JP2018119512A - 給水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給水対象への給水を確保しつつ給水装置の省エネルギを実現する。【解決手段】給水装置は、給水対象に水を供給するための給水装置において、水を加圧して送水するポンプと、ポンプの駆動部に流れる電流である第1電流値が第1電流制限値を超えないようにポンプの駆動を制御する第1制御を実行する制御ユニットと、を備える。そして、制御ユニットは、所定の低電力消費信号が入力されたときには、第1電流値が第1電流制限値よりも小さい第2電流制限値を超えないようにポンプの駆動を制御する第2制御を実行する。【選択図】図4

Description

本発明は、給水装置に関する。
近年、建物等の給水対象に水道水を供給する給水装置においても、省エネ要求が高まりつつある。こうした要求に対して、従来、ユーザーが操作可能な切替ボタンを備え、切替ボタンの操作に伴ってポンプの制御用揚程曲線を変更する給水装置が提案されている(特許文献1参照)。この給水装置では、運転パネルが省エネルギの程度を示す省エネ表示部を有しており、ユーザーは、現在のポンプの制御用揚程曲線の選択を運転パネルで確認することができる。
また、従来、電力供給源を商用電源と蓄電器とで切り替えることが可能な給水装置において、蓄電器から電力が供給されているときには、長時間運転を実現するために、商用電源から電力が供給されているときに比してポンプでの消費電力が小さくなるように制御を行うものが提案されている。
特許第5914365号明細書 特開2014−138497号公報
省エネルギを実現するためにポンプの目標圧力を小さくすると、建物の末端まで十分な給水が行われないおそれがある。建物給水対象への給水はライフラインであり、省エネルギで運転する際にも、給水を確保することが求められる。また、省エネルギ用の運転では、通常時の運転と異なる制御用の設定を用いてポンプを制御するため、通常時の運転と省エネルギ用の運転とで制御を切り替えるときに、ポンプの回転数が急激に変化するなど、給水装置が過剰な反応を示すおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、給水対象への給水を確保しつつ給水装置の省エネルギを実現することを目的の1つとする。また、省エネルギ運転でない通常時の運転と省エネルギ運転との切り替えを緩やかに行うことができる給水装置を提案することを目的の1つとする。
[形態1]形態1によれば、給水対象に水を供給するための給水装置が提案され、かかる給水装置は、水を加圧して送水するポンプと、ポンプの駆動部に流れる電流値である第1電流値が第1電流制限値を超えないようにポンプの駆動を制御する第1制御を実行する制御ユニットと、を備える。そして、制御ユニットは、所定の低電力消費信号が入力されたときには、第1電流値が第1電流制限値よりも小さい第2電流制限値を超えないようにポンプの駆動を制御する第2制御を実行する。
かかる構成により、形態1の給水装置は、所定の低電力消費信号が入力されたときには、ポンプの駆動部に流れる電流が、第1制御において用いられる第1電流制限値よりも小さい第2電流制限値を超えないようにポンプの駆動が制御される。このため、第2電流制限値を超えない範囲でポンプを駆動して給水することができ、給水対象への給水圧力を確保しつつ装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態2]形態2によれば、形態1の給水装置であって、給水装置は、第2電流制限値を変更可能な設定部を更に備える。
形態2によれば、設定部において第2電流制限値を設定することができ、所望の省エネルギ化の運転を実現することができる。
[形態3]形態3によれば、形態1または2の給水装置であって、第2電流制限値は、給水装置における電力上限値に基づいて設定される。
形態3によれば、電力上限値に基づいて第2電流制限値が設定されるので、所望の省エネルギ化の運転を実現することができる。
[形態4]形態4によれば、形態1から3の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、ポンプに電力を供給してポンプを任意の回転速度で運転する周波数変換器と、周波数変換器を介してポンプの駆動を制御する制御部と、を有し、制御部は、ストール電流値として第1電流制限値または第2電流制限値を設定することにより、第1制御または第2制御を実行する。
形態4によれば、ストール電流値として第1電流制限値または第2電流制限値が設定され、ポンプの駆動部に流れる電流がストール電流値を超えないようにポンプの駆動が制御される。
[形態5]形態5によれば、形態1から3の何れか1つの給水装置であって、給水装置は、ポンプを複数台備えている。そして、制御ユニットは、第1電流値を、複数のポンプの駆動部に流れる電流値の合計とすることを特徴とする。
形態5によれば、複数台のポンプを備える給水装置において、給水対象への給水を確保しつつ装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態6]形態6によれば、形態5の給水装置であって、制御ユニットは、ポンプの駆動部に電力を供給してポンプを任意の回転速度で運転する周波数変換器と、複数の周波数変換器を介して複数台のポンプの駆動を制御する制御部と、を備える。そして、制御ユニットは、第2制御を実行していて2台以上のポンプを運転しているときに第1電流値が第2電流制限値を超えるときには、運転中のポンプのうち1台のポンプに対して、回転速度を低下させる制御、または、運転を停止させる制御を実行する。
形態6によれば、複数のポンプの駆動部に流れる電流値の合計が第2電流制限値を超えるときには、1台のポンプに対して回転速度を低下させる制御、または、運転を停止させる制御が実行される。このため、運転している残りのポンプによって給水対象への給水を確保することができる。
[形態7]形態7によれば、形態5または6の給水装置であって、制御ユニットは、第2制御を実行していて2台以上のポンプを運転しているときに複数の第1電流値が第2電流制限値以上の第3電流制限値を超えるときには、運転中のポンプのうち1台のポンプだけの運転を許可して残りのポンプの運転を停止させる。
形態7によれば、第2制御により複数のポンプの駆動部に流れる電流値の合計が第2電流制限値を超えないようにポンプの駆動が制御されているにもかかわらず第3電流制限値を超えるときには、1台のポンプだけを運転させて残りのポンプの運転を停止させる。これにより、1台のポンプだけの運転を伴って、即座に電流を小さくすることができる。
[形態8]形態8によれば、形態7の給水装置であって、
駆動機毎の電流制限値である第4電流制限値を更に備えており、第2制御を実行していてポンプを運転しているときに、ポンプの駆動部毎の電流値が、第4電流制限値を超えるときには、該当するポンプの回転速度を低下させる制御、該当するポンプの加速を制限す
る制御および/または、該当するポンプの運転を停止させる制御を実行する。
形態8によれば、形態7の制御と合わせてポンプ毎の電流値を監視することにより、所望の省エネルギ化の運転を実現することができる。
[形態9]形態9によれば、形態1から8の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、所定の低電力消費信号の入力信号の変化より所定時間経過後に、第1制御と第2制御とを切り替える。
こうすれば、短期間に低電力消費信号が入力信号のON/OFFの変化がなされたときに、第1制御と第2制御とで制御が頻繁に変更されることを防止することができる。
[形態10]形態10によれば、形態1から9の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、所定の低電力消費信号の入力信号の変化時に、ポンプが所定の高出力で運転されているときには、所定の高出力での運転が終了してから第1制御と第2制御とを切り替えることを特徴とする。
形態10によれば、ポンプが高出力で運転されているときに第1制御から第2制御に切り換えられてポンプの回転速度が大きく変更されることなどを抑制できる。
[形態11]形態11によれば、形態9または10の給水装置であって、給水装置は、所定の低電力消費信号が入力されているにもかかわらず第1制御を実行していることを表示可能な表示部を備える。
形態11によれば、低電力消費信号が入力されているにもかかわらず第1制御が実行されていることをユーザーに表示することができる。
[形態12]形態12によれば、形態1から11の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、ポンプの吐出側圧力が目標圧力制御カーブ上の第1目標圧力になるようにポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御する推定末端圧力一定制御と、ポンプの吐出側圧力が所定の第2目標圧力になるようにポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御する目標圧力一定制御と、を実行可能であり、第2制御を実行するときには推定末端圧力一定制御によりポンプの駆動を制御する。
形態12によれば、低電力消費信号が入力されたときに推定末端圧力一定制御が実行されるので、装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態13]形態13によれば、形態1から12の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、第2制御を実行しているときに所定の運転禁止信号が入力されたときには、ポンプを停止させる。
形態13によれば、例えば給水装置の他の機器の運転を優先したいとき、または、給水装置の運転に支障があるときなどに、ポンプを停止させることができる。
[形態14]形態14によれば、形態1から13の給水装置であって、制御ユニットは、第1制御を実行しているときには第1比例ゲインを用いたPI制御またはPID制御によりポンプの吐出側圧力が目標圧力になるようにポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御し、第2制御を実行しているときには第1比例ゲインより小さい第2比例ゲインを用いたPI制御またはPID制御によりポンプの吐出側圧力が目標圧力になるようにポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御する。
形態14によれば、第2制御では、吐出側圧力の変化に伴うポンプの回転速度が緩やかに変更され、装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態15]形態15によれば、形態1から14の何れか1つの給水装置であって、ユーザーにより第2制御を選択可能な操作部を更に備え、制御ユニットは、第2制御を選択するための操作部に対して所定の操作がなされたときに、所定の低電力消費信号が入力され
たと判断する。
形態14によれば、ユーザーが操作部を操作することにより、第1制御と第2制御とを切り替えることができる。
[形態16]形態16によれば、形態1から14の何れか1つの給水装置であって、給水装置は、第1電力供給源と第2電力供給源とから電力を供給されることができ、制御ユニットは、電力供給源が第1電力供給源から第2電力供給源に切り替えられたときに、所定の低電力消費信号が入力されたと判断する。
形態16によれば、給水装置の電力供給源の切り替えに応じて、第1制御と第2制御とを切り替えることができる。
[形態17]形態17によれば、形態16の給水装置であって、制御ユニットは、第2電力供給源の供給可能な電力量に基づいて第2電流制限値を設定する。
形態17によれば、第2電力供給源の供給可能な電力量に基づいて省エネルギ運転を実行することができる。
[形態18]形態18によれば、形態16または17の給水装置であって、制御ユニットは、第1制御と第2制御とを切り替えるときには、第2制御によるポンプの回転速度変化よりも緩やかにポンプの回転速度を変化させる。
形態18によれば、第1制御と第2制御とを切り替えるときにポンプの回転速度を緩やかに変化させるので、第1制御と第2制御との切り替えをスムーズに行うことができる。
[形態19]形態19によれば、形態16から18の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、制御ユニット内の所定の異常を検出することができるとともに、当該所定の異常を検出したことを表示部で報知可能であり、制御ユニットは、給水装置の電力供給源が第1電力供給源から第2電力供給源に切り替えられたときには、所定時間が経過するまでは制御ユニット内に所定の異常が生じていても報知を行わない。
形態19によれば、制御ユニット内の所定の異常を表示部で報知できる。また、給水装置の電力供給源が切り替えられたときには所定時間は異常の報知が行われないので、一時的な電力遮断および大電流など、電力供給源の切り替えに伴う一時的な異常の報知を抑制できる。
[形態20]形態20によれば、形態7または8を引用する形態16から19の何れか1つの給水装置であって、第3電流制限値は、第2電力供給源の出力可能な最大電力に基づく電流値である。
形態20によれば、第2電力供給源の出力可能な最大電力に基づいて第3電流制限値が定められるので、第2電力供給源の状態に基づいて第2制御を実行することができる。
[形態21]形態21によれば、形態1から20の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、第1制御を実行しているときにポンプが停止しているときには、ポンプの吐出側圧力が第1始動圧力よりも小さくなったときにポンプを始動させ、第2制御を実行しているときにポンプが停止しているときには、ポンプの吐出側圧力が第1始動圧力よりも低い第2始動圧力よりも小さくなったときにポンプを始動させる。
形態21によれば、第2制御が実行されているときにはポンプが停止している時間を長くすることができ、装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態22]形態22によれば、形態1から21の何れか1つの給水装置であって、給水装置は、ポンプの吐出側に設けられている圧力タンクを更に備え、制御ユニットは、第1制御を実行しているときにポンプの運転が所定の小水量状態となったときには、圧力タンクに第1水量を蓄圧させてからポンプを停止させ、第2制御を実行しているときにポンプ
の運転が所定の小水量状態となったときには、圧力タンクに第1水量よりも大きい第2水量を蓄圧させてからポンプを停止させる。
形態22によれば、第2制御が実行されているときには圧力タンクに蓄圧する水の量を大きくしてポンプを停止させるので、ポンプが停止している時間を長くすることができ、装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態23]形態23によれば、形態1から21の何れか1つの給水装置であって、制御ユニットは、第1制御を実行しているときにポンプの運転が所定の小水量状態となったときには、第1時間にわたってポンプを運転させてからポンプを停止させ、第2制御を実行しているときにポンプの運転が所定の小水量状態となったときには、第1時間よりも短い第2時間にわたってポンプを運転させてからポンプを停止させる。
形態23によれば、ポンプの運転が小水量状態となってから短い時間でポンプを停止させるので、ポンプが停止している時間を長くすることができ、装置の省エネルギ化を図ることができる。
[形態24]形態24によれば、形態1から23の何れか1つの給水装置であって、給水装置は、制御ユニットが第2制御を実行していることを表示可能な表示部を備える。
形態24によれば、表示部で第2制御を実行していることを表示できる。
[形態25]形態25によれば、形態1から24の何れか1つの給水装置であって、給水装置は、給水装置の制御に関する情報を外部表示器に送信するように構成された通信部を更に備え、通信部は、制御ユニットが第2制御を実行していることを情報として外部表示器に送信可能である。
形態25によれば、第2制御を実行していることを外部表示器で表示できる。
第1実施形態に係る給水装置の概略構成を示す図である。 運転パネルの具体的な一例を示す図である。 制御モード設定処理の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の制御用数値設定処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態のポンプ駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る給水装置の概略構成を示す図である。 第3実施形態における電流制限値設定処理の一例を示すフローチャートである。 第4実施形態における運転禁止制御処理の一例を示すフローチャートである。 第5実施形態における制御方法設定処理の一例を示すフローチャートである。 第1変形例の制御部および外部表示器を示す図である。 第2変形例の制御部および外部表示器を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る給水装置を示す模式図である。この給水装置は主にマンション、オフィスビル、商業施設、又は、学校等の建物(給水対象)に水道水を給水するための装置である。図1では、給水装置100が直結給水方式で使用されており、給水装置100の吸込口は、導入管5を介して水道管(水道本管)4に接続されている。ただし、給水装置100は、給水装置100の吸込口が図示しない受水槽を介して水道管4に接続される受水槽方式で使用されてもよい。給水装置100の吐出口には給水管7が接続されており、この給水管7は、各建物の給水栓(例えば蛇口)10に連通している。
給水装置100は、水道管4(または受水槽)からの水を増圧し、建物の各給水栓10に水を供給する。
給水装置100は、ポンプ2と、このポンプ2を駆動する駆動部としてのモータ3と、モータ3を可変速駆動する周波数変換器としてのインバータ20と、を備えている。なお、本実施形態では、インバータ20は、後述する制御部40とともに制御ユニット30を構成している。また、給水装置100は、ポンプ2の吐出側(下流側)に、逆止弁22と、フロースイッチ24と、圧力センサ26と、圧力タンク28と、を備える。
図1に示す例では、インバータ20と制御部40は別々に構成されているが、制御部40とインバータ20は一体型でもよい。また、インバータ20の台数はポンプ2の台数よりも少なくても良い。インバータ20の台数がポンプ2の台数よりも少ない場合、インバータは、運転されるポンプ2に優先的に接続されるような切り替え機構を有しても良い。
図1に示す例では、ポンプ2、モータ3、逆止弁22、および、フロースイッチ24が2組設けられ、これらは並列に設けられている。なお、1組、または3組以上のポンプ2、モータ3、逆止弁22、およびフロースイッチ24が設けられてもよい。複数台のポンプ2を設けることにより、一部のポンプ2が運転不可となった場合には、運転可能な他のポンプ2にて給水を継続し極力断水を避けるようになっている。
また、複数のポンプ2の上流側には、逆流防止装置25が設けられている。逆流防止装置25は、給水装置100の吸込口に接続された導入管5に設けられており、給水装置100から水道管4への水の逆流を防止する。逆流防止装置25の上流側には、圧力センサ21が設けられている。圧力センサ21は、ポンプ2の吸込側圧力を測定するための圧力測定器である。
逆止弁22は、ポンプ2の吐出口に接続された吐出管に設けられており、ポンプ2が停止したときの水の逆流を防止する。逆止弁22の下流側(二次側)には、フロースイッチ24が設けられている。フロースイッチ24は、吐出管を流れる水の流量が所定の値にまで低下したこと、すなわち過少水量(小水量)を検出する流量検出器である。吐出管におけるフロースイッチ24のさらに下流側には、圧力センサ26、及び、圧力タンク28が設けられている。圧力センサ26は、ポンプ2の吐出側圧力(以降、吐出側圧力とは、圧力センサ26にて測定した圧力値を示す。)を測定するための圧力測定器である。圧力タンク28は、ポンプ2が停止している間の吐出側圧力を保持するための圧力保持器である。
給水装置100は、給水動作を制御する制御部40を備えている。図1および図2に示すように、制御部40は、記憶部47と、演算部48と、I/O部50と、設定部46と、表示部49と、を備えている。設定部46及び表示部49は、給水装置100の運転パネル51に備えられている。制御部40はインバータ20を介してポンプ2の駆動を制御し、本実施形態では、制御部40とインバータ20とを合わせて「制御ユニット30」という。
設定部46は、外部操作により、給水を行うのに用いられる各種設定値を設定するのに使用される。設定部46において設定された各種設定値は、I/O部50に信号入力され、記憶部47に記憶される。一例として、ユーザーは、設定部46を介して、停止圧力、始動圧力、最大流量時の吐出側圧力PA、締切運転時の吐出側圧力PB、及び、その他制御に用いられる情報を入力できるようになっている。また、本実施形態では、各種設定値には、後述する第1電流制限値As1、第2電流制限値As2が含まれ、ユーザーは設定部46を通じて第1電流制限値As1、第2電流制限値As2をそれぞれ設定変更できる
とよい。そして、本実施形態では、運転パネル51には、各種設定値を設定する設定モードとするための設定ボタン516が備えられている。設定ボタン516が所定時間(例えば1秒)長押しされると運転パネル51は設定モードとなり、ユーザーは、各種設定値を設定することができる。なお、設定部46は運転パネル51に設けなくても良い。例えば、I/O部50に接続されるトグルスイッチ等(不図示)を設けることにより代用してもよい。その場合、選択されたトグルスイッチ等の状態と各種設定値とを関連付けるデータテーブルを記憶部47に設けるとよい。また、トグルスイッチ等の選択された状態が目視で確認できるスイッチであれば、表示部49と設定部46は兼ねることができる。
表示部49は、ユーザーインターフェースとして機能し、記憶部47に格納されている設定値等の各種データや、現在のポンプ2の運転状況(運転状態)、例えば現在の制御モード(第1制御モードまたは第2制御モード)、ポンプ2の運転または停止、運転周波数(回転数)、電流、吸込側圧力、吐出側圧力、および、給水圧力等を、I/O部50を介して表示する。また、表示部49は、インバータ20など給水装置100に異常が生じているときには、警報ランプの点灯とブザー音とによってユーザーに異常を報知する。
図2は、運転パネルの具体的な一例を示す図である。一例として、運転パネル51は、I/O部50と通信線もしくは信号線を用いて電気的に接続されるとよい。図示するように、運転パネル51は、給水装置100の運転に関する情報(例えば、ポンプ2の吐出側圧力、周波数(回転速度)、ポンプに作用する電源電圧)を表示する7セグメントLED510、警報ランプ511、ポンプ2の状態(運転・停止・故障)を示すランプ512a、電力の消費レベル(ECOレベル、H・M・L)を示すランプ512b、および、受水槽を有する場合の受水槽の状態(満水・減水・渇水)を示すランプ512cを有する。また、運転パネル51は、ポンプ2を選択するための選択ボタン513、ポンプ2の試験運転と自動運転を切り替えるための切替ボタン514、警報発生時のブザー発生を停止するためのブザー停止ボタン515、運転パネル51を設定モードとするための設定ボタン516、モニタキーとして表示を切り替えるための機能/モニタボタン517、表示の切替および各種設定値の設定を行うための選択ボタン518、を有する。さらに、運転パネル51は、省電力の運転モードとするためのECOボタン(操作部)519、及び、ポンプ2を停止するための停止ボタン520を有する。
記憶部47としては、RAM、ROM等のメモリが使用される。記憶部47には、各種データ、例えば演算部48における演算結果のデータ(運転時間、積算値等)、圧力値(吸込側圧力、吐出側圧力)、設定部46を通じて入力されたデータ、及びI/O部50を通じて入力される、またはI/O部50を通じて出力されるデータ等が格納される。
I/O部50としては、ポート等が使用される。I/O部50は、圧力センサ21,26の信号、及び、フロースイッチ24の信号を取得する回路を有し、取得した信号情報を演算部48に送る。また、モータ3には、モータ3の回転数を検出する図示しない回転数センサやモータ3の電流値を計測する電流計が備えられていてもよい。I/O部50は、回転数センサにより検出されたモータ3の回転数やモータ3の電流値をインバータ20を介して取得し、取得した信号情報を演算部48に送る。ただし、モータ3の回転数は、モータ3に設けられた回転数センサによって検出されるものに限定されず、回転数センサを設けずにインバータ20の出力周波数から推定してもよい。I/O部50は、通信における信号の入出力も行う。本実施形態では、ポンプ2とモータ3とは同期しており、ポンプ2の回転数とモータ3の回転数とは同一である。ポンプ2とモータ3とに変速器が介在する場合には、変速器の変速比(可変である場合には現在の変速比)とモータ3の回転数とに基づいて、ポンプ2の回転数を取得してもよい。また、ポンプ2の回転数は、モータ3の回転数に基づいて取得されるものに限定されず、ポンプ2の回転数を直接に検出する回転数センサから取得してもよい。
また、本実施形態では、モータ3の電流値を計測する電流計(不図示)がモータ3に備えられていてもよい。以降、本実施形態では、ポンプ2の駆動部の電流値(第1電流値)とは、モータ3の電流値もしくはインバータ20の電流値とするとよい。
演算部48としては、例えばCPUが使用される。演算部48は、記憶部47に格納されているプログラム及び各種データ、並びにI/O部50から入力される信号に基づいて、ポンプ2を運転するための各種データの設定、計時、及び、演算等を行う。演算部48からの出力は、I/O部50に入力される。
また、I/O部50とインバータ20は、RS422,RS232C,RS485等の通信手段により互いに接続される。I/O部50からインバータ20へは、各種設定値や周波数指令値、発停信号(運転・停止信号)などの制御信号が送られ、インバータ20からI/O部50へは、実際の周波数値や電流値、インバータトリップ信号等の運転状況(運転状態)が逐次送られる。
なお、I/O部50とインバータ20との間で送受信される制御信号としては、上述した通信手段に代えてまたは加えて、アナログ信号および/またはデジタル信号を用いることができる。例えば、回転周波数等にはアナログ信号を用い、運転停止指令等にはデジタル信号を用いることができる。
更に、I/O部50は、信号線または通信線にて運転パネル51と接続し、運転パネル51の情報の入出力を行う。具体的には、I/O部50は、運転パネル51よりユーザーが設定変更する入力情報を演算部48に送ると共に、運転パネル51よりユーザーが要求した演算部48の情報を運転パネル51へ送る。
I/O部50は、低電力消費信号の入力信号を取得する低電力消費信号入力ポート50−1を更に設ける。低電力消費信号入力ポート50−1にどのような機器からの信号が入力されるかは、「低電力消費信号接続設定値」として、運転パネル51にてユーザーが設定可能であり且つ記憶部47に記憶できるとよい。なお、低電力消費信号入力ポート50−1は複数個設けても良い。また、低電力消費信号入力ポート50−1は通信でもよいし、デジタル信号やアナログ信号の入力でもよい。更には複数のポートにて構成されてもよい。本実施形態では「低電力消費信号接続設定値」には、「ECOボタン」と設定された場合を記す。但し、低電力消費信号入力ポート50−1は、I/O部50と運転パネル50の接続部と共用としてもよい。また、「低電力消費信号接続設定値」の設定変更は、I/O部50に接続される専用スイッチ(不図示)を設け、この専用スイッチの入力による設定変更でもよい。
更に、I/O部50は、各種外部機器からの入力信号を取得する外部信号入力ポート50−2を設けてもよい。外部信号入力ポート50−2は、通信でもよいし、デジタル信号やアナログ信号の入力でもよい。低電力消費信号入力ポート50−1が通信であれば、低電力消費信号入力ポート50−1と外部信号入力ポート50−2は共用してもよい。
続いて、制御部40(制御ユニット30)による給水装置100の制御について説明する。ポンプ2が停止している状態で吐出側圧力が所定の始動圧力にまで低下すると、制御部40はポンプ2を始動させる。具体的には、制御部40はモータ3の駆動を開始するようにインバータ20に指令を出す。ポンプ2の運転中は、設定された圧力(設定圧)により推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御などの制御が行われる。具体的には推定末端圧力一定制御の場合はポンプ2の回転数と目標圧力制御カーブとを用いて目標圧(SV)を設定し、目標圧力一定制御の場合は設定圧を目標圧(SV)とする。また、吐出側
圧力を現在圧(PV)とする。そして、SVとPVの差に基づいて、比例ゲインGp、及び、積分ゲインGiを用いたPI演算、もしくは、比例ゲインGp、積分ゲインGi、及び、微分ゲインGdを用いたPID演算を行い、ポンプ2の指令回転数が設定される。また、制御部40は、本実施形態のようにポンプが複数台ある場合は、同時に起動可能なポンプ台数(ポンプ並列運転台数)にて水量に応じたポンプの台数制御も行われる。
ポンプ2の運転中に建物での水の使用が少なくなると、フロースイッチ24は、過少水量を検出し、その検出信号を制御部40に送る(小水量状態)。制御部40はこの検出信号を受け、ポンプ2に指令を出して吐出側圧力が所定の停止圧力Pfに達するまでポンプ2の回転数を増加させ、圧力タンク28に蓄圧した後ポンプ2を停止(小水量停止)させる。ポンプ2が小水量停止した後に、再び建物内で水が使用されると吐出側圧力が始動圧力Ps以下まで低下しポンプ2が始動する。なお、本実施形態のようにポンプが複数台ある場合には、始動するポンプ2をローテーションさせ、ポンプ2内に水が滞留するのを防ぐことが好ましい。また、小水量を検知する方法としては、フロースイッチ24を用いずに、モータ3の電流値による低負荷や締切圧力等その他の手段を用いてもよい。
次に、本実施形態の給水装置100の更に具体的な制御について説明する。図3は、第1実施形態の制御モード設定処理の一例を示すフローチャートである。この制御モード設定処理は、給水装置100の制御モードを、通常時の上述したような設定された圧力(設定圧)により推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御などの制御を行う第1制御を実行するための第1制御モードと、第1制御モードより消費電力を低く(省電力)するための第2制御を実行するための第2制御モードと、の一方に設定するための処理である。制御モード設定処理は、給水装置100の起動中に制御部40によって繰り返し実行される。
制御モード設定処理では、制御部40は、まず、低電力消費信号が入力されているか否かを判定する(S100)。第1実施形態では、制御部40は、運転パネル51のECOボタン519が操作されることによって省電力とすることが求められているときに、低電力消費信号が入力されていると判断する。具体的には、制御部40は、ECOボタン519の操作による制御モードの設定変更がI/O部50に入力され、I/O部50から演算部48に制御モードの設定変更要求を送る。演算部48は、制御モードの設定変更に応じて記憶が行われる記憶部47の所定の記憶領域を参照し、制御モードの設定変更を行うことにより、低電力消費信号が入力されているか否かを判定(S100)する。
低電力消費信号が入力されていないときには(S100:No)、制御部40は、通常時の制御モードでポンプ2を駆動すると判断し、制御モードを通常時の第1制御モードに設定して(S102)、制御モード設定処理を終了する。本実施形態では、制御部40は、制御モードを設定するときには記憶部47の所定の記憶領域に制御モードを記憶する。
低電力消費信号が入力されているときには(S100:Yes)、制御部40は、低電力消費信号が入力されて所定時間(例えば数秒)が経過しているか否かを判定する(S104)。なお、所定時間は運転パネル51で設定できるものとしてもよい。所定時間が経過していないときには(S104:No)、制御部40は、I/O部50を介して、表示部49(運転パネル51)に切替遅延を表示させ(S106)、制御モードを通常時の第1制御モードに設定して(S102)、制御モード設定処理を終了する。このように、本実施形態では、低電力消費信号が入力されていても、所定時間が経過するまで制御モードには第1制御モードが設定される。これにより、制御モードが頻繁に変更されることを防止できる。また、本実施形態では、低電力消費信号が入力されているにもかかわらず制御モードが第1制御モードに設定されているときには、表示部49に切替遅延が表示される。こうすることにより、ECOボタン519を操作したユーザーが、制御モードが変更さ
れない間に給水装置100に不具合が生じているなどと誤解することを防止できる。なお、切替遅延の表示は、たとえば、ランプ512bの点滅または点灯により行ってもよい。
低電力消費信号が入力されて所定時間が経過したときには(S104:Yes)、制御部40は、低電力の制御モードでポンプ2を駆動すると判断し、制御モードを低電力用の第2制御モードに設定して(S112)、制御モード設定処理を終了する。
なお、図3の制御モード設定処理では、低電力消費信号が所定時間にわたって入力されるまでは制御モードを第1制御モードとし、低電力消費信号が所定時間にわたって入力されてから制御モードを第2制御モードに変更する。しかし、低電力消費信号が入力されているときにはその経過時間にかかわらずに制御モードを第2制御モードにしてもよい。また、低電力消費信号が入力されていないときに、低電力消費信号が入力の変化から所定時間が経過するまでは制御モードを第2制御モードとし、所定時間が経過してから制御モードを第1制御モードに変更してもよい。
図4は、制御用数値設定処理の一例を示すフローチャートである。この制御用数値設定処理は、現在設定されている制御モードに応じて、給水装置100の制御に使用する制御用数値を設定する処理である。制御用数値設定処理は、給水装置100の起動中に制御部40によって繰り返し実行される。なお、制御用数値設定処理は、制御モード設定処理と並列に実行されてもよいし、制御モード設定処理に続けて実行されてもよい。また、制御モード設定処理において、制御モードが変更されたときにのみ実行されるものとしてもよい。
制御用数値設定処理が実行されると、制御部40は、現在の制御モードが第1制御モードであるか否かを判定する(S200)。具体的には、制御部40は、記憶部47の所定の記憶領域を参照する。そして、制御モードが第1制御モードであるときには(S200:Yes)、制御部40は、通常時の第1制御を行うと判断する。第1実施形態では、制御部40は、第1制御を行うために、ストール電流Asに第1電流制限値As1を設定する(S202)。また、制御部40は、ポンプ2の停止圧力Pfおよび始動圧力Psに第1停止圧力Pf1および第1始動圧力Ps1をそれぞれ設定して(S204,S206)、制御用数値設定処理を終了する。ここで、ストール電流Asは、ポンプ2の駆動部に流れる電流の制限値であり、インバータ20もしくは制御部40は、ポンプ2の駆動部に流れる電流がストール電流Asを超えないようにポンプ2の駆動を制御する。具体的には、インバータ20もしくは制御部40は、ポンプ2の駆動部に流れる電流(第1電流値)がストール電流As以上になったら、ポンプ2の加速を制限したり、ポンプ2の回転数を下げる制御を行う。第1制御モードの第1電流制限値As1は、たとえばインバータ20、モータ3並びにポンプ4の定格に基づくストール電流値を用いることができる。また、第1停止圧力Pf1および第1始動圧力Ps1は、給水装置100における給水先の給水量並びに全揚程や末端圧等にて求められる。なお、本実施形態では、第1停止圧力Pf1および第1始動圧力Ps1のそれぞれは運転パネル51において設定可能としている。更に第1制御モードの第1電流制限値As1を運転パネル51において設定可能とすれば、制御装置40はインバータ20、モータ3並びにポンプ4の容量にかかわらず使用することが出来る。
制御モードが第2制御モードであるときには(S200:No)、制御部40は、省電力用の第2制御を行うと判断する。制御部40は、第2制御を行うために、ストール電流Asに第2電流制限値As2を設定する(S212)。また、制御部40は、ポンプ2の停止圧力Pfおよび始動圧力Psに第2停止圧力Pf2および第2始動圧力Ps2をそれぞれ設定して(S214,S216)、制御用数値設定処理を終了する。ここで、第2電流制限値As2は、第1電流制限値As1より小さい値(As2<As1)であり、実験
またはシミュレーション等によって定めた値を用いることができる。また、第2停止圧力Pf2および第2始動圧力Ps2は、第1停止圧力Pf1および第1始動圧力Ps1よりそれぞれに小さい値(Pf2<Pf1,Ps2<Ps1)であり、実験またはシミュレーション等によって定めた値を用いることができる。なお、本実施形態では、第2電流制限値As2、第2停止圧力Pf2、および第2始動圧力Ps2のそれぞれは運転パネル51において設定可能としている。
このように、第1実施形態では、ECOボタン519の操作に応じて制御モードが第1制御モードまたは第2制御モードに設定される。そして、第2制御モードにおいては、ストール電流Asに第1制御モードの第1電流制限値As1より小さい第2電流制限値As2が設定される。そして、制御部40またはインバータ20は、ポンプ2の駆動部に流れる電流が第2電流制限値As2を超えないようにポンプ2の駆動を制御する。こうした制御により、第2制御モードにおいては、特にポンプ2の回転数を急激に増加させるとき、または、建物で使用される水量の増加に伴いポンプ2が高回転数で駆動されるときに、ポンプ2の駆動部に流れる電流が制限される。したがって、ポンプ2の回転数が滑らかに増加するように制御が行われ、大出力でのポンプ2の駆動が抑制される。このため、第2制御モードでは、ポンプ2に使用される電力を低減させることができ、省エネルギを実現することができる。また、第2制御モードでは、第2電流制限値As2を超えない範囲でポンプ2から目標圧(SV)が吐出されるようにポンプ2の駆動が制御されるので、通常時の第1制御モードと同様に給水対象への給水圧力を確保することができる。これは、小水量であれば末端の水栓にも断水せずに給水することが出来ることを意味する。
また、第2制御モードにおいては、ポンプ2の停止圧力Pfおよび始動圧力Psが小さい値に設定される。停止圧力Pfに小さい第2停止圧力Pf2が設定されることにより、通常時の第1制御モードに比して、小水量時にポンプ2の回転数を下げることができる。
また、制御部40は、フロースイッチ24にて小水量を一定時間以上検知すると、ポンプ2の回転数を制御して、停止圧力Pfまで徐々に加圧し圧力タンク28に蓄圧した後に、ポンプ2を小水量停止する。停止圧力Pfに小さい第2停止圧力Pf2が設定されることにより、通常時の第1制御モードに比して、小水量時にポンプ2の蓄圧運転時間が短縮されるため、ポンプ2の駆動される時間が短くなる。言い換えれば、第1制御モードでは小水量時に第1時間にわたってポンプ2を運転させてからポンプ2を停止させるのに比較して、第2制御モードでは小水量時に第1時間より短い第2時間にわたってポンプ2を運転させてからポンプ2を停止させる。また、始動圧力Psに小さい第2始動圧力Ps2が設定されることにより、第1制御モードに比して、ポンプ2が始動されるタイミングが遅くなる。したがって、ポンプ2を停止させる時間を長くすることができ、給水装置100の省エネルギ化を図ることができる。
なお、インバータ20に、表示操作部(不図示)や記憶部(不図示)を更に設け、第1電流制限値As1、第2電流制限値As2を記憶してもよい。第1電流制限値As1、第2電流制限値As2をインバータ20に記憶する場合は、制御部40は、I/O部50よりインバータ20へ制御モードが第1制御モードまたは第2制御モードであるかの情報を送信し、インバータ20は、受信した制御モードに従って、第1電流制限値As1もしくは第2電流制限値As2にてモータ3並びにポンプ2を制御するとよい。
(第2実施形態)
次に第2実施形態の給水装置100について説明する。第2実施形態の給水装置100は、第1実施形態の給水装置100と同一のハード構成を有しており、図4の制御用数値処理に代えて図5のポンプ駆動制御処理を実行する。なお、図5のポンプ運転制御処理では、制御用数値を設定する処理に加えてポンプ2の駆動を制御する処理も含まれている。
図5は、第2実施形態のポンプ駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。このポンプ駆動制御処理は、現在に設定されている制御モードに応じて、給水装置100の制御に使用する制御用数値を設定するとともに、制御用数値を用いて複数台のポンプ2の駆動を制御する処理である。ポンプ駆動制御処理は、給水装置100の起動中に制御部40によって繰り返し実行される。なお、第2実施形態においても、制御モードの設定は第1の実施形態と同様に図3のフローチャートを用いて設定される。
ポンプ駆動制御処理が実行されると、制御部40は、まず、第1実施形態の制御用数値設定処理のステップS200と同様に、現在の制御モードが第1制御モードであるか否かを判定する(S200)。そして、制御モードが第1制御モードであるときには(S200:Yes)、制御部40は、制御用の電流制限値Acに第1電流制限値Ac1を設定するとともに(S302)、異常電流制限値Aaに通常時の異常電流制限値Aarを設定する(S303)。また、制御部40は、第1実施形態の制御用数値設定処理と同様に、停止圧力Pfと始動圧力Psとに第1制御モード用の圧力Pf1,Ps1をそれぞれ設定する(S204,206)。ここで、制御用の電流制限値Acは、複数のインバータ20に流れる合計電流値に対する制限値である。また、異常電流制限値Aaは、主に第2制御モードにおいてポンプ2の駆動を制限するための電流制限値である。第1電流制限値Ac1および通常時の異常電流制限値Aarは、インバータ20、モータ3、ポンプ2の定格電流値などに基づいて通常時の電流制限値として予め定められた値を用いることができる。また、給水装置100において、複数台のポンプ2を同時に並列運転する場合は、第1電流制限値Ac1および通常時の異常電流制限値Aarは、インバータ20、モータ3、ポンプ2の定格電流値を並列運転台数分だけ合計した値としてもよい。
制御モードが第2制御モードであるときには(S200:No)、制御部40は、制御用の電流制限値Acに第2電流制限値Ac2を設定するとともに(S312)、異常電流制限値Aaに第2制御用の異常電流制限値(第3電流制限値)Aa3を設定する(S313)。また、制御部40は、第1実施形態の制御用数値設定処理と同様に、停止圧力Pfと始動圧力Psとに第2制御モード用の圧力Pf2,Ps2をそれぞれ設定する(S214,216)。ここで、第2電流制限値Ac2は、第1電流制限値Ac1より小さい値であり(Ac2<Ac1)、予め定められた値を用いてもよいし、第1実施形態の第2電流制限値As2と同様に運転パネル51で設定できるものとしてもよい。また、第2制御用の異常電流制限値(第3電流制限値)Aa3は、第2電流制限値Ac2よりも大きい値であり(Aa3>Ac2)、異常電流制限値Aarよりも小さい予め定められた値を用いてもよいし、第1実施形態の第2電流制限値As2と同様に、運転パネル51で設定できるものとしてもよい。
第1制御モードまたは第2制御モードの制御用数値を設定すると、制御部40は、複数のポンプ2の駆動部流れる合計電流値Asumが異常電流制限値Aa以下であるか否かを判定する(S320)。ここで、複数のポンプ2の駆動部に流れる合計電流値Asumは、第1電流値であり、制御部40が各ポンプ2の駆動部に流れる電流を取得して合計することにより取得されてもよいし、各ポンプ2の駆動部に分岐する前の電力ラインに流れる電流を検出する電流センサ(不図示)により検出されてもよい。
いまは、合計電流値Asumが異常電流制限値Aa以下であるときを考える(S320:Yes)。このときには、続いて制御部40は、合計電流値Asumが制御用の電流制限値Ac以下であるか否かを判定する(S322)。そして、合計電流値Asumが制御用の電流制限値Ac以下であるときには(S322:Yes)、そのまま運転可能なポンプ台数の範囲でポンプ2の駆動を制御して(S328)、ポンプ運転制御処理を終了する。運転可能なポンプ台数は、ポンプ運転制御処理において変更され、記憶部47の所定の
記憶領域に記憶される。なお、運転可能なポンプ台数は、運転パネル51で設定できてもよい。また、運転可能なポンプ台数は、制御モードが切り替えられたときに、給水装置100が備えるポンプ2の台数へと初期化されてもよい。いまは、運転可能なポンプ台数は、給水装置100が備えるポンプ2の台数に等しいときを考える(図1に示す例では2台)。この場合には、給水装置100が備える複数台のポンプ2が給水対象での水の使用に応じて駆動され、給水対象に給水が行われる。
合計電流値Asumが電流制限値Acを超えているときには、制御部40は、運転中のポンプ2のうち1つのポンプの回転数を低下させる処理を実行する(S324)。これにより、回転数を低下したポンプ2に流れる水量が減少し電力が減少するので、合計電流値Asumを低下させて電流制限値Ac以下となるようにすることができる。そして、制御部40は、回転数を低下させたポンプ2が所定回転数未満となったときにはポンプ2の運転を停止させる。なお、合計電流値Asumが電流制限値Acを超えているときには、即座に運転中のポンプ2のうち1つのポンプを停止させてもよい。
ポンプ2の回転数を低下させる処理を実行すると、制御部40は、そのポンプ2の運転が停止したか否かを判定する(S325)。そして、ポンプ2が停止していないときには(S325:No)、1つのポンプ2の回転数を低下させた状態で、複数台のポンプ2の駆動を制御して(S328)、ポンプ運転制御処理を終了する。一方、ポンプ2を停止させたときには(S325:Yes)、運転可能ポンプ台数Pnを1台だけ減じ(Pn=Pn−1,S326)、残りのポンプ2の駆動を制御して(S328)、ポンプ運転制御処理を終了する。このように合計電流値Asumが電流制限値Acを超えたためにポンプ2を停止させたときには運転可能なポンプ台数Pnが1台減る。これにより、以降の制御においては、運転可能なポンプ台数Pnを超えてポンプ2が始動されない。これにより、電流制限値Acを超えないように複数台のポンプ2を制御することができる。
一般にポンプ2の駆動には、モータ3またはポンプ2の回転に伴うエネルギ損失が伴う。これに対して、本実施形態では、合計電流値Asumが電流制限値Acを超えているときには、運転中のポンプ2のうち1つのポンプの回転数を低下させて必要に応じてそのポンプを停止させる。このため、複数台のすべてに対してポンプの回転数を低下させる場合に比して、エネルギ効率を大きくすることができ、省エネルギ化を図ることができる。
また、制御モードが第2制御モードのときには、制御用の電流制限値Acに小さい第2電流制限値Ac2が設定される。このため、第2制御モードでは給水装置100で大きな電力が消費されることを防止でき、給水装置100の低電力化を図ることができる。また、本実施形態では、吐出側圧力の目標圧(SV)は、第1制御モードと第2制御モードとで同一であり、第2制御モードにおいても電流制限値Acを超えない範囲で第1制御モードと同様に給水対象への給水が確保される。ただし、第2制御モードにおいて、合計電流値Asumが電流制限値Acを超えたときには、吐出側圧力の目標圧(SV)、最大流量時の吐出側圧力PA、締切運転時の吐出側圧力PBの何れかまたは全てを小さくしてもよい。
そして、こうした制御が実行されているにもかかわらず、複数のポンプ2の駆動部に流れる合計電流値Asumが異常電流制限値Aaを超えるときには(S320:No)、制御部40は、運転可能なポンプ台数Pnを値1にする(S327)。これにより、制御部40は、1台のポンプ2だけを残して他のポンプ2を停止させて、1台のポンプ2の駆動を制御して(S328)、ポンプ運転制御処理を終了する。つまり、制御部40は、特に第2制御モードにおいて複数のポンプ2の駆動部20に流れる合計電流値Asumが第3電流制限値Aa3を超えるときには、1台のポンプ2だけの運転を許可して残りのポンプ2の運転を停止させ、複数のポンプ2の駆動部の合計電流値を即座に小さくすることがで
きる。
なお、上述ではポンプ2の台数が2台について説明したが、ポンプ2の台数は3台以上でもよい。その場合でも、S327,S328では1台のみのポンプ2を駆動し、S326,S328では、運転可能ポンプ台数Pnを1台だけ減じて(Pn=Pn−1)、残りのポンプ2の駆動を制御するとよい。また、ポンプ2の駆動部に流れる電流や合計電流値Asumに関わらず、低電力消費信号が入力にて、強制的に1台のポンプ2だけの運転を許可してもよい。
図4のフローにて示した制御と図5のフローにて示した制御を併用しても良い。その場合、図5のフローが終了後(S328の後)に、S202並びにS212にて設定したストール電流Asを第4電流制限値とし、該第4の電流制限値と、ポンプ2毎の駆動部の電流値とを比較し、ポンプ2毎の駆動部の電流流値が前記第4電流制限値を超えるときには、該当する前記ポンプの回転速度を低下させる、または、それに加えてポンプ2の運転を停止させる制御を実行するとよい。この場合、第4の電流制限値は比較するポンプの容量毎に複数設定されてもよい。図4のフローにて示した制御と図5のフローにて示した制御を併用することにより、ポンプ2毎の電流値と合計電流値Asumを同時に監視でき、電流値が大きくなったポンプ2から順に電流値を制限することができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る給水装置100の概略構成を示す図である。第3実施形態の給水装置100は、基本的に第1実施形態の給水装置100と同一の構成を有しているため、同一の構成要素には、同じ図番を付与して説明を省略する。第3実施形態の給水装置100は、第2電力供給源の一例としての蓄電装置80を介して第1電力供給源の一例である商用電源90に接続されており、商用電源90から直接に電力供給を受けられるとともに、蓄電装置80の蓄電器82から電力供給を受けられる。蓄電装置80は、直流化インバータ84、蓄電器82、交流化インバータ85、スイッチ88、および、制御部86を備えている。
直流化インバータ84は、商用電源90から受電した商用電力を直流電力へ変換するインバータであり、変換した直流電力を蓄電器82へ供給する。蓄電器82は、直流化インバータ84から供給された直流電力を蓄電する蓄電池である。蓄電器82としては、リチウムイオン電池など、公知の蓄電池を用いることができる。交流化インバータ85は、蓄電器82から出力された直流電力を交流電力へ変換するインバータである。
スイッチ88は、制御部86により制御され、給水装置100の電力供給源を商用電源90(第1電力供給源)と蓄電器82(第2電力供給源)とで切り替える。第3実施形態では、スイッチ88は、商用電源90から商用電力が供給されている通常時には、商用電源90から供給された交流電力を給水装置100に供給する。一方、スイッチ88は、商用電源90から商用電力が供給されない停電時には、交流化インバータ85から出力された交流電力を給水装置100に供給する。
制御部86は、直流化インバータ84、交流化インバータ85、および、スイッチ88を制御する。制御部86は、商用電源90の停電に応じてスイッチ88を制御することにより、給水装置100への電力供給を継続させる。また、制御部86は、スイッチ88の接続状態、つまり給水装置100の電力供給源が商用電源90と蓄電器82とのいずれに選択されているか、および、蓄電器82の状態(例えば、蓄電残量など)を示す制御信号を給水装置100の低電力消費信号入力ポート50−1へ送信する。
第3実施形態の給水装置100のI/O部50における低電力消費信号入力ポート50
−1には、運転パネル51のECOボタン(操作部)519の操作信号に加えてもしくは代えて、上述した蓄電装置80の制御部86からの各種信号が入力される。そのため、「低電力消費信号接続設定値」は、「第2電力供給源」および/または「ECOボタン」に設定されているとよい。
第3実施形態の給水装置100の制御部40は、給水装置100の電力供給源が第1電力供給源の1例としての商用電源90から第2電力供給源の1例としての蓄電器82へと切り替えたことを知らせる信号が蓄電装置80の制御部86から低電力消費信号入力ポート50−1へ入力されたときに、低電力消費信号が入力されたと判断する。そして、制御部40は、低電力消費信号の入力に応じて、上記した制御モード設定処理(図3)を実行し、第1実施形態の制御用数値設定処理(図4)、または、第2実施形態のポンプ駆動制御処理(図5)などを実行する。こうした制御により、第3実施形態の給水装置100では、蓄電器82から給水装置100に電力が供給されているときに、つまり停電時に、給水対象への給水を確保しつつ給水装置100で消費される電力を低減させることができる。また、図3の制御モード設定処理では、低電力消費信号が入力されたときに所定時間が経過するまでは制御モードが第2制御モードへと切り替えられないので、短時間の停電時に制御モードが切り替えられることを防止できる。
上述したように、「低電力消費信号接続設定値」が「ECOボタン」および/または「第2電力供給源」に設定されている場合は、制御モード設定処理(図3)を実行し、第1実施形態の制御用数値設定処理(図4)、または、第2実施形態のポンプ駆動制御処理(図5)などは実行可能である。また、「低電力消費信号接続設定値」が「ECOボタン」「第2電力供給源」以外の設定でも、制御モード設定処理(図3)を実行し、第1実施形態の制御用数値設定処理(図4)、または、第2実施形態のポンプ駆動制御処理(図5)を実行するができる。これは、制御方法を統一できることによって、制御部40における演算負荷を低減したり、記憶部47のメモリの容量を低減することができる効果がある。更に、以下では、「低電力消費信号接続設定値」が「第2電力供給源」に設定されている場合の制御部40における制御方法を記す。
図7は、第3実施形態における電流制限値設定処理の一例を示すフローチャートである。この電流制限値設定処理は、制御モードが第2制御モードであるときに、つまり給水装置100が蓄電器82から電力の供給を受けているときに、給水装置100の制御部40によって繰り返し実行される。以下、第2電力供給源の供給可能な電力量の1例として蓄電器82の充電量(充電残量)Cbを用いて説明する。この電流制限値設定処理では、制御部40は、蓄電器82の充電量(充電残量)Cbを蓄電装置80から取得し(S402)、取得した充電量Cbに基づいて第2電流制限値Ac2および異常電流制限値(第3電流制限値)Aa3を設定する(S404)。ここで、充電量Cbに基づく第2電流制限値Ac2および異常電流制限値Aa3の設定は、たとえば蓄電器82の特性に基づいて予め定められた関係式またはマップなどを用いて行われればよい。なお、異常電流制限値Aa3は、充電量Cbに基づいた蓄電器82の出力可能な最大電力から導出されてもよい。そして、制御部40は、設定した電流制限値Ac2および異常電流制限値Aa3を利用して上記した第2実施形態のポンプ駆動制御処理(図5)を実行する。こうした制御により、蓄電器82の充電量Cbに応じて、給水装置100で使用される電流(電力)を制限することができ、蓄電器82の使用可能時間を長くしたり、蓄電器82の劣化を防止したりすることができる。なお、運転パネル51で第2電流制限値Ac2または異常電流制限値Aa3を設定できるときには、運転パネル51で設定されている値と、蓄電器82の充電量Cbに基づいて演算された値とのいずれか小さい値を第2電流制限値Ac2または異常電流制限値Aa3として用いてもよい。
また、第3実施形態では、給水装置100への供給電源が不安定になると、制御部40
の制御電源も不安定になる恐れがあり、その場合、I/O部50から入力される信号を誤検出したり、演算部48が不安定になる可能性があるため、所定時間である「電源安定までの様子見時間」を設けるとよい。給水装置100の電力供給源が商用電源90から蓄電器82に切り替えられる要因の一例として、送電線への落雷があった場合が考えられる。その場合、目安として1秒程度の瞬時電圧低下が発生する。更に、一般にスイッチ88が、電源の供給源を商用電源90から蓄電器82に切替えるのに、2秒程度かかる。これらより、瞬時電圧低下時間(1秒程度)+蓄電装置切替え時間(2秒程度)に、数秒を加算もしくは乗算した時間を「電源安定までの様子見時間」とするとよい。
給水装置100の制御部40は、給水装置100の電力供給源が商用電源90から蓄電器82に切り換えられたときには、上述した「電源安定までの様子見時間」(例えば数秒)にわたって、インバータ20の異常などの所定の異常を検出しないものとしてもよい。または、制御部40は、電力供給源が切り替えられたときには、「電源安定までの様子見時間」が経過するまでインバータ20から異常信号を入力しても表示部49での表示を行わないものとしてもよい。これは、スイッチ88によって電力供給源が切り替えられるときには、制御装置40とインバータ20間に短時間の断線状態が生じたり、インバータ20に過大な電流が流れたりする場合があることに基づく。
(第4実施形態)
第4実施形態の給水装置100は、第1実施形態などの給水装置100と同一の構成を有し、図8に示す運転禁止制御処理を更に実行する。運転禁止制御処理は、制御部40によって繰り返し実行される。運転禁止制御処理では、制御部40は、現在の制御モードが第2制御モードであるか否かを判定して(S502)、制御モードが第2制御モードであるときには(S502:Yes)、運転禁止信号が入力されているか否かを判定する(S504)。運転禁止信号は、給水装置100の運転を停止させるための信号であり、運転パネル51で入力できるものでもよいし、第3実施形態の蓄電装置80または他の外部装置から外部信号入力ポート50−2に入力されるものとしてもよい。制御部40は、制御モードが第1制御モードであるとき(S502:No)、及び、運転禁止制御信号が入力されていないときには(S504:No)、そのまま運転禁止制御処理を終了する。一方、制御部40は、第2制御モードにおいて運転禁止制御信号が入力されているときには(S504:Yes)、ポンプ2を停止させる処理を実行して(S506)、運転禁止制御処理を終了する。なお、制御部40は、運転禁止制御信号の入力が解除されたときには、給水対象の水の使用に応じて再びポンプ2を運転させる。こうした制御により、例えば第2制御モードにおいて給水装置100の他の機器の運転を優先したいときにポンプ2を停止させることができる。具体的には、例えば、第3実施形態において停電時に蓄電器82の電力を消火ポンプ装置などの他の緊急性の高い機器の運転に優先して利用したいときに、蓄電装置80から運転禁止制御信号が制御部40に入力されることにより、ポンプ2を停止させて他の機器の運転の優先を実現することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態の給水装置100は、第1実施形態などの給水装置100と同一の構成を有し、図9に示す制御方法設定処理を更に実行する。制御方法設定処理は、制御部40によって繰り返し実行される。制御方法設定処理では、制御部40は、現在の制御モードが1制御モードであるか否かを判定する(S600)。そして、制御モードが第1制御モードであるときには、制御部40は、制御方法を上記の目標圧力一定制御または推定末端圧力一定制御のいずれかに設定して(S602)、制御方法設定処理を終了する。また、制御モードが第2制御モードであるときには、制御部40は、制御方法を推定末端圧力一定制御に設定して(S612)、制御方法設定処理を終了する。ここで、第1制御モードにおいては、例えば運転パネル51への入力によって目標圧力一定制御または推定末端圧力一定制御に設定されてもよい。また、ポンプ2の運転状態などの給水装置100の状態に
応じて制御方法が設定されてもよい。一方、第2制御モードにおいては、その直前に目標圧力一定制御が実行されていても、制御方法が推定末端圧力一定制御に変更される。これは、一般に目標圧力一定制御に比して、推定末端圧力一定制御の方が、消費電力が小さくなる傾向があることに基づく。こうした制御により、給水対象への給水を確保しつつ給水装置100の省エネルギ化を図ることができる。
(第1変形例)
図10は、第1変形例の制御部40および外部表示器70を示す図である。図示するように、第1変形例では、制御部40が表示部49を有するとともに、外部表示器70がさらに設けられている。この外部表示器70は、給水装置100の一部として構成されてもよいし、外部装置として構成されてもよい。外部表示器70では、上述した運転パネル51と同等か、もしくはより詳細な情報を表示したり、複雑な操作を行ったりすることができる表示器としてもよい。
また、第1変形例では、制御部40は、通信部60をさらに備え、有線通信または無線通信によって外部表示器70に接続されている。さらに、第1変形例では、運転パネル51に、リセットボタン52、および、クリアボタン53が備えられている。クリアボタン53の押下により、制御部40は、表示部49の表示のみをクリアする。また、リセットボタン52の押下により、制御部40は、圧力センサ21,26の異常判定、及び、他のメンテナンス情報(例えば、運転時間、始動回数、消耗部品の使用期間、故障履歴)などのデータをリセットする。また、給水装置100の制御における各種設定値の表示変更を行えるよう、上述した運転パネルと同等の機能を実現する操作部を設けてもよい。
外部表示器70として、例えばスマートフォン、携帯電話、パソコン、タブレットの汎用端末機器、または遠隔監視器などの専用端末機器が採用される。第1変形例では、表示部49として、7セグメントLED及び表示灯などの簡易な表示器を採用することができる。また、外部表示器70として、タッチ入力方式または押圧ボタン方式用いた液晶画面での高機能表示器を採用することができる。この場合、表示部49には簡易な情報を表示でき、外部表示器70には大きな情報量の情報を表示できる。こうした構成により、実施形態の給水装置100と同様に、外部表示器70に制御部40によるポンプ2の制御に関した情報(例えば、制御モード、ポンプ2の回転数、吸込側圧力、吐出側圧力、制御方法など)、または、圧力センサ21,26の異常情報などを表示することによって、給水装置に不慣れなユーザーも誤解することなく、給水装置100の状態を認識することができる。また、給水装置100は、機械室またはポンプ室などの電気的なノイズの多い環境に設置されることがある。こうした場合に備えて、表示部49として、液晶表示やタッチパネルよりも電気的ノイズに強い7セグメントLEDや表示灯、機械的な押圧ボタンなどにて構成された表示器が使用されてもよい。これにより、外部環境から発生される電気的なノイズによって外部表示器70の液晶表示やタッチパネル操作に異常が発生した場合でも、表示部49により給水装置100の運転に必要な最低限度の表示および操作を行うことができる。したがって、給水装置100を電気的ノイズの多い環境下にも設置することができる。
さらに、外部表示器70として、スマートフォン、携帯電話、パソコン、又は、タブレットなどの汎用端末機器を採用した場合には、これらの機器に、外部表示器70として作用するための専用のアプリケーションソフトウエアをインストールさせてもよい。この場合には、専用のアプリケーションソフトウエアを複数用意して使い分けることにより、ユーザーのレベル又は目的に沿った表示操作を提供することが可能である。
ここで、制御部40に運転パネル51(表示部49)は設けられていなく、代わりに外部表示器(高機能表示器)70のみが設けられてもよい。この場合、上述した運転パネル
の機能は外部表示器70にて全て実施可能とする。つまり、制御部40は、外部表示器70からの信号に基づいて、低電力消費信号が入力されたと判断して給水装置100の制御モードを第1制御モードと第2制御モードとで切り替えてもよい。これにより、給水装置100には表示器自体を設ける必要がなくなるので、給水装置100全体のコストを更に下げることが可能である。また、運転パネル51の設定部46にリセットボタン52及びクリアボタン53が備えられず、代わりに、外部表示器70にリセットボタン(不図示)又はクリアボタン(不図示)が備えられてもよい。外部表示器70上のクリアボタンを押すと、外部表示器70上に表示されている表示が消去される。
また、図10において、通信部60は、公衆回線やネットワーク、専用回線等を介して、保守管理会社または管理人室に設けられた遠隔監視装置(例えば、パソコン、スマートフォン、又は、専用モニター)と通信してもよい。この場合、例えば給水装置100におけるポンプ2の制御に関する情報等が、通信部60から遠隔監視装置に送信される。遠隔監視装置は、給水装置100のポンプ運転情報(ポンプ2の回転数、吸込側圧力、吐出側圧力、給水圧力、制御モードなど)、メンテナンス情報(運転時間、始動回数、消耗部品の使用期間、故障履歴など)、機器情報(製品番号、部品交換履歴、部品リストなど)など、他の情報も表示してもよい。
(第2変形例)
図11は、第2変形例の制御部および外部表示器を示す図である。第2変形例の制御部40は、通信部60に代えて、制御部側アンテナ部67を備えている点、および制御部側アンテナ部67に接続された集積回路68を備えている点で、第1変形例の制御部40と異なっている。集積回路68は、不揮発性記憶領域、および、揮発性記憶領域を有する記憶部47に電気的に接続されている。なお、図11に示す制御部40は表示部49を備えていないが、表示部49を備えてもよい。また、第2変形例の外部表示器70は、給水装置100の一部として構成されてもよいし、外部装置として構成されてもよい。
第2変形例の外部表示器70は、電波を送受信する表示器側アンテナ部71と、表示部72と、バッテリー73と、データリーダー74と、を備えている。この外部表示器70では、表示器側アンテナ部71で受信したデータがデータリーダー74で読み取られる。そして、データリーダー74で読み取られたデータ(例えば、ポンプ2の回転数、吸込側圧力、吐出側圧力、給水圧力、制御モードなど)が表示部72で表示される。バッテリー73は、表示器側アンテナ部71、データリーダー74、および表示部72に電力を供給する。
外部表示器70として、例えばスマートフォン、携帯電話、パソコン、タブレット等の汎用端末機器を用いてもよく、遠隔監視器などの専用の端末機器を用いてもよい。特に、スマートフォンなどの汎用端末機器を外部表示器として使用すれば、専用の表示器を制作するコストが削減できるので、給水装置のコストを下げることができる。また、複数のユーザーが個々の汎用端末機器に給水装置100の状態を表示させることができるので、ユーザーのレベル又は目的に沿った表示操作を提供することが可能である。たとえば、マンションまたはビルの管理人のような給水装置に関する専門知識のないユーザーに対して、ポンプ2の制御に関する情報などを分かり易く知らせることができる給水装置を安価に提供することができる。
外部表示器70は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)の技術によって制御部40と接続される。より具体的には、外部表示器70を制御部40に近づけた状態で、表示器側アンテナ部71が電波を発生すると、その電波を制御部側アンテナ部67が受け取り、制御部側アンテナ部67は電波を電力に変換する。この電力は集積回路68および記憶部47に供給されてこれら集積回路68および記憶部47を駆動する。集
積回路68は、記憶部47に記憶されている上記データを読み取り、制御部側アンテナ部67にデータを送る。制御部側アンテナ部67は、データとともに電波を表示器側アンテナ部71に送信する。データリーダー74は、表示器側アンテナ部71が受信したデータを読み取り、そのデータを表示部72に表示させる。
外部表示器70は、表示を消去するためのクリアボタン76と、データをリセットするためのリセットボタン(不図示)を備えていてもよい。ユーザーがクリアボタン76を押すと、表示部72に表示されているポンプ2の制御に関した情報表示(例えば、ポンプ2の回転数、吸込側圧力、吐出側圧力、給水圧力、制御モード)等が消去される。また、リセットボタンを押すと、リセット信号が制御部40に送信され、リセット信号を受信した制御部40は、メンテナンス情報などのデータをリセットする。本実施形態のクリアボタン76は、表示部72の画面上に現れる仮想的なボタンであるが、クリアボタン76は表示部72の外に設けられた機械的なボタンであってもよい。第2変形例の制御部40は、クリアボタンを備えていないが、制御部40にクリアボタン、リセットボタンを設けてもよい。
なお、表示のクリアおよびデータのリセットの操作は、操作制限を設けてもよい。具体的には、ユーザーが主に使用する外部表示器70にクリアボタン76を設け、メンテナンス員が主に使用する制御部40にリセットボタンを設ける。このように制御部40にのみリセットボタンを設けることで、外部表示器70を操作するユーザーによるリセットボタンの誤操作を防ぐことができる。パスワード等の複雑な使用制限の解除方法ではなく、外部表示器70を設けることで、ユーザーの誤操作によるリセットを防止することができる。
第2変形例では、制御部40の記憶部47に記憶されているデータ(例えば、ポンプ2の回転数、吸込側圧力、吐出側圧力、給水圧力、制御モードなど)は、無線通信により制御部40から外部表示器70に送られる。第2変形例によれば、給水装置100の電源が入っていない場合でも、制御部側アンテナ部67は外部表示器70から発せられる電波から電力を発生し、集積回路68および記憶部47を駆動することができる。したがって、給水装置100のメンテンナンス中などにおいて制御部40に電力が供給されていないときでも、外部表示器70は、制御部40の記憶部47からデータを取得して表示することができる。
NFCは、数cmの近距離にて相互通信する技術である。したがって、外部表示器70に各種情報を表示するときには、ユーザー及びメンテナンス員は、相互通信可能な距離まで外部表示器70を制御部40に近づけることになる。このことは、外部表示器70を操作するときは、ユーザーおよびメンテナンス員は給水装置100の近くにいることを意味する。このため、例えば消耗品の交換作業中の誤操作に起因した給水装置100の予期しない動作を防止することに繋がる。また、複数の給水装置100が設置された現場では、表示したい給水装置100の近距離で相互通信が可能となる為、意図しない別の給水装置の状態を表示してしまうという誤表示を防止することが出来る。
なお、上記の例では、制御部40と外部表示器70との無線通信方式の例としてNFCを挙げたが、他にも、Bluetooth(登録商標)およびWi−Fiなど、任意の方式の無線通信を利用可能である。ただし、NFCは、制御部40と外部表示器70とを近づけるだけで通信を完了させることができる点で有利である。また、制御部40と外部表示器70とが有線通信してもよい。例えば、制御部40には、制御部側アンテナ部67の代わりに、例えばUSB(Universal Serial Bus)のような外部接続端子が設けられ、ここに外部表示器70が接続されることによって通信が可能になってもよい。
(その他の変形例)
上記した実施形態では、運転パネル51にて第2電流制限値As2,Ac2および第3電流制限値Aa3を設定できるものとした。しかし、第2電流制限値As2,Ac2および第3電流制限値Aa3などは、運転パネル51に設定された他の設定情報に基づいて制御部40によって設定されてもよい。たとえば、運転パネル51にて消費電力制限値(電力上限値)を設定できるものとし、消費電力制限値に基づいて第2電流制限値As2,Ac2または第3電流制限値Aa3が設定されてもよい。このときには、例えば制御部40は、消費電力制限値とインバータ20の数および定格電圧などとに基づいて第2電流制限値As2,Ac2または第3電流制限値Aa3を設定することができる。
一例として、第2電力供給源の電源供給量を蓄電器82の充電量Cbとして、充電量Cbとユーザーが設定する電源供給希望時間Tbから、消費電力の上限を算出し、第2電流制限値As2,Ac2および第3電流制限値Aa3を算出してもよい。消費電力の上限は、「充電量Cb÷電源供給希望時間Tb」となる。但し、「充電量Cb÷電源供給希望時間Tb」が蓄電装置80の出力最大電力を超える場合は、消費電力の上限を蓄電装置80の出力最大電力とするとよい。また、この消費電力の上限とモータ3の定格電圧より、第2電流制限値As2,Ac2および第3電流制限値Aa3を算出する。モータ3が3相モータであれば、瞬時最大電流値は「消費電力の上限÷(√3×モータ3の定格電圧)」となり、この瞬時最大電流値を基準として第2電流制限値As2,Ac2および第3電流制限値Aa3の値を算出するとよい。
上記した実施形態では、低電力消費信号が所定時間にわたって入力されたときに制御モードを第1制御モードから第2制御モードに変更するものとした。しかし、これに代えて、または加えて、ポンプ2が高出力で運転しているときには、ポンプ2の高出力での運転が終了してから制御モードの切り替えを行うものとしてもよい。例えば、制御部40は、低電力消費信号が入力されたときにポンプ2が高出力で運転されているときには、水供給先での使用水量が減って高出力での運転が終了してから制御モードを第1制御モードから第2制御モードへと変更する。また、制御部40は、第2制御モードから第1制御モードへと変更するときにも、同様にポンプ2の高出力での運転が終了してから制御モードを切り替えてもよい。なお、制御部40は、例えばポンプ2の駆動部に流れる電流またはポンプ2の回転数に基づいてポンプ2が所定の高出力であるか否かを判定すればよい。こうした制御により、ポンプ2が高出力で運転されているときに制御モードが切り替えられてポンプ2の回転速度が大きく変更されることなどを抑制できる。
なお、ポンプ2が運転しているときには、小水量停止等にてポンプ2が停止してから制御モードの切り替えを行うものとしてもよい。例えば、制御部40は、低電力消費信号が入力されたときにポンプ2が運転されているときには、ポンプ2が停止してから制御モードを第1制御モードから第2制御モードへと変更する。また、制御部40は、第2制御モードから第1制御モードへと変更するときにも、同様にポンプ2が停止してから制御モードを切り替えてもよい。ポンプ2が運転されているときに制御モードが切り替えられてポンプ2の回転速度が大きく変更されることなどを抑制できる。また、ポンプ2が停止中であれば回転数や電流の変化が無く、より安定した状態で切り替えることができる。
更に、ポンプ2が運転しているときには、図8のS504の運転禁止信号の入力の可否に関わらず、ポンプ2を強制的に停止し、一定時間経過した後に、制御モードの切り替えを行うものとしてもよい。例えば、制御部40は、低電力消費信号が入力されたときにポンプ2が運転されているときには、ポンプ2を停止させてから制御モードを第1制御モードから第2制御モードへと変更する。また、制御部40は、第2制御モードから第1制御モードへと変更するときにも、同様にポンプ2を停止させてから制御モードを切り替えてもよい。ポンプ2が運転されているときに制御モードが切り替えられてポンプ2の回転速
度が大きく変更されることなどを抑制できる。また、ポンプ2が停止中であれば回転数や電流の変化が無く、より安定した状態で切り替えることができる。特に、図6の構成では入力される電源が切り替わる際に給水装置100における電源電圧が不安定なる。よって、上述した電源安定までの様子見時間は、ポンプ停止させてもよい。
また、制御部40は、制御モードが第2制御モードであるときには、制御モードが第1制御モードであるときに比して、PI制御またはPID制御の比例ゲインGpに小さい値を設定してもよい。言い換えれば、制御部40は、制御モードが第1制御モードであるときには第1比例ゲインGp1を用いてPI制御またはPID制御によりポンプ2の駆動を制御し、制御モードが第2制御モードであるときには第1比例ゲインGp1より小さい第2比例ゲインGp2を用いてPI制御またはPID制御によりポンプ2の駆動を制御してもよい。こうすれば、第2制御モードでは、第1制御モードに比してポンプ2の回転速度が緩やかに変更され、回転数が急激に増加する際に発生するポンプ2の駆動部に流れる電流の上昇を抑制でき、給水装置100の省エネルギ化を図ることができる。
また、制御部40は、制御モードを第1制御モードから第2制御モードへと切り替えるときには、第2制御モードにおけるポンプ2の回転速度変化に比して、ポンプ2の回転速度を緩やかに変化させてもよい。つまり、例えば、制御部40は、制御モードを第2制御モードへと切り替えたときに吐出側圧力と目標圧との差が大きいときには、吐出側圧力と目標圧との差が予め定めた値より小さくなるまで、第2制御モードにおけるポンプ2の回転速度変化に比して、ポンプ2の回転速度を緩やかに変化させてもよい。また、例えば、制御部40は、制御モードを切り替えてから所定時間が経過するまでに停止しているポンプ2を始動させるときには、通常時のポンプ2の始動に比して緩やかにポンプ2を始動させてもよい。こうした制御により、制御モードが第1制御モードと第2制御モードとで切り替えられるのをスムーズに行うことができる。
上記した実施形態では、制御モードが第2制御モードであるときには、停止圧力Pfとして、第1制御モードにおける第1停止圧力Pf1よりも小さい第2停止圧力Pf2が設定されるものとした。しかし、制御モードが第2制御モードであるときには、停止圧力Pfとして、第1制御モードにおける第1停止圧力Pf1よりも大きい第2停止圧力Pf2が設定されてもよい(Pf2>Pf1)。こうすれば、制御モードが第2制御モードであるときには、ポンプ2を停止させるときに第1制御モードのときよりも多い水量を圧力タンク28に蓄圧することができる。したがって、次回にポンプ2が始動するタイミングを遅らせることができ、給水装置100の構成によってはポンプ2が停止する時間が長くなるので、給水装置100の省エネルギ化を図ることができる。また、給水管7に圧力タンク28を増設することにより、圧力タンク28への貯水量が多くなり、次回にポンプ2が始動するタイミングを遅らせることができ、停止時間を長くできる。
第3実施形態では、給水装置100の電力供給源が商用電源90と蓄電器82とで切り替えられるものとした。しかし、これに代えて、または加えて、給水装置100は発電機から電力が供給可能であってもよい。そして、発電機または他の外部装置からの入力に基づいて給水装置100の電力供給源が商用電源90から発電機に切り替えられたときに、給水装置100の制御部40は低電力消費信号が入力されたと判断してもよい。このときには、制御部40は、第3実施形態と同様の制御を行ってもよい。また、上述した実施例では、ECOボタン519、蓄電装置80もしくは発電機より低電力消費信号を低電力消費信号入力ポート50−1へ入力した例を示したが、低電力消費信号の入力はそれらの例に限らない。例えば、昨今の地震等による大規模自然災害が発生した時には、発電所のトラブルにより電力調整が行われた。このような場合や、真夏や真冬の電力使用ピーク時等にも低電力消費信号の入力を用いて、給水装置100の省エネルギ運転を行うとよい。
第2実施形態では、複数のポンプ2の駆動部20の合計電流値Asumが電流制限値Acを超えないように複数台のポンプ2が制御される。ここで、ポンプ2を始動(加速)させるときにはインバータ20に大きい電流が流れる。このため、ポンプ2を始動(加速)させている間は電流制限値Acによる合計電流値Asumの制限を行わないものとしてもよい。または、ポンプ2を始動(加速)させている間は電流制限値Acを第2電流制限値Ac2よりも所定値だけ大きい値に設定してもよい。こうすれば、第2制御モードにおいて、ポンプ2の始動(加速)が制限されてしまうことを抑制できる。
第2実施形態の図5のポンプ駆動制御処理では、複数のポンプ2の駆動部に流れる合計電流値Asumが電流制限値Acを超えているときには、制御部40は、運転中のポンプ2のうち1つのポンプの回転数を低下させるものとした。しかし、制御部40は、2つ以上、またはすべてのポンプの回転数を低下させてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
2…ポンプ
3…モータ
4…水道管
5…導入管
7…給水管
10…給水栓
20…インバータ
21…圧力センサ
22…逆止弁
24…フロースイッチ
25…逆流防止装置
26…圧力センサ
28…圧力タンク
30…制御ユニット
40…制御部
46…設定部
47…記憶部
48…演算部
49…表示部
50…I/O部
51…運転パネル
60…通信部
67…制御部側アンテナ部
68…集積回路
70…外部表示器
71…表示器側アンテナ部
72…表示部
73…バッテリー
74…データリーダー
76…クリアボタン
80…蓄電装置
82…蓄電器
84…直流化インバータ
85…交流化インバータ
86…制御部
88…スイッチ
90…商用電源
100…給水装置
516…設定ボタン
519…ECOボタン

Claims (25)

  1. 給水対象に水を供給するための給水装置において、
    水を加圧して送水するポンプと、
    前記ポンプの駆動部に流れる電流である第1電流値が第1電流制限値を超えないように前記ポンプの駆動を制御する第1制御を実行する制御ユニットと、を備え、
    前記制御ユニットは、所定の低電力消費信号が入力されたときには、前記第1電流値が前記第1電流制限値よりも小さい第2電流制限値を超えないように前記ポンプの駆動を制御する第2制御を実行する、
    ことを特徴とする給水装置。
  2. 前記給水装置は、前記第2電流制限値を変更可能な設定部を更に備えた、
    請求項1に記載の給水装置。
  3. 前記第2電流制限値は、前記給水装置における電力上限値に基づいて設定される、
    請求項1または2に記載の給水装置。
  4. 前記制御ユニットは、前記ポンプに電力を供給して前記ポンプを任意の回転速度で運転する周波数変換器と、前記周波数変換器を介して前記ポンプの駆動を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、ストール電流値として前記第1電流制限値または前記第2電流制限値を設定することにより、前記第1制御または前記第2制御を実行する、
    請求項1から3の何れか1つに記載の給水装置。
  5. 前記給水装置は、前記ポンプを複数台備えており
    前記制御ユニットは、前記第1電流値を、前記複数のポンプの前記駆動部に流れる電流値の合計とすることを特徴とする、
    請求項1から3の何れか1つに記載の給水装置。
  6. 前記制御ユニットは、
    前記ポンプの前記駆動部に電力を供給して前記ポンプを任意の回転速度で運転する周波数変換器と、
    前記複数の周波数変換器を介して複数台の前記ポンプの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記第2制御を実行していて2台以上のポンプを運転しているときに前記第1電流値が前記第2電流制限値を超えるときには、運転中のポンプのうち1台のポンプに対して、回転速度を低下させる制御、または、運転を停止させる制御を実行する、
    請求項5に記載の給水装置。
  7. 前記制御ユニットは、
    前記第2制御を実行していて2台以上の前記ポンプを運転しているときに前記第1電流値が前記第2電流制限値以上の第3電流制限値を超えるときには、運転中の前記ポンプのうち1台のポンプだけの運転を許可して残りのポンプの運転を停止させる、
    請求項5または6に記載の給水装置。
  8. 前記制御ユニットは、
    駆動部毎の電流制限値である第4電流制限値を更に備え、
    前記第2制御を実行していて前記ポンプを運転しているときに、
    前記駆動部毎の電流値が、前記第4電流制限値を超えるときには、
    該当する前記ポンプの回転速度を低下させる制御、該当するポンプの加速を制限する制
    御、および/または、運転を停止させる制御を実行する、
    請求項7に記載の給水装置。
  9. 前記制御ユニットは、前記所定の低電力消費信号の入力信号の変化より所定時間経過後に、前記第1制御と前記第2制御とを切り替えることを特徴とする、
    請求項1から8の何れか1つに記載の給水装置。
  10. 前記制御ユニットは、前記所定の低電力消費信号の入力信号の変化時に、前記ポンプが所定の高出力で運転されているときには、前記所定の高出力での運転が終了してから前記第1制御と前記第2制御を切り替えることを特徴とする、
    請求項1から9の何れか1つに記載の給水装置。
  11. 前記給水装置は、前記所定の低電力消費信号が入力されているにもかかわらず前記第1制御を実行していることを表示可能な表示部を備えた、
    請求項9または10に記載の給水装置。
  12. 前記制御ユニットは、前記ポンプの吐出側圧力が目標圧力制御カーブ上の第1目標圧力になるように前記ポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御する推定末端圧力一定制御と、前記ポンプの吐出側圧力が所定の第2目標圧力になるように前記ポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御する目標圧力一定制御と、を実行可能であり、前記第2制御を実行するときには前記推定末端圧力一定制御により前記ポンプの駆動を制御する、
    請求項1から11の何れか1つに記載の給水装置。
  13. 前記制御ユニットは、前記第2制御を実行しているときに所定の運転禁止信号が入力されたときには、前記ポンプを停止させる、
    請求項1から12の何れか1つに記載の給水装置。
  14. 前記制御ユニットは、前記第1制御を実行しているときには第1比例ゲインを用いたPI制御またはPID制御により前記ポンプの吐出側圧力が目標圧力になるように前記ポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御し、前記第2制御を実行しているときには前記第1比例ゲインより小さい第2比例ゲインを用いたPI制御またはPID制御により前記ポンプの吐出側圧力が目標圧力になるように前記ポンプの回転速度を設定して当該ポンプの駆動を制御する、
    請求項1から13に記載の給水装置。
  15. 前記給水装置は、ユーザーにより前記第2制御を選択可能な操作部を更に備え、
    前記制御ユニットは、前記第2制御を選択するための操作部に対して所定の操作がなされたときに、前記所定の低電力消費信号が入力されたと判断する、
    請求項1から14の何れか1つに記載の給水装置。
  16. 前記給水装置は、第1電力供給源と第2電力供給源とから電力を供給されることができ、
    前記制御ユニットは、電力供給源が前記第1電力供給源から前記第2電力供給源に切り替えられたときに、前記所定の低電力消費信号が入力されたと判断する、
    請求項1から14の何れか1つに記載の給水装置。
  17. 前記制御ユニットは、前記第2電力供給源の供給可能な電力量に基づいて前記第2電流制限値を設定する、
    請求項16に記載の給水装置。
  18. 前記制御ユニットは、前記第1制御と前記第2制御とを切り替えるときには、前記第2制御による前記ポンプの回転速度変化よりも緩やかに前記ポンプの回転速度を変化させる、
    請求項16または17に記載の給水装置。
  19. 前記制御ユニットは、前記制御ユニット内の所定の異常を検出することができるとともに、当該所定の異常を検出したことを表示部で報知可能であり、
    前記制御ユニットは、前記給水装置の電力供給源が前記第1電力供給源から前記第2電力供給源に切り替えられたときには、所定時間が経過するまでは前記制御ユニット内に前記所定の異常が生じていても前記報知を行わない、
    請求項16から18の何れか1つに記載の給水装置。
  20. 前記第3電流制限値は、前記第2電力供給源の出力可能な最大電力に基づく電流値である、
    請求項7または8を引用する請求項16から19の何れか1つに記載の給水装置。
  21. 前記制御ユニットは、前記第1制御を実行しているときに前記ポンプが停止しているときには、前記ポンプの吐出側圧力が第1始動圧力よりも小さくなったときに前記ポンプを始動させ、前記第2制御を実行しているときに前記ポンプが停止しているときには、前記ポンプの吐出側圧力が前記第1始動圧力よりも低い第2始動圧力よりも小さくなったときに前記ポンプを始動させる、
    請求項1から20の何れか1つに記載の給水装置。
  22. 前記給水装置は、前記ポンプの吐出側に設けられている圧力タンクを更に備え、
    前記制御ユニットは、前記第1制御を実行しているときに前記ポンプの運転が所定の小水量状態となったときには、前記圧力タンクに第1水量を蓄圧させてから前記ポンプを停止させ、前記第2制御を実行しているときに前記ポンプの運転が前記所定の小水量状態となったときには、前記圧力タンクに前記第1水量よりも大きい第2水量を蓄圧させてから前記ポンプを停止させる、
    請求項1から21の何れか1つに記載の給水装置。
  23. 前記制御ユニットは、前記第1制御を実行しているときに前記ポンプの運転が所定の小水量状態となったときには、第1時間にわたって前記ポンプを運転させてから前記ポンプを停止させ、前記第2制御を実行しているときに前記ポンプの運転が前記所定の小水量状態となったときには、前記第1時間よりも短い第2時間にわたって前記ポンプを運転させてから前記ポンプを停止させる、
    請求項1から21の何れか1つに記載の給水装置。
  24. 前記給水装置は、前記制御ユニットが前記第2制御を実行していることを表示可能な表示部を備える、
    請求項1から23の何れか1つに記載の給水装置。
  25. 前記給水装置は、前記給水装置の制御に関する情報を外部表示器に送信するように構成された通信部を更に備え、
    前記通信部は、前記制御ユニットが前記第2制御を実行していることを前記情報として前記外部表示器に送信可能である、
    請求項1から24の何れか1つに記載の給水装置。
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