JP2018122556A - パルプ由来製品製造装置、パルプ由来製品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水を不要で移送可能なパルプ由来製品製造装置を提供する。
【解決手段】パルプ由来製品製造装置は、床面積が23m2以下で、トラックに載置可能であり、セルロースを含む原料を供給可能な供給部と、前記原料を細片に裁断する裁断部と、前記細片を大気中で解繊し、パルプを製造する解繊部と、前記パルプを加工してパルプ由来製品を製造する製造部と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】パルプ由来製品製造装置は、床面積が23m2以下で、トラックに載置可能であり、セルロースを含む原料を供給可能な供給部と、前記原料を細片に裁断する裁断部と、前記細片を大気中で解繊し、パルプを製造する解繊部と、前記パルプを加工してパルプ由来製品を製造する製造部と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、パルプ由来製品製造装置及びパルプ由来製品製造方法に関する。
従来、リグニン以外の樹脂不純物を含む非木材の植物繊維を用いた非木材パルプの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記製造方法では、大量の水を必要とするため、例えば、水のない環境や水資源の乏しい地域では製造することが困難である、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるパルプ由来製品製造装置は、床面積が23m2以下で、トラックに載置可能であり、セルロースを含む原料を供給可能な供給部と、前記原料を細片に裁断する裁断部と、前記細片を大気中で解繊し、パルプを製造する解繊部と、前記パルプを加工してパルプ由来製品を製造する製造部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、水を使うことなくパルプ由来製品の製造が可能となる。また、床面積が23m2以下に構成し、トラックに載置可能することで、例えば、アフリカ等の発展途上国や水資源の乏しい地域に移動して、現地において比較的簡単に日常生活に役立つパルプ由来製品を製造することができる。
[適用例2]上記適用例にかかるパルプ由来製品製造装置は、前記原料を殺菌する殺菌部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、高い安全性が要求される衛生用品等を製造することができる。
[適用例3]上記適用例にかかるパルプ由来製品製造装置では、前記パルプを、立体形状の金型上に分散し、堆積させた後、加熱処理によって立体物を得る、ことを特徴とする。
この構成によれば、容易に立体物を形成することができる。
[適用例4]上記適用例にかかるパルプ由来製品製造装置では、太陽光、風力、地熱、水力、および同種の再生可能エネルギー源から発電する発電部を有することを特徴とする。
この構成よれば、自然環境に負荷をかけることなく、どこへ移動しても安定したエネルギーを取得することがきる。
[適用例5]上記適用例にかかるパルプ由来製品製造装置において、前記原料は現地で採取した植物である、ことを特徴とする。
この構成によれば、原料の輸送や保管等が不要となり、比較的簡単にパルプ由来製品を製造することができる。
[適用例6]上記適用例にかかるパルプ由来製品製造装置において、前記床面積が第1の方向に1.9m以下、且つ、前記第1の方向と直交する第2の方向に1.4m以下の平面に含まれ、小型トラックに載置可能であることを特徴とする。
この構成によれば、パルプ由来製品製造装置の床面積がさらに小さく構成され、車体の小さい小型トラック(いわゆる軽トラック)に載置可能となる。従って、例えば、車両通路が狭い災害場所等にも容易に入って行くことができる。そして、災害現場において日常生活に役立つパルプ由来製品製造装置を製造することができる。
[適用例7]本適用例にかかるパルプ由来製品製造方法は、床面積が23m2以下で、トラックに載置可能な装置を、当該装置が必要な場所に移動させ、現地で入手可能なセルロースを含む原料を用いて、前記原料を細片に裁断し、前記細片を大気中で解繊し、パルプを製造し、前記パルプを加工してパルプ由来製品を製造する、ことを特徴とする。
この構成によれば、水を使うことなくパルプ由来製品の製造が可能となる。また、床面積が23m2以下に構成し、トラックに載置可能することで、例えば、水資源の乏しい地域に移動して現地でパルプ由来製品を製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、パルプ由来製品を製造するパルプ由来製品製造装置の構成について説明する。
ここで、パルプ由来製品とは、木材や草などの植物から生成されるセルロースを含むパルプを原料の一つとして製造される製品のことをいう。
なお、本実施形態に係るパルプ由来製品製造装置では、セルロースを含む原料からパルプ(パルプ由来製品の一例)を製造する装置の構成について説明する。
図1は本実施形態に係るパルプ由来製品製造装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、パルプ由来製品製造装置1000は、セルロースを含む原料Puを用いてパルプFpを製造する製造部100と、制御部110と、セルロースを含む原料Puを供給可能な供給部200と、を備える。
製造部100は、裁断部としての粗砕部10と、解繊部20と、選別部30と、第1ウェブ形成部40と、回転体45と、混合部50と、分散部2110と、を有している。
まず、パルプ由来製品を製造するパルプ由来製品製造装置の構成について説明する。
ここで、パルプ由来製品とは、木材や草などの植物から生成されるセルロースを含むパルプを原料の一つとして製造される製品のことをいう。
なお、本実施形態に係るパルプ由来製品製造装置では、セルロースを含む原料からパルプ(パルプ由来製品の一例)を製造する装置の構成について説明する。
図1は本実施形態に係るパルプ由来製品製造装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、パルプ由来製品製造装置1000は、セルロースを含む原料Puを用いてパルプFpを製造する製造部100と、制御部110と、セルロースを含む原料Puを供給可能な供給部200と、を備える。
製造部100は、裁断部としての粗砕部10と、解繊部20と、選別部30と、第1ウェブ形成部40と、回転体45と、混合部50と、分散部2110と、を有している。
選別部30と分散部2110は、バラバラにほぐしたパルプ繊維を、水を使わないで空気の流れに乗せて均一に分散させる装置である。このような加工方法はエアレイド法、加工機はエアレイド加工機と呼ばれている。
供給部200は、セルロースを含む原料Puを貯蔵する原料貯蔵部210と、原料Puを搬送可能な搬送部221と、原料Puを製造部100の粗砕部10へ導入する導入経路230と、を備えている。原料貯蔵部210がパルプ由来製品製造装置1000の図示しない原料貯蔵部装着部に装着されると、パルプ由来製品製造装置1000に備える送出しローラー222aによって、搬送部221に向けて原料Puが送り出される。これにより、後述の殺菌部220を介して原料Puが製造部100に投入される。
原料Puは、例えば、パルプシートや古紙の他、木材や草などセルロースを含むものである。
原料Puは、例えば、パルプシートや古紙の他、木材や草などセルロースを含むものである。
搬送部221に送り出された原料Puは、少なくとも1対の第1搬送ローラー222bによって搬送部221上へ搬送される。第1搬送ローラー222bの原料Pu搬送方向の下流側には殺菌部220が配置されている。殺菌部220は原料Puを殺菌するものであり、本実施形態では原料Puに対して紫外線UVを照射することにより原料Puを殺菌する。
具体的な構成としては、搬送部221には貫通部221aが形成され、貫通部221aを挟むように対向させて殺菌線を照射する光照射部としての第1紫外線照射装置223aと、第2紫外線照射装置223bと、が配設されている。第1及び第2紫外線照射装置223a,223bは、共に貫通部221aに向けて殺菌線としての紫外線UVを出射するように配置されている。なお、貫通部221aには搬送される原料Puの脱落防止のため、紫外線UVの照射量を減衰させない程度の粗さ網目を有する保持部材が備えられていてもよい。
具体的な構成としては、搬送部221には貫通部221aが形成され、貫通部221aを挟むように対向させて殺菌線を照射する光照射部としての第1紫外線照射装置223aと、第2紫外線照射装置223bと、が配設されている。第1及び第2紫外線照射装置223a,223bは、共に貫通部221aに向けて殺菌線としての紫外線UVを出射するように配置されている。なお、貫通部221aには搬送される原料Puの脱落防止のため、紫外線UVの照射量を減衰させない程度の粗さ網目を有する保持部材が備えられていてもよい。
第1搬送ローラー222bによって搬送部221上を搬送された原料Puを、貫通部221a領域を通過させる時、第1及び第2紫外線照射装置223a,223bから紫外線UVを出射させることで、原料Puの表裏面に紫外線UVが照射される。公知の通り、紫外線UVは殺菌線として多様な細菌に対して殺菌効果を発する光線であり、紫外線UVの中を原料Puが通過することで、少なくとも原料Puの表裏面に残存している細菌の多くを死滅させる、いわゆる殺菌することができる。これにより、未殺菌処理の原料Puが製造部100に投入されることを防止する。
殺菌された原料Puは、殺菌部220の原料Pu搬送方向の下流側に配置された第2搬送ローラー222cによって搬送部221から搬出され、導入経路230へ送出される。導入経路230に搬入された原料Puは導入経路230の導入路を介して、製造部100の粗砕部10へ投入される。
供給部200によって供給される原料Puは、様々な外的環境や使用環境において用いられ、排出されたものであり、細菌汚染の程度の高低によって仕分けされた原料Puを入手することは極めて困難と言ってよい。そこで原料Puを広範囲な調達先から入手しても、本実施形態に係るパルプ由来製品製造装置1000の製造部100へ投入される原料Puは殺菌された状態での投入を可能とする。これにより、安全性の高い衛生用品等のパルプ由来製品を製造することができる。
粗砕部10は、供給部200によって殺菌、供給された原料Puを、空気中で細片に裁断する。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料Puを裁断することができる。粗砕部10としては、例えば、シュレッダーを用いることができる。粗砕部10によって裁断された原料Puは、解繊部20に備えるホッパー21で受けてから管22を介して、解繊装置部23に移送(搬送)される。
解繊装置部23は、粗砕部10によって裁断された原料Puを解繊する。ここで、本明細書における「解繊する」とは、複数の繊維が結着されることで形成されている被解繊物としての原料Puを、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊装置部23は、原料Puに付着した異物等を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊装置部23を通過し、形成された原料繊維を「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した異物等を含んでいる場合もある。
解繊装置部23は、溶剤、水などを使用せず、大気中(空気中)において、いわゆる乾式で解繊を行う。具体的には、解繊装置部23としては、インペラーミルを用いる。解繊装置部23は、原料Puを吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊装置部23は、自ら発生する気流によって、導入口23aから原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口23bへと搬送することができる。解繊装置部23を通過した解繊物は、管31を介して、選別部30に移送される。なお、解繊装置部23から選別部30に解繊物を搬送させるための気流は、解繊装置部23において発生する気流を利用してもよいし、ブロアー等の気流発生装置を設け、その気流を利用してもよい。
選別部30は、管31を介して解繊部20により解繊された解繊物を導入口32から選別装置部33に導入し、繊維の長さによって選別する。選別装置部33としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別装置部33は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管44を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口34から管35を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別装置部33は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。選別装置部33の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部40は、選別部30を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部40は、メッシュベルト41と、張架ローラー42と、吸引部(サクション機構)43と、を含む。
吸引部43は、選別部30の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト41上に吸引することができる。第1選別物は、吸引部43によって選別部30から吸引され、移動するメッシュベルト41上に堆積し、ウェブVを形成する。
メッシュベルト41は、移動しながら、選別部30の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト41は、張架ローラー42によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト41は、張架ローラー42が自転することによって連続的に移動する。選別部30を通過した通過物が、連続的に移動するメッシュベルト41上に降り積もることにより、メッシュベルト41上にウェブVが形成される。
吸引部43は、メッシュベルト41の下方(選別部30側とは反対側)に設けられている。吸引部43は、下方に向く気流(選別部30からメッシュベルト41に向く気流)を発生させることができる。これにより、選別部30からの通過物の排出速度を大きくすることができる。
上記のように、ウェブVは、選別部30および第1ウェブ形成部40を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト41に堆積されたウェブVは、管44へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体45は、ウェブVが混合部50に搬送される前に、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体45は、基部45aと、基部45aから突出している突部45bと、を有している。突部45bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部45bは4つ設けられ、4つの突部45bが等間隔に設けられている。基部45aが方向Rに回転することにより、突部45bは、基部45aを軸として回転することができる。回転体45によってウェブVを切断することにより、例えば、後述する分散部2110に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
混合部50は、選別部30を通過し、第1ウェブ形成部40により搬送された第1選別物と、添加材料と、を混合する。混合部50は、添加材料を供給する添加材料供給装置51と、第1選別物と添加材料とを搬送する管52と、ブロアー53と、を有している。管52は、管44と連続している。
混合部50では、ブロアー53によって気流を発生させ、管52中において、第1選別物と、添加材料供給装置51から供給される添加材料と、を混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加材料とを混合させる機構は、特に限定されない。
添加材料供給装置51から供給される添加材料は、パルプFpを更に加工することで得る予定の最終製品の用途に応じた添加材料が混合される。添加材料として例えば、吸水ポリマー微粒子、芳香剤、抗菌剤、帯電防止剤などの他、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤などが挙げられる。
そして、混合部50を通過した第1選別物と添加材料との混合物は、管54を介して、分散部2110に移送される。
添加材料供給装置51から供給される添加材料は、パルプFpを更に加工することで得る予定の最終製品の用途に応じた添加材料が混合される。添加材料として例えば、吸水ポリマー微粒子、芳香剤、抗菌剤、帯電防止剤などの他、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤などが挙げられる。
そして、混合部50を通過した第1選別物と添加材料との混合物は、管54を介して、分散部2110に移送される。
分散部2110は、混合部50を通過した混合物を導入口2111から分散装置部2112に導入し、第1選別物である解繊物の絡み合った繊維をほぐし、添加材料をより均一に繊維の中に分散させながら分散装置部2112内で降らせてゆく。分散装置部2112としては、回転する網を有する円筒の篩を用い、混合部50を通過した混合物に含まれる、篩の網の目の開口の大きさより小さい繊維または粒子、すなわち網を通過できる繊維または粒子を通過させる。分散部2110の構成は、例えば、選別部30の構成と同じである。
分散装置部2112によって均一に混合された繊維と添加材料との混合物としてのパルプFpは、排出部2113から収納容器2200に設置した収納袋2300内に導入される。なお、収納袋2300へのパルプFpの導入を容易にするために、収納袋2300内を減圧する吸引装置2400を備えていてもよい。
製造されたパルプFpは、パルプ由来製品の原料の一つとして供給される。上述したように、本実施形態に係るパルプ由来製品製造装置1000によって形成されるパルプFpは、原料Puを供給部200における殺菌部220によって、製造部100に投入前に殺菌処理が行われるため、衛生管理が求められる各種製品に使用することができる。
分散装置部2112は回転式の網目ドラムの構造になっているので、このドラムの網目の条件や回転条件を適宜設定することで、投入された解繊物は最終製品に好適な状態にほぐされる。パルプFpを均一密度の綿状体にすれば、この綿状体を所定厚みのシート状に積層することで、紙おむつやナプキン、ペーパータオル、マスクなどの吸水パッドに加工できる。また、この綿状体を吸水性材料からなる筒袋に装填することで、タンポンに加工できる。本実施形態で製造されるパルプFpは、綿状体を材料にする各種の従来加工機をそのまま用いて、様々な衛生用品、生理用品に加工できる。さらに、パルプFpを用いて各種衣類、断熱建材、スリッパ等の履物類、布団類、ヘルメット等の装着品等を加工できる。
ここで、上記した様に、本実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置1000は、大気中(空気中)において解繊を行う、いわゆる乾式の構成である。従って、溶剤や水などを利用する大型設備が不要となるため、湿式装置に比べコンパクトな設計が可能となり、什器サイズのように小型化した装置に製造することができる。
具体的には、出願人の試算によれば、パルプ由来製品製造装置1000の床面積(設置面積)は23m2以下で製造することができる。そして、パルプ由来製品製造装置1000の床面積(設置面積)が23m2以下であるため、トラックに載置可能となる。これにより、トラックにパルプ由来製品製造装置1000を積載して所望の場所まで移動し、現地にてパルプ由来製品を製造することができる。
具体的には、出願人の試算によれば、パルプ由来製品製造装置1000の床面積(設置面積)は23m2以下で製造することができる。そして、パルプ由来製品製造装置1000の床面積(設置面積)が23m2以下であるため、トラックに載置可能となる。これにより、トラックにパルプ由来製品製造装置1000を積載して所望の場所まで移動し、現地にてパルプ由来製品を製造することができる。
図2は本実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置をトラックに載置した状態を示す模式図である。図2に示すように、トラック500は、積載量が約10tonの一般的なトラックである。このようなトラック500における荷台面積は約23m2であるため、これにより面積の小さいパルプ由来製品製造装置1000を載置することができる。トラック500は、載置したパルプ由来製品製造装置1000を覆う箱型の覆い部501を備え、パルプ由来製品製造装置1000を風雨や外的な衝撃等から保護することができる。
また、本実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置1000は、太陽光、風力、地熱、水力、および同種の再生可能エネルギー源から発電する発電部600を有している。本実施形態の発電部600は、太陽光を利用して発電させるソーラーパネル(太陽電池)である。そして、発電部600によって生成された電力をパルプ由来製品製造装置1000の駆動電力として使用することができる。これにより、自然環境に負荷をかけることなく、どこへ移動しても安定したエネルギーを取得し、パルプ由来製品製造装置1000を駆動させることがきる。
発電部600(ソーラーパネル)は、例えば、トラック500の覆い部501の頂部に設置される。なお、発電部600は、太陽光を利用したソーラーパネルの他、風力、地熱、水力、波力、潮力、バイオマス等の再生可能エネルギー源を利用した構成であってもよい。
なお、トラック500のエンジンの駆動により発電させ、発電した電力でパルプ由来製品製造装置1000を駆動させてもよい。また、トラック500に駆動用バッテリーを搭載し、トラック500のエンジンの駆動により当該駆動用バッテリーを充電させ、駆動用バッテリーをパルプ由来製品製造装置1000の駆動源としてもよい。さらに、トラック500のエンジンによる発電と上記の発電部600とを適宜併用した構成としてもよい。
発電部600(ソーラーパネル)は、例えば、トラック500の覆い部501の頂部に設置される。なお、発電部600は、太陽光を利用したソーラーパネルの他、風力、地熱、水力、波力、潮力、バイオマス等の再生可能エネルギー源を利用した構成であってもよい。
なお、トラック500のエンジンの駆動により発電させ、発電した電力でパルプ由来製品製造装置1000を駆動させてもよい。また、トラック500に駆動用バッテリーを搭載し、トラック500のエンジンの駆動により当該駆動用バッテリーを充電させ、駆動用バッテリーをパルプ由来製品製造装置1000の駆動源としてもよい。さらに、トラック500のエンジンによる発電と上記の発電部600とを適宜併用した構成としてもよい。
上記の通り、トラック500にパルプ由来製品製造装置1000を積載可能となることから、パルプ由来製品製造装置1000の移動は容易となる。従って、例えば、アフリカ等の発展途上国や水資源の乏しい地域に移動して、現地において比較的簡単にパルプ由来製品を製造することができる。
そして、パルプ由来製品製造装置1000に用いる原料Puは現地で採取した植物である。このようにすれば、原料の輸送や保管等が不要となり、移動した現場で比較的簡単に原料Puを取得でき、容易にパルプ由来製品を製造することができる。
なお、現地とは、発電部600からの電力供給を考慮し、トラックが一日以内で移動できる程度の範囲である。
そして、パルプ由来製品製造装置1000に用いる原料Puは現地で採取した植物である。このようにすれば、原料の輸送や保管等が不要となり、移動した現場で比較的簡単に原料Puを取得でき、容易にパルプ由来製品を製造することができる。
なお、現地とは、発電部600からの電力供給を考慮し、トラックが一日以内で移動できる程度の範囲である。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
パルプ由来製品製造装置1000は、水を使わない構造であり、床面積が23m2以下の構成が可能となる。これにより、トラック500にパルプ由来製品製造装置1000を載置可能することで、例えば、アフリカ等の発展途上国や水資源の乏しい地域に移動して、現地において比較的簡単に日常生活に役立つパルプ由来製品等を製造することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図3は本実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置の構成を示す概略図である。
本実施形態のパルプ由来製品製造装置は、パルプを、立体形状の金型上に分散し、堆積させた後、加熱処理によって立体物のパルプ由来製品を得るものである。すなわち、エアレイド加工機を用いて立体物を成形するものである。
次に、第2実施形態について説明する。図3は本実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置の構成を示す概略図である。
本実施形態のパルプ由来製品製造装置は、パルプを、立体形状の金型上に分散し、堆積させた後、加熱処理によって立体物のパルプ由来製品を得るものである。すなわち、エアレイド加工機を用いて立体物を成形するものである。
図3に示すように、本実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置1100は、セルロースを含む原料Puを用いて立体物Fdを製造する製造部101と、制御部110と、セルロースを含む原料Puを供給可能な供給部200と、を備える。
また、製造部101は、裁断部としての粗砕部10と、解繊部20と、選別部30と、第1ウェブ形成部40と、回転体45と、混合部50と、分散部2110(エアレイド加工機の一部)と、金型成形部2500(エアレイド加工機の一部)と、を有している。
なお、金型成形部2500以外の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
また、製造部101は、裁断部としての粗砕部10と、解繊部20と、選別部30と、第1ウェブ形成部40と、回転体45と、混合部50と、分散部2110(エアレイド加工機の一部)と、金型成形部2500(エアレイド加工機の一部)と、を有している。
なお、金型成形部2500以外の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
金型成形部2500は、金型としての凸型2511と凸型2511に対応する凹型2512等を備えている。凸型2511及び凹型2512は所定の温度に加熱されている。
凸型2511は分散部2110の排出部2113の下方にセットされる。そして、分散部2110の排出部2113からパルプFpを、凸型2511上に分散させ、堆積させる。これにより、凸型2511上に堆積物Fcが形成される。
なお、凸型2511を多孔質に形成し、サクション機構等を用いて凸型2511上にパルプFpを堆積させてもよい。
凸型2511は分散部2110の排出部2113の下方にセットされる。そして、分散部2110の排出部2113からパルプFpを、凸型2511上に分散させ、堆積させる。これにより、凸型2511上に堆積物Fcが形成される。
なお、凸型2511を多孔質に形成し、サクション機構等を用いて凸型2511上にパルプFpを堆積させてもよい。
そして、堆積物Fcを堆積させた凸型2511を移動機構(図示せず)によって移動させ、凹型2512と対向させる。その後、凸型2511と凹型2512とで堆積物Fcを加熱加圧する。これにより、立体物Fd(パルプ由来製品)が形成される。なお、凸型2511と凹型2512との加圧調整は可能であり、加圧調整を行うことにより立体物Fdの密度を制御することができる。また、形成された立体物Fdに対して必要により表面処理等を施してもよい。
また、各種形状を有する金型を用いることにより、様々な形状を有する立体物Fd(パルプ由来製品)を製造することができる。
なお、製造する立体物Fd(パルプ由来製品)に応じて、混合部50において結着樹脂等を添加させてもよい。
また、各種形状を有する金型を用いることにより、様々な形状を有する立体物Fd(パルプ由来製品)を製造することができる。
なお、製造する立体物Fd(パルプ由来製品)に応じて、混合部50において結着樹脂等を添加させてもよい。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
移動先の現地において比較的簡単に日常生活に役立つ製品(立体物Fd)、例えば、衣類や履物、古紙等を製造することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、パルプ由来製品製造方法について説明する。具体的には、第1実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置1000によるパルプ由来製品製造方法を説明する(図1及び図2参照)。図4は本実施形態にかかるパルプ由来製品製造方法を示すフローチャートである。
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、パルプ由来製品製造方法について説明する。具体的には、第1実施形態にかかるパルプ由来製品製造装置1000によるパルプ由来製品製造方法を説明する(図1及び図2参照)。図4は本実施形態にかかるパルプ由来製品製造方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態のパルプ由来製品製造方法は、床面積が23m2以下で、トラックに載置可能な装置を、当該装置が必要な場所に移動させ(移動工程(S1))、現地で入手可能なセルロースを含む原料を用いて、原料を細片に裁断し(供給工程(S2)、殺菌工程(S3)、裁断工程(S4))、細片を大気中で解繊し(解繊工程(S5))、パルプ(解繊物)を製造し、パルプを加工してパルプ由来製品を製造する(混合工程(S6)、排出工程(S7))。
ここで、パルプ由来製品とは、木材や草などの植物から生成されるセルロースを含むパルプを原料の一つとして製造される製品のことをいう。
なお、本実施形態に係るパルプ由来製品製造方法では、セルロースを含む原料(例えば、木材や草等)からパルプ(パルプ由来製品の一例)を製造する方法について説明する。
以下、具体的に説明する。
ここで、パルプ由来製品とは、木材や草などの植物から生成されるセルロースを含むパルプを原料の一つとして製造される製品のことをいう。
なお、本実施形態に係るパルプ由来製品製造方法では、セルロースを含む原料(例えば、木材や草等)からパルプ(パルプ由来製品の一例)を製造する方法について説明する。
以下、具体的に説明する。
(移動工程)
移動工程(S1)では、パルプ由来製品製造装置1000をトラック500に載置し、パルプ由来製品製造装置1000を載せたトラック500で移動する(図2参照)。
パルプ由来製品製造装置1000は、大気中(空気中)において解繊を行う、いわゆる乾式の構成であり、溶剤や水などを利用する大型設備が不要となるため、湿式装置に比べコンパクトな設計が可能となる。出願人の試算によれば、パルプ由来製品製造装置1000の床面積(設置面積)は23m2以下で製造することができる。これにより、積載量が10tonのトラック500に載置することができる。
当該トラック500には、発電部600(太陽光を利用して発電させるソーラーパネル(太陽電池))が設けられ、発電部600で生成した電力をパルプ由来製品製造装置1000の駆動電力として使用する。これにより、移動先においてパルプ由来製品製造装置1000を稼働させることができる。
移動先としては、例えば、アフリカ等の発展途上国や水資源の乏しい地域を想定することができる。これによれば、パルプ由来製品製造装置1000の特徴を活かすことができる。すなわち、水を使わず、衛生的なパルプ由来製品を現地で製造することができる。
移動工程(S1)では、パルプ由来製品製造装置1000をトラック500に載置し、パルプ由来製品製造装置1000を載せたトラック500で移動する(図2参照)。
パルプ由来製品製造装置1000は、大気中(空気中)において解繊を行う、いわゆる乾式の構成であり、溶剤や水などを利用する大型設備が不要となるため、湿式装置に比べコンパクトな設計が可能となる。出願人の試算によれば、パルプ由来製品製造装置1000の床面積(設置面積)は23m2以下で製造することができる。これにより、積載量が10tonのトラック500に載置することができる。
当該トラック500には、発電部600(太陽光を利用して発電させるソーラーパネル(太陽電池))が設けられ、発電部600で生成した電力をパルプ由来製品製造装置1000の駆動電力として使用する。これにより、移動先においてパルプ由来製品製造装置1000を稼働させることができる。
移動先としては、例えば、アフリカ等の発展途上国や水資源の乏しい地域を想定することができる。これによれば、パルプ由来製品製造装置1000の特徴を活かすことができる。すなわち、水を使わず、衛生的なパルプ由来製品を現地で製造することができる。
(供給工程)
供給工程(S2)では、現地で入手可能なセルロースを含む原料Puを原料貯蔵部210にセットし、パルプ由来製品製造装置1000の図示しない原料貯蔵部装着部に装着する。
ここで、現地で入手可能なセルロースを含む原料Puとは、例えば、現地で採取した植物である。このようにすれば、原料の輸送や保管等が不要となり、移動した現場で比較的簡単に原料Puを取得でき、容易にパルプ由来製品を製造することができる。
そして、パルプ由来製品製造装置1000の送出しローラー222aにより次工程に向けて原料Puを送り出す。
供給工程(S2)では、現地で入手可能なセルロースを含む原料Puを原料貯蔵部210にセットし、パルプ由来製品製造装置1000の図示しない原料貯蔵部装着部に装着する。
ここで、現地で入手可能なセルロースを含む原料Puとは、例えば、現地で採取した植物である。このようにすれば、原料の輸送や保管等が不要となり、移動した現場で比較的簡単に原料Puを取得でき、容易にパルプ由来製品を製造することができる。
そして、パルプ由来製品製造装置1000の送出しローラー222aにより次工程に向けて原料Puを送り出す。
(殺菌工程)
殺菌工程(S3)では、原料Pu全面に亘って殺菌処理を行う。具体的には、搬送部221上を原料Puが製造部100に向けて搬送移動される間に、殺菌手段である殺菌線の紫外線UVを第1及び第2紫外線照射装置223a,223bから原料Puに向けて照射する。更に、原料Puの表裏面に紫外線UVの照射が可能となるよう、原料Puに対して表裏側の一方の側に第1紫外線照射装置223aが、他方の側に第2紫外線照射装置223bが、配置されている。殺菌工程(S3)によって殺菌処理された原料Puは、裁断工程に移行される。
殺菌工程(S3)では、原料Pu全面に亘って殺菌処理を行う。具体的には、搬送部221上を原料Puが製造部100に向けて搬送移動される間に、殺菌手段である殺菌線の紫外線UVを第1及び第2紫外線照射装置223a,223bから原料Puに向けて照射する。更に、原料Puの表裏面に紫外線UVの照射が可能となるよう、原料Puに対して表裏側の一方の側に第1紫外線照射装置223aが、他方の側に第2紫外線照射装置223bが、配置されている。殺菌工程(S3)によって殺菌処理された原料Puは、裁断工程に移行される。
(裁断工程)
裁断工程(S4)では、殺菌工程(S3)から搬送、投入された原料Puを粗砕部10に備える粗砕刃11によって数cm角の細片に形成する。裁断工程(S4)によって裁断された原料Pu(細片)は、解繊工程に移行される。
裁断工程(S4)では、殺菌工程(S3)から搬送、投入された原料Puを粗砕部10に備える粗砕刃11によって数cm角の細片に形成する。裁断工程(S4)によって裁断された原料Pu(細片)は、解繊工程に移行される。
(解繊工程)
裁断工程(S4)で形成された細片は解繊部20に搬送され解繊工程(S5)が実行される。解繊工程(S5)では、解繊部20に備える解繊装置部23によって、細片化された原料Puを、繊維1本1本に解きほぐす、解繊が実行される。本実施形態に係る解繊工程(S5)は、解繊装置部23において、溶剤、水などを使用せず、大気中(空気中)において解繊を行う、いわゆる乾式での解繊が行なわれる。解繊工程(S5)によって解繊された原料Pu(解繊物)は、混合工程に移行される。
裁断工程(S4)で形成された細片は解繊部20に搬送され解繊工程(S5)が実行される。解繊工程(S5)では、解繊部20に備える解繊装置部23によって、細片化された原料Puを、繊維1本1本に解きほぐす、解繊が実行される。本実施形態に係る解繊工程(S5)は、解繊装置部23において、溶剤、水などを使用せず、大気中(空気中)において解繊を行う、いわゆる乾式での解繊が行なわれる。解繊工程(S5)によって解繊された原料Pu(解繊物)は、混合工程に移行される。
(混合工程)
解繊工程(S5)まで実行され得られた解繊物は、混合部50に搬送され、混合工程(S6)が実行される。混合工程(S6)では、パルプ由来製品製造方法に用いられるパルプ由来製品製造装置1000の製造製品がパルプFpであることから、パルプFpを更に加工することで得る予定の最終製品の用途に応じた添加材料が混合される。添加材料として例えば、吸水ポリマー微粒子、芳香剤、抗菌剤、帯電防止剤などが挙げられる。
解繊工程(S5)まで実行され得られた解繊物は、混合部50に搬送され、混合工程(S6)が実行される。混合工程(S6)では、パルプ由来製品製造方法に用いられるパルプ由来製品製造装置1000の製造製品がパルプFpであることから、パルプFpを更に加工することで得る予定の最終製品の用途に応じた添加材料が混合される。添加材料として例えば、吸水ポリマー微粒子、芳香剤、抗菌剤、帯電防止剤などが挙げられる。
混合工程(S6)は、混合部50において搬送された第1選別物と、添加材料供給装置51から供給された添加材料と、が混合され、分散部2110に移送される。分散部2110は、第1選別物である解繊物の絡み合った繊維をほぐし、添加材料をより均一に繊維の中に分散させながら分散装置部2112内で降らせてゆく。分散装置部2112としては、回転する網を有する円筒の篩を用い、混合部50を通過した混合物に含まれる、篩の網の目の開口の大きさより小さい繊維または粒子、すなわち網を通過できる繊維または粒子を通過させることで、均一なパルプFpを形成することができる。
(排出工程)
混合工程(S6)の分散装置部2112内で降下させたパルプFpを搬出可能な容器へ分散部2110から排出する排出工程(S7)が実行される。排出工程(S7)では、分散部2110に備える排出部2113に配置させた収納容器2200に設置した収納袋2300を吸引装置2400によって減圧し、分散装置部2112内からパルプFpを吸引し、収納袋2300内に収納させる。
混合工程(S6)の分散装置部2112内で降下させたパルプFpを搬出可能な容器へ分散部2110から排出する排出工程(S7)が実行される。排出工程(S7)では、分散部2110に備える排出部2113に配置させた収納容器2200に設置した収納袋2300を吸引装置2400によって減圧し、分散装置部2112内からパルプFpを吸引し、収納袋2300内に収納させる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
例えば、水資源が乏しい場合に移動し、移動先の現地の植物を利用して容易にパルプ由来製品を製造することができる。より具体的には、アフリカ等の発展途上国や水資源の乏しい地域において、比較的簡単に日常生活用品を提供可能とすることができる。
また、得られたパルプFpは、製品の原料の一つとして供給される。本実施形態に係るパルプ由来製品製造方法によってえられるパルプFpは、原料である原料Puが製造部100への投入段階である裁断工程(S4)の前に殺菌工程(S3)が行われるため、衛生管理が求められる製品、例えば紙おむつ、吸水パッドなどの衛生用品、生理用品などに好適に使用することができる。また、原料となる原料Puを広範囲な調達先から入手しても、本実施形態に係るパルプ由来製品製造方法によれば原料として投入される原料Puは殺菌工程(S3)を経ることにより殺菌された状態での投入が可能となり、調達先に限定されない原料Puの入手を可能とする。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良等を加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)第1実施形態では、殺菌部220として紫外線UVによる殺菌処理を行う形態について説明したが、これに限定されない。例えば、原料Puに対して殺菌効果を有する薬液(例えば、アルコール類)を霧状に噴霧することにより殺菌処理を行う形態でもよいし、原料Puに対して高温水蒸気(高温水蒸気の温度は100℃を超え、原料Puの熱分解による炭化に至らない温度以下)を噴射することより殺菌処理を行う形態でもよいし、原料Puに対してマイクロ波の照射により殺菌処理を行う形態であってもよい。このようにしても、原料Puを確実に殺菌することができる。
(変形例2)第1実施形態では、パルプ由来製品製造装置1000に用いる原料Puは現地で採取した植物として供給したが、この場合、原料貯蔵部210に貯蔵する前に、現地で採取した植物を乾燥する乾燥手段(例えば、加熱オーブンや加熱送付機)を備えてもよい。このようにすれば、植物に含まれる水分が除去され、確実に解繊することができる。
(変形例3)第1実施形態では、パルプ由来製品製造装置1000単体をトラック500に載置したが、これに限定されず、パルプ由来製品製造装置1000を幾つかのパーツに分解した状態でトラック500に載置してもよい。この場合、移動先の現地で組み立てればよい。このようにしても、パルプ由来製品製造装置1000をトラック500で移送可能となる。
(変形例4)上記実施形態では、パルプ由来製品製造装置1000の床面積を23m2以下とし、当該パルプ由来製品製造装置1000を約10tonの一般的なトラックに搭載可能にした例を説明したが、この構成に限定されない。例えば、パルプ由来製品製造装置の床面積が第1の方向に1.9m以下、且つ、第1の方向と直交する第2の方向に1.4m以下の平面に含まれるものとし、小型トラック(いわゆる軽トラック)に載置可能としてもよい。このようにすれば、車体が小さいトラックにパルプ由来製品製造装置を載置した状態で、例えば、車両通路が狭い災害場所等に容易に入って行くことが可能となる。そして、災害現場において日常生活に役立つパルプ由来製品製造装置を製造することができる。
10…粗砕部(裁断部)、20…解繊部、100,101…製造部、200…供給部、220…殺菌部、500…トラック、600…発電部、1000,1100…パルプ由来製品製造装置、2110…分散部、2500…金型成形部。
Claims (7)
- 床面積が23m2以下で、トラックに載置可能であり、
セルロースを含む原料を供給可能な供給部と、
前記原料を細片に裁断する裁断部と、
前記細片を大気中で解繊し、パルプを製造する解繊部と、
前記パルプを加工してパルプ由来製品を製造する製造部と、を有することを特徴とするパルプ由来製品製造装置。 - 請求項1に記載のパルプ由来製品製造装置において、
前記原料を殺菌する殺菌部を備えることを特徴とするパルプ由来製品製造装置。 - 請求項1または請求項2に記載のパルプ由来製品製造装置において、
前記パルプを、立体形状の金型上に分散し、堆積させた後、加熱処理によって立体物を得る、ことを特徴とするパルプ由来製品製造装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパルプ由来製品製造装置において、
太陽光、風力、地熱、水力、および同種の再生可能エネルギー源から発電する発電部を有することを特徴とするパルプ由来製品製造装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパルプ由来製品製造装置において、
前記原料は現地で採取した植物である、ことを特徴とするパルプ由来製品製造装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のパルプ由来製品製造装置において、
前記床面積が第1の方向に1.9m以下、且つ、前記第1の方向と直交する第2の方向に1.4m以下の平面に含まれ、小型トラックに載置可能であることを特徴とするパルプ由来製品製造装置。 - 床面積が23m2以下で、トラックに載置可能な装置を、当該装置が必要な場所に移動させ、
現地で入手可能なセルロースを含む原料を用いて、前記原料を細片に裁断し、
前記細片を大気中で解繊し、パルプを製造し、
前記パルプを加工してパルプ由来製品を製造する、ことを特徴とするパルプ由来製品製造方法。
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JP2017018242A JP2018122556A (ja) | 2017-02-03 | 2017-02-03 | パルプ由来製品製造装置、パルプ由来製品製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021037642A (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-11 | セイコーエプソン株式会社 | 小片供給装置および繊維体成形装置 |
WO2021187402A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 日本製紙株式会社 | 可搬式パルプ解繊装置ユニットを用いた現地解繊方法及び可搬式パルプ解繊装置ユニット |
-
2017
- 2017-02-03 JP JP2017018242A patent/JP2018122556A/ja active Pending
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JP7447410B2 (ja) | 2019-08-30 | 2024-03-12 | セイコーエプソン株式会社 | 小片供給装置および繊維体成形装置 |
WO2021187402A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 日本製紙株式会社 | 可搬式パルプ解繊装置ユニットを用いた現地解繊方法及び可搬式パルプ解繊装置ユニット |
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