸展筋の筋収縮強度の違いであると判別した場合には、周波数調整部134へ上述の調整情報を出力する。例えば、上述の調整情報は、角度変化の変化態様が示されている。
<強度調整部132>
強度調整部132は、関節が連続的かつ周期的に屈曲または伸展していた場合に、判定部131から上述の調整情報を受け取り、ユーザ5に印加する電気刺激の強度を調整する。つまり、本実施の形態における強度調整部132は、筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、上述のパラメータとして調整する。
図9は、関節の角度変化の要因に対して行われる干渉電流の調整内容を特定するためのテーブルを示す。
このテーブルは、関節角度の変化態様と、関節角度の変化の要因と、干渉電流の調整内容とを関連付けて示す。図9に示すように、たとえば、強度調整部132は、判定部131から受け取った調整情報に、関節角度が連続的かつ周期的に屈曲していることが示されている場合、屈曲筋に対する電気刺激(すなわち干渉電流)の電流値を下げる。あるいは、強度調整部132は、伸展筋に対する電気刺激の電流値を上げる。また、たとえば、強度調整部132は、判定部131から受け取った調整情報に、関節角度が連続的かつ周期的に伸展していることが示されている場合、伸展筋に対する電気刺激(すなわち干渉電流)の電流値を下げる。あるいは、強度調整部132は、屈曲筋に対する電気刺激の電流値を上げる。つまり、関節が屈曲のみを連続的に行っているパターンを、角度変化のパターンとして判定部131が判定したときには、強度調整部132は、屈曲筋に印加される電流の電流値を下げる、または、前記伸展筋に印加される電流の電流値を上げる。
これにより、電気刺激の強度が調整される。具体的には、強度調整部132は、調整情報を受け取るたびに、たとえば予め定められた下げ幅(たとえば0.1mA)だけ電流値を下げてもよい。あるいは、強度調整部132は、予め定められた上げ幅(たとえば0.1mA)だけ電流値を上げてもよい。また、この上げ幅または下げ幅は、電流値の変更後の関節角度の変化に基づいて設定されても良い。
<タイミング調整部133>
タイミング調整部133は、関節角度が屈曲と伸展を交互に繰り返していた場合に、判定部131から上述の調整情報を受け取り、屈曲筋側あるいは伸展筋側の電気刺激の印加のタイミングを調整する。つまり、本実施の形態におけるタイミング調整部133は、屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の位相を、上述のパラメータとして調整する。
図10に、干渉電流と、関節が屈曲と伸展を交互に繰り返す場合の関節角度の変化の様子とを模式的に示す。図1に示すように、同じ時刻から電気刺激を開始しても、筋収縮および動作のそれぞれが開始される時刻は、筋肉ごとに異なる。その時間差によって、一時的に関節角度が変化する。つまり、屈曲筋の干渉電流と、伸展筋の干渉電流との位相が揃っていても、伸展筋よりも屈曲筋のほうが、電気刺激開始から動作開始までの時間差が短い場合には、電気刺激の立ち上がりから所定時間以内において一時的に屈曲側に関節角度が変化する(図10の(b)における区間A)。その後、屈曲筋に遅れて伸展筋の収縮力が増大し、伸展筋の収縮力が屈曲筋の収縮力とつりあっている時間帯においては、関節角度の変化は0付近に戻る(図10の(b)における区間B)。ただし、伸展筋の収縮が屈曲筋の収縮よりも持続する場合には、図10の(b)に示す区間Cのように、伸展側に関節角度が変化すると考えられる。そこで、タイミング調整部133は、図10に示すような場合には、たとえば屈曲筋側の電気刺激の開始タイミングを最大で区間Aの時間だけ遅らせる。つまり、タイミング調整部133は、判定部131から受け取った調整情報に、区間Aの屈曲の後に伸展があることが示されている場合、その区間Aに相当する時間だけ、屈曲筋側の干渉電流の位相を遅らせる。これにより、屈曲筋と伸展筋との反応時間差の影響を吸収できる。
なお、図10に示す例では、屈曲の後で伸展があるため、タイミング調整部133は、屈曲筋側の干渉電流の位相を遅らせるが、逆に、伸展筋側の干渉電流の位相を早めてもよい。一方、伸展の後で屈曲があるときには、タイミング調整部133は、伸展筋側の干渉電流の位相を遅らせてもよく、逆に、屈曲筋側の干渉電流の位相を早めてもよい。
<周波数調整部134>
周波数調整部134は、立ち上がり時または立ち下がり時のどちらかにおいて、屈曲側および伸展側のどちらか一方方向にのみ関節角度が変化した場合に、判定部131から上述の調整情報を受け取る。そして、周波数調整部134は、干渉波の立ち上がりまたは立ち下がりにおける搬送電流の周波数および休止区間を調整する。つまり、本実施の形態における周波数調整部134は、立ち上がり時または立ち下がり時である変化期間において、屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の周波数を上述のパラメータとして増加し、かつ、電流の休止区間を設ける。
図11に、干渉電流と、関節が屈曲する場合の関節角度の変化の様子とを模式的に示す。
たとえば、図11の(a)および(b)に示すように、屈曲筋の干渉電流の立ち上がり時のみ、関節角度の変化が屈曲側に生じたとする。また、このとき、屈曲筋側の2つの搬送電流の周波数がそれぞれ4000Hzと4001Hzであり、伸展筋側の2つの搬送電流の周波数がそれぞれ6000Hzと6001Hzである。つまり、屈曲筋および伸展筋のどちらにも、1Hzの周波数の干渉波が生成されている。図11に示すように、干渉電流の立ち下がり時に、関節角度の変化が起きていない場合には、その時間帯においては屈曲筋の収縮力と伸展筋の収縮力とがつりあっている。よって、干渉電流の立ち上がり時におけるその干渉電流の立ち上がり方(すなわち波形)を調整することによって、関節角度の変化を低減すれば、全体にわたって等尺性筋収縮が誘発できる。
立ち上がり方の調整方法は、以下の通りである。屈曲筋の電気刺激(すなわち干渉電流)に関して、まず、調整前の干渉電流の立ち上がりタイミングから、所定時間だけ刺激を休止する。つまり、干渉電流の出力が0になる休止区間を設ける。そして、休止区間後、調整前の干渉電流の電流値がピークになるまでの間、屈曲筋側の搬送電流の周波数を変更して、干渉電流の立ち上がり時間を短縮する。つまり、干渉電流の周波数が増加される。このようにすることで、図11中の破線で示す波形の干渉電流が生成できる。具体的には、たとえば休止区間を、調整前の立ち上がり時間の半分とした場合、その調整前の立ち上がり時間の残りの区間は周波数調整区間である。この周波数調整区間における2つの搬送電流の周波数を、たとえば4000Hzと4002Hzとに設定する。周波数調整区間における搬送電流の周波数は、周波数調整区間終了時に干渉電流の電流値がピークとなるように調整する。周波数調整部134は、上述のような立ち上がり方の調整方法にしたがって、干渉電流の立ち上がり方を調整する。つまり、周波数調整部134は、調整前の干渉電流の立ち上がり時に、休止区間を設けるとともに、その干渉電流の周波数を増加させる。
なお、干渉電流(すなわち電気刺激)の立ち上がり時と、立ち下がり時とはそれぞれ、その干渉電流の1/4周期である。例えば、屈曲筋または伸展筋に干渉電流を生成するための2つの搬送電流の周波数は、周波数Aおよび周波数Bである。この場合に、周波数調整部134は、周波数Bを周波数Cに変更する。ここで、「周波数A−周波数C」の絶対値は、「周波数A−周波数B」の絶対値に比べて大きい。この場合、周波数調整部134は、それぞれ周波数Aと周波数Bの2つの搬送電流によって生成される干渉電流の1/4周期から、それぞれ周波数Aと周波数Cの2つの搬送電流によって生成される干渉電流の1/4周期を引いた時間帯に、刺激を休止する。つまり、周波数調整部134は、その時間帯に休止区間を設ける。
また、上述とは逆に、屈曲筋の干渉電流の立ち下がり時のみ、関節角度の変化が屈曲側に生じたとする。干渉電流の立ち上がり時に、関節角度の変化が起きていない場合には、その時間帯においては屈曲筋の収縮力と伸展筋の収縮力とがつりあっている。よって、干渉電流の立ち下がり時におけるその干渉電流の立ち下がり方(すなわち波形)を調整することによって、関節角度の変化を低減すれば、全体にわたって等尺性筋収縮が誘発できる。
立ち下がり方の調整方法は、以下の通りである。屈曲筋の電気刺激(すなわち干渉電流)に関して、まず、屈曲筋側の搬送電流の周波数を変更して、干渉電流の立ち下がり時間を短縮する。つまり、干渉電流の周波数が増加される。そして、周波数が増加された干渉電流の出力が0になるタイミングから、周波数の変更前の干渉電流の出力が0になるタイミングまでの所定時間だけ、刺激を休止する。つまり、干渉電流の出力が0になる休止区間を設ける。
つまり、周波数調整部134は、判定部131から受け取った調整情報に、屈曲筋の立ち上がり時のみ屈曲していることが示されている場合、上述の立ち上がりの調整方法にしたがって屈曲筋の干渉電流に休止区間を設けて周波数を増加する。また、周波数調整部134は、判定部131から受け取った調整情報に、屈曲筋の立ち下がり時のみ屈曲していることが示されている場合、上述の立ち下がりの調整方法にしたがって屈曲筋の干渉電流の周波数を増加して休止区間を設ける。また、周波数調整部134は、伸展筋に対しても、屈曲筋に対する調整と同様の調整を行う。
このように、本実施の形態における処理回路130の強度調整部132、タイミング調整部133および周波数調整部134は、電流値などのパラメータを調整することによって、関節の角度変化を抑える。なお、強度調整部132、タイミング調整部133および周波数調整部134は、図9に示すテーブルを参照し、調整情報に示される関節角度の変化態様に対応付けられたパラメータの調整内容を特定する。このパラメータの調整内容は、関節の角度変化を抑えるための調整内容である。
<刺激生成部135>
刺激生成部135は、強度調整部132、タイミング調整部133、または周波数調整部134から、調整後の干渉電流のパラメータを受け取り、電流をそのパラメータに応じて生成する。具体的には、刺激生成部135は、強度調整部132から、干渉電流の強度(すなわち電流値)を示すパラメータを受け取る。また、刺激生成部135は、タイミング調整部133から、干渉電流の位相を刺激開始タイミングとして示すパラメータを受け取る。また、刺激生成部135は、周波数調整部134から、休止区間と、周波数調整区間における搬送電流の周波数とを示すパラメータを受け取る。刺激生成部135は、ユーザ5に印加される電流を、そのパラメータに応じて生成する。つまり、刺激生成部135は、受け取ったパラメータに示される干渉電流を、屈曲筋および伸展筋のそれぞれに発生させるための複数の搬送電流を生成する。そして、刺激生成部135は、その生成された複数の搬送電流を、電極部120を介してユーザ5に印加する。
すなわち、本実施の形態では、屈曲筋および伸展筋のそれぞれには、周波数が互いに異なる2つ以上の搬送電流によって生じる干渉電流が、複数の電極に含まれる2対以上の電極を介して印加される。これにより、ユーザに対して痛みを感じ難くすることができるとともに、単独の筋肉に電気刺激を与えやすくすることができる。また、本実施の形態では、屈曲筋に印加される2つ以上の搬送電流のそれぞれと、伸展筋に印加される2つ以上の搬送電流のそれぞれとは、周波数が互いに1kHz以上異なる。これにより、屈曲筋に印加される搬送電流と、伸展筋に印加される搬送電流とが干渉してユーザの不必要な部位にまで筋収縮を誘発してしまうことを抑えることができる。
<電極部120>
電極部120は、刺激生成部135よって生成された複数の搬送電流をユーザ5に印加するために、ユーザ5の皮膚表面に配置される複数の電極である。
<処理手順>
次に、図12を参照しながら、図6に示す電気刺激装置100において行われる処理手順を説明する。
図12は、電気刺激装置100の処理動作を示すフローチャートである。
[ステップS101]
まず、検出部110は、関節角度の検出を開始する。つまり、検出部110は、電極部120が配置された皮膚表面に対応する筋肉によって動作する関節の角度変化を検出する。そして、検出部110は、判定部131に、関節の角度変化を示す情報を検出情報として送付する。検出部110は、関節の角度変化の検出を、電気刺激の終了条件が満たされたとステップS111で判定されるまで継続する。
[ステップS102]
刺激生成部135は、電極部120を介してユーザ5に複数の搬送電流(すなわち電気刺激)を出力する。この出力される複数の搬送電流は、屈曲筋と伸展筋とを共収縮させる。つまり、この複数の搬送電流によって屈曲筋側および伸展筋側のそれぞれで生じる干渉波の周波数は、同一である。かつ、屈曲筋側の搬送電流と伸展筋側の搬送電流が互いに干渉することによって筋収縮が誘発されないように、屈曲筋側と伸展筋側とのそれぞれの搬送電流の周波数は、少なくとも1kHz離れている。
次に、ステップS103からステップS106において、判定部131は、検出部110から受けた検出情報に基づいて、関節角度の変化の要因を判別する。
[ステップS103]
まず、判定部131は、検出部110から送付された検出情報に基づいて、関節角度に変化がないか否かを判定する。変化がない場合(ステップS103のNo)には、ステップS111へ、変化がある場合(ステップS103のYes)には、ステップS104へそれぞれ進む。
[ステップS104]
判定部131は、検出部110から送付された検出情報に基づいて、関節角度の変化が一方向への変化であって、かつ、その変化の周波数が干渉電流の周波数と同じであるという条件が満たされているか否かを判定する。その条件を満たしている場合(ステップS104のYes)には、ステップS107へ、その条件を満たしていない場合(ステップS104のNo)には、ステップS105へとそれぞれ進む。
[ステップS105]
判定部131は、検出部110から送付された検出情報に基づいて、関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返しているか否かを判定する。関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返している場合(ステップS105のYes)には、ステップS108へ、関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返していない場合(ステップS105のNo)には、ステップS106へそれぞれ進む。
[ステップS106]
判定部131は、検出部110から送付された検出情報に基づいて、干渉電流の立ち上がり時または立ち下がり時において、屈曲側および伸展側のうちのどちらか一方向にのみ関節角度が変化しているという条件を満たしているか否かを判定する。その条件を満たしている場合(ステップS106のYes)には、ステップS109へ、その条件を満たしていない場合(ステップS106のNo)には、終了へと進む。
[ステップS107]
強度調整部132は、たとえば関節角度が連続的かつ周期的に屈曲していた場合に、屈曲筋の干渉電流の電流値を下げる。また、たとえば関節角度が連続的かつ周期的に伸展していた場合には、強度調整部132は、伸展筋の干渉電流の電流値を下げる。つまり、強度調整部132は、干渉電流の振幅を調整する。これにより、屈曲筋および伸展筋のうちの一方の電気刺激の強度が調整される。
[ステップS108]
タイミング調整部133は、関節角度が屈曲と伸展とを交互に繰り返していた場合に、屈曲筋側あるいは伸展筋側の干渉電流の印加のタイミング、つまり干渉電流の位相を調整する。
[ステップS109]
周波数調整部134は、干渉波の立ち上がり時または立ち下がり時における、干渉電流の周波数および休止区間を調整する。周波数調整部134は、まず、調整前の干渉波の立ち上がり開始タイミングから所定時間だけ、干渉電流を休止する休止区間を設ける。そして、周波数調整部134は、休止区間後、調整前の干渉電流のピークまでの間、2つの搬送電流の周波数の一方を変更して、干渉波の立ち上がり時間を短縮する。このようにすることで、図11中の破線で示す干渉電流が生成される。つまり、周波数調整部134は、周波数調整区間における搬送電流の周波数を、周波数調整区間終了時に干渉波の電流値がピークとなるように調整する。
[ステップS110]
刺激生成部135は、ステップS107からステップS108で調整された刺激強度、タイミング、または、周波数および休止区間を示すパラメータにしたがって、複数の搬送電流を生成する。つまり、刺激生成部135は、それらのパラメータにしたがった複数の搬送電流の波形を生成する。そして、刺激生成部135は、生成した搬送電流を、電極部120を介してユーザ5に印加する。
[ステップS111]
処理回路130は、電気刺激を終了するための終了条件が満たされたか否かを判定する。終了条件は、ステップS101において関節角度の変化の検出が開始されてから、予め定められた時間が経過したという条件でもよく、停止ボタンが押下されたという条件であってもよい。終了条件が満たされていない場合(ステップS111のNo)には、ステップS102へ、終了条件が満たされた場合(ステップS111のYes)には、終了にそれぞれ進む。
(まとめ)
以上のように、本実施の形態における電気刺激装置100によれば、屈曲筋と伸展筋とを独立の干渉電流によって刺激し、関節動作が発生しない等尺性筋収縮を誘発できる。これにより、たとえば睡眠時など、ユーザの意識がない状況において電気刺激を印加しても、たとえばユーザがベッドから転落する、あるいは近くで寝ている他者に危害を加えるなどの可能性がなくなるため、安全な筋肉トレーニングが実現できる。
ここで、本実施の形態における電気刺激装置100は、処理回路130にタイミング調整部133および周波数調整部134を備えているが、これらを備えていなくてもよい。
図13Aに、本開示の一態様に係る電気刺激装置10の構成を示す。
本開示の一態様に係る電気刺激装置10は、ユーザの筋肉に電流を印加することによって、その筋肉に電気刺激を与える装置であって、検出部11と、処理回路12と、電極部13とを備える。電極部13は、上記実施の形態の電極部120に相当し、筋肉に対応するユーザの皮膚表面に配置される複数の電極からなる。検出部11は、上記実施の形態の検出部110に相当し、その筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化を検出する。処理回路12は、上記実施の形態の処理回路130に相当する。つまり、処理回路12は、検出部11によって検出される関節の角度変化が所定値以上の場合に、角度変化のパターンを判定し、複数の電極を介して筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する。ここで、処理回路12は、関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、上述の角度変化のパターンとして判定したときには、その筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、上述のパラメータとして調整する。
図13Bに、本開示の一態様に係る電気刺激装置10の処理動作を示す。
電気刺激装置10は、まず、筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化が所定値以上の場合に、その角度変化のパターンを判定する(ステップS11)。次に、電気刺激装置10は、複数の電極を介して筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する(ステップS12)。ここで、電気刺激装置10は、ステップS11において、関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、角度変化のパターンとして判定したときには、ステップS12では、その筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、上述のパラメータとして調整する。
例えば、関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているときには、その一方の筋肉に印加される電流によって誘発される収縮力が、他方の筋肉に印加される電流によって誘発される収縮力よりも大きいと想定される。つまり、屈曲筋と伸展筋とにおける電気刺激の強度が要因と想定される。そこで、本開示の一態様に係る電気刺激装置10は、上述のように関節が動いているときには、屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を調整するため、屈曲筋および伸展筋のそれぞれに誘発される収縮力を等しくすることができる。これにより、等尺性筋収縮を適切に誘発することができる。その結果、ユーザの不要な動作を抑えることができる。
(その他の実施の形態)
以上、一つまたは複数の態様に係る電気刺激装置について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態および変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態および変形例のそれぞれにおける構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態では、屈曲筋および伸展筋のそれぞれに干渉電流を印加するが、干渉電流に限らず、低周波の電流を印加してもよい。つまり、上記実施の形態では、干渉電流刺激法を用いるが、低周波刺激法を用いてもよい。つまり、約1kHz以下の周波数である低周波の電流を屈曲筋および伸展筋に印加し、その電流の複数のパラメータのうち、検出される関節の角度変化のパターンに対応するパラメータを調整する。このような低周波刺激法を用いた場合でも、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、判定部131は、予め定められたテーブルに基づいて、関節角度の変化態様から、その変化の要因を判別するが、この要因を判別することなく、その変化態様から、情報伝達先と調整内容とを特定してもよい。この場合には、判定部131は、その特定された情報伝達先に、パラメータの調整内容を示す調整情報を出力する。
ここで、本開示において、ユニット、デバイスの全部又は一部、又は図6および図13Aに示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は一つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration) と呼ばれるかもしれない。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array (FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、ユニット、装置、又は装置の一部の、全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つ又は一つ以上のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブ、などの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが、処理装置(processor)によって実行された場合に、ソフトウエアは、ソフトウエア内の特定の機能を、処理装置(processor)と周辺のデバイスに実行させる。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つ又は一つ以上の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていても良い。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の電気刺激装置を実現するソフトウェアは、例えば図12および図13Bに示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
本開示にかかる電気刺激装置は、ユーザの屈曲筋と伸展筋の特性に応じて印加する刺激(すなわち電流)の強度、タイミングまたは周波数を調整することで、関節運動が発生しない等尺性筋収縮が誘発でき、例えば睡眠時にも安全なトレーニングが実現できる。たとえば、高齢者または関節痛の患者の筋力維持、もしくはアスリートの筋力増強等に利用できる。
5 ユーザ
10 電気刺激装置
11 検出部
12 処理回路
13 電極部
100 電気刺激装置
110 検出部
120 電極部
130 処理回路
131 判定部
132 強度調整部
133 タイミング調整部
134 周波数調整部
135 刺激生成部

Claims (10)

  1. ユーザの筋肉に電流を印加することによって、前記筋肉に電気刺激を与える電気刺激装置であって、
    前記筋肉に対応する前記ユーザの皮膚表面に配置される複数の電極と、
    前記筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出される前記関節の角度変化が所定値以上の場合に、前記角度変化のパターンを判定し、前記複数の電極を介して前記筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整する処理回路とを備え、
    前記処理回路は、
    前記関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、
    前記筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、前記パラメータとして調整する
    電気刺激装置。
  2. 前記処理回路は、
    前記関節が屈曲のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、
    前記屈曲筋に印加される電流の電流値を下げる、または、前記伸展筋に印加される電流の電流値を上げる
    請求項1に記載の電気刺激装置。
  3. 前記処理回路は、さらに、
    前記関節が屈曲と伸展とを交互に繰り返しているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、
    前記屈曲筋および前記伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の位相を、前記パラメータとして調整する
    請求項1または2に記載の電気刺激装置。
  4. 前記処理回路は、さらに、
    前記筋肉に印加される電流の立ち上がり時または立ち下がり時である変化期間に、前記関節が屈曲または伸展をしているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、
    前記変化期間において、前記屈曲筋および前記伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の周波数を前記パラメータとして増加し、かつ、前記電流の休止区間を設ける
    請求項1〜3の何れか1項に記載の電気刺激装置。
  5. 前記屈曲筋および前記伸展筋のそれぞれには、周波数が互いに異なる2つ以上の搬送電流によって生じる干渉電流が、前記複数の電極に含まれる2対以上の電極を介して印加される
    請求項1〜4の何れか1項に記載の電気刺激装置。
  6. 前記屈曲筋に印加される前記2つ以上の搬送電流のそれぞれと、前記伸展筋に印加される前記2つ以上の搬送電流のそれぞれとは、周波数が互いに1kHz以上異なる
    請求項5に記載の電気刺激装置。
  7. 前記関節の角度変化に対する前記所定値は、10度である
    請求項1〜6の何れか1項に記載の電気刺激装置。
  8. 前記処理回路は、
    前記パラメータを調整することによって、前記関節の角度変化を抑える
    請求項1〜7の何れか1項に記載の電気刺激装置。
  9. ユーザの筋肉に電流を印加することによって、前記筋肉に電気刺激を与える電気刺激方法であって、
    前記筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化が所定値以上の場合に、前記角度変化のパターンを判定し、
    複数の電極を介して前記筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整し、
    前記角度変化のパターンの判定において、
    前記関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、
    前記パラメータの調整では、
    前記筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、前記パラメータとして調整する
    電気刺激方法。
  10. ユーザの筋肉に電流を印加することによって、前記筋肉に電気刺激を与えることをコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記筋肉によって屈曲または伸展される関節の角度変化が所定値以上の場合に、前記角度変化のパターンを判定し、
    複数の電極を介して前記筋肉に印加される電流の複数のパラメータのうち、判定されたパターンに対応するパラメータを調整し、
    前記角度変化のパターンの判定において、
    前記関節が屈曲および伸展のうちの一方のみを連続的に行っているパターンを、前記角度変化のパターンとして判定したときには、
    前記パラメータの調整では、
    前記筋肉に含まれる屈曲筋および伸展筋のうちの何れか一方に印加される電流の電流値を、前記パラメータとして調整する
    ことを前記コンピュータに実行させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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