JP2018123780A - ターボチャージャ用軸受装置 - Google Patents

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聞倬 馬
雅彦 里田
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Abstract

【課題】 タービン軸4の振動を減衰させるダンパ機能を向上させ、しかも、タービン軸4を支持する転がり軸受11、12の内輪11a、12aに向かって、潤滑油を噴射するオイルジェット孔を外輪ホルダ20に別途設ける必要のないターボチャージャ1を得る。【解決手段】 外輪ホルダ20の軸受取付け部22の内面と外輪11b、12bの外面との間に油溝40を設け、この油溝40に外輪ホルダ20の軸受取付け部22の外径面から潤滑油を供給する給油穴41を設け、この給油穴41から供給される潤滑油によって第2のオイルフィルムダンパ42を形成する隙間43、44を外輪ホルダ20の軸受取付け部22の内面と外輪11b、12bの外面との間に設けた。【選択図】図2

Description

この発明は、自動車エンジンの排気工程の空気圧を利用して吸気工程の空気圧を増加させ、エンジン自体の性能を向上させるターボチャージャに用いられる軸受装置に関する。
ターボチャージャに用いられる軸受装置としては、回転軸に嵌め合わされた一対の転がり軸受の外輪間にコイルばね等の弾性部材を配置し、その弾性部材の反発力で転がり軸受に予圧を与えるとともに、転がり軸受の外輪をオイルフィルムダンパにて支持する軸受装置が知られている(例えば特許文献1、2)。
これら特許文献1、2のように、外輪間に嵌め合わされた弾性部材にて一対の転がり軸受に予圧を与える軸受装置では、外輪を弾性部材の力で転動体に押し付けることから、その外輪を押し出す方向、つまり軸線方向外側へは外輪を非拘束状態としておくことが必須である。
一方、特許文献3のように、一対の転がり軸受の内輪間、及び外輪間にそれぞれスペーサを配置して軸受間の距離を一定に保持しつつ、外輪の軸線方向外側の端面をハウジング側の当接部に当接させて外輪を軸線方向に拘束する軸受装置も知られている。
ところで、回転軸の高速回転化を図るには転がり軸受の摩擦損失を低減させることが望ましいが、予圧を与えれば摩擦損失が大きくなる。一方、毎分10万回転を超えるような高速回転領域では、転がり軸受をオイルフィルムダンパにて支持することが必要不可欠となる。両者の要求を満たすには、上述した特許文献3のように外輪間にばね等の弾性部材を設けない構成の軸受装置において、転がり軸受の外輪が嵌め合わされる外輪ホルダを軸受ハウジングと別に設け、その外輪ホルダと軸受ハウジングとの隙間にオイルフィルムダンパを形成する構成が考えられる。
しかしながら、特許文献3の装置のように、外輪の軸線方向外側の端面を軸受ハウジングに当接させて外輪を拘束した場合、オイルフィルムダンパの振動吸収作用で外輪が軸線方向に変位したときに、軸受ハウジングから軸受の外輪へと軸線方向の力が入力される。そのため、内輪から転動体を介して外輪に伝わる軸線方向の力と軸受ハウジング側から外輪に加わる力とが競合して軸受に無理な軸線方向の力が作用し、外輪の位置がずれるといった不都合が発生し、軸受の耐久性が損なわれるおそれがある。
特許文献4には、このような外輪の位置ずれという不都合によって軸受の耐久性が損なわれないようにしたターボチャージャの軸受装置が開示されている。
この特許文献4に開示されたターボチャージャの軸受装置は、図3及び図4に示す構造を備えている。
図3は、特許文献4に示す構造の軸受装置110が組み込まれたターボチャージャ101を示している。ターボチャージャ101は、内燃機関の排気通路に設けられるタービンロータ102と、内燃機関の吸気通路に設けられるコンプレッサインペラ103と、それらを一体回転可能に連結する回転軸としてのタービン軸104とを備えている。
タービンロータ102とタービン軸104とは同軸上に一体に形成されている。タービン軸104は、タービンロータ102側からコンプレッサインペラ103に向かって、大径部104a、中間部104b及び小径部104cが順次設けられた段付きシャフトによって構成されている。
中間部104bは、ターボチャージャ101の軸受ハウジング105内に挿入され、小径部104cは軸受ハウジング105を貫いてコンプレッサハウジング(図示しない)内に挿入されている。
軸受ハウジング105は、ハウジング本体105Aの一端に、リテーナ105Bがボルト等の固定手段を用いて結合されている。中間部104bの外周には一対の転がり軸受111、112が嵌め合わされている。
転がり軸受111、112は、内輪111a、112aと、外輪111b、112bと、それらの間に配置される転動体としての多数のボール111c、112cとを備えた玉軸受である。より具体的には、転がり軸受111、112は、径方向荷重と一方向の軸線方向荷重とを負荷するアンギュラコンタクト玉軸受である。転がり軸受111、112の内輪111a、112aのそれぞれはタービン軸104上に嵌め合わされている。転がり軸受111はタービンロータ102に向かう方向の軸線方向荷重を負荷し、転がり軸受112はコンプレッサインペラ103に向かう方向の軸線方向荷重を負荷する向きでそれぞれ取り付けられている。
転がり軸受111の内輪111aと大径部104aの間にはスリンガ113が設けられ、内輪111a、112aの間には内輪スペーサとしてのスリーブ114が設けられている。小径部104cの外周には、カラー115、116、コンプレッサインペラ103が順次嵌め合わされている。
コンプレッサインペラ103からは小径部104cの先端の雄ねじ部104dが突出する。その雄ねじ部104dにナット117を装着してこれを締め付けることにより、スリンガ113、内輪111a、スリーブ114、内輪112a、カラー115、116及びコンプレッサインペラ103が大径部104aとナット117との間に挟み込まれてそれらが軸線方向の定位置に拘束される。
コンプレッサインペラ103を嵌め合わせることにより、内輪111a、スリーブ114及び内輪112aが、タービン軸104の大径部104aと中間部104bとの間の段差、及びコンプレッサインペラ103の端面の間に挟み込まれて軸線方向の定位置に拘束される。これにより、タービンロータ102、タービン軸104、スリンガ113、内輪111a、スリーブ114、内輪112a、カラー115、116、コンプレッサインペラ103及びナット117は、タービン軸104の中心線CLの回りに一体回転可能な回転体アッセンブリ106として組み立てられる。
転がり軸受111、112のそれぞれの外輪111b、112bは、外輪ホルダ120に嵌め合わされている。その外輪ホルダ120は、軸受ハウジング105のハウジング本体105Aのホルダ収容部105aに嵌め合わされている。軸受ハウジング105のリテーナ105Bは、ホルダ収容部105aの開口端部(コンプレッサインペラ103側の端部)に取り付けられ、それにより、外輪ホルダ120は、タービン軸104の軸線方向に関して、軸受ハウジング105の突起部105bとリテーナ105Bとの間に保持される。なお、スリーブ114及び外輪ホルダ120のそれぞれは転がり軸受111、112とは別部品として構成されている。
外輪ホルダ120は、外輪111b、112bの外周に配置される保持部材としての円筒状のケース部122と、そのケース部122の内周側に突出して外輪111b、112bの間に介在する外輪スペーサとしてのスペーサ部123とが一体化された構成を備えている。ケース部122の軸線方向両端面122a、122bは、外輪111b、112bよりも軸線方向外側に突出した位置にある。言い換えれば、外輪111b、112bは、ケース部122の軸線方向端面122a、122bよりも軸線方向内側に後退するようにして外輪ホルダ120に嵌め合わされている。
スペーサ部123の両端には外輪111b、112bが突き当てられている。それにより、外輪111b、112bが軸線方向に位置決めされて外輪111b、112b間の軸線方向の距離が一定に保持される。
図4に示すように、スペーサ部123の軸線方向の寸法Aと、スリーブ114の軸線方向の寸法Bとをそれぞれ正確に管理することにより、内輪111a、112a及び外輪111b、112bのそれぞれは、軸線方向の位置ずれが最小となり、予圧が実質的に与えられない位置に保持される。これにより、タービン軸4の軸線方向の遊びを最小に抑え、タービンロータ102及びコンプレッサインペラ1033とそれらのハウジングとの間の隙間を小さく設定して過給性能を向上させることができる。なお、外輪111b、112bの軸線方向外側には、外輪111b、112bをそれらの軸線方向外側から拘束する部材が設けられていない。すなわち、外輪111b、112bは軸線方向外側へは非拘束の状態で外輪ホルダ120に嵌め合わされている。また、外輪111b、112bの間には、これらを軸線方向に押し出して予圧を付加するばね等の弾性部材は設けられていない。転がり軸受111、112を予圧なしで組み付けることにより、転がり軸受111、112の内部における摩擦損失を抑えることができる。
外輪ホルダ120と軸受ハウジング105との間には微小量の隙間125が設けられている。隙間125は、ホルダ120の外周側に位置するラジアル方向隙間125aと、ホルダ120の軸線方向両端に位置するアキシャル方向隙間125b、125cとを含む。ラジアル方向隙間125aは外輪ホルダ120の外周面の全面に亘って存在し、アキシャル方向隙間125b、125cはホルダ120の端面122a、122bの全面に亘って存在する。つまり、後述するオイルフィルムが形成されていない状態において、ホルダ120は、軸受ハウジング105に対して半径方向隙間125aに相当する量だけ半径方向に移動可能であり、軸線方向隙間125b、125cに相当する量だけ軸線方向に移動可能である。
軸受ハウジング105には、その下面からラジアル方向隙間125aに向かって給油路(図示省略)が形成されている。給油路を介してラジアル方向隙間125aに潤滑油が供給されることにより、隙間125が潤滑油で満たされてホルダ120と軸受ハウジング105との間にオイルフィルムダンパ108が形成され、このオイルフィルムダンパ108を介して外輪111b、112bが支持されている。
このようにオイルフィルムダンパ108を設けることにより、軸受アッセンブリの振動を効率よく吸収することが可能となる。よって、毎分10万回転を超える高速回転領域に対するターボチャージャ1の適応性を高めることができる。
外輪ホルダ120の外周には、2本の環状溝130がホルダ120を一周するように設けられている。各環状溝130には、図4示すように、転がり軸受111、112側に潤滑油を供給するためのオイルジェット孔131が設けられている。オイルジェット孔131は、その中心線が内輪111a、112aに向かうように設けられている。これにより、オイルフィルムダンパ108を形成した潤滑油の一部がオイルジェット孔131から内輪111a、112aに給油される。従って、ボール111c、112cに向かって潤滑油を直接吹き付けた場合と比較して潤滑油の撹拌損失を低減させ、過給効率を高めることができる。
オイルジェット孔131から内輪111a、112aに向かって給油された潤滑油は、遠心力によって外周へ吹き飛ばされ、外輪111b、112bの内面側から転がり軸受111、112の軸線方向の外側に排出される。
実開昭62−35195号公報 実公平6−40908号公報 特開2002−369474号公報 特許第5075000号公報
ところで、図3及び図4に示す軸受装置110においては、外輪ホルダ120のラジアル方向の外周面及びアキシャル方向の端面と軸受ハウジング105との間に、それぞれ隙間125a、125b、125cが存在し、この隙間125a、125b、125cには、オイルフィルムダンパ108を設けるために、潤滑油が供給されている。
ところが、外輪ホルダ120の外面と軸受ハウジング105の内面との間に設けたオイルフィルムダンパ108だけでは、タービン軸104の振動を十分に減衰できず、ダンパ機能が不足するという問題がある。
また、転がり軸受111、112に潤滑油を供給するために、内輪111a、112aに向かって潤滑油を噴射するオイルジェット孔131を外輪ホルダ120に別途設ける必要がある。
そこで、この発明は、タービン軸の振動を減衰させるダンパ機能を向上させ、しかも、タービン軸を支持する転がり軸受の内輪に向かって、潤滑油を噴射するオイルジェット孔を外輪ホルダに別途設ける必要のないターボチャージャを得ようとするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、ターボチャージャの回転軸上に配置される一対の転がり軸受と、該一対の転がり軸受の外輪の外径面を保持する軸受取付け部を備える円筒形の外輪ホルダと、この外輪ホルダに設けられた前記一対の転がり軸受の前記外輪の軸線方向の距離を一定に保持する外輪スペーサ部と、前記外輪ホルダの外面に第1のオイルフィルムダンパを形成する隙間を介して設けられる軸受ハウジングと、前記一対の転がり軸受の内輪間に配置されて内輪間の軸線方向の距離を一定に保持する内輪スペーサとを備えるターボチャージャ用軸受装置において、
前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と前記外輪の外面との間に油溝が設けられ、前記油溝に前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の外面から潤滑油を供給する給油穴が設けられ、前記給油穴に供給される潤滑油によって第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間が、前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と前記外輪の外面との間に設けられていることを特徴とする。
前記第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間は、前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と外輪の外面との間のラジアル隙間を少なくとも含み、さらに、前記外輪ホルダの前記外輪スペーサ部の軸方向の端面と前記外輪の軸線方向の端面との間のアキシャル隙間を含むようにしてもよい。
前記油溝の軸方向幅は、前記軸受取付け部の軸方向幅の30%〜40%とすることができる。
また、前記第2のオイルフィルムダンパを形成する前記隙間の間隔は、20〜40μmである。
以上のように、この発明のターボチャージャの軸受装置は、外輪ホルダの外径面と軸受ハウジングの内径面との間に形成されるオイルフィルムダンパ以外に、外輪ホルダの軸受取付け部の内面と外輪の外面との間に第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間を設けているので、タービン軸の振動の減衰効果が高い。
また、外輪ホルダの軸受取付け部の内面と外輪の外面との間に第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間があり、この隙間から潤滑油が転がり軸受に対して供給されるので、転がり軸受の内輪に向かって潤滑油を噴射するオイルジェット孔を外輪ホルダに別途設ける必要がない。
この発明の一形態に係る軸受装置が組み込まれたターボチャージャの軸線方向の断面図である。 図1に一点鎖線で囲んだ右側の転がり軸受部分の拡大断面図である。 従来の軸受装置が組み込まれたターボチャージャの軸線方向の断面図である。 図3の軸受装置の部分拡大図である。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る軸受装置10が組み込まれたターボチャージャ1を示している。
ターボチャージャ1は、内燃機関の排気通路に設けられるタービンロータ2と、内燃機関の吸気通路に設けられるコンプレッサインペラ3と、それらを一体回転可能に連結する回転軸としてのタービン軸4とを備えている。
タービンロータ2とタービン軸4とは同軸上に一体形成されている。タービン軸4は、タービンロータ2側からコンプレッサインペラ3に向かって、大径部4a、中間部4b及び小径部4cが順次設けられた段付きシャフトである。大径部4aは、その外径が中間部4bよりも大きい。小径部4cは、その外径が中間部4bよりも小さい。
中間部4bはターボチャージャ1の軸受ハウジング5内に挿入され、小径部4cは軸受ハウジング5を貫いてコンプレッサハウジング(図示しない)内に挿入されている。軸受ハウジング5は、ハウジング本体5Aの一端に、リテーナ5Bがボルト等の固定手段を用いて結合されている。
中間部4bの外周には一対の転がり軸受11、12が嵌め合わされている。転がり軸受11、12は、内輪11a、12aと、外輪11b、12bと、それらの間に配置される転動体としての多数のボール11c、12cとを備えた玉軸受である。より具体的には、転がり軸受11、12は、径方向荷重と一方向の軸線方向荷重とを負荷するアンギュラコンタクト玉軸受である。転がり軸受11、12の内輪11a、12aのそれぞれはタービン軸4上に嵌め合わされる。転がり軸受11はタービンロータ2に向かう方向の軸線方向荷重を負荷し、転がり軸受12はコンプレッサインペラ3に向かう方向の軸線方向荷重を負荷する向きでそれぞれ取り付けられている。具体的には、転がり軸受11、12の内輪11a、12aが後述する内輪スペーサ14に当接するように取り付けられ、外輪11b、12bは後述する外輪ホルダ20に対して軸方向及び径方向それぞれに隙間嵌め(ルーズに嵌合)されている。
転がり軸受11の内輪11a、12aの間には内輪スペーサとしてのスリーブ14が設けられている。転がり軸受11の内輪11aの軸線方向の外面は、タービン軸4の大径部4aと中間部4bとの間に形成された段差部13に当接している。一方、転がり軸受12の内輪12aの軸線方向の外面は、タービン軸4の小径部4cに嵌められたコンプレッサインペラ3の端面部15に当接している。タービン軸4の小径部4cにコンプレッサインペラ3を嵌め込むことにより、内輪11a、スリーブ14及び内輪12aが、タービン軸4の大径部4aと中間部4bとの間の段差部13及びコンプレッサインペラ3の端面部15の間に挟み込まれて軸線方向の定位置に拘束される。これにより、タービンロータ2、タービン軸4、内輪11a、スリーブ14、内輪12a、コンプレッサインペラ3は、タービン軸4の中心線CLの回りに一体回転可能な回転体アッセンブリ6として組み立てられる。
転がり軸受11、12のそれぞれの外輪11b、12bは、保持部材としての外輪ホルダ20に嵌め合わされている。その外輪ホルダ20は、軸受ハウジング5のハウジング本体5Aのホルダ収容部5aに嵌め合わされている。軸受ハウジング5のリテーナ5Bは、ホルダ収容部5aの開口端部(コンプレッサインペラ3側の端部)に取り付けられ、それにより、外輪ホルダ20は、タービン軸4の軸線方向に関して、軸受ハウジング5の突起部5bとリテーナ5Bとの間に保持される。なお、スリーブ14及び外輪ホルダ20のそれぞれは転がり軸受11、12とは別部品として構成されている。
外輪ホルダ20は、外輪11b、12bの外周に配置され、外輪11b、12bの外径面を保持する軸受取付け部22と、一対の転がり軸受11、12の外輪11b、12bの軸線方向の距離を一定に保持する外輪スペーサ部23とを一体化した構成である。外輪ホルダ20は、円筒形である。なお、ここで、「円筒形」とは、円筒面に凹部または凸部を有する円筒形を含むものとする。
外輪11b、12bは、外輪ホルダ20の軸受取付け部22の軸線方向端面22a、22bよりも軸線方向内側に後退するようにして外輪ホルダ20に嵌め合わされている。
外輪11b、12bの軸線方向外側には、外輪11b、12bをそれらの軸線方向外側から拘束する部材を設けていない。すなわち、外輪11b、12bは軸線方向外側へは非拘束の状態で外輪ホルダ20に嵌め合わされている。また、外輪11b、12bの間には、これらを軸線方向に押し出して予圧を付加するばね等の弾性部材は設けられていない。転がり軸受11、12を予圧なしで組み付けることにより、転がり軸受11、12の内部における摩擦損失を抑えることができる。
外輪ホルダ20の外径面には、油溝7が設けられている。また、外輪ホルダ20の外径面と軸受ハウジング5のハウジング本体5Aの内径面との間には微小な隙間25が設けられている。
軸受ハウジング5には、外輪ホルダ20の外径面の油溝7に対して潤滑油を供給する給油穴41が形成されている。この給油穴41を介して隙間25に潤滑油を供給することにより、隙間25が潤滑油で満たされて外輪ホルダ20と軸受ハウジング5との間にオイルフィルムダンパ8が形成される。このオイルフィルムダンパ8を介して外輪11b、12bが支持されるので、タービン軸4の振動がオイルフィルムダンパ8によって減衰される。
さらに、この発明では、外輪ホルダ20の軸受取付け部22の内面と外輪11b、12bの外面との間に油溝40を設け、この油溝40に外輪ホルダ20の軸受取付け部22の外径面から潤滑油を供給する給油穴41を設け、この給油穴41に供給される潤滑油によってオイルフィルムダンパ42を形成する隙間を外輪ホルダ20の軸受取付け部22の内面と外輪11b、12bの外面との間に設けている。油溝40は、外輪11b,12bの軸線方向に延びている。油溝40の溝幅(軸受取り付け部22の内面と外輪11b、12bの外面との間の寸法)は、給油穴41の穴径よりも小さい。給油穴41は、外輪11b、12bの外径面のうち軸線方向内側の端部と軸方向に重なっている。言い換えると、給油穴41は、転がり軸受11、12と外輪スペーサ部23との間の隙間と軸方向に重なっている。また、給油穴41は、油溝40と連通している。
したがって、この発明では、外輪ホルダ20の外径面と軸受ハウジング5のハウジング本体5Aの内径面との間の第1のオイルフィルムダンパ8以外に、外輪ホルダ20の軸受取付け部22と外輪11b、12bの間に第2のオイルフィルムダンパ42を設けているので、タービン軸4の振動の減衰効果を高めることができる。
前記第2のオイルフィルムダンパ42を形成する隙間は、図2に示すように、外輪ホルダ20の軸受取付け部22の内径面と外輪11b、12bの外径面との間のラジアル隙間43以外に、外輪ホルダ20の外輪スペーサ部23の軸方向の端面と外輪11b、12bの軸線方向の端面との間にアキシャル隙間44を含めることができる。ラジアル隙間43は、油溝41の溝幅よりも小さい。
そして、前記アキシャル隙間44を設けると、当該アキシャル隙間44から潤滑油が通過し、このアキシャル隙間44を通過した潤滑油を転がり軸受11、12の潤滑と冷却に使用できるので、この発明によると、内輪11a、12aに向かって潤滑油を噴射するオイルジェット孔を外輪ホルダ20に別途設ける必要がなくなる。
前記外輪ホルダ20の軸受取付け部22の内面と外輪11b、12bの外面との間に設ける油溝40は、研磨ぬすみよりも大きく設定されており、具体的には、油溝40の軸方向幅は軸受取付け部22の軸方向幅の30%〜40%としている。
また、前記オイルフィルムダンパ42を形成するラジアル隙間43とアキシャル隙間44の間隔は、20〜40μmである。
1 :ターボチャージャ
2 :タービンロータ
3 :コンプレッサインペラ
4 :タービン軸
4a :大径部
4b :中間部
4c :小径部
5 :軸受ハウジング
5A :ハウジング本体
5B :リテーナ
5a :ホルダ収容部
5b :突起部
6 :回転体アッセンブリ
7 :油溝
8 :オイルフィルムダンパ
10 :軸受装置
11、12 :転がり軸受
11a、12a :内輪
11b、12b :外輪
11c、12c :ボール
13 :段差部
14 :スリーブ
15 :端面部
20 :外輪ホルダ
22 :軸受取付け部
22a、22b :軸線方向端面
23 :外輪スペーサ部
25 :隙間
40 :油溝
41 :給油穴
42 :第2のオイルフィルムダンパ
43 :ラジアル隙間
44 :アキシャル隙間
CL :中心線

Claims (5)

  1. ターボチャージャの回転軸上に配置される一対の転がり軸受と、該一対の転がり軸受の外輪の外径面を保持する軸受取付け部を備える円筒形の外輪ホルダと、この外輪ホルダに設けられた前記一対の転がり軸受の前記外輪の軸線方向の距離を一定に保持する外輪スペーサ部と、前記外輪ホルダの外面に第1のオイルフィルムダンパを形成する隙間を介して設けられる軸受ハウジングと、前記一対の転がり軸受の内輪間に配置されて内輪間の軸線方向の距離を一定に保持する内輪スペーサとを備えるターボチャージャ用軸受装置において、
    前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と前記外輪の外面との間に油溝が設けられ、前記油溝に前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の外面から潤滑油を供給する給油穴が設けられ、前記給油穴に供給される潤滑油によって第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間が、前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と前記外輪の外面との間に設けられていることを特徴とするターボチャージャ用軸受装置。
  2. 前記第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間が、前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と前記外輪の外面との間のラジアル隙間であることを特徴とする請求項1記載のターボチャージャ用軸受装置。
  3. 前記第2のオイルフィルムダンパを形成する隙間が、前記外輪ホルダの前記軸受取付け部の内面と前記外輪の外面との間のラジアル隙間と、前記外輪ホルダの前記外輪スペーサ部の軸方向の端面と外輪の軸線方向の端面との間のアキシャル隙間であることを特徴とする請求項1記載のターボチャージャ用軸受装置。
  4. 前記油溝の軸方向幅が、前記軸受取付け部の軸方向幅の30%〜40%である請求項1〜3のいずれかの項に記載のターボチャージャ用軸受装置。
  5. 前記第2のオイルフィルムダンパを形成する前記隙間の間隔が20〜40μmである請求項1〜4のいずれかの項に記載のターボチャージャ用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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