JP2018119886A - 推定装置及び推定方法 - Google Patents

推定装置及び推定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018119886A
JP2018119886A JP2017012271A JP2017012271A JP2018119886A JP 2018119886 A JP2018119886 A JP 2018119886A JP 2017012271 A JP2017012271 A JP 2017012271A JP 2017012271 A JP2017012271 A JP 2017012271A JP 2018119886 A JP2018119886 A JP 2018119886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
input
torque
speed
power transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017012271A
Other languages
English (en)
Inventor
祐久 福田
Yoshihisa Fukuda
祐久 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2017012271A priority Critical patent/JP2018119886A/ja
Publication of JP2018119886A publication Critical patent/JP2018119886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】クラッチ急接による動力伝達要素の疲労被害度を効果的に予測する。
【解決手段】クラッチ装置20のクラッチ接続速度を取得するストロークセンサ54と、クラッチ接続速度が所定の高速閾値以上で接続されるクラッチ急接回数をカウントするクラッチ急接回数カウント部110と、駆動源10の出力回転数を取得するエンジン回転数センサ50と、クラッチ接続速度が高速閾値以上で接続される際に、エンジン回転数センサ50により取得される回転数及び、ストロークセンサ54により取得されるクラッチ接続速度に基づいて、クラッチ装置20よりも下流側の動力伝達要素83,84に入力される第1トルクを演算する第1トルク演算部130と、クラッチ急接回数及び、第1トルクに基づいて、動力伝達要素83,84の累積疲労被害度を推定する累積疲労被害度推定部150とを備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は、推定装置及び推定方法に関し、特に、マニュアルトランスミッションを搭載した車両の動力伝達要素の疲労被害度の推定に関する。
従来、車両に搭載された各種部品類の寿命を予測し、部品に破損等の可能性が生じた場合には、当該部品の交換が必要な旨を運転者に適宜知らせる技術が種々提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
特開2013−231673号公報 特開2002−92137号公報
ところで、駆動源からの回転動力が、クラッチ装置からマニュアルトランスミッション及び、デファレンシャルギヤ等を介して伝達される動力伝達経路を備えた車両においては、運転者がクラッチ装置を断から接に切り替える際に、クラッチを急激に接続すると、慣性モーメントにより過大なトルクがクラッチ装置よりも下流側の動力伝達要素に入力される。このような過大トルクがトランスミッションやデファレンシャルギヤに繰り返し入力されると、これらの動力伝達要素に破損を生じさせて、車両の路上故障を引き起こす課題がある。
本開示の技術は、クラッチ急接による動力伝達要素の疲労被害度を効果的に予測することで、車両の路上故障の防止を図ることを目的とする。
本開示の装置は、駆動源からの回転動力がクラッチ装置及びマニュアルトランスミッションを介してデファレンシャルギヤに入力される動力伝達経路を備えた車両の推定装置であって、前記クラッチ装置が断から接に切り替えられる際のクラッチ接続速度を取得する接続速度取得手段と、前記クラッチ接続速度に基づいて、該クラッチ接続速度が所定の高速閾値以上で接続されるクラッチ急接回数をカウントする急接回数カウント手段と、前記駆動源の出力回転数を取得する出力回転数取得手段と、前記クラッチ接続速度が前記高速閾値以上で接続される際に、少なくとも前記出力回転数取得手段により取得される出力回転数及び、前記接続速度取得手段により取得されるクラッチ接続速度に基づいて、前記クラッチ装置よりも下流側の動力伝達要素に入力される第1トルクを演算する第1トルク演算手段と、前記クラッチ急接回数及び、前記第1トルクに基づいて、前記動力伝達要素の累積疲労被害度を推定する推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記動力伝達要素は、前記動力伝達経路に配された噛合要素であり、前記噛合要素の入力回転数を取得する入力回転数取得手段と、前記クラッチ装置が接続状態の時に、前記入力回転数に基づいて前記噛合要素の噛合回数をカウントする噛合回数カウント手段と、前記クラッチ装置が接続状態の時に、前記駆動源から前記噛合要素に伝達される第2入力トルクを演算する第2入力トルク演算手段と、をさらに備え、前記推定手段が、前記クラッチ急接回数、前記第1入力トルク、前記噛合回数及び、前記第2入力トルクに基づいて、前記噛合要素の累積疲労被害度を推定してもよい。
また、前記推定手段は、前記クラッチ急接回数、前記第1入力トルク、前記噛合回数及び、前記第2入力トルクに基づいて、マイナー則又は修正マイナー則に従い前記累積疲労被害度を推定してもよい。
また、前記累積疲労被害度が破損の可能性を示す所定の閾値に達すると、当該情報を運転者に知らせる警告手段をさらに備えてもよい。
また、前記動力伝達要素が、前記デファレンシャルギヤのドライブピニオンギヤ及び、該ドライブピニオンギヤと噛合するリングギヤであってもよい。
本開示の方法は、駆動源からの回転動力がクラッチ装置及びマニュアルトランスミッションを介してデファレンシャルギヤに入力される動力伝達経路を備えた車両の推定方法であって、前記クラッチ装置が断から接に切り替えられる際のクラッチ接続速度を取得し、前記クラッチ接続速度に基づいて、該クラッチ接続速度が所定の高速閾値以上で接続されるクラッチ急接回数をカウントし、少なくとも、前記クラッチ接続速度が前記高速閾値以上で接続される際に取得した前記駆動源の出力回転数及び、前記クラッチ装置のクラッチ接続速度に基づいて、前記クラッチ装置よりも下流側の動力伝達要素に入力される第1トルクを演算し、前記クラッチ急接回数及び、前記第1トルクに基づいて、前記動力伝達要素の累積疲労被害度を推定することを特徴とする。
本開示の技術によれば、クラッチ急接による動力伝達要素の疲労被害度を効果的に予測することで、車両の路上故障の防止を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る推定装置を搭載した車両の模式的な全体構成図である。 本発明の一実施形態に係るクラッチ装置及び、マニュアルトランスミッションの一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るデファレンシャルギヤの一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る電子制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るT−N線図の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る推定処理を説明するフロー図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る推定装置及び推定方法について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態に係る推定装置を搭載した車両1の駆動系を示す模式的な全体構成図である。車両1には、駆動源としてのエンジン10が搭載されている。エンジン10には、クラッチ装置20を介してマニュアルトランスミッション(以下、単にトランスミッションという)40が断接可能に接続されている。
トランスミッション40のアウトプットシャフト43には、プロペラシャフト47の入力端がユニバーサルジョイント48を介して連結されている。プロペラシャフト47の出力端には、デファレンシャルギヤ80のドライブピニオン82がユニバーサルジョイント49を介して連結されている。デファレンシャルギヤ80には、左右の駆動軸14L,R(右駆動軸14Rは図示省略)を介して左右の駆動輪15L,R(右駆動輪15Rは図示省略)がそれぞれ接続されている。
次に、図2に基づいて、本実施形態のクラッチ装置20及び、トランスミッション40の詳細について説明する。
クラッチ装置20は、例えば、乾式・単板式のクラッチ装置であって、クラッチハウジング21内には、エンジン10のクランクシャフト11の出力端及び、トランスミッション40のインプットシャフト42の入力端が配置されている。トランスミッション40の変速機ケース41内には、インプットシャフト42、アウトプットシャフト43、カウンタシャフト44、これらシャフト42〜44に設けられた複数の変速ギヤ列45、図示しないシンクロ機構等が配置されている
インプットシャフト42の入力端には、クラッチディスク22が軸方向に移動可能に設けられている。クラッチディスク22は、図示しないダンパースプリングと、クラッチフェーシング23とを備えている。
クランクシャフト11の出力端には、フライホイール12が固定され、フライホイール12の後側面には、クラッチカバー24が設けられている。これらフライホイール12とクラッチカバー24との間には、プレッシャープレート25及び、ダイヤフラムスプリング26が配置されている。また、インプットシャフト42のダイヤフラムスプリング26よりも出力側には、ダイヤフラムスプリング26の内周端に当接するレリーズベアリング27が軸方向に移動可能に設けられている。
レリーズフォーク28は、支点19を中心に揺動可能に設けられており、クラッチハウジング21内に収容された一端側をレリーズベアリング27の非回転輪に接触させている。また、レリーズフォーク28は、その他端側をクラッチハウジング21の外側に突出させている。
クラッチハウジング21の外側には、レリーズシリンダ30が設けられている。レリーズシリンダ30は、シリンダ本体31の内部に移動可能に収容されて油圧室を区画するピストン32と、基端側をピストン32に固定されると共に、先端側をレリーズフォーク28に当接させたプッシュロッド33と、シリンダ本体31内に設けられてプッシュロッド33をピストン32とレリーズフォーク28との間に保持させるスプリング34とを備えている。レリーズシリンダ30は、配管35を介してマスターシリンダ60に接続されている。
マスターシリンダ60は、作動油を貯留するリザーブタンク61と、シリンダ本体62の内部に移動可能に収容されて油圧室を区画するピストン63と、基端側をピストン63に固定されると共に、先端側をクラッチペダル70に連結させたロッド64と、油圧室内に設けられてピストン63を付勢するリターンスプリング65とを備えている。
クラッチ装置20は、運転者がクラッチペダル70を踏み込むと、マスターシリンダ60からレリーズシリンダ30に供給される作動油圧によりピストン32がプッシュロッド33と一体にストローク移動し、レリーズフォーク28が図中反時計回りに回動してレリーズベアリング27を押圧することで、「接」から「断」に切り替えられるようになっている。
また、車両1には、エンジン回転数センサ50、アクセル開度センサ51、シフトポジションセンサ52、出力回転数センサ(車速センサ)53、ストロークセンサ54、車重センサ55が設けられている。
エンジン回転数センサ50は、出力回転数取得手段の一例であって、エンジン10の回転数(以下、エンジン回転数Ne)を検出する。アクセル開度センサ51は、アクセルペダル71の踏み込み量に応じたエンジン10の燃料噴射量Qを検出する。シフトポジションセンサ52は、シフト操作装置72のシフト位置(トランスミッション40の現在のギヤ段)を検出する。出力回転数センサ53は、入力回転数取得手段の一例であって、アウトプットシャフト43又はプロペラシャフト47の回転数(以下、出力回転数N)を検出する。ストロークセンサ54は、接続速度取得手段の一例であって、マスターシリンダ60のロッド64のストローク量を検出する。車重センサ55は、図示しないエアスプリング等の変位量から車両1の重量を検出する。これら各種センサ類50〜55のセンサ値は、電気的に接続された電子制御ユニット(以下、ECU)100に入力される。
次に、図3に基づいて、本実施形態のデファレンシャルギヤ80の詳細構成について説明する。
デファレンシャルギヤ80は、潤滑油が封入されたデフハウジング81と、ドライブピニオン82と、ドライブピニオンギヤ83と、リングギヤ84と、デフケース85と、複数(例えば、4個)のデフピニオンギヤ86と、左右一対のサイドギヤ87,88とを備えている。
ドライブピニオンギヤ83は、ドライブピニオン82の出力端に一体回転可能に設けられている。ドライブピニオンギヤ83は、リングギヤ84と常時噛合する。
リングギヤ84は、図示しないボルトによりデフケース85に固定されている。デフピニオンギヤ86は、デフケース85のスパイダ軸89に回転可能に軸支されている。デフピニオンギヤ86は、左右のサイドギヤ87,88と常時噛合する。サイドギヤ87,88は、左右の駆動軸14L,Rにそれぞれスプライン嵌合されている。
これらデフケース85、デフピニオンギヤ86、サイドギヤ87,88及び、スパイダ軸89により、左右の駆動軸14L,Rの回転差を許容しつつ駆動力を伝達する差動機構が構成されている。
次に、図4に基づいて、本実施形態のECU100の詳細について説明する。
ECU100は、エンジン10等の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え構成されている。
また、ECU100は、クラッチ急接回数カウント部110と、ギヤ噛合回数カウント部120と、第1入力トルク演算部130と、第2入力トルク演算部140と、累積疲労被害度推定部150と、警告処理部160とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、一体のハードウェアであるECU100に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
クラッチ急接回数カウント部110は、急接回数カウント手段の一例であって、クラッチ装置20(クラッチペダル70)が運転者により急激に接続操作された回数(以下、クラッチ急接回数nS_i)を演算する。より詳しくは、ECU100のメモリには、予め実験等により取得したクラッチ装置20を急接した際に、クラッチ装置20よりも下流側の駆動系にエンジン10の最大出力トルクと略同等或は、該最大出力トルクよりも大きい衝撃トルク(ショックトルク)を伝達させるクラッチ接続速度Vの所定の高速閾値Vthが記憶されている。クラッチ急接回数カウント部110は、クラッチ接続時にストロークセンサ54のセンサ値を微分して得られるクラッチ接続速度Vが高速閾値Vth以上(V≧Vth)となる回数をクラッチ急接回数nS_iとしてカウントする。
ギヤ噛合回数カウント部120は、噛合回数演算手段の一例であって、出力回転数センサ53のセンサ値に基づいて、ドライブピニオンギヤ83及び、リングギヤ84の噛合回数をカウントする。
より詳しくは、ギヤ噛合回数カウント部120は、出力回転数センサ53から入力される出力回転数Nをドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iとしてカウントする。すなわち、アウトプットシャフト43(又は、プロペラシャフト47)が1回転すると、ドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iは1回としてカウントされる。
また、ギヤ噛合回数カウント部120は、ドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iをファイナルギヤ比FG(ドライブピニオンギヤ83とリングギヤ84とのギヤ比)で除算することで、リングギヤ84の噛合回数nRC_iをカウントする。すなわち、ファイナルギヤ比FGが1.0であれば、リングギヤ84の噛合回数nRC_iは、ドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iと同じ回数(nRC_i=nDC_i)としてカウントされる。一方、ファイナルギヤ比FGが1.0以外の値(例えば、5.0)に設定されている場合には、リングギヤ84の噛合回数nRC_iは、ドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iをファイナルギヤ比FGで除算して得られる回数(nRC_i=nDC_i/FG)としてカウントされる。
第1入力トルク演算部130は、第1トルク演算手段の一例であって、クラッチ装置20が急接された際にクラッチ装置20からトランスミッション40、プロペラシャフト47、ドライブピニオン82を介してドライブピニオンギヤ83に入力される衝撃トルクTDS_i及び、ドライブピニオンギヤ83からリングギヤ84に入力される衝撃トルクTRS_iを演算する。
より詳しくは、第1入力トルク演算部130は、まず、クラッチ装置20が断から接に切り替えられる際に、ストロークセンサ54のセンサ値を微分して得られるクラッチ接続速度Vが所定の高速閾値Vth以上であるか否かを判定する。クラッチ接続速度Vが高速閾値Vth以上であれば、第1入力トルク演算部130は、エンジン回転数センサ50から入力されるエンジン回転数Neに、クラッチ接続速度V、シフトポジションセンサ52から入力されるトランスミッション40の現在のギヤ段のギヤ比及び、車重センサ55から入力される車両重量等を含む補正係数を乗じることで、クラッチ急接時にトランスミッション40からプロペラシャフト47及び、ドライブピニオン82を介してドライブピニオンギヤ83に入力される衝撃トルクTDS_i(=Ne×V×ギヤ比×補正係数)を演算する。なお、衝撃トルクTDS_iの演算は数式に限定されず、各種センサ50〜55のセンサ値に基づいて参照されるマップ等から求めてもよい。
さらに、第1入力トルク演算部130は、ドライブピニオンギヤ83の衝撃トルクTDS_iにファイナルギヤ比FGを乗じることで、クラッチ急接時にドライブピニオンギヤ83からリングギヤ84に入力される衝撃トルクTRS_iを演算する。すなわち、ファイナルギヤ比FGが1.0であれば、リングギヤ84の衝撃トルクTRS_iは、ドライブピニオンギヤ83の衝撃トルクTDS_iと同じ値(TRS_i=TDS_i)として演算される。一方、ファイナルギヤ比FGが1.0以外の値(例えば、5.0)に設定されている場合には、リングギヤ84の衝撃トルクTRS_iは、ドライブピニオンギヤ83の衝撃トルクTDS_iにファイナルギヤ比FGを乗じた値(TRS_i=TDS_i×FG)として演算される。
第2入力トルク演算部140は、第2トルク演算手段の一例であって、クラッチ装置20が接続されている状態で、エンジン10からクラッチ装置20、トランスミッション40、プロペラシャフト47、ドライブピニオン82を介してドライブピニオンギヤ83に入力される入力トルクTDC_i及び、ドライブピニオンギヤ83からリングギヤ84に入力される入力トルクTRC_iを演算する。
より詳しくは、第2入力トルク演算部140は、まず、ストロークセンサ54のセンサ値に基づいて、クラッチ装置20が接続状態にあるか否かを判定する。クラッチ装置20が接続状態にあれば、第2入力トルク演算部140は、エンジン回転数センサ50から入力されるエンジン回転数Ne及び、アクセル開度センサ51から入力される燃料噴射量Qに基づいて、エンジン10の出力トルクTEngを演算する。次いで、第2入力トルク演算部140は、出力トルクTEngに、シフトポジションセンサ52から入力されるトランスミッション40の現在のギヤ段のギヤ比を乗じることで、クラッチ接続状態でトランスミッション40からプロペラシャフト47及び、ドライブピニオン82を介してドライブピニオンギヤ83に入力される入力トルクTDC_iを演算する。
さらに、第2入力トルク演算部140は、ドライブピニオンギヤ83の入力トルクTDC_iにファイナルギヤ比FGを乗じることで、クラッチ接続状態でドライブピニオンギヤ83からリングギヤ84に入力される入力トルクTRC_iを演算する。すなわち、ファイナルギヤ比FGが1.0であれば、リングギヤ84の入力トルクTRC_iは、ドライブピニオンギヤ83の入力トルクTDC_iと同じ値(TRC_i=TDC_i)として演算される。一方、ファイナルギヤ比FGが1.0以外の値(例えば、5.0)に設定されている場合には、リングギヤ84の入力トルクTRC_iは、ドライブピニオンギヤ83の入力トルクTDC_iにファイナルギヤ比FGを乗じた値(TRC_i=TDC_i×FG)として演算される。
累積疲労被害度推定部150は、推定手段の一例であって、マイナー則又は、疲労限度以下の入力トルクについてもカウントする修正マイナー則に基づいて、ドライブピニオンギヤ83の累積疲労被害度D及び、リングギヤ84の累積疲労被害度Dをそれぞれ推定する。
より詳しくは、ECU100のメモリには、予め実験等により作成したドライブピニオンギヤ83のT−N線図151(詳細は図5(A)参照)及び、リングギヤ84のT−N線図152(詳細は図5(B)参照)がそれぞれ記憶されている。これらT−N線図151,152には、縦軸にトルクTDC_i,TDS_i:TRC_i、TRS_i、横軸に破損に至るまでの繰り返し回数(疲労破壊限界)ND_i:NR_iがそれぞれ設定されている。
累積疲労被害度推定部150は、各カウント部110,120から入力されるカウント値(nS_i,nDC_i,nRC_i)、各演算部130,140から入力される入力トルク(TDC_i,TDS_i:TRC_i,TRS_i)及び、各T−N線図151,152から読み取られる疲労破壊限界ND_i,NR_iに基づいて、以下の数式(1),(2)から各ギヤ83,84の累積疲労被害度D,Dをリアルタイムで算出する。
Figure 2018119886
Figure 2018119886
警告処理部160は、累積疲労被害度推定部150によって算出される各ギヤ83,84の累積疲労被害度D,Dのうち、累積疲労被害度D,Dが破損時期(D,D=1)に近い所定の閾値(例えば、0.9等)に達したギヤ83,84について、運転室内の表示器90に当該ギヤ83,84の交換が必要な旨(又は、破損の可能性がある旨)を表示させる指示信号を出力する。なお、警告の手法は表示器90への表示に限定されず、図示しないスピーカ等による音声によって行ってもよい。
次に、図6に基づいて、本実施形態に係る推定装置による制御フローを説明する。
ステップS100では、ストロークセンサ54のセンサ値に基づいて、クラッチ装置20が接続状態にあるか否かが判定される。クラッチ装置20が接続状態の場合(肯定)、本制御はステップS110に進む。一方、クラッチ装置20が接続されていない切断状態の場合(否定)、本制御はステップS200に進む。
ステップS110では、出力回転数センサ53で検出される出力回転数Nがドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iとしてカウントされ、さらに、ステップS120では、ドライブピニオンギヤ83の噛合回数nDC_iをファイナルギヤ比FGで除算することで、リングギヤ84の噛合回数nRC_iがカウントされる。
ステップS130では、エンジン回転数センサ50で検出されるエンジン回転数Ne及び、アクセル開度センサ51で検出される燃料噴射量Qに基づいて、エンジン10の出力トルクTEngが演算される。
次いで、ステップS140では、出力トルクTEngに、シフトポジションセンサ52で検出されるトランスミッション40の現在のギヤ段のギヤ比を乗じることで、クラッチ接続状態でトランスミッション40からプロペラシャフト47及び、ドライブピニオン82を介してドライブピニオンギヤ83に入力される入力トルクTDC_iが演算される。
次いで、ステップS150では、入力トルクTDC_iにファイナルギヤ比FGを乗じることで、クラッチ接続状態でドライブピニオンギヤ83からリングギヤ84に入力される入力トルクTRC_iが演算されて、本制御はステップS300に進む。ステップS300の詳細については後述する。
上述のステップS100からステップS200に進み、クラッチ装置20が断から接に切り替えられる場合には、ステップS200にて、ストロークセンサ54のセンサ値を微分して得られるクラッチ接続速度Vがクラッチ急接を示す所定の高速閾値Vth以上であるか否かが判定される。クラッチ接続速度Vが高速閾値Vth以上の場合(肯定)、本制御はステップS210に進み、クラッチ急接回数nS_iをカウントして、ステップS220に進む。
ステップS220では、エンジン回転数Neに、クラッチ接続速度V、トランスミッション40の現在のギヤ段のギヤ比及び、補正係数を乗じることで、クラッチ急接時にトランスミッション40からプロペラシャフト47及び、ドライブピニオン82を介してドライブピニオンギヤ83に入力される衝撃トルクTDS_iが演算される。
次いで、ステップS230では、ドライブピニオンギヤ83の衝撃トルクTDS_iにファイナルギヤ比FGを乗じることで、クラッチ急接時にドライブピニオンギヤ83からリングギヤ84に入力される衝撃トルクTRS_iが演算されて、本制御はステップS300に進む。
ステップS300では、上述した各ステップS110〜S150,S200〜S230のカウント値や演算値及び、各T−N線図151,152(図5参照)から読み取られる寿命限界ND_i,NR_iに基づいて、上記数式(1),(2)からドライブピニオンギヤ83の累積疲労被害度D及び、リングギヤ84の累積疲労被害度Dがそれぞれ推定される。
ステップS310では、各ギヤ83,84の累積疲労被害度D,Dの少なくとも一方が所定の閾値(例えば、0.9等)に達したか否かが判定される。否定の場合、本制御はステップS100に戻され、肯定の場合はステップS320に進む。
ステップS320では、運転室内の表示器90に累積疲労被害度D,Dが閾値に達したギヤ83,84の交換が必要な旨(又は、破損の可能性がある旨)を表示させる警告が実施されて、本制御は終了する。
以上詳述したように、本実施形態の推定装置及び、推定方法によれば、デファレンシャルギヤ80の噛合要素であるドライブピニオンギヤ83及びリングギヤ84の各累積疲労被害度D,Dをクラッチ急接時の衝撃トルクTDS_i,TRS_i、クラッチ急接回数nS_i及び、クラッチ接続状態時の入力トルクTDC_i,TRC_i、噛合回数nDC_i,nDR_iに基づき、修正マイナー則又はマイナー則に従い推定すると共に、累積疲労被害度D,Dが破損時期(D=1)に近い所定の閾値に達したギヤ83,84については、表示器90に当該ギヤ83,84の交換が必要な旨を適宜表示するように構成されている。これにより、破損の可能性のあるギヤ83,84の交換時期を運転者に適宜知らせることが可能になり、当該ギヤ83,84の破損により引き起こされる車両1の路上故障を未然に防止することができる。
また、クラッチ急接時の衝撃トルクTDS_i,TRS_i及び、クラッチ急接回数nS_iを用いて累積疲労被害度D,Dの推定することで、運転者により異なるクラッチ操作特性に応じた累積疲労被害度D,Dを効果的に推定することが可能となり、部品寿命の予測精度を確実に向上することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、累積疲労被害度の推定対象は、ドライブピニオンギヤ83及び、リングギヤ84に限定されず、デファレンシャルギヤ80の他の噛合要素であるデフピニオンギヤ86やサイドギヤ87,88等であってもよい。この場合は、各センサ50〜54のセンサ値からエンジン10のトルク抜け回数をカウントし、該トルク抜け回数と各ギヤ86〜88の入力トルクとに基づいて、マイナー則又は修正マイナー則に従い累積疲労被害度をそれぞれ推定すればよい。
また、累積疲労被害度の推定対象は、デファレンシャルギヤ80の噛合要素に限定されず、トランスミッション40の噛合要素(変速ギヤ列45)であってもよい。また、累積疲労被害度の推定対象は、駆動系の噛合要素に限定されず、プロペラシャフト47等の他の動力伝達要素であってもよい。
また、ECU100の機能要素として、累積疲労被害度が閾値に達した場合には、デファレンシャルギヤ80やトランスミッション40の早期破損を抑止すべく、エンジン10の出力トルク上昇を所定の上限値で制限する機能をさらに追加してもよい。
また、クラッチ接続速度Vを取得する手段は、ストロークセンサ54に限定されず、クラッチ接続速度Vを検出可能なものであれば、例えば、レリーズシリンダ30のプッシュロッド33のストロー量やクラッチペダル70の変位量を取得可能な他のセンサであってもよい。
また、車両1は、駆動源としてエンジン10を備えるものに限定されず、走行用モータを備えるハイブリット車両等であってもよい。
10 エンジン
20 クラッチ装置
40 トランスミッション
47 プロペラシャフト
50 エンジン回転数センサ(出力回転数取得手段)
51 アクセル開度センサ
52 シフトポジションセンサ
53 出力回転数センサ(入力回転数取得手段)
54 ストロークセンサ(接続速度取得手段)
55 車重センサ
80 デファレンシャルギヤ
83 ドライブピニオンギヤ
84 リングギヤ
90 表示器
100 ECU
110 クラッチ急接回数カウント部(急接回数カウント手段)
120 ギヤ噛合回数カウント部(噛合回数演算手段)
130 第1入力トルク演算部(第1トルク演算手段)
140 第2入力トルク演算部(第2トルク演算手段)
150 累積疲労被害度推定部(推定手段)
160 警告処理部(警告手段)

Claims (6)

  1. 駆動源からの回転動力がクラッチ装置及びマニュアルトランスミッションを介してデファレンシャルギヤに入力される動力伝達経路を備えた車両の推定装置であって、
    前記クラッチ装置が断から接に切り替えられる際のクラッチ接続速度を取得する接続速度取得手段と、
    前記クラッチ接続速度に基づいて、該クラッチ接続速度が所定の高速閾値以上で接続されるクラッチ急接回数をカウントする急接回数カウント手段と、
    前記駆動源の出力回転数を取得する出力回転数取得手段と、
    前記クラッチ接続速度が前記高速閾値以上で接続される際に、少なくとも前記出力回転数取得手段により取得される出力回転数及び、前記接続速度取得手段により取得されるクラッチ接続速度に基づいて、前記クラッチ装置よりも下流側の動力伝達要素に入力される第1トルクを演算する第1トルク演算手段と、
    前記クラッチ急接回数及び、前記第1トルクに基づいて、前記動力伝達要素の累積疲労被害度を推定する推定手段と、を備える
    ことを特徴とする推定装置。
  2. 前記動力伝達要素は、前記動力伝達経路に配された噛合要素であり、
    前記噛合要素の入力回転数を取得する入力回転数取得手段と、
    前記クラッチ装置が接続状態の時に、前記入力回転数に基づいて前記噛合要素の噛合回数をカウントする噛合回数カウント手段と、
    前記クラッチ装置が接続状態の時に、前記駆動源から前記噛合要素に伝達される第2入力トルクを演算する第2入力トルク演算手段と、をさらに備え、
    前記推定手段が、前記クラッチ急接回数、前記第1入力トルク、前記噛合回数及び、前記第2入力トルクに基づいて、前記噛合要素の累積疲労被害度を推定する
    請求項1に記載の推定装置。
  3. 前記推定手段は、前記クラッチ急接回数、前記第1入力トルク、前記噛合回数及び、前記第2入力トルクに基づいて、マイナー則又は修正マイナー則に従い前記累積疲労被害度を推定する
    請求項2に記載の推定装置。
  4. 前記累積疲労被害度が破損の可能性を示す所定の閾値に達すると、当該情報を運転者に知らせる警告手段をさらに備える
    請求項1から3の何れか一項に記載の推定装置。
  5. 前記動力伝達要素が、前記デファレンシャルギヤのドライブピニオンギヤ及び、該ドライブピニオンギヤと噛合するリングギヤである
    請求項1から4の何れか一項に記載の推定装置。
  6. 駆動源からの回転動力がクラッチ装置及びマニュアルトランスミッションを介してデファレンシャルギヤに入力される動力伝達経路を備えた車両の推定方法であって、
    前記クラッチ装置が断から接に切り替えられる際のクラッチ接続速度を取得し、前記クラッチ接続速度に基づいて、該クラッチ接続速度が所定の高速閾値以上で接続されるクラッチ急接回数をカウントし、少なくとも、前記クラッチ接続速度が前記高速閾値以上で接続される際に取得した前記駆動源の出力回転数及び、前記クラッチ装置のクラッチ接続速度に基づいて、前記クラッチ装置よりも下流側の動力伝達要素に入力される第1トルクを演算し、前記クラッチ急接回数及び、前記第1トルクに基づいて、前記動力伝達要素の累積疲労被害度を推定する
    ことを特徴とする推定方法。
JP2017012271A 2017-01-26 2017-01-26 推定装置及び推定方法 Pending JP2018119886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017012271A JP2018119886A (ja) 2017-01-26 2017-01-26 推定装置及び推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017012271A JP2018119886A (ja) 2017-01-26 2017-01-26 推定装置及び推定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018119886A true JP2018119886A (ja) 2018-08-02

Family

ID=63044326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017012271A Pending JP2018119886A (ja) 2017-01-26 2017-01-26 推定装置及び推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018119886A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113190933A (zh) * 2021-06-03 2021-07-30 吉林大学 工程机械内燃机载荷再现及外推方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113190933A (zh) * 2021-06-03 2021-07-30 吉林大学 工程机械内燃机载荷再现及外推方法
CN113190933B (zh) * 2021-06-03 2022-06-24 吉林大学 工程机械内燃机载荷再现及外推方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8050814B2 (en) Apparatus and method for determining remaining transmission oil life
JP2018135977A (ja) 推定装置及び推定方法
CN107036807B (zh) 用于测量全车轮驱动车辆的离合器寿命的方法和装置
SE1650059A1 (en) A system and a method for monitoring a gearbox
US20080182720A1 (en) Clutch control device
JP2018119886A (ja) 推定装置及び推定方法
US10245949B2 (en) Method for operating a motor vehicle including an all-wheel drive that can be enabled and disabled by determining an angular acceleration of components, which are uncoupled when the all-wheel drive is disabled
JP6926758B2 (ja) 推定装置及び推定方法
CN110139993B (zh) 推定装置及推定方法
EP2767817B1 (en) Method and device and computer program and computer readable means for monitoring the wear of the clutch of a manual or of an automated manual transmission , in particular for heavy vehicles
EP3221609B1 (en) A method to control clutch force in a clutch pack
JP6052110B2 (ja) エンジン制御装置
ITMI992308A1 (it) Veicolo con un dispositivo per la determinazione e la memorizzazione di dati
JP6907826B2 (ja) 診断装置及び診断方法
JP4422131B2 (ja) クラッチの滑り量推定装置
JP2012078134A (ja) 車両の総重量推定装置
JP2018116020A (ja) 推定装置及び推定方法
JP6475757B2 (ja) 車両のデュアルクラッチトランスミッションにおけるフリーホイーリングを制御するための方法
JP2012215228A (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
JP2018179137A (ja) 寿命推定装置及び寿命推定方法
JP2020067391A (ja) 異常診断装置
JP6155219B2 (ja) 車両用動力伝達装置
US11668354B2 (en) Determination device and determination method
JP2018119665A (ja) 警告装置
WO2021153202A1 (ja) 判定装置、判定方法及び、車両