JP2018123355A - 電気防食工法、コンクリート構造物およびコンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

電気防食工法、コンクリート構造物およびコンクリート構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】陽極材を含む電気防食装置の耐久性を低下させることなく、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性を低減することができる電気防食工法を提供する。
【解決手段】本発明の電気防食工法は、鋼材が埋設されたコンクリート構造体に複数の線状陽極材を設置する工程と、上記コンクリート構造体に複数の棒状陽極材を設置する工程と、を備える電気防食工法であって、線状陽極材および棒状陽極材は複数の棒状陽極材の表面積の和が複数の線状陽極材の表面積の和以上になるように設置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気防食工法、コンクリート構造物およびコンクリート構造物の製造方法に関する。
コンクリート構造体には、経時的劣化による内部空隙や表面亀裂が生じることがある。コンクリート構造体内に鉄筋、鉄骨やPC鋼材などの鋼材が埋設されている場合、内部空隙や表面亀裂を通じて、外部から水や塩化物が侵入して塩化物イオンによって鋼材に腐食部が発生する、いわゆる塩害が生じることがある。
塩害を抑制する方法として、コンクリート構造体に陽極材を設置し、鋼材を陰極として、外部電源から継続的に防食電流を鋼材に流す外部電源方式の電気防食法が知られている。外部電源方式の電気防食法は、電源から鋼材に防食電流を流入させて、鋼材の腐食部と健全部との表面電位差が小さくなるように鋼材を卑に分極させることにより、鋼材の腐食に関係する陽極反応の進行を遅延させて、鋼材の腐食速度を低下させるものである。
しかし、コンクリート構造体は、鋼材が内部領域に多段に配置されているものが多く、かつ、構造上陽極材が設置できる部分に制約がある。このため、同一のコンクリート構造体内に埋設された鋼材であっても、陽極材と鋼材との位置関係によって、鋼材の表面に流入する防食電流の電流密度にばらつきが生じ、分極量が防食基準値に達しない鋼材が生じる可能性がある。例えば、コンクリート構造体が橋梁床版である場合、下面にしか陽極材を設置できず、下面近傍の鋼材表面に流入する防食電流の電流密度よりも、下面から離間する路面側の鋼材表面に流入する防食電流の電流密度が小さくなる。この結果、鋼材間において鋼材表面に流入する防食電流の電流密度のばらつきが生じ、分極量が防食基準値に達しない鋼材が発生する可能性がある。
また、コンクリート構造体は内部領域の塩化物イオンの濃度分布が偏っており、鋼材位置によって鋼材の腐食環境が異なる場合がある。例えば、構造物の表面側の領域は、外部からの塩の浸透の影響によって、内側領域よりも塩化物イオン濃度が高くなる傾向がある。このような腐食環境の相違も鋼材間において鋼材表面に供給される防食電流の電流密度のばらつきを生じ、分極量が防食基準値に達していない鋼材が発生する原因となる。
従って、腐食環境の相違に応じて鋼材に最適な防食電流を供給するために、特許文献1には、表面側領域に配置された表面側鋼材と、表面側鋼材よりも内側に配置される内側鋼材とを有するコンクリート構造物において、表面側鋼材を含む電気防食回路と、内側鋼材を含む電気防食回路とを別々に形成することが提案されている。
特開2015−145524号公報
しかし、表面側鋼材と内側鋼材とは、鉄筋や鉄骨などのコンクリート構造体の骨組みとして、一部を相互に接続させて組み上げられている場合が多いため、コンクリート構造体内で電気的に接続された状態にある場合が多い。このため、上述のように電気防食回路を別々に形成したとしても、電気防食回路として電気的に接続されている鋼材ではなく、陽極材に近接する鋼材側に防食電流が流れ込みやすくなるため、依然として分極量が低い鋼材が発生しやすい。
上記の場合、すべての鋼材の分極量が防食基準を満たすように、分極量が低い鋼材に合わせて防食電流の供給量を増加させることも考えられる。しかし、この場合には防食電流が供給されやすい位置にある鋼材に過防食状態が生じるため、陽極材を含む電気防食装置への負荷が増大し、電気防食装置の耐久性が低下するおそれがある。
一方、上述のようにコンクリート構造体内の塩化物イオン濃度分布には偏りがあるが、この偏りは、コンクリート構造体内の位置だけでなく、コンクリート構造体の設置環境や用途などによっても変動する。例えば、コンクリート構造体が橋梁床版である場合、凍結防止剤として塩化カルシウムをコンクリート構造体の路面に散布することがある。このため、コンクリート構造体が橋梁床版である場合、路面側の部分のほうが路面に対向する下面側の部分よりも塩化物イオン濃度が高く、腐食速度が速い。そして、上述のように、橋梁床版には下面にしか陽極材を設置できないことが多く、このような塩化物イオン濃度分布の偏りは、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達していない鋼材が発生する可能性を増加させる要因となる。
そこで、本発明は、陽極材を含む電気防食装置の耐久性を低下させることなく、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性を低減することができる電気防食工法、コンクリート構造物およびコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の実施形態に係る電気防食工法は、鋼材が埋設されたコンクリート構造体であって、対象面を含む外表面と、前記外表面に囲まれた内部領域と、前記内部領域に埋設された第1の鋼材と、前記内部領域に埋設された第2の鋼材であって、前記第2の鋼材と前記対象面との距離が前記第1の鋼材と前記対象面との距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材と、を備えるコンクリート構造体に、前記対象面に沿って長手方向が延びるように複数の線状陽極材を設置する線状陽極材設置工程と、前記コンクリート構造体に、長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びるように複数の棒状陽極材を設置する棒状陽極材設置工程と、を備える電気防食工法であって、前記第1の鋼材と前記複数の線状陽極材とは、第1の外部電源に電気的に接続されており、前記第2の鋼材と前記複数の棒状陽極材とは、第2の外部電源に電気的に接続されており、前記複数の棒状陽極材の表面積の和が前記複数の線状陽極材の表面積の和以上になるように、前記線状陽極材および前記棒状陽極材を設置するものである。
(2)本発明の実施形態に係る電気防食工法は、上記(1)記載の電気防食工法であって、前記棒状陽極材設置工程は、前記複数の線状陽極材に挟まれた領域において、前記対象面に前記複数の挿入孔を形成する工程と、前記挿入孔に前記棒状陽極材を挿し入れる工程と、を含むものであってもよい。
(3)本発明の実施形態に係る電気防食工法は、上記(1)または(2)に記載の電気防食工法であって、前記棒状陽極材設置工程において、前記内部領域側の端部と前記外表面側の端部とを含み、前記内部領域側の端部と前記第2の鋼材の距離が前記内部領域側の端部と前記第1の鋼材の距離よりも短くなるように、前記棒状陽極材を設置するものであってもよい。
(4)本発明の実施形態に係る電気防食工法は、上記(1)から(3)のいずれか一つに記載の電気防食工法であって、前記棒状陽極材設置工程において、前記複数の棒状陽極材を横切る断面において前記複数の棒状陽極材が千鳥状に配列するように、前記棒状陽極材を設置するものであってもよい。
(5)本発明の実施形態に係るコンクリート構造物は、鋼材が埋設されたコンクリート構造物であって、対象面を含む外表面と、前記外表面に囲まれた内部領域と、前記内部領域に埋設された第1の鋼材と、前記内部領域に埋設された第2の鋼材であって、前記第2の鋼材と前記対象面との距離が前記第1の鋼材と前記対象面との距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材と、長手方向が前記対象面に沿って延びる複数の線状陽極材と、長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びる複数の棒状陽極材と、前記第1の鋼材と前記複数の線状陽極材とに電気的に接続される第1の外部電源と、前記第2の鋼材と前記複数の棒状陽極材とに電気的に接続される第2の外部電源と、を備え、前記線状陽極材と前記棒状陽極材は、前記複数の棒状陽極材の表面積の和は前記複数の線状陽極材の表面積の和以上となるように設けられている。
(6)本発明の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法は、鋼材が埋設されたコンクリート構造体であって、対象面を含む外表面と、前記外表面に囲まれた内部領域と、前記内部領域に埋設された第1の鋼材と、前記内部領域に埋設された第2の鋼材であって、前記第2の鋼材と前記対象面との距離が前記第1の鋼材と前記対象面との距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材と、を備えるコンクリート構造体に、前記対象面に沿って長手方向が延びるように複数の線状陽極材を設置する線状陽極材設置工程と、前記コンクリート構造体に、長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びるように複数の棒状陽極材を設置する棒状陽極材設置工程と、を備えるコンクリート構造物の製造方法であって、前記第1の鋼材と前記複数の線状陽極材とは、第1の外部電源に電気的に接続され、前記第2の鋼材と前記複数の棒状陽極材とは、第2の外部電源に電気的に接続され、前記複数の棒状陽極材の表面積の和が前記複数の線状陽極材の表面積の和以上になるように、前記線状陽極材および前記棒状陽極材を設置するものである。
本発明は、各陽極材を含む電気防食装置の耐久性を著しく低下させることなく、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材が発生する可能性を低減することができる。
本発明の実施形態に係る電気防食工法を模式的に示す工程説明図である。 (a)は本発明の実施形態に係る電気防食工法に使用する棒状陽極材を説明する模式図であり、(b)は本発明の実施形態に係る電気防食工法に使用する線状陽極材を説明する模式図である。 本発明の実施形態に係る電気防食工法コンクリート構造物の底面図である。 図3のA−A’断面における断面図である。 図3のB−B’断面における断面図である。 本発明の実施例2に係るコンクリート構造物の底面図である。 図6のC−C’断面における断面図である。 図6のD−D’断面における断面図である。 本発明の実施例1に係るコンクリート構造体の各鉄筋表面に流入する防食電流の電流密度のばらつきを示すグラフである。 本発明の実施例2に係るコンクリート構造体の各鉄筋表面に流入する防食電流の電流密度のばらつきを示すグラフである。 本発明の比較例1に係るコンクリート構造体の各鉄筋表面に流入する防食電流の電流密度のばらつきを示すグラフである。 本発明の比較例2に係るコンクリート構造体の各鉄筋表面に流入する防食電流の電流密度のばらつきを示すグラフである。 本発明の比較例3に係るコンクリート構造体の各鉄筋表面に流入する防食電流の電流密度のばらつきを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電気防食工法が適用されるコンクリート構造体の底面図である。 図14の断面Eにおける断面図である。 図14の断面Fにおける断面図である。
本発明は、コンクリート構造体100の塩害を抑制するための電気防食工法に関するものである。本発明の電気防食工法はコンクリート構造体100に電気防食装置を設置する工法であり、本発明の電気防食工法を実施すると、コンクリート構造体100とコンクリート構造体100に設置された電気防食装置とを含むコンクリート構造物300が製造される。なお、本発明の電気防食工法が適用されるコンクリート構造体100は、塩害による劣化進行前のコンクリート構造体および劣化進行後のコンクリート構造体のいずれをも含むものとする。また、本発明においてコンクリートとは、コンクリートのみならず、セメントおよびモルタルをも含む概念として用いる。鋼材は、鉄筋、鉄骨およびPC鋼材を含む公知のコンクリート構造用鋼材であり、コンクリート補強鋼材やプレストレストコンクリート用の緊張材を含む概念として用いる。コンクリート構造体100としては、橋梁床版、橋桁、柱、梁などの鉄筋コンクリート構造体が例示される。
図1、図3から図5および図14から図16を参照して、本発明の実施形態に係る電気防食工法について説明する。図1は本実施形態の電気防食工法を模式的に示す工程説明図であり、図3から図5は本実施形態の電気防食工法をコンクリート構造体100に施工して得られるコンクリート構造物300を模式的に示す図であり、図3はコンクリート構造物300の底面図、図4は図3のA−A’断面における断面図、図5は図3のB−B’断面における断面図である。なお、図3から図5において、第1の外部電源Xと第2の外部電源Yとは図示を省略している。図14から図16は本発明の実施形態に係る電気防食工法が適用されるコンクリート構造体100を示す図であり、図14は斜視図、図15は図14の断面Eにおける断面図、図16は図14の断面Fにおける断面図である。
本発明の実施形態に係る電気防食工法は、このようなコンクリート構造体100に点状陽極方式と線状陽極方式を併用した電気防食を行う工法である。なお、点状陽極方式は、長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びるように、棒状陽極材をコンクリート構造体100に設置するものである。また、線状陽極方式は、長手方向がコンクリート構造体100の外表面100Sに沿って延びるように、細長帯状の線状陽極材をコンクリート構造体100に設置するものである。
図1(a)および図14から図16に示すように、コンクリート構造体100は、対象面を含む外表面100Sと、外表面100Sに囲まれた内部領域100iとを含み、内部領域100iに複数の鋼材1〜19が埋設されたものである。コンクリート構造体100は、外表面100Sが上面100U、底面100Bおよび側面100Lを含む。本実施形態においては、対象面を底面100Bとして説明する。なお、本発明において、上面100Uと上面100Uに対向する底面100Bとを貫通する方向を厚み方向という。本発明において、側面視とは、対象面を基準として側面側から見ることをいう。
本実施形態では、図3から図5に示すように、コンクリート構造体100の底面100Bに3本の線状陽極材211a〜211cと16本の棒状陽極材231a〜231iとを設置して、鋼材1から19の電気防食を行う。鋼材1〜19は、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16および横締め鋼材17,18,19を含んでいる。図示のように、鋼材1〜19は、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と底面100Bとの距離が、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と底面100Bとの距離よりも長くなるように配置されている。すなわち、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16とは、上面100Uから底面100Bに向かう厚み方向において多段に配置され、図においては二段に配置されている。
本実施形態では、コンクリート構造体100は、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16とを連結する連結鋼材をさらに含んでもよい。この場合、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16とはコンクリート構造体100の内部領域100iで電気的に接続されていることになる。
例えば、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11は、コンクリート構造体100の底面100Bから3cm以上10cm以下、好ましくは7cm以上10cm以下の領域に埋設されている。また、例えば、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16は、コンクリート構造体100の上面100Uから3cm以上10cm以下、好ましくは7cm以上10cm以下の領域に埋設されている。
コンクリート構造体100には、設置環境や用途などにより内部領域100iに塩化物イオンが含まれ、または、含まれる可能性があり、その濃度分布には偏りが生じる。本実施形態のコンクリート構造体100は、コンクリート構造体100における第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16が埋設された領域の塩化物イオン濃度のほうが、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11が埋設された領域の塩化物イオン濃度よりも大きい、または、大きくなる可能性があるものである。すなわち、コンクリート構造体100における第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16が埋設された領域と、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11が埋設された領域とは腐食環境が異なる、または、異なるように経時的に変化する可能性がある。
本実施形態の電気防食工法は、図1(b)に示すように、図1(a)に示すコンクリート構造体100の底面100Bに沿って、長手方向が延びるように複数の線状陽極材211a,211b,211cを設置する線状陽極材設置工程を備える。なお、複数の線状陽極材211a,211b,211cは、図示のように帯幅方向がコンクリート構造体100の底面100Bに沿って設置されてもよいし、帯幅方向がコンクリート構造体100の上面100Uから底面100Bに向かう厚み方向に沿って設置されてもよい。線状陽極材211a,211b,211cの設置は、カッター等で切削して底面100Bに複数の長溝を形成し、各長溝のそれぞれの内側に線状陽極材211a,211b,211cのそれぞれを挿入し、上記長溝内にセメント系固化材を含む充填材を充填固化させることで行うことができる。この場合、コンクリート構造体100からの線状陽極材211a,211b,211cの落下や位置ずれを抑制するために、線状陽極材211a,211b,211cを各長溝内に固定具を用いて仮止めした後に充填材を充填してもよい。また、線状陽極材211a,211b,211cの設置は、固定具によって線状陽極材211a,211b,211cをコンクリート構造体100の底面100Bに直接固着することで行ってもよい。
なお、複数の線状陽極材211a,211b,211cは、長手方向がコンクリート構造体100の第1の鋼材1,2,3の長手方向に沿うように設置する。前記長溝の深さは、コンクリート構造体100の底面100Bから長溝の底部までの距離が、線状陽極材211a〜211cの厚みよりも深くになるように形成される。例えば、通常鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは30mm程度であるから、コンクリート構造体100の底面100Bからの長溝の底部までの深さは15mm以上25mm以下程度である。
図2(b)に示すように、線状陽極材211a,211b,211cは少なくとも表面が金属または金属化合物で形成される細長帯状体である。線状陽極材211a,211b,211cとしては、チタン等の不溶性金属で形成された金属リボンメッシュ陽極材、金属グリット式陽極材、金属トレイ式陽極材、ニッケル被覆炭素繊維式陽極材などの公知の細長帯状陽極材を用いることができる。
本実施形態の電気防食工法は、図1(c)に示すように、コンクリート構造体100に、外表面100Sから内部領域100iに向かって長手方向が延びるように棒状陽極材231a〜231pを複数設置する棒状陽極材設置工程を備える。棒状陽極材231a〜231pの設置は、コンクリート構造体100の外表面100Sに穿孔して挿入孔を形成し、挿入孔のそれぞれに棒状陽極材231a〜231pを挿し入れることで行ってもよい。図3〜5に示す例では、コンクリート構造体100への穿孔は底面100Bから行い、挿入孔が貫通しない程度に、底面100Bから上面100U近傍に至る深さで形成する。なお、棒状陽極材231a〜231pは、棒状陽極材231a〜231pを挿入する前後の少なくとも一方において、セメント系固化材を含む充填材を挿入孔内に充填し、棒状陽極材231a〜231pが挿入された状態で充填材を固化させることで挿入孔内に固着することができる。
ここで、線状陽極材211a,211b,211cおよび棒状陽極材231a〜231pは、コンクリート構造体100中の複数の棒状陽極材231a〜231pの表面積の和が複数の線状陽極材211a,211b,211cの表面積の和以上になるように設置する。これにより、対象面から遠い第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16にも防食電流を供給しやすくなる。従って、本実施形態の電気防食工法は、鋼材間の電気防食効果のばらつきが少なくなるように電気防食を行うことができる。また、実施形態に係るコンクリート構造物300は、コンクリート構造物300内における塩化物イオン濃度分布の偏りなどの腐食環境の相違にも対応して鋼材間の電気防食効果のばらつきが一層少なくなるように電気防食を行うことができる。また、本実施形態の電気防食工法は、分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性を低減することができる。分極量が防食基準値に達していれば、鉄筋は防食状態にあると判定される。分極量(ΔE)とは、コンクリート構造体100中の各鋼材1〜19の近傍に設置した照合電極により、防食電流を流さないときの自然電位(Ecor)と、防食電流を流し、防食電流の通電を停止した直後のインスタントオフ電位(Eins)との電位変化量として求められるものであり、分極量が防食基準値(100mV)以上であれば各鋼材1〜19が防食状態にあると判定される。
なお、本発明において、線状陽極材211a,211b,211cの表面積とは、図2(b)の斜線を施した線状陽極材211a,211b,211cの一主面212の表面積をいう。そして、棒状陽極材231a〜231pの表面積とは、図2(a)の斜線を施した棒状陽極材231a〜231pの外表面232の面積をいう。但し、線状陽極材211a,211b,211cの表面積および棒状陽極材231a〜231pの表面積は、陽極材として機能する部分の表面積であり、陽極材として機能しない部分が外表面に存在する場合には、上記陽極材として機能しない部分の表面積は除かれる。例えば、陽極材として機能しない部分とは陽極材表面に設けられた開口部や空隙である。
なお、図2に示すように、棒状陽極材231a〜231pには、線状陽極材211a,211b,211cと同一の陽極材料からなる細長帯状体を棒状体の周囲に巻回させて固着したものを用いてもよい。これによれば、線状陽極材211a,211b,211cおよび棒状陽極材231a〜231pの表面積の面積比を正確に計測することができ、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性をより一層低減することができる。
複数の棒状陽極材231a〜231pは、コンクリート構造体100に任意の配列で設置することができる。例えば、図3に示すように、複数の棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pを横切るコンクリート構造体100の断面において千鳥状に配列されてもよい。この場合、図4および図5に示すコンクリート構造体100の側面視において、隣り合った棒状陽極材231a〜231pが重複しないようにずれて配列される。これにより、複数の棒状陽極材231a〜231pから第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16に、より均一に防食電流を供給することができる。したがって、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材が発生する可能性をより一層低減することができる。
また、図6から図8に示すように、複数の棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pを横切るコンクリート構造体100の断面において、隣接する各棒状陽極材231a〜231pの端部同士を結ぶ仮想線が格子状になるように配列されてもよい。この場合、図7および図8に示すコンクリート構造体100の側面視において、隣り合った棒状陽極材231a〜231pが重複して配列される。なお、図6から図8において、第1の外部電源Xと第2の外部電源Yとは図示を省略している。
棒状陽極材設置工程において、挿入孔はコンクリート構造体100を貫通しないように対象面に穿孔されたものであってもよい。この場合、複数の挿入孔は、対象面において複数の線状陽極材211a,211b,211cに挟まれた領域に形成することができる。したがって、図3〜図8に示すように、棒状陽極材231a〜231pは底面100Bから上面100Uに向かって挿入され、棒状陽極材231a〜231pの底面100B側の端部が底面100Bにおいて複数の線状陽極材211a,211b,211cに挟まれた領域に位置するように、棒状陽極材231a〜231pを設置する。すなわち、棒状陽極材231a〜231pの対象面側の端部が対象面において複数の線状陽極材211a,211b,211cに挟まれた領域に位置するように、棒状陽極材231a〜231pを設置する。これによれば、陽極材を設置できる対象面が制限され、陽極材を設置できる対象面から遠いために防食電流が供給されにくく、または腐食環境が悪いおそれがある第2の鋼材側への防食電流の供給量を増加させることができる。
図示はしないが、挿入孔は、上面100Uから底面100Bに向かって、コンクリート構造体100を貫通しないように穿孔されてもよい。この場合は、棒状陽極材231a〜231pは上面100Uから底面100Bに向かって挿入されることになる。また、図示はしないが、挿入孔はコンクリート構造体100を貫通しないように側面100Lに穿孔されてもよい。この場合は、棒状陽極材231a〜231pは一方の側面から他方の側面に向かって挿入されることになる。
棒状陽極材設置工程において、長手方向において内部領域100i側の端部と外表面100S側の端部とを含み、内部領域100i側の端部と第2の鋼材12の距離が内部領域側の端部と第1の鋼材7の距離よりも短くなるように、棒状陽極材231aを設置するものであってもよい。棒状陽極材231b〜231pに関しても図示するように同様である。これによれば、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16への防食電流の供給量を増加させることができる。
図2(a)に示すように、棒状陽極材231a〜231pは、少なくとも外表面232が金属または金属化合物で形成された棒状体である。棒状陽極材231a〜231pとしては、チタン等の不溶性金属で形成された金属リボンメッシュ線状陽極材や金属メッシュ面状陽極材を棒状体に巻回して固着させた金属メッシュ棒状陽極材や、金属ロッド状陽極材などを用いることができる。内部領域100iにおいて、棒状陽極材231a〜231pは、線状陽極材211a〜211cに対して短絡しない程度の間隔を置いて、電気的に分離された状態となるように埋設される。
本実施形態の電気防食工法は、図1(d)に示すように、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と複数の線状陽極材211a,211b,211cとを第1の外部電源Xに電気的に接続し、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と複数の棒状陽極材231a〜231pとを第2の外部電源Yに電気的に接続する接続工程を備える。具体的には、電気的な接続は導線を用いて接続することによって行うことができる。なお、図示を簡略化するために、図1(d)においては、一部の電気的接続に関してのみ模式的に図示し、他部の電気的接続に関しては図示を省略している。第1の外部電源Xと第2の外部電源Yとは各鋼材1〜19に直流電流を供給するものである。第1の外部電源Xと第2の外部電源Yとは、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16とに別々の防食電流の電流量で電流を供給できるものであれば、別体で形成されたものでも一体形成されたものでも構わない。これにより、コンクリート構造体100のコンクリートを介して、第1の外部電源Xによって、複数の線状陽極材211a,211b,211cから第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11の表面へ防食電流が流入する。同様に、第2の外部電源Yによって、複数の棒状陽極材231a〜231pから第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16の表面へ防食電流が流入する。本実施形態の電気防食工法は、この後、第1の外部電源Xから第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と複数の線状陽極材211a,211b,211cに第1の防食電流値の防食電流を流し、第2の外部電源Yから第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と複数の棒状陽極材231a〜231pに第2の防食電流値の防食電流を流す工程を含む。第2の防食電流値は第1の防食電流値よりも大きくてもよいし、第1の防食電流値と第2の防食電流値は同じ値を示すものであってもよい。第2の防食電流値が第1の防食電流値よりも大きいものである場合、奥まって配置された第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16に防食電流を供給しにくい場合であっても、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16の表面に第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11の表面と同程度の電流密度で防食電流を流入させることができ、陽極材を含む電気防食装置の耐久性の低下を一層抑制し、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性を一層低減することができる。
(コンクリート構造物)
次に、図3から図8を参照して、本発明の実施形態に係るコンクリート構造物300について説明する。コンクリート構造物300は、上述の実施形態に係る電気防食工法を実施すると製造されるものであり、コンクリート構造体100と電気防食装置とを含んでなる。コンクリート構造体100は、対象面である底面100Bを含む外表面100Sと、外表面100Sに囲まれた内部領域100iとを備え、内部領域100iに鋼材1〜19が埋設されている。鋼材1〜19は、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16であって、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と対象面である底面100Bとの距離が第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と対象面である底面100Bとの距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と、を含んで多段で配置されている。
そして、本実施形態に係るコンクリート構造物300は、コンクリート構造体100に設置された電気防食装置をさらに備える。電気防食装置は、長手方向が対象面に沿って延びる複数の線状陽極材211a〜211cと、長手方向が外表面100Sから内部領域100iに向かって延びる複数の棒状陽極材231a〜231pと、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と前記複数の線状陽極材211a〜211cとに電気的に接続される第1の外部電源Xと、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と複数の棒状陽極材231a〜231pとに電気的に接続される第2の外部電源Yと、を含んでなる。なお、図示しないが、電気防食装置は、さらに防食電流の電流量を制御するための照合電極を備えてもよい。
コンクリート構造物300は、上述の電気防食工法の実施形態で説明したとおり、線状陽極材211a〜211cと棒状陽極材231a〜231pとは、複数の棒状陽極材231a〜231pの表面積の和が複数の線状陽極材の表面積の和以上となるように設けられている。
上記構成によって、本実施形態に係るコンクリート構造物300は、対象面から遠い第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16にも防食電流を供給しやすくなる。このため、鋼材間の電気防食効果のばらつきが一層少なくなるように電気防食を行うことができる。また、実施形態に係るコンクリート構造物300は、コンクリート構造物300内における塩化物イオン濃度分布の偏りなどの腐食環境の相違にも対応して鋼材間の電気防食効果のばらつきが一層少なくなるように電気防食を行うことができる。また、コンクリート構造物300は、防食基準値に達しない鋼材が発生する可能性が低くなるように制御できる。したがって、本実施形態のコンクリート構造物300は、鋼材の腐食耐性が高く、コンクリート構造物300自体の耐久性が高いものである。
図3に示すように、複数の棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pを横切る断面において千鳥状に配列されてもよい。これにより、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性をより一層低減することができ、コンクリート構造物300の耐久性をより高くすることができる。また、図6に示すように、複数の棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pを横切る断面において、コンクリート構造体100を側面視した際に、隣り合った棒状陽極材231a〜231pが重複するように配列されてもよい。
(コンクリート構造物の製造方法)
本実施形態に係るコンクリート構造物300の製造方法は、上述の実施形態に係る電気防食工法を実施することにより、コンクリート構造体100に電気防食装置を設置してコンクリート構造物300を製造する方法である。詳細には、鋼材1〜19が埋設されたコンクリート構造体100に電気防食装置を設置する工程を備える。コンクリート構造体100は、対象面である底面100Bを含む外表面100Sと、外表面100Sに囲まれた内部領域100iとを含み、内部領域100iに第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11が埋設され、内部領域100iに第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16が埋設されている。
第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16は、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と対象面である底面100Bとの距離が第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と対象面である底面100Bとの距離よりも長くなるように配置される。すなわち、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16は対象面である底面100Bから離れており、防食電流が供給されにくい位置にある。
次に、コンクリート構造体100に電気防食装置を設置する工程について説明する。電気防食装置を設置する工程は、対象面である底面100Bに沿って長手方向が延びるように複数の線状陽極材211a〜211cを設置する工程と、コンクリート構造体100に、長手方向が外表面100Sから内部領域100iに向かって延びるように複数の棒状陽極材231a〜231pを設置する工程と、を備える。
線状陽極材211a〜211cおよび棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pの表面積の和が複数の線状陽極材211a〜211cの表面積の和以上になるように設置する。さらに、コンクリート構造体100に電気防食装置を設置する工程は、第1の鋼材1,2,3,7,8,9,10,11と複数の線状陽極材211a〜211cとを、導線などによって第1の外部電源Xに電気的に接続し、第2の鋼材4,5,6,12,13,14,15,16と複数の棒状陽極材231a〜231pとを、導線などによって第2の外部電源Yに電気的に接続する工程を含む。
上記構成によって、本実施形態に係るコンクリート構造物300の製造方法は、耐久性が高いコンクリート構造物300を製造することができる。
図3に示すように、複数の棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pを横切る断面において千鳥状に配列されてもよい。これにより、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性をより一層低減することができ、コンクリート構造物300の耐久性をより高くすることができる。また、図6に示すように、複数の棒状陽極材231a〜231pは、複数の棒状陽極材231a〜231pを横切る断面において、コンクリート構造体100を側面視した際に、隣り合った棒状陽極材231a〜231pが重複するように配列されてもよい。
以下、実施例を用いて、上記実施形態に係る電気防食工法をより詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1の電気防食工法は、千鳥状に配列される点状陽極方式と線状陽極方式を併用するものであり、図3から図5に記載の実施形態に係る電気防食工法を具体化したものでる。実施例1は、コンクリート構造体100として鉄筋コンクリート床版を用い、鋼材として鉄筋を用いている。また、実施例1においては、各鉄筋の位置を示すために、図3から図5に記載の鋼材の符号を引用して説明する。
コンクリート床版は、上面から底面までの厚みTが200mm、底面が1230mm×600mmとなるように形成したものを使用する。コンクリート床版には、第1の鋼材となる下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11および第2の鋼材となる上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16とが埋設されている。上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16は、250mm間隔で配置された鉄筋12,13,14,15,16と130mm間隔で配置された鉄筋4,5,6とが格子状に交差してなるものである。同様に、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11は、250mm間隔で配置された鉄筋7,8,9,10,11と130mm間隔で配置された鉄筋1,2,3とが格子状に交差してなるものである。上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16は、コンクリート床版の上面との距離が35mm、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11は、コンクリート床版の底面との距離が35mmとなるように配置されている。
下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11および上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16としては、シース管φ40(公称長径19.1mm、公称周長60mm)に挿通された鉄筋(D13(JIS G 3112-1964))を用いた。コンクリート床板は、実際に設置されている橋梁床版における測定値に基づいて、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16が埋設された領域のコンクリート中の塩化物イオン濃度が、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11が埋設された領域のコンクリート中の塩化物イオン濃度よりも高くなるように形成した。具体的には、コンクリート床板は、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16の配置領域にコンクリート1m(塩化カルシウムを除く)に対して塩化カルシウムが5kg/mとなるように混練して形成されたコンクリートを流し込み、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11の配置領域にコンクリート1m(塩化カルシウムを除く)に対して塩化カルシウムが3kg/mとなるように混練して形成されたコンクリートを流し込んだ後に硬化させたものを用いた。
次に、長手方向がコンクリート床版の底面に沿うように3本のチタンリボンメッシュ線状陽極材をコンクリート床版に設置した。詳細に説明すると、コンクリート床版の底面を切削して、コンクリート床版の側縁から100mmの間隔をおいて鉄筋1の長手方向に沿った長溝と、該長溝から200mmの間隔をおいて鉄筋2,3の長手方向に沿った2本の長溝と、の計3本の長溝を形成した。この長溝内に細長帯状の線状陽極材を挿入して長溝の底部に仮固定した後、充填材としてセメントモルタルを溝内に充填することによりコンクリート床版内に電気防食用の陽極を埋設するとともに溝を修復した。これにより、コンクリート床版の底面に本実施形態の線状陽極材としてチタンリボンメッシュ線状陽極材が200mm間隔で3本設置された。
次に、長手方向が底面から内部領域に向かって延びるように、チタンリボンメッシュ棒状陽極材をコンクリート床版に設置した。詳細に説明すると、まず、コンクリート床版の底面に穿孔して、コンクリート床版に複数の挿入孔を設けた。コンクリート床版への穿孔は、コンクリート床版の底面に、複数の挿入孔が図3に示すように千鳥状に配列されるように行った。この挿入孔に棒状陽極材を挿入した後、充填材によって挿入孔を埋め込んだ。棒状陽極材としては、上述の線状陽極材と同じチタンリボンメッシュ陽極材を柱状体に巻回させたチタンリボンメッシュ棒状陽極材を形成して用いた。
これにより、チタンリボンメッシュ棒状陽極材は、チタンリボンメッシュ棒状陽極材を通る断面において、隣接するチタンリボンメッシュ棒状陽極材231a〜231pの間隔が100mm以上130mm以下となるように千鳥状に配列した。これにより、各チタンリボンメッシュ棒状陽極材は、チタンリボンメッシュ棒状陽極材の内部領域側の端部と該端部から最も近接する上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16のいずれかとの距離が、チタンリボンメッシュ棒状陽極材の内部領域側の端部と該端部と最も近接する下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11のいずれかとの距離よりも短くなるように設置された。
チタンリボンメッシュ線状陽極材とチタンリボンメッシュ棒状陽極材とは、複数のチタンリボンメッシュ棒状陽極材の表面積の和が複数のチタンリボンメッシュ線状陽極材の表面積の和以上になるように設置された。本実施例では、3本のチタンリボンメッシュ線状陽極材の表面積の和と16本のチタンリボンメッシュ棒状陽極材の表面積の和とが1.00:1.08となるように設置した。
そして、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11と、チタンリボンメッシュ線状陽極材とをリード線によって第1の外部電源Xに電気的に接続し、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16とチタンリボンメッシュ棒状陽極材231a〜231pとをリード線によって第1の外部電源Xとは別の第2の外部電源Yに電気的に接続した。これにより、実施例1にかかる電気防食工法による電気防食装置付きコンクリート床版を形成した。この電気防食装置付きコンクリート床版に、第1の外部電源および第2の外部電源から各々3.7mAの電流量の防食電流を流して電気防食を行った。
(実施例2)
実施例2の電気防食工法は、コンクリート構造体の側面視において、隣り合った複数の棒状陽極材が重複するように配列する点状陽極方式と線状陽極方式とを併用するものであり、図4から図6に記載の実施形態に係る電気防食工法を具体化したものである。実施例2の電気防食工法は、棒状陽極材および挿入孔の配置パターンのみが実施例1の電気防食工法と異なるため、これらの配置パターンのみについて説明し、この他は実施例1の記載を引用する。なお、実施例2において、各鉄筋には位置を示すために、図6から図8に記載の鋼材の符号を引用して説明している。
実施例2の電気防食工法は、コンクリート床版の底面に複数の挿入孔を図6に示すように列状に配列させたものである。そして、この挿入孔にチタンリボンメッシュ棒状陽極材を挿入した後、充填材によって挿入孔を埋め込んだ。これにより、チタンリボンメッシュ棒状陽極材は、チタンリボンメッシュ棒状陽極材を通る断面において、隣接するチタンリボンメッシュ棒状陽極材の間隔が100mm以上130mm以下となるように、隣接する各棒状陽極材231a〜231pの端部同士を結ぶ仮想線が格子状になるように、かつ、コンクリート構造体の側面視において、隣り合った複数の棒状陽極材が重複するように配列して設置された。これ以外は、実施例1と同様にして電気防食工法を実施し、実施例2に係る電気防食工法による電気防食装置付きコンクリート床版を形成した。この電気防食装置付きコンクリート床版に、第1の外部電源および第2の外部電源から各々3.7mAの電流量の防食電流を流して電気防食を行った。
(比較例1)
比較例1の電気防食工法は、実施例1および2の電気防食工法が複数の外部電源を備えて複数の電気防食回路が形成されるものであるのに対して、一つの外部電源(第1の外部電源X)のみを備えて一の電気防食回路を構成している点で異なる。具体的には、比較例1の電気防食工法は、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11と、チタンリボンメッシュ線状陽極材と、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16と、チタンリボンメッシュ棒状陽極材231a〜231pとをリード線によって、同一の第1の外部電源Xに電気的に接続した。これ以外は、実施例1と同様にして電気防食工法を実施し、比較例1に係る電気防食工法による電気防食装置付きコンクリート床版を形成した。この電気防食装置付きコンクリート床版に、第1の外部電源から3.7mAの電流量の防食電流を流して電気防食を行った。
(比較例2)
比較例2の電気防食工法は、実施例1および2の電気防食工法が複数のチタンリボンメッシュ棒状陽極材の表面積の和が複数のチタンリボンメッシュ線状陽極材の表面積の和以上になるように設置したものであるのに対して、複数のチタンリボンメッシュ棒状陽極材の表面積の和が複数のチタンリボンメッシュ線状陽極材の表面積の和未満になるように設置したものである。
比較例2の電気防食工法は、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11と、全てのチタンリボンメッシュ線状陽極材と、をリード線によって第1の外部電源Xに電気的に接続し、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16と、設置された16本のチタンリボンメッシュ棒状陽極材のうち8本のチタンリボンメッシュ棒状陽極材と、をリード線によって第1の外部電源Xとは別体の第2の外部電源Yに電気的に接続した。すなわち、試験的に残りの8本のチタンリボンメッシュ棒状陽極材には通電せず、電気的に接続されない状態とした。これにより、3本のチタンリボンメッシュ線状陽極材の表面積の和と8本のチタンリボンメッシュ棒状陽極材の表面積の和は、面積比が1.00:0.54となる。上記以外は、実施例1と同様にして電気防食工法を実施し、比較例2に係る電気防食工法による電気防食装置付きコンクリート床版を形成した。この電気防食装置付きコンクリート床版に、第1の外部電源および第2の外部電源から各々3.7mAの電流量の防食電流を流して電気防食を行った。
(比較例3)
比較例3の電気防食工法は、比較例2の電気防食工法において、第2の外部電源から流す電流量を第1の外部電源から流す電流量よりも大きくしたものである。比較例2に示す電気防食装置付きコンクリート床版に、第1の外部電源から流す防食電流の電流量を3.7mA、第2の外部電源から流す防食電流の電流量を5.55mAにして防食電流を供給したものである。これにより、第1の外部電源から流す防食電流の電流量に対して第2の外部電源から流す防食電流の電流量は1.5倍となるものである。
(鉄筋表面積当たりの電流密度)
実施例1〜2および比較例1〜3に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版について、鉄筋1〜19の鉄筋表面積当りの電流密度を測定した。実施例1〜2および比較例1〜3では、鉄筋1〜19の鉄筋表面積当りの電流密度を測定するために、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10,11および横締め鋼材17,18,19は、コンクリート構造体内部で電気的に導通しないようにさせた。鉄筋1〜19の鉄筋表面積当りの電流密度は、各鉄筋1〜19と電源装置との間に1Ωの抵抗を挿入し、電圧計を用いて抵抗における電圧を計測した値を用いて導出した。導出は、電流(A)=電圧(V)/抵抗(Ω)の式を用いて電流量を求めた後、求めた電流量を各鉄筋の表面積で除することで行った。結果を図9〜13に示す。図9〜13において、横軸は各鉄筋1〜19を示し、縦軸は鉄筋表面積当たりの電流密度(mA/m)を示す。
(分極量)
実施例1〜2および比較例1〜3にかかる電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版について、鉛照合電極を用いて下側鉄筋7および上側鉄筋12の分極量を測定した。測定した分極量を表1に示す。
(結果)
図9は、実施例1に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版について、鉄筋1〜19の鉄筋表面積当たりの電流密度を示すグラフである。また、図10は、実施例2に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版について、鉄筋1〜19の鉄筋表面積当たりの電流密度を示すグラフである。同様に、図11は比較例1、図12は比較例2、図13は比較例3に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版について、鉄筋1〜19の鉄筋表面積当たりの電流密度を示すグラフである。
図9および図10に示すように、比較例1とくらべて、実施例1〜2に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版は、鉄筋1〜19の防食電流の電流密度のばらつきが小さい。なお、実施例1に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版は、上側鉄筋の分極量が75mVと防食基準値100mVを満たしていないが、第2の外部電源から流す防食電流の電流量を若干多く流すことで対処可能な程度であり、各陽極材を含む電気防食装置の耐久性をさほど低下させることなく電気防食工法を実施できることが認められる。従って、実施例1〜2に係る電気防食工法は、各陽極材を含む電気防食装置の耐久性を著しく低下させることなく、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性を低減することができるものであった。
また、実施例1および実施例2を比較すると、実施例1のように複数の棒状陽極材を千鳥状に配列させたもののほうが、実施例2のように、コンクリート構造体の側面視において、隣り合った複数の棒状陽極材が重複するように配列させたものよりも、鉄筋1〜19の電流密度のばらつきをより小さくできた。
一方、図11に示すように、比較例1に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版は、下側鉄筋1,2,3,7,8,9,10に防食電流が集中し、上側鉄筋4,5,6,12,13,14,15,16は下側鉄筋1等の30〜50%程度の電流密度になり、大きなばらつきを生じた。また、表1に示すように、上側鉄筋の分極量は25mVであり、防食性に著しく欠ける結果となり、金属防食を良好に行うことはできなかった。
図12に示すように、比較例2に係る電気防食工法によって形成された電気防食装置付きコンクリート床版も、鉄筋1〜19の電流密度のばらつきが大きく、上側鉄筋の分極量が低すぎるため、金属防食を良好に行うことができなかった。このため、比較例3のように、第2の外部電源から供給される防食電流の電流値を増加させることが考えられるが、表1に示すように防食電流基準値は満足するものの、図13に示すように鉄筋4〜6および鉄筋13〜16は過防食状態が大きくなり、陽極材を含む電気防食装置に負担を与え、陽極材の耐久性が75%程度まで低下することが予想された。
以上より、本実施例に係る電気防食工法は、陽極材を含む電気防食装置の耐久性を著しく低下させることなく、鋼材間の防食電流の電流密度のばらつきおよび分極量が防食基準値に達しない鋼材の発生可能性をさらに低減することができるものであった。
なお、本発明に係る電気防食工法は、上記実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、上記実施形態および上記実施例では、対象面として、コンクリート構造体100の底面100Bを用いて説明したが、コンクリート構造体100の上面100Uや側面100L、またはこれらの複数の組み合わせを対象面としてもよい。いずれの面を対象面とするかは、コンクリート構造体100の種類やコンクリート構造体100内の腐食環境などに合わせて選択される。例えば、コンクリート構造体100が柱状構造物や梁状構造物の場合には、柱状構造物や梁状構造物の側面を対象面とすることができ、コンクリート構造体100が鉄筋コンクリート住宅の場合は、屋根材の上面や壁面を対象面とすることができる。
また、上記実施形態および上記実施例では、線状陽極材を設置する工程の後に、棒状陽極材を設置する工程を含むように説明しているが、本発明において各工程は順不同で含めることができ、または、複数の工程を同時に行うことができるものである。例えば、棒状陽極材設置工程の後に、線状陽極材設置工程を配置することや、予め棒状陽極材と線状陽極材に第1,第2の外部電源を接続した後に、棒状陽極材設置工程や線状陽極材設置工程を含んでもよいことは言うまでもない。
1〜19…鋼材
100…コンクリート構造体
100B…底面
100i…内部領域
100S…外表面
100U…上面
211a〜211c…線状陽極材
231a〜231p…棒状陽極材
212…線状陽極材の一主面
232…棒状陽極材の外表面
300…コンクリート構造物
X…第1の外部電源
Y…第2の外部電源

Claims (6)

  1. 鋼材が埋設されたコンクリート構造体であって、対象面を含む外表面と、前記外表面に囲まれた内部領域と、前記内部領域に埋設された第1の鋼材と、前記内部領域に埋設された第2の鋼材であって、前記第2の鋼材と前記対象面との距離が前記第1の鋼材と前記対象面との距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材と、を備えるコンクリート構造体に、前記対象面に沿って長手方向が延びるように複数の線状陽極材を設置する線状陽極材設置工程と、
    前記コンクリート構造体に、長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びるように複数の棒状陽極材を設置する棒状陽極材設置工程と、
    を備える電気防食工法であって、
    前記第1の鋼材と前記複数の線状陽極材とは、第1の外部電源に電気的に接続されており、前記第2の鋼材と前記複数の棒状陽極材とは、第2の外部電源に電気的に接続されており、前記複数の棒状陽極材の表面積の和が前記複数の線状陽極材の表面積の和以上になるように、前記線状陽極材および前記棒状陽極材を設置する電気防食工法。
  2. 前記棒状陽極材設置工程は、前記複数の線状陽極材に挟まれた領域において、前記対象面に前記複数の挿入孔を形成する工程と、前記挿入孔に前記棒状陽極材を挿し入れる工程と、を含む請求項1に記載の電気防食工法。
  3. 前記棒状陽極材設置工程において、前記内部領域側の端部と前記外表面側の端部とを含み、前記内部領域側の端部と前記第2の鋼材の距離が前記内部領域側の端部と前記第1の鋼材の距離よりも短くなるように、前記棒状陽極材を設置する請求項1または請求項2に記載の電気防食工法。
  4. 前記棒状陽極材設置工程において、前記複数の棒状陽極材を横切る断面において前記複数の棒状陽極材が千鳥状に配列するように、前記棒状陽極材を設置する請求項1から3のいずれか一項に記載の電気防食工法。
  5. 鋼材が埋設されたコンクリート構造物であって、
    対象面を含む外表面と、
    前記外表面に囲まれた内部領域と、
    前記内部領域に埋設された第1の鋼材と、
    前記内部領域に埋設された第2の鋼材であって、前記第2の鋼材と前記対象面との距離が前記第1の鋼材と前記対象面との距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材と、
    長手方向が前記対象面に沿って延びる複数の線状陽極材と、
    長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びる複数の棒状陽極材と、
    前記第1の鋼材と前記複数の線状陽極材とに電気的に接続される第1の外部電源と、
    前記第2の鋼材と前記複数の棒状陽極材とに電気的に接続される第2の外部電源と、を備え、
    前記線状陽極材と前記棒状陽極材とは、前記複数の棒状陽極材の表面積の和が前記複数の線状陽極材の表面積の和以上となるように設けられているコンクリート構造物。
  6. 鋼材が埋設されたコンクリート構造体であって、対象面を含む外表面と、前記外表面に囲まれた内部領域と、前記内部領域に埋設された第1の鋼材と、前記内部領域に埋設された第2の鋼材であって、前記第2の鋼材と前記対象面との距離が前記第1の鋼材と前記対象面との距離よりも長くなるように配置される第2の鋼材と、を備えるコンクリート構造体に、前記対象面に沿って長手方向が延びるように複数の線状陽極材を設置する線状陽極材設置工程と、
    前記コンクリート構造体に、長手方向が前記外表面から前記内部領域に向かって延びるように複数の棒状陽極材を設置する棒状陽極材設置工程と、
    を備えるコンクリート構造物の製造方法であって、
    前記第1の鋼材と前記複数の線状陽極材とは、第1の外部電源に電気的に接続され、
    前記第2の鋼材と前記複数の棒状陽極材とは、第2の外部電源に電気的に接続され、
    前記複数の棒状陽極材の表面積の和が前記複数の線状陽極材の表面積の和以上になるように、前記線状陽極材および前記棒状陽極材を設置するコンクリート構造物の製造方法。
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