JP2018121541A - 酸性乳性飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳および大豆多糖類を含有し、且つ飲料の少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料において、塩分補給のためナトリウムの含有量が高められている場合にも凍結部分が融解したときに生じる離水を抑制できる新規な技術を提供する。【解決手段】 乳および大豆多糖類を含有し、且つその少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料であって、無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlである酸性乳性飲料。【選択図】 なし

Description

本発明は酸性乳性飲料に関し、特に乳および大豆多糖類を含有し、且つ飲料の少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料に関する。
猛暑への対策の1つとして、飲料を凍結しておき、その一部または全部が融解した状態で摂取するとの習慣が存在する。このような習慣により対応しやすいように、容器ごと凍結し徐々に融解しながら飲用するタイプの製品も提案、販売されている(例えば特許文献1)。その一部が凍結された後に融解されて摂取される場合がある飲料においては、凍結融解後もその商品価値が保たれていることは非常に重要である。
一方、熱中症の予防等のため、発汗などにより失われた水分やミネラル成分を補給できるようにするためにナトリウムなどのミネラル成分を添加して製造された飲料も、提案、販売されている。
特許第5792917号
本発明は、乳および大豆多糖類を含有し、且つ飲料の少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料において、ナトリウムの含有量が高められている場合にも凍結部分が融解したときに生じる離水を抑制できる新規な技術を提供することを目的とする。
特許文献1は、乳および大豆多糖類を含む酸性飲料における無脂乳固形分、糖度、pH等の条件に関し、融解後に生じる酸性乳性飲料の離水(飲料におけるタンパク質の分散性が低下し、タンパク質の沈殿が生じること)を有効に抑制できる技術に関する。
一方、発明者は、乳および大豆多糖類を含み、且つ飲料の少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料について、ナトリウム含有成分を添加し、従来よりもナトリウム含有量を高めた飲料を調製することを着想した。
その結果、発明者は、ナトリウム含有量を高めた場合に上記融解させて摂取する酸性乳性飲料においてもたんぱく質の安定性に改善の余地があることに気付き、鋭意研究の結果、飲料中におけるナトリウム含有量を調整することでたんぱく質の安定性を改善して融解後の離水を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 乳および大豆多糖類を含有し、且つその少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料であって、
無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlである酸性乳性飲料。
[2] ナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlである[1]に記載の酸性乳性飲料。
[3] エネルギーが5kcal/100ml以下である[1]または[2]に記載の酸性乳性飲料。
[4] 大豆多糖類の含有割合が、飲料全量中0.01〜0.5質量%である、[1]から[3]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
[5] 乳および大豆多糖類を含み、その少なくとも一部を凍結した後に、凍結部分の一部又は全部を融解して飲食する酸性乳性飲料の製造方法であって、
得られる飲料において無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整することを含む酸性乳性飲料の製造方法。
[6] ナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整する[5]に記載の酸性乳性飲料の製造方法。
[7] 得られる飲料のエネルギーが5kcal/100ml以下であるように原材料の組成を調整することを含む[6]または[7]に記載の酸性乳性飲料の製造方法。
[8] ナトリウム塩の添加により得られる飲料のナトリウム含有量が20〜90mg/ 100mlとなるように調整することを含む[5]に記載の酸性乳性飲料の製造方法。
[9] 乳および大豆多糖類を含み、その少なくとも一部を凍結した後に、凍結部分の一部又は全部を融解して飲食する酸性乳性飲料における離水抑制方法であって、
得られる飲料において無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整することを含む離水抑制方法。
[10] ナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整する[9]に記載の離水抑制方法。
[11] 得られる飲料のエネルギーが5kcal/100ml以下であるように原材料の組成を調整することを含む[9]または[10]に記載の離水抑制方法。
[12] ナトリウム塩を添加することにより、得られる飲料のナトリウム含有量が20〜90mg/ 100mlとなるように調整することを含む[9]に記載の離水抑制方法。
本発明によれば、乳および大豆多糖類を含有し、且つ飲料の少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料において、ナトリウムの含有量が高められている場合にも凍結部分が融解したときに生じる離水を抑制できる新規な技術を提供することができる。
実施例における吸光度の測定位置についての概要図である。
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態の飲料は、乳および大豆多糖類を含有し、且つその少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料であって、無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlである。
ここで、酸性乳性飲料とは、そのpHが酸性(7未満)の範囲にある乳性飲料をいい、また、乳性飲料とは、乳を含む飲料をいう。
また、少なくとも一部が凍結している、とは、飲料(例えば容器詰飲料の内容物)中に氷が存在することをいい、例えば飲料全体が完全凍結している状態や半凍結した状態を挙げることができる。このような状態にするには、本実施形態の飲料を凝固点以下の温度、常気圧であれば、通常0℃以下、好ましくは0〜−20℃の温度範囲に保持することによって行うことができ、その温度と保持時間とを調整することにより、上記のような状態とすることができる。
凍結部分の全部を融解して摂取する、とは、飲料中に氷が存在しなくなった状態での摂取をいう。また、凍結部分の一部を融解して摂取する、とは、氷の一部が融解して生じた液体を摂取する一方で、氷がまだ飲料中に残存している状態をいう。例えば、飲料がシャーベット状となっている場合などが例示できる。
本実施形態において、原材料として用いる乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であってもよい。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳を、乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳として用いることもできる。
乳の形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物が挙げられ、また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。
本実施形態の飲料において乳の含有割合は、無脂乳固形分量として0.1〜1.0質量%である。その下限は好ましくは0.2質量%、より好ましくは0.25質量%である。またその上限は好ましくは0.6質量%、より好ましくは0.4質量%である。乳の含有割合が無脂乳固形分量として0.1質量%未満の場合には、範囲内にある場合と比較して乳性飲料としての風味が低下するおそれがある。また、1.0質量%を超えると、範囲内にある場合と比較して乳蛋白質の沈澱や凝集が生じるおそれがある。
本実施形態において用いられる大豆多糖類は、乳蛋白質の安定化剤として知られたものが使用でき、通常、大豆製品の製造工程において副生するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出精製された多糖類であって、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものが使用できる。市販品としては、例えば、商品名「SM-1200」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)が挙げられる。
本実施形態の飲料において、大豆多糖類の含有割合は、本発明の効果が得られるように、乳の含有割合等に応じて適宜選択することができるが、通常、飲料全量中0.01〜0.5質量%の範囲とすることが乳蛋白質の安定性をより高める観点から好ましい。
本実施形態の飲料には、上記必須成分の他に、本発明の効果や、規定された物性を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を適宜含ませることができる。他の成分としては、例えば、pH調整のための酸味料、果汁や、糖度調整剤、大豆多糖類以外の乳蛋白質安定化剤、高甘味度甘味料、香料、色素などが挙げられる。
酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸又はその塩、リン酸等の無機酸又はその塩が挙げられる。
果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等の果汁が挙げられる。
糖度調整剤としては、例えば、ショ糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、オリゴ糖等の糖類や、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコールや、難消化性デキストリン、寒天等の食物繊維が挙げられる。
大豆多糖類以外の乳蛋白質安定化剤としては、例えば、HMペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジェランガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガムが挙げられる。このような安定化剤は、本実施形態の飲料における所望の効果に悪影響を与える場合があるので、含有させる場合にはその量は少ない方が好ましく、また、含有させないことがより好ましい。
高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、ソーマチンが挙げられる。
本実施形態の飲料の糖度は、0.5〜1.7であり、その上限は好ましくは1.5であり、より好ましくは1.2である。糖度が1.7を超える場合には、飲料のpHに関わらず、凍結・融解後の離水現象は生じ難い。
本明細書において糖度とは、20℃における糖用屈折計の示度であり、例えば、デジタル屈折計Rx-5000(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した本発明の飲料における可溶性固形分量を意味する。
本実施形態の飲料のpHは、3.6〜4.2であり、その上限は好ましくは4.0である。pHが4.2を超える場合には、飲料の凍結・融解後の離水現象が抑制されるが、経時的な乳蛋白質の安定性が損なわれ、範囲内にある場合と比較して沈殿が増加するおそれがあり、酸性乳性飲料として好ましくない。
pHの調整は、例えば、酸味料を使用する方法、発酵乳を使用する方法、果汁を使用する方法、またはこれらの方法を併用する方法により行うことができるが、所望のpHとすることができれば特に限定されない。酸味料、発酵乳及び果汁としては上述のものが使用できる。
また、本実施形態の飲料において、ナトリウム含有量は、20〜90mg/ 100mlである。ナトリウム含有量が20〜90mg/ 100mlであることにより、範囲外にある場合と比較して、従来よりもナトリウム含有量が高められる場合にも離水を抑制することができる。
また、さらなる離水抑制の観点から、ナトリウム含有量の下限値は好ましくは30mg/100ml以上、より好ましくは35mg/100ml以上、さらにより好ましくは40mg/100ml以上であり、ナトリウム含有量の上限値は好ましくは80mg/100ml以下、より好ましくは70mg/100ml以下、さらにより好ましくは60 mg/100ml以下、最も好適には50mg/100ml以下である。
ナトリウム含有量の調整は、例えば、ナトリウム源となる物質、あるいは当該物質を含む組成物を添加するなどして行うことができる。ナトリウム源となる物質を含む組成物としては、例えば、海水などの天然水、岩塩、市販の食塩などを挙げることができる。ナトリウム源となる物質としては、ナトリウム塩を挙げることができ、具体的には塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムなどを挙げることができる。このうち、溶解度や味覚の観点から、好ましくは塩化ナトリウムである。
また、ナトリウム含有量は、原材料の組成に基づき算出することができるほか、原子吸光度法により測定することもできる。
本実施形態の飲料は、低カロリー飲料とするために、各原材料の種類及び含有量を調整し、そのエネルギーを制御することが好ましい。特に、カロリー低下による糖度の低下は乳蛋白質の安定性に影響を与えるので、ナトリウム含有量の影響も大きくなり離水がより発生しやすくなる傾向があるため、飲料のエネルギーが6kcal/100ml以下、特に5kcal/100ml以下である酸性乳性飲料においては本発明に係る構成を備えることが好ましい。
なお、エネルギーの範囲についてその下限値は特に限定されないが、通常、1kcal/100mlである。
また、飲料のエネルギーは原材料の組成を調整することによって設定することができる。また、飲料のエネルギーは修正アトウォーター法(蛋白質、脂質、炭水化物の量にそれぞれのエネルギー換算係数を乗じたものの総和)によって測定することができる。
本実施形態の飲料は、容器に充填した酸性乳性飲料とすることが好ましい。容器としては、ガラス製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製、紙製、アルミ製、スチール製の密封容器が挙げられ、特に、本発明の所望の効果が確認し易いとの観点から、透明性の高い容器が好ましい。
本実施形態の飲料は、例えば、得られる飲料において無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整することによって製造することができる。
具体的には、例えば、乳、大豆多糖類、液体原料、および必要によって加えられるその他の成分を、無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、ナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlとなるように混合する工程と、得られる飲料についてpH:3.6〜4.2に調整する工程とを含む方法により本実施形態の飲料を製造することができる。液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。乳および大豆多糖類は液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。pHの調整も公知の方法により行うことができ、例えばpH調整剤や酸味料等の添加により行うことができる。
本実施形態に係る製造方法においては、得られた飲料に対して、均質化処理や殺菌処理を行なうようにしてもよい。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5〜25℃で圧力10〜50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、例えば、65℃で10分間と同等以上の殺菌価を有する加熱殺菌により行うことができる。殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理後の本実施形態の飲料を容器詰めの酸性乳性飲料とする方法としては、例えば、容器に飲料をホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法などにより行うことができ、特に限定されない。
本実施形態に係る離水抑制方法は、乳および大豆多糖類を含み、その少なくとも一部を凍結した後に、凍結部分の一部又は全部を融解して飲食する酸性乳性飲料における離水抑制方法であって、得られる飲料において無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整することを含むことを特徴とする。
酸性乳性飲料の各原料としては、上述の本実施形態の飲料で説明したものを使用することができる。特に、低カロリーのものが好ましく、例えば、酸性乳性飲料のエネルギーが6kcal/100ml以下(より好ましくは5kcal/100ml以下)となる原材料を選択して使用することが上述の理由から好ましい。その下限値は特に限定されないが、通常、1kcal/100mlである。
以上、本実施形態によれば、乳、大豆多糖類およびナトリウムを含有し、且つその少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料において、無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlとすることで、例えば塩分補給のためにナトリウム含有量を高めて上記酸性乳性飲料を製造する場合にも融解後の離水を抑制できる。その結果、飲料について外観をさらに改善して商品価値の向上に寄与することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例中、大豆多糖類は商品名「SM−1200」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を用い、オリゴ糖は商品名「フジオリゴG67」(日本食品化工(株))を用いた。また、均質化処理は、試験室用ホモゲナイザー(型式15MR、APVゴーリン社製)を用いて、処理温度20℃、処理圧15MPaで行なった。加熱殺菌は、95℃達温殺菌を行なった。
<容器詰飲料の調製(実施例1〜4、比較例1)>
25質量%還元脱脂粉乳180gに、3質量%大豆多糖類水溶液267g(得られた各飲料中の大豆多糖類の配合量は0.08質量%相当)およびフジオリゴG67 20gを添加して、イオン交換水を若干量加え均一になるように攪拌した。次いで、10質量%クエン酸水溶液200gを添加し十分に攪拌した。次にイオン交換水を用いて全量を9.5kgとした後に、10質量%クエン酸三ナトリウム水溶液および10%質量食塩水の量を調整し、ナトリウム量が3.5〜80mgになるよう調整した。続いて、イオン交換水を用いて全量を10kgとした後に均質化処理を行い、調合液を調製した。得られた調合液を加熱殺菌して酸性乳性飲料を得た。得られた酸性乳性飲料を、500mlのPETボトルにホットパック充填し、室温まで水冷した。
得られたPETボトル入り酸性乳性飲料(以下、サンプルという)を−20℃の冷凍室で一晩以上冷凍した後、5℃で融解し、以下の評価を行った。結果を表1に示す。また、得られた酸性乳性飲料の物性値として、ナトリウム含有量、pH、無脂乳固形分、糖度およびエネルギー(カロリー)も表1に示す。
<評価方法>
(1)外観評価
凍結融解後のサンプルを目視で観察した。
(2)離水度評価
ペットボトルの底面から高さ約1/3の位置(液面18cmに対する、測定点7cm 図1参照)における、内容液である酸性乳性飲料をサンプリングし、得られた内溶液の吸光度A(650nm)を測定した。また、サンプルの内溶液を十分に分散させて均一にした後、全液の吸光度B(650nm)を測定した。そして、次式によって離水度C(%)を算出した。
離水度C(%)=吸光度A/吸光度B×100
結果を表に示す。以下の表から、実施例の酸性乳性飲料において、離水が抑制されていることが理解できる。
表1に示されるように、ナトリウム含有量の違いにより凍結融解後の離水発生度合いが変化した。ナトリウム含有量が3.5mg/100mlである比較例1については、激しい離水を生じ、測定点の外観においては透明状態になるほど乳の沈殿が生じていた。この理由としては、ナトリウム含有量が少量であるためpHの調整が行えず、pHが他と比較して低くなったことにより、離水が生じたと考えられる。
一方、ナトリウム含有量が20mg/100ml以上である実施例1〜4は離水が抑制された。特にナトリウム含有量が30mg/100ml以上である実施例2〜4は離水が有効に抑制され、安定であった。
実施例および比較例の評価についてより具体的に説明すると、測定点の外観に関し、離水度が2.4であり総合評価が最も低い比較例1では乳性飲料特有の白濁がなく測定点が透き通るような透明となっていた。これに対し、離水度が10.8であり総合評価が改善した実施例1の測定点においては乳性飲料特有の白濁があった。離水度が12.9、14.9であり総合評価がより改善した実施例4、3では測定点の白濁度が増し、さらに離水度が26.4であり総合評価が最も高い実施例2の測定点は白濁度が大きく増していて、離水がより目立ちにくい結果となった。
なお、ナトリウム含有量を100mg/100mlした以外は実施例1〜4と同様に作成した飲料についての官能試験の結果から、ナトリウム含有量が100mg/100mlとなると、風味の点で塩味が強く感じられ好ましくなかった。

Claims (12)

  1. 乳および大豆多糖類を含有し、且つその少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する酸性乳性飲料であって、
    無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlである酸性乳性飲料。
  2. ナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlである請求項1に記載の酸性乳性飲料。
  3. エネルギーが5kcal/100ml以下である請求項1または2に記載の酸性乳性飲料。
  4. 大豆多糖類の含有割合が、飲料全量中0.01〜0.5質量%である、請求項1から3のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
  5. 乳および大豆多糖類を含み、その少なくとも一部を凍結した後に、凍結部分の一部又は全部を融解して飲食する酸性乳性飲料の製造方法であって、
    得られる飲料において無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整することを含む酸性乳性飲料の製造方法。
  6. ナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整する請求項5に記載の酸性乳性飲料の製造方法。
  7. 得られる飲料のエネルギーが5kcal/100ml以下であるように原材料の組成を調整することを含む請求項6または7に記載の酸性乳性飲料の製造方法。
  8. ナトリウム塩の添加により得られる飲料のナトリウム含有量が20〜90mg/ 100mlとなるように調整することを含む請求項5に記載の酸性乳性飲料の製造方法。
  9. 乳および大豆多糖類を含み、その少なくとも一部を凍結した後に、凍結部分の一部又は全部を融解して飲食する酸性乳性飲料における離水抑制方法であって、
    得られる飲料において無脂乳固形分量:0.1〜1.0質量%、糖度:0.5〜1.7、pH:3.6〜4.2およびナトリウム含有量:20〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整することを含む離水抑制方法。
  10. ナトリウム含有量:30〜90mg/ 100mlであるように原材料の組成を調整する請求項9に記載の離水抑制方法。
  11. 得られる飲料のエネルギーが5kcal/100ml以下であるように原材料の組成を調整することを含む請求項9または10に記載の離水抑制方法。
  12. ナトリウム塩を添加することにより、得られる飲料のナトリウム含有量が20〜90mg/ 100mlとなるように調整することを含む請求項9に記載の離水抑制方法。
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