JP2018118817A - エレベーター制御装置及びエレベーター制御方法 - Google Patents

エレベーター制御装置及びエレベーター制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乗りかごのスタートショックの軽減を常時適正に行うことができるようにする。【解決手段】乗りかごの負荷検出値に応じて、乗りかごを駆動する巻上機の予備励磁トルクを演算して、その演算した予備励磁トルクをブレーキ解除時に与える。ここで、予備励磁トルクを演算する際には、負荷検出器が検出した複数の異なる負荷検出値と、それぞれの負荷検出値の場合におけるスタートショック値とに基づいて、負荷検出値と予備励磁トルクとの相関を示す近似直線を求め、その算出した近似直線を使って、負荷検出器から取得した負荷検出値に応じた予備励磁トルクを算出する。【選択図】図5

Description

本発明は、エレベーター制御装置及びエレベーター制御方法に関する。
エレベーターは、乗客の乗り心地の快適性向上の観点から、乗客人数によらず、滑らかに起動することが要求されている。しかし、モーターの発生するトルクと実際の負荷との間の僅かなトルクアンバランスが、乗りかごの振動を発生する要因となり、特に起動時には大きな問題となる。
従来のエレベーターの走行開始時の振動抑制方法としては、走行開始前に乗りかご内の荷重を把握し、把握した荷重と、つりあいおもりの重量とのアンバランス分を巻上機のトルク指令値に補償値として加えた上で、スタートすることが行われている。このようにすることで、巻上機のブレーキを解除したときに、モーターの発生するトルクと実際の負荷とがバランスして、乗りかごが動くスタートショックの発生を防止することができる。
特許文献1には、乗りかごのスタートショック量に相当するスタートショック値を検出して、その検出したスタートショック値を基に予備励磁トルク量を補正する技術についての記載がある。
図7は、特許文献1に記載された予備励磁トルク量の補正処理状態を示す特性図である。
図7の横軸は乗りかごの負荷を示し、縦軸は予備励磁トルク量を示す。図7に示す予備励磁トルク量の設定特性Taは、補正なしでの予備励磁トルク量を示す。この補正なしの予備励磁トルク特性Taは、乗りかごの負荷が50%でつりあいおもりとバランスした状態で、予備励磁トルク量TLDを“0”とする。そして、予備励磁トルク特性Taとして、乗りかごの負荷が50%よりも増えるに従って、予備励磁トルク量TLDを増やし、乗りかごの負荷が50%よりも減るに従って、予備励磁トルク量TLDを減らすようにする。
ここで、特許文献1に記載された技術は、この予備励磁トルク特性Taの設定でスタートショックを軽減できない場合に、検出したスタートショック値を基に、予備励磁トルク特性Taを特性Tb又は特性Tcのように補正するものである。例えば、乗りかごを上昇させるアップ運転時に、巻上機のブレーキを解除する場合を考える。この場合には、乗りかごが「下がる」スタートショックが検出されると、予備励磁トルク量TLDを一定量Txだけ増やした予備励磁トルク特性Tbとして、スタートショックを軽減した運転を行うようにする。逆に、乗りかごが「上がる」スタートショックが検出された場合には、予備励磁トルク量TLDを一定量Tyだけ減らした予備励磁トルク特性Tcとして、スタートショックが発生しない運転を行うようにする。
特開2007−217101号公報
スタートショックは、乗りかご内の荷重により変化するため、スタートショックを適正に防止するためには、乗りかご内の荷重を正確に把握する必要がある。乗りかご内の荷重を検出するためには、かご室とかご支持フレームとの間に負荷検出器(荷重センサ)を設置し、負荷検出器が検出した沈み量から荷重を把握する必要がある。ところで、かご室とかご支持フレームとの間には、防振ゴムが介在されている。この防振ゴムは、かご室の沈み量の変化を緩やかに吸収し、同時に防振効果を得る目的で設置されている。この防振ゴムは、常時かご室から圧縮を受けているため、永久たわみが発生して劣化する。従って、防振ゴムの永久たわみの発生に伴った劣化で、つりあいおもりの質量とのアンバランス分が変化する。また、防振ゴムは、外気温の変化によっても柔らかさ(硬さ)が変化するため、夏期と冬期でつりあいおもりの質量とのアンバランス分が変化することがある。あるいは、1日の中でも、機構系のなじみ具合(走行抵抗の変動)によって、つりあいおもりの質量とのアンバランス分が変化することがある。
これらの対策として、例えば防振ゴムが劣化した場合には、負荷検出器の出力電圧と荷重補償出力との校正を実施する必要がある。すなわち、上述した図7に示す予備励磁トルク量TLDを増やす一定量Tx又は減らす一定量Tyを校正することが必要になる。
ところが、この校正作業は、負荷検出器の出力電圧を調整する必要上、校正テスト用おもりを搬入して行うため、作業者の負担が大きいと共に、調整作業時にエレベーターによるサービスを停止させなければならないという問題があった。また、防振ゴムの劣化などに基づいた校正は可能であるが、季節的な変動や、1日の中での変化を校正することは事実上不可能であった。
本発明は、校正作業を必要とせずに、乗りかごのスタートショックの防止を常時適正に行うことができるエレベーター制御装置及びエレベーター制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならは、乗りかごの負荷を検出する負荷検出器から取得した負荷検出値に応じて、乗りかごを駆動するモーターの予備励磁トルクを演算する予備励磁トルク量演算部と、予備励磁トルク量演算部が演算した予備励磁トルクをブレーキ解除時に与えるモーター制御部と、乗りかごが走行を開始する際にブレーキを開放した際のスタートショック値を検出するスタートショック検出部とを備える。
そして、予備励磁トルク量演算部は、負荷検出器が検出した複数の異なる負荷検出値と、それぞれの負荷検出値の場合にスタートショック検出部が検出したスタートショック値とに基づいて、負荷検出値と予備励磁トルクとの相関を示す近似直線を求め、算出した近似直線を使って、負荷検出器から取得した負荷検出値に応じた予備励磁トルクを算出するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、的確なスタートショックの補正量を取得し、常に最適な乗りかごの起動補償を実現できるようになる。このため、試行錯誤的な繰り返しによる校正作業を無くすことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例によるエレベーター装置のシステム全体の概要を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例によるエレベーター制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるエレベーター制御装置に適用されるコンピュータ装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるスタートショック防止のための制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例によるアップ運転時の予備励磁トルクと負荷検出値との関係から求まる直線近似の例を示す特性図である。 本発明の一実施の形態例によるダウン運転時の予備励磁トルクと負荷検出値との関係から求まる直線近似の例を示す特性図である。 乗りかごのアップ運転時とダウン運転時の予備励磁トルクの調整例を示す特性図である。
以下、本発明の一実施の形態の例(以下、「本例」と称する)を、図1〜図6を参照して参照して説明する。
[1.エレベーター装置全体の概要]
図1は、本例のエレベーター装置のシステム全体の概要を示す。
エレベーターの乗りかご1は、ワイヤーロープ3でつり合いおもり2と接続され、ワイヤーロープ3は電動巻上機(モーター)4に巻き掛けられている。そして、電動巻上機4による駆動で、ワイヤーロープ3に吊り下げられた乗りかご1が、昇降路内を上方向又は下方向に移動する。電動巻上機4は、エレベーター制御装置10からの指令で乗りかご1を移動させる。なお、以下の説明では、乗りかご1が上方向に移動する運転をアップ運転、乗りかご1が下方向に移動する運転をダウン運転と称する。
電動巻上機4には、ロータリーエンコーダー5が取り付けられている。ロータリーエンコーダー5は、電動巻上機4に回転に同期したパルス信号を出力する。ロータリーエンコーダー5が出力するパルス信号は、エレベーター制御装置10に供給される。また、電動巻上機4には、電磁ブレーキ7が取り付けられ、この電磁ブレーキ7の作動で、電動巻上機4に制動力を与えて乗かご1を停止させる。電動巻上機4や電磁ブレーキ7は、エレベーター制御装置10による制御で作動する。
また、乗りかご1には、負荷検出器6が取り付けられている。負荷検出器6は、乗かご1に乗り込んだ乗客の荷重(負荷)を検出する。
負荷検出器6が検出した負荷情報は、エレベーター制御装置10に供給される。
[2.エレベーター制御装置の構成]
図2は、エレベーター制御装置10の構成例を機能ブロックで示す。図2は、乗りかご1をアップ運転又はダウン運転する際の起動開始時の起動補償を行う構成を示す。
エレベーター制御装置10は、起動補償部11を備える。起動補償部11は、パルス検出器111、スタートショック記憶部112、予備励磁トルク量演算部113、及び負荷記憶部114を備える。
パルス検出器111は、ロータリーエンコーダー5が出力したパルス信号を検出して、ワイヤーロープ3に接続された乗りかご1の移動量であるスタートショックの検出処理を行う。ここでは、パルス検出器111は、電動巻上機4による乗りかご1の駆動が行われていない停止状態で、電磁ブレーキ7を解除したときの乗りかご1の移動量をスタートショック値として取得する。パルス検出器111で取得したスタートショック値は、スタートショック記憶部112に記憶される。スタートショック記憶部112には、様々な負荷状態でのスタートショック値が記憶される。また、負荷記憶部114には、負荷検出器6が検出した乗りかご1の負荷検出値が記憶される。
予備励磁トルク量演算部113は、スタートショック記憶部112に記憶されたスタートショック値と、負荷検出器6が検出した乗りかご1の負荷検出値とに基づいて、予備励磁トルクを算出するための情報を取得する。具体的には、予備励磁トルク量演算部113は、スタートショック値と負荷検出値とに基づいて、負荷検出値と適正な予備励磁トルクとの相関を示す近似直線を求め、算出した近似直線の情報を記憶する。
そして、予備励磁トルク量演算部113は、近似直線の情報を記憶した後、負荷検出器6が検出した乗りかご1の負荷検出値と近似直線とを使って、予備励磁トルクを演算する。なお、近似直線の情報はエレベーターの運転の継続により随時更新される。この予備励磁トルク量演算部113で近似直線を求める処理と、その近似直線を使って予備励磁トルクを演算する処理の詳細については後述する。
予備励磁トルク量演算部113が演算した予備励磁トルクの情報は、エレベーター制御装置10の巻上機制御部12に供給される。巻上機制御部12は、予備励磁トルクをブレーキ解除時に与える電動巻上機4の制御処理を行う。すなわち、巻上機制御部12は、電動巻上機4を駆動する際に、予備励磁トルク量演算部113から供給された予備励磁トルクを電動巻上機4に与えた上で、電動巻上機4の駆動を開始する。
[3.エレベーター制御装置のハードウェア構成例]
図3は、エレベーター制御装置10のハードウェア構成例を示す。
エレベーター制御装置10は、例えばコンピューター装置Cで構成される。
コンピューター装置Cは、バスラインC4にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)C1、ROM(Read Only Memory)C2、及びRAM(Random Access Memory)C3を備える。さらに、コンピューター装置Cは、表示部C5、操作部C6、不揮発性ストレージC7、及びネットワークインターフェイスC8を備える。
CPU C1は、本例のエレベーター制御装置10が備える各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM C2から読み出して実行する。RAM C3には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。例えば、エレベーター制御装置10では、CPU C1がROM C2に記憶されているプログラムを読み出すことで、電動巻上機4を駆動する際の予備励磁トルクを算出して、その予備励磁トルクを電動巻上機4に与える制御が行われる。
不揮発性ストレージC7としては、例えば、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージC7には、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、コンピューター装置Cをエレベーター制御装置として機能させるためのプログラムが記録されている。
ネットワークインターフェイスC8には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを送受信することが可能である。例えば、ロータリーエンコーダー5が出力したパルス信号や負荷検出器6が出力した負荷検出値などが、ネットワークインターフェイスC8を介してコンピューター装置Cに供給される。また、コンピューター装置Cは、ネットワークインターフェイスC8を介して、外部の機器と通信を行うこともできる。例えば、エレベーター制御装置10を構成するコンピューター装置Cが、エレベーターを管理する監視センターと通信を行う。
表示部C5や操作部C6は、エレベーターの保守作業時に使用する。例えば、表示部C5は、エレベーターの作動状態などを表示し、操作部C6は、操作モードなどを入力操作する。なお、エレベーター制御装置10の構成によっては、表示部C5や操作部C6を備えない場合もある。
[4.予備励磁トルクの演算処理例]
図4は、エレベーター制御装置10が予備励磁トルクを演算するために必要な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、エレベーター制御装置10は、乗りかご1のドア(かご戸)が開状態から閉状態に変化したか否かを判断する(ステップS1)。ここで、乗りかご1のドアが開状態から閉状態に変化した状態でないとき(ステップS1のNO)、ドアが閉まるまで待機する。
そして、乗りかご1のドアが開状態から閉状態に変化したとき(ステップS1のYES)、負荷検出器6で取得された乗りかご1の負荷値が、負荷記憶部114に記憶される(ステップS2)。そして、エレベーター制御装置10は、乗りかご1の走行(アップ運転又はダウン運転)を開始させるか否かを判断し(ステップS3)、乗りかご1の走行の走行を開始しないとき(ステップS3のNO)、予備励磁トルクの演算処理を終了する。
ステップS3で、乗りかご1の走行を開始させる状態と判断したとき(ステップS3のYES)、エレベーター制御装置10は、エレベーター速度指令が“0”か(つまり走行開始前でブレーキを解除した状態か)否かを判断する(ステップS4)。ここで、エレベーター速度指令“0”の状態を検出しない場合(ステップS4のNO)、エレベーター制御装置10は、予備励磁トルクの演算処理を終了する。
そして、ステップS4でエレベーター速度指令“0”の状態を検出した場合(ステップS4のYES)、その時点でパルス検出器111が検出した乗りかご1の移動量であるスタートショック値Lを、スタートショック記憶部112に記憶する(ステップS5)。その後、エレベーター制御装置10は、ステップS2で記憶された負荷値と、ステップS5で記憶されたスタートショック値Lと、そのときの運転方向(アップ運転又はダウン運転)とを、データテーブルに一連のデータとして格納する(ステップS6)。なお、データテーブルは、図2には図示されていないが、予備励磁トルク量演算部113に内蔵されているものである。
そして、エレベーター制御装置10は、ステップS6で格納したデータが、そのデータで示す運転方向について、必要な所定数(複数)のサンプルだけ記憶されたか否かを判断する(ステップS7)。ここで、必要な所定数(複数)は、予め決められた任意の数である。
ステップS7の判断で、必要な所定数だけ記憶されていないと判断された場合には(ステップS7のNO)、処理を終了する。なお、ステップS7において、所定数のサンプルが集まった場合でも、それぞれの負荷値にばらつきがない場合には、必要な所定数だけ記憶されていないとして、処理を終了する。
ステップS7の判断で、必要な所定数だけ記憶されたと判断した場合には(ステップS7のYES)、負荷値ごとの補正トルク量ΔTLを演算する(ステップS8)。ここで補正トルク量ΔTLは、スタートショックLの関数として求めることができる。すなわち、ΔTL=γ×Lにて算出可能である。なお、γはエレベーター装置の各機種の特性と定格積載の関係から予め設定しておく。
そして、ステップS8で求めた負荷値ごとの補正トルク量ΔTLより、その補正トルク量ΔTLを算出するための近似直線を求め、その近似直線が予備励磁トルク量演算部113に記憶される(ステップS9)。
エレベーター制御装置10がエレベーターの運転を制御する場合、予備励磁トルク量演算部113は、ステップS9で記憶した近似直線を使って、それぞれの運転時の予備励磁トルクを求め、その予備励磁トルクを電動巻上機4に与える処理を行う。すなわち、エレベーター制御装置10が電動巻上機4を駆動制御する際に、予備励磁トルクを電動巻上機4に与えながら電磁ブレーキ7を解除させる処理を行う。
なお、図4のフローチャートに示す近似直線を求める処理(更新する処理)は、エレベーター装置の運転時に随時実行される。すなわち、防振ゴムの永久たわみの発生に伴った劣化などによって、適正な予備励磁トルク量が変化する可能性があるが、近似直線を求める処理が繰り返し実行されることで、常に適正な予備励磁トルクを与えることが可能になる。
[5.近似直線の例]
次に、図4のフローチャートのステップS9で近似直線を求める処理を、図5及び図6を参照して説明する。
図5及び図6は、乗かご1の負荷と予備励磁トルクTLDとの関係を示す図である。図5はアップ運転時の予備励磁トルクの例を示し、図6はダウン運転時の予備励磁トルクの例を示す。図5及び図6において、横軸は負荷をパーセント表示で表し、0%負荷は乗りかご1が無積載の状態、100%負荷は乗りかご1に定格値の荷重が積載された状態を示す。また、図5及び図6において、縦軸は予備励磁トルクの大きさを示す。
図5に示すアップ運転時について説明すると、負荷と予備励磁トルクとの関係を示す特性T1は、概ね50%負荷で乗かご1側とつり合いおもり2側との質量差がなくなり、予備励磁トルク量が“0”でもスタートショックがない状態での特性を示すものである。すなわち、負荷LDと予備励磁トルク量TLDの関係は、TLD=α×(LD−LD50)+βで表すことができ、αは電動巻上機と定格積載から予め設定可能であり、βは走行抵抗等の機械系の損失を基に経験的に設定できる。仮に、アップ運転の走行開始時に反転した(乗かご1側が重い)場合は、上昇方向に予備励磁トルクを与える必要があるため、破線の特性T2として示すように、正方向に加算した予備励磁トルクに調整が必要である。一方、アップ運転の走行開始時に飛出した(つり合いおもり2側が重い)場合は、上昇方向の予備励磁を弱める必要があるため、破線の特性T2として示すように、負方向に減算した予備励磁トルク量に調整が必要である。
ここで、図4のフローチャートのステップS9で求める近似直線は、図5に示す破線の特性T2を求めることに相当する。
すなわち、例えば図5に示すように、それぞれ異なる複数のスタートショック値SS11,SS12,SS13,SS14,SS15を計測して、それぞれのスタートショック値SS11〜SS15を平均化して、近似直線である特性T2を求める。
この近似直線の特性T2を求めてエレベーター制御装置10が記憶することで、アップ運転時には、近似直線の特性T2に基づいて、エレベーター運転時の負荷値からスタートショックを発生させない適正な予備励磁トルク量を算出できるようになる。
図6は、ダウン運転時の例を示す。ダウン運転時は、予備励磁トルクを与える方向がアップ運転時とは逆になる。すなわち、図6に示すように、ダウン運転時の複数のスタートショック値SS21,SS22,SS23,SS24,SS25を計測で取得して、それぞれのスタートショック値SS21〜SS25を平均化して、近似直線である特性T3を求める。
この近似直線の特性T3を求めてエレベーター制御装置10が記憶することで、ダウン運転時についても、近似直線の特性T3に基づいて、エレベーター運転時の負荷値からスタートショックを発生させない適正な予備励磁トルク量を算出できるようになる。
このように本例によると、運転方向別に各負荷に対する実際のスタートショックを検出し、負荷ごとの予備励磁トルク量を演算し、得られた近似直線を使って負荷と予備励磁トルク量の関係を推定することで、常にスタートショックを発生させない適正な制御ができる。すなわち、負荷検出器6が検出する負荷には、防振ゴムの劣化や季節的な要因などで変動する可能性があり、また一日の中での機構系のなじみ具合(走行抵抗の変動)によっても変動する可能性がある。これらの変動を補正するためには、負荷検出器6が検出した負荷ごとの予備励磁トルクを、それらの変動を考慮する必要があるが、本例の場合には、近似直線が実際のスタートショック値から随時更新され、常時、スタートショックを適正に防止できるようになる。すなわち、設定した近似直線を使った演算で、負荷の検出値から予備励磁トルクを求めて、スタートショックを防止させる運転を行った状態で、ある程度のスタートショック値が検出された場合に、近似直線が更新されることになり、常に適正な運転制御ができる。
[6.変形例]
なお、上述した実施の形態例では、スタートショック値として、電動巻上機4に取り付けられたロータリーエンコーダー5の出力から検出するようにしたが、その他の構成でスタートショック値を得るようにしてもよい。例えば、乗りかご1の停止位置を、各階の床に合わせるためのセンサを使用して、乗りかご1の運転開始時の動き量を検出して、その検出した動き量をスタートショック値としてもよい。
また、本発明は上記した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…乗りかご、2…つり合いおもり、3…ワイヤーロープ、4…電動巻上機、5ロータリーエンコーダー、6…負荷検出器、7…電磁ブレーキ、10…エレベーター制御装置、11…起動補償部、12…巻上機制御部、111…パルス検出器、112…スタートショック記憶部、113…予備励磁トルク量演算部、114…負荷記憶部、C…コンピューター装置、C1…中央処理装置(CPU)、C2…ROM、C3…RAM、C4…バスライン、C5…表示部、C6…操作部、C7…不揮発性ストレージ、C8…ネットワークインターフェイス

Claims (4)

  1. 乗りかごの負荷を検出する負荷検出器から取得した負荷検出値に応じて、前記乗りかごを駆動する巻上機の予備励磁トルクを演算する予備励磁トルク量演算部と、
    前記予備励磁トルク量演算部が演算した予備励磁トルクをブレーキの解除時に与える巻上機制御部と、
    前記乗りかごが走行を開始する際に前記ブレーキを開放した際のスタートショック値を検出するスタートショック検出部とを備え、
    前記予備励磁トルク量演算部は、前記負荷検出器が検出した複数の異なる負荷検出値と、それぞれの前記負荷検出値の場合に前記スタートショック検出部が検出したスタートショック値とに基づいて、前記負荷検出値と前記予備励磁トルクとの相関を示す近似直線を求め、算出した近似直線を使って、前記負荷検出器から取得した負荷検出値に応じた予備励磁トルクを算出するようにした
    エレベーター制御装置。
  2. 前記予備励磁トルク量演算部は、求めた前記近似直線を使って算出した前記予備励磁トルクを与えた状態で、前記スタートショック検出部が検出した前記スタートショック値に基づいて、前記近似直線を更新するようにした
    請求項1に記載のエレベーター制御装置。
  3. 前記スタートショック値は、前記巻上機の回転量を検出するロータリーエンコーダーの出力から検出した値である
    請求項1又は2に記載のエレベーター制御装置。
  4. 乗りかごの負荷を検出する負荷検出器から取得した負荷検出値に応じて、前記乗りかごを駆動する巻上機の予備励磁トルクを演算する予備励磁トルク量の演算処理と、
    前記予備励磁トルク量の演算処理により演算した予備励磁トルクをブレーキ解除時に与える巻上機の制御処理と、
    前記乗りかごが走行を開始する際に前記ブレーキを開放した際のスタートショック値を検出するスタートショックの検出処理と、
    前記負荷検出器が検出した複数の異なる負荷検出値と、それぞれの前記負荷検出値の場合に前記スタートショックの検出処理で検出したスタートショック値とに基づいて、前記負荷検出値と前記予備励磁トルクとの相関を示す近似直線を求め、求めた近似直線を前記予備励磁トルク量の演算処理で前記予備励磁トルクを算出する際に使用させる近似直線取得処理と、を含む
    エレベーター制御方法。
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