JP2006026138A - 低周波治療器 - Google Patents

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敏正 坂神
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Abstract

【課題】 バランストレーニングや転倒予防トレーニングなどを持続的に長くを行えるように生体に神経筋電気刺激を与えて運動能力の向上を図る低周波治療器を提供する。
【解決手段】 基本周波数発信器3で生成された40Hzの基本パルスは連続してパルス加算器6へ入力される。これに同期する400Hzの逓倍パルスは、タイミングスイッチ5によって1インターバルごとに、最初の基本パルスのタイミングで1発だけパルス加算器6へ入力される。パルス加算器6は、基本周波数発信器3から出力された基本パルスと、タイミングスイッチ5から出力された1インターバルごとの1発の逓倍パルスとを加算して導子7a、7bへ供給し、1インターバル毎に40Hzの連続する基本パルスと400Hzの1発の逓倍パルスとの可変で生体を刺激し運動トレーニングを行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、医療用に供される低周波治療器に関し、特に、生体にパルス波を印加して筋肉等に電気刺激を与えるための低周波治療器に関する。
従来より、生体に低周波のパルス波を印加して筋肉等を刺激するための低周波治療器が広く知られている。このような低周波治療器は、生体の所望の箇所に導子を当て、その導子に対して数Hzから数百Hzの低周波電圧を印加することによって生体の筋肉に電気刺激を与えるものである。また、2枚で1対の導子を複数組用意して生体に当て、それぞれの組の導子に対して僅かに異なる周波数のパルスを印加して複数組の導子間で干渉波を生成することにより、等価的に生体に対して低周波電圧を印加するように構成された治療用干渉低周波治療器の技術も開示されている。この技術によれば、周波数の若干異なる複数の発信部からそれぞれの導子にパルスを供給することにより、数Hz程度の干渉波による低周波信号を容易に生成することができる。例えば、4000Hzで発振する導子と4010Hzで発振する導子とによって、10Hzの干渉波を生体上に簡単に生成することができる(例えば、特許文献1参照)。さらに、筋肉の疲労度を検出して疲労度に応じた低周波信号を電極(導子)に印加することにより、電極が筋肉の疲労度に応じて効果的に生体を刺激する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、高周波の搬送波を低周波で振幅変調して導子に印加することにより、その導子が生体の表面から深部まで刺激することのできる電気刺激装置の技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−49651号公報(段落番号0018〜0031、図1〜図5参照) 特開平11−253560号公報(段落番号0005〜0022、図1〜図3参照) 特開2003−10344号公報(段落番号0018〜0033、図1〜図5参照)
しかしながら、上記従来の低周波治療器は一定周波数の低周波電圧を導子に印加して筋肉を刺激しているので、一般的な又は、筋肉トレーニング後の筋肉の疲労回復には効果があるものの、筋力トレーニング中における筋肉疲労度軽減効果は期待できない。また、干渉波を利用した上記の特許文献1の低周波治療器においても、干渉波の周波数が一定であるので、前述と同様に疲労軽減効果は殆んど期待できない。さらに、上記の特許文献2の技術は疲労度に応じた筋肉刺激を行うものの、生体に対して運動トレーニングを行う予防医学的な考慮はなされていない。また、上記の特許文献3の技術においても、高周波のパルスと低周波の搬送波とによって生体の表面から深部に至るまで電気刺激を行うことができるので、筋肉疲労の回復効果はあるものの、転倒予防を行うなどの予防医学的な考慮はなされていない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、運動能力の向上を図ることができる低周波治療器を提供することを目的とし、とりわけ、ユーザの年齢、性別、健康状態などに応じて、リハビリ効果にくわえバランストレーニングや転倒予防などを行えるように生体に神経筋電気刺激を与えることができる低周波治療器を提供することを目的とする。
本発明の低周波治療器は、前記の目的を達成するために創案されたものであり、電極に低周波のパルス波を印加し、その電極を介して生体に電気刺激を与える低周波治療器であって、所定のインターバルにおいてパルス波の周波数を任意に可変させるパルス周波数可変装置を備える構成とした。
かかる構成によれば、パルス周波数可変装置が可変周波数の低周波パルスを電極に印加するので、電極は生体の筋肉に対して可変周波数の電気刺激を与えることができる。このような可変周波数の電気刺激は、一定周波数の電気刺激よりはより効果的に筋収縮作用を行うので、特に高齢者などのユーザに対してリハビリ効果に加え転倒防止などのバランストレーニングを行うことができる。このようなことから、本発明の低周波治療器は予防医学的な用途に供することができる。また前記パルス周波数可変装置は、基本周波数を発生する第1の発振手段と、該基本周波数より高周波を発生する第2の発振手段とを有し、 前記第1の発振手段は筋弛緩時に観測される程度のパルスを生成し、前記第2の発振手段は筋収縮に関与する程度のパルス列を生成する。
また、本発明の低周波治療器においては、前記パルス周波数可変装置は、低周波の基本パルス波を生成する基本周波数発振手段と、基本パルス波に同期してその基本パルス波の逓倍周波数の逓倍パルス波を生成する逓倍周波数発振手段と、所定のインターバルごとに、逓倍周波数発振信手段で生成された逓倍パルス波を出力するタイミングを決定するタイミングスイッチ手段と、基本周波数発信手段から出力された基本パルス波とタイミングスイッチ手段から出力された逓倍パルスとを加算して加算パルスを出力するパルス加算手段と、パルス加算手段から出力された加算パルスを可変周波数パルスとして入力し、その可変周波数パルスに基づいて生体に電気刺激を与える電極とを備える構成とした。
かかる構成によれば、基本周波数発振手段が、例えば40Hzの基本パルスを生成してパルス加算手段へ入力する。さらに、逓倍周波数発信手段が基本パルスに同期した400Hzの逓倍パルスを生成すると、タイミングスイッチ手段が、基本パルスの連続する1インターバル(例えば3秒間)ごとに、基本パルスの最初のパルスタイミングで1発だけ400Hzの逓倍パルスをパルス加算手段へ入力する。これによって、パルス加算手段は、40Hzの基本パルスと1発だけの400Hzの逓倍パルスとによって容易に可変周波数パルスを生成して電極へ入力することができる。したがって、電極を介して生体に可変周波数の電気刺激を与えることができるので、患者への筋肉疲労の負担が軽減し、ユーザに対してリハビリのみならず効果的に転倒防止などのバランストレーニングを行うことができる。また、タイミングスイッチ手段からパルス加算手段へ出力する逓倍パルスのパルス数を1インターバルの間に2発、3発、4発と増やして行くことによって、可変周波数パルスの周波数可変モードを任意に変えて行くことができる。これによって、ユーザの年齢や性別や体質などによって適宜に周波数可変モードを変えながら、それぞれのユーザにとって最適なバランストレーニングを行うことができる。
また、本発明の低周波治療器においては、基本周波数発振手段が生成する基本パルス波は筋弛緩時に観測される程度のパルス列となり、逓倍周波数発振手段が生成する逓倍パルス波は筋収縮に関与する程度のパルス列となるように構成した。
かかる構成によれば、逓倍周波数発振手段が高い周波数のアクティブパルスを生成して生体に印加することによって筋収縮を行い、基本周波数発振手段が低い周波数のフォローアップパルスを生成して生体に印加することによって筋弛緩を行うことができる。
また、本発明の低周波治療器においては、電極は第1の電極と第2の電極とによって構成され、生体に貼付された第1の電極と第2の電極とに共通の可変周波数パルスを印加するように構成した。
かかる構成によれば、従来から利用されているように2つの電極を一対として生体に貼付することによって、従来のような筋肉疲労の回復効果だけではなく、可変周波数の電気刺激を行うことによってバランストレーニングや転倒予防などの予防医学的な用途に利用することができる。
また、本発明の低周波治療器においては、電極は第1の電極と第2の電極とからなり、第1の電極と第2の電極とによる一対の電極が1組以上の電極群によって構成され、2組以上の構成の場合は、生体に貼付された電極群のそれぞれの組の電極に対して、個別に、周波数の僅かに異なる可変周波数パルスを印加するように構成した。
かかる構成によれば、例えば、第1の電極と第2の電極とによる一対の電極を2組用意し、その2組の電極をユーザの生体に直交に配置して、それぞれの組の電極の周波数を僅かにずらして干渉波を生成する。このとき、干渉波の周波数を1インターバルの間で可変して行けば可変周波数の神経筋電気刺激を行うことが可能である。これによって、リハビリのみならずバランストレーニングや転倒予防などの予防医学的な用途に利用することができる。
本発明の低周波治療器によれば、生体の筋肉に対して可変周波数の電気刺激を与えるので一定周波数の電気刺激よりはより効果的に筋収縮作用を行うことができ、かつ筋肉疲労を軽減することができる。したがって、高齢者などのユーザに対して転倒防止などのバランストレーニングを行うことが可能となり、予防医学的な用途に供することができる。また、本発明の低周波治療器は、例えば40Hzの基本パルス列に対して400Hzの逓倍パルスを1インターバルの間に1発、2発、3発、4発と増やして行くことができる。このようにして、周波数可変モードを任意に変えて行くことができるので、ユーザの年齢や性別や体質などによって適宜に周波数可変モードを変えながら、それぞれのユーザにとって最適なバランストレーニングを行うことができる。また、本発明の低周波治療器によれば、従来から利用されているように2つの電極を一対として生体に貼付することによって、従来のような筋肉疲労の回復効果だけではなく、可変周波数の電気刺激を行うことによって筋肉疲労を軽減し、バランストレーニングや転倒予防などの予防医学的な用途に利用することができる。さらには、一対の電極群を生体に複数配置し、それぞれの電極群の周波数を僅かにずらして干渉波を生成するとき、干渉波の周波数を1インターバルの間で可変して行けば、容易に干渉波による可変周波数の神経筋電気刺激を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明における低周波治療器の実施の形態について詳細に説明する。本発明は、バランストレーニングや転倒予防といった予防医学的な観点から生体の神経筋に電気刺激を与えることに着目してなされたものである。発明者らのコホート内反復測定試験を用いた二重無作為化比較対照試験によると、生体が耐えられる最大刺激強度の範囲内で、低周波治療器によって充分な収縮強度の電流及び電圧を生体に印加すると、筋力が増強して運動能力の向上に役立つことが解明された。例えば、パルス幅が200μs以上でパルス周波数が70Hz程度の電気信号を用いて生体の神経筋に電気刺激を与えた場合は、何も運動を行わないよりは筋力増強の効果あり、随意的運動(自然動作による運動)とほぼ同程度かそれ以上の筋力増強の効果があることが解明された。つまり、神経筋の電気刺激は筋力増強の重要な因子であることが確認された。このようなことから、手術後のギブス内トレーニングや、運動能力の低下した高齢者のバランストレーニングなどに低周波治療器を用いることは充分に予防医療効果があると考えられる。
また、一例として、31人の被験者を対象として、31人を一定周波数刺激のグループと可変周波数刺激のグループとの二つのグループに分けて、筋肉疲労の効果に差異があるかどうかの実験を行った。つまり、一つのグループは40Hzの一定周波数によるパルスによって生体に電気刺激を与え、もう一つのグループは40Hzからその2倍以上の周波数(90Hz)まで可変させた可変周波数によるパルスによって生体に電気刺激を与え、両者における筋肉疲労の差異を比較した。
図1は、一定周波数刺激と可変周波数刺激とによる筋肉疲労の差異を示す実験データである。図1において、横軸は電気刺激による治療回数であり縦軸は筋肉の最大反復回数である。横軸の電気刺激による治療回数とは、一定周波数又は可変周波数のパルスを例えば3分間連続して生体に印加した場合を1治療回数と定義したものである。もちろん、1治療回数当りのパルス印加時間は任意に可変して設定することもできるが、この実験の例では3分間連続してパルスを印加した場合を1治療回数とした。また、縦軸の最大反復回数とは、筋肉を最大自発的等尺性収縮(MVIC)の70%で筋収縮させたときの筋肉の最大収縮回数を示すものであり、最大反復回数つまり筋肉の収縮回数が多いほど筋肉疲労が少ないことを示す指標となっている。尚、最大自発的等尺性収縮力とは身体の自然動作時における自発的筋肉収縮力の最大値を云う。
図1から分かるように、治療回数が1回の場合は、(a)の可変周波数刺激のときの最大反復回数は“21”で(b)の一定周波数刺激のときの最大反復回数は“20”、治療回数が2回の場合は、(a)の可変周波数刺激のときの最大反復回数は“15”で(b)の一定周波数刺激のときの最大反復回数は“10”というように、何れの治療回数の場合も生体に可変周波数刺激を与えた方が一定周波数刺激を与えた場合より最大反復回数(つまり、筋肉の収縮回数)が多くなっている。すなわち、一定周波数刺激より可変周波数刺激を与えた方が筋肉疲労度が小さくなっている。また、1回の治療回数のときよりも2回以上の治療回数のときの方が可変周波数刺激による筋肉疲労が少なくなっていることが一層顕著に表われている。つまり、図1の例では、4試行中(4回までの治療)における最大反復回数が一定周波数刺激より可変周波数刺激の方が大きいことを示している。
図1に示すデータから云えることは、最大随意収縮(自然行動による筋肉の収縮)の70%で筋収縮ときの筋肉の収縮回数では、可変周波数刺激の方が一定周波数刺激より引き起こされる疲労が少ないことが解明されたということである。このような傾向は40Hzのパルスの刺激中に特に明確に示されたが、90Hzのパルスも刺激中においても同様の傾向が見られた。このことは、可変周波数刺激では低レベルのパルス出力時のみならず高レベルのパルス出力でも、通常の一定周波数刺激の場合より可変周波数刺激の方が被験者の筋肉の収縮回数が多いことを意味している。言い換えれば、一定周波数刺激よりも可変周波数刺激の方が筋肉の運動能力を向上させる効果が高いことを意味している。
このような背景を踏まえて、本発明の低周波治療器では、可変周波数のパルスを生成して導子に印加するように構成した。これによって、身体の所定部分に貼付した導子から生体へ可変周波数の電圧が印加され、筋肉に対して一定周波数刺激よりも軽度の筋肉疲労にて所望の収縮運動を起こさせて運動トレーニングを行うので、特に高齢者や身体虚弱者などに対して運動能力の向上更には転倒防止を行うことが可能となる。
次に、生体に可変周波数刺激を行う本発明の低周波治療器の具体的な実施例について説明する。図2は、本発明における低周波治療器の構成を示すブロック図である。先ず、図2に示す低周波治療器1の構成について説明する。低周波治療器1は、電池などによって構成された電源2と、例えば40Hzの基本パルスを生成する基本周波数発振器3と、基本周波数発振信器3に同期してその逓倍の周波数の逓倍パルスを生成する逓倍周波数発信器4と、逓倍周波数発信器4で生成された逓倍周波数の逓倍パルスを出力するタイミングを決定するタイミングスイッチ5と、基本周波数発信器3から出力された基本パルスとタイミングスイッチ5から出力された逓倍パルスとを加算して加算パルスを出力するパルス加算器6と、パルス加算器6から出力された加算パルスを可変周波数パルスとして入力して生体に電気刺激を与える第1導子7a及び第2導子7bとによって構成されている。尚、第1導子7a及び第2導子7bは生体の所望の箇所に貼り付けられて使用される。
次に、図2のように構成された低周波治療器1の動作を概略的に説明する。基本周波数発信器3で生成された40Hzの低周波の基本パルスは連続してパルス加算器6へ入力される。一方、逓倍周波数発振器4で生成された基本パルスに同期する400Hzの逓倍パルスは、タイミングスイッチ5によって、基本パルスが連続する3秒間の1インターバルごとに、最初の基本パルスのタイミングで1発ないし数発がパルス加算器6へ入力される。すると、パルス加算器6は、基本周波数発振器3から出力された40Hzの連続する基本パルスと、タイミングスイッチ5から出力された1インターバル(3秒間)ごとの1発のないし数発が400Hzの逓倍パルスとを加算して第1導子7a及び第2導子7bへ供給する。これによって、第1導子7a及び第2導子7bは、1インターバル(3秒間)ごとに40Hzの連続する基本パルスと400Hzの1発ないし数発の逓倍パルスとの組合せによる可変周波数パルスによって生体を刺激するので、生体に対して効果的に運動トレーニングを行うことができる。
図3は、図2の低周波治療器によって生成される主要部のパルスである。図3に示す各パルスは、図2のそれぞれの回路部分に符号(a),(b),(c)、(d)等で示した位置のパルス波形である。したがって、図3のパルス波形を参照しながら図2に示す低周波治療器1の動作を詳細に説明する。
基本周波数発振器3は、図3(a)の基本パルスに示すような1周期25msの40Hzの低周波パルスを生成して出力する。このような基本パルスは、例えば、フリップフロップ回路と微分回路からなる公知のパルス発振器によって容易に生成することができるので、具体的な回路構成については説明を省略する。
また、逓倍周波数発振器4は、基本周波数発信器3と同期して基本パルスの10倍の逓倍パルスを生成する。つまり、逓倍周波数発信器4は、図3(b)の逓倍パルスに示すような1周期2.5msの400Hzの逓倍パルスを生成する。このような逓倍パルスは、基本パルスでトリガされる10進のカウンタなどによって容易に生成することができるので、具体的な回路構成については説明を省略する。
次に、タイミングスイッチ5が、図3(a)の基本パルスと同期して生成された図3(b)の逓倍パルスを逓倍周波数発信器4から何発出力させるかを決定する。例えば、タイミングスイッチ5は、図3(c)のタイミングスイッチ出力パルスのように、図3(a)の基本パルスの第1発目のパルスと同期して1周期2.5msの400Hzの逓倍パルスを1発ないし数発出力する。つまり、タイミングスイッチ5からは、図3(a)の基本パルスの10倍の周波数である400Hzの逓倍パルスが基本パルスに続いて1発だけ出力される。そして、タイミングスイッチ5で決定された3秒間の1インターバルの後に、再び、400Hzのタイミングスイッチ出力パルスが1発ないし数発タイミングスイッチ5から出力される。
次に、パルス加算器6が、基本周波数発信器3から出力された図3(a)の40Hzの基本パルスとタイミングスイッチ5から出力された図3(c)の1発の400Hzのタイミングスイッチ出力パルスとを加算するので、第1導子7a及び第2導子7bへ入力されるパルスは、図3(d)の導子入力パルスのように、3秒間の1インターバルごとに400Hzの1発の逓倍パルスとそれに続く部分の40Hzの基本パルスとが連続する可変周波数パルスとなる。
また、タイミングスイッチ5のスイッチングの設定によって、タイミングスイッチ5から出力されるパルスは、図3(c’)のタイミングスイッチ出力パルスのように400Hzのパルスを2発連続して出力することもできる。これによって、第1導子7aおよび第2導子7bへ入力されるパルスは、図3(d’)の導子入力パルスのように、3秒間の1インターバルごとに400Hzの2発の逓倍パルスとそれに続く部分の40Hzの基本パルスとが連続する可変周波数パルスとなる。
図4は、図2に示す第1導子及び第2導子を足の筋肉部分に貼った状態を示すイメージ図である。つまり、図2に示す第1導子7a及び第2導子7bを図4に示すように足の筋肉部分に貼り、図3(d)の導子入力パルスや図3(d’)の導子入力パルスのような可変周波数パルスを第1導子7a及び第2導子7bに印加すれば、効果的に神経筋に電気刺激を与えてバランストレーニングを行うことができる。これによって、低周波治療器のユーザに不快感を感じさせることなく、随意的運動以上の刺激を筋肉に与えて運動機能を向上させてユーザのバランス感覚を高め、転倒防止などを行うことができる。
尚、第1導子7a及び第2導子7bへ入力するパルスは、図3(d)の導子入力パルスのように、1発の400Hzの逓倍パルスとそれに続く連続した40Hzの基本パルスとからなる可変周波数パルスにすることもできるし、図3(d’)の導子入力パルスのように、2発の400Hzの逓倍パルスとそれに続く連続した40Hzの基本パルスとからなる可変周波数パルスにすることもできるし、さらに400Hzの逓倍パルスの連続パルス数を増やすこともできる。つまり、年齢、性別、身体的障害の程度、精神的障害の程度、歩行障害の程度、感覚不全の程度、あるいは転倒の病歴などによって、導子へ入力する可変周波数パルスのモードを変えることにより、最適な転倒防止効果を発揮することができる。言い換えれば、40Hzの基本パルスに対して400Hzの逓倍パルスを何発加算して可変周波数パルスを生成して導子へ印加するかは、それぞれの臨床実験に基づいて決定することが望ましい。
図5は、ユーザが本発明の低周波治療器を腰に携帯して反応性バランストレーニングを行う状態を示す概念図である。図5に示すように、低周波治療器1を腰に携帯したユーザ11が、バランスボード12の上に乗ってステッキ13を使用しながらバランストレーニングを行っている。すなわち、低周波治療器1によって、左右の足にそれぞれ貼った第1導子7aおよび第2導子7bに前述で説明したような可変周波数パルスを印加しながら、ユーザ11がバランスボード12上に乗ってバランストレーニングを行うと、筋力が増強されて転倒予防などの効果が発揮される。
尚、バランストレーニングをセットアップするには、以下に述べるような幾つかの方法がある。図6は、本発明の低周波治療器を用いてバランストレーニングをセットアップする幾つかのバリエーションを示す概念図であり、以下、この図を用いて幾つかのバランストレーニングのセットアップ方法を説明する。
(1)図6(a)に示すように、低周波治療器1がバランスボード12に一体化されていて、低周波治療器1からリード線で接続されている2枚一組の導子7を一組又は複数組ユーザ11の身体に当ててバランストレーニングのセットアップを行う。このようなセットアップは、比較的運動能力があるユーザ11がバランストレーニングを行うのに好適である。
(2)図6(b)に示すように、低周波治療器1がバランスボード12に一体化されていて、低周波治療器1からリード線で接続されている2枚一組の導子7を一組又は複数組ユーザ11の身体に当てると共に、バランスボード12は安定構造物14と一体構造にする。このようなセットアップは、やや運動能力が低下した高齢者などのユーザ11がバランストレーニングを行うのに好適である。
(3)図6(c)に示すように、低周波治療器1がバランスボード12に一体化されていて、低周波治療器1からリード線で接続されている2枚一組の導子7を一組又は複数組ユーザ11の身体に当てると共に、バランスボード12は安定構造物14と一体構造にし、さらに、ユーザ11の腹部の高さにトレーニング時の数値を表示するためのディスプレイ15を配置する。このようなセットアップは、やや運動能力が低下した治療中のユーザ11が数値目標を確認しながらリハビリのためのバランストレーニングを行うのに好適である。
(4)図6(d)に示すように、低周波治療器1がバランスボード12に一体化されていて、低周波治療器1からリード線で接続されている2枚一組の導子7を一組又は複数組ユーザ11の身体に当てると共に、バランスボード12は安定構造物14と一体構造にし、さらに、ユーザ1の腹部の高さにトレーニング時の数値を表示するためのディスプレイ15を配置すると共に、安全ベルト16で患者(ユーザ11)を安定化できるようにする。このようなセットアップは、骨折治療中のユーザ11が数値目標を確認しながらリハビリのためのバランストレーニングを行うのに好適である。
次に、図2で述べた低周波治療器の具体的な実施例について説明する。図7は、本発明における低周波治療器の具体的な実施例の構成を示すブロック図である。低周波治療器21は、CPUユニット22、電源23、操作ボタン24、及びLCD(液晶ディスプレイ)25などによって構成されていて、複数のチャンネル(例えば、2チャンネル)を備えている。したがって、低周波治療器21は各チャンネルごとに導子の組を接続することができる。
また、CPUユニット22は、操作制御部31、波形生成制御部32、波形パターンプログラム33、タイミングコントローラ34、アクティブパルス生成部35、フォローアップパルス生成部36、チャンネル1出力コントロール部37、及びチャンネル1パルス出力制御回路38を備えた構成となっている。このうち、アクティブパルス生成部35、フォローアップパルス生成部36、チャンネル1出力コントロール部37、及びチャンネル1パルス出力制御部38は各チャンネルごとに備えられている。
次に、図7に示す低周波治療器21の動作について説明する。波形生成制御部32は、波形パターンプログラム33のプログラムに基づいて、例えば、40Hzの低周波の基本パルスの制御信号(トリガ信号)と、基本パルスに同期する400Hzの逓倍パルスの制御信号(トリガ信号)とを生成する。そして、40Hzの基本パルスの制御信号(トリガ信号)がフォローアップパルス生成部36へ供給されると、フォローアップパルス生成部36は40Hzのフォローアップパルスを生成する。また、400Hzの逓倍パルスの制御信号(トリガ信号)がアクティブパルス生成部35へ供給されると、アクティブパルス生成部35は400Hzのアクティブパルスを生成する。
ここで、操作ボタン24によって、40Hzのフォローアップパルスに対する400Hzのアクティブパルスのパルス列の組合せを設定すると、操作制御部31がそのパルス列の組合せ設定情報をタイミングコントローラ34へ指示する。したがって、フォローアップパルス生成部36からの40Hzのフォローアップパルスは連続してチャンネル1出力コントロール部37へ供給されるが、アクティブパルス生成部35からの400Hzのアクティブパルスは、タイミングコントローラ34からの指令(つまり、操作ボタン24による設定条件)に基づいて、フォローアップパルスが連続する例えば3秒間の1インターバルごとに、フォローアップパルスのタイミングで1発乃至n発がチャンネル1出力コントロール部37へ供給される。
そして、チャンネル1出力コントロール部37から、フォローアップパルスが出力タイミング信号として、アクティブパルスが出力レベル信号として、それぞれチャンネル1パルス出力制御部38へ供給される。すると、チャンネル1パルス出力制御部38は、フォローアップパルス及びアクティブパルスを増幅して導子1及び導子2へ供給する。尚、各パルスの出力レベルは、チャンネル1パルス出力制御部38からチャンネル1出力コントロール部37へのフィードバック信号によって最適な値に制御される。
尚、チャンネル2についても同様な動作を行うのでその説明は省略する。また、各導子へ印加されるパルス波形はLCD(液晶ディスプレイ)25によって常時モニタリングされている。
以上説明したように、本発明の低周波治療器によれば、ユーザの所望の部位に導子(電極)を当てながら可変周波数の電気信号をその導子(電極)に印加することにより、微弱な電流が生体に流れて(または、微弱な電圧が生体に印加されて)筋肉を効果的に刺激する。これによって低下している筋力を鍛錬して転倒防止などのバランストレーニングを行うことができる。つまり、本発明の低周波治療器は、可変周波数の電圧または電流によって神経筋電気刺激を行うことにより、従来の低周波治療器では見られなかったバランストレーニングや転倒防止などの予防医学的な用途に供することができる。
以上説明した実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、可変周波数パルスは、図2に示すような基本周波数発信器と逓倍周波数発振器の構成に限定されるものではなく、基本周波数発振器が1インターバルごとに連続的に周波数を可変するように構成してもよいし、周波数のビート現象によって周波数を可変するように構成してもよい。また、上記の実施の形態では2枚一対の導子(電極)を1組または2組用いて可変周波数による神経筋電気刺激を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2組の導子(電極)をユーザの生体に直交配置して、それぞれの組の導子(電極)の周波数を僅かにずらして干渉波を生成する。このとき、その干渉波の周波数を1インターバルの間で可変して行くことによって、上記の実施の形態と同様に可変周波数の神経筋電気刺激を行うことが可能である。これによって上記の実施の形態と同様の効果を呈することができる。
一定周波数刺激と可変周波数刺激とによる筋力増強の差異を示す実験データである。 本発明における低周波治療器の構成を示すブロック図である。 図2の低周波治療器によって生成される主要部のパルス波形である。 図3に示す第1導子及び第2導子を足の筋肉部分に貼った状態を示すイメージ図である。 ユーザが本発明の低周波治療器を腰に携帯して反応性バランストレーニングを行う状態を示す概念図である。 本発明の低周波治療器を用いてバランストレーニングをセットアップする幾つかのバリエーションを示す概念図である。 本発明における低周波治療器の具体的な実施例の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1、21 低周波治療器
2、23 電源
3 基本周波数発振器
4 逓倍周波数発振器
5 タイミングスイッチ
6 パルス加算器
7 導子
7a 第1導子
7b 第2導子
11 ユーザ
12 バランスボード
13 ステッキ
14 安定構造物
15 ディスプレイ
16 安全ベルト
22 CPUユニット
24 操作ボタン
25 LCD(液晶ディスプレイ)
31 操作制御部
32 波形生成制御部、
33 波形パターンプログラム
34 タイミングコントローラ
35 アクティブパルス生成部
36 フォローアップパルス生成部
37 チャンネル1出力コントロール部
38 チャンネル1パルス出力制御回路38

Claims (6)

  1. 電極に低周波のパルス波を印加し、前記電極を介して生体に電気刺激を与える低周波治療器であって、
    所定のインターバルにおいて前記パルス波の周波数を任意に可変させるパルス周波数可変装置を備えることを特徴とする低周波治療器。
  2. 前記パルス周波数可変装置は、基本周波数を発生する第1の発振手段と、該基本周波数より高周波を発生する第2の発振手段とを有し、
    前記第1の発振手段が生成するパルスは筋弛緩時に観測される程度のパルス列であり、
    前記第2の発振手段が生成するパルスは筋収縮に関与する程度のパルス列である
    ことを特徴とする請求項1に記載の低周波治療器。
  3. 前記パルス周波数可変装置は、
    低周波の基本パルス波を生成する基本周波数発振手段と、
    前記基本パルス波に同期して、その基本パルス波の逓倍周波数の逓倍パルス波を生成する逓倍周波数発振手段と、
    前記所定のインターバルごとに、前記逓倍周波数発信手段で生成された前記逓倍パルス波を出力するタイミングを決定するタイミングスイッチ手段と、
    前記基本周波数発信手段から出力された前記基本パルス波と前記タイミングスイッチ手段から出力された前記逓倍パルスとを加算して加算パルスを出力するパルス加算手段と、
    前記パルス加算手段から出力された前記加算パルスを可変周波数パルスとして入力し、その可変周波数パルスに基づいて前記生体に電気刺激を与える電極と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の低周波治療器。
  4. 前記基本周波数発振手段が生成する基本パルス波は筋弛緩時に観測される程度のパルス列であり、
    前記逓倍周波数発振手段が生成する逓倍パルス波は筋収縮に関与する程度のパルス列である
    ことを特徴とする請求項3に記載の低周波治療器。
  5. 前記電極は第1の電極と第2の電極とによって構成され、前記生体に貼付された前記第1の電極と前記第2の電極とに共通の前記可変周波数パルスを印加することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の低周波治療器。
  6. 前記電極は第1の電極と第2の電極とからなり、前記第1の電極と前記第2の電極とによる一対の電極が1組以上の電極群によって構成され、前記生体に貼付された前記電極群のそれぞれの組の電極に対して、個別に、周波数の僅かに異なる前記可変周波数パルスを印加することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の低周波治療器。



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WO2016125312A1 (ja) * 2015-02-06 2016-08-11 国立大学法人名古屋大学 電気刺激装置

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