JP2018123573A - コンクリート部材の施工方法および型枠 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、コンクリートの表面に設置した発熱マットにより給熱するコンクリートの養生方法が開示されている。また、特許文献2には、型枠内に設けられた空間に過熱水蒸気を供給することで、コンクリート表面に給熱するコンクリートの養生方法が開示されている。さらに、特許文献3には、型枠の外面に添設された中空袋状のマットの内部に温水を循環させることで、コンクリート表面に給熱するコンクリートの養生方法が開示されている。
このような観点から、本発明は、コンクリートに対して簡易な設備によって任意の温度でムラなく給熱することができるコンクリート部材の施工方法および型枠を提案することを課題とする。
かかるコンクリート部材の施工方法によれば、塗布型電熱ヒータを利用しているため、コンクリート表面全体に対して、均一に給熱することができるとともに、任意の温度による給熱が可能である。そのため、コンクリート部材の施工を高品質に行うことができる。なお、給熱層は、型枠のせき板の表面または裏面に塗布型電熱ヒータを塗布することにより形成してもよいし、型枠のせき板の表面または裏面に塗布型電熱ヒータが塗布された部材(シートやパネル等)を配設することにより形成してもよい。
かかるコンクリート部材の施工方法によれば、コンクリートの表面全体を一様の温度にすることができる。そのため、コンクリート部材の施工を高品質に行うことができる。
かかる型枠によれば、給熱層によってせき板の温度をムラなく全体的に一様の温度にすることができるため、コンクリートの加熱養生を効率的に行うことができ、ひいては、より高品質なコンクリート部材の施工が可能となる。また、型枠は簡易な構造なため、必要最小限なスペースによって施工を行うことができる。
第一の実施形態では、図1(a)に示すように、給熱層3を有する型枠1を利用することで、コンクリートCの内部温度と表面温度との温度差を低減し、ひいては、温度ひび割れが生じることを抑制する場合について説明する。
本実施形態では、せき板2の表面(コンクリート側の面)に給熱層3が形成された型枠1を利用する。せき板2は、いわゆる合板により形成されている。なお、せき板2を構成する材料は限定されるものではなく、例えば金属板や、合板以外の木質板であってもよい。なお、せき板2として金属板を使用する場合には、せき板2と給熱層3との間に絶縁層を設ける。
養生工程では、電極4,4に通電することで、給熱層(塗布型電熱ヒータ)3の温度を上昇させて、コンクリートCの表面に給熱する。なお、打設工程では、型枠1内に打ち込んだコンクリートCを、必要に応じて締め固めてもよい。
第二の実施形態では、コンクリートCの内部温度と表面温度との温度差を低減することで、高品質なコンクリート部材を形成するコンクリート部材の施工方法について説明する。
本実施形態に係るコンクリート部材の施工方法では、まず、コンクリート部材の形状に応じて型枠1を組み立てる(型枠組立工程)。次に、図2(a)に示すように、型枠1内にコンクリートCを打ち込む(打設工程)。なお、打設工程では、型枠1内に打ち込んだコンクリートCを、必要に応じて締め固めてもよい。コンクリートCに所定の強度が発現したら、型枠1を脱型する(脱型工程)。型枠1を脱型したら、図2(b)に示すように、コンクリートCの表面に塗布型電熱ヒータを塗布して給熱層3を形成する。塗布型電熱ヒータは、ローラー等を利用して、ムラなく塗布する。なお、給熱層3は、塗布型電熱ヒータが塗布されたパネルまたはシートをコンクリートCの表面に添設(貼設)することにより形成してもよい。塗布型電熱ヒータの塗布に伴い、コンクリートCの所定の位置に電極4(図1(b)参照)を固定する。また、本実施形態では、給熱層3の外面(コンクリートCと反対側の面)に断熱材を設置して断熱層5を形成しておく。なお、断熱材を構成する材料は限定されるものではない。例えば、発泡ウレタンのような材料を吹き付けることで断熱層を長期にわたって残置しておくこともできる。また、断熱層5は必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。本実施形態では、給熱層3の外面(給熱層3と断熱層5との間)に漏電防止用の絶縁層6を設ける。絶縁層6は、絶縁塗料を塗布または吹き付けることにより形成してもよいし、絶縁材料からなるシート材やパネルを設置することにより形成してもよい。給熱層3を形成したら、電極4,4に通電することで、コンクリートCの内部温度に応じて給熱層(塗布型電熱ヒータ)3の温度を上昇させてコンクリートCの表面に給熱しつつ、コンクリートCの養生を行う(養生工程)。
第三の実施形態では、図4に示すように、給熱層3を有する型枠1を利用することで、コンクリートCの内部温度と表面温度との温度差を低減し、ひいては、温度ひび割れが生じることを抑制する場合について説明する。
本実施形態では、せき板2の裏面(コンクリートCと反対側の面)に給熱層3が形成された型枠1を利用する。せき板2は、いわゆる合板により形成されている。なお、せき板2を構成する材料は限定されるものではなく、例えば金属板や、合板以外の木質板であってもよい。なお、せき板2として金属板を使用する場合には、せき板2と給熱層3との間に絶縁層を設ける。
養生工程では、電極4,4に通電することで、給熱層(塗布型電熱ヒータ)3の温度を上昇させて、せき板2を介してコンクリートCの表面に給熱する。なお、打設工程では、型枠1内に打ち込んだコンクリートCを、必要に応じて締め固めてもよい。
コンクリート部材の施工方法および型枠を採用可能なコンクリートの種類は限定されるものではなく、例えば、超高強度繊維補強コンクリート部材等の施工に使用してもよい。なお、超高強度繊維補強コンクリートは、高温養生が必要なため、温度管理がしにくい現場施工には不向きであったが、本発明のコンクリート部材の施工方法および型枠によれば、養生時の温度管理が容易になるため、現地状況に関わらず、所望の温度による超高強度コンクリートの養生(高温養生)が可能となる。
2 せき板
3 給熱層(塗布型電熱ヒータ)
4 電極
5 断熱層
Claims (5)
- 型枠を組み立てる型枠組立工程と、
前記型枠内にコンクリートを打ち込む打設工程と、
前記コンクリートを養生する養生工程と、を備えるコンクリート部材の施工方法であって、
前記型枠に塗布型電熱ヒータからなる給熱層が形成されており、
前記養生工程では、前記塗布型電熱ヒータにより前記コンクリートに給熱することを特徴とする、コンクリート部材の施工方法。 - 型枠を組み立てる型枠組立工程と、
前記型枠内にコンクリートを打ち込む打設工程と、
前記型枠を脱型する脱型工程と、
前記コンクリートを養生する養生工程と、を備えるコンクリート部材の施工方法であって、
前記養生工程では、前記コンクリートの表面に塗布された塗布型電熱ヒータにより前記コンクリートに給熱することを特徴とする、コンクリート部材の施工方法。 - 型枠を組み立てる型枠組立工程と、
前記型枠内にコンクリートを打ち込む打設工程と、
前記型枠を脱型する脱型工程と、
前記コンクリートを養生する養生工程と、を備えるコンクリート部材の施工方法であって、
前記養生工程では、前記コンクリートの表面に添設されたパネルまたはシートに塗布された塗布型電熱ヒータにより前記コンクリートに給熱することを特徴とする、コンクリート部材の施工方法。 - せき板と、前記せき板の表面に形成された塗布型電熱ヒータからなる給熱層と、を備えていることを特徴とする、型枠。
- せき板と、前記せき板の背面に形成された塗布型電熱ヒータからなる給熱層と、を備えていることを特徴とする、型枠。
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