JP2008039129A - 空気サイクル冷凍機用タービンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】スラスト荷重の負荷に対する転がり軸受の長期耐久性を向上させることができて、翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことができ、かつ転がり軸受の潤滑寿命についても向上が図れる空気サイクル冷凍機用タービンユニットを提供する。
【解決手段】空気サイクル冷凍機用タービンユニット5の主軸13の支持に、転がり軸受15,16と磁気軸受を併用し、転がり軸受15,16がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持する。磁気軸受を構成する電磁石17は、主軸13に設けられたスラスト板13a,13bに非接触で対向するように、スピンドルハウジング14に取付けられる。転がり軸受15,16の端面に隣接して、グリス溜まり間座41を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気サイクル冷凍冷却用タービンユニットに関し、特に、転がり軸受と磁気軸受を併用し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するようにしたモータ一体型磁気軸受装置を装備する空気サイクル冷凍機用タービンユニットに関する。
空気サイクル冷凍冷却システムは、冷媒として空気を用いるため、フロンやアンモニアガス等を用いる場合に比べてエネルギー効率が不足するが、環境保護の面では好ましい。また、冷凍倉庫等のように、冷媒空気を直接に吹き込むことができる施設では、庫内ファンやデフロストの省略等によってトータルコストを引下げられる可能性があり、このような用途で空気サイクル冷凍冷却システムが提案されている(例えば特許文献1)。
また、−30℃〜−60℃のディープ・コール領域では、空気冷却の理論効率は、フロンやアンモニアガスと同等以上になることが知られている。ただし、上記空気冷却の理論効率を得ることは、最適に設計された周辺装置があって、始めて成り立つとも述べられている。周辺装置は、圧縮機や膨張タービン等である。
圧縮機,膨張タービンとしては、コンプレッサ翼車および膨張タービン翼車を共通の主軸に取付けたタービンユニットが用いられている(特許文献1)。
なお、プロセスガスを処理するタービン・コンプレッサとしては、主軸の一端にタービン翼車、他端にコンプレッサ翼車を取付け、前記主軸を電磁石の電流で制御するジャーナルおよびスラスト軸受で支承した磁気軸受式タービン・コンプレッサが提案されている(特許文献2)。
また、ガスタービンエンジンにおける提案ではあるが、主軸支持用の転がり軸受に作用するスラスト荷重が軸受寿命の短縮を招くことを回避するため、転がり軸受に作用するスラスト荷重をスラスト磁気軸受により低減することが提案されている(特許文献3)。
特許第2623202号公報 特開平7−91760号公報 特開平8−261237公報
上記のように、空気サイクル冷凍冷却システムとして、ディープ・コール領域で高効率となる空気冷却の理論効率を得るためには、最適に設計された圧縮機や膨張タービンが必要となる。
圧縮機,膨張タービンとしては、上記のようにコンプレッサ翼車および膨張タービン翼車を共通の主軸に取付けたタービンユニットが用いられている。このタービンユニットは、膨張タービンの生じる動力によりコンプレッサ翼車を駆動できることで空気サイクル冷凍機の効率を向上させている。
しかし、実用的な効率を得るためには、各翼車とハウジングとの隙間を微小に保つ必要がある。この隙間の変動は、安定した高速回転の妨げとなり効率の低下を招く。
また、コンプレッサ翼車やタービン翼車に作用する空気により、主軸にスラスト力が作用し、主軸を支持する軸受にスラスト荷重が荷される。空気サイクル冷凍冷却システムにおけるタービンユニットの主軸の回転速度は、1分間に8万〜10万回転であり、一般的な用途の軸受に比べて非常に高速となる。そのため、上記のようなスラスト荷重は、主軸を支持する軸受の長期耐久性の低下、寿命低下を招き、空気サイクル冷凍冷却用タービンユニットの信頼性を低下させる。このような軸受の長期耐久性の課題を解消しなくては、空気サイクル冷凍冷却用タービンユニットの実用化が難しい。しかし、上記特許文献1に開示の技術は、この高速回転下におけるスラスト荷重の負荷に対する軸受の長期耐久性の低下については解決されるに至っていない。
特許文献2の磁気軸受式タービン・コンプレッサのように、主軸を磁気軸受からなるジャーナル軸受およびスラスト軸受で支承したものでは、ジャーナル軸受にアキシアル方向の規制機能がない。そのため、スラスト軸受の制御の不安定要因等があると、上記翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことが難しい。磁気軸受の場合は、電源停止時における接触の問題もある。
そこで、主軸の支持に転がり軸受とスラスト支持用の磁気軸受を併用し、かつ磁気軸受のスラスト板をモータロータとして用いるモータ一体型の磁気軸受装置を提案した(例えば、特願2005−356035号)。
これによると、主軸にかかるスラスト力を磁気軸受で支持するため、非接触でトルクの増大を抑えながら、転がり軸受に作用するスラスト力を軽減することができる。その結果、各翼車とハウジングとの微小隙間を一定に保つことができ、スラスト荷重の負荷に対する転がり軸受の長期耐久性を向上させることができる。また、磁気軸受とモータロータの一体化により、コンパクトな構成とできる。
しかし、転がり軸受が、軸受内のグリースのみで潤滑されるものであるため、潤滑寿命が今一つ不十分である。そのため、転がり軸受の転動寿命の長期耐久性が十分に活用されず、より一層の潤滑寿命の向上が望まれる。
この発明の目的は、スラスト荷重の負荷に対する転がり軸受の長期耐久性を向上させることができて、翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことができ、かつ転がり軸受の潤滑寿命についても向上が図れる空気サイクル冷凍機用タービンユニットを提供することである。
この発明の空気サイクル冷凍機用タービンユニットは、スピンドルハウジングに設置されて主軸の支持に併用される転がり軸受および磁気軸受を有し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石は前記主軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するように、前記スピンドルハウジングに取付けられており、アキシアルギャップモータのモータロータが、前記スラスト板とこのスラスト板に周方向に等ピッチで設けられた複数個の永久磁石とで構成され、前記モータロータと対向してモータコイルを有するモータステータが前記ハウジングに設置され、コンプレッサ側翼車およびタービン側翼車が前記主軸に結合され、アキシアルギャップモータの動力とタービン側翼車で発生した動力のどちらか一方または両方により、コンプレッサ側翼車を駆動させるタービンユニットであり、前記転がり軸受の端面に隣接して、前記転がり軸受の軸受空間にグリス溜まりの開口が対向するグリス溜まり間座を設けたものである。
この構成によると、転がり軸受と磁気軸受を併用し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するものであるため、アキシアル方向の精度の良い支持が行え、また転がり軸受の転動寿命に関しての長期耐久性が確保できる。そのため、翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことができる。磁気軸受のみの支持の場合における電源停止時の損傷も回避される。また、磁気軸受の電磁石に対向させるスラスト板にモータロータの永久磁石を設けたため磁気軸受とモータとの部品兼用によってコンパクト化される。
さらに、転がり軸受に隣接したグリス溜まり間座を設けたため、そのグリス溜まりに溜められたグリスが軸受に補給される。そのため、転がり軸受の潤滑寿命が向上し、転がり軸受の転動寿命の長期耐久性に応じた潤滑寿命を得ることができる。
前記グリス溜まり間座は、前記開口の設けられた端面が、前記転がり軸受の外輪の端面と隙間なく接していても良い。外輪の端面にグリス溜まり間座の端面が隙間なく接していると、グリス溜まりのグリスが外輪とグリス溜まり間座との間から外部に漏れることが防止される。
前記グリス溜まり間座のグリス溜まりは、間座中心と同心の円周溝状であって、この円周溝状のグリス溜まりの外径側の内周面が、開口側に向かって大径となるテーパ状であっても良い。この場合に、空気サイクル冷凍機用タービンユニットは、主軸が略水平になるように設置される。
主軸が水平であるため、前記グリス溜まりは水平軸心回りの円周溝状となるが、このグリス溜まりの円周上における下部において、外径側の内周面が上記テーパ状であると、この内周面に沿って内部のグリスが次第に開口側へ流れ降りる。そのため、グリス溜まり内のグリスが無駄なく軸受内へ供給けされる。
この発明において、前記転がり軸受の外輪における前記グリス溜まり間座と反対側の端面を受ける押さえ蓋を前記スピンドルハウジングに取付けた場合に、この押さえ蓋とスピンドルハウジングとの接触面にシール部材を介在させても良い。
上記のように押さえ蓋を設けた場合、押さえ蓋とスピンドルハウジングとの接触面からグリスの基油が漏れることがあるが、前記接触面にOリング等のシール部材を介在させることで、グリス基油の漏れが防止される。
この発明の空気サイクル冷凍機用タービンユニットは、流入空気に対して、タービンユニットのコンプレッサによる圧縮、他の熱交換器による冷却、前記タービンユニットの膨張タービンによる断熱膨張、もしくは予圧縮手段による圧縮、熱交換器による冷却、タービンユニットのコンプレッサによる圧縮、他の熱交換器による冷却、前記タービンユニットの膨張タービンによる断熱膨張、を順次行う空気サイクル冷凍冷却システムに適用されたものであっても良い。
このような空気サイクル冷凍冷却システムに適用した場合、圧縮膨張タービンシステムにおいて、各翼車の適切な隙間を保って主軸の安定した高速回転が得られ、かつ軸受の長期耐久性の向上、寿命の向上が得られることから、圧縮膨張タービンシステムの全体として、しいては空気サイクル冷凍冷却システムの全体としても信頼性が向上する。また、空気サイクル冷凍冷却システムのネックとなっている圧縮膨張タービンシステムの主軸軸受の安定した高速回転、長期耐久性、信頼性が向上することから、空気サイクル冷凍冷却システムの実用化が可能となる。
この発明のモータ一体型の磁気軸受装置は、スピンドルハウジングに設置されて主軸の支持に併用される転がり軸受および磁気軸受を有し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石は前記主軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するように、前記スピンドルハウジングに取付けられており、アキシアルギャップモータのモータロータが、前記スラスト板とこのスラスト板に周方向に等ピッチで設けられた複数個の永久磁石とで構成され、前記モータロータと対向してモータコイルを有するモータステータが前記ハウジングに設置され、コンプレッサ側翼車およびタービン側翼車が前記主軸に結合され、前記アキシアルギャップモータの動力とタービン側翼車で発生した動力のどちらか一方または両方により、コンプレッサ側翼車を駆動させるタービンユニットであり、前記転がり軸受の端面に隣接して、前記転がり軸受の軸受空間にグリス溜まりの開口が対向するグリス溜まり間座を設けたため、スラスト荷重の負荷に対する転がり軸受の長期耐久性を向上させることができて、翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことができ、かつ転がり軸受の潤滑寿命についても向上が図れる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この実施形態の空気サイクル冷凍機用タービンユニット5の断面図を示す。このタービンユニット5は圧縮膨張タービンシステムを構成するものであり、コンプレッサ6および膨張タービン7を有し、コンプレッサ6のコンプレッサ翼車6aおよび膨張タービン7のタービン翼車7aが主軸13の両端にそれぞれ嵌合している。主軸13の材料には、磁気特性の良好な低炭素鋼が使用される。
図1において、コンプレッサ6は、コンプレッサ翼車6aと微小の隙間d1を介して対向するコンプレッサハウジング6bを有し、中心部の吸込口6cから軸方向に吸入した空気を、コンプレッサ翼車6aで圧縮し、外周部の出口(図示せず)から矢印6dで示すように排出する。
膨張タービン7は、タービン翼車7aと微小の隙間d2を介して対向するタービンハウジング7bを有し、外周部から矢印7cで示すように吸い込んだ空気を、タービン翼車7aで断熱膨張させ、中心部の排出口7dから軸方向に排出する。
このタービンユニット5におけるモータ一体型の磁気軸受装置は、主軸13をラジアル方向に対し複数の転がり軸受15,16で支持し、主軸13にかかるアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を磁気軸受である電磁石17により支持すると共に、主軸13を回転駆動するアキシアルギャップ型のモータ28を設けたものである。このタービンユニット5は、主軸13に作用するスラスト力を検出するセンサ18と、このセンサ18の出力に応じて前記電磁石17による支持力を制御する磁気軸受用コントローラ19と、電磁石17とは独立に前記モータ28を制御するモータ用コントローラ29とを有している。センサ18は、円周方向に例えば180°離れた2箇所に設けられている。
電磁石17は、主軸13の軸方向中間部において軸方向に並ぶように主軸13に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状の2つのスラスト板13a,13bの各片面に非接触で対向するように、一対のものがスピンドルハウジング14に設置されている。具体的には、磁気軸受ユニットを構成する一方の電磁石17は、膨張タービン7寄りに位置するスラスト板13aの膨張タービン7側に向く片面を電磁石ターゲットとして、この片面に非接触で対向するようにスピンドルハウジング14に設置される。また、磁気軸受ユニットを構成する他方の電磁石17は、コンプレッサ6寄りに位置するスラスト板13bのコンプレッサ6側に向く片面を電磁石ターゲットして、この片面に非接触で対向するようにスピンドルハウジング14に設置される。
モータ28は、前記電磁石17と並んで主軸13に設けられたモータロータ28aと、このモータロータ28aに対し軸方向に対向するモータステータ28bとでなるモータユニットである。具体的には、モータユニットの一部品を構成するモータロータ28aは、主軸13における前記各スラスト板13a,13bの電磁石17が対向する側とは反対側の各片面に、円周方向に等ピッチで並ぶ永久磁石28aaを配置することで左右一対のものが構成される。このように軸方向に対向配置される永久磁石28aaの間では、その磁極が互いに異極となるように設定される。主軸13には磁気特性の良好な低炭素鋼を使用しているので、主軸13と一体構造となるように設けられる前記各スラスト板13a,13bを、永久磁石28aaのバックヨークおよび電磁石ターゲットに兼用できる。
このモータ28は、前記モータロータ28aとモータステータ28b間に作用するローレンツ力により、主軸13を回転させる。このように、このアキシアルギャップ型のモータ28はコアレスモータとされていることから、モータロータ28aとモータステータ28b間の磁気カップリングによる負の剛性はゼロとなっている。
図1において、主軸13は、中間部の大径部13cと、両端部の小径部13dとを有する段付き軸とされている。主軸13を支持する両側の軸受15,16は、その内輪15a,16aが小径部13dに圧入状態に嵌合し、片方の幅面が大径部13cと小径部13d間の段差面に係合する。スピンドルハウジング14における両側の軸受15,16よりも各翼車6a,7a側の部分は、内径面が主軸13に近接する径に形成される。
前記転がり軸受15,16は、アキシアル方向位置の規制機能を有するものであり、アンギュラ玉軸受が用いられている。転がり軸受15,16は、この他に深溝玉軸受等であっても良い。
これら転がり軸受15,16は、図2に拡大して示すように、外輪15b,16bがスピンドルハウジング14の内径面に嵌合し、リング状のグリス溜まり間座41を介してスピンドルハウジング14の段差面14aに位置決めされている。なお、図2は、膨張タービン7側の転がり軸受16の周辺を示すが、コンスレッサ6側の転がり軸受15の周辺も同様な構造であるため、対応部分の符号を括弧付きで併記する。外輪15b,16bのグリス溜まり間座41と反対側の端面は、スピンドルハウジング14の端面にボルト(図示せず)等で取付けられた押さえ蓋42により押し付け状態に受けられて入る。スピンドルハウジング14の端面と押さえ蓋42との接触面には、スピンドルハウジング14の端面に形成したシール装着溝に嵌合するOリング等からなる弾性体のシール部材43が介在させてある。
グリス溜まり間座41は、転がり軸受15,16の軸受空間に対向する開口44aを有するグリス溜まり44が形成されたものである。このグリス溜まり44は、間座中心と同心の円周溝状であって、この円周溝状のグリス溜まり44の外径側の内周面44bが、開口44a側に向かって大径となるテーパ状とされている。内径側の内周面44cは、円筒状面とされている。
グリス溜まり間座41の開口44aの設けられた端面は、転がり軸受15,16の外輪15b,16bの端面と隙間なく接している。グリス溜まり間座41の内周面は、主軸13の外周に微小隙間を介して近接しており、主軸13とグリス溜まり間座41との間で非接触シールを構成している。
なお、いずれか片方の転がり軸受15,16、例えばコンプレッサ側の転がり軸受15は、主軸13の熱伸縮を吸収するために、スピンドルハウジング14に対して軸方向移動が可能なように設置されるが、ここでは、その軸方向移動を許容する構造については、図示および説明を省略する。
ブロック図で示す図3の磁気軸受用コントローラ19では、各センサ18の検出出力P1,P2をセンサ出力演算回路30で加減算し、その演算結果を比較器31で基準値設定手段32の基準値と比較して偏差を演算し、さらに演算した偏差をPI補償回路(もしくはP補償回路)33によりタービンユニット5に応じて適宜設定される比例積分(もしくは比例)処理を行うことで、電磁石17の制御信号を演算するようにしている。PI補償回路(もしくはP補償回路)33の出力は、ダイオード34,35を介して各方向の電磁石171 ,172 を駆動するパワー回路36,37に入力される。電磁石171 ,172 は、図1に示したスラスト板13aに対向する一対の電磁石17であり、吸引力しか作用しないため、予めダイオード34,35で電流の向きを決め、2個の電磁石171 ,172 を選択的に駆動するようにしている。
同じくブロック図で示す図4のモータ用コントローラ29では、回転同期指令信号を基に、モータロータ28aの回転角をフィードバック信号として位相調整回路38でモータ駆動電流の位相調整が行われ、その調整結果に応じたモータ駆動電流をモータ駆動回路39からモータステータ28bに供給することによって、定回転制御が行われる。前記回転同期指令信号は、モータロータ28aに設けられた回転角度検出センサ(図示せず)の出力に応じて演算される。
この構成のタービンユニット5は、空気サイクル冷凍冷却システムに適用されて、冷却媒体となる空気を後段の熱交換器(ここでは図示せず)により効率良く熱交換できるように、コンプレッサ6で圧縮して温度上昇させ、さらに後段の前記熱交換器で冷却された空気を、膨張タービン7により、目標温度、例えば−30℃〜−60℃程度の極低温まで断熱膨張により冷却して排出するように使用される。
このような使用例において、このタービンユニット5は、コンプレッサ翼車6aおよびタービン翼車7aが、前記スラスト板13aとモータロータ28aと共通の主軸13に嵌合し、モータ28の動力とタービン翼車7aで発生した動力のどちらか一方または両方によりコンプレッサ翼車6aを駆動するものとしている。このため、各翼車6a,7aの適切な隙間d1,d2を保って主軸13の安定した高速回転が得られ、かつ転がり軸受15,16の長期耐久性の向上、寿命の向上が得られる。
すなわち、タービンユニット5の圧縮,膨張の効率を確保するためには、各翼車6a,7aとハウジング6b,7bとの隙間d1,d2を微小に保つ必要がある。例えば、このタービンユニット5を空気サイクル冷凍冷却システムに適用する場合には、この効率確保が重要となる。これに対して、主軸13を転がり軸受15,16により支持するため、転がり軸受の持つアキシアル方向位置の規制機能により、主軸13のアキシアル方向位置がある程度規制され、各翼車6a,7aとハウジング6b,7bとの微小隙間d1,d2を一定に保つことができる。
しかし、タービンユニット5の主軸13には、各翼車6a,7aに作用する空気の圧力でスラスト力がかかる。また、空気冷却システムで使用するタービンユニット5では、1分間に例えば8万〜10万回転程度の非常に高速の回転となる。そのため、主軸13を回転支持する転がり軸受15,16に上記スラスト力が作用すると、軸受15,16の長期耐久性が低下する。
この実施形態は、上記スラスト力を電磁石17で支持するため、非接触でトルクの増大を抑えながら、主軸13の支持用の転がり軸受15,16に作用するスラスト力を軽減することができる。この場合に、主軸13に作用するスラスト力を検出するセンサ18と、このセンサ18の出力に応じて前記電磁石17による支持力を制御する磁気軸受用コントローラ19とを設けたため、転がり軸受15,16を、その軸受仕様に応じてスラスト力に対し最適な状態で使用することができる。
特に、軸方向に並べて主軸13に設けられた2つのスラスト板13a,13bの軸方向外側に2つの電磁石17を配置して磁気軸受ユニットを構成すると共に、前記両スラスト板13a,13bで挟まれる位置にアキシアルギャップ型のモータ28を配置してモータユニットを構成することにより、磁気軸受ユニットとモータユニットをコンパクトな一体構造としているため、主軸53の軸長を短くでき、それだけ主軸13の固有振動数が高くなって、主軸13を高速回転させることができる。
また、このタービンユニット5は、転がり軸受15,16に隣接したグリス溜まり間座41を設けたため、そのグリス溜まり44に溜められたグリスが転がり軸受15,16に補給される。そのため、転がり軸受15,16の潤滑寿命が向上し、転がり軸受の長期耐久性に応じた潤滑寿命を得ることができる。
このタービンユニット5は、主軸13が水平となるように設置されるため、グリス溜まり44は水平軸心回りの円周溝状となるが、このグリス溜まり44の円周上における下部において、外径側の内周面44bがテーパ状であるため、内部のグリスが次第に開口44a側へ流れ降りる。そのため、グリス溜まり44内のグリスが無駄なく転がり軸受15,16内へ供給される。
グリス溜まり間座41は、前記開口44aの設けられた端面が、転がり軸受15,16の外輪15b,16bの端面と隙間なく接していているため、グリス溜まり44のグリスが外輪15b,16bとグリス溜まり間座41との間から外部に漏れることが防止される。転がり軸受15,16の外輪15b,16bにおけるグリス溜まり間座41を設けた端面と反対側の端面は、押さえ蓋 によって受けられているが、押さえ蓋42とスピンドルハウジング14との接触面からグリスの基油が漏れ恐れがある。しかし、この接触面にOリング等のシール部材43を介在させため、グリス基油の漏れが防止される。
図5はタービンユニット5の他の実施形態を示す。このタービンユニット5は、図1に示す実施形態において、主軸13に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板を1つだけとして、このスラスト板13aを電磁石ターゲットとして、その両面に非接触で対向するように、左右一対の電磁石17,17がスピンドルハウジング14に設置されている。
モータ28は、主軸13に設けられたモータロータ28aと、このモータロータ28aに対し軸方向に対向するモータステータ28bとでなる。モータロータ28aは、前記スラスト板13aの両面における前記電磁石17の対向位置よりも外径側に、円周方向に等ピッチで並ぶ永久磁石28aaを配置することで左右一対のものが構成される。このように軸方向に対向配置される永久磁石28aaの間では、その磁極が互いに異極となるように設定される。スラスト板13aは永久磁石28aaのバックヨークを兼ねる。
モータステータ28bは、前記スラスト板13aの両面のモータロータ28aに非接触で対向するように、スピンドルハウジング14に設置される強磁性体(例えば低炭素鋼およびケイ素鋼板)からなる一対のステータヨーク28bbに、それぞれモータコイルbaを巻回することで左右一対のものが構成される。このようにして前記スラスト板13aを挟んで構成される左右2個のモータ28は、前記モータロータ28aとモータステータ28b間に作用する磁気力により、主軸13を回転させる。この場合、スラスト板13aにおけるモータロータ28bの位置を、電磁石17の対向位置よりも外径側としているので、少ないモータ駆動電流でより大きいトルクを得ることができる。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様であり、ここではその説明を省略する。
図6は、上記タービンユニット5を用いた空気サイクル冷凍冷却システムの全体の構成を示す。この空気サイクル冷凍冷却システムは、冷凍倉庫等の被冷却空間10の空気を直接に冷媒として冷却するシステムであり、被冷却空間10にそれぞれ開口した空気の取入口1aから排出口1bに至る空気循環経路1を有している。この空気循環経路1に、予圧縮手段2、第1の熱交換器3、空気サイクル冷凍冷却用タービンユニット5のコンプレッサ6、第2の熱交換器3、中間熱交換器9、および前記タービンユニット5の膨張タービン7が順に設けられている。中間熱交換器9は、同じ空気循環経路1内で取入口1aの付近の流入空気と、後段の圧縮で昇温し、冷却された空気との間で熱交換を行うものであり、取入口1aの付近の空気は熱交換器9a内を通る。
予圧縮手段2はブロア等からなり、モータ2aにより駆動される。第1の熱交換器3および第2の熱交換器8は、冷却媒体を循環させる熱交換器3a,8aをそれぞれ有し、熱交換器3a,8a内の水等の冷却媒体と空気循環経路1の空気との間で熱交換を行う。各熱交換器3a,8aは、冷却塔11に配管接続されており、熱交換で昇温した冷却媒体が冷却塔11で冷却される。なお、前記予圧縮手段2を含まない構成の空気サイクル冷凍冷却システムでもよい。
この空気サイクル冷凍冷却システムは、被冷却空間10を0℃〜−60℃程度に保つシステムであり、被冷却空間10から空気循環経路1の取入口1aに0℃〜−60℃程度で1気圧の空気が流入する。なお、以下に示す温度および気圧の数値は、一応の目安となる一例である。取入口1aに流入した空気は、中間熱交換器9により、空気循環経路1中の後段の空気の冷却に使用され、30℃まで昇温する。この昇温した空気は1気圧のままであるが、予圧縮手段2により1.4気圧に圧縮させられ、その圧縮により、70℃まで昇温する。第1の熱交換器3は、昇温した70℃の空気を冷却すれば良いため、常温程度の冷水であっても効率良く冷却することができ、40℃に冷却する。
熱交換により冷却された40℃,1.4気圧の空気が、タービンユニット5のコンプレッサ6により、1.8気圧まで圧縮され、この圧縮により70℃程度に昇温した状態で、第2の熱交換器8により40℃に冷却される。この40℃の空気は、中間熱交換器9で−30℃の空気により−20℃まで冷却される。気圧はコンプレッサ6から排出された1.8気圧が維持される。
中間熱交換器9で−20℃まで冷却された空気は、タービンユニット5の膨張タービン7により断熱膨張され、−55℃まで冷却されて排出口1bから被冷却空間10に排出される。この空気サイクル冷凍冷却システムは、このような冷凍サイクルを行う。
この空気サイクル冷凍冷却システムでは、タービンユニット5において、各翼車6a,7aの適切な隙間d1,d2を保って主軸13の安定した高速回転が得られ、かつ軸受15,16の長期耐久性の向上、寿命の向上が得られることで、軸受15,16の長期耐久性が向上することから、タービンユニット5の全体として、しいては空気サイクル冷凍冷却システムの全体としての信頼性が向上する。このように、空気サイクル冷凍冷却システムのネックとなっているタービンユニット5の主軸軸受15,16の安定した高速回転、長期耐久性、信頼性が向上するため、空気サイクル冷凍冷却システムの実用化が可能となる。
この発明の一実施形態にかかる空気サイクル冷凍機用タービンユニットの断面図である。 同タービンユニットにおける主軸の断面図である。 同タービンユニットに用いられる磁気軸受用コントローラの一例を示すブロック図である。 同タービンユニットに用いられるモータ用コントローラの一例を示すブロック図である。 この発明の一実施形態にかかる空気サイクル冷凍機用タービンユニットの断面図である。 上記タービンユニットを適用した空気サイクル冷凍冷却システムの系統図である。
符号の説明
2…予圧縮手段
3…第1の熱交換器
5…タービンユニット
6…コンプレッサ
6a…コンプレッサ翼車
7…膨張タービン
7a…タービン翼車
8…第2の熱交換器
13…主軸
13a,13b…スラスト板
14…スピンドルハウジング
15,16…転がり軸受
17…電磁石
18…センサ
19…磁気軸受用コントローラ
28…コアレスモータ
28a…モータロータ
28aa…永久磁石
28b…モータステータ
28ba…コイル
41…グリス溜まり間座
42…押さえ蓋
43…シール部材
44…グリス溜まり
44a…開口
44b…外径側の内周面

Claims (5)

  1. スピンドルハウジングに設置されて主軸の支持に併用される転がり軸受および磁気軸受を有し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石は前記主軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するように、前記スピンドルハウジングに取付けられており、アキシアルギャップモータのモータロータが、前記スラスト板とこのスラスト板に周方向に等ピッチで設けられた複数個の永久磁石とで構成され、前記モータロータと対向してモータコイルを有するモータステータが前記ハウジングに設置され、コンプレッサ側翼車およびタービン側翼車が前記主軸に取り付けられ、前記アキシアルギャップモータの動力とタービン側翼車で発生した動力のどちらか一方または両方により、コンプレッサ側翼車を駆動させるタービンユニットであり、前記転がり軸受の端面に隣接して、前記転がり軸受の軸受空間にグリス溜まりの開口が対向するグリス溜まり間座を設けた空気サイクル冷凍機用タービンユニット。
  2. 請求項1において、グリス溜まり間座の前記開口の設けられた端面が、前記転がり軸受の外輪の端面と隙間なく接している空気サイクル冷凍機用タービンユニット。
  3. 請求項1または請求項2において、前記グリス溜まり間座のグリス溜まりが、間座中心と同心の円周溝状であって、この円周溝状のグリス溜まりの外径側の内周面が、開口側に向かって大径となるテーパ状であり、前記主軸が略水平に設置される空気サイクル冷凍機用タービンユニット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記転がり軸受の外輪における前記グリス溜まり間座と反対側の端面を受ける押さえ蓋を前記スピンドルハウジングに取付け、この押さえ蓋とスピンドルハウジングとの接触面にシール部材を介在させた空気サイクル冷凍機用タービンユニット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、流入空気に対して、タービンユニットのコンプレッサによる圧縮、他の熱交換器による冷却、前記タービンユニットの膨張タービンによる断熱膨張、もしくは予圧縮手段による圧縮、熱交換器による冷却、タービンユニットのコンプレッサによる圧縮、他の熱交換器による冷却、前記タービンユニットの膨張タービンによる断熱膨張、を順次行う空気サイクル冷凍機に用いられるものである空気サイクル冷凍機用タービンユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102400943A (zh) * 2010-09-15 2012-04-04 哈米尔顿森德斯特兰德公司 用于压缩机中的推力和轴颈空气轴承冷却的推力轴承轴
WO2022239730A1 (ja) * 2021-05-10 2022-11-17 株式会社小松製作所 電動シリンダ及び作業機械

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