JP2018119728A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】省エネルギー化及び耐久性向上を図り、長期にわたって連続運転を可能としたヒートポンプ装置を提供すること。【解決手段】媒体循環路BRに順次設置された蒸発器8,圧縮機9,凝縮器11,及び膨張弁12を有し、前記媒体循環路BR内を循環する媒体用の低温熱源として再生可能エネルギーや外気等を利用する構造のヒートポンプ装置であって、前記圧縮機として、ターボ圧縮機を装備したこと。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ装置に係り、特に、再生可能エネルギーの熱利用技術分野にあって、これにかかわるあらゆる熱源を利用した省エネかつ低環境負荷に好適なヒートポンプ装置に関する。
ヒートポンプは、一般に、温度の低い所から温度の高い所へ熱を移動させる技術のことを指称する。かかる技術的手法は、従来よりいくつか知られているが、主流は、気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたもので、一般家庭にみられる冷凍冷蔵庫、エアコン、給湯器等がその応用製品として知られている。
このヒートポンプにあっては、その媒体循環系の内部では、低沸点の冷媒(例えば代替フロンなど)が熱移動媒体として循環する構造となっている。
この種のヒートポンプは、例えば、暖房時には、低温で液体の冷媒は蒸発器(熱交換器)の場所で、低温の熱源(地中で熱交換された液体)から熱を獲得し、気化する。次に、気化された冷媒は圧縮機で加圧昇温される。そして、この昇温したガス状の冷媒は熱交換器に移動し、そこで外部の水が熱交換されて温水となり室内暖房用として利用される。
そして、熱交換で熱を奪われた冷媒は、ガス状から液化され膨張弁の所で減圧され、再び最初の蒸発器に戻る。
一方、冷房時には、上記暖房時とは逆のサイクルとなり、外部の水が熱交換器で熱交換されて冷水となり、室内冷房用として利用される。
図15に、従来より知られている蒸気圧縮型のヒートポンプ装置の系統図を示す。
この場合、集熱側の低温熱源001としては、外気005や日射004,地中・地熱003などの再生可能エネルギーや各種廃熱002が用いられる。
そして、この低温熱源001で得られた熱により、蒸発器101部分で、作動媒体である冷媒RVが蒸発気化される。
この気化された冷媒(作動媒体)RVは、圧縮機102に導きかれて圧縮され、この圧縮された冷媒RVを熱利用側の高温熱源に集熱温度より高い温度で放熱する凝縮器103に導かれ、ここで圧縮された状態で凝縮される。続いて、この凝縮された冷媒RVは膨張弁104に導かれて膨張減圧され、この膨張減圧され低圧化された冷媒RVは、再び前述した蒸発器101に導かれる。
そして、上記凝縮器103には、熱交換器106が併設され、この熱交換器106を介して媒体RVの熱エネルギーが外部に取り出されるようになっている。符号105は熱媒体ポンプを示し、符号009は熱交換器106で取り出された放熱を示し、符号107は放熱009を有効利用する熱利用系を示す。
ここで、上記したヒートポンプ装置は、その小型化のために、圧縮機としては小さな体積流量を処理できる高圧型で容積式の圧縮機102が用いられており、必要な冷媒の重量流量を確保している。
一方、図12に示す小型のレシプロ式の圧縮機130は、圧縮された冷媒が所定の圧力になると、シリンダ上部に設置されたばね状の吹き出し弁が開放されて圧縮された冷媒を凝縮器103(図15参照)に送るように機能する。
又、図13に示すロータリー式の圧縮機140は、上記小型のレシプロ式の容積型圧縮機と同様の吹き出し弁の構造を有する。
更に、図14に示すスクロール式圧縮機150は、冷媒RVが、旋回スクロールと固定スクロールで構成された冷媒圧縮シリンダ部で圧縮され、圧縮された冷媒RVは固定スクロールの中心部の吐き出し穴から放出されて凝縮器103(図15参照)に導かれる。
以上説明した各圧縮機は、何れも容積型で、冷媒RVの圧縮の始まりと終わりの容積が設計により決定されるので、冷媒RVの圧縮比が一定である。冷媒RVの圧縮比が圧縮機により一定であると、集熱温度により放熱温度が定まる。
これら容積型の蒸気圧縮機を搭載するヒートポンプ装置は、低沸点、高密度の冷媒RVを使用することが多いが、冷媒RVは一般に地球温暖化係数が大きく、これが外界に排出されると地球温暖化を進行させることとなり、好ましい状態ではない。
ここで、図12に、前述したレシプロ式の容積型圧縮機130の要部を示す。
このレシプロ式の容積型圧縮機130は、駆動電動機の一部である固定子131および回転子132によって発生された動力を、回転軸支持部133によって支持された回転軸134、並びにそれに接続されたディスク135に伝達され、このディスク135は回転運動をする。
ディスク135の中心から半径方向に沿って外側にずれた位置に、ピストンロッド136を接続し、更に、ディスク135とピストンロッド136の接続と反対側のピストンロッド136の端(図13の上端側)に、ピストン137を接続する。ピストンロッド136の両接続端は、スイング型になっていることで、ピストン137はシリンダ138内で上下運動し、作動媒体である冷媒RVの圧縮過程を実現する。
一方、上記作動媒体RVの圧縮過程においては、ピストン137とシリンダ138の境界から前述した作動媒体RVが漏れぬよう、封止部139を備えている。
ここで、上記回転軸支持部133は、接触型の軸受を使用しており、発熱による焼き付きやフレッティングを抑制するために油で強制潤滑をするか、または、潤滑性のあるグリースを塗布したものが使用されている。
ここでいう接触型の軸受とは、セラミックや鉄系材料を用いた球状乃至円筒状のものを複数摺動面に設けた転がり軸受、または、平坦形状乃至パッド形状の表面に油膜を形成させる滑り軸受のことをいう。
更に、上記固定子131の外周には電動機冷却部130Aが備えており、チラーなど用いた強制的な液体冷却、又は送風機など用いた強制的な空冷がなされている。
次に、ロータリー式で容積型の圧縮機140の概要を、図13に示す。
この図13において、ロータリー式の容積型圧縮機140は、駆動電動機の一部である固定子141および回転子142によって発生された動力を、回転軸支持部143によって支持された回転軸144、並びにそれに接続されたローラー145に伝達され、これによって、ローラー145は回転運動を実行する。
ここで、この圧縮機140における駆動電動機部分のローラー145は回転軸144の中心から偏心して接続されているため、ローラー145が格納されている静止部146の壁面では、隙間が広い部分と狭い部分が混在することになる。
そして、この隙間の狭い部分では、ローラー145が静止部146に作動媒体RVを押し付けることで圧縮され、これにより、圧縮部(圧縮空間)147ができる。同時に、上記隙間が広い部分では、作動媒体RVは圧縮されず、非圧縮部148ができる。そして、このような状態下にあって、圧縮部(圧縮空間)147ができることで、作動媒体RVの圧縮過程が実現する。
上記作動媒体RVの圧縮過程において、図には示していないが、ローラー145と静止部146の境界からの作動媒体RVの漏れを封止するための漏れ封機構が、別に設置されている。
ここで、上記回転軸支持部143は、前述した図12のレシプロ式の場合と同様に、接触型の軸受を使用しており、発熱による焼き付きやフレッティングを抑制するために油で強制潤滑をするか、または、潤滑性のあるグリースを塗布したものが使用されている。
又、ここでいう接触型の軸受については、前述した図12のレシプロ式の場合と同様に、セラミックや鉄系材料を用いた球状乃至円筒状のものを、複数摺動面に設けた転がり軸受とし、又は平坦形状乃至パッド形状の表面に油膜を形成させる滑り軸受のことを指称する。
更に、上記固定子141についても、その外周には電動機冷却部149が設けられており、チラーなど用いた強制的な液体冷却、又は送風機など用いた強制的な空冷がなされている。
図14に、スクロール式の容積型圧縮機150の基本構成の一部を示す。
このスクロール式の容積型圧縮機150は、駆動電動機の一部である固定子151および回転子152によって発生された動力を、回転軸支持部153によって支持された回転軸154,並びにそれに接続された旋回渦巻156に伝達され、これにより旋回渦巻156は固定渦巻157の周りを円運動する。
ここで、固定渦巻157は固定されているために、相対的には揺動運動となり、旋回渦巻156と固定渦巻157の間の空間が圧縮部となり、これにより、作動媒体RVの圧縮過程が実現することとなる。
又、旋回渦巻156と固定渦巻157の間には、作動媒体の漏れを抑制するために機械的接触部があり、その接触部の摩耗を抑制するために、潤滑油が使用され、又は耐摩耗性のあるコーティングなどが塗布された状態となっている。
上記回転軸支持部153は、接触型の軸受を使用しており、発熱による焼き付きやフレッティングを抑制するために油で強制潤滑をするか、または、潤滑性のあるグリースを塗布したものが使用されている。
ここで、接触型の軸受とは、セラミックや鉄系材料を用いた球状、或いは円筒状のものを複数摺動面に設けた転がり軸受、又は平坦形状、乃至パッド形状の表面に油膜を形成させる滑り軸受のことをいう。
更に、上記固定子151の外周には、電動機冷却部155が備えられており、チラーなど用いた強制的な液体冷却、又は送風機など用いた強制的な空冷が成されるようになっている。
上述した圧縮機およびこれを利用した冷凍装置の公知例として、下記特許文献1乃至2が知られている。
この内、特許文献1(特開2013−122331号公報)には、冷媒圧縮機構を備えた冷凍装置が、又、特許文献2(特許公報第2809346号公報)には、冷凍機用圧縮機が、それぞれ開示されている。
特開2013−122331号公報 特許公報第2809346号公報
上述した従来公知の各蒸気圧縮型のヒートポンプ装置にあって、上記した各圧縮機は、冷媒RVの圧縮比が定容積型で、冷媒RVの圧縮比が一定で、集熱温度が定まると放熱温度が定まり、その結果、集熱温度が変動するときには、所望の温度レベルの熱が得られないという不都合があった。
また、上記した蒸気圧縮型の各ヒートポンプ装置にあって、熱源の温度によらず所望の温度レベルの熱を得るためには、圧縮比を変えることのできる圧縮機を必要とするという稼動上の要件があり、また、化石燃料を燃焼して得られるエネルギーから得られた電力や動力を用いた同システムでは、炭酸ガスの排出による地球温暖化問題がある。
再生可能エネルギーや廃熱を低温熱源として、温度レベルを向上させて放熱してこれを利用するヒートポンプ装置は、通常の外気などのみの環境の温度で集熱するヒートポンプ装置とは異なり、同じ温度レベルの熱を得るために必要な圧縮動力を低減でき、炭酸ガス排出量を低減できる特色を有している。
しかしながら、この種のヒートポンプ装置は、その作動媒体である冷媒,特にその取り入れた熱を伝達する作動媒体RVは、現在は地球温暖化係数の高いものが多く、これが環境に排出されると地球温暖化に寄与してしまう不具合を有する。
一方、地球温暖化係数の小さい新しい作動冷媒RVが注目されているが、これら新しい作動媒体RVは低圧・高温域に集中しており、容積型圧縮機の実用能力領域で必要とする作動媒体に適した高密度のものが少なく、容積型圧縮機での活用には限界があった。
また、図12に示すレシプロ式容積型圧縮機130における回転軸支持部133、図13に示すロータリー式の容積型圧縮機140における回転軸支持部143、及び図14に示すスクロール式の容積型圧縮機150における回転軸支持部153、の何れにおいても、接触式の軸受を用いていることから、これらの従来技術にあってはそれぞれ接触部に機械損失があり、システム効率が低下するという不都合があった。
更に、上記した各容積型圧縮機130,140,150の各回転軸支持部133,143,153は、何れも接触して回転しているため、長期的には磨耗し易く又損傷し易いという不都合があり、定期的な点検、並びに回転軸支持部自体の交換の必要性が存在していた。このことは、圧縮機本体の定期的な分解作業を要すことから、メンテナンス費用や連続運転の点で、その保守に手間がかかるという不都合があった。
更に又、上記回転軸支持部133,143,153にあっては、潤滑油や潤滑性のあるグリースを使用するため、これらの供給装置や供給状況を監視するための制御・監視・保護装置が必要となり、装置構成が複雑化するという課題があった。特に強制的に潤滑油を供給する場合は、給油ポンプが(場合により排油ポンプも)必要となり、更に、温度環境によっては潤滑油の粘性を保つための熱交換器も必要とし、電力消費量の増加につながるという不都合があった。
特にこの場合、グリースも温度環境による粘性の変化に対し非常に敏感であり、これが起因して回転軸支持部133,143,153の寿命低下が問題となっていた。
同時に、潤滑油の定期的交換作業、グリースの再充填など、定期的なメンテナンスも問題となっていた。グリースを使用する場合は保護のための監視が難しいため、従って、かなり安全率を高く設定し且つ定期的交換作業を必要とし、定期的メンテナンスの頻度が特に多くなるという不都合があった。
尚、上記潤滑油やグリースは、日時の経過と共に(経年的に)作動媒体側に混入することがあり、これは作動媒体の純度を下げ、作動媒体の性能が低下し、システム効率が低下する原因でもあった。
また、上記潤滑油やグリースの上記作動媒体への混入を抑制するために封止部を備えることによる、部品点数の増加によるコストアップ、ならび、封止部もまた有限寿命ゆえ、定期点検や定期的交換作業など、圧縮機本体の定期的メンテナンスを要するという問題も生じていた。
又、スクロール式の容積型圧縮機150における旋回渦巻156と固定渦巻157の間には、作動媒体の漏れを抑制するために機械的接触部があり、その接触部の摩耗を抑制するために、潤滑油を使うが、この潤滑油が上記作動媒体の純度劣化に影響をあたえているという不都合もあった。
更に、レシプロ式の容積型圧縮機130における封止部139、ロータリー式の容積型圧縮機140の封止部、スクロール式の容積型圧縮機150における旋回渦巻156と固定渦巻157の間に作動媒体の漏れを抑制するために機械的接触部にコーティングを塗布した場合など、何れも、封止部が揺動部と静止部とが接触しており、僅かながら日常的に摩耗が生じていることから、コンタミなど封止部周辺の材料が散乱し、それが作動冷媒に混入し、上記同様、純度劣化の問題にもなっていた。
更に又、駆動電動機を構成する固定子および回転子には、鉄損や銅損が寄生しており、それらが回転速度や負荷に依存して発熱し、電動機の寿命低下につながる。
このため、上記において電動機冷却部130A,149,155において、チラーや送風機を用いて強制的に冷却を行うが、いずれも動力を要し、電力消費量が増加するという不都合があった。
さらに、上記各圧縮機にあっては、装置構成も複雑化し、制御や監視・保護機能の複雑化し、更に、その継続した冷却動作に際しても、上記各方式にあっては、最も冷却したい回転子132,142,152や、回転軸134,144,154を、電力消費量を増やさずに効果的に冷却することができない、という不都合があった。
(発明の目的)
本発明は、上記従来例における不都合を改善し、特に省エネルギー化及び耐久性向上を図り、長期にわたって連続運転を可能としたヒートポンプ装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヒートポンプ装置は、媒体循環路に順次設置された蒸発器,圧縮機,凝縮器,および膨張弁を有し、前記媒体循環路内を循環する媒体用の低温熱源として再生可能エネルギーや外気等を利用する構造のヒートポンプ装置であって、前記圧縮機としてターボ圧縮機を備えているという構成を採っている。
また、前記媒体循環路内を循環する冷媒として、オゾン破壊係数及び地球温暖化係数が著しく小さい値の低圧冷媒を用いている。
更に、前記ターボ圧縮機は、その断熱効率が広い作動範囲で高い値に設定された構造のものとし、且つ小型化された省エネルギー構造の分散型としたことを特徴とする。
これにより、本発明にあって、ターボ圧縮機は回転数を種々に変化させることにより、高い断熱効率を保ちながら、広範囲な作動媒体流量と圧縮比を得ることができる。
このため、この特性を備えたターボ圧縮機を搭載する当該蒸気圧縮型のヒートポンプ装置は、広範囲に温度変動する集熱に対して、広範囲な温度レベルと熱量のエネルギーを得ることができる。
又、ターボ圧縮機は回転数を容積式圧縮機に比べて格段に大きくすることができるので、ヒートポンプ装置の作動範囲で、低圧で密度が小さい作動媒体を用いて大きな重量流量を得ることが可能となる。
昨今、地球温暖化係数の小さい新しい作動冷媒が注目されているが、これら新しい作動媒体は、前述のごとく低圧で蒸気圧が低く、結果密度が小さく容積型圧縮機では活用できなかったが、ターボ圧縮機の採用により活用できることになる。
更に、本発明におけるターボ圧縮機は、圧縮仕事をするための羽根車とディフューザと渦巻環を有しており、その羽根車を駆動する駆動電動機が非接触の回転軸支持部で支持された回転軸を有している構成を採っている。
この場合、作動媒体の流れ方において、上記羽根車が取り付く上記回転軸の反対側を上流側に設け、作動媒体が剥離なく平滑化されて羽根車の吸込口に供給されるための流路形状を持ち、且つ当該流路は駆動電動機の固定子の外側と駆動電動機内部の両方を流れた後に蒸気羽根車の吸込口で合流する構成とし、一方、流体封止部がない構成とした。
このため、上記構成によれば、従来の容積型圧縮機のような接触式回転軸支持部が不要となり、潤滑油や潤滑用グリースは使われない。従って、接触部の機械損失による効率低下、潤滑油乃至潤滑グリースと作動媒体の混合による効率低下、回転軸支持部や潤滑油の定期的交換やメンテナンス、装置構成、制御・監視保護機能の複雑化、電気消費量の増加の問題が解消される。
更に、本発明によると、作動媒体が剥離なく平滑化されて羽根車の吸込口の供給されることで、羽根車の吸込口における圧力の安定化につながり、ターボ圧縮機としての断熱効率を改善させることができる。
即ち、ターボ圧縮機の断熱効率は、一般に、圧縮機の入口と出口における温度差に対する圧縮仕事量で決まる。作動媒体の流れの中では、圧力がたっている静圧部と、圧力が運動エネルギーに変換された動圧部とが混在している。上記平滑化をすることで動圧部の運動エネルギーを圧力回復させ、羽根車入口における作動媒体すべてを静圧部とみなせることが可能となる。
作動媒体を駆動電動機の外側と内部の両方を流すことは、電動機全体の冷却にもつながる。これは、上記ターボ圧縮機の羽根車の吸込力のみで駆動電動機の外側と内部を流れていくため、特に外部からの強制冷却が必要ない。つまり、チラーや送風機などの外部機器が不要となり、装置構成、制御・監視保護機能の複雑化、電気消費量の増加の問題が解消される。更に、駆動電動機の冷却で最も重要視される回転子および回転軸の冷却効果も向上し、駆動電動機の効率低下問題も解消できる。
上記駆動圧縮機の内部を通過した作動媒体が、上記羽根車の吸込口で駆動電動機の外側を流れる作動媒体と合流するように構成したので、流体封止部を不要とし、封止部による部品点数の増加や作動媒体の漏れ、摩耗によるコンタミならび純度劣化問題も解消できる。そして、上記羽根車へ全流量を送り込むことができるため、熱源から投入された全熱量を作動媒体が運搬することが可能となり、システム効率の更なる向上も期待し得る。
本発明は、以上のように、媒体循環路に順次設置された蒸発器,圧縮機,凝縮器,及び膨張弁を有し且つ循環媒体用の低温熱源として再生可能エネルギーや外気等を利用する構造のヒートポンプ装置であって、前記圧縮機としてターボ圧縮機を装備したので、特に、このターボ圧縮機が有効に機能し、装置全体の省エネルギー化及び耐久性向上を図ることができ、且つ長期にわたっての連続運転が可能となるという従来にない優れたヒートポンプ装置を得ることができる。
本発明にかかるヒートポンプ装置の実施形態を示す全体ブロック図である。 図1に開示したヒートポンプ装置の要部を成すターボ圧縮機を示す断面図である。 図2に開示したヒートポンプ装置に使用される循環冷媒の特性(温度−圧力特性)を示す線図である。 図2に開示したヒートポンプ装置に使用される循環冷媒の実働特性である圧力比と流量との関係を示す線図である。 図2に開示したヒートポンプ装置に装備されるターボ圧縮機の他の一例を示す概略断面図である。 ヒートポンプ装置の動作時におけるターボ圧縮機内の循環冷媒の流通状態を示す冷媒流通状態説明図である。 図6に開示したヒートポンプ装置の一部を構成する平滑化ガイド機構の一例を示す外観図である。 図6に開示したヒートポンプ装置の一部を構成する平滑化ガイド機構の他の一例を示す外観図である。 図2に開示したターボ圧縮機の具体例を示す断面図である。 図9に開示したターボ圧縮機の変形例を示す断面図である。 図10に開示したターボ圧縮機の冷媒吐出部における冷媒の吐出部における流動状態を示す説明図である。 図2に開示したターボ圧縮機の他の例で、レシプロ式容積型圧縮機の概略構成及びその動作の一例を示す説明図である。 図2に開示したターボ圧縮機の他の例で、ロータリー式容積型圧縮機の概略構成及び動作の一例を示す説明図である。 図2に開示したターボ圧縮機の他の例で、スクロ−ル式容積型圧縮機の概略構成を示す説明図である。 ヒートポンプ装置の従来例を示す全体ブロック図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明にかかるヒートポンプ装置の第1実施形態を、図面に従って説明する。
図1は、本発明に係るヒートポンプ装置を含むシステムを示すブロック図である。この図1にあって、ヒートポンプ装置は、媒体循環路BR上に順次設置された蒸発器8,圧縮機9,凝縮器11,及び膨張弁12を備えている。
そして、この媒体循環路BR内を循環する媒体用の低温熱源001として、本実施形態では、再生可能エネルギーや外気等を利用する構造となっている。
この内、圧縮機9としては、本実施形態ではターボ圧縮機が使用されている。
又、上記媒体循環路BR内を循環する媒体(冷媒)Bとして、本実施形態では、地球にやさしい冷媒を選択するという意味で、オゾン破壊係数及び地球温暖化係数が著しく小さい低圧媒体が用いられている
ここで、ターボ圧縮機9は、本実施形態では、その断熱効率が広い作動範囲で高い値に設定された構造のものとし、且つ小型化された省エネルギー構造の分散型構造のものが使用されている。図2に、ターボ圧縮機9の具体的な構造の一例を示す。
又、低温熱源001である施設廃熱002,地中熱や地熱003,日射004,或いは外気熱005等の再生可能エネルギーは、図1に示すように蒸発器8で集熱され、ここで、作動媒体である冷媒Bが蒸発してターボ圧縮機9に流入する。
そして、冷媒蒸気は当該ターボ圧縮機9内でモータ部(駆動電動機構部)8により高速駆動されるターボ圧縮機9の翼17に導かれ、ここで圧縮されて当該ターボ圧縮機9から吐出され、凝縮器11に導かれ、ここで熱媒体を加熱し、自らは放熱凝縮して膨張弁12に送られる。この膨張弁12で、冷媒Bは膨張・減圧され、再び前述した蒸発器8に戻る。この過程でヒートポンプサイクルが形成される。
上記放熱で得られた熱は、熱媒体ポンプ13により熱媒体に乗って循環し、熱交換器14を介して放熱され、熱利用系15で空調,給湯等のおよびその他の各種機器の加熱に用いられる。
ここで、ターボ圧縮機9を装備したヒートポンプ装置においては、循環する冷媒として、上述したように、本実施形態ではオゾン破壊係数および地球温暖化係数が著しく小さい低圧媒体が用いられている。
このターボ圧縮機9は、回転数を、毎分数1,000回転の容積式圧縮機に比べて、80,000回転ほどに大きくすることができるので、ヒートポンプ装置の作動範囲で低圧で密度が小さい作動媒体を用いて大きな重量流量を得ることが可能となる。
図3の冷媒の飽和蒸気線図に示す通り、一般空調やカーエアコンに使用されている冷媒(「C001HFC32」や「C002HFC134a」)は地球温暖化係数(GWP)がそれぞれ「677」「1300」と大きいが、新しい作動冷媒(低圧媒体)である次世代冷媒HFO・1234ze(E)C003,次世代冷媒HFO・1234ze(Z)C004、次世代冷媒HFO・1233zd(E)C005などは、地球温暖化係数の値は、それぞれ1以下、1、1と極めて小さい。
これらの冷媒は低圧高温媒体域に集中しており、高速回転により大きな体積流量を搬送できるターボ圧縮機9が当該冷媒を圧縮でき、地球温暖かに寄与しないヒートポンプ装置を形成することができる。
図4は、上記したヒートポンプ装置において採用するターボ圧縮機9の作動特性を示す。この図4に示すように、回転数を設計点の75〔%〕〜150〔%〕(D005〜D002)に変化させることにより、最大値の90〔%〕以上の断熱効率D007を保ちながら、作動媒体流量を設計点D001の50〔%〕〜125〔%〕の範囲で、1.25〜3.0の圧縮比を得ることが可能なヒートポンプが形成される。
これにより、ターボ圧縮機9の断熱効率を広い流量範囲、圧縮機作動範囲で高い値とすることに加え、小型化することにより、省エネルギーを有する分散型装置として使用できることを達成する。
図5に、ターボ圧縮機の他の具体例を示す。
この図5に示すターボ圧縮機10は、回転軸支持部に磁気軸受を備えたターボ圧縮機本体を正面方向から見た垂直断面における概略断面図である。
このターボ圧縮機10は、基本的な機能は前述した図2のターボ圧縮機9とほぼ同一であるが、内部を形成する構成や組み合わせは用途に応じて多様化されており、図5および以下に説明するものに必ずしも限定されないものとする。
この図5において、ターボ圧縮機10は、ハウジング53内に、固定子52と、回転子54と、回転軸55と、各磁気軸受56、57、58、59と、流体封止部68とを格納した駆動電動機部50を備えている。又、このターボ圧縮機10は、渦巻環64内に羽根車63と、ディフューザ65を格納した圧縮機構部51を備えている。
磁気軸受56乃至59は、それぞれが磁気の力で回転体全体を理想状態に浮上させて回転させることが可能なように構成されており、回転体と静止体との間に機械的接触部を一切持たない構造となっている。以下、各部を説明する。
[駆動電動機部]
この駆動電動機部50は、上記した圧縮機構部51に圧縮の仕事を回転によりさせるための回転動力部である。回転動力は、固定子52と回転子54に生じる磁場と電流から回転方向に動く力が発生し当該回転子54は回転運動をはじめる。この回転子54の回転速度は、固定子52に印加される電圧と周波数によって決まる。
上記回転子54には回転軸55が備えられている。この回転軸55は、回転子54の内孔部に連結されるが、回転子54が回転時の遠心力によりその内孔部が遠心方向に変形を起こしても、回転軸55との間に隙間が発生しないように、また、各々の連結位相がずれぬように連結されている。
さらに、後述するアキシャル荷重を保持するためのアキシャルリング60が、回転軸55に装備されている。
[磁気軸受(ラジアル軸受)]
上記回転子50とアキシャルリング60が備われた回転軸55は、その両端にラジアル磁気軸受56,57を備える。この各ラジアル磁気軸受56,57は、回転をしない固定側が電磁石の構造を採っている。磁場が各ラジアル軸受56,57と回転子54との間に発生し、その磁力で回転子54が浮上するが、磁場による渦電流損失を抑制するために、図示はしていないが、厳密には各磁気軸受部周辺の回転軸55には、珪素鋼板が備われている。各ラジアル軸受56,57は、回転軸55の垂直方向に働く静荷重ならび動荷重を受け、回転体全体が安定して回転運動ができるような回転軸支持部として機能する。
前述したアキシャルリング60の周辺には、アキシャル軸受58,59が配設されている。各アキシャル軸受58,59は、前述した回転軸55に連結される羽根車63が圧縮仕事をした際に、回転軸方向に対し空力的な推力がアキシャル荷重として発生するため、そのアキシャル荷重を受け、回転体全体が正しい磁気浮上位置を保持する機能を有する。この各アキシャル軸受58,59も、上記した各ラジアル軸受56,57と同様に電磁石構造を備えている。
上記回転軸55の両端周辺には、タッチダウン軸受61,62が配置されている。各タッチダウン軸受61,62は、非常用として備われたものであり、通常は保持器がなく、無潤滑の転がり軸受を使用しており、磁気浮上中ならび回転中においては、回転軸55並びに総ての回転体とは一切非接触である。
磁気軸受56,57は磁力を発生させるために若干の電気を使用するが、その電源が遮断された場合は、回転軸55を浮上させることができない。また、通常回転運転中に、過回転や過負荷などの非常事態が発生し、磁気軸受が持つ制御範囲を超過した場合、回転子54が静止体に接触する危険性がある。そのような非常事態にのみ、一時的な補助軸受として使用する。
このような事態では回転は停止させるため、停止までの間安全に回転体を保護することを目的としている。
尚、各タッチダウン軸受61および62は、転がり軸受に限定せず、無潤滑かつ低摩擦係数のものであれば、他の方法を使用もよい。例えば低摩擦係数で焼き付きにくいコーティングを有したプレーン軸受を使用してもよい。
図示をしていないが、上記各ラジアル軸受およびアキシャル軸受にはパルスセンサおよび変位センサが内蔵されており、各センサからの信号をフィードバックさせて浮上ならび回転状態の最適制御を行う。
[冷却機構]
これら回転体全体および回転体周辺静止部品は、ハウジング53内に格納されている。このハウジング53は、回転体ならび周辺機器と共振しないような構造設計がなされており、また、固定子52を冷却するための冷却機構も備わっている。
[圧縮機構部]
上記回転軸55には、羽根車63が取り付けられる。この羽根車63は回転軸55によって回転動力が伝達され回転する。羽根車63は渦巻環64に覆われおり、また羽根車63の吐出側と渦巻環64の入口の間にはディフューザ65が備わっている。
上記回転軸55によって回転する羽根車63は、作動媒体吸入口P016から作動媒体Bを吸込み、羽根車63に設けられた動翼内を作動媒体が通過しながら作動媒体を圧縮していく。
羽根車63の動翼と渦巻環64の内側の境界面にはチップクリアランスと言われる隙間があり、作動媒体が羽根車63の動翼内を通過する際に本隙間からの漏れが圧縮機の断熱効率の低下につながるため本隙間は極力小さくすることが望ましいが、上記各アキシャル軸受でアキシャル方向の浮上位置をフィードバック制御かけることで、本隙間の最適化が可能である。
羽根車63を通過して圧縮された作動媒体Bは、羽根車63から吐出された後にディフューザ65を通過する。羽根車63によって圧縮された作動媒体Bは流体速度が上昇しており、圧力が静圧部と動圧部が混在している状態になっている。ディフューザ65は、羽根車63から吐出された流体速度の速い作動媒体を減速させ、運動エネルギーに変換されている動圧部の圧力回復を目的としている。その後、圧力回復された作動媒体は渦巻環64を通過し、作動媒体吐出口P017から吐出される。
[流体封止機構]
上記羽根車63の吐出部から駆動電動機の間において、圧縮機構部51から駆動電動機部50への作動媒体Bの漏れを抑制するために、流体封止機構67が備わっている。
尚、本実施形態では、非接触式の回転軸支持機構として各磁気軸受56,57,58,59を備える構成を例示したが、特にこれに限定されるものではなく、非接触式によって回転軸を支持する他の構成を使用してもよい。例えば、気体、ガスなどを用いた流体軸受を使用してもよい。
(第1の実施形態の効果)
以上のように、上記ターボ圧縮機10では、非接触式の回転軸支持機構として各磁気軸受56乃至59を備えており、潤滑油や潤滑用グリースを使用しない。従って、機械損失をゼロにし、ターボ圧縮機10の機械効率の向上が図ることができる。また、作動媒体Bへの潤滑油や潤滑用グリースなどの混入がなくなり、作動媒体Bの純度劣化も抑制され、これによって、システム効率の向上を図ることができる。
更に、軸受交換、潤滑油交換、グリース充填などが不要となり、メンテナンスフリー化することができる。また、潤滑油の供給ポンプや排油ポンプが不要になり、電気消費量の削減、ならび、装置構成、制御・監視保護機能の複雑化を解消できる。さらに、磁気浮上位置のフィードバック制御により、チップクリアランス部の隙間の最適制御が可能となり、圧縮機の断熱効率の向上が図り得る。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態を、図6乃至図8に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
図6は、本第2の実施形態に組み込まれているターボ圧縮機200を示す。
このターボ圧縮機200は、回転軸支持部に磁気軸受を備え、かつ、作動媒体の流れの剥離を抑制する円錐状ガイド機構203と、流れを平滑化する平滑化ガイド機構(平滑化機構)68とを備えている。この図6は、ターボ圧縮機200の正面方向から見た垂直断面における概略断面図である。
この図6において、Q016は作動媒体吸入口を示し、Q017は作動媒体吐出口を示す。
このターボ圧縮機200は、基本構成として前述した第1の実施形態とほぼ同じ構成を備えている。そして、作動媒体Bの流路において、第1の実施形態に対し、反対方向、つまり、駆動電動機側から流れてくるため、羽根車63、および渦巻環64の取り付け向きが、逆向きとなっている。
固定子52の外側に平滑化ガイド機構68が、羽根車63が配置された箇所の逆側の回転軸55近傍に円錐状ガイド機構203が、それぞれ設置されている。
従って、作動媒体Bは、図6の矢印で示すように、駆動電動機側の作動媒体吸込口Q016から吸込まれ、円錐状ガイド機構203の表面と平滑化ガイド機構68を流路として通過し、羽根車63に供給される。以下、各部を説明する。
[円錐状ガイド機構]
上記駆動電動機側から上記作動媒体Bを吸い込む際、駆動電動機部の形状により、必ずしも滑らかな形状にはなっていない。むしろ、機械的製造のし易さや各種制約条件から、作動媒体Bの流れ方向に対して垂直方向に平たい形状をしている。作動媒体吸込口Q016から吸い込まれた作動媒体Bを流れの剥離なく下流側へ流すよう円錐状ガイド機構203を備え、剥離から生じる二次流れ防止としている。
[平滑化ガイド機構]
次に、平滑化ガイド機構68について説明する。
上記円錐状ガイド機構203を剥離なく通過した作動媒体Bは、固定子52の外側にハウジングと兼用で備え、上述の通り、羽根車63の吸込み手前にて、作動媒体Bが静圧となるよう平滑化ガイド機構68を流路として通過する。
図7は、上記した平滑化ガイド機構68について、作動媒体Bが平滑化されるための形状の一例を示したものである。この平滑化ガイド機構68は、流路の円周に中心軸に沿った一様なフィン68aを複数備え、各フィン68aの間の空間を作動媒体Bが流路として流れることで、流れの平滑化が可能となる。
図8は、他の平滑化ガイド機構69について、作動媒体Bが平滑化されるための形状の、さらなる別の一例を示したものである。この平滑化ガイド機構69は流路の円周上に一様なハニカム69aを備え、各ハニカム69a内を作動媒体Bが流路として流れることで、流れの平滑化を可能としたものである。
尚、本第2の実施形態では、流れの剥離防止として円錐状ガイド機構203、流れの平滑化としてフィン68aとハニカム69aを形状として設けた場合を例示したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、流れの平滑化という作用効果をもたらすものであれば、他の形状のものを使用してもよい。
その他の構成およびその動作は、前述した第1実施形態と同一となっている。
(第2実施形態の効果)
以上のように、本第2実施形態にあって、ターボ圧縮機200は、非接触式の回転軸支持機構として磁気軸受56乃至59を備えており、そして、作動媒体Bの流れの途上には、羽根車63の上流側に円錐状ガイド機構203と、流れ平滑化ガイド機構68が備えられている。円錐状ガイド機構203は、作動媒体Bを吸い込む際の流れの剥離を防止し、二次流れの発生による損失問題を解消する。平滑化ガイド機構68は、羽根車63の入口手前までに流れの平滑化を行い、動圧部の運動エネルギーを圧力回復させることで、圧縮機の断熱効率改善に寄与する。このため、これらにお各構成要素が有効に機能して前述した目的を十分達成することができる。
また、平滑化ガイド機構68は、固定子52の外側に備わっていることから、結果として固定子52の冷却効果も見込まれ、電動機効率の改善や信頼性および寿命改善にも寄与する。そして、これらすべての機能はターボ圧縮機の内部に備われており、従来、外部に取り付けていた類似圧縮機に対し、機械のシンプル化、外付け不要のセルフ機能として、コストダウンやメンテナンス性にも大きな効果がある。
〔第3の実施形態〕
次に、第3実施形態を、図9乃至図10に基づいて説明する。
まず、図9において、符号300はターボ圧縮機を示す。このターボ圧縮機300は、回転軸支持部に磁気軸受を備え、かつ、作動媒体の流れの剥離を抑制する円錐状ガイド機構303と、流れを平滑化する平滑化ガイド機構318とを備え、更に、円錐状ガイド機構303に貫通孔319を、ならび回転軸305に噴出ノズル320を、それぞれ備えている。
この図9におけるターボ圧縮機300は、その正面方向から見た垂直断面における概略断面図を示す。また、図9において、符号R016は作動媒体吸込口を示し、符号R017は作動媒体吐出口を示す。
このターボ圧縮機300は、基本構成として前述した第2実施形態におけるターボ圧縮機200とほぼ同一に形成されている。
そして、作動媒体吸込口R016から吸い込まれた作動媒体Bは、円錐ガイド機構303の表面に沿って流れる流路と、円錐ガイド機構303に備えられた貫通穴319の中を流れる流路の二系統に流れが分配される。
また、回転軸305内には、噴出ノズル320が備えられ、貫通穴319の中を流れてきた作動媒体Bは回転軸305内の噴出ノズル320内に、隙間を持った非接触で侵入する。
上記噴出ノズル320は、回転軸305に取り付けられた回転子304の手前側で回転軸305の外側に吐出するように穴があり(図示せず)、その穴から噴出ノズル320に侵入した作動冷媒Bが吐出し、更に固定子302と回転子304との隙間であるエアギャップ321内を流れる構成になっている。
図10は図9に開示したターボ圧縮機300の変形例を示すもので、回転軸355内に備われた噴出ノズル360から作動冷媒Bを吐出させる穴の位置を、回転子304の後ろ側に備え、作動媒体Bは上記エアギャップ321を流れずに、主に回転軸355の中心軸部分に設けられた貫通穴(図示せず)内を流れる構成となっている。
尚、本第3実施形態においては、図9と図10に例示した各噴出ノズル320と320Aとを、同時に備えた構成としてもよい。
その他の構成およびその動作は、前述した図6に示す第2実施形態の場合と同一となっている。
[第3実施形態の効果]
以上のように、上気したターボ圧縮機300にあっては、非接触式の回転軸支持機構として各磁気軸受306、307、308、309を備えており、そして、作動媒体Bの流れにおいて、羽根車313の上流側に円錐状ガイド機構303と、平滑化ガイド機構318が備えている。この円錐状ガイド機構303の入力部に形成された貫通穴319内には、作動冷媒吸込口R016から吸い込んだ作動冷媒Bの一部が流れ、回転軸355内に備えられた噴出ノズル320Aを介して固定子302と回転子304との隙間であるエアギャップ321を流れることで、この固定子302と回転子304が持つ鉄損と銅損から生じる発熱を、冷却することができる。特に回転子304の発熱を冷却することは、駆動電動機の信頼性ならび寿命の低下、そして電動機効率の低下として大きな課題であったが、この構成によって解消される。
又、用途によっては回転軸305を冷却する方が効果的な場合もあり、図10に例示した構成(回転軸355参照)もその場合は有効である。これらすべての機能は、ターボ圧縮機300の内部に備われており、従来外部に取り付けていた類似圧縮機に対し、機械のシンプル化、外付け不要のセルフ機能として、コストダウンやメンテナンス性にも大きな効果がある。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明にかかる第4実施形態を、図11に基づいて説明する。
この図11は、羽根車入口413周辺部の正面方向から見た垂直断面におけるターボ圧縮機400の概略断面図を示す。
このターボ圧縮機400は、その基本構成は前述した第3実施形態とほぼ同一である。 この場合、平滑化ガイド機構418を通過して流れる作動媒体Bは、当該平滑化ガイド機構418を通過後は羽根車入口413Aへ向かって流れていく。また、駆動電動機内の回転体を冷却した、噴出ノズルを通過して流れる作動媒体Bは、回転軸455の表面の隙間414を流路とし、そこを流れて羽根車入口413Aへ向かって流れていく。平滑化ガイド機構418を通過して流れる作動媒体Bと、噴出ノズルを通過して流れる作動媒体Bとは、羽根車入口413Aで合流する構成になっている。
その他の構成およびその動作は、前述した第3実施形態の場合と同一となっている。
[第4実施形態の効果]
以上のように、本第4実施形態において、ターボ圧縮機400にあっては、平滑化ガイド機構418を通過して流れる作動媒体Bと噴出ノズルを通過して流れる作動媒体Bは、羽根車入口413Aで合流する構成になっているため、羽根車413へは、システム内に流れている全流量を供給することを可能とする。これは、熱源から投入された全熱量を作動媒体Bが運搬することが可能となり、システム効率に貢献できる。
さらに、噴出ノズルを通過して流れる作動媒体Bを回転軸455の表面の隙間414を流路とすることで、流体封止機構が不要となり、部品点数の低減、および、メンテナンスフリー化が可能となる。流体封止機構が不要であることは、流体封止機構から発生するコンタミなどの異物が作動媒体に混入することもなくなり、作動媒体の交換などメンテナンスが不要となり、さらに、効率改善も可能となる。
本発明にかかるヒートポンプ装置は、上述したように媒体循環路に順次設置された蒸発器,圧縮機,凝縮器,及び膨張弁を有し、且つ循環媒体用の低温熱源として再生可能エネルギーや外気等を利用するヒートポンプにあって、圧縮機としてターボ圧縮機を装備したので、当該ターボ圧縮機が有効に機能して装置全体の省エネルギー化及び耐久性向上を図ることができ、長期間の連続使用が可能となり、特に広範囲の集熱に際し、これに対応して広範囲の温度レベルと熱量のエネルギーを得ることができ、従って、単に家庭用のみならず工場等の広域を対象とした各冷暖房や給湯に有効利用でき、その適用範囲は広い。
1 低温熱源
8 蒸発器
9,10,200,300、300A,400 ターボ圧縮機
11 凝縮器
12 膨張弁
13 熱媒体ポンプ
14 熱交換器
15 熱利用系
17,63,313,413 羽根車(圧縮機翼)
18 駆動電動機部(駆動電動機構)
25,55 回転軸
63,313,413 羽根車
67 流体封止機構
68,318,418 平滑化ガイド機構
203,303 円錐状ガイド機構
BR 媒体循環路
B 作動媒体(循環媒体)

Claims (7)

  1. 媒体循環路に順次設置された蒸発器,圧縮機,凝縮器,及び膨張弁を有し、前記媒体循環路内を循環する媒体用の低温熱源として再生可能エネルギーや外気等を利用する構造のヒートポンプ装置であって、
    前記圧縮機として、ターボ圧縮機を装備したことを特徴とするヒートポンプ装置。
  2. 請求項1記載のヒートポンプ装置において、
    前記媒体循環路内を循環する冷媒として、オゾン破壊係数及び地球温暖化係数が著しく小さい低圧媒体を用いることを特徴としたヒートポンプ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のヒートポンプ装置において、
    前記ターボ圧縮機は、その断熱効率が広い作動範囲で高い値に設定された構造のものとし、且つ小型化された省エネルギー構造の分散型としたことを特徴とするヒートポンプ装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一つに記載のヒートポンプ装置において、
    前記ターボ圧縮機が備えている駆動電動機構の回転動力伝達用の回転軸の支持部が、無潤滑かつ非接触の支持機構を装備し、
    前記ターボ圧縮機が備えている羽根車の静止時及び回転時の圧縮過程を含むすべての動作過程にあって、前記循環媒体が流路を含む前記ターボ圧縮機内に充填された状態又は流動通過する際に、当該循環媒体への異物混入による当該循環媒体の純度劣化を抑制し且つ前記回転軸の支持部の機械的な摩擦損失を抑制することを特徴とするヒートポンプ装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載のヒートポンプ装置において、
    前記ターボ圧縮機が備えている羽根車における前記循環媒体の吸込部よりも上流側の前記循環媒体の流路上にあって、
    前記循環媒体が前記ターボ圧縮機の羽根車に吸い込まれるまでの過程で、前記循環媒体の流れの剥離を抑制する円錐状ガイド機構を配備すると共に、前記循環媒体の流れを平滑化する平滑化ガイド機構を前記ターボ圧縮機内の固定子の外周部に配備したことを特徴とするヒートポンプ装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一つに記載のヒートポンプ装置において、
    前記ターボ圧縮機が備えている羽根車における前記循環媒体の吸込部よりも上流側の前記循環媒体の流路上にあって、
    前記循環媒体が前記ターボ圧縮機の羽根車に吸い込まれるまでの過程で、前記循環媒体の流れの剥離を抑制するための前記円錐状ガイド機構に、前記循環媒体分配用の貫通孔を形成し、
    この円錐状ガイド機構に付された貫通孔を介して、前記循環媒体が前記ターボ圧縮機内に装備された駆動電動機の内部に供給されることにより、当該駆動電動機の回転子並びにその周辺発熱部が冷却される構造としたことを特徴とするヒートポンプ装置。
  7. 請求項5又は6の何れか一つに記載のヒートポンプ装置において、
    前記円錐機構に備われた前記貫通孔を介して前記駆動電動機の内部に供給された前記循環媒体は、前記ターボ圧縮機に備われた前記回転軸とその隣接した静止部品との隙間を介して、前記ターボ圧縮機の前記羽根車の吸込部に向けて流動し且つ前記円錐状ガイド機構に備われた前記貫通孔を介さずに流れている前記作動媒体と合流して、前記作動媒体の全流量が前記ターボ圧縮機に備われた前記羽根車に供給される構造とし、これにより、前記回転軸、前記羽根車、又は前記静止部品に流体封止機構を不要としたことを特徴とするヒートポンプ装置。
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