JP2018121508A - エネルギー変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁歪トランスデューサに蓄積されるエネルギーを増大させる。【解決手段】コイル111と磁歪材112とからなる磁歪トランスデューサ11、およびコイル電流icの向きを反転させるコイル電流反転回路12を備える。コイル電流反転回路は、トランスデューサとの間でエネルギーの受け渡しを行うエネルギー蓄積部と、受け渡しを制御するスイッチ回路とを備え、エネルギー蓄積部を磁歪トランスデューサに接続することで、磁歪トランスデューサに蓄えられているエネルギーをエネルギー蓄積部に送る。そして、蓄積エネルギーを電流の向きを反転させて磁歪トランスデューサに送り返し、送り返しが終了したときに、エネルギー蓄積部を磁歪トランスデューサから切り離す。スイッチ回路は、エネルギー蓄積部の磁歪トランスデューサへの接続、およびエネルギー蓄積部の磁歪トランスデューサからの切り離しを、スイッチングにより行う。【選択図】図3

Description

本発明は、機械的な振動エネルギーを、磁歪トランスデューサを介して電気エネルギーに変換するエネルギー変換装置に関する。
特に、本発明は、磁歪トランスデューサのコイルに流れる電流の向きを反転させることで、磁歪トランスデューサに蓄積されるエネルギーを増大させ、これにより振動エネルギーを高い効率で収集できる前記エネルギー変換装置に関する。
近年、磁歪トランスデューサを用いた振動エネルギーの収集技術(環境発電技術:Energy−Harvesting Technology)が注目されている。
図1は、磁歪トランスデューサを用いた典型的な振動エネルギー収集システムの説明図である。
図1において、振動エネルギー収集システム9は、磁歪トランスデューサ91と、負荷回路94と、構造体95とからなる。
磁歪トランスデューサ91は、コイル911と磁歪材912とからなる。
コイル911および負荷回路94が電気系を構成し、磁歪材912および構造体95が機械系を構成し、電気系と機械系とは磁場を介して結合されている。
構造体95は、振動マス951と構造剛性体952で表されている。振動マス951はバネとして機能する構造剛性体952により支えられており、加振外力EFが加えられることで振動マス951は振動し、この振動は磁歪材912に伝えられる。なお、加振外力EFがなくとも、構造体95が取り付けられている床面が振動したり変形したりすることでも、振動マス951は振動し、この振動は磁歪材912に伝えられる。
磁歪材912が振動変位することにより磁場が発生し、コイル911には交流の誘導起電力(誘導電圧)が生じる。磁歪トランスデューサ91の端子間に表れる起電力は負荷回路94に与えられ負荷回路94は電力を受け取ることができる。
図1に示した磁歪トランスデューサ91はコイル911に磁歪材料912を巻回したものであり、等価回路は、図2に示すように電圧源vmとインダクタLmと抵抗Rmとの直列回路で表現される。負荷はコイルの端子間(磁歪トランスデューサの端子間)に接続される。
しかし、図2のように磁歪トランスデューサ91に負荷回路94を接続しただけでは電力(エネルギー)の収集は極めてわずかである。
本発明の目的は、磁歪トランスデューサに蓄積されるエネルギーを増大させることである。
本発明のエネルギー変換装置は以下を要旨とする。
(1)
繰り返しの応力または歪が生じる磁歪材と、前記磁歪材に設けられたコイルとからなる磁歪トランスデューサ、および、
前記コイルの両端子間に接続され、所定のタイミングで前記コイルに流れる電流の向きを反転させるコイル電流反転回路、
を備えて構成され、
前記コイル電流反転回路は、前記トランスデューサとの間でエネルギーの受け渡しを行うエネルギー蓄積部と、当該受け渡しを制御するスイッチ回路とを備え、
前記エネルギー蓄積部を前記磁歪トランスデューサに接続することで、前記磁歪トランスデューサに蓄えられているエネルギーを前記エネルギー蓄積部に送出するとともに、
前記エネルギー蓄積部に送出されて蓄積されたエネルギーを前記コイルに流れる電流の向きを反転させて前記磁歪トランスデューサに送り返し、
前記送り返しが終了したときに、前記エネルギー蓄積部を前記磁歪トランスデューサから切り離すことで、前記磁歪トランスデューサに流れる電流の反転状態を補償する、
エネルギー変換装置であって、
前記スイッチ回路は、
前記エネルギー蓄積部の前記磁歪トランスデューサへの接続、および前記エネルギー蓄積部の前記磁歪トランスデューサからの切り離しを、前記スイッチ回路のスイッチングにより行う、
エネルギー変換装置。
このエネルギー変換装置は、振動発電装置として使用することもできるし、振動吸収装置として使用することもできる。また、負荷回路は、コイル電流が流れる経路であれば、エネルギー変換装置の何れの箇所に設けることができる。
(2)
(1)に記載のエネルギー変換装置において、
前記エネルギー蓄積部は、前記磁歪トランスデューサに並列に接続されているキャパシタからなり、
前記スイッチ回路(半導体スイッチ回路,機械スイッチ)は、単極双投型スイッチからなり、前記単極双投型スイッチの単極端子は前記磁歪トランスデューサの一方の端子に接続され、前記単極双投型スイッチの双投端子の一方は直接前記磁歪トランスデューサの他方の端子に接続され、前記単極双投型スイッチの双投端子の他方は前記キャパシタを介して直接前記磁歪トランスデューサの他方の端子に接続される、
エネルギー変換装置。
(3)
(1)に記載のエネルギー変換装置において、
前記エネルギー蓄積部は、前記磁歪トランスデューサに並列に接続されているキャパシタからなり、
前記スイッチ回路(半導体スイッチ回路,機械スイッチ)は、前記磁歪トランスデューサにそれぞれ並列接続した、単極単投型スイッチと反転用キャパシタとからなる、
エネルギー変換装置。
(4)
振動発電装置として使用される(1)に記載のエネルギー変換装置。
(5)
振動吸収装置として使用される(1)に記載のエネルギー変換装置。
本発明では、磁歪トランスデューサに反転用キャパシタを適宜のタイミングで接続し、切り離しているので、前記磁歪トランスデューサに蓄積されるエネルギーを増大させることができる。
図1は、磁歪トランスデューサを用いた典型的な振動エネルギー収集システム9の説明図である。 図2は、図1に示した磁歪トランスデューサの等価回路である。 図3は、本発明の第1実施形態のエネルギー変換装置1Aの説明図である。 図4(A)は、磁歪材112の変位dとコイル111に流れる電流icとの関係を示す波形図である。 図4(B)は、スイッチSWの接続状態の変化を示す図である。 図5(A)は、コイル111に生じる誘導起電力vmを示す図である。 図5(B)は、磁歪材112の変位dおよびコイル電流icを示す図である。 図5(C)は、スイッチSWの接続状態の変化を示す図である。 図6は、図5(A)の時刻t1−t6におけるコイル電流反転回路12の動作を示す説明図である。 図7は、本発明の第2実施形態のエネルギー変換装置1Bの説明図である。 図8(A)は、磁歪材112の変位dとコイル111に流れる電流(コイル電流)icとの関係を示す波形図である。 図8(B)は、スイッチSWのON/OFF状態の変化を示す図である。 図9(A)は、コイル111に生じる誘導起電力vmを示す図である。 図9(B)は、磁歪材112の変位dおよびコイル電流icを示す図である。 図9(C)は、スイッチSWのON/OFF状態の変化を示す図である。 図10は、図9(A)の時刻t1−t6におけるコイル電流反転回路12の動作を示す説明図である。
図3は本発明のエネルギー変換装置の第1実施形態の説明図である。
図3において、エネルギー変換装置1Aは、磁歪トランスデューサ11とコイル電流反転回路12と制御装置13とからなる。
なお、図3では、振動源となる構造体15を振動マス151と構造剛性体152とで示してある。
磁歪トランスデューサ11は、電圧源vmとインダクタLmと抵抗Rmとの直列接続回路で表される。
インダクタLmは、磁歪トランスデューサ11のコイル111のインダクタンスなので、図3ではインダクタLmをコイル111としても示す。また、図3では、コイル111のコアが磁歪材112である。
磁歪トランスデューサ11の両端子にはコイル電流反転回路12が接続されるとともに、負荷回路14も接続されている。負荷回路14は、コイル電流が流れる経路であれば、エネルギー変換装置1Aの何れの箇所に設けることができる。
コイル電流反転回路12は、単極双投型(SPDT型)のスイッチSWと反転用キャパシタCrvとから構成されている。このスイッチSWは、半導体スイッチであってもよいし、リレー等から構成した機械スイッチであってもよい。
制御装置13は、たとえば磁歪トランスデューサ11の出力電圧vt、コイル電流ic、振動情報(変位量と時間の関数)に基づき、コイル電流icの向きを反転させるように、スイッチSWの制御信号を生成することができる。
また、制御装置13は、出力電圧vt、コイル電流icまたは振動情報とは異なるその他の情報(たとえば、電力情報)に基づき、スイッチSWの制御信号を生成することもできる。
振動情報(変位量と時間の関数)は、振動マス151の振動状態(変位・速度・加速度等)に係る情報であり、通常は、適宜の光学的手段、機械的手段または電磁気学的手段を用いて検出される。
なお、制御装置13は、出力電圧vt、コイル電流ic、振動情報、その他の情報のうち1つに基づいてスイッチSWを制御してもよいし、これらの2つ以上の組み合わせに基づいてスイッチSWを制御してもよい。
スイッチSWは、可動接点cと固定接点a,bを備えており、制御装置13からの制御信号DSに応じて接点cを接点aまたは接点bに接続することができる。
スイッチSWのc接点端子は磁歪トランスデューサ11の一方の端子に接続され、スイッチSWのa接点端子は磁歪トランスデューサ11の他方の端子に直接接続され、スイッチSWのb接点端子は反転用キャパシタCrvを介して磁歪トランスデューサ11の他方の端子に接続されている。
図3では、コイル111のインダクタLmと抵抗rm、および反転用キャパシタCrvは、コイル電流反転のためのRLC回路を構成する。このRLC回路は自由振動の振幅が小さくならないように、インダクタLmと抵抗rm、および反転用キャパシタCrvの値が選ばれている。
図3のエネルギー変換装置1Aでは、制御装置13は、磁歪トランスデューサ11の出力電圧vt、コイル電流icおよび振動マス151の振動情報を検出しており、PD制御等の制御手法によりスイッチSWの制御を行っている。
以下、図4、図5および図6を参照しながら、図3のエネルギー変換装置1Aの動作を説明する。
なお、図3においては、グランドGNDから磁歪トランスデューサ11に流れるコイル電流icの向きを正、磁歪トランスデューサ11からグランドGNDに流れるコイル電流icの向きを負とする。
図4(A)は、磁歪材112の変位dとコイル111に流れる電流(コイル電流)icとの関係を示す波形図、図4(B)は、スイッチSWの接続状態(c−aまたはc−b)の変化を示す図である。
図5(A)は、コイル111に生じる誘導起電力vmを示す図である。
図5(B)は、磁歪材112の変位dおよびコイル電流icを示す図である。
図5(C)は、スイッチSWの接続状態(c−aまたはc−b)の変化を示す図である。図5(C)においては、α1およびα2部分の拡大図を併記する。
図6は、図5(A)の時刻t1−t6におけるコイル電流反転回路12の動作を示す説明図である。
なお、以下の説明では、理解を容易にするために、磁歪トランスデューサ11から負荷回路14への電力供給を無視する。したがって、図6では負荷回路14は図示しない。
図3において、磁歪材112に繰り返しの応力または歪が与えられると、磁歪材112の変位dに応じてコイル111には誘導起電力vmが生じる。
図5(A)はコイル111に生じる誘導起電力vmを示している。
図3のエネルギー変換装置1Aでは、コイル111に蓄えられているエネルギーが反転用キャパシタCrvに一時的に収容され、この収容されたエネルギーがコイル111に戻される際に電流の向きが反転するように、制御装置13がスイッチSWの接続状態(c−aまたはc−b)を制御する。
これにより、コイル111に蓄積されるエネルギー(ic・Lm/2ジュール)を増大させることができる。
以下、図5(A)に示した時刻t1−t6における、コイル電流反転回路12の動作を詳細に説明する。
まず、コイル電流icが負でその振幅が大きい時刻t1においては、図6(A)に示すように、スイッチSWは接点cが接点aに接続されており、コイル電流icは、グランドGND、スイッチSWのa接点端子・c接点端子、磁歪トランスデューサ11、グランドGNDの順でループしている。なお、本実施形態では、このときには、反転用キャパシタCrvは充電されていない。
次に、制御装置13がスイッチSWの切り替えの命令を出す時刻t2において、スイッチSWの接点cは、接点aから接点bへの接続に切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11に接続される。時刻t2は、コイル電流icが負かつコイル電流icの時間微分が正から負になる時刻とすることもできる。
この切り替えにより、コイル電流icは、図6(B)に示すように、もとの電流の向きを維持しようとするので、グランドGND、反転用キャパシタCrv、スイッチSWのb接点端子・c接点端子、磁歪トランスデューサ11、グランドGNDの順でループする。
前述したように、コイル111のインダクタLmと抵抗rm、および反転用キャパシタCrvは、コイル電流反転のためのRLC回路を構成する。このRLC回路の電気的な自由振動の周期をτとする。このRLC回路は自由振動の振幅が小さくならないように、インダクタLmと抵抗rm、および反転用キャパシタCrvの値が選ばれている。
図3のエネルギー変換装置1Aでは、τ/4の時間で、磁歪トランスデューサ11に蓄えられていたエネルギー(ic・Lm/2ジュール)が反転用キャパシタCrvに転送され、つぎのτ/4の時間で反転用キャパシタCrvに蓄えられたエネルギーが、磁歪トランスデューサ11に戻される。
なお、理論上は、反転開始時と反転終了時においては反転用キャパシタCrvに蓄えられているエネルギーは0であり、コイル電流icが0となる時点で反転用キャパシタCrvに蓄えられているエネルギーは最大(磁歪トランスデューサ11に蓄えられていたエネルギーと等しい)とできる。ただし、反転開始時と反転終了時においては反転用キャパシタCrvに蓄えられているエネルギーは0でなくてもかまわない。
時刻t3は、コイル電流icが0となる時刻を過ぎた時刻(ただし、スイッチSWの接点cは接点bに接続されている)を示している。この時刻t3には、図6(C)に示すように、反転用キャパシタCrvの充電電荷は放出されつつあり、コイル電流icの向きは負から正に反転している。
時刻t4では、スイッチSWの接点cは、接点bから接点aへの接続に切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11から切り離される。時刻t4直前においては、コイル電流icは正の向きに流れているので、スイッチSWの接点cが接点aに切り替えられても、図6(D)に示すように、コイル電流icは正の向きに流れ続ける。
なお、コイル電流icの反転特性は、図5(B)の自由振動波形FOに依存する。自由振動波形FOからわかるように、何らかの手段を講じない限り、コイル電流icの反転開始からτ/2の時間が過ぎると、次の反転動作が開始してしまう。コイル電流icの反転ができないと、磁歪トランスデューサ11に蓄積されるエネルギーを増大することができなくなる。
このため、図3のエネルギー変換装置1Aでは、コイル電流icの反転が終了する時点を予測し、次の反転が生じる前に(または生じたとしても速やかに)、反転用キャパシタCrvを磁歪トランスデューサ11から切り離す必要がある。
時刻t5では、スイッチSWの接点cは、接点bから接点aへの接続に切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11に接続される。この切り替えにより、図6(E)に示すように、コイル電流icはもとの電流の向きを維持しようとするので、グランドGND、磁歪トランスデューサ11、スイッチSWのc接点端子・b接点端子、反転用キャパシタCrv、グランドGNDの順でループする。
時刻t6は、コイル電流icが正から負に反転した後、スイッチSWの接点cが接点bから接点aへの接続に切り替えられる直前を示している。この時刻t6では、図6(F)に示すように、反転用キャパシタCrvの充電電荷が放出され、コイル電流icの向きは負方向に流れている。
この後、スイッチSWの接点cは、接点bから接点aへの接続に切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11から切り離され、図6(A)に示したように、コイル電流icの向きは、負の向きに流れ続ける。
図7は本発明のエネルギー変換装置の第2実施形態の説明図である。
図7に示すように、本実施形態のエネルギー変換装置1Bは、磁歪トランスデューサ11とコイル電流反転回路12と制御装置13とからなる。
図3のエネルギー変換装置1Aでは、コイル電流反転回路12を構成するスイッチとして単極双投型(SPDT型)のスイッチを使用したが、図7に示す単極単投型(SPST型)のスイッチを使用している。
磁歪トランスデューサ11は、電圧源vmとインダクタLmと抵抗Rmとの直列接続回路で表される。
インダクタLmは、磁歪トランスデューサ11のコイル111のインダクタンスなので、図7ではインダクタLmをコイル111としても示す。また、図7では、コイル111のコアが磁歪材112である。
磁歪トランスデューサ11の両端子にはコイル電流反転回路12が接続されるとともに、負荷回路14も接続されている。負荷回路14は、コイル電流が流れる経路であれば、エネルギー変換装置1Bの何れの箇所に設けることができる。
コイル電流反転回路12は、単極単投型(SPST型)のスイッチSWと反転用キャパシタCrvとから構成されている。このスイッチSWは、半導体スイッチであってもよいし、リレー等から構成した機械スイッチであってもよい。
制御装置13は、たとえば磁歪トランスデューサ11の出力電圧vt、コイル電流ic、振動情報(変位量と時間の関数)に基づき、コイル電流icの向きを反転させるように、スイッチSWの制御信号を生成することができる。
また、制御装置13は、出力電圧vt、コイル電流icまたは振動情報とは異なるその他の情報(たとえば、電力情報)に基づき、スイッチSWの制御信号を生成することもできる。
振動情報(変位量と時間の関数)は、振動マス151の振動状態(変位・速度・加速度等)に係る情報であり、通常は、適宜の光学的手段、機械的手段または電磁気学的手段を用いて検出される。
なお、制御装置13は、出力電圧vt、コイル電流ic、振動情報、その他の情報のうち1つに基づいてスイッチSWを制御してもよいし、これらの2つ以上の組み合わせに基づいてスイッチSWを制御してもよい。
スイッチSWは、制御装置13からの制御信号DSに応じてON/OFF動作することができる。スイッチSWおよび反転用キャパシタCrvは、それぞれ、磁歪トランスデューサ11に並列接続されている。
図7では、コイル111のインダクタLmと抵抗rm、および反転用キャパシタCrvは、コイル電流反転のためのRLC回路を構成する。このRLC回路は自由振動の振幅が小さくならないように、インダクタLmと抵抗rm、および反転用キャパシタCrvの値が選ばれている。
図7のエネルギー変換装置1Bでは、制御装置13は、磁歪トランスデューサ11の出力電圧vt、コイル電流icおよび振動マス151の振動を検知するセンサ情報を検出しており、PD制御等の制御手法によりスイッチSWの制御を行っている。
以下、図8、図9および図10を参照しながら、図7のエネルギー変換装置1Bの動作を説明する。
なお、図7においては、グランドGNDから磁歪トランスデューサ11に流れるコイル電流icの向きを正、磁歪トランスデューサ11からグランドGNDに流れるコイル電流icの向きを負とする。
図8(A)は、磁歪材112の変位dとコイル111に流れる電流(コイル電流)icとの関係を示す波形図、図8(B)は、スイッチSWのON/OFF状態の変化を示す図である。
図9(A)は、コイル111に生じる誘導起電力vmを示す図である。
図9(B)は、磁歪材112の変位dおよびコイル電流icを示す図である。
図9(C)は、スイッチSWのON/OFF状態の変化を示す図である。図9(C)においては、α1およびα2部分の拡大図を併記する。
図10は、図9(A)の時刻t1−t6におけるコイル電流反転回路12の動作を示す説明図である。
なお、以下の説明では、理解を容易にするために、磁歪トランスデューサ11から負荷回路14への電力供給を無視する。したがって、図10では負荷回路14は図示しない。
図7において、磁歪材112に繰り返しの応力または歪が与えられると、磁歪材112の変位dに応じてコイル111には誘導起電力vmが生じる。
図9(A)はコイル111に生じる誘導起電力vmを示している。
図7のエネルギー変換装置1Bでは、コイル111に蓄えられているエネルギーが反転用キャパシタCrvに一時的に収容され、この収容されたエネルギーがコイル111に戻される際に電流の向きが反転するように、制御装置13がスイッチSWのON/OFFを制御する。
これにより、コイル111に蓄積されるエネルギー(ic・Lm/2ジュール)を増大させることができる。
以下、図9(A)に示した時刻t1−t6における、コイル電流反転回路12の動作を詳細に説明する。
まず、コイル電流icが負でその振幅が大きい時刻t1においては、図10(A)に示すように、スイッチSWはOFFとなっており、コイル電流icは、グランドGND、スイッチSW、磁歪トランスデューサ11、グランドGNDの順でループしている。なお、本実施形態では、このときには、反転用キャパシタCrvは充電されていない。
次に、制御装置13がスイッチSWの切り替えの命令を出す時刻t2において、スイッチSWはONからOFFに切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11に接続される。時刻t2は、コイル電流icが負かつコイル電流icの時間微分が正から負になる時刻とすることもできる。
この切り替えにより、コイル電流icは、図10(B)に示すように、もとの電流の向きを維持しようとするので、グランドGND、反転用キャパシタCrv、磁歪トランスデューサ11、グランドGNDの順でループする。
前述したように、インダクタLmと抵抗rmと反転用キャパシタCrvとからなるRLC回路は自由振動をする。図7のエネルギー変換装置1Bでは、τ/4の時間で、磁歪トランスデューサ11に蓄えられていたエネルギー(ic・Lm/2ジュール)が反転用キャパシタCrvに転送され、つぎのτ/4の時間で反転用キャパシタCrvに蓄えられたエネルギーが、磁歪トランスデューサ11に戻される。
なお、理論上は、反転開始時と反転終了時においては反転用キャパシタCrvに蓄えられているエネルギーは0であり、コイル電流icが0となる時点で反転用キャパシタCrvに蓄えられているエネルギーは最大(磁歪トランスデューサ11に蓄えられていたエネルギーと等しい)となる。ただし、反転開始時と反転終了時においては反転用キャパシタCrvに蓄えられているエネルギーは0でなくてもかまわない。
時刻t3は、コイル電流icが0となる時刻を過ぎた時刻(ただし、スイッチSWはOFF)を示している。この時刻t3には、図10(C)に示すように、反転用キャパシタCrvの充電電荷は放出されつつあり、コイル電流icの向きは負から正に反転している。
時刻t4では、スイッチSWはOFFからONに切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11から切り離される。時刻t4直前においては、コイル電流icは正の向きに流れているので、スイッチSWがOFFとなっても、図10(D)に示すように、コイル電流icは正の向きに流れ続ける。
なお、コイル電流icの反転特性は、図9(B)の自由振動波形FOに依存する。自由振動波形FOからわかるように、コイル電流icの反転開始からτ/2の時間が過ぎると、何らかの手段を講じない限り次の反転動作が開始してしまう。コイル電流icの反転ができないと、磁歪トランスデューサ11に蓄積されるエネルギーを増大することができなくなる。
このため、図7のエネルギー変換装置1Bでは、コイル電流icの反転が終了する時点を予測し、次の反転が生じる前に(または生じたとしても速やかに)、反転用キャパシタCrvを磁歪トランスデューサ11から切り離す必要がある。
時刻t5では、スイッチSWはONからOFF接続に切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11に接続される。この切り替えにより、図10(E)に示すように、コイル電流icはもとの電流の向きを維持しようとするので、グランドGND、磁歪トランスデューサ11、反転用キャパシタCrv、グランドGNDの順でループする。
時刻t6は、コイル電流icが正から負に反転した後、スイッチSWがOFFからONに切り替えられる直前を示している。この時刻t6では、図10(F)に示すように、反転用キャパシタCrvの充電電荷が放出され、コイル電流icの向きは負方向に流れている。
この後、スイッチSWはOFFからONに切り替えられ、反転用キャパシタCrvが磁歪トランスデューサ11から切り離され、図10(A)に示したように、コイル電流icの向きは、負の向きに流れ続ける。
本実施形態のエネルギー変換装置1Aや1Bは、振動発電装置として使用することもできるし、振動吸収装置として使用することもできる。
エネルギー変換装置1Aや1Bを振動発電装置として使用する場合には、負荷回路14を、たとえばAC/DC変換器、二次電池等から構成することができる。
エネルギー変換装置1Aや1Bを振動吸収装置として使用する場合には負荷回路14を、たとえば抵抗とすることができるし、AC/DC変換器、二次電池等から構成することもできる。
負荷回路14は、典型的には磁歪トランスデューサ11の端子間に接続されるが、コイル電流icが流れる経路であれば、エネルギー変換装置1Aや1Bの何れの箇所に設けることができる。
1A,1B エネルギー変換装置
11 磁歪トランスデューサ
111 コイル
112 磁歪材
12 コイル電流反転回路
13 制御装置
14 負荷回路
Rm 抵抗
Lm インダクタ
vm 電圧源
Crv 反転用キャパシタ
SW スイッチ
ic コイル電流

Claims (5)

  1. 繰り返しの応力または歪が生じる磁歪材と、前記磁歪材に設けられたコイルとからなる磁歪トランスデューサ、および、
    前記コイルの両端子間に接続され、所定のタイミングで前記コイルに流れる電流の向きを反転させるコイル電流反転回路、
    を備えて構成され、
    前記コイル電流反転回路は、前記トランスデューサとの間でエネルギーの受け渡しを行うエネルギー蓄積部と、当該受け渡しを制御するスイッチ回路とを備え、
    前記エネルギー蓄積部を前記磁歪トランスデューサに接続することで、前記磁歪トランスデューサに蓄えられているエネルギーを前記エネルギー蓄積部に送出するとともに、
    前記エネルギー蓄積部に送出されて蓄積されたエネルギーを前記コイルに流れる電流の向きを反転させて前記磁歪トランスデューサに送り返し、
    前記送り返しが終了したときに、前記エネルギー蓄積部を前記磁歪トランスデューサから切り離すことで、前記磁歪トランスデューサに流れる電流の反転状態を補償する、
    エネルギー変換装置であって、
    前記スイッチ回路は、
    前記エネルギー蓄積部の前記磁歪トランスデューサへの接続、および前記エネルギー蓄積部の前記磁歪トランスデューサからの切り離しを、前記スイッチ回路のスイッチングにより行う、
    エネルギー変換装置。
  2. 請求項1に記載のエネルギー変換装置において、
    前記エネルギー蓄積部は、前記磁歪トランスデューサに並列に接続されているキャパシタからなり、
    前記スイッチ回路(半導体スイッチ回路,機械スイッチ)は、単極双投型スイッチからなり、前記単極双投型スイッチの単極端子は前記磁歪トランスデューサの一方の端子に接続され、前記単極双投型スイッチの双投端子の一方は直接前記磁歪トランスデューサの他方の端子に接続され、前記単極双投型スイッチの双投端子の他方は前記キャパシタを介して直接前記磁歪トランスデューサの他方の端子に接続される、
    エネルギー変換装置。
  3. 請求項1に記載のエネルギー変換装置において、
    前記エネルギー蓄積部は、前記磁歪トランスデューサに並列に接続されているキャパシタからなり、
    前記スイッチ回路は、前記磁歪トランスデューサにそれぞれ並列接続した、単極単投型スイッチと反転用キャパシタとからなる、
    エネルギー変換装置。
  4. 振動発電装置として使用される請求項1に記載のエネルギー変換装置。
  5. 振動吸収装置として使用される請求項1に記載のエネルギー変換装置。
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