JP2018123773A - 往復ピストン式気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】より優れた体積効率を有することにより、単位気体量当たりの消費エネルギが低減可能な往復ピストン式気体圧縮機を提供する。
【解決手段】往復ピストン式気体圧縮機は、シリンダと、シリンダに往復運動可能に挿入され、シリンダとともに圧縮室を形成するピストンと、圧縮室に気体を導入するための複数の導入孔を有する吸気ポートと、圧縮室で圧縮された気体を吐出するための吐出孔を有する吐出ポートと、を備える。複数の導入孔は、圧縮室内に設定された圧縮領域に向けて開口されている。
【選択図】図2

Description

本開示は、シリンダ内に挿入されたピストンを往復運動させて気体を圧縮する往復ピストン式気体圧縮機に関する。
シリンダ内に挿入されたピストンを往復運動させることにより、シリンダ及びピストンで形成された圧縮室で気体を圧縮する、いわゆる往復ピストン式気体圧縮機が知られている。この種の圧縮機では、ピストンが下降することで圧縮室に負圧を発生させ、当該負圧によって吸気ポートから圧縮対象となる気体を圧縮室に導入する吸気工程と、圧縮室に導入された気体をピストンを上昇させることで圧縮する圧縮工程と、が周期的に繰り返される。
特許文献1には往復ピストン式気体圧縮機の一例が開示されている。この文献の圧縮機は、シリンダ上方に、気体を圧縮室に導入するための吸気ポートと、圧縮された気体を圧縮室から吐出するための吐出ポートとが、シリンダ上方に隣接して設けられたレイアウトが開示されている。吸気ポートには、吸気導入側と圧力室とを連通する導入孔がシリンダ軸に平行に設けられている。
特開2007−051615号公報
圧縮機に対する基本的要求性能の一つとして、体積効率の向上がある。体積効率を向上させるためには、例えば、吸気工程終了時におけるシリンダ圧力の向上が有効である。しかしながら、上記特許文献1のような従来の往復ピストン式気体圧縮機では、吸気工程終了時におけるシリンダ内の圧力は、吸気時にシリンダ内で発生する負圧の大きさに依存するため、機械的限界があった。
また特許文献1のように、吸気ポートの導入孔がシリンダ軸に平行に設けられていると、導入孔から圧縮機に導入される気体が、圧縮室を構成するシリンダやピストンの内壁との衝突や摩擦によって、気体の運動エネルギが無駄になりやすく、ある程度のエネルギ損失が避けられない事情もある。このように従来の往復ピストン式気体圧縮機では、体積効率の向上に限界があり、単位気体量当たりの消費エネルギの低減にも限界があった。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、より優れた体積効率を有することにより、単位気体量当たりの消費エネルギが低減可能な往復ピストン式気体圧縮機を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る往復ピストン式気体圧縮機は上記課題を解決するために、シリンダと、前記シリンダに往復運動可能に挿入され、前記シリンダとともに圧縮室を形成するピストンと、前記圧縮室に気体を導入するための複数の導入孔を有する吸気ポートと、前記圧縮室で圧縮された前記気体を吐出するための吐出孔を有する吐出ポートと、を備え、前記複数の導入孔は前記圧縮室内に設定された圧縮領域に向けて開口されている。
上記(1)の構成によれば、吸気工程においてシリンダ内でピストンが下降することにより圧縮室で負圧が発生すると、圧縮室には複数の導入孔を介して圧縮対象となる気体が導入される。複数の導入孔は圧縮室内に設定された圧縮領域に向けて開口するため、各導入孔から導入される気体は、噴流として圧縮領域で互いに衝突する。すると、噴流が有する運動エネルギが圧力エネルギに変換され、気体の圧縮がなされる。このような噴流による衝突圧縮は、吸気工程終了時におけるシリンダ内圧を向上させる。これにより、従来の機械的限界を超えた圧縮が可能となり、より優れた体積効率を得ることができ、その結果、単位気体量当たりの消費エネルギが低減可能な往復ピストン式気体圧縮機を実現できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記複数の導入孔は前記圧縮領域を中心に同心状に配置されている。
上記(2)の構成によれば、複数の導入孔が圧縮領域を中心に同心状に配置されるため、吸気工程では、複数の導入孔からの噴流同士を圧縮領域にて局所的に衝突させることができる。これにより、圧縮領域では、より高度な衝突圧縮がなされ、より優れた体積効率が得られる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記複数の導入孔は、前記ピストンが上死点にある場合に、前記ピストンの頂面より前記圧縮室に対して露出せず、前記ピストンが上死点から下降した場合に、前記圧縮室に対して露出するように、前記シリンダの側面に開口する。
上記(3)の構成によれば、複数の導入孔はシリンダの側面に設けられる。吸気工程の開始時にピストンが上死点にある場合、これらの導入孔は圧縮室に対して露出せず、その後、ピストンがある程度下降した場合にはじめて圧縮室に対して露出するように構成されている。そのため、吸気工程の開始直後の時点では、複数の導入孔から気体は導入されず、密閉された圧縮室で負圧形成が促進される。そして、ピストンが更に下降して複数の導入孔が圧縮室に対して露出すると、それまでに形成された負圧によって、複数の導入孔から圧縮室に気体が導入される。このような気体導入は、それまでに蓄積された大きな負圧によってなされるため、勢いが強い噴流が形成される。このようにして、より大きな運動エネルギを有する噴流を形成することができるため、衝突圧縮が促進され、より優れた体積効率を有する往復ピストン式気体圧縮機を実現できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)から(3)のいずれか一構成において、前記圧縮領域は、前記ピストンが下死点にある場合に、前記ピストンの頂面より前記吐出孔寄りに設定されている。
上記(4)の構成によれば、吐出孔の近傍にて気体の衝突圧縮が行われるため、吐出ポートから吐出される気体の圧力が向上し、優れた体積効率が得られる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、前記圧縮領域は前記吐出孔を含むように設定されており、前記吐出孔は前記複数の導入孔から見て凹形状を有する。
上記(5)の構成によれば、圧縮領域に含まれる吐出孔が導入孔から見て凹形状(窪み形状)を有するため、複数の導入孔から噴出される噴流は吐出孔の凹形状内で互いに衝突する。そのため、衝突時に噴流が周囲に逃げず、効率よく衝突圧縮が行われる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)のいずれか一構成において、前記複数の導入孔は、前記圧縮領域に向かうように前記シリンダの側面に対して斜めに形成されている。
上記(6)の構成によれば、導入孔をシリンダの側面に斜めに形成することで、圧縮領域を圧縮室の様々な位置に柔軟にレイアウト設定できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)のいずれか一構成において、前記圧縮領域は、前記圧縮室の中心部から偏るように設定されている。
上記(7)の構成によれば、圧縮領域が圧縮室の中心部から偏るように設定されるため、圧縮室内には、複数の導入孔から導入される気体によって旋回流が形成される。圧縮領域で衝突圧縮された気体は、このような旋回流によって圧縮領域の全体に向けて分散され、圧縮室全体の圧力向上に貢献する。吸気工程の間、圧縮領域に対して複数の導入孔から新たな気体が継続的に供給されるが、上述のように、衝突圧縮によって圧力が上昇した気体は旋回流によって分散されるため、圧縮領域に気体が滞留しない。そのため、圧縮領域では新たな気体の衝突圧縮を継続的に行うことができ、より優れた体積効率が得られる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、より優れた体積効率を有することにより、単位気体量当たりの消費エネルギが低減可能な往復ピストン式気体圧縮機を提供できる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る往復ピストン式気体圧縮機の全体構成を示す断面図である。 図1の圧縮室近傍の拡大断面図である。 図1の往復ピストン式気体圧縮機の吸気工程における動作を工程毎に示す断面図である。 従来技術に係る往復ピストン式気体圧縮機の吸気工程における動作を工程毎に示す断面図である。 第1変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機の吸気工程における動作を工程毎に示す断面図である。 第2変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機の圧縮室近傍の拡大断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の少なくとも一実施形態に係る往復ピストン式気体圧縮機1の全体構成を示す断面図であり、図2は図1の圧縮室6近傍の拡大断面図である。
往復ピストン式気体圧縮機1は、シリンダ2と、シリンダ2に往復運動可能に挿入されたピストン4と、を備える。シリンダ2は略円筒形状の側面2aと一端側に設けられた頂面2bとを有する。シリンダ2の側面2a及び頂面2bは、シリンダ2の内側に挿入されたピストン4の頂面4aとともに圧縮室6を形成する。
シリンダ2の下側には、クランクケース8が接続されている。クランクケース8内には、クランク軸14が軸受15を介して回転可能に支持されている。クランク軸14は、クランクケース8の外側に設置された電動機10の駆動軸12に接続されており、電動機10によって回転可能に構成されている。クランク軸14はピストンロッド16を介してピストン4に接続されている。電動機10が駆動されると、駆動軸12の回転運動は往復運動に変換されてピストン4に伝達される。このようにして、シリンダ2内でピストン4が往復運動することにより、圧縮室6の容積が変化し、吸気工程と圧縮工程とが周期的に繰り返される。
往復ピストン式気体圧縮機1は、圧縮室6に気体を導入するための吸気ポート18を備える。吸気ポート18は、圧縮対象となる気体の取り込み先である外部に連通する吸気通路20(後述する第1の吸気通路20a及び第2の吸気通路20bの総称)と、吸気通路20に連通し、圧縮室6に気体を導入するための複数の導入孔22と、を備える。
本実施形態の吸気通路20は、外部に連通する第1の吸気通路20aと、第1の吸気通路20aから複数の導入孔22の各々に対してそれぞれ分岐する複数の第2の吸気通路20bと、を含んで構成される。そして第2の吸気通路20bの各々には、吸気通路20を流れる気体の逆流を抑制するための逆止吸入弁24がそれぞれ設けられている。逆止吸入弁24は、内外の差圧に基づいて開閉可能であり、吸気工程において圧縮室6の負圧が所定値以上になった場合に開くように構成されている。
尚、逆止吸入弁24に代えて、リード弁、ロータリ弁及びソレノイドバルブ等を用いてもよい。
複数の導入孔22は、圧縮室6内に設定された圧縮領域30に向けて開口している。本実施形態では、導入孔22はシリンダ軸C(図2)に垂直な水平方向に沿って開口している。吸気工程では、後述するように、シリンダ2内でピストン4が下降することにより生じる負圧によって、これら導入孔22を介して、圧縮室6に気体が導入される。各導入孔22は、圧縮領域30に向けて開口しているため、導入孔22から導入された気体は圧縮領域30に向けて噴出される。
また複数の導入孔22は、圧縮領域30を中心に同心状に配置されている。そのため、各導入孔22から噴出する気体は、図2に示されるように、噴流として圧縮領域30で局所的に互いに衝突する。すると、噴流が有する運動エネルギが圧力エネルギに変換され、気体の圧縮が行われる。このような噴流による衝突圧縮は、吸気工程終了時におけるシリンダ内圧の向上に貢献するため、往復ピストン式気体圧縮機1の体積効率改善に効果的であり、従って、消費エネルギ低減に効果的である。
図2では特に、圧縮領域30はシリンダ軸C上に設定されており、各導入孔22から圧縮領域30までの距離が互いに等しくなるように設定されている。そのため、複数の導入孔22から噴出される噴流は、圧縮領域30にて均等に衝突し、上述の衝突圧縮が効果的になされるように構成されている。
圧縮室6で圧縮された気体は、吐出ポート32を介して外部に吐出される。吐出ポート32は、圧縮室6に吐出孔34を介して連通する吐出室36と、吐出室36から外部に通じる吐出通路38と、を有する。吐出孔34の吐出室36側には、圧縮室6からの気体の逆流を抑制するための逆止吐出弁40が設けられている。逆止吐出弁40は、内外の差圧に基づいて開閉可能であり、圧縮工程において圧縮室6の圧力が所定値以上になった場合に開くように構成されている。
尚、逆止吐出弁40に代えて、リード弁、ロータリ弁及びソレノイドバルブ等を用いてもよい。
本実施形態では特に、吐出孔34はシリンダ2の頂面2bに設けられている。また圧縮領域30は、シリンダ2内のうち吐出孔34寄りに設定されている(より具体的には、図3に示されるように、圧縮領域30は、ピストン4が下死点にある場合に、ピストン4の頂面4aより吐出孔寄り34に設定されている)。これにより、吐出孔34近傍における圧力が複数の導入孔22からの噴流の衝突圧縮によって上昇し、吐出ポート32から高圧気体を効率的に取り出すことができるようになっている。
続いて上記構成を有する往復ピストン式気体圧縮機1の吸気工程における動作について詳しく説明する。図3は図1の往復ピストン式気体圧縮機1の吸気工程における動作を工程毎に示す断面図である。
尚、図3では理解を簡単にするために、図1及び図2に示される構成の一部が省略されている。
まず図3(a)は吸気工程の開始時点における初期状態を示している。初期状態において、ピストン4は上死点にあり、その後、シリンダ2内で下死点に向けて降下を開始する。ピストン4が降下すると、圧縮室6の容積が増加するに従って圧縮室6内の圧力が低下し、負圧が発生する。
ここで図3(a)のようにピストン4が上死点にある場合には、複数の導入孔22は、ピストン4の上面4aより下方に位置するため、複数の導入孔22は圧縮室6に対して露出しない。そのため、この時点では圧縮室6には複数の導入孔22から気体は導入されることなく、ピストン6が降下するに従って、密閉状態にある圧縮室6内で負圧の形成が促進される。
続いてピストン4が降下すると、図3(b)に示されるように、複数の導入孔22が圧縮室6に対して露出し、それまでに形成された負圧によって、複数の導入孔22から圧縮室6に気体が導入される。ここで複数の導入孔22が圧縮室6に対して露出した際に、上述したように、それまでに大きな負圧が形成されているため、複数の導入孔22から圧縮室6に導入される気体は、大きな内外差圧に基づいて勢いよく圧縮領域30に向けて吹き込む。このようにして、大きな運動エネルギを有する噴流が形成されるため、圧縮領域30では衝突圧縮が効果的になされる。その結果、圧縮領域30では、図3(b)に示されるように、その周囲の圧力(P=Pcy0)に比べて、局所的に圧力が高くなる(P=Pex1>Pcy0)。
そして、図3(c)に示されるように、圧力が高い領域が圧縮領域30から周囲に向けて広がる。図3(c)では、このような圧力が高い領域が広がる様子をわかりやすく示すために、圧縮領域30から広がった高圧領域を符号35で示している。高圧領域35の圧力Pex2は、図3(b)の圧縮領域6の圧力Pex1に比べて低いが、周辺領域の圧力Pcy0に比べて高い(すなわち、Pcy0<Pex2<Pex1)。そして吸気工程終了時にピストン4が下死点に到達すると、図3(d)に示されるように、圧縮室6の全域にわたって圧力が均等化され、最終的なシリンダ内圧Pcy1が得られる。
ここで比較例として、従来技術に係る往復ピストン式気体圧縮機1’の吸気工程における動作について説明する。図4は従来技術に係る往復ピストン式気体圧縮機1’の吸気工程における動作を工程毎に示す断面図である。
尚、図4の往復ピストン式気体圧縮機1’では、上述の往復ピストン式気体圧縮機1に対応する構成には共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
従来技術に係る往復ピストン式気体圧縮機1’は、シリンダ2の頂面2bに吸気ポート18を構成する導入孔22’が1つ設けられている。導入孔22’はシリンダ軸Cに対して平行に設けられている。吸気工程では、図4(a)に示されるように上死点にあるピストン4が下死点に向けて降下すると、圧縮室6に負圧が発生する。負圧が所定値より大きくなると、導入孔22’の外側(圧縮室6側)に設けられた逆止吸入弁24’が開口し、導入孔22’から圧縮対象である気体が圧縮室6に導入される。このとき気体は、図4(b)に示されるように、導入孔22’からシリンダ2の内壁に沿って流れた後、ピストン4の頂面4aの略中央近傍にて上方に巻き上がるように圧縮室6の内部を充填していく。
このような導入気体の流れは、図4(c)に示されるようにピストン4が降下する間、継続的に形成される。そして図4(d)に示されるように、吸気工程終了時にピストン4が下死点に到達すると、圧縮室6の内部は、最終的に圧力Pcy1’となる。ここで、図3(d)における圧縮室6の圧力Pcy1は、図4(d)における圧縮室6の圧力Pcy1’に比べて高くなる(すなわち、Pcy1>Pcy1’)。これは、図3では複数の導入孔22からの噴流が衝突することで気体の運動エネルギが圧力エネルギに変換されて、吸気工程終了時のシリンダ圧を上昇させる一方で、図4では導入孔22’から導入された気体はシリンダ2やピストン4の内壁に沿って流れることで、気体の運動エネルギが壁面との間で摩擦エネルギ、及び熱エネルギとして失われてしまい、圧力エネルギに寄与しにくいためである。
以上説明したように本実施形態では、吸気工程においてシリンダ2内でピストン4が下降することによって圧縮室6で負圧が発生すると、圧縮室6には複数の導入孔22を介して圧縮対象となる気体が導入される。複数の導入孔22は圧縮室6内に設定された圧縮領域30に向けて開口されているため、各導入孔22から導入される気体は、噴流として圧縮領域30で互いに衝突する。すると、噴流が有する運動エネルギが圧力エネルギに変換され、気体の圧縮がなされる。このような噴流による衝突圧縮は、吸気工程終了時におけるシリンダ内圧を向上させる。その結果、従来の機械的限界を超えた圧縮が可能となり、より優れた体積効率を有することにより、単位気体量当たりの消費エネルギが低減可能な往復ピストン式気体圧縮機1を実現できる。
(第1変形例)
続いて図5を参照して、第1変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機1’について説明する。図5は第1変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機1’の吸気工程における動作を工程毎に示す断面図である。
尚、第1変形例に係る以下の説明では、上述の往復ピストン式気体圧縮機1に対応する構成には共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
第1変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機1’では、シリンダ2の側面2aに設けられた複数の導入孔22が斜めに形成されている。複数の導入孔22の傾斜角度は、各導入孔22から噴出される噴流が、吐出孔34を含むように設定された圧縮領域30に向かうように設定されている。このように導入孔22を斜めに形成することで、圧縮領域30を圧縮室6内の任意の位置に設定することができ、柔軟なレイアウトが可能となる。
特に上述の図2のような水平方向に開口した導入孔22では、図5(b)のように吐出孔34を含むような位置に圧縮領域30を設定することが困難である。一方、第1変形例では、圧縮領域30を吐出孔34を含むように設定することで、更なる圧縮促進が可能である。すなわち、図5に示されるように、吐出孔34には下流側(吐出室36側)に逆止吐出弁40が配置されているため、導入孔22から見て凹形状(つまり窪み形状)を有している。そのため、複数の導入孔22から噴出される噴流同士は、吐出孔40の凹形状内で互いに衝突する。そのため、衝突時の噴流が周囲に逃げず、噴流の衝突によって効率よく気体の圧縮が可能となっている。
また第1変形例では、上述の実施形態に比べて複数の導入孔22をシリンダ2のより下方側に設けることで、吸気工程初期時(複数の導入孔22が圧縮室6に対して露出するまでの間)に、圧縮室6において、より大きな負圧を形成可能である。具体的に説明すると、図5(a)に示されるように、吸気工程の開始時においてピストン4が上死点にある場合には、複数の導入孔22はピストン4の頂面4aより下方に位置するため、複数の導入孔22は圧縮室6に対して露出しない。そのため、この時点では圧縮室6には複数の導入孔22から気体は導入されることなく、ピストン6が降下するに従って、密閉状態にある圧縮室6内で負圧の形成が促進される。
そして更にピストン4が下降して、図5(b)に示されるように、複数の導入孔22が圧縮室6に対して露出すると、それまでに形成された負圧によって、複数の導入孔22から圧縮室6に気体が導入される。ここで複数の導入孔22はシリンダ2のより下方に設けられているため、導入孔22による気体導入が開始されるまでに圧縮室6で形成される負圧は、より大きくなる(つまり導入孔22が露出するまでにかかる時間が長くなる分、負圧が大きくなる)。そのため、複数の導入孔22から圧縮室6に導入される気体は、大きな内外差圧に基づいて、より勢いよく圧縮領域30に向けて吹き込む。このようにして、より大きな運動エネルギを有する噴流が形成されるため、圧縮領域30における衝突圧縮が促進される。
圧縮領域30の圧力が高まり、所定の吐出圧力を上回ると、逆止吐出弁40が開作動し、圧縮気体が吐出する。
また、図5(c)に示されるように、更にピストン4が下降して下死点に到達すると、圧縮室6の内部は、最終的に圧力Pcy1’’となる。ここで図5(c)における圧縮室6の圧力Pcy1’’は、図3(d)における圧縮室6の圧力Pcy1に比べて高くなる(すなわち、Pcy1’’>Pcy1)。これは第1変形例では、複数の導入孔22から気体が噴出されるまでに圧縮室6に形成される負圧の大きさが大きくなるため、より効果的に衝突圧縮が行われるためである。
そして圧縮工程ではピストン4が下死点から上昇すると、やがて図5(d)に示されるように、複数の導入孔22がピストン4によって隠されることにより、図5(a)と同様に、圧縮室6に対して複数の導入孔22が露出しない状態となる。すると、圧縮室6がより確実な密閉状態となり、圧縮室6における気体圧縮が促進される。その結果、吐出孔34に設けられた逆止吐出弁40をより確実に開作動させることができる。
(第2変形例)
続いて第2変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機1’’について説明する。図6は第2変形例に係る往復ピストン式気体圧縮機1’’の内部構造を概略的に示す断面図である。
尚、第1変形例に係る以下の説明では、上述の往復ピストン式気体圧縮機1に対応する構成には共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
上述の実施形態(図2を参照)では、圧縮領域30は上述したように、シリンダ軸C上(圧縮室6の中心部)に設定されているが、本変形例のように、圧縮領域30は、圧縮室6の中心部から偏るように設定されていてもよい。図6の例では特に、圧縮領域30の中心がシリンダ軸Cに対して径方向に偏るように設定されている。この場合、圧縮室6内には、複数の導入孔22から導入される気体によって旋回流Rが形成される。圧縮領域30で衝突圧縮された高圧気体は、このような旋回流Rによって圧縮領域30の全体に向けて分散される。その結果、複数の導入孔22からの噴流が圧縮領域30に滞留することで気体の導入効率が悪化することが抑止されるため、圧縮室6に対してより効率的に気体を導入でき、良好な体積効率が得られる。
つまり吸気工程では、圧縮領域30に対して複数の導入孔22から新たな気体が継続的に供給されるが、上述のように、衝突圧縮によって圧力が上昇した気体は旋回流Rによって分散されるため、圧縮領域30が高圧な気体で飽和しない。そのため、圧縮領域30では新たな気体の衝突圧縮が継続的に行われ、その結果、上記作用をより効果的に享受できる。
(その他の変形例)
また上記実施形態では、複数の導入孔22はシリンダ2の側面2aに開口している場合を例示したが、シリンダ2の頂面2bや、ピストン4の頂面4aに開口するように形成されていてもよい。これらの場合も同様に、複数の導入孔22から噴出される噴流同士を圧縮領域30で衝突させることで、シリンダ内圧を向上することができる。
また上記実施形態では、吸気通路20がシリンダ軸Cに対して非対称な形状を有する場合を例示したが、これらはシリンダ軸Cに対して対称的な形状を有してもよい。この場合、複数の導入孔22からの噴流のばらつきを抑え、圧縮領域30にて噴流同士を均等に衝突させることで、より効果的に衝突圧縮を行うことができる。
また上記実施形態では、第1の吸気通路20aから第2の吸気通路20bが直接分岐するように構成されていているが、第1の吸気通路20aと第2の吸気通路20bとの間に、一時的に導入気体を貯留するための吸気室を設けてもよい。この場合、吸気室で静圧を形成することで、複数の導入孔22からの噴流のばらつきを抑え、圧縮領域30にて噴流同士を均等に衝突させることで、より効果的にシリンダ内圧の向上が期待できる。
また上記実施形態とは異なり、複数の導入孔22は、ピストン4が上死点にある場合(すなわち吸気工程の開始時点)に圧縮室6に対して露出するように構成されていてもよい。この場合、吸気工程でシリンダ2内でピストン4が下降しはじめると、圧縮室6に生じる負圧によって直ちに複数の導入孔22から圧縮室6への気体導入が開始される。これにより、吸気工程における圧縮室6への総導入量を多く確保することができ、より優れた体積効率が得られる。
本開示は、シリンダ内に挿入されたピストンを往復運動させて気体を圧縮する往復ピストン式気体圧縮機に利用可能である。
1 往復ピストン式気体圧縮機
2 シリンダ
4 ピストン
6 圧縮室
8 クランクケース
10 モータ
12 駆動軸
14 クランク軸
16 ピストンロッド
18 吸気ポート
20 吸気通路
22 導入孔
24 逆止吸気弁
30 圧縮領域
32 吐出ポート
34 吐出孔
36 吐出室
40 逆止吐出弁

Claims (7)

  1. シリンダと、
    前記シリンダに往復運動可能に挿入され、前記シリンダとともに圧縮室を形成するピストンと、
    前記圧縮室に気体を導入するための複数の導入孔を有する吸気ポートと、
    前記圧縮室で圧縮された前記気体を吐出するための吐出孔を有する吐出ポートと、
    を備え、
    前記複数の導入孔は前記圧縮室内に設定された圧縮領域に向けて開口されている、往復ピストン式気体圧縮機。
  2. 前記複数の導入孔は前記圧縮領域を中心に同心状に配置されている、請求項1に記載の往復ピストン式気体圧縮機。
  3. 前記複数の導入孔は、前記ピストンが上死点にある場合に、前記ピストンの頂面より前記圧縮室に対して露出せず、前記ピストンが上死点から下降した場合に、前記圧縮室に対して露出するように、前記シリンダの側面に開口する、請求項1又は2に記載の往復ピストン式気体圧縮機。
  4. 前記圧縮領域は、前記ピストンが下死点にある場合に、前記ピストンの頂面より前記吐出孔寄りに設定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の往復ピストン式気体圧縮機。
  5. 前記圧縮領域は前記吐出孔を含むように設定されており、
    前記吐出孔は前記複数の導入孔から見て凹形状を有する、請求項4に記載の往復ピストン式気体圧縮機。
  6. 前記複数の導入孔は、前記圧縮領域に向かうように前記シリンダの側面に対して斜めに形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の往復ピストン式気体圧縮機。
  7. 前記圧縮領域は、前記圧縮室の中心部から偏るように設定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の往復ピストン式気体圧縮機。
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