JP2018125118A - 給電ケーブル、及びコネクタ付給電ケーブル - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、給電ケーブル1は、複数の電力線10と、第1通信コード20と、複数の第2通信コード30と、介在物2と、シース4と、を備えている。本実施形態では、給電ケーブル1は、4本(偶数個)の電力線10と、2本(偶数個)の第2通信コード30と、を備えている。
また、給電ケーブル1は、不使用時には部分的に巻かれるなどして収容される場合がある。このため、給電ケーブル1全体に、摩擦に対する耐久性、曲げに対する耐久性、および可撓性などが求められる。
第1通信コード20は、例えば給電対象物である車両と充電器との間の通信に用いられてもよい。横断面視において、第1通信コード20は、給電ケーブル1の中心部に配置されている。横断面視において、第1通信コード20は、4本の電力線10および2本の第2通信コード30に囲われている。第1通信コード20は、複数(2本)の信号線21と、これらの信号線21を包むテープ22と、テープ22を覆う被覆23と、を備えている。第1通信コード20に含まれる信号線21の数(2本)は、第2通信コード30に含まれる信号線31の数(6本)よりも少ない。
本実施形態では、2本の信号線21が互いに撚り合わされた状態で被覆23内に収容されており、第1通信コード20はいわゆるツイストペアケーブルとなっている。このため、2本の信号線21を撚り合わせるピッチの調整可能な範囲が大きく、通信時のノイズ等の観点から最適なピッチを選択することができる。
第2通信コード30は、第1通信コード20の径方向外側に配置されている。図1に示す横断面視では、2本の第2通信コード30が、径方向で第1通信コード20を挟むように配置されている。第2通信コード30の外径は、第1通信コード20および電力線10の外径と略同等となっている。2本の第2通信コード30の外径は、互いに略同等となっている。
電力線10は、冷却管11と、導電体12と、絶縁体13と、を有する。電力線10は、可撓性を有している。
冷却管11は、電力線10の中心部に配置されている。冷却管11としては、例えばナイロン12からなるチューブを用いることができる。ナイロン12は、耐熱性や絶縁性に優れているため、通電により発熱する導電体12に接触する冷却管11の材質として適している。また、ナイロン12は可撓性や機械強度にも優れているため、可撓性や耐久性が求められる給電ケーブル1内の材質として適している。なお、冷却管11の材質としてはナイロン12の他、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィンなどの他の材質を適宜用いてもよい。
絶縁体13は、導電体12を被覆(囲繞)している。絶縁体13の材質としては、例えばEPゴムを用いることができる。
横断面視において、周方向で互いに隣り合う一対の電力線10がそれぞれ有する冷却管11のうち、一方は冷媒の往路とされ、他方は冷媒の復路とされている。また、互いに隣り合う一対の電力線10がそれぞれ有する導電体12を流れる電流の向きは同じである。なお、互いに隣り合う一対の電力線10がそれぞれ有する導電体12を流れる電流の向きは、逆であってもよい。
図2は、給電ケーブル1を備えたコネクタ付給電ケーブル50の概略図である。図2に示すように、コネクタ付給電ケーブル50は、給電ケーブル1と、給電ケーブル1の一方の端部に配置された給電コネクタ(以下、単にコネクタ40という)と、を備えている。コネクタ40は、給電対象物に接続される。コネクタ40は、ケース41と、複数のコネクタ端子42と、を備えている。
また、電力線10、第1通信コード20、および第2通信コード30がそれぞれ可撓性を有しているため、給電ケーブル1が全体として可撓性を有している。これにより、例えば給電ケーブル1を不使用時に巻いて収容することが容易となり、操作性に優れた給電ケーブル1とすることができる。
実施例1の給電ケーブル1を構成する部材および各部材の配置は図1および表1に示す通りである。実施例1の給電ケーブル1は、4本の電力線10と、1本の第1通信コード20と、2本の第2通信コード30と、を備えている。
表1に示すように、冷却管11として、外径が4.0mm、内径が2.5mmのナイロン12製のチューブを用いた。導電体12として、すずメッキ軟銅線からなる素線12aを集合撚りした導体線12bを10本、冷却管11を中心として集合撚りさせたものを用いた。各導体線12bを構成する素線12aの数は21本であり、各素線12aの直径はφ0.31mmである。この導電体12の断面積は16mm2である。信号線21、31の外径はいずれもφ2.2mmである。絶縁体13として、EPゴムを用いた。介在物2として、テトロン糸を用いた。シース4として、厚さ3.14mmのクロロプレンゴムを用いた。冷媒として、給電ケーブル1内に流入する前の温度が20℃の水を用いた。なお、冷媒は給電ケーブル1内を流動するのに伴って昇温する。冷却管11内の水の流速は1m/secとした。この給電ケーブル1の外径は36.8mmであり、冷媒を含む単位長さ当たりの重量は1490g/mである。給電ケーブル1の全長は2mとした。導電体12には、250Aの直流電流を通電させた。
本実施例では、通電開始から20分後の時点で導電体12およびシース4表面の温度が安定した。このとき、冷媒の往路とされた冷却管11の周囲の導電体12の温度上昇値は10℃であり、冷媒の復路とされた冷却管11の周囲の導電体12の温度上昇値は11℃であった。また、シース4表面の温度上昇値は7℃であった。このように、本実施例の給電ケーブル1によれば、大電流を流したとしても温度上昇値が小さく抑えられるため、例えばIEC62196−1−16.5などの規格を遵守し、安全性を確保することができる。
表1に示すように、比較例の給電ケーブルは、2本の電力線および9本の信号線を備えている。比較例の電力線は、冷却管を有さず、導電体として、1本のすずメッキ軟銅撚線を中心に、他のすずメッキ軟銅撚線6本を集合撚りさせた。各すずメッキ軟銅撚線として、φ0.44mmの素線を32本集合撚りしたものを用いた。この導電体の断面積は38mm2である。信号線の外径はφ2.2mmである。絶縁体として、EPゴムを用いた。介在物として、テトロン糸を用いた。シースとして、厚さ2.8mmのクロロプレンゴムを用いた。この給電ケーブルの外径は29mmであり、単位長さ当たりの重量は1340g/mである。比較例では、給電ケーブルの全長を2mとし、中央のシース表面の温度を測定した。この給電ケーブルの導電体に250Aの直流電流を通電したところ、通電開始から20分後の導電体12の温度上昇値は70℃であり、シース表面の温度上昇値は27℃となった。
本実施例では、導電体12に通電する電流値と温度上昇値との関係について行ったシミュレーションの結果を説明する。本実施例の給電ケーブル1の仕様及び温度の測定位置は、実施例1で説明したものと同様である。
本実施例では、冷却管11内の冷媒(水)の流速を1m/secとした。室温を40℃とし、給電ケーブル1内に流入する前の冷媒(水)の温度を40℃とした。導電体12に通電する直流電流の電流値は、125A〜350Aの範囲で変化させた。
上記条件で導電体12に通電し、温度が安定したとき(通電開始から20〜30分後)の導電体12、絶縁体13、およびシース4表面の温度上昇値を図3(a)、(b)に示す。なお、温度上昇値とは、室温(40℃)を基準とした各部材の温度の上昇値である。
電流値が200Aの場合、導電体12の温度上昇値は7.3℃であり、絶縁体13の温度上昇値は5.3℃であり、シース4表面の温度上昇値は4.5℃である。
電流値が250Aの場合、導電体12の温度上昇値は11.4℃であり、絶縁体13の温度上昇値は8.3℃であり、シース4表面の温度上昇値は7.1℃である。
電流値が300Aの場合、導電体12の温度上昇値は16.5℃であり、絶縁体13の温度上昇値は11.9℃であり、シース4表面の温度上昇値は10.2℃である。
電流値が350Aの場合、導電体12の温度上昇値は22.4℃であり、絶縁体13の温度上昇値は16.2℃であり、シース4表面の温度上昇値は13.2℃である。
本実施例の給電ケーブル1により、例えば導電体12に250Aの電流を流したときのシース4表面の温度上昇値を7.1℃以内とすることで、給電ケーブル1をユーザーが直接触れる可能性がある状態でこのような大電流を導電体12に流した際の安全性を高めることができる。
Claims (5)
- 冷却管と、前記冷却管を囲繞する導電体と、前記導電体を囲繞する絶縁体と、を有する電力線と、
前記電力線を被覆するシースと、を備え、
前記導電体に250Aの電流を流したときの前記シースの表面の温度上昇値が7.1℃以内である、給電ケーブル。 - 前記導電体は、複数の導体線が前記冷却管に巻きつけられて形成されている、請求項1に記載の給電ケーブル。
- 横断面視において、信号線を有する通信コードを囲うように4本の前記電力線が配置されている、請求項1または2に記載の給電ケーブル。
- 前記4本の電力線のうち、互いに隣り合う電力線同士がそれぞれ有する冷却管は、一方が冷媒の往路とされ、他方は冷媒の復路とされる、請求項3に記載の給電ケーブル。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の給電ケーブルと、
給電対象物に接続されるコネクタと、を備えるコネクタ付給電ケーブル。
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