JP2018123850A - ダックビルバルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】閉状態から開状態への応答速度の速いダックビルバルブを提供する。【解決手段】内部に流路が形成されたダックビルバルブが提供される。前記ダックビルバルブは、上下一対のリップ部を備える。前記上下一対のリップ部は、基端から先端に向けて収束するように延出した上下一対の傾斜面を形成する。前記先端において前記上下のリップ部の間には、左右方向に延びるスリットが形成されている。前記上下のリップ部は、前記スリットの位置で互いに密着することにより実質的に前記流路の出口が閉じられた閉状態と、前記スリットの位置で互いに離れるように屈曲することにより前記出口が開いた開状態との間を遷移する。前記上下の傾斜面の少なくとも一方には、前記先端又はその近傍を起点として前記基端側に向かって延びる1又は複数の溝が形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、ダックビルバルブに関する。
アヒルのくちばしの形状に似ていることから、ダックビルバルブと呼ばれる逆止弁が存在する。ダックビルバルブは、上下一対のリップ部を有し、先端側においてこれらのリップ部の間には、スリットが形成されている。そして、通常の状態では、くちばしを閉じているかの如く上下のリップ部の先端部が密着しており、この状態が流路の閉状態を形成する。一方、上流側の流体に正圧が作用すると、上下のリップ部がくちばしを開くかの如く変形し、流路の開状態が形成される。
特許文献1,2は、このようなダックビルバルブを開示している。これらの文献に示されるとおり、通常、ダックビルバルブは、上下一対のリップ部が基端から先端に向けて収束するように延出した上下一対の傾斜面を有している。
また、特許文献1,2に示されるとおり、従来のダックビルバルブにおいては、リップ部の傾斜面は実質的に平らに形成されている。そのため、リップ部の厚みは、スリットの延びる方向(左右方向)に一様であり、流路の閉状態から開状態への変形に大きな力が必要となる。その結果、閉状態から開状態への応答速度が遅く、時としてそのことがダックビルバルブの用途を制限する。また、ダックビルバルブを電動制御しようとしたときには、多量のエネルギーを要することにもなり得、省エネルギー化を図ることができない。
本発明は、閉状態から開状態への応答速度の速いダックビルバルブを提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係るダックビルバルブは、内部に流路が形成されたダックビルバルブであって、上下一対のリップ部を備える。前記上下一対のリップ部は、基端から先端に向けて収束するように延出した上下一対の傾斜面を形成する。前記先端において前記上下のリップ部の間には、左右方向に延びるスリットが形成されている。前記上下のリップ部は、前記スリットの位置で互いに密着することにより実質的に前記流路の出口が閉じられた閉状態と、前記スリットの位置で互いに離れるように屈曲することにより前記出口が開いた開状態との間を遷移する。前記上下の傾斜面の少なくとも一方には、前記先端又はその近傍を起点として前記基端側に向かって延びる1又は複数の溝が形成されている。
本発明の第2観点に係るダックビルバルブは、第1観点に係るダックビルバルブであって、前記溝は、前記スリットに概ね直交する方向に延びている。
本発明の第3観点に係るダックビルバルブは、第1観点又は第2観点に係るダックビルバルブであって、前記上下の傾斜面には、前記複数本の溝が形成されており、前記複数本の溝は、概ね上下対称に配置されている。
本発明の第4観点に係るダックビルバルブは、第1観点から第3観点のいずれかに係るダックビルバルブであって、前記上下の傾斜面の少なくとも一方には、前記複数本の溝が形成されており、前記複数本の溝は、概ね左右対称に配置されている。
本発明の第5観点に係るダックビルバルブは、第1観点から第4観点のいずれかに係るダックビルバルブであって、前記溝は、前記スリットの左端及び右端の少なくとも一方の近傍に位置する。
本発明の第6観点に係るダックビルバルブは、第1観点から第5観点のいずれかに係るダックビルバルブであって、前記上下のリップ部の少なくとも一方は、左右方向の中央部において前記溝に沿って延びる厚肉部を有する。
本発明の第7観点に係るダックビルバルブは、第1観点から第6観点のいずれかに係るダックビルバルブであって、前記上下のリップ部の少なくとも一方は、前記上下のリップ部の左端部及び右端部の少なくとも一方において前記溝に沿って延びる厚肉部を有する。
本発明の第8観点に係るダックビルバルブは、第1観点から第7観点のいずれかに係るダックビルバルブであって、前記溝の底面の左右方向の幅は、前記スリットの左右方向幅の1/8以上である。
本発明の第9観点に係るダックビルバルブは、第1観点から第8観点のいずれかに係るダックビルバルブであって、前記溝の入口の左右方向の幅は、前記スリットの左右方向の幅の1/20以上である。
本発明の第1観点によれば、ダックビルバルブの上下一対の傾斜面の少なくとも一方に、先端又はその近傍を起点として基端側に向かって延びる1又は複数本の溝が形成される。その結果、溝が形成されている部位においてリップ部の肉厚が薄くなり、肉厚が均一に形成される従来のダックビルバルブに比べ、開状態においてリップ部に加わる応力が緩和される。このことは、リップ部を開くのに必要とされるエネルギーが少なくて済むことを意味する。従って、閉状態から開状態への応答速度が速められる。
図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るダックビルバルブについて説明する。
<1.ダックビルバルブの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るダックビルバルブ1の閉状態の斜視図である。ダックビルバルブ1は、アヒルのくちばしのような形状を有する逆止弁である。図2Aは、ダックビルバルブ1のくちばし部2の先端部2Aの閉状態の正面図であり、図2Bは、その開状態の正面図である。図3Aは、ダックビルバルブ1の閉状態の側方断面図であり、図3Bは、その開状態の側方断面図である。なお、特に断らない限り、以下の説明では、図2A及び図2Bに示すとおり上下左右が定義される。
図1は、本発明の一実施形態に係るダックビルバルブ1の閉状態の斜視図である。ダックビルバルブ1は、アヒルのくちばしのような形状を有する逆止弁である。図2Aは、ダックビルバルブ1のくちばし部2の先端部2Aの閉状態の正面図であり、図2Bは、その開状態の正面図である。図3Aは、ダックビルバルブ1の閉状態の側方断面図であり、図3Bは、その開状態の側方断面図である。なお、特に断らない限り、以下の説明では、図2A及び図2Bに示すとおり上下左右が定義される。
図1〜図3Bに示されるとおり、外力が加えられていない通常の状態においては、ダックビルバルブ1は、図1、図2A及び図3Aに示すように、上下一対のリップ部10,20からなるくちばし部2を閉じている。このようにくちばし部2が閉じられている状態が、ダックビルバルブ1内に形成される流路C1の閉状態に相当する。一方、流路C1内に流体が流れ、流路C1内に所定圧以上の正圧が作用すると、図2B及び図3Bに示すように、くちばし部2を開くかの如くリップ部10,20が変形する。この状態が、流路C1の開状態に相当する。
ダックビルバルブ1は、弾性材料から構成されており、流路C1内に所定圧以上の正圧が作用している間は、開状態を維持するが、当該正圧が除去されると、閉状態に直ちに戻る。すなわち、くちばし部2は、流路C1内に所定圧以上の正圧が作用しているか否かに応じて、閉状態と開状態との間を遷移する。ダックビルバルブ1は、典型的には、エラストマー(ゴム及び熱可塑性エラストマーを含む)から構成される。
ダックビルバルブ1は、上述のくちばし部2に加え、くちばし部2の基端側に連続する筒状部30と、筒状部30においてくちばし部2の反対側にさらに連続するフランジ部40とを有する。これらの部2(10,20),30,40は、この順に先端側から基端側に並んでおり、一体的に成形されている。流路C1は、フランジ部40側を上流とし、くちばし部2側を下流とする。従って、フランジ部40により流路C1の入口O1が形成され、くちばし部2の先端部2Aが開いたときに、流路C1の出口O2が形成される。
筒状部30は、円筒状であり、フランジ部40は、円環状である。これらの部30,40の形状は、くちばし部2とは異なり、流路C1内に所定圧以上の正圧が作用しているか否かに関わらず、実質的に変化しない。なお、他の実施形態では、くちばし部2と同様に、開状態においてこれらの部30,40が変形するように構成することもできる。また、これらの部30,40の少なくとも一方は、ダックビルバルブ1の用途に合わせて、適宜省略することも可能である。
くちばし部2の形状について、より具体的に説明する。くちばし部2は、閉状態において、基端から先端に向けて収束するように延出した上下一対の傾斜面10A,20Aを形成する。くちばし部2は、平面視において略矩形形状の板状の上面部51と、これと概ね上下対称(完全に上下対称の場合を含む)の形状を有する下面部52と、側面視において略台形の板状の左端部53と、これと概ね左右対称(完全に左右対称の場合を含む)の形状を有する右端部54とを含む。そのため、閉状態のくちばし部2は、側面視において略台形である。なお、傾斜面10Aは、上側のリップ部10の上面に相当し、上面部51は、上側のリップ部10に含まれる。同様に、傾斜面20Aは、下側のリップ部20の下面に相当し、下面部52は、下側のリップ部20に含まれる。
閉状態では、くちばし部2の先端部2Aには、左右方向に延びるスリットS1が形成されている。スリットS1は、上下のリップ部10,20の間に位置する。本実施形態では、スリットS1は、くちばし部2の先端部2Aにおいて左右方向にセンタリングされている。スリットS1は、くちばし部2の先端部2Aにおいて、くちばし部2の左端近傍から右端近傍まで上下方向の中央を連続的に延びている。従って、上下のリップ部10,20は、左端部53及び右端部54において結合されているものの、スリットS1の位置において互いに分離されている。ただし、スリットS1を介して互いに対面している上下のリップ部10,20は、閉状態においても、このスリットS1の位置において互いに密着している。つまり、このとき、実質的に流路C1の出口O2が閉じられており、流体は、流路C1内を流れることができない。
一方、スリットS1の存在により、流路C1内に所定圧以上の正圧が作用したときには、上下のリップ部10,20は、スリットS1の位置で互いに離れるように屈曲する。その結果、スリットS1により、流路C1の出口O2が形成される。このとき、上下のリップ部10,20は、スリットS1の左右方向の中央付近において上下方向に最も離間し、そこから左及び右に向かうにつれて、上下方向の離間距離が徐々に小さくなる。出口O2は、正面視において略菱形(ただし、本実施形態では、スリットS1の左右方向の中央付近の上下の頂点は、丸みを帯びている)となる。
本実施形態では、傾斜面10A,20Aは、概ね平ら(完全に平らな場合を含む)に形成されている。ただし、各傾斜面10A,20Aには、複数本の溝が形成されており、本実施形態では、2本ずつ形成されている。図1〜図2Bに示されるとおり、これらの計4本の溝L1〜L4は、概ね上下対称(完全に上下対称の場合を含む)に配置されている。より具体的には、溝L1〜L4は、スリットS1を含み上下方向に直交する面を基準として、概ね上下対称(完全に上下対称の場合を含む)に形成されている。また、本実施形態では、溝L1〜L4は、概ね左右対称(完全に左右対称の場合を含む)に配置されている。より具体的には、溝L1〜L4は、スリットS1の中心を通り左右方向に直交する面を基準として、概ね左右対称(完全に左右対称の場合を含む)に形成されている。なお、溝の配置だけでなく、上下のリップ部10,20全体も、概ね上下及び左右対称(完全に上下及び左右対称の場合を含む)に形成されている。傾斜面10A,20Aは、溝L1〜L4を除いて、平面又は滑らかな曲面を描いている。
溝L1〜L4は、いずれもくちばし部2の先端を起点として基端側に向かって延びており、本実施形態では、基端に達している。また、本実施形態では、溝L1〜L4は、くちばし部2の奥行方向に直線状に延びている。なお、ここでいう奥行方向とは、先端から基端に向かう方向であって、スリットS1に概ね直交する(完全に直交する場合を含む)方向を意味する。
溝L1は、上側のリップ部10の左端近傍に位置しており、溝L2は、上側のリップ部10の右端近傍に位置しており、溝L3は、下側のリップ部20の左端近傍に位置しており、溝L4は、下側のリップ部20の右端近傍に位置している。また、溝L1,L3は、スリットS1の左端側の付け根の近傍に位置している。溝L2,L4は、スリットS1の右端側の付け根の近傍に位置している。
溝L1,L2の間には、これらを隔てる厚肉部61が形成されており、厚肉部61は、上側のリップ部10の左右方向の中央部に位置している。同様に、溝L3,L4間には、これらを隔てる厚肉部62が形成されており、厚肉部62は、下側のリップ部20の左右方向の中央部に位置している。すなわち、厚肉部61は、溝L1,L2に沿って延びており、溝L1の右壁及び溝L2の左壁を形成している。同様に、厚肉部62は、溝L3,L4に沿って延びており、溝L3の右壁及び溝L4の左壁を形成している。一方、溝L1,L3の左壁は、上述したくちばし部2の左端部53により形成されており、溝L2,L4の右壁は、上述したくちばし部2の右端部54により形成されている。すなわち、左端部53及び右端部54は、傾斜面10A,20A上で厚肉部を形成している。
言い換えると、上下のリップ部10,20には、溝L1〜L4の位置において薄肉部が形成されている。そのため、開状態においてリップ部10,20に加わる応力が緩和され、リップ部10,20を開くのに必要とされるエネルギーが少なくなる。従って、閉状態から開状態への応答速度が速められ、開き易いダックビルバルブ1が提供される。
なお、各溝L1〜L4の入口(最上部)の左右方向の幅w2は、各々、適宜設定することができるが、幅w2のスリットS1の左右方向の幅w1に対する比(w2/w1)は、w2/w1≧1/20(=0.05)であることが好ましく、w2/w1≧1/4(=0.25)であることがより好ましく、w2/w1≧2/5(=0.40)であることがさらに好ましく、w2/w1≧1/2(=0.50)であることがより好ましい。また、各溝L1〜L4の底面の左右方向の幅w3は、各々、適宜設定することができるが、幅w3のスリットS1の左右方向の幅w1に対する比w3/w1は、w3/w1≧1/8(=0.125)であることが好ましく、w3/w1≧1/4(=0.25)であることがより好ましく、w3/w1≧3/8(=0.375)であることがさらに好ましい。w3は、正面視において溝の底面に沿う直線と、溝の側壁面に沿う直線との交点をV1としたときに、左右のV1,V1間の左右方向の距離として定義される(図9参照)。
また、上述のとおり、傾斜面10A上には、左から右に向かって、厚肉部53、溝L1、厚肉部61、溝L2、厚肉部54がこの順に並んでいる。同様に、傾斜面20A上には、左から右に向かって、厚肉部53、溝L3、厚肉部62、溝L4、厚肉部54がこの順に並んでいる。また、これらの厚肉部53,54,61,62及び溝L1〜L4は、くちばし部2の奥行方向に沿って互いに略平行(完全に平行な場合を含む)に延びている。そのため、上下のリップ部10,20は、流路C1内に正圧が作用したときに、左右方向に圧縮され易くなる。これにより、くちばし部2は、さらに出口O2を開き易くなっている。
<2.ダックビルバルブの用途>
以上のダックビルバルブ1は、逆止弁として、任意の用途に使用することができるが、閉状態から開状態への応答速度が速く、言い換えると、開き易いという優れた特性を有する。そのため、開き易さの求められる任意の用途で、より好ましく使用される。例えば、ダックビルバルブ1は、多数の逆止弁を電動制御して用いる検査・分析機に好ましく使用することができる。より具体的には、血液検査機等の医療用検査機に好ましく使用することができるし、ガスクロマトグラフィー等の分析機に好ましく使用することができる。この場合、ダックビルバルブ1の開閉に要するエネルギーを抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。ダックビルバルブ1は、以上のとおり、簡易な構成で逆止性能を発現させることができるため、逆止性能をシステムに低コストで付与することができる。特に、単一部品であっても、逆止性能を発現させることができる。従来のダックビルバルブは、応答速度が十分でなく、電磁弁で代替しなければならないこともあったが、上述のダックビルバルブ1は、応答速度が高められているため、従来のダックビルバルブよりも広範な用途で好ましく使用することができる。
以上のダックビルバルブ1は、逆止弁として、任意の用途に使用することができるが、閉状態から開状態への応答速度が速く、言い換えると、開き易いという優れた特性を有する。そのため、開き易さの求められる任意の用途で、より好ましく使用される。例えば、ダックビルバルブ1は、多数の逆止弁を電動制御して用いる検査・分析機に好ましく使用することができる。より具体的には、血液検査機等の医療用検査機に好ましく使用することができるし、ガスクロマトグラフィー等の分析機に好ましく使用することができる。この場合、ダックビルバルブ1の開閉に要するエネルギーを抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。ダックビルバルブ1は、以上のとおり、簡易な構成で逆止性能を発現させることができるため、逆止性能をシステムに低コストで付与することができる。特に、単一部品であっても、逆止性能を発現させることができる。従来のダックビルバルブは、応答速度が十分でなく、電磁弁で代替しなければならないこともあったが、上述のダックビルバルブ1は、応答速度が高められているため、従来のダックビルバルブよりも広範な用途で好ましく使用することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<3−1>
上記実施形態では、上下の傾斜面10A,20Aの両方に溝が形成されたが、傾斜面10A,20Aのいずれか一方にのみ溝を形成してもよい。また、各傾斜面に形成される溝の本数は、2本に限られず、3本以上であってもよいし、1本であってもよい。上下の傾斜面のいずれか一方にのみ溝が形成される場合も、同様である。
上記実施形態では、上下の傾斜面10A,20Aの両方に溝が形成されたが、傾斜面10A,20Aのいずれか一方にのみ溝を形成してもよい。また、各傾斜面に形成される溝の本数は、2本に限られず、3本以上であってもよいし、1本であってもよい。上下の傾斜面のいずれか一方にのみ溝が形成される場合も、同様である。
また、一方又は両方の傾斜面に溝を1本のみ形成する場合において、くちばし部2の左右方向の中央の厚肉部を排除し、左端部及び右端部の厚肉部のみを残すことができる。ただし、ダックビルバルブの成形性の観点、より具体的には、スリットをできる限り正確に位置決めできるようにする観点からは、くちばし部2の左右方向の中央に厚肉部を形成することが好ましい。なお、スリットが形成されていない成形品に対しカッターで切込みを入れることによりスリットが成形される場合には、特に左右方向の中央の厚肉部の存在によりスリットの位置決めを正確に行うことができる。
<3−2>
上記実施形態では、溝L1〜L4は、くちばし部2の先端を起点とし、基端を終点としていた。しかしながら、例えば、くちばし部2の先端から少し基端側にずれた位置が起点とされてもよい。この場合において、先端部2Aが左右方向の全体に亘って薄肉に形成されていてもよい。終点についても同様であり、例えば、基端の少し先端側を終点としてもよい。さらに、終点が基端近傍に位置する必要はなく、例えば、終点がくちばし部2の奥行方向の中央付近に存在してもよい。従って、溝L1〜L4の全部又は一部の奥行方向の長さを、くちばし部2の奥行方向の長さの3/4以下とすることもできるし、2/3以下とすることもできるし、1/2以下とすることもできるし、1/3以下とすることもできるし、1/4以下とすることもできる。しかしながら、溝の奥行方向の長さは、くちばし部2の奥行方向の長さの1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがより好ましく、1/2以上であることがより好ましく、2/3以上であることがより好ましく、3/4以上であることがさらに好ましい。
上記実施形態では、溝L1〜L4は、くちばし部2の先端を起点とし、基端を終点としていた。しかしながら、例えば、くちばし部2の先端から少し基端側にずれた位置が起点とされてもよい。この場合において、先端部2Aが左右方向の全体に亘って薄肉に形成されていてもよい。終点についても同様であり、例えば、基端の少し先端側を終点としてもよい。さらに、終点が基端近傍に位置する必要はなく、例えば、終点がくちばし部2の奥行方向の中央付近に存在してもよい。従って、溝L1〜L4の全部又は一部の奥行方向の長さを、くちばし部2の奥行方向の長さの3/4以下とすることもできるし、2/3以下とすることもできるし、1/2以下とすることもできるし、1/3以下とすることもできるし、1/4以下とすることもできる。しかしながら、溝の奥行方向の長さは、くちばし部2の奥行方向の長さの1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがより好ましく、1/2以上であることがより好ましく、2/3以上であることがより好ましく、3/4以上であることがさらに好ましい。
<3−3>
くちばし部2に形成される溝は、上下非対称に配置されてもよいし、これに代えて又は加えて、左右非対称に配置されてもよい。
くちばし部2に形成される溝は、上下非対称に配置されてもよいし、これに代えて又は加えて、左右非対称に配置されてもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
図4A〜図8Aに、それぞれ、比較例1及び実施例1〜4に係るダックビルバルブを示す。図4A〜図8Aは、外力が加えられていない閉状態でのこれらのダックビルバルブの斜視図である。比較例1のダックビルバルブは、図4Aに示すとおり、上下のリップ部の傾斜面に溝が形成されておらず、傾斜面を完全に平らにした。スリットの左右方向の幅w1=7.40mmとし、くちばし部の先端部の左右方向の幅w0=10.00mmとし、w1/w0=74%のとした。また、スリットとくちばし部の先端部とは、左右方向にセンタリングされている。
図4A〜図8Aに、それぞれ、比較例1及び実施例1〜4に係るダックビルバルブを示す。図4A〜図8Aは、外力が加えられていない閉状態でのこれらのダックビルバルブの斜視図である。比較例1のダックビルバルブは、図4Aに示すとおり、上下のリップ部の傾斜面に溝が形成されておらず、傾斜面を完全に平らにした。スリットの左右方向の幅w1=7.40mmとし、くちばし部の先端部の左右方向の幅w0=10.00mmとし、w1/w0=74%のとした。また、スリットとくちばし部の先端部とは、左右方向にセンタリングされている。
一方、実施例1〜4のダックビルバルブは、図5A〜図8Aに示すとおり、比較例1のダックビルバルブにそれぞれ4つの溝を形成したものとした。実施例1〜4のダックビルバルブでは、溝は上下の傾斜面の各々に2つずつ配置し、上下対称かつ左右対称に配置した。各溝は、底面と、底面から入口に向かって溝幅を広げるように傾斜する左右の側壁とを有する形状とした。各溝の入口での左右方向の幅w2と、各溝の底面の左右方向の幅w3とは、表1のとおりとした。また、実施例2〜4では、図9に示すとおり、正面視において溝の底面の外側の端点P1近傍の仮想点V1の位置とスリットの端点P2の位置とを左右方向に一致させた。なお、各溝の底面の端点近傍は丸みがかっており、仮想点V1は、正面視において溝の底面に沿う直線と、溝の側壁面に沿う直線との交点である。一方、実施例1では、w3=0であり、溝に底面が実質的に存在しないため、最深部(溝の左右方向の中心)の位置と、スリットの端点の位置とを左右方向に一致させた。
そして、比較例1及び実施例1〜4に係るダックビルバルブを開状態とした場合に、くちばし部の先端部に作用するミーゼス応力をシミュレーションにより計算したところ、それぞれ、図4B〜図8Bに示す結果が得られた。図4B〜図8Bは、くちばし部の先端部の正面図であり、色が濃い程、ミーゼス応力が大きいことを意味している。
図4B〜図8Bを比較すると明らかなとおり、くちばし部に溝を形成することにより、開状態において先端部に作用するミーゼス応力が小さくなり、また、溝幅が大きくなる程、これがさらに小さくなることが分かる。つまり、溝を形成すること、さらには溝の面積又は体積を大きくすることにより、閉状態から開状態への応答速度を速め、ダックビルバルブを開き易くすることができることが分かった。
1 ダックビルバルブ
2 くちばし部
10 上側のリップ部
20 下側のリップ部
10A 傾斜面
20A 傾斜面
53 厚肉部(左端部)
54 厚肉部(右端部)
61 厚肉部(中央部)
62 厚肉部(中央部)
C1 流路
L1〜L4 溝
O1 入口
O2 出口
S1 スリット
2 くちばし部
10 上側のリップ部
20 下側のリップ部
10A 傾斜面
20A 傾斜面
53 厚肉部(左端部)
54 厚肉部(右端部)
61 厚肉部(中央部)
62 厚肉部(中央部)
C1 流路
L1〜L4 溝
O1 入口
O2 出口
S1 スリット
Claims (9)
- 内部に流路が形成されたダックビルバルブであって、
基端から先端に向けて収束するように延出した上下一対の傾斜面を形成する上下一対のリップ部
を備え、
前記先端において前記上下のリップ部の間には、左右方向に延びるスリットが形成されており、
前記上下のリップ部は、前記スリットの位置で互いに密着することにより実質的に前記流路の出口が閉じられた閉状態と、前記スリットの位置で互いに離れるように屈曲することにより前記出口が開いた開状態との間を遷移し、
前記上下の傾斜面の少なくとも一方には、前記先端又はその近傍を起点として前記基端側に向かって延びる1又は複数本の溝が形成されている、
ダックビルバルブ。 - 前記溝は、前記スリットに概ね直交する方向に延びている、
請求項1に記載のダックビルバルブ。 - 前記上下の傾斜面には、前記複数本の溝が形成されており、前記複数本の溝は、概ね上下対称に配置されている、
請求項1又は2に記載のダックビルバルブ。 - 前記上下の傾斜面の少なくとも一方には、前記複数本の溝が形成されており、前記複数本の溝は、概ね左右対称に配置されている、
請求項1から3のいずれかに記載のダックビルバルブ。 - 前記溝は、前記スリットの左端及び右端の少なくとも一方の近傍に位置する、
請求項1から4のいずれかに記載のダックビルバルブ。 - 前記上下のリップ部の少なくとも一方は、左右方向の中央部において前記溝に沿って延びる厚肉部を有する、
請求項1から5のいずれかに記載のダックビルバルブ。 - 前記上下のリップ部の少なくとも一方は、前記上下のリップ部の左端部及び右端部の少なくとも一方において前記溝に沿って延びる厚肉部を有する、
請求項1から6のいずれかに記載のダックビルバルブ。 - 前記溝の底面の左右方向の幅は、前記スリットの左右方向の幅の1/8以上である、
請求項1から7のいずれかに記載のダックビルバルブ。 - 前記溝の入口の左右方向の幅は、前記スリットの左右方向の幅の1/20以上である、
請求項1から8のいずれかに記載のダックビルバルブ。
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JP2017014448A JP2018123850A (ja) | 2017-01-30 | 2017-01-30 | ダックビルバルブ |
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JP2017014448A JP2018123850A (ja) | 2017-01-30 | 2017-01-30 | ダックビルバルブ |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020000568A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-09 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2020000572A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-09 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
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2017
- 2017-01-30 JP JP2017014448A patent/JP2018123850A/ja active Pending
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