[1.第1実施形態]
[1−1.システム構成]
図1は、第1実施形態における第1遊技用システム1Aのシステム構成の一例を示す図であり、店舗(遊技場)内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機であるカードリーダ式パチンコ機(以下、「パチンコ機」と称する。)2と、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、該ビジターカード又は会員カード(以下、「カード」と称する。)に記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に基づいて遊技機での遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出すための処理や、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数すると共に、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払い出し(返却)を行うカードユニット3と、カードユニット3にて使用されるビジターカードや会員カード並びにカードユニット3の管理等を管理装置の一種であるシステムコントローラ100と、遊技場内に設置された各パチンコ機2の台データ等の遊技情報を管理する管理装置の一種であるホールコンピュータ140と、各カードユニット3において計数された計数済玉数の管理や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する貯玉数やカードに記録された持玉数の管理を行う管理装置の一種である管理コンピュータ150と、各遊技島毎に配置され、当該遊技島に設置されるカードユニット3の情報を遊技島毎に収集・管理する収集装置及び管理装置の一種である島コンピュータ4と、遊技場内の景品カウンタの近傍位置等の遊技場内の所定位置に設けられ、会員カードの貯玉数やカードの持玉数を、他のビジターカード或いは会員カードに振分ける振分け装置5と、遊技場内の景品カウンタに設けられて景品交換を行うための景品交換POS端末170と、カードを受け付けて、該カードに記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する貨幣を払い出して精算する精算装置180と、から主に構成されている。
そして、これら第1遊技用システム1Aを構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)7並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されていると共に、各装置が装置(ユニット)IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルや後述するユニット管理テーブル等を有することで、該装置(ユニット)IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実施できるようになっている。
なお、本実施形態のシステムコントローラ100は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理していると共に、通信回線11を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された管理サーバ12と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら管理サーバ12に対してシステムコントローラ100から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該管理サーバ12にて各遊技場の会員カード並びにビジターカードによる売り上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施形態のホールコンピュータ140には、図1に示すように、遊技場内を監視するための監視カメラシステムが接続されており、該監視カメラシステムにて撮像された遊技場内の監視画像及び撮像日時が、各パチンコ機2の台番号(即ちカードユニット3の装置ID)と対応付けて記憶されるようになっている。また、ホールコンピュータ140は、各パチンコ機2の台データ等の遊技情報が、各パチンコ機2の台番号と対応付けて記憶されるようになっており、この台データは、後述するように、各パチンコ機2に対応するカードユニット3から送信される送信データにより最新の情報に更新されるようになっている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、払出単位として予め定められた複数個(本実施形態では25玉)のパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号、具体的には、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号(EXS)や台READY信号(PRDY)、制御ユニット328より出力されるカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)(図中、貸出関連データ)を送受可能に接続されていると共に、該パチンコ機2から出力される後述する大当り信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号と、当該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器16から出力されるアウト信号と、を入力可能に接続されている。これらカードユニット3及びパチンコ機2では、パチンコ玉の貸与単価が4円又は1円のいずれかに設定・記憶されており、本実施形態では、貸与単価が4円である例について説明する。
なお、特許文献1に開示されている遊技用システムや装置の構成や処理の大枠は、本明細書においても同様に適用可能であるため、同様に適用可能である構成や処理については適宜説明を省略し、本発明に係る構成や処理を中心に説明する。
[1−2.情報及び信号の流れ]
図2は、第1遊技用システム1Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、本発明に直接的に関係のない主要ではない構成要素については図示を省略している。
パチンコ機2からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号及びセキュリティ信号を含む遊技機信号が呼出ランプ装置及びホールコンピュータ140に出力される。また、パチンコ機2の背面に設けられるアウト玉計数器16からは、アウト信号が出力され、分配器18を介して、カードユニット3、呼出ランプ装置及びホールコンピュータ140にそれぞれ出力される。なお、セキュリティ信号の他にも、自装置に異常が発生したことを示すエラー信号や、自装置のガラス扉が開放されたことを示すドア開放信号等の信号を外部出力するようにしてもよい。
大当り信号は、パチンコ機2が大当り遊技状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
確変中信号は、パチンコ機2が高確率状態である確変状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
時短中信号は、パチンコ機2が高ベース状態である時短状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
始動信号は、パチンコ機2において特図可変表示部の表示結果が導出表示されたときに出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、パチンコ機2において第1規定球数が払い出される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第1規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
セキュリティ信号は、パチンコ機2に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
アウト信号は、第2規定球数(例えば10球)がアウト玉計数器16により計数される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第2規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
カードユニット3からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、玉計数信号及びユニットエラー信号を含むユニット信号が、呼出ランプ装置に出力される。
カード挿入信号は、カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた持玉カードのカードID等を含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた持玉カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
玉払出信号は、遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球が払い出される毎に出力される。遊技球の1回の払い出しは、例えば25球単位とすることができる。
玉計数信号は、遊技球を計数した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を計数する毎に出力される。遊技球の計数は、例えば1球単位とすることができる。
ユニットエラー信号は、カードユニット3に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
また、カードユニット3からは、カードを受け付けたことを通知するためのカード受付通知がシステムコントローラ100に出力される。システムコントローラ100は、カードユニット3から入力したカード受付通知に基づいて、受け付けたカードの使用の可否等を判定する認証処理を実行し、その結果をカード認証結果としてカードユニット3に出力する。
また、カードユニット3からは、後述する計数払出ユニット348によって計数された計数玉数(ローカル計数玉数とも言う。)と、受け付けたカードに関して発生したエラーを通知するための情報であるエラー情報と、発生したエラーが解消したことを通知するための情報であるエラー解消情報と、ユニットカメラ306によって撮像された撮像画像のデータである撮像画像データと、後述するカードロックの事前出力に関する情報であるロック事前情報とが、管理コンピュータ150に出力される。
また、管理コンピュータ150からは、受け付けたカードのうちの会員カードに対応付けて管理されている貯玉数/持玉数と、ビジターカードに対応付けて管理されている持玉数とが、カードユニット3に出力される。
また、カードユニット3からは、上記のエラー情報と、エラー解消情報と、撮像画像データと、ロック事前情報とが、ホールコンピュータ140に出力される。
また、管理コンピュータ150は、遊技島別にカードユニット3に各種の設定を行わせるための設定用データである島別ユニット設定用データ329を生成する処理を実行し、生成した島別ユニット設定用データ329を、対応する遊技島に配置される島コンピュータ4に出力する。そして、島コンピュータ4は、管理コンピュータ150から入力した島別ユニット設定用データ329を、当該遊技島に設置されている各カードユニット3に出力する。
なお、上記の第1遊技用システム1Aにおける信号や情報の流れはあくまでも一例に過ぎず、システムの設計に応じて、適宜変更可能であることは勿論である。
[1−3.パチンコ機]
図2は、本実施形態におけるパチンコ機2の構成を説明するための図である。
パチンコ機2は、額縁状に形成されたガラス扉枠22を有し、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿である上皿23がある。上皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられていると共に、上皿23の下部には、上皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と打球を発射する打球操作ハンドル(以下、「打球操作ノブ」と称する。)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27の向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28と、その中央付近には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されると共に演出映像が表示される演出表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられていると共に、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が図示しない玉切り払い出し装置により払い出されると共に、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また、各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、当該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器16により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込玉信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域27に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流されるようになっている。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば○)となった場合に、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して遊技者にとって有利な状態となる。
また、始動入賞口34にパチンコ玉が入賞すると、特図可変表示部28において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始すると共に、演出表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、演出表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止し、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(たとえば777)とされることで、特定遊技状態(大当り状態)が発生すると共に、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過又は打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、開閉板40が閉成して遊技者にとって不利な第2の状態となる。
そして前記第1の状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行われる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
この大入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が図示しない玉切り払い出し装置により払い出されると共に、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部28の表示結果並びに演出可変表示部29の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか或いは次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄及び演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
本実施形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための図示しない情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とカードユニット3とが、図示しない信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してカードユニット3に出力される。
ここで、大当り中信号は大当り状態の期間中において出力状態とされる信号であり、確変中信号は確変状態の期間中においてのみ出力状態とされる信号であり、時短中信号は時短状態の期間中においてのみ出力状態とされる信号(貸出関連データ)であり、始動信号は、特図可変表示部28の表示結果が全て導出表示されて可変表示が終了した際に出力される所定幅のパルス信号であり、賞球信号は、所定玉数(本実施形態では10玉)が払い出される毎に出力される所定幅のパルス信号である。
本実施形態のパチンコ機2には、該パチンコ機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払出す制御を行うと共に、通常のCR機と同じく、カードユニット3より入出力される信号に基づいて、払出単位である25玉のパチンコ玉を計数して貸出す制御を行う図示しない賞球制御基板を備えており、該払出単位である25玉の倍数のパチンコ玉の貸出を実施できるようになっている。
次に、本実施形態にて使用されるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明すると、本実施形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施すると共に、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まる会員カードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされていると共に、1度数(=100円)の整数倍のプリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、振分けの有無を特定可能な振分けフラグ(「1」が振分け有りを示し、「0」が振分け無しを示す)等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、その翌日以降においても再度遊技に使用できたり景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われたパチンコ玉数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、管理コンピュータ150において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。また会員カードには、該会員カードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また景品交換POS端末170において景品交換に使用できるようになっている。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、貨幣(例えば1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び/又は10000円紙幣)が受け付けられ、該受け付けた貨幣額の範囲内で購入額が選択されると、該選択された購入額がプリペイド残額データとして記録されて発行されると共に、カードユニット3においても、貨幣(例えば1000円紙幣)が受け付けられると、該受け付けた貨幣額がプリペイド残額データとして記録されて発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数と日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また景品交換POS端末170において景品交換に使用できるようになっている。ここで持玉数は、貸与単価4円のパチンコ機2での遊技による持玉数と、貸与単価1円のパチンコ機2での遊技による持玉数とが区別して記録される。
[1−4.カードユニット]
図3は、カードユニット3の外観構成の一例を示す図である。
カードユニット3の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309と、装置前面より装置前方側に突出するように形成された表示部312と、前方に突出し、かつ、レンズが遊技者側を向くような態様にてユニットカメラ306(撮像部)が設けられている。
ユニットカメラ306は撮像手段として機能するものであって、対応するパチンコ機2で遊技を行う遊技者側を撮像可能に撮像領域が設定されおり、処理部310の制御に従って、遊技者の顔部分を中心に遊技者を撮像可能に構成されている。
表示部312は、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313を有し、液晶表示器313に表示された各表示項目をタッチパネル314に対する指触により入力可能に構成されている。また、表示部312には、店舗の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介してカード(ビジターカード、会員カード)をカードスロット392に挿入可能とされている。
カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらカードには、個々のカードを識別可能な会員カードID/ビジターカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等が記憶される。
なお、会員カードは、店舗に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技球を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技球数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、管理コンピュータ150において、カードID及び会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、計数払出ユニット348によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、管理コンピュータ150において、カードID及び会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、店舗内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また、不図示の景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
また、本実施形態では、ビジターカードにも、計数払出ユニット348によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数が直接記録されておらず、管理コンピュータ150において、カードID及び最新発行日時と対応付けて記憶して管理されることで、ビジターカードIDから特定されるようになっており、不図示の景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
なお、本実施形態では、タッチパネル314に対する操作により遊技者がカードユニット3に対する各種の操作を行うこととして説明するが、例えば表示部312に、メニュー選択を行うためのメニューボタンや台データを表示させるための台データボタン、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン等の操作ボタンを設けることとしてもよい。
また、表示部312には、後述する液晶表示器313や操作ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが表示部312に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、タッチパネル314による入力位置検出等が該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット300に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット300が設けられており、後述するように、該制御ユニット300によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、払出単位として予め定められた複数個の遊技球の貸出に伴う貸出関連信号や遊技球の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。例えば、貸出関連信号には、カードユニット3からパチンコ機2に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。
カードユニット3からは、ユニット不正信号が出力される。カードユニット3は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、不正電波検知機能や振動検出機能、偽造カードや偽造紙幣の判別機能を有し、これらの機能により不正電波、振動を検出した場合や、偽造カードや偽造紙幣が使用されたと判別した場合に、外部出力基板を介してユニット不正信号が外部出力されるように構成されている。
また、カードユニット3からは、ユニット異常信号が出力される。カードユニット3は、異常を検出する機能として、カードの挿入/排出不全検出機能や計数払出ユニット348による計数払出不全検出機能を有し、これらの機能によりカードの挿入/排出不全が検出された場合や、計数払出ユニット348による計数払出不全が検出されたような場合に、外部出力基板を介してユニット異常信号が外部出力されるように構成されている。
プリペイド残額は、「カード残額÷単位額」の式で演算される商の整数部分であり、カード残額は、カードに記録される円単位の残額である。例えば、単位額は100円とすることができ、カード残額が10000円である場合は、プリペイド残額は100となる。
上記の残額は、カードに直接記録する運用としてもよいし、カードには記録せずに、管理コンピュータ150等の管理装置で管理する運用としてもよい。カードに残額を記録する場合には、カードユニット3が、受け付けたカードから残額を読み取ることで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。また、カードに残額を記録しない場合には、カードユニット3が、受け付けたカードのカードIDを管理装置に出力し、管理装置から該カードIDに対応付けられた残額データを取得することで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。
カードユニット3は、上記のようにして特定した残額を、プリペイド残額データやカード残額データとして記憶部320に記憶させる。また、カードユニット3は、カードの受付中は、遊技のための残額の消費や入金による残額の追加によって残額のデータを更新する。そして、カードに残額を記録する運用では、カードユニット3は、カードの返却時に、カードに残額を記録させる。また、管理装置で残額を管理する運用では、カードの返却時や返却後に、残額のデータを管理装置に出力する。
本実施形態では、残額と言った場合、カードに対応付けられている残額のことを意味することとして説明する。つまり、入金によってカードに直接的に記録される残額や、入金によってカードのカードIDや会員IDと対応付けて上位の管理装置で管理される残額を意味するものとする。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機での遊技で獲得した玉であって、ホールに預けている玉のことを「貯玉」と称する。また、ホールに預けている貯玉の数を「貯玉数」と称する。貯玉数は、管理装置で管理される。原則的に、貯玉数は会員カードに記録させることはできず、記録媒体処理装置が会員カードを受け付けたことに応じて、管理装置で管理されている貯玉数が記録媒体処理装置に送信される。また、当営業日に遊技者が獲得した玉のことを「当日貯玉」と称し、当営業日以前に会員遊技者によって獲得されて貯蓄された玉のことを「過去貯玉」と称する。なお、原則には反するが、貯玉数を会員カードに記録させるようにしてもよい。
当日に遊技者が獲得した貯玉数は、所定条件の成立に応じて、当日貯玉数はその当日に遊技者が貯蓄した貯玉数として確定され、翌営業日以降における過去貯玉数として管理される。所定条件は、例えば、当日の店舗の営業終了後、締め処理が行われることとして定めておくことができる。締め処理は、時刻が所定の締め時刻(例えば深夜10時や深夜0時、深夜2時)となったことや、店舗の管理者によって締め処理の実行操作がなされたこと、店舗の営業終了により管理装置の電源が一旦切断され、次の営業日の営業のために管理装置の電源が立ち上げられたこと、等の条件の成立に応じて実行される。この締め処理が実行されることにより、当日貯玉数は過去貯玉数に加算されてリセットされ、次の営業日以降の過去貯玉として管理されることになる。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機で遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数のことを「持玉」と称する。また、会員カードに対応付けられる当日貯玉と区別するために、ビジターカードに記録されている玉数のことを「持玉数」と称する。
また、本明細書では、パチンコ機2で発射可能なパチンコ玉であり、残額や持玉、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成されるパチンコ玉のことを「遊技球」と称する。
図4は、カードユニット3の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット3は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット300とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット300と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット300は、処理部310と、記憶部320と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。
記憶部320は、ROMやフラッシュROM、EEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。本実施形態において、記憶部320には、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321が記憶されている。
また、記憶部320には、カードテーブル322と、遊技情報テーブル323と、会員遊技情報324と、撮像画像データベース325と、ローカル計数玉数326と、島別ユニット設定用データ329とが記憶される。
制御ユニット300は、遊技球の貸出に伴う各種の信号の授受を、対応するパチンコ機2に設けられている不図示の賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、パチンコ機2の情報出力基板と接続されることで、遊技機信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット300は、対応するパチンコ機2の下方位置に設けられているアウト玉計数器16に接続されて該アウト玉計数器16によるアウト信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16からのアウト信号の入力に応じて、払出率集計データ325を更新する。
また、制御ユニット300は、タッチパネル314に対する操作の有無を把握できるようになっている。タッチパネル314に対する操作を検知すると、制御ユニット300は、当該操作に応じた処理を実行する。
また、制御ユニット300には、前述したように、対応するパチンコ機2の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット300は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や表示部312に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302aによる貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット300に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット300は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付処理や、受付中のカードから特定した残額を使用した玉貸を行う貸与処理、貨幣の受付に応じて、受付中のカードに残存する残額への入金、或いは、新たなカードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理、返却ボタンによる返却操作により受付中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理、払出ボタン311の操作の受付によって所有遊技媒体数(ローカル計数玉数に貯蓄済みの貯玉数や持玉数を加算した玉数)のうちの所定の単位球数の遊技球の払い出しを行う払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット300は、有線通信を行うための有線通信モジュール等の通信装置を有して構成される通信部370を備え、通信部370は、処理部310の制御に従って、HUB7を介してローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ140や管理コンピュータ150等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット300に接続された表示制御基板329は、表示部312を構成する液晶表示器313やタッチパネル314、各種の操作ボタン316に対応するスイッチ、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これらタッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット300に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット300から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット300から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部312を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット3は、カードを受付可能に構成され、カードを受け付けたカードユニット3は、カードから特定されるプリペイド残額に応じて、上記の玉貸処理を実行する。また、カードから特定される貯玉数や持玉数に応じて、上記の払出処理を実行する。
カードユニット3の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。このカード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタに受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
遊技者が遊技を終えてカードユニット3からカードの返却を受けたときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉として管理コンピュータ150に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
また、制御ユニット300には、音出力制御基板319が接続されている。音出力制御基板319は、音出力部350に接続され、制御ユニット300の制御に従って、音出力部350から各種の音を出力させるように制御する。
また、カードユニット3の最下方位置には、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位個数未満の単位未満端数の最大値だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技球を計数する計数払出ユニット348が設けられている。以下、「単位未満端数」を「端数」と称する。
なお、カードユニット3の計数払出ユニット348で遊技球を貯留して払い出すようにするのではなく、遊技島に従来公知の遊技球貯留循環装置を構成し、この遊技球貯留循環装置から遊技球を払い出すようにしてもよい。
計数払出ユニット348には、パチンコ機2の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット348に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技球が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット348から払い戻し(返却)される端数の遊技球が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット348に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技球を自然流下において計数払出ユニット348に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット348から払出された遊技球を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット348の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット3の前面側からカードユニット3の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技球を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット348に流入した遊技球が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット348から制御ユニット300に対して出力される。制御ユニット300は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
カードユニット3は、計数払出ユニット348によって計数された玉数をローカル計数玉数326として記憶部320に記憶させる。また、カードユニット3は、カードの返却時に、ユニットID、カードID及びローカル計数玉数326を管理コンピュータ150に送信する。
管理コンピュータ150は、カードユニット3から送信されたユニットID、カードID及びローカル計数玉数326に基づいて、対応するカードユニット3の対応するカードIDの当日貯玉数/持玉数に、ローカル計数玉数326を加算して更新する。
具体的には、管理コンピュータ150は、カードIDの種別が会員カードIDである場合には、当該会員カードIDに対応する会員カード管理データの貯玉管理データの当日貯玉数に、ローカル計数玉数326を加算して更新する。
また、管理コンピュータ150は、カードIDの種別がビジターカードIDである場合には、当該ビジターカードIDに対応するビジターカード管理データの持玉管理データの持玉数に、ローカル計数玉数326を加算して更新する。
特許文献1に開示されているような従来のカードユニットにおいては、カードの受付中に、入金操作(紙幣の投入)や玉貸操作(残額消費)、貯玉/持玉の払出操作(再プレイ操作)等のカードユニットに対する操作が一定時間なされなかった場合に、受付中のカードの利用をロック(カードロック)するものがある。また、カードの利用がロックされた状態で、玉貸操作や貯玉/持玉の払出操作、カード返却操作がなされた場合に、(1)ビジターカードを受付中である場合には、返却エラー状態に制御し(いわゆるエラーダウン)、店員のリモコン操作によってカードを返却する、(2)会員カードを受付中である場合には、暗証番号入力待ちとなり、暗証番号の入力に応じてカードロックを解除して待機状態に戻る、といった制御を行うものがある。
このようなカードユニットにおいては、ビジターカードの場合に返却エラー状態(エラーダウン)となる方式(いわゆるエラーダウン方式)を適用しているため、ビジターカードを排出させるために店員の介在が必要となり、利便性に欠けるという問題があった。
本実施形態におけるカードユニット3は、上記のような制御を行うカードユニットに適用可能であり、必ずしも店員を介在させる必要なく、カードロックを簡単に解除することを可能とするものである。
つまり、本実施形態におけるカードユニット3は、エラーダウン方式のカードユニットであって、カードロックを実行するための条件(以下、「ロック条件」という。)が成立した場合に、カードロックを解除するための条件(以下、「ロック解除条件」という。)が成立するまでの間、受付中のカードの利用をロック(以下、「カードロック」という。)するものである。
基本的な制御としては、カードユニット3は、所定時間(ロック時間)が経過した場合に、ロックフラグをONとしてカードロックを実行し、カード返却操作がなされた場合に、返却エラー状態(エラーダウン)に移行する。そして、ロック解除条件が成立した場合に、カードロックを解除し、ロックフラグをOFFとして、カードの返却を可能とする。
カードロックを実行中の状態(以下、「ロック状態」という。)では、カードユニット3は、玉貸し処理や玉払出し処理といった遊技者がパチンコ機2での遊技を可能とするための処理の実行を停止するとともに、カード返却操作がなされた場合であっても、カードの返却を禁止する。これは、悪意のある人物によってカードが盗まれることを防止するためである。
また、本実施形態におけるロック解除条件には、上記のように店員を介在させることによるリモコンによる解除や遊技者の暗証番号入力による解除の他に、遊技者による動作であり遊技に関連する所定動作に基づく特定情報がカードユニット3に入力されることが含まれる。ロック条件やロック解除条件については、詳細に後述する。
本実施形態において特徴的であるのは、カードユニット3が、上記の所定動作に基づく特定情報が入力されたことに基づいて、カードロックを解除可能な点である。「所定動作」には、パチンコ機2で遊技を行うための操作(例えば、打球操作ハンドル25の操作)や計数払出ユニット348を作動させるための動作(例えば、開閉シャッタの開放操作、上皿23の玉を手で掴んで流す動作)等の動作が含まれ、「特定情報」には、例えば、これらの所定動作に基づく特定信号(例えば、アウト信号、計数信号、払出信号、賞球信号、ハンドル操作信号)等の信号に対応する情報が含まれる。
カードユニット3は、上記の各種の所定動作に基づく特定信号の種別を判定可能に構成され、入力した特定信号の種別から、当該特定信号に対応する情報を特定可能に構成される。このため、本実施形態では、「特定情報」を「特定信号」を含む概念として説明する。なお、上記の各種の特定信号がカードユニット3に入力されるようにするのではなく、上記の各種の特定信号に対応する情報そのものがカードユニット3に入力されるようにシステムを構成してもよい。
また、本実施形態では、カードユニット3に上記のエラーダウン方式を適用することとして説明するが、エラーダウン方式を適用しないカードユニット3を構成するようにしてもよい。
また、カードユニット3は、カードを受け付けた後に、所定時間よりも短い特定時間、非遊技状態であることに基づいて、所定の出力を実行する。「所定の出力」には、管理装置(上位装置)に対して所定の情報(例えば、カード取り忘れ示唆情報やカードロック予告情報)等の通知用の情報を外部出力することや、自装置において所定の情報(例えば、カード取り忘れ注意喚起情報やカードロック予告情報)等の報知用の情報を報知出力することが含まれる。
これは、カードユニット3が、カードロックの事前に、カードの取り忘れを示唆する情報やカードロックの実行を予告する情報を管理装置(上位装置)に通知することで、カードロックが実行される前に、店舗の店員等が取り忘れの可能性のあるカードを速やかに回収することができるようにしたり、カードの取り忘れを注意喚起する報知やカードロックの実行を予告する報知を行うことで、カードロックが実行される前に、遊技者が忘れずにカードを取り出すことができるようにするためである。
[1−5.清算装置]
精算装置180は、カード(ビジターカード又は会員カード)を受け付けて、該カードに記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する貨幣を払い出して精算するものである。
具体的には、精算装置180は、カードを受け付けると、該カードから読み取ったカードIDとプリペイド残額とを含む精算要求をシステムコントローラ100に対して送信する。該精算要求を受信したシステムコントローラ100は、該精算要求に含まれるプリペイド残額と該精算要求に含まれるカードIDに対応付けて会員カードテーブル又はビジターカードテーブルで記憶しているプリペイド残額とが一致することを条件として、該記憶しているプリペイド残額を零にすると共に、精算許諾通知を精算装置180に対して返信する。該精算許諾通知を受信した精算装置180は、前記カードに記録されているプリペイド残額を零にして、該プリペイド残額に相当する貨幣を払い出す。そして精算装置180は、会員カードは返却し、ビジターカードは、記録されている持玉数が零でなければ返却する一方、該持玉数が零であれば取り込む。
なお、貸与処理において使用されるプリペイド残額は、必ず1度数(=100円)の整数倍であることから、カードに記録されたプリペイド残額データから特定されるプリペイド残額も、必ず1度数(=100円)の整数倍であって、100円未満の端数は生じない。従って、精算装置180は、100円以上の貨幣を払出可能であれば良く、100円未満の端数を払出可能にする必要が無い。
[1−6.振分け装置]
振分け装置5は、縦長箱状の形状で構成され、その前面には、例えば、稼働状況を報知するための稼働報知ランプや、タッチパネルを有する液晶ディスプレイからなる表示装置、振分け元のビジターカード又は会員カードが挿入される第1カード挿入口、第1カード挿入口に対応して設けられ、第1カード挿入口からのカードの排出等を点滅等により報知する第1挿入口LED、振分け先のビジターカード又は会員カードが挿入されると共に、新たな振分け先のビジターカードが発行される第2カード挿入口、第2カード挿入口に対応して設けられ、第2カード挿入口からのカードの排出等を点滅等により報知する第2挿入口LED、等が設けられている。振分け装置5では、表示装置に操作案内が表示され、当該操作案内に従って、カードの挿入や、メニューの選択を実施することで、簡単に振分けを実施できるようになっている。
[1−7.システムコントローラ]
図7は、システムコントローラ100の機能構成の一例を示す図である。
システムコントローラ100は、処理部102と、入力部103と、表示部104と、第1通信部105と、第2通信部106と、時計部107と、記憶部108と、を備えて構成されるコンピュータシステムである。
処理部101は、記憶部108に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、システムコントローラ100の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部103は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部102に出力する。
表示部104は、処理部102から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部104には、記憶部108に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
第1通信部105は、カード会社に設置される管理サーバ12との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
第2通信部106は、店舗内に設置される各種の装置との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
時計部107は、システムコントローラ100の内部時計であり、RTC(リアルタイムクロック)や水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器等を有して構成される。時計部107は、時刻情報やカレンダ情報を出力する。
記憶部108は、ROMやEEPROM、ハードディスク、RAM等を有して構成される記憶装置である。記憶部108には、処理部102によって読み出され、システム管理処理として実行されるシステム管理プログラム1081と、カードテーブル1083と、ユニット管理テーブル1085とが記憶される。
図8は、カードテーブル1083のテーブル構成の一例を示す図である。カードテーブル1083には、会員カードテーブル1083aと、ビジターカードテーブル1083bとが含まれる。
会員カードテーブル1083aには、図8(a)に示すように、各会員カードを個々に識別可能な会員カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員IDと、プリペイド残額と、当該会員カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグとが記憶されており、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員IDから、プリペイド残額や当該会員カードの使用可否を特定できるようになっている。
ビジターカードテーブル1083bには、図8(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの状況(利用中であるか保管中であるか)と、当該プリペイドカードが発行された最新の日時である最新発行日時と、プリペイド残額と、当該カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグとが記憶されており、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額や当該ビジターカードの使用可否、並びに最新発行日時を特定できるようになっている。
本実施形態のシステムコントローラ100(処理部102)は、カードユニット3における会員カード又はビジターカードの受付けに応じて各カードユニット3から送信される、該カードユニット3の装置ID並びに該受付けた会員カード又はビジターカードから読み出した(会員)カードID並びにプリペイド残額を含むカード受付け通知の受信に応じて、該会員カード又はビジターカードの使用の可否を判定してカードユニット3に返信するカード受付け処理を実施する。
また、本実施形態のシステムコントローラ100(処理部102)は、カードユニット3における貸与処理の実施に伴い送信される後述の貸出完了通知の受信に応じて、該受信した貸出完了通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額から、該貸出完了通知に含まれる税込使用額を減算更新する減算更新処理を行う。
また、本実施形態のシステムコントローラ100(処理部102)は、カードユニット3或いはカード発行・入金機における発行・入金処理の実施に伴い送信される後述のカード入金通知の受信に応じて、該受信したカード入金通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額に、該カード入金通知に含まれる入金金額を加算更新する入金更新処理を行う。
また、本実施形態のシステムコントローラ100は、カードユニット3や振分け装置5におけるビジターカードの発行に伴って該カードユニット3や振分け装置5から送信される振分け発行通知の受信に応じて、該受信した振分け発行通知に含まれるカードIDに対応してビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額に「0」を記憶すると共に、状況と最新発行日時のデータを更新する更新処理を行う。
[1−8.管理コンピュータ]
図9は、管理コンピュータ150の機能構成の一例を示す図である。
管理コンピュータ150は、処理部152と、入力部153と、表示部154と、通信部155と、時計部157と、記憶部158と、を備えて構成されるコンピュータシステムである。
処理部151は、記憶部158に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、管理コンピュータ150の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部153は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部152に出力する。
表示部154は、処理部152から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部154には、記憶部158に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部155は、店舗内に設置される各種の装置との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
時計部157は、管理コンピュータ150の内部時計であり、RTC(リアルタイムクロック)や水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器等を有して構成される。時計部157は、時刻情報やカレンダ情報を出力する。
記憶部158は、ROMやEEPROM、ハードディスク、RAM等を有して構成される記憶装置である。記憶部158には、処理部152によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム1481が記憶される。管理処理については、フローチャートを用いて後述する。
また、記憶部158には、貯蓄管理テーブル1582と、ユニット管理テーブル1085と、振分け履歴テーブル1583と、会員別テーブル1584と、カードロック設定用テーブル1585と、カードロック解除設定用テーブル1856と、事前出力設定用テーブル1587と、暗証登録設定用テーブル1588と、撮像設定用テーブル1589と、撮像画像データベース159と、各遊技島別に固有に生成される島別ユニット設定用データ329とが記憶される。
図10は、貯蓄管理テーブル1582のテーブル構成の一例を示す図である。貯蓄管理テーブル1582には、会員貯蓄管理テーブル1582aと、ビジター貯蓄管理テーブル1582bとが含まれる。
会員貯蓄管理テーブル1582aには、図10(a)に示すように、各会員カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員IDと、当該会員遊技者がその営業当日において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である持玉数と、当該会員遊技者がその営業前日以前において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である貯玉数とが記憶されており、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員IDから、当該会員遊技者が所有する貯蓄玉数である持玉数や貯玉数を特定できるようになっている。
この会員貯蓄管理テーブル1582aにおいて、持玉数は、貸与単価4円のパチンコ機2での遊技による(即ち貸与単価4円のカードユニット3で計数された)持玉数と、貸与単価1円のパチンコ機2での遊技による(即ち貸与単価1円のカードユニット3で計数された)持玉数とが区別して記憶され、また貯玉数も、貸与単価4円のパチンコ機2での遊技による貯玉数と、貸与単価1円のパチンコ機2での遊技による貯玉数とが区別して記憶される。なお、会員貯蓄管理テーブルに管理されている持玉数は、その営業当日のみ持玉数として管理されており、営業終了後の締め処理において会員貯蓄管理テーブルに存在する持玉数は、貯玉数に加算更新された後、全てリセットされる。
また、ビジター貯蓄管理テーブル1582bには、図10(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの最新発行日時と、該ビジターカードを所持する遊技者がその営業当日において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である持玉数とが記憶されており、ビジターカードに記憶されているカードIDから、当該遊技者が所有する持玉数を特定できるようになっている。
このビジター貯蓄管理テーブルにおいて、持玉数は、貸与単価4円のパチンコ機2での遊技による(即ち貸与単価4円のカードユニット3で計数された)持玉数と、貸与単価1円のパチンコ機2での遊技による(即ち貸与単価1円のカードユニット3で計数された)持玉数とが区別して記憶される。なお、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている持玉数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後の締め処理においてビジター貯蓄管理テーブルに存在する持玉数が全てリセットされることにより、無効化される。また、ビジターカードに前日以前の持玉数が記録されている場合には、該持玉数は無効として消去される。
図11は、ユニット管理テーブル1085のテーブル構成の一例を示す図である。
ユニット管理テーブル1085には、遊技場内に設置された各カードユニット3に固有に付与された装置IDに対応付けて、カードユニット3のローカルIPアドレスが格納されるローカルIPと、当該カードユニット3が設置されている遊技島の島番号が格納される設置島と、当該カードユニット3がカードの受付中であるか待機中であるかが格納される状況と、当該カードユニット3が対応するパチンコ機2の台番号が格納される対応台番号と、受付け中の会員カード又はビジターカードのカードIDが格納される受付IDと、その時点における各カードユニット3の計数済玉数とが記憶されており、これら計数済玉数のデータは、管理コンピュータ150からの送信要求の受信に応じて定期的に各カードユニット3から送信されると共に、計数済玉数の変更後の所定時間後(例えば5秒後)に、各カードユニット3から送信されることで、最新の計数済玉数が管理されるようになっている。
図12は、振分け履歴テーブル1583のテーブル構成の一例を示す図である。
振分け履歴テーブル1583には、振分けが実施された日付と、振分けが実施されたカードユニット3又は振分け装置5の装置IDと、振分け元のカードのカードIDと、振分け先のカードのカードIDと、振分け先がビジターカードである場合に該ビジターカードが発行されたものであるかを示す発行と、振分けされた玉数である振分け玉数と、振分け先のカードが使用するためにカードユニット3に受付けられているか否かを示す利用受付けとから成る振分け履歴が格納されており、本実施形態では、後述する振分け設定画面の集計対象期間として選択可能な最大期間である1ヶ月の振分け履歴が記憶されるようになっている。
なお、「発行」に格納されるデータとしては、ビジターカードの発行があった場合において「1」が格納され、ビジターカードの発行がない場合には「0」が格納される。また、「利用受付け」に格納されるデータとしては、受付け済みである場合において「1」が格納され、受付け済みでない場合において「0」が格納される。
このように、本実施形態では、これら振分け履歴テーブルにより、所定期間、例えば一日において該遊技場において振分けされたパチンコ玉の総数を、当日の日付が格納されている全ての履歴の振分け数を合計することで特定できると共に、同様に、振分け元カードに同一のカードIDが記憶され、当日の日付が記憶されている全ての履歴の振分け数を合計することで、該振分け元カードからその当日において振分けされたパチンコ玉の総数を特定でき、更には、振分け先カードに同一のカードIDが記憶され、当日の日付が記憶されている全ての履歴の振分け数を合計することで、該振分け先カードに対してその当日において振分けされたパチンコ玉の総数も特定できるようになっている。
図13は、会員別テーブル1584のテーブル構成の一例を示す図である。会員別テーブル1584には、会員情報テーブル1584aと、遊技履歴テーブル1585bとが含まれる。
会員情報テーブル1584aには、図13(a)に示すように、会員カードを所持する会員遊技者の会員IDに対応付けて、本人確認のための暗証番号と、会員カードの受付けに応じて一日に1回所定の来店ポイントが加算更新される来店ポイントと、来店状況等に基づくランクと、会員の氏名(名字並びに名前)、性別、年齢、誕生日、職業、住所、電子メールアドレスからなる会員属性情報(個人情報)とが登録されている。
また、会員別遊技履歴テーブル1584bには、図13(b)に示すように、会員ID毎に、当該会員遊技者の遊技履歴、具体的には、来店日、遊技を行ったパチンコ機2の台番号、機種名、遊技開始時間(時刻)、遊技終了時間(時刻)、遊技開始から終了までの間の遊技時間、始動回数、大当回数、確率変動回数(確変回数)、獲得玉数、支出金額、再プレイ玉数、使用持玉数からなる遊技履歴が格納されている。会員別遊技履歴テーブルの来店日には、RTC154から出力されるカレンダ情報に基づく当該遊技履歴の記憶時点の年月日が格納されると共に、遊技開始時間、遊技終了時間、遊技時間、始動回数、大当回数、確変回数、獲得玉数、支出金額の遊技履歴は、会員カードの返却時にカードユニット3から送信される会員遊技履歴データに基づいて記憶される。
図14は、カードロック設定用テーブル1585のテーブル構成の一例を示す図である。
カードロック設定用テーブル1585は、カードユニット3にカードの返却の制限(以下、「カードロック」という。)に関する設定を行わせるための設定用データを生成するために用いられるテーブルである。
図14(1)は、カードロックの適用の有無を設定するために用いられる適用種別設定用テーブルの一例であり、適用種別Noと適用種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、適用種別No「1」には「有効」が、適用種別No「2」には「無効」がそれぞれ定められている。「有効」は、カードロックを適用する(有効とする)ことを示し、「無効」は、カードロックを適用しない(無効とする)ことを示す。
図14(2)は、カードロックを有効とする場合にいずれの種別のカードを受け付けた際にカードロックを適用するかを設定するために用いられるカード種別設定用テーブルの一例であり、カード種別Noとカード種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、カード種別No「1」には「会員カード」が、カード種別No「2」には「ビジターカード」がそれぞれ定められている。「会員カード」は、会員カードにカードロックを適用することを示し、「ビジターカード」は、ビジターカードにカードロックを適用することを示す。
図14(3)は、いずれの時間帯にカードロックを有効とするかを設定するために用いられる有効時間帯設定用テーブルの一例であり、有効時間帯Noと有効時間帯とを対応付けたテーブルを示している。この例では、有効時間帯No「1(通常)」には「終日」が、有効時間帯No「2(特別)」には「(任意設定)」が、有効時間帯No「3(調整日)」には「−」がそれぞれ定められている。
有効時間帯No「1」の(通常)は通常の営業日を示し、「終日」は店舗の営業時間内にカードロックを有効とすることを示す。有効時間帯No「2」の(特別)は特別なケースにおけるカードロックの有効時間帯を示し、「(任意設定)」は当該ケースに応じた有効時間帯の設定が可能であることを示す。また、有効時間帯No「3」の(調整日)は店舗における遊技機や遊技用装置の調整日を示し、「−」はカードロックを終日無効とすることを示す。
上記のうち、有効時間帯No「2(特別)」の例としては、店舗のグランドオープン日や新台入替日における有効時間帯を定めておくことができる。グランドオープンや新台入替日には、店舗の営業開始時刻よりも前の時刻に遊技客を入店させ、先に席を確保させることを許可する場合がある。つまり、入店時刻と遊技開始時刻とが異なる場合がある。この場合、入店時刻から遊技開始時刻までの間に遊技客がカードユニット3にカードを挿入したような場合に、カードがロックされてしまう可能性がある。そこで、カードロックの有効時間帯の「(任意設定)」として「遊技開始時刻後の営業時間」を定めておき、入店時刻〜遊技開始時刻までの時間帯はカードがロックされないようにすると好適である。
また、店舗によっては、いわゆる定量制を適用して遊技を行わせる店舗が存在する。定量制とは、遊技者が遊技機で遊技を行うことで獲得した遊技価値(パチンコ機では獲得玉数、スロットマシンでは獲得メダル数)が定量上限値に達した場合に、継続した遊技を制限する運用のことを意味する。また、この場合における遊技を制限する運用とは、遊技機の遊技状態が遊技者にとって有利な有利状態であってもそれらの状態をリセットし、打ち止めとする運用のことを意味する。
また、このような店舗においては、定量制を適用する時間帯を設定して遊技者に遊技を行わせる運用を適用する場合がある。この場合、打ち止めとなると一定時間遊技を行うことができないため、遊技者は、定量制が解除されるまで休憩をとるために、カードを残して離席してしまう場合がある。そこで、カードロックの有効時間帯の「(任意設定)」として「打ち止め時刻〜定量制の解除時刻」を定めておき、打ち止めとなってから定量制が解除されるまでの期間は、カードロックが実行されるようにしてもよい。
図14(4)は、ロック条件を設定するために用いられるロック条件設定用テーブルの一例であり、ロック条件Noとロック条件とを対応付けたテーブルを示している。この例では、ロック条件No「1」には「ロック時間無操作」が、ロック条件No「2」には「遊技者交代検知」が、ロック条件No「3」には「遊技者不在検知」がそれぞれ定められている。
「ロック時間無操作」は、所定時間(以下、この所定時間のことを「ロック時間」という。)の間、パチンコ機2又はカードユニット3に対して操作が行われなかった場合(無操作であった場合)にカードロックを実行することを示す。
ここで、パチンコ機2に対する操作には、打球操作ハンドルの操作が含まれる。打球操作ハンドルの操作により玉が打ち出されると、アウト玉計数器16からアウト信号が出力されるとともに、賞球によって計数払出ユニット348によって計数が実行され、計数信号が出力される。このため、所定時間(ロック時間)、アウト信号を入力しなかった場合や計数信号を入力しなかった場合に、カードロックが実行される。
一方、カードユニット3に対する操作には、入金操作、玉貸し操作(残額消費)、貯玉/持玉の払出操作が含まれる。つまり、所定時間(ロック時間)、入金がなされなかった場合や残額が消費されなかった場合、貯玉/持玉が払い出されなかった場合に、カードロックが実行される。
「遊技者交代検知」は、カード返却操作時における遊技者がカード挿入時における遊技者から交代したと判定した場合にカードロックを実行することを示し、「遊技者不在検知」は、遊技者が一定時間不在となったと判定した場合にカードロックを実行することを示す。
図14(5)は、上記のロック時間を設定するために用いられるロック時間設定用テーブルの一例であり、ロック時間Noとロック時間とを対応付けたテーブルを示している。この例では、ロック時間No「1」には「10分」が、ロック時間No「2」には「15分」が、ロック時間No「3」には「20分」がそれぞれ定められている。
図14(6)は、カードロックを実行した場合にカードユニット3に実行させる動作種別を設定するために用いられる動作種別設定用テーブルの一例であり、動作種別Noと動作種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、動作種別No「1」には「カードロック」が、動作種別No「2」には「カードロック報知」が、動作種別No「3」には「エラー情報出力」がそれぞれ定められている。「カードロック」は、ロック解除条件が成立するまでカードロックを実行することを示し、「カードロック報知」は、カードロックを実行した場合にその旨を遊技者や店員等に対して報知することを示し、「エラー情報出力」は、カードロックを実行した場合にエラー情報を上位装置に出力することを示す。この場合における上位装置は、例えば、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の管理装置とすることができる。
なお、上記のカードロック設定用テーブル1585の各設定用テーブルに示した項目は、and(及び)の条件として設定可能としてもよいし、or(又は)の条件として設定可能としてもよい。
図15は、図14に示したカードロック設定用テーブル1585に基づき、遊技島毎に生成されるカードロック設定用データ3295の一例を示す図である。
各カードロック設定用データ3295には、遊技島の識別情報である遊技島IDが記憶され、この遊技島IDと紐づけて、設定適用種別Noと、設定カード種別Noと、設定有効時間帯Noと、設定ロック条件Noと、設定ロック時間Noと、設定動作種別Noとが記憶される。
設定適用種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるカードロックの適用種別の番号であり、図14(1)の適用種別設定用テーブルに示した適用種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定カード種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるカード種別の番号であり、図14(2)のカード種別設定用テーブルに示したカード種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定有効時間帯Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる有効時間帯の番号であり、図14(3)の有効時間帯設定用テーブルに示した有効時間帯Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定ロック条件Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるロック条件の番号であり、図14(4)のロック条件設定用テーブルに示したロック条件Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定ロック時間Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるロック時間の番号であり、図14(5)のロック時間設定用テーブルに示したロック時間Noの中から番号が選択されて記憶される。なお、ロック条件としてロック条件No「2」の「ロック時間無操作」を適用しない場合には、設定ロック時間Noは「−(なし)」とされる。
設定動作種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる動作種別の番号であり、図14(6)の動作種別設定用テーブルに示した動作種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
例えば、図15の一番上に示したカードロック設定用データ3295は、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3にカードロックに関する設定を行わせるためのデータであり、設定適用種別Noには「1」が、設定カード種別Noには「1、2」が、設定有効時間帯Noには「1」が、設定ロック条件Noには「1〜3」が、設定ロック時間Noには「1」が、設定動作種別Noには「1〜3」が記憶されている。これは、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3については、対象カードを「会員カード」及び「ビジターカード」、有効時間帯を「終日」、ロック条件を「ロック時間無操作」、「遊技者交代検知」及び「遊技者不在検知」のいずれか、ロック時間を「10分」としてカードロックを実行させることを意味する。そして、カードロックを実行する場合に、「カードロック」、「カードロック報知」及び「エラー情報出力」を実行させることを意味する。
ここで、通常、受付中のビジターカードに残額も持玉数もなくなった場合には、カード返却操作がなされた場合であっても、受付中のビジターカードは返却されずにカードユニット3に回収される。このため、受付中のビジターカードに残額も持玉数も存在しない場合には、上記のロック条件が成立した場合であっても、カードロックを実行しないようにしてもよい。つまり、上記のロック条件が成立し、かつ、受付中のビジターカードに残額又は持玉数が存在する場合に、カードロックを実行するようにしてもよい。
また、上記のロック条件に、残額に対する閾値である残額閾値、持玉数に対する閾値である持玉数閾値を定めておき、残額が残額閾値に達しているビジターカードや、持玉数が持玉数閾値に達しているビジターカードについてのみ、ロック条件が成立した場合に、カードロックを実行するようにしてもよい。
図16は、カードロック解除設定用テーブル1586のテーブル構成の一例を示す図である。カードロック解除設定用テーブル1586は、カードユニット3にカードロックの解除に関する設定を行わせるための設定用データを生成するために用いられるテーブルである。
図16(1)は、ロック解除条件を設定するために用いられるロック解除条件設定用テーブルの一例であり、ロック解除条件Noとロック解除条件とを対応付けたテーブルを示している。この例では、ロック解除条件No「1」には「アウト信号入力(アウト玉計数器)」が、ロック解除条件No「2」には「計数信号入力(計数払出ユニット)」が、ロック解除条件No「3」には「払出信号入力(計数払出ユニット)」が、ロック解除条件No「4」には「賞球信号入力(パチンコ機)」が、ロック解除条件No「5」には「解除信号受信(設定用リモコン)」が、ロック解除条件「6」には「暗証登録内容入力(ビジターカード)」、ロック解除条件「7」には「暗証番号入力(会員カード)」がそれぞれ定められている。
「アウト信号入力(アウト玉計数器)」は、カードユニット3が対応するパチンコ機2のアウト玉計数器16からアウト信号を入力したことを示す。アウト信号は、遊技者がパチンコ機2の打球操作ハンドルを操作して打ち出した玉が回収された場合にアウト玉計数器16から出力される。このため、カードユニット3は、遊技を行うためのパチンコ機2に対する操作に基づくパチンコ機2での遊技で遊技者が使用した遊技価値である使用遊技価値を特定可能な情報が入力されたことに基づいて、カードロックを解除可能であると言える。
「計数信号入力(計数払出ユニット)」は、カードユニット3が自装置の計数払出ユニット348から計数を実行したことを示す計数信号を入力したことを示す。計数信号は、遊技者が計数払出ユニット348の開閉シャッタを手動で開放することにより、パチンコ機2の賞球によって払い出された玉が計数されることで計数払出ユニット348から出力される。また、パチンコ機2の上皿23の玉を遊技者が手で掴んで計数払出ユニット348に流すことで、計数払出ユニット348によって計数が実行される場合もある。このため、カードユニット3は、パチンコ機2での遊技において遊技者に付与された付与遊技価値を計数可能な計数装置に計数を実行させる操作や動作に基づく計数装置による計数の実行を特定可能な情報が入力されたことに基づいて、カードロックを解除可能であると言える。
「払出信号入力(計数払出ユニット)」は、カードユニット3が自装置の計数払出ユニット348から玉払い出しを実行したことを示す払出信号を入力したことを示す。払出信号は、遊技者が玉払出し操作を行うことで計数払出ユニット348から出力される。このため、カードユニット3は、パチンコ機2で遊技を行うためのカードユニット3に対する操作に基づく払出装置による払出の実行を特定可能な情報が入力されたことに基づいて、カードロックを解除可能であると言える。
「賞球信号入力(パチンコ機)」は、カードユニット3が対応するパチンコ機2から賞球信号を入力したことを示す。賞球信号は、遊技者がパチンコ機2の打球操作ハンドルを操作して打ち出した玉が入賞して賞球された場合にパチンコ機2から出力される。このため、カードユニット3は、遊技を行うためのパチンコ機2に対する操作に基づく遊技機での遊技で遊技者に付与された付与遊技価値を特定可能な情報が入力されたことに基づいて、カードロックを解除可能であると言える。
「解除信号受信(設定用リモコン)」は、カードユニット3が店舗の店員が所持する設定用リモコンから解除信号を受信した場合に、カードロックを解除することを示す。
「暗証登録内容入力(ビジターカード)」は、ビジターカードに対するカードロックがなされた場合に、暗証登録された内容が入力されることで、カードロックを解除することを示す。
「暗証番号入力(会員カード)」は、会員カードに対するカードロックがなされた場合に、暗証番号が入力されることで、カードロックを解除することを示す。
ここで、ロック解除条件No「1」の「アウト信号入力(アウト玉計数器)」、ロック解除条件No「2」の「計数信号入力(計数払出ユニット)」、ロック解除条件No「3」の「払出信号入力(計数払出ユニット)」、ロック解除条件No「4」の「賞球信号入力(パチンコ機)」のそれぞれについて、信号を1回だけ入力した場合にカードロックを解除するようにしてもよいが、信号を入力する回数の閾値である閾値回数(例えば、数回〜10回程度の回数)を設定しておき、信号を入力した回数が閾値回数に達した場合に、カードロックを解除するようにしてもよい。
これは、信号を1回だけ入力した場合にカードロックを解除してしまうと、悪意のある者によってカードが抜き取られてしまう可能性があるためである。つまり、カードロックの解除方法を知っている者が、パチンコ機2の打球操作ハンドルを僅かに操作して玉を打ち込み、これによってカードロックを解除して、カードを抜き取ってしまうおそれがあるためである。閾値回数を設定しておくことで、このような事態が発生することを防止できる。
なお、上記のように閾値回数を設定する他に、例えば、カードユニット3が上記の信号を継続的に入力した時間に対する閾値である閾値時間(例えば、数分〜10分程度の時間)を設定しておき、カードユニット3が信号の入力を開始してからの計時時間が閾値時間に達した場合に、カードロックを解除するようにしてもよい。
上記の閾値(閾値回数や閾値時間)を利用したロック解除条件に基づくカードロック解除では、ある程度の時間に亘って遊技者によって遊技に関連する動作(遊技者動作)がなされることで対応する信号がカードユニット3に継続的に入力され、その結果として、カードロックが解除される。つまり、遊技者によって遊技に関連する動作(遊技者動作)が継続的になされない限りカードロックが解除されないため、このようにすることで、セキュリティ性を向上させることができる。
また、ロック解除条件No「5」の「解除信号受信(設定用リモコン)」は、店舗の店員が所持する設定用リモコンから解除信号を受信した場合にカードロックを解除することを意味するが、カードの種別に基づいて、この解除信号の受信によるカードロックの解除の適用の有無を設定するようにしてもよい。例えば、カードの種別が「ビジターカード」である場合にのみ、解除信号を受信することによるカードロックの解除を適用するように設定を行ってもよい。
また、ロック解除条件No「6」の「暗証登録内容入力(ビジターカード)」は、ビジターカードの受付中にカードロックを実行した場合には、当該ビジターカードに対して暗証登録された内容(暗証番号4桁又はマーク3種)が遊技者によって入力された場合に、カードロックを解除することを示しており、ロック解除No「7」の「暗証番号入力(会員カード)」は、会員カードの受付中にカードロックを実行した場合には、会員カードの発行時に登録された暗証番号が遊技者によって入力された場合に、カードロックを解除することを示している。つまり、本実施形態では、ロック解除条件No「1」〜「5」のロック解除条件が成立する場合の他にも、遊技者が自身で登録した内容を入力することで、カードロックを解除することを可能としている。
なお、カードユニット3が受け付けたカードの種別に応じて、異なるロック解除条件を設定するようにしてもよい。例えば、会員カードについては、No「1」〜「4」の少なくともいずれかの条件とNo「7」の条件との2種類の条件が成立することをロック解除条件として設定し、ビジターカードについては、No「1」〜「4」の少なくともいずれかの条件が成立することをロック解除条件として設定するようにしてもよい。逆に、会員カードについては、No「1」〜「4」の少なくともいずれかの条件が成立することをロック解除条件として設定し、ビジターカードについては、No「1」〜「4」の少なくともいずれかの条件とNo「6」の条件との2種類の条件が成立することをロック解除条件として設定するようにしてもよい。
図16(2)は、カードロックを解除する際にカードユニット3に実行させる動作種別を設定するために用いられる動作種別設定用テーブルの一例であり、動作種別Noと動作種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、動作種別No「1」には「カードロック解除」が、動作種別No「2」には「カードロック解除報知」が、動作種別No「3」には「エラー解消情報出力」がそれぞれ定められている。「カードロック解除」は、カードロックを解除することを示し、「カードロック解除報知」は、カードロックを解除したことを遊技者や店員等に対して報知することを示し、「エラー解消情報出力」は、カードロックを解除したことでエラーが解消したことを示す情報を上位装置に出力することを示す。この場合における上位装置は、例えば、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の管理装置とすることができる。
なお、カードロック設定用テーブル1585と同様に、カードロック解除設定用テーブル1586にも、カードロック解除を有効とする時間帯を設定するための有効時間帯設定用テーブルを含めることとしてもよい。カードロックの有効時間帯が終了してカードロックが無効となっても、有効時間帯にロックされたカードを取り出せなくなってしまうのは、遊技者側にも店舗側にも不都合である。そこで、カードロックが無効となってからでもカードロックを解除することができるように、カードロック解除の有効時間帯として、「終日」(終日有効)や「カードロックの有効時間帯の開始時刻〜カードロックの有効時間帯の終了時刻+一定時間」といった時間帯を設定できるようにすると好適である。
なお、上記のカードロック解除設定用テーブル1586の各設定用テーブルに示した項目は、and(及び)の条件として設定可能としてもよいし、or(又は)の条件として設定可能としてもよい。
図17は、図16に示したカードロック解除設定用テーブル1586に基づき、遊技島毎に生成されるカードロック解除設定用データ3296の一例を示す図である。
各カードロック解除設定用データ3296には、遊技島の識別情報である遊技島IDが記憶され、この遊技島IDと紐づけて、設定ロック解除条件Noと、設定動作種別Noとが記憶される。
設定ロック解除条件Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるロック解除条件の番号であり、図16(1)のロック解除条件設定用テーブルに示したロック解除条件Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定動作種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる動作種別の番号であり、図16(2)の動作種別設定用テーブルに示した動作種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
上記の設定ロック解除条件No及び設定動作種別Noは、図15に示したカードロック設定用データに定められた内容に基づき、当該カードユニット3にカードロックを適用する場合に設定される。
例えば、図17の一番上に示したカードロック解除設定用データ3296は、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3にカードロック解除に関する設定を行わせるためのデータであり、設定ロック解除条件Noには「1〜7」が、設定動作種別Noには「1〜4」が記憶されている。これは、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3に、カードロック設定用データに基づいてカードロックを有効とした上で、ロック解除条件を「アウト信号入力(アウト玉計数器)」、「計数信号入力(計数払出ユニット)」、「払出信号入力(計数払出ユニット)」、「賞球信号入力(パチンコ機)」、「解除信号受信(設定用リモコン)」、「暗証登録内容入力(ビジターカード)」、「暗証番号入力(会員カード)」のいずれかとして、カードロック解除を実行させ、カードロック解除を実行した場合に、動作種別「カードロック解除」、「カードロック解除報知」、「エラー解消情報出力」を実行させることを意味する。
特許文献1に開示されているような従来の遊技用装置では、ビジターカード(非会員カード)については暗証番号を登録することができなかったため、ビジターカードがロックされた場合には、遊技者が店員を呼んだ上で、店員の操作を介してカードロックを解除する必要があり、利便性に欠けていた。しかし、本実施形態のカードユニット3は、遊技者の所定操作に基づく特定情報を入力したことに基づいてカードロックを解除することができるため、セキュリティ性を確保しつつ、利便性を向上させることができる。
図18は、事前出力設定用テーブル1587のテーブル構成の一例を示す図である。
事前出力設定用テーブル1587は、カードユニット3に、カードロックを実行する前の事前出力に関する設定を行わせるための設定用データを生成するために用いられるテーブルである。
図18(1)は、事前出力の適用の有無を設定するために用いられる適用種別設定用テーブルの一例であり、適用種別Noと適用種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、適用種別No「1」には「有効」が、適用種別No「2」には「無効」がそれぞれ定められている。「有効」は、事前出力を適用する(有効とする)ことを示し、「無効」は、事前出力を適用しない(無効とする)ことを示す。
図18(2)は、事前出力を有効とする場合にいずれの種別のカードを受け付けた際に事前出力を実行するか設定するために用いられるカード種別設定用テーブルの一例であり、カード種別Noとカード種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、カード種別No「1」には「会員カード」が、カード種別No「2」には「ビジターカード」がそれぞれ定められている。「会員カード」は、会員カードを対象として事前出力を実行することを示し、「ビジターカード」は、ビジターカードを対象として事前出力を実行することを示す。
図18(3)は、事前出力を実行するまでの特定時間(以下、この特定時間のことを「事前出力時間」という。)をどのように決定するかを設定するために用いられる事前出力時間種別設定用テーブルの一例であり、事前出力時間種別Noと事前出力時間種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、事前出力時間種別No「1」には「ロック時間割合」が、事前出力時間種別No「2」には「残り時間」がそれぞれ定められている。「ロック時間割合」は、前述したロック時間(カードロックを実行するまでの時間)に対する割合に基づいて事前出力時間を決定することを意味する。「残り時間」は、前述したロック時間が経過するまでの残り時間に基づいて事前出力時間を決定することを意味する。
図18(4)は、上記のロック時間割合を設定するために用いられるロック時間割合設定用テーブルの一例であり、ロック時間割合Noとロック時間割合とを対応付けたテーブルを示している。この例では、ロック時間割合No「1」には「2/3」が、ロック時間割合No「2」には「1/2」が、ロック時間割合No「3」には「4/5」がそれぞれ定められている。「2/3」は、ロック時間の2/3の時間を事前出力時間とすることを意味し、「1/2」は、ロック時間の半分の時間を事前出力時間とすることを意味し、「4/5」は、ロック時間の「4/5」の時間を事前出力時間とすることを意味する。
図18(5)は、上記の残り時間を設定するために用いられる残り時間設定用テーブルの一例であり、残り時間Noと残り時間とを対応付けたテーブルを示している。この例では、残り時間No「1」には「1分」が、残り時間No「2」には「1分30秒」が、残り時間No「3」には「2分」がそれぞれ定められている。「1分」は、ロック時間が経過するまでの残り時間が1分となるまでの時間を事前出力時間とすることを意味し、「1分30秒」は、ロック時間が経過するまでの残り時間が1分30秒となるまでの時間を事前出力時間とすることを意味し、「2分」は、ロック時間が経過するまでの残り時間が2分となるまでの時間を事前出力時間とすることを意味する。
図18(6)は、カードユニット3に実行させる事前出力の種別を設定するために用いられる事前出力種別設定用テーブルの一例であり、事前出力種別Noと事前出力種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、事前出力種別No「1」には「カード取り忘れ示唆情報出力(上位装置)」が、事前出力種別No「2」には「カードロック予告情報出力(上位装置)」が、事前出力種別No「3」には「カード取り忘れ注意喚起報知(自ユニット)」が、事前出力種別No「4」には「カードロック予告報知(自ユニット)」がそれぞれ定められている。
「カード取り忘れ示唆情報出力(上位装置)」は、カードの取り忘れを示唆する情報を上位装置に出力することを示し、「カードロック予告情報出力(上位装置)」は、カードロックの実行を予告する情報を上位装置に出力することを示す。この場合における上位装置は、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の管理装置とすることができる。カード取り忘れ示唆情報及びカードロック予告情報は、カードロックの事前出力に関するロック事前情報の一例である。
また、カード取り忘れ注意喚起報知(自ユニット)は、カードユニット3がカードの取り忘れを注意喚起する報知を自ユニットで実行することを示し、「カードロック予告報知」は、カードユニット3がカードロックの実行の予告を自ユニットで報知することを示す。
なお、上記の事前出力設定用テーブル1587の各設定用テーブルに示した項目は、and(及び)の条件として設定可能としてもよいし、or(又は)の条件として設定可能としてもよい。
図19は、図18に示した事前出力設定用テーブル1587に基づき、遊技島毎に生成される事前出力設定用データ3297の一例を示す図である。
各事前出力設定用データ3297には、遊技島の識別情報である遊技島IDが記憶され、この遊技島IDと紐づけて、設定適用種別Noと、設定事前出力時間種別Noと、設定ロック時間割合Noと、設定残り時間Noと、設定事前出力種別Noとが記憶される。
設定適用種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる事前出力の適用種別の番号であり、図18(1)の適用種別設定用テーブルに示した適用種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定カード種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるカード種別の番号であり、図18(2)のカード種別設定用テーブルに示したカード種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定事前出力時間種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる事前出力時間種別の番号であり、図18(3)の事前出力時間種別設定用テーブルに示した事前出力時間種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定ロック時間割合Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるロック時間割合の番号であり、図18(4)のロック時間割合設定用テーブルに示したロック時間割合Noの中から番号が選択されて記憶される。なお、事前出力時間種別として「残り時間」が設定される場合には、設定ロック時間割合Noは「−(なし)」とされる。
設定残り時間Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる残り時間の番号であり、図18(5)の残り時間設定用テーブルに示した残り時間割合Noの中から番号が選択されて記憶される。なお、事前出力時間種別として「ロック時間割合」が設定される場合には、設定残り時間Noは「−(なし)」とされる。
設定事前出力種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる事前出力種別の番号であり、図18(6)の事前出力種別設定用テーブルに示した事前出力種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
例えば、図19の一番上に示した事前出力設定用データ3297は、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3に事前出力に関する設定を行わせるためのデータであり、設定適用種別Noには「1」が、設定カード種別Noには「1、2」が、設定事前出力時間種別Noには「1」が、設定ロック時間割合Noには「1」が、設定残り時間Noには「−(なし)」が、設定事前出力種別Noには「1〜3」が記憶されている。これは、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3については、事前出力を「有効」とし、カード種別を「会員カード」及び「ビジターカード」とし、事前出力時間種別を「ロック時間割合」とし、ロック時間を「ロック時間の2/3」とし、事前出力種別を「カード取り忘れ示唆情報出力(上位装置)」、「カードロック予告情報出力(上位装置)」、「カード取り忘れ注意喚起報知(自ユニット)」として事前出力を実行させることを意味する。
前述したように、従来のカードユニットの中には、所定時間経過後に受付中のカードをロック(カードロック)し、カード返却を無効とする返却エラー状態(エラーダウン)に制御することによって、店員が所持するリモコンによるロック解除を有効とするものがある。このようなカードユニットでは、カードの取り忘れを発見した店員がカードを抜き取ろうとしても、カードユニットを一旦返却エラー状態に移行させる必要があり、返却エラー状態に移行するまで店員は待機する必要があった。しかし、カードロックが実行されるよりも前に、カードの取り忘れの可能性のあるカードユニットから管理装置にロック事前情報を出力させたり、カードユニットにロック事前情報を報知させることで、カードロックが実行される前に、取り忘れの可能性のあるカードを店員が事前に回収することが可能となる。
図20は、暗証登録設定用テーブル1588のテーブル構成の一例を示す図である。
暗証登録設定用テーブル1588は、カードユニット3に、カードの暗証登録に関する設定を行わせるための設定用データを生成するために用いられるテーブルである。
図20(1)は、暗証登録の対象とするカード種別を設定するために用いられるカード種別設定用テーブルの一例であり、カード種別Noとカード種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、適用種別No「1」に「ビジターカード」が定められている。
図20(2)は、暗証登録の種別を設定するために用いられる暗証登録種別設定用テーブルの一例であり、暗証登録種別Noと暗証登録種別とを対応付けたテーブルを示している。この例では、暗証登録種別No「1」には「暗証番号4桁」が、暗証登録種別No「2」には「マーク3種」がそれぞれ定められている。「暗証番号4桁」は、遊技者に0〜9の数字を組み合わせた4桁の任意の暗証番号を登録させることを示し、「マーク3種」は、遊技者に3種類のマークの中から任意のマークを登録させることを示す。なお、マークには、例えば、丸や二重丸、三角形、四角形、星型といった比較的簡単な図形で表現されるマークを適用することができる。
図20(3)は、暗証登録を実行させる契機を設定するために用いられる暗証登録契機設定用テーブルの一例であり、暗証登録契機Noと暗証登録契機とを対応付けたテーブルを示している。暗証登録契機No「1」には暗証登録契機「メニュー操作」が、暗証登録契機No「2」には暗証登録契機「入金時」がそれぞれ定められている。
「メニュー操作」は、カードユニット3に対してメニュー操作が実行され、メニュー画面において暗証登録が選択された場合に、暗証登録画面を表示させて、遊技者に暗証登録を行わせることを示す。
「入金時」は、図20(4)の入金額設定用テーブルで設定された入金額が入金された場合に、暗証登録画面を自動表示させて、遊技者に暗証登録を行わせることを示す。
なお、この場合には、遊技者がメニュー画面から暗証登録を行う場合とは異なり、入金がなされる毎に暗証登録画面が自動表示されるため、遊技者は、入金を行う度に、暗証登録操作を行う必要が生ずる。このため、遊技者が煩わしさを感じることがないように、この暗証登録画面では、入金に応じた暗証登録画面の自動表示の有無を登録したり、不要な操作に係るボタン(例えば「戻るボタン」)の表示の有無を登録することを可能とするとよい。
図20(4)は、上記の入金時の暗証登録において、いくらの金額が入金された場合に暗証登録を実行させるかを設定するために用いられる入金額設定用テーブルの一例であり、入金額Noと入金額とを対応付けたテーブルを示している。入金額No「1」には入金額「10000円」が、入金額No「2」には入金額「5000円以上」がそれぞれ定められている。「10000円」は、1万円札が投入された場合に暗証登録を実行することを示し、「5000円以上」は、5千円札又は1万円札が投入された場合に暗証登録を実行することを示す。
なお、上記の事前出力設定用テーブル1587の各設定用テーブルに示した項目は、and(及び)の条件として設定可能としてもよいし、or(又は)の条件として設定可能としてもよい。
図21は、図20に示した暗証登録設定用テーブル1588に基づき、遊技島毎に生成される暗証登録設定用データ3298の一例を示す図である。
各暗証登録設定用データ3298には、遊技島の識別情報である遊技島IDが記憶され、この遊技島IDと紐づけて、設定カード種別Noと、設定暗証登録種別Noと、設定暗証登録契機Noと、設定入金額Noとが記憶される。
設定カード種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させるカード種別の番号であり、図20(1)のカード種別設定用テーブルに示したカード種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定暗証登録種別Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる暗証登録種別の番号であり、図20(2)の暗証登録種別設定用テーブルに示した暗証登録種別Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定暗証登録契機Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる暗証登録契機の番号であり、図20(3)の暗証登録契機設定用テーブルに示した暗証登録契機Noの中から番号が選択されて記憶される。
設定入金額Noは、当該遊技島に設置されるカードユニット3に設定させる入金額の番号であり、図20(4)の入金額設定用テーブルに示した入金額Noの中から番号が選択されて記憶される。なお、暗証登録種別として「暗証番号4桁」のみが設定される場合には、設定入金額Noは「−(なし)」とされる。
例えば、図21の一番上に示した暗証登録設定用データ3298は、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3に暗証登録に関する設定を行わせるためのデータであり、設定カード種別Noには「1」が、設定暗証登録種別Noには「2」が、設定暗証登録契機Noには「1or2」が、設定入金額Noには「1」が記憶されている。これは、遊技島ID「S1」の遊技島に設置されるカードユニット3については、カード種別を「ビジターカード」とし、暗証登録種別を「マーク3種」とし、暗証登録契機を「メニュー操作」及び「入金時」とし、入金額を「10000円」として暗証登録を実行させることを意味する。
図22は、撮像設定用テーブル1589のテーブル構成の一例を示す図である。
撮像設定用テーブル1589は、カードユニット3にユニットカメラ306による撮像に関する設定を行わせるために用いられるテーブルであり、遊技島のIDである遊技島IDと、撮像設定とが対応付けて定められている。
撮像設定は、カードユニット3がどのような契機やどのようなタイミングで撮像を行うかに係る設定である。例えば、遊技島ID「S1」のカードユニット3については、ユニットカメラ306に撮像を行わせる契機として、カードの受付時である「(1)受付時」と、カードを受付中である「(2)受付中」と、カードの返却時である「(3)返却時」、との3種類の契機が定められている。また、「(2)受付中」には、撮像を行う時間間隔(以下、「撮像時間間隔」という。)として「5秒毎」が定められている。
図23は、撮像画像データベース159のデータ構成の一例を示す図である。
撮像画像データベース159には、日付毎に、撮像画像データが記憶される。
各撮像画像データには、日付と対応付けて、カードID毎に、カード別撮像画像データが記憶される。
各カード別撮像画像データには、カードIDと、照合用撮像画像データセットと、が記憶される。また、これらの情報に付随して、ユニットIDと、撮像種別と、撮像日時と、撮像画像データとが記憶される。
照合用撮像画像データセットは、当該カードIDのカードを所持する遊技者の照合で使用する複数の撮像画像データでなるデータセットである。この照合用撮像画像データセットは、変形例に示すように、例えば、管理コンピュータ150が遊技者一致判定処理や遊技者不在判定処理等の処理(詳細は後述する)を実行する際に遊技者の顔の照合に用いるデータである。
ユニットIDは、当該カードIDのカードを受け付けたカードユニット3のIDである。
撮像種別は、当該カードIDのカードを受け付けたカードユニット3が撮像を行った種別であり、撮像画像データベース324に定められた撮像種別から特定される。
撮像日時は、当該カードIDのカードを受け付けたカードユニット3が撮像を行った時刻であり、撮像画像データベース324に定められた撮像日時から特定される。
撮像画像データは、当該カードIDのカードを受け付けたカードユニット3が撮像を行うことで取得した画像データであり、撮像画像データベース324に定められた撮像画像データから特定される。
図24は、島別ユニット設定用データ329のデータ構成の一例を示す図である。
島別ユニット設定用データ329には、遊技島ID3291と、表示設定用データ3292と、音出力設定用デー3293と、撮像設定用データ3294と、カードロック設定用データ3295と、カードロック解除設定用データ3296と、事前出力設定用データ3297と、暗証登録設定用データ3298とが記憶される。
遊技島ID3291は、当該島別ユニット設定用データ329を提供するカードユニット3が設置される遊技島のIDである。
表示設定用データ3292は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3の表示に関する設定用のデータである。
音出力設定用データ3293は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3の音出力に関する設定用のデータである。
撮像設定用データ3294は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3の撮像に関する設定用のデータである。具体的には、撮像設定用テーブル1589(図22参照)に定められた撮像設定の中から、当該遊技島ID3292に対応する撮像設定が選択されて記憶される。
カードロック設定用データ3295は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3のカードロックに関する設定用のデータである。具体的には、カードロック設定用テーブル1585(図14参照)に基づいて生成されたカードロック設定用データ(図14参照)のうちの、当該遊技島ID3291に対応するカードロック設定用データ3295がこれに相当する。
カードロック解除設定用データ3296は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3のカードロック解除に関する設定用のデータである。具体的には、カードロック解除設定用テーブル1586(図16参照)に基づいて生成されたカードロック解除設定用データ(図17参照)のうちの、当該遊技島ID3291に対応するカードロック解除設定用データ3296がこれに相当する。
事前出力設定用データ3297は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3の事前出力に関する設定用のデータである。具体的には、事前出力設定用テーブル1587(図18参照)に基づいて生成された事前出力設定用データ(図19参照)のうちの、当該遊技島ID3291に対応する事前出力設定用データ3297がこれに相当する。
暗証登録設定用データ3298は、当該遊技島ID3291の遊技島のカードユニット3の暗証登録に関する設定用のデータである。具体的には、暗証登録設定用テーブル1588(図20参照)に基づいて生成された暗証登録設定用データ(図20参照)のうちの、当該遊技島ID3291に対応する暗証登録設定用データ3298がこれに相当する。
[1−9.島コンピュータ]
図25は、島コンピュータ4の機能構成の一例を示す図である。
島コンピュータ4は、処理部410と、操作部420と、表示部430と、第1通信部440と、第2通信部450と、時計部460と、記憶部480とを備えて構成される。
処理部410は、記憶部480に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、島コンピュータ4の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
操作部420は、例えばキーボードやマウスを有して構成される操作手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部410に出力する。
表示部430は、処理部410から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。
第1通信部440は、店舗に設置される管理コンピュータ150との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
第2通信部450は、自装置が配置される遊技島に設置されている各カードユニット3それぞれとの間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
時計部460は、島コンピュータ4の内部時計であり、RTC(リアルタイムクロック)や水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器等を有して構成される。時計部460は、時刻情報やカレンダ情報を出力する。
記憶部480は、ROMやEEPROM、ハードディスク、RAM等を有して構成される記憶装置である。記憶部480には、処理部410によって読み出され、メイン処理として実行されるメインプログラム481と、第2通信部450を介して取得した各カードユニット3の情報を管理するためのデータであるユニット管理データ483と、第1通信部440を介して管理コンピュータ150から取得した島別ユニット設定用データ329とが記憶される。
島コンピュータ4は、遊技島毎に配置され、当該遊技島に設置されているカードユニット3の情報を集計・管理する機能を有する。本実施形態では、島コンピュータ4は、自装置が配置されている遊技島の遊技島IDに対応する島別ユニット設定用データ329を管理コンピュータ150から取得して記憶部480に記憶させる。そして、島コンピュータ4は、当該島別ユニット設定用データ329を、当該遊技島に設置されている各カードユニット3それぞれに出力する。
[1−10.処理]
[1−10−1.管理コンピュータの処理]
図26は、管理コンピュータ150の処理部152が、記憶部158に記憶されている管理プログラム1581に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部152は、各遊技島それぞれについてループAの処理を行う(A1〜A7)。ループAの処理では、処理部152は、記憶部158に記憶されている各種の設定用テーブルを用いて、当該遊技島に設置されているカードユニット3用の設定用データである島別設定用データを生成する設定用データ生成処理を行う(A3)。
具体的には、入力部153に対する店舗の管理者等の操作に従って、記憶部158に記憶されている表示設定用テーブル(図示せず)や音出力設定用テーブル(図示せず)、カードロック設定用テーブル1585(図14参照)、カードロック解除設定用テーブル1586(図16参照)、事前出力設定用テーブル1587(図18参照)、暗証登録設定用テーブル1588(図20参照)、撮像設定用テーブル1589(図22参照)に基づいて、当該遊技島のカードユニット3に適用する設定を決定し、それぞれの設定用テーブルに対応する各種の設定用データを生成する。カードユニット3に適用する設定は、店舗側で自由に選択・決定することができる。そして、生成した各種の設定用データを当該遊技島の遊技島IDと対応付けた島別ユニット設定用データ329を生成して、記憶部158に記憶させる(A3a)。
次いで、処理部152は、生成した当該遊技島の島別ユニット設定用データ329を、当該遊技島に配置される島コンピュータ4に出力する(A5)。そして、処理部152は、遊技島へと処理を移す。
全ての遊技島に対するループAの処理を終了したならば(A7)、処理部152は、処理を終了するか否かを判定する(A9)。例えば、店舗の営業終了時に自装置の電源を切断する場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(A9;No)、処理部152は、そのまま待機する。また、処理を終了すると判定したならば(A9;Yes)、処理部152は、管理処理を終了する。
[1−10−2.カードユニットの処理]
図27は、カードユニット3の処理部310が、記憶部320に記憶されているカードユニット処理プログラム321に従って実行するカードユニット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、自装置の設定タイミングであるか否かを判定する(B1)。設定タイミングは、例えば、自装置の電源投入時のタイミングとすることができる。この場合における設定タイミングは、自装置の設定がなされたことを示す設定済みフラグが「ON」にセットされているか否かを確認することで判定すればよい。なお、設定済みフラグは、設定がなされた後に「ON」にセットされ、店舗の営業終了時等に自装置の電源を切断する時に「OFF」にクリアされればよい。
設定タイミングであると判定した(設定済みフラグが「OFF」であると判定した)場合(B1;Yes)、処理部310は、島管理コンピュータ5から島別ユニット設定用データ329を取得して、記憶部320に記憶させる(B3)。
次いで、処理部310は、設定処理を実行する(B5)。具体的には、島別ユニット設定用データ329に記憶されている表示設定用データ3292、音出力設定用データ3293、撮像設定用データ3294、カードロック設定用データ3295、カードロック解除設定用データ3296、事前出力設定用データ3297及び暗証登録設定用データ3298に従って、表示、音出力、撮像、カードロック、カードロック解除、事前出力及び暗証登録それぞれについて自装置の動作やその態様を設定する。この場合、カードユニット3のプログラムは、それぞれの設定に応じた動作を実行することが可能なプログラムを規定しておけばよい。
設定タイミングではないと判定した場合(B1;No)、又は、B5の後、処理部310は、サブ処理を実行する(B7)。そして、処理部310は、処理を終了するか否かを判定し(B9)、処理を継続すると判定したならば(B9;No)、B1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(B9;Yes)、処理部310は、カードユニット処理を終了する。
図28は、サブ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、自装置にカードが挿入されたか否かを判定し(C1)、挿入されたと判定したならば(C1;Yes)、カード受付処理を実行する(C3)。具体的には、受け付けたカードのカードID等を含むカード受付通知をシステムコントローラ100に出力する。そして、システムコントローラ100からカード認証結果を取得し、認証結果がOKであったならば、挿入されたカードを受け付け、認証結果がNGであったならば、挿入されたカードを返却する。
次いで、処理部310は、ユニットカメラ306を制御して、撮像設定用データ3924に従ったタイミングで撮像を実行させる撮像処理を開始する(C5)。次いで、処理部310は、事前出力処理(C7)、カードロック・解除処理(C9)、暗証登録処理(C11)、遊技関連処理(C13)をそれぞれ実行する。事前出力処理、カードロック・解除処理及び暗証登録処理については、フローチャートで説明する。
また、遊技関連処理では、処理部310は、遊技者が対応するパチンコ機2での遊技を行うことを可能とするための各種の処理を実行する。具体的には、玉貸し操作に応じた玉貸し処理や、玉払い出し操作に応じた玉払い出し処理、振分け操作に応じた振分け処理等の処理がこれに含まれる。
次いで、処理部310は、処理を終了するか否かを判定し(C15)、処理を継続すると判定したならば(C15;No)、C7に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(C15;Yes)、処理部310は、サブ処理を終了する。
図29は、事前出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、事前出力設定用データ3297の設定カード種別Noを参照し、事前出力の対象となる対象カードを受付中であるか否かを判定する(D1)。具体的には、「会員カード」が対象カードとして設定されているのであれば、会員カードを受付中であるか否かを判定し、「ビジターカード」が対象カードとして設定されているのであれば、ビジターカードを受付中であるか否かを判定し、「会員カード」及び「ビジターカード」が対象カードとして設定されているのであれば、会員カードとビジターカードとのいずれかを受付中であるか否かを判定する。
対象カードを受付中であると判定したならば(D1;Yes)、処理部310は、事前出力設定用データ3297の設定適用種別Noを参照し、事前出力を適用する(有効とする)設定がなされているか否かを判定する(D3)。そして、なされていると判定したならば(D3;Yes)、遊技状態判定処理を実行する(D5)。
具体的には、例えば、(1)対応するパチンコ機2から遊技機信号を入力したか、(2)アウト玉計数器16からアウト信号を入力したか、(3)自装置に対する入金があったか、(4)カードの残額が消費されたか、(5)計数払出ユニット348による計数・払い出しが実行されたか、といった遊技判定条件((1)〜(5)単体又は(1)〜(5)の組み合わせ)に基づき、一定時間遊技が行われていない非遊技状態であるか否かを判定する。
次いで、処理部310は、D5の判定結果に基づいて非遊技状態であるか否かを判定し(D7)、非遊技状態であると判定したならば(D7;Yes)、事前出力タイマが作動中であるか否かを判定する(D9)。事前出力タイマは、事前出力を実行するまでの時間を計時するためのタイマである。
事前出力タイマが作動中ではないと判定したならば(D9;No)、処理部310は、事前出力タイマをスタートさせる(D11)。一方、事前出力タイマが作動中であると判定したならば(D9;Yes)、処理部310は、D13へと処理を移す。
次いで、処理部310は、事前出力タイミングであるか否かを判定する(D13)。具体的には、事前出力設定用データ3297の設定事前出力時間種別No、設定ロック時間割合No、設定残り時間Noを参照し、事前出力タイマの計時時間が、これらの設定から特定される事前出力時間に達しているか否かを判定する。そして、達している場合には、事前出力タイミングであると判定する。
事前出力タイミングであると判定したならば(D13;Yes)、処理部310は、事前出力処理を実行する(D15)。具体的には、事前出力設定用データ3297の設定事前出力種別Noから特定される事前出力種別の事前出力を実行する。そして、処理部310は、事前出力タイマをリセットした後(D17)、事前出力処理を終了する。
一方、D7において非遊技状態ではないと判定した場合(D7;No)、処理部310は、事前出力タイマが作動中であれば事前出力タイマをリセットした後(D19)、事前出力処理を終了する。
また、D1において対象カードを受付中ではないと判定した場合(D1;No)、D3において事前出力の設定が無効であると判定した場合(D3;No)、又は、D13において事前出力タイミングではないと判定した場合(D13;No)、処理部310は、事前出力処理を終了する。
図30は、カードロック・解除処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、カードロック設定用データ3295の設定カード種別Noを参照し、カードロックの対象となる対象カードを受付中であるか否かを判定する(E1)。具体的には、「会員カード」が対象カードとして設定されているのであれば、会員カードを受付中であるか否かを判定し、「ビジターカード」が対象カードとして設定されているのであれば、ビジターカードを受付中であるか否かを判定し、「会員カード」及び「ビジターカード」が対象カードとして設定されているのであれば、会員カードとビジターカードとのいずれかを受付中であるか否かを判定する。
対象カードを受付中であると判定したならば(E1;Yes)、処理部310は、自装置に対する操作が無操作であるか否かを判定し(E3)、無操作であると判定したならば(E3;Yes)、ロックタイマが作動中であるか否かを判定する(E5)。ロックタイマは、カードロックを実行するまでの時間を計時するためのタイマである。
ロックタイマが作動中であると判定したならば(E5;Yes)、処理部310は、ロックタイマをスタートさせる(E7)。一方、自装置に対して操作がなされたと判定したならば(E3;No)、処理部310は、ロックタイマが作動中であればロックタイマをリセットする(E9)。
E7、E9の後、又は、E5においてロックタイマが作動中であると判定した場合(E5;Yes)、処理部310は、遊技者不在判定処理を実行する(E11)。具体的には、ユニットカメラ306から撮像時間間隔(図22の撮像設定用テーブル1589に定められた撮像時間間隔)毎に出力される撮像画像に基づいて、遊技者の顔を検知できない時間が予め定められた設定時間(例えば10分〜30分の範囲で設定された時間)を超えた場合に、遊技者が不在であると判定する。
遊技者が不在であると判定したならば(E13;Yes)、処理部310は、カードロック処理を実行する(E15)。この場合、処理部310は、カードロック設定用データ3295の設定動作種別Noから特定される動作種別の動作を実行する。具体的には、カードロックフラグを「ON」とし、前述したカードロックを実行する。また、「カードロック報知」が設定されている場合には、カードロック報知フラグを「ON」とする。また、「エラー情報出力」が設定されている場合には、ホールコンピュータ140及び管理コンピュータ150に対してエラー情報を出力する。
次いで、処理部310は、カード返却操作がなされたか否かを判定し(E17)、なされたと判定したならば(E17;Yes)、カードロック中であるか否かを判定する(E19)。カードロック中であると判定した場合(E19;Yes)、処理部310は、カードロック報知フラグが「ON」であれば、カードロック報知処理を実行する(E21)。具体的には、カードの返却がロックされていることを示すメッセージを表示部312に表示させるなどして、遊技者や店員等に対してその旨を報知する。そして、処理部310は、カードロック・解除処理を終了する。
一方、カードロック中ではないと判定したならば(E19;No)、処理部310は、遊技者一致判定処理を実行する(E23)。具体的には、ユニットカメラ306による撮像画像に基づいて、カードの受付時に撮像された撮像画像から特定される遊技者の顔と、カード返却操作時に撮像された撮像画像から特定される遊技者の顔とが一致しているか否かを判定する。この場合における顔照合手法(顔認証方法)としては、従来公知の顔照合手法(顔認証手法)を適用することができる。
なお、顔照合処理において、処理部310が、ユニットカメラ306によって撮像された撮像画像を対象として顔の特徴量を算出する特徴量算出処理(顔の特徴点を抽出する特徴点抽出処理)を実行した上で、算出した特徴量で構成される一の特徴量データや複数の特徴量データでなる特徴量データセットを記憶部320に記憶させておき、これらのデータを用いて、顔の照合を実行するようにしてもよい。
遊技者の顔が一致している場合には、カード挿入時とカード返却操作時とで遊技者は同一人物であると判断することができる。一方、遊技者の顔が一致しない場合には、カード挿入時から遊技者が交代した(別人となった)と判断することができる。
そこで、遊技者が一致していると判定したならば(E25;Yes)、処理部310は、受付中のカードを返却するカード返却処理を実行する(E27)。そして、処理部310は、カードロック・解除処理を終了する。一方、遊技者が一致していないと判定したならば(E25;No)、処理部310は、カードロック処理を実行する(E29)。
カード挿入時から遊技者が交代した(別人となった)となる場合は、悪意のある人物がカードを抜き取る目的でカード返却操作を行う場合が多いと考えられる。そこで、E29のカードロック処理では、E15のカードロック処理で実行する処理の他に、カード返却操作時に撮像された撮像画像を管理コンピュータ150に出力するなどして、カードが盗難される可能性があることを上位装置に通知するようにするとよい。
次いで、処理部310は、カードロック中であるか否かを判定し(E31)、カードロック中ではないと判定した場合(E31;No)、ロックタイマが作動中であれば、ロックタイマの計時時間が、カードロック設定用データ3295の設定ロック時間Noから特定されるロック時間に達しているか否かを判定する(E33)。そして、達していると判定したならば(E33;Yes)、処理部310は、カードロック処理を実行する(E35)。そして、処理部310は、ロックタイマをリセットした後(E37)、カードロック・解除処理を終了する。
一方、E31においてカードロック中であると判定したならば(E31;Yes)、処理部310は、カードロック解除設定用データ3296の設定ロック解除条件Noから特定されるロック解除条件が成立したか否かを判定する(E39)。
ロック解除条件が成立したと判定したならば(E39;Yes)、処理部310は、カードロック解除処理を実行する(E41)。この場合、処理部310は、カードロック解除設定用データ3296の設定動作種別Noから特定される動作種別の動作を実行する。
具体的には、カードロックフラグを「OFF」とし、受付中のカードの返却を可能な状態とするカードロックを解除する。また、カードロック報知フラグが「ON」に設定されている場合には、カードロック報知フラグを「OFF」とする。また、「カードロック解除報知」が設定されている場合には、カードロックが解除されたことを示すメッセージを表示部312に表示させるなどして、遊技者や店員等に対してその旨を報知する。また、「エラー解消情報出力」が設定されている場合には、ホールコンピュータ140及び管理コンピュータ150に対してエラー解消情報を出力する。そして、処理部310は、カードロック・解除処理を終了する。
図31は、暗証登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、暗証登録設定用データ3298の設定カード種別Noから特定される対象カードを受付中であるか否かを判定する(F1)。そして、受付中であると判定したならば(F1;Yes)、メニュー操作がなされたか否かを判定する(F3)。
メニュー操作がなされたと判定したならば(F3;Yes)、処理部310は、メニュー画面から暗証登録操作がなされたか否かを判定し(F5)、なされたと判定したならば(F5;Yes)、暗証登録設定用データ3298の設定暗証登録種別Noから特定される暗証登録種別にメニュー操作が含まれる否かを判定する(F7)。
含まれると判定したならば(F7;Yes)、処理部310は、メニュー操作暗証登録処理を実行する(F9)。具体的には、遊技者の操作に従って、暗証登録設定用データ3298の設定暗証登録種別から特定される暗証登録種別に基づく暗証登録を実行する。具体的には、「暗証番号4桁」が設定されている場合には、4桁の暗証番号を入力させて、入力された暗証番号を登録する。また、「マーク3種」が設定されている場合には、3種類のマークから1つのマークを選択させて、選択されたマークを登録する。
次いで、処理部310は、自装置に入金がなされたか否かを判定し(F11)、入金がなされたと判定したならば(F11;Yes)、暗証登録設定用データ3298の設定暗証登録種別Noから特定される暗証登録種別に入金時が含まれる否かを判定する(F13)。
含まれると判定したならば(F13;Yes)、処理部310は、入金された金額が暗証登録設定用データ3298の設定入金額Noから特定される入金額であるか否かに基づいて、暗証登録を行う入金額であるか否かを判定する(F15)。
暗証登録を行う入金額であると判定したならば(F15;Yes)、処理部310は、入金時暗証登録処理を実行する(F17)。具体的には、暗証登録画面を表示部312に自動表示させ、この暗証登録画面において、遊技者の操作に従って、暗証登録設定用データ3298の設定暗証登録種別から特定される暗証登録種別に基づく暗証登録を実行する。そして、処理部310は、暗証登録処理を終了する。
[1−11.表示画面]
図32は、カードユニット3の表示部312(液晶表示器313)に表示されるカードロック報知画面の一例を示す図である。
図32(1)のカードロック報知画面は、カード(会員カード又はビジターカード)の受付中にカードロックが実行された後、カード返却操作がなされた場合に表示されるカードロック報知画面の一例である。
このカードロック報知画面には「カードの返却がロックされています。遊技を行ってください。(遊技操作で解除します)」というメッセージが表示されている。このカードロック報知画面により、遊技者は、パチンコ機2で遊技を行ってカードロックを解除させることができる。
図32(2)のカードロック報知画面は、ビジターカードの受付中にカードロックが実行された後、カード返却操作がなされた場合に表示されるカードロック報知画面の一例である。
このカードロック報知画面には「カードの返却がロックされています。店員をお呼びください。(リモコン操作で解除します)」というメッセージが表示されている。このカードロック報知画面により、遊技者は、店員を呼び出してカードロックを解除させることができる。
図32(3)のカードロック報知画面は、会員カードの受付中にカードロックが実行された後、カード返却操作がなされた場合に表示されるカードロック報知画面の一例である。
このカードロック報知画面には「カードの返却がロックされています。暗証番号を入力すると解除できます。」というメッセージが表示されている。このカードロック報知画面により、遊技者は、暗証番号を入力してカードロックを解除させることができる。。
図33は、カードユニット3の表示部312(液晶表示器313)に表示される事前報知画面の一例を示す図である。
図33(1)の事前報知画面は、店舗の店員向けの事前報知画面の一例である。
この事前報知画面には「あと1分でカードの返却がロックされます。取り忘れを確認して回収してください。」というメッセージが表示されている。この事前報知画面により、店員は、カードの取り忘れを確認した上で、カードを速やかに回収することができる。
図33(2)の事前報知画面は、遊技者向けの事前報知画面の一例である。
この事前報知画面には「まもなくカードの返却がロックされます。お取り忘れにご注意ください。」というメッセージが表示されている。この事前報知画面により、遊技者は、カードを忘れずに取り出すことができる。
なお、上記のカードロック報知画面や事前報知画面は、あくまでも一例に過ぎず、上記に示したメッセージとは異なるメッセージを表示させるようにしてもよいことは勿論である。
図34は、暗証登録の手順を説明するための図であり、カードユニット3の表示部312(液晶表示器313)に表示されるメニュー画面及び暗証登録の一例を示している。
図中の(A)には、カードを受け付けた状態で、カードユニット3の液晶表示器313に待機状態として表示される待機画面の一例を示している。
この待機画面には、上部に、自装置の基本情報として、受け付けたカードの種別を示す「一般カード」(ビジターカード)と、玉貸しの単位を示す「500円貸出」と、入金が可能であることを示す「入金可」と、計数が可能であることを示す「計数可」の文字が表示されている。また、その下には、玉貸しの1玉の価格を示す「貸玉:1玉4円」と、受付中のカードに対応付けられたカード残額を示す「カード残額:5000円」と、受付中のカードに対応付けられた持玉数を示す「持玉:12520発」と、が表示されている。
図中の(B)には、(A)の待機画面の表示中に、メニューボタン316aが押下された場合に表示されるメニュー画面の一例を示している。
このメニュー画面には、「暗証登録」と、「玉共有」と、「総数確認」と、「持玉情報」と、「玉箱表示」との5種類のアイコンが表示されている。遊技者は、これらのアイコンをタップすることにより、アイコンに表示された項目を実行させることができる。
図中の(C)には、(B)のメニュー画面の表示中に、「暗証登録」のアイコンがタップされた場合に表示される暗証登録画面の一例を示している。
この暗証登録画面には、「登録方法を選択してください」というメッセージとともに、「暗証番号4桁」と、「マーク3種」との2種類のアイコンが表示されている。遊技者は、「暗証番号4桁」のアイコンをタップすることにより、4桁の暗証番号を登録することができ、「マーク3種」のアイコンをタップすることにより、3種のマークの中から選択したマークを登録することができる。
図中の(D)には、(C)の暗証登録画面において、「暗証番号4桁」のアイコンがタップされた場合に表示される暗証番号入力画面の一例を示している。
この暗証番号入力画面には、1〜9及び0の数字のアイコンが表示されており、遊技者は、これらのアイコンをタップすることで、暗証番号を入力することができる。入力した暗証番号は、上部の暗証番号と表示された欄に表示される。また、数字のアイコンの下には、「確定」と「訂正」のアイコンが表示されており、遊技者は、「確定」のアイコンをタップすることにより、入力した暗証番号を確定させることができ、「訂正」のアイコンをタップすることにより、入力した暗証番号を訂正することができる。
図中の(E)には、(C)の暗証登録画面において、「マーク3種」のアイコンがタップされた場合に表示されるマーク選択画面の一例を示している。
このマーク選択画面には、「お好きなマークを選んでください。」というメッセージとともに、丸と、三角形と、星型との3種類のマークのアイコンが表示されている。遊技者は、これらのマークのアイコンの中から1つのアイコンを選択してタップすることで、マークを登録することができる。また、マークのアイコンの下には、「確定」と「訂正」のアイコンが表示されており、遊技者は、「確定」のアイコンをタップすることにより、選択したマークを確定させることができ、「訂正」のアイコンをタップすることにより、選択したマークを訂正することができる。
[1−12.作用効果]
第1遊技用システム1Aでは、パチンコ機2に対応して、カードユニット3が設けられる。
カードユニット3は、残額(カード残額やプリペイド残額)が対応付けられたカードを受付可能であり、カードを受け付けた後に、所定のロック条件が成立したことに応じて、受け付けたカードの返却をロックする。そして、カードユニット3は、カードの返却をロックした後、遊技者による動作であり遊技に関連する所定動作に基づく特定情報を入力したことに基づいて、カードの返却のロックを解除する。
これによれば、記録媒体の排出を制限した後、特定情報を入力したことに基づいて記録媒体の排出の制限を解除可能となるため、記録媒体の排出を制限することによってセキュリティ性を確保しつつ、利便性を向上させることができる。
また、カードユニット3は、カードを受け付けた後に、ロック時間、遊技が行われていない非遊技状態であることに基づいて、受け付けたカードの返却を制限するカードロックを実行可能である。そして、カードユニット3は、カードを受け付けた後に、ロック時間よりも短い事前出力時間、非遊技状態であることに基づいて、所定の出力を実行可能である。
これによれば、カードの返却が制限される前に所定の出力がなされるため、カードの取り忘れの可能性を報知するなどを行うことが可能となる。その結果、店舗の店員等に対して取り忘れの可能性のある記録媒体を速やかに回収するように促すことが可能となる。
[2.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[2−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。
具体的には、本発明に係る遊技機を、遊技者がメダルを用いて遊技するスロットマシンとしてもよい。この場合、カードユニットは、カードロックを実行した後、例えば、遊技者がスロットマシンにメダルを投入する動作を行うことに基づきスロットマシンから出力されるIN信号や、遊技者がBET操作を行ってレバーを押下し、入賞によってメダルが払い出されたことに基づきスロットマシンから出力されるOUT信号等の信号が入力されたことに基づいて、カードロックを解除するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、パチンコ機を、遊技球を打球供給皿3から投入して、遊技領域に発射された遊技球が入力領域に入賞すると、打球供給皿又は余剰球受皿に賞球が払い出される従来型のパチンコ機2として説明したが、遊技機外部からの遊技球の投入や遊技機外部への遊技球の払い出しを要することなく遊技を行うことが可能な封入方式のパチンコ機2´(以下、「封入方式パチンコ機」という。)としてもよい。
また、遊技機は、メダルをメダル投入部から投入して、役が成立したとき又は精算スイッチが操作されてクレジットが返却されるときに、メダル払出口からメダルが払出される従来型のスロットマシンに限らず、遊技機外部からのメダルの投入や遊技機外部へのメダルの払い出しを要することなく遊技を行うことが可能な遊技点方式のスロットマシン1000´(以下、「遊技点方式スロットマシン」という。)としてもよい。
図35は、遊技機として封入方式パチンコ機2´及び遊技点方式スロットマシン1000´を適用した第2遊技用システム1Bのシステム構成の一例を示す図である。
第2遊技用システム1Bでは、遊技機として、封入方式パチンコ機2´及び遊技点方式スロットマシン1000’が設けられている。
封入方式パチンコ機2´は、内部に遊技球を封入しており、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射モータを駆動させて遊技球を1発ずつ遊技領域に打ち込んで遊技ができるように構成されている。
ここで、遊技球の発射は、マイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える払出制御基板に電気的に接続される玉上げスイッチにより検出される。また、遊技領域に打込まれた遊技球のうち、アウト口に侵入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチによって検出される。また、発射された遊技球が遊技領域に跳出せずに戻ってきたファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチによって検出される。これらアウト玉検出スイッチ及びファール玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板に電気的に接続されている。
また、各入賞口(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉及びファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には、払出制御基板に電気的に接続される発射玉検出スイッチが設けられている。このため、入賞玉、アウト玉及びファール玉のすべてが発射玉検出スイッチによって検出される。回収玉通過経路を通過した遊技球は、打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、再びその打球発射位置の遊技球が遊技領域に打込まれる。この発射玉スイッチの検出数と、発射モータにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
このように、玉上げスイッチ、アウト玉検出スイッチ、及びファール玉検出スイッチ、並びに発射玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板に電気的に接続されており、払出制御基板において各スイッチの動作、即ち遊技球の通過を検出可能である。また、各入賞口に入賞した遊技球は各入賞口に対応して設けられる入賞センサによって検出される。入賞センサはマイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える主制御基板に電気的に接続され、入賞センサによる入賞を検出した主制御部は、遊技球が入賞した入賞口を特定可能な入賞信号を払出制御基板に送信する。なお、払出制御基板は、封入方式パチンコ機2´の電源投入時に主制御基板から入賞口の種類(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)と、各入賞口に対応する賞球数(各入賞口に遊技球が入賞したときの払出玉数)とを含む入賞口情報を受信しているため、主制御基板から受信した入賞信号に基づいて、遊技球が入賞した入賞口に対応する賞球数を特定可能である。
封入方式パチンコ機2´や後述する遊技点方式スロットマシン1000’の隣には、当該遊技機に対応する遊技用装置としてカードユニット1100が設けられる。カードユニット1100の前面(遊技者側)には、紙幣挿入口1103、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部に設けられる表示器1102、及び、プリペイドカード(会員登録を行っていない非会員遊技者が使用可能なビジターカード及び会員登録を行った会員遊技者が使用可能な会員カードを含む)を挿入可能なカード挿入口1101等が設けられている。遊技者は、カード挿入口1101にプリペイドカードを挿入し、カードリーダライタ(以下、カードR/Wという)により読み取られたカードIDに関連付けて残額管理装置(図示せず)で管理されているプリペイド残額を使用して、当該カードユニット1100と通信可能に接続される遊技機での遊技を行うことができる。また、紙幣挿入口1103から挿入した紙幣は貨幣識別器(図示せず)により真贋及び種別が識別され、識別された種別に相当する金額が、カードR/Wが受け付けているプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額に加算される。
カードユニット1100には、マイクロコンピュータ等から構成されたカードユニット制御部(以下、「CU制御部」という。)が設けられている。このCU制御部は、カードユニット1100の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。前述した貨幣識別器及びカードR/Wは、CU制御部と電気的に接続されている。また、表示器は、CU制御部に電気的に接続された表示制御部で変換された表示用データが出力される。
CU制御部には、セキュリティ上の管理を行うホールサーバ1230と通信を行うための外部通信部が設けられている。ホールサーバ1230は、ホールコンピュータ1200と通信可能に接続されている。CU制御部には、パチンコ機2´の払出制御基板とセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板が接続される。このセキュリティ基板は、カードユニット1100のセキュリティ監視機能部である。カードユニット1100には、封入方式パチンコ機2´への接続部が設けられている。これら接続部は、例えばコネクタ等で構成されている。払出制御基板とCU制御部との間ではシリアル通信が行われ、CU制御部とホールサーバ1230とは図示しない台端末を介してシリアル通信が行われる。
遊技者が封入方式パチンコ機2´で遊技を行うときには、封入方式パチンコ機2´又はカードユニット1100に設けられている玉貸ボタンを操作して、使用するプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額の一部又は全部を遊技球数に変換して遊技を開始する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば500円分のプリペイド価値を「125」の遊技球数に変換可能である。「変換」とは、有価価値と遊技価値のデータとしての対応関係を示す概念である。この遊技球数はCU制御部に記憶されると共に、パチンコ機2´の払出制御基板にも送信され、払出制御基板のRAMに記憶される。
払出制御基板は、玉上げスイッチにより遊技球の発射が検出されたときには、RAMで記憶する遊技中玉数(発射後に発射玉検出スイッチにより検出されていない玉数であり、遊技領域に浮遊している浮遊玉の玉数)に1を加算し、減算カウンタ(遊技球数から減算すべき玉数の記憶領域)の値に1を加算する。また、払出制御基板は、主制御基板から入賞信号を受信したときには、入賞信号が示す入賞口に応じた賞球数を加算カウンタ(遊技球数に加算すべき玉数の記憶領域)の値に加算する。また、払出制御基板は、ファール玉検出スイッチによりファール玉が検出されたときには、加算カウンタの値に1を加算し、遊技中玉数から1を減算する。また、払出制御基板は、発射玉検出スイッチにより打込まれた遊技球の回収が検出されたときには、遊技中玉数から1を減算する。
払出制御基板では、このようにして遊技中玉数を管理しており、遊技中玉数が異常値となった場合には、玉詰まりや不正等の可能性があるため、ブザー等により異常を報知する。また、払出制御基板では、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部に対して、更新後の減算カウンタの値(減算玉数)や更新後の加算カウンタの値(加算玉数)を送信する。そして、払出制御基板では、記憶する「遊技球数」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技球数」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部では、減算カウンタの値(減算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算玉数に受信した減算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技球数」から受信した減算玉数を減算する。また、加算カウンタの値(加算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算玉数に受信した加算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技球数」に受信した加算玉数を加算する。
このようにしてCU制御部では「遊技球数」が更新され、この「遊技球数」は表示器1102に表示され、遊技者が確認可能である。なお、CU制御部は、CU制御部で記憶される更新後の「遊技球数」と、払出制御基板から受信した当該払出制御基板で記憶される更新後の「遊技球数」との照合を行い、両者が一致しなければ、エラー状態に移行する制御を行う。なお、封入方式パチンコ機2´が遊技球数等の遊技情報表示用の表示器を備えており、封入方式パチンコ機2´において、払出制御基板が記憶する「遊技球数」が表示されるようにしてもよい。また、封入方式パチンコ機2´の表示器が表示制御部1120に接続されており、その表示器にCU制御部が記憶する「遊技球数」が表示されるようにしてもよい。
「遊技球数」は、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない精算ボタンの操作や、プリペイドカードの返却操作に応じて)、「持玉数」に変換可能である。「持玉数」は、プリペイドカードのカードIDに関連付けて持玉サーバで管理され、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない持玉プレイボタンの操作)に応じて、「遊技球数」に変換可能である。また、会員遊技者の「持玉数」は、当日の営業終了後又は当日の店舗店員の貯玉操作によって「貯玉数」に変換される。
封入方式パチンコ機2´の払出制御基板がCU制御部と電気的に接続されたときには、主制御基板のメインチップに記録されているメインチップIDが、払出制御基板、及びCU制御部を介してホールサーバ1230及びホールコンピュータ1200に送信される。送信されたメインチップIDは、封入方式パチンコ機2´の台番号に関連付けてホールコンピュータ1200で管理される。これによって、封入方式パチンコ機2´の筐体単位ではなく主制御基板単位(遊技盤単位)での遊技情報の管理が可能となる。なお、メインチップIDに当該封入方式パチンコ機2´の機種を特定可能な情報が含まれている場合には、ホールコンピュータ1200において台番号と当該封入方式パチンコ機2の機種を関連付けることも可能となる。
また、CU制御部は、所定のタイミングで(例えば所定の時間間隔毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算玉数及び総減算玉数を送信する。ホールコンピュータ1200はホールサーバ1230と通信して、ホールサーバ1230から受信した総加算玉数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230から受信した総減算玉数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
ここで、遊技機メーカによって、遊技機(封入方式パチンコ機2´、遊技点方式スロットマシン1000’)から出力される出力データのフォーマットが異なるため、CU制御部では、その種々のフォーマットの出力データを、所定のフォーマットに演算(変換)して台端末経由でホールサーバ1230に出力する。その演算(変換)のための設定データは、CU制御部に入力されて記憶されるようになっている。「所定のフォーマット」とは、例えば、送信情報の出力ピンの割当てや信号の出力長さである。
また、ホールコンピュータ1200の仕様や設定によっては、データ受信フォーマットが異なっているため、ホールサーバ1230では、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットを、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するようにしている。
ここで、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチする場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることができる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを通信可能に接続してもよい。
また、仮に、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチしない場合であっても、カードユニット1100とホールコンピュータ1200との間に介在する台端末が、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットをホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するフォーマット変換機能を有する場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることもできる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを台端末を介して通信可能に接続してもよい。
封入方式パチンコ機2´には、第1始動入賞口と第2始動入賞口とが設けられており、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて第1可変表示部において第1特別図柄が可変表示され、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて第2可変表示部において第2特別図柄が可変表示される。そして、第1可変表示部において実行される可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、又は、第2可変表示部において実行される可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときは特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
第2遊技用システム1Bでは、封入方式パチンコ機2´から、例えば、大当り信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、加算玉数信号、減算玉数信号、ハンドル操作信号、発射信号、発射強度検出信号、特定入賞口入賞信号、役物動作信号、先読み信号及びセキュリティ信号が、遊技機信号としてカードユニット1100に出力される。
大当り信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、遊技機機エラー信号は、前述した実施形態で説明した信号と略同一である。
加算玉数信号は、払出制御基板において更新される加算カウントの値が示す加算玉数を示す信号である。
減算玉数信号は、払出制御基板において更新される減算カウントの値が示す減算玉数を示す信号である。
ハンドル操作信号は、封入方式パチンコ機2´のハンドルが遊技者によって操作されたことを検知した場合に出力される信号である。
発射信号は、ハンドル操作に伴い、遊技球が遊技領域に発射された場合に出力される信号であり、例えば、規定球数(例えば10球)の遊技球が発射される毎に、1パルスの信号として出力される。
発射強度検出信号は、遊技者が遊技状態に応じて遊技球を左右に打ち分ける場合に、遊技球の発射領域を特定可能とする信号である。封入方式パチンコ機2´において、第1始動入賞口は、遊技者から見て左側の遊技領域(以下、「左遊技領域」という。)に遊技球を発射する左打ちを行ったときに、遊技者から見て右側の遊技領域(以下、「右遊技領域」という。)に遊技球を発射する右打ちを行ったときよりも高い割合で遊技球が入賞するか、又は、左遊技領域に遊技球を発射した場合にのみ遊技球が入賞可能となっている。また、第2始動入賞口を形成する可変入賞球装置が設けられており、当該可変入賞球装置は可動翼片の傾動制御によって閉鎖状態又は開放状態となり、開放状態において第2始動入賞口への遊技球の入賞が可能となるか、又は、開放状態において閉鎖状態よりも第2始動入賞口への遊技球の入賞が容易となる。
また、左遊技領域及び右遊技領域には、それぞれ遊技球が通過可能な通過領域としての左ゲート及び右ゲートが設けられている。遊技者が左打ちを行っているときには、遊技球が左ゲートを通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置が開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。また、遊技者が右打ちを行っているときには、遊技球が右ゲートを通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置が開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。すなわち、左打ちを行っている場合及び右打ちを行っている場合のいずれにおいても、可変入賞球装置が開放状態となる場合があり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。
また、大当り遊技状態においては、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置(所謂アタッカー)が開放制御され、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。特別可変入賞球装置の開放制御回数又は開放制御期間は大当り種別によって異なる。この特別可変入賞球装置は、左打ちよりも右打ちを行っているときに、誘導部材や遊技釘の配置により、誘導された遊技球が入賞しやすい位置にある。
ここで、高確率状態においては、低確率状態よりも大当り遊技状態となる確率(第1可変表示部及び第2可変表示部の可変表示結果が特定表示結果となる確率)が高められ、高ベース状態においては、低ベース状態よりも普通図柄の可変表示結果として当り図柄が導出表示される確率が高められる(さらに普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置の開放時間が延長されてもよい)ものとする。
遊技者は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)のときは、特別可変入賞球装置が開放されず、右ゲートに遊技球を通過させても可変入賞球装置が高頻度では開放されないため、左遊技領域を狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、当該遊技球を第1始動入賞口に入賞させる。遊技状態が高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)のときには、右ゲートに遊技球を通過させると可変入賞球装置が高頻度で開放されるため、右遊技領域を狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、当該遊技球を第2始動入賞口に入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置が開放されるため、右遊技領域を狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、当該遊技球を特別可変入賞球装置に入賞させる。
ここで、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。この場合に、打球操作ハンドルの回転角度(回転量)を検出し、検出した回転角度の情報を信号レベルにより発射強度を示す発射強度検出信号に変換して出力する発射強度センサを設け、当該発射強度センサからの発射強度検出信号を出力する。このような発射強度センサは、例えば、打球操作ハンドルの回転角度を検出し当該検出角度に応じて定められたレベルのアナログ信号を出力するロータリーエンコーダ及び信号変換出力器により構成される。
カードユニット1100は、封入方式パチンコ機2´から出力される発射強度信号に基づいて、遊技球が発射された発射領域を特定する。具体的には、発射強度が所定の閾値強度未満である場合には、左打ちによって左遊技領域に遊技球が発射されたと特定し、発射強度が所定の閾値強度以上である場合には、右打ちによって右遊技領域に遊技球が発射されたと特定する。
本実施形態では、カードユニット1100が上記の発射領域の特定に用いる閾値強度を、ホールコンピュータ1200がカードユニット1100毎に設定することを可能とし、ホールコンピュータ1200からカードユニット1100それぞれに対して、閾値強度の設定データである閾値強度設定データを配信する。つまり、ホールコンピュータ1200は、発射領域の特定に用いられる情報であって、発射領域を特定可能な信号と関連付けられた設定情報を配信可能な配信装置に相当する。カードユニット1100は、ホールコンピュータ1200から配信される閾値強度設定データを利用して、発射領域を特定する。
特定入賞口入賞信号は、遊技球が特定入賞口に入賞したことを示す信号である。具体的には、遊技球が第1始動入賞口に入賞した時刻や個数を示す信号と、遊技球が第2始動入賞口に入賞した時刻や個数を示す信号とが、それぞれ特定入賞口信号として出力される。特定入賞口毎に、入賞した遊技球の数や時刻を特定することができる点が特徴である。
役物動作信号は、封入方式パチンコ機2´が備える役物の動作を示す信号である。役物には、前述した可変入賞球装置が備える可動翼片等が含まれ、可動翼片が閉鎖状態であることを示す信号と、可動翼片が開放状態であることを示す信号とが、それぞれ役物動作信号として出力される。
先読み信号は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて大当り抽選が行われ、大当りに当選した場合において、可変表示部に特別図柄が可変表示される前に、先読み的に大当りの発生を示唆する信号である。カードユニット1100は、封入方式パチンコ機2´から出力される先読み信号に基づいて、当該封入方式パチンコ機2´で大当りが発生することを、可変表示部において特別図柄が可変表示される前に特定することができる。
本発明をカードユニット1100に適用する場合には、上記の実施形態と同様に、カードユニット1100がカードの返却をロックした後、遊技者による動作であり遊技に関連する所定動作に基づく特定情報を入力したことに基づいて、カードロックを解除すればよい。
この場合、カードユニット1100は、例えば、封入方式パチンコ機2´で遊技を行うための操作に基づき、封入方式パチンコ機2´から出力される信号に基づいて、カードロックを解除するようにすることができる。
具体的には、カードユニット1100は、上記の封入方式パチンコ機2´から出力される信号のうち、例えば、始動信号、加算玉数信号、減算玉数信号、ハンドル操作信号、発射信号、発射強度検出信号、特定入賞口入賞信号、役物動作信号の少なくともいずれかの信号の入力を契機として、カードロックを解除するようにすればよい。
この場合、加算玉数信号及び減算玉数信号は、上記の実施形態で説明したパチンコ機2の賞球信号及びアウト信号にそれぞれ相当するため、上記の実施形態と同様に、加算玉数信号や減算玉数信号の入力をカードロック解除の契機とすることで、カードロックを適切に解除することができる。
また、カードロックが実行された後、遊技者が遊技を再開したような場合には、封入方式パチンコ機2´からハンドル操作信号がすぐに出力されるため、例えば、ハンドル操作信号の入力をカードロック解除の契機とすることで、カードロックを速やかに解除することが可能となる。
同様に、遊技者により遊技が再開されると、封入方式パチンコ機2´から発射信号がすぐに出力されるため、例えば、発射信号の入力をカードロックの解除の契機とすることで、カードロックを速やかに解除することが可能となる。
なお、第2遊技用システム1Bでは、第1遊技用システム1Aとは異なり、各装置間の情報通信に関する設計の自由度を高くすることができる。このため、例えば、カードユニット1100から対応する封入方式パチンコ機2´に対して、カードロック情報やロック事前情報を出力可能に構成し、封入方式パチンコ機2´の表示画面で、カードユニット1100のカードロック情報やロック事前情報を遊技者や店員が確認できるようにしてもよい。
遊技点方式スロットマシン1000´は、封入方式パチンコ機2´と同様に、対応するカードユニット1100によってプリペイド価値を「遊技点」に変換して遊技に使用する。「遊技点」は、封入方式パチンコ機2´における「遊技球数」に当該当する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば1000円分のプリペイド価値を50の遊技点(遊技点1は1枚のメダルに相当する)に変換可能である。この遊技点はCU制御部に記憶される。
このような遊技点方式スロットマシン1000’では、遊技点を用いて賭数を設定する。メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際には、1枚BETスイッチを操作し、遊技状態に応じて定められた最大の賭数を設定する際には、MAXBETスイッチを操作する。スタートスイッチの操作に応じた各リールの回転開始及び各ストップボタンの操作に応じた各リールの回転停止に関しては、メダル投入方式のスロットマシンと同様である。
ここで、スタートスイッチが操作されたときには、設定された賭数に相当する遊技点が減算点数となり、遊技制御基板のRAMに記憶される減算カウンタの値に減算点数が加算される。そして、全てのリールが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せが各リールの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が加算点数となり、遊技制御基板のRAMに記憶される加算カウンタの値に加算点数が加算される。
また、遊技制御基板では、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部に対して、更新後の減算カウンタの値(減算点数)や更新後の加算カウンタの値(加算点数)を送信する。そして、遊技制御基板では、記憶する「遊技点」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技点」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部では、減算カウンタの値(減算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算点数に受信した減算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」から受信した減算点数を減算する。また、加算カウンタの値(加算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算点数に受信した加算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」に受信した加算玉数を加算する。
また、CU制御部は、所定のタイミングで(例えば総加算点数、総減算点数が更新される毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算点数及び総減算点数を送信する。ホールコンピュータ1200は、ホールサーバ1230を介してCU制御部から受信した総加算点数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230を介してCU制御部から受信した総減算点数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
このように、遊技用装置であるカードユニット1100は、遊技機及びホールコンピュータ1200と通信可能であり、遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200に送信する送信手段(CU制御部)を備え、送信手段は遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200向けに変換して送信する又は変換する装置(ホールサーバ、台端末)に中継するための情報変換手段(外部通信部)を備える。
第2遊技用システム1Bでは、遊技点方式スロットマシン1000´から、BET信号、ボーナス信号、ART信号、ART準備信号、レバー操作信号、加算点数信号、減算点数信号及びセキュリティ信号が、スロット信号としてカードユニット1100に出力される。
BET信号は、遊技点を用いて賭数が設定された場合に出力状態とされる信号である。
ART準備信号は、入賞によってART状態に制御されることが決定した場合に出力状態とされる信号である。
通常のスロットマシンは、メイン制御部とサブ制御部との2つの制御部を備え、サブ制御部がART状態の制御を行うのが一般的である。また、メイン制御部からサブ制御へは信号を出力することが可能であるが、サブ制御部からメイン制御部へは信号を出力することができず、信号の流れはメイン制御部からサブ制御部への一方通行であるのが一般的である。このため、通常のスロットマシンでは、メイン制御部はサブ制御部がART状態に制御したことを特定するために、例えば、遊技者のスイッチの押し順に規則性があるか否かを判定し、規則性があると判定した場合に、ART状態に制御されたと特定する必要があった。つまり、メイン制御部は、サブ制御部によりART状態に制御された後でなければ、ART状態に制御されたことを特定することができなかった。
また、通常のスロットマシンでは、メイン制御部に外部出力基板が接続されており、メイン制御部の制御に従って、ART状態に制御されたことを示すART信号を外部出力するのが一般的である。上記のように、メイン制御部は、サブ制御部によりART状態に制御された後でなければART状態に制御されたことを特定することができないため、先読み的にART状態に制御されることを特定可能な信号を外部出力基板から出力させることはできなかった。
しかし、第2遊技用システム1Bにおける遊技点方式スロットマシン1000´は、設計の自由度が高く、サブ制御部に代えて、メイン制御部がART状態に制御するように設計することが可能である。この場合、通常のスロットマシンとは異なり、メイン制御部は、入賞によってARTに制御することを決定した場合に、先読み的にART状態に制御されることを特定可能な信号を外部出力基板から出力させることができる。この信号が、本実施形態におけるART準備信号である。
レバー操作信号は、遊技点方式スロットマシン1000´のレバーが押下された場合に出力される信号である。
加算点数信号は、前述した遊技制御基板において更新される加算カウントの値が示す加算点数を示す信号である。
減算点数信号は、前述した遊技制御基板において更新される減算カウントの値が示す減算点数を示す信号である。
この場合も、カードユニット1100は、例えば、遊技者による遊技点方式スロットマシン1000´で遊技を行うための操作に基づき、遊技点方式スロットマシン1000´から出力される上記の各種の信号に基づいて、カードロックを解除するようにすることができる。
[2−2.遊技用装置]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技用装置を、計数払出ユニット348を備えるカードユニット3(いわゆる各台計数器)として説明したが、計数払出ユニット348を備えないカードユニットを本発明に係る遊技用装置としてもよい。また、上記の実施形態のように、筐体前面に手前側に突出するように形成された表示部312を備えるカードユニットに限らず、筐体前面と面一に形成された表示部を備えるカードユニットを本発明に係る遊技用装置としてもよい。
[2−3.管理装置]
上記の実施形態では、店舗内にシステムコントローラ100やホールコンピュータ140、管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の管理装置を備えることとして説明した。しかし、これはあくまでも一例に過ぎず、これらの管理装置の一部又は全部の機能を集約した管理装置を設置するようにしてもよい。
[2−4.記録媒体]
本発明に係る記録媒体は、カードユニット等の遊技用装置に挿入して使用可能なカードに限られるわけではなく、例えば、非接触式通信によってユニットが受付可能なICチップが内蔵されたIC対応カードとしてもよい。
この場合は、例えば遊技用装置の前面にICカードリーダライタを構成し、遊技者がIC対応カードをICリーダライタに翳すことによって、IC対応カードの受付及び解除を行うようにすればよい。カードロックやカードロック解除については、上記の実施形態と同様である。
[2−5.遊技機信号]
上記の実施形態において、各入賞口又はアウト口を通過した遊技球を検知するためのアウトスイッチをパチンコ機2に構成し、アウトスイッチが検知した遊技球の個数が規定球数(例えば10球)に達する毎に、1パルスのアウト信号をパチンコ機2から直接的にカードユニット3、1100等の外部装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、パチンコ機2から1パルスの賞球信号を出力する際の第1規定球数を「10球」として説明したが、必ずしもこのように構成しなければならないわけではなく、第1規定球数を「1球」としてもよい。同様に、アウト信号についても、第2規定球数を「1球」としてもよい。
[2−6.設定用データの生成]
上記の実施形態では、管理コンピュータ150が、各遊技島それぞれについて、当該遊技島に設置されるカードユニット3用の島別ユニット設定用データ329を生成し、生成した島別ユニット設定用データ329を、対応する遊技島に配置される島コンピュータ4に出力し、島コンピュータ4を介して当該遊技島に設置されるカードユニット3に出力することとして説明した。
しかし、このようにするのではなく、各遊技島それぞれに配置される島コンピュータ4が、当該遊技島に設置されるカードユニット3用の島別ユニット設定用データ329を生成し、当該遊技島のカードユニット3に出力するようにしてもよい。つまり、管理コンピュータ150ではなく、島コンピュータ4が島別ユニット設定用データ329を生成するようにしてもよい。この場合には、上記の実施形態と同様の手法で、島コンピュータ4に島別ユニット設定用データ329を生成させることができる。
また、設定用データの生成は、上記の実施形態のように遊技島単位で行ってもよいし、対応する遊技機の機種に応じた機種単位で行ってもよい。また、隣接する数台のユニット単位で行ってもよいし、ユニット毎に個別に行ってもよい。
[2−7.設定方法]
上記の実施形態のように、管理装置(上位装置)で生成した設定用データを用いてカードユニット3に設定を実行させるのではなく、店舗の管理者や店員が、カードユニット3に設けられた操作ボタンやタッチパネル等の操作部を用いて設定操作を行ったり、カードユニット3にディップスイッチ等のスイッチを設けておいてこれを切り替えることで、カードユニット3が上記の実施形態で説明した設定を行うことを可能としてもよい。
また、店舗の管理者や店員が、所持している設定用リモコンを用いてカードユニット3に設定情報を送信することによって、カードユニット3が上記の実施形態で説明した設定を行うことを可能としてもよい。
また、上記の実施形態では、カードユニット3が、カード挿入時、カードの受付中、カード返却操作時の3種類の契機でユニットカメラ306に撮像を行わせることとして説明した。しかし、ユニットカメラ306に撮像を行わせる契機やタイミングは自由に設定することができる。例えば、上記の実施形態とは異なり、カード挿入時とカード返却操作時との2種類の契機でユニットカメラ306に撮像を行わせるようにしてもよい。
また、カードの受付中にユニットカメラ306に撮像を行わせる場合において、撮像を行わせる時間間隔(撮像時間間隔、顔画像のサンプル間隔)は自由に設定することができる。撮像時間間隔が短いほど、得られる撮像画像データの数が多くなるため、顔認証の精度を向上させることができる。
具体的には、例えば、カードロックを実行した回数をカードユニット3毎に集計して記憶しておく。そして、カードロックを実行した回数が多いカードユニット3ほど、撮像時間間隔として短い時間を設定するようにしてもよい。
また、この他にも、例えば、人気のある遊技機に対応して設けられるカードユニット3については遊技者の入れ替わりが多くなる傾向がある。このため、人気のある遊技機に対応して設けられるカードユニット3については、人気のない遊技機に対応して設けられるカードユニット3よりも、撮像時間間隔として短い時間を設定するようにしてもよい。
[2−8.分配器]
上記の実施形態では、アウト玉計数器16から出力されるアウト信号が、分配器18を介してカードユニット3、呼出ランプ装置及びホールコンピュータ140に出力されることとして説明した。しかし、分配器18を設置しないようにして、アウト玉計数器16からカードユニット3にアウト信号が入力されないようにしてもよい。
この場合には、前述したロック解除条件から「アウト信号入力(アウト玉計数器)」を除外すればよく、分配器18を設置せずとも、他の種別のロック解除条件の成立に基づいて、カードユニット3はカードロックを解除することが可能となる。
また、店舗によっては、分配器を設置する店舗もあれば、分配器を設置しない店舗もあると考えられる。このため、分配器を設置する店舗については、上記の実施形態と同様に、アウト信号の入力をロック解除条件として設定可能とし、分配器を設置しない店舗については、アウト信号の入力をロック解除条件として設定しないようにしてもよい。
また、分配器18を設置しないケースにおいて、例えば、カードユニット3に対して所定時間無操作であることを検知した場合に、カードユニット3が、カードロックを実行せず、カードの返却等を保留する保留状態に制御するようにしてもよい。
保留状態では、ロック状態とは異なり、例えば、入金操作(紙幣の投入)、玉貸し操作(残額消費)、貯玉/持玉の払出操作(再プレイ操作)を有効とし、これらのいずれかの操作がなされた場合に、保留状態を解除するようにする。また、保留状態に制御した場合には、例えば、(1)カード返却促進画面の表示処理、(2)カード返却操作に応じたカード返却確認画面の表示処理、等の処理を実行する。
(1)の表示処理では、保留状態に制御したタイミングで、例えば「カードのご利用が一定時間ありませんでした。お取り忘れにご注意ください。」といったメッセージを表示部312に表示させ、遊技者にカードを取り出すように促す。そして、上記のいずれかの操作がなされた場合に、保留状態を解除して、再び一定時間無操作であるかの監視状態に戻る。
(2)の表示処理では、保留状態に制御した後にカード返却操作がなされたタイミングで、例えば遊技者がタッチ可能な「OKボタン」とともに「OKボタンを押すとカードが返却されます。」といったメッセージを表示部312に表示させ、「OKボタン」がタッチされたことを検知した場合に、保留状態を解除して、受付中のカードを返却する。つまり、カード返却操作のみでは受付中のカードを返却せず、カード返却操作がなされた後に、OKボタンをタッチする操作がなされたことをもって、受付中のカードを返却する。つまり、多重認証によるカード返却処理を実行してもよい。
なお、この多重認証によるカード返却処理において、さらに、暗証登録内容の入力をカード返却の条件として追加し、「カード返却操作+OK操作+暗証登録内容入力操作」の条件の成立に応じて、受付中のカードを返却するようにしてもよい。また、ユニットカメラ306によって撮像された撮像画像に基づく顔照合処理をカード返却の条件として追加し、「カード返却操作+OK操作+遊技者の顔が一致」の条件の成立に応じて、受付中のカードを返却するようにしてもよい。
[2−9.所定時間/特定時間の設定]
上記の実施形態では、ロック時間(所定時間)と事前出力時間(特定時間)との両方の時間を設定可能として説明したが、ロック時間と事前出力時間とのうちのいずれか一方の時間のみを設定可能としてもよい。つまり、ロック時間と事前出力時間とのうちのいずれか一方の時間については、固定的な時間(不変な時間)として予め定めておくこととしてもよい。
[2−10.監視カメラシステム]
上記の実施形態において、店舗に設置される監視カメラシステムを構成する監視カメラ(店舗の天井等に設置される監視カメラ)で、各パチンコ機2で遊技している遊技者を撮像し、監視カメラによって撮像された撮像画像に基づいて、上位装置が、前述した遊技者不在判定処理や遊技者一致判定処理を実行するようにしてもよい。
この場合、遊技者不在判定処理については、例えば、監視カメラシステムに接続されたホールコンピュータ140が、カードが挿入されたカードユニット3について、監視カメラによって撮像された撮像画像(映像)に基づいて、遊技者の顔を検知できない時間が予め定められた設定時間(例えば10分〜30分の範囲で設定された時間)を超えたか否かを判定する。そして、超えたと判定した場合に、カードロックを指示する信号を当該カードユニット3に出力して、当該カードユニット3にカードロックを実行させるようにしてもよい。
また、遊技者一致判定処理については、例えば、監視カメラシステムに接続されたホールコンピュータ140が、カードが挿入されたカードユニット3について、監視カメラによって撮像された撮像画像(映像)に基づいて、カード挿入時における遊技者の顔とカード返却操作時における遊技者の顔とが一致しているか否かを判定する。そして、一致していないと判定した場合に、カードロックを指示する信号を当該カードユニット3に出力して、当該カードユニット3にカードロックを実行させるようにしてもよい。
[2−11.要注意人物の登録]
上記の実施形態において、カードの抜き取り・窃盗等を行う危険性のある人物を要注意人物として上位装置に登録しておくようにしてもよい。
具体的には、上記の実施形態において、E23の遊技者一致判定処理において遊技者が一致しないと判定した場合に実行されるカードロック処理E29で、カードユニット3が、前述したようにエラー情報と併せてカード返却操作時に撮像された撮像画像データや特徴量データを、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の上位装置に出力する。
そして、これらの上位装置が、カードユニット3から送信された撮像画像から特定される人物を、要注意人物として要注意人物データベースに登録するようにしてもよい。また、この場合、例えばホールコンピュータ140が、要注意人物として特定した人物の顔画像データや特徴量データを、通信回線11を介してカード管理会社に設置された管理サーバ12に送信して登録させるようにしてもよい。
また、要注意人物の登録や要注意人物の検知を、以下のようにして実現してもよい。
1つの方法としては、例えば、ホールコンピュータ140→管理コンピュータ150→カードユニット3の流れで、顔画像を撮像する指示信号をカードユニット3に出力し、カードユニット3がユニットカメラ306によって撮像された撮像画像データ及び特徴量データをホールコンピュータ140に返すようにする。そして、ホールコンピュータ140側で、撮像画像データ及び特徴量データを要注意人物としてリスト登録する。
この場合、カードユニット3がユニットカメラ306で撮像した撮像画像から抽出した特徴量データを、カードユニット3→管理コンピュータ150→ホールコンピュータ140の流れでホールコンピュータ140に出力し、ホールコンピュータ140が、登録されている要注意人物のリストと照合する。そして、一致すると判定した場合には、ホールコンピュータ140→管理コンピュータ150→カードユニット3の流れで、再度の撮像を指示する指示信号をカードユニット3に出力し、カードユニット3がユニットカメラ306で遊技者を撮像した上で、エラー情報と併せて撮像画像データをホールコンピュータ140に返すようにしてもよい。
そして、ホールコンピュータ140が、監視カメラシステムや店員が装着するインカム装置に対してアラーム情報を送信したり、カードユニット3から入力した撮像画像データを監視カメラシステムに送信する処理を実行するなどしてもよい。このようにすることで、監視カメラシステム側で、要注意人物を監視することができ、カードの盗難等を未然に防止することが可能となる。
また、別の手法としては、店舗の店員や管理者が、監視カメラシステムの監視カメラ等で要注意人物として登録されている人物を目視で確認した場合に、監視カメラシステム→ホールコンピュータ140→管理コンピュータ150→カードユニット3の流れで、顔画像を撮像する指示信号をカードユニット3に出力し、カードユニット3がユニットカメラ306によって撮像された撮像画像データ及び顔IDを監視カメラシステムに返すようにする。そして、監視カメラシステムが、撮像画像データ及び顔IDを要注意人物としてリスト登録する。
この場合、カードユニット3がユニットカメラ306で撮像した撮像画像データ及び顔IDを、カードユニット3→管理コンピュータ150→ホールコンピュータ140→監視カメラシステムの流れで監視カメラシステムに出力し、監視カメラシステムが、登録されている要注意人物のリストと照合する。そして、一致すると判定した場合には、監視カメラシステム側で、当該要注意人物の自動追跡を実行したり、店員が装着しているインカム装置にアラームを出力するようにしてもよい。この場合にも、監視カメラシステム側で、要注意人物を監視することができ、カードの盗難等を未然に防止することが可能となる。
[2−12.遊技者一致判定処理、遊技者不在判定処理]
上記の実施形態では、カードユニット3が、ユニットカメラ306による撮像画像に基づいて、カードの受付時に撮像された撮像画像から特定される遊技者の顔と、カード返却操作時に撮像された撮像画像から特定される遊技者の顔とが一致しているか否かを判定する遊技者一致判定処理や、ユニットカメラ306から撮像時間間隔毎に出力される撮像画像に基づいて、遊技者の顔を検知できない時間が予め定められた設定時間を超えたか否かに基づいて遊技者が不在となったか否かを判定する遊技者不在判定処理を実行することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、管理コンピュータ150等の管理装置が、上記の遊技者一致判定処理や遊技者不在判定処理を実行するようにしてもよい。
具体的には、管理コンピュータ150の処理部152は、カードユニット3のユニットカメラ306によって撮像された撮像画像や、監視カメラシステムの監視カメラによって撮像された撮像画像に基づいて、カードユニット3毎に、当該カードユニット3が受け付けたカードのカードIDと対応付けて、照合用の撮像画像のデータ(例えば図23の照合用撮像画像データセット)を生成して、記憶部158(例えば撮像画像データベース159)に記憶させる。
そして、処理部152は、各カードユニット3それぞれについて、当該カードユニット3のユニットカメラ306や監視カメラの撮像画像に基づいて、当該カードユニット3のカード受付時における遊技者の顔とカード返却操作時における遊技者の顔とが一致しているか否かを判定する遊技者一致判定処理を実行する。そして、処理部152は、遊技者が一致しないと判定した場合には、当該カードユニット3に対してエラー通知や遊技者不一致通知、カードロック通知を行うなどして、当該カードユニット3にカードロックを実行させるようにすればよい。
同様に、処理部152は、各カードユニット3それぞれについて、当該カードユニット3のユニットカメラ306や監視カメラの撮像画像に基づいて、当該カードユニット3について遊技者の顔を検知できない時間が予め定められた設定時間を超えたか否かに基づいて遊技者が不在となったか否かを判定する遊技者不在判定処理を実行する。そして、処理部152は、遊技者が不在となったと判定した場合には、当該カードユニット3に対してエラー通知や遊技者不在通知、カードロック通知を行うなどして、当該カードユニット3にカードロックを実行させるようにすればよい。
[2−13.事前出力設定]
上記の実施形態において、カードユニット3が備える事前出力機能について、同じくカードユニット3が備えるカードロック機能と連動してON/OFFを設定するようにしてもよい。つまり、カードロック機能がONに設定される場合には、これと連動するように事前出力機能もONに設定し、カードロック機能がOFFに設定される場合には、これと連動するように事前出力機能もOFFに設定するようにしてもよい。
また、カードロック機能がOFFに設定された場合であっても、事前出力機能はONに設定するようにしてもよい。但し、カードロック機能がOFFに設定される場合にはカードロックが実行されないため、この場合における事前出力種別には、上記の実施形態で説明したカードロック予告情報出力やカードロック予告報知を含めず、カードの取り忘れの可能性を店舗の管理者に通知するためのカード取り忘れ情報出力や、カードの取り忘れを遊技者に注意喚起するためのカード取り忘れ注意喚起報知、カードの回収を店舗の管理者に通知するためのカード回収促進情報出力、カードの回収を店舗の管理者に促すためのカード回収促進報知等の事前出力種別を含めればよい。
また、上記とは逆に、カードロック機能がONに設定された場合であっても、事前出力機能をOFFに設定するようにしてもよい。
また、ビジターカードに持玉も残額も存在しない場合には、カード返却操作がなされた場合であっても、ビジターカードは返却されずに回収される。このため、カードユニット3が、ビジターカードに持玉も残額も存在しないと判定した場合には、カードロックを実行しないように設定するようにしてもよい。カードロックを実行しないため、この場合には、当該ビジターカードは回収対象外とし、事前出力も実行しないようにしてもよい。
[2−14.報知手段]
上記の実施形態では、カードユニット3の表示部312を報知手段として、カードロック報知やロック事前報知等の各種の報知を行うこととして説明した。しかし、この他にも、例えば、カードユニット3の音出力部350を報知手段として機能させてもよい。つまり、カードロック報知やロック事前報知等の各種の報知を、音出力部350からの音声の出力等によって実現してもよい。
また、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の管理装置に、上記の各種の報知を行う報知手段を設けてもよい。上記の実施形態のように、カードユニット3の表示部にロック事前情報を表示させた場合、例えば、悪意のある人物が、カードロックが実行される前にカードを抜き取ってしまうような事態が生ずることが想定される。
そこで、カードユニット3にはロック事前情報を表示させず、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4等の管理装置の表示部に、ユニットIDと対応付けてロック事前情報を表示させるようにしてもよい。
このようにすることで、店舗の管理者は、ユニットIDと併せてカードの取り忘れの可能性があることをインカム等を介して店員に通知することが可能となり、店員はそのカードユニット3に出向いて、カードを速やかに回収することが可能となる。
[2−15.盗難防止機能]
上記の実施形態において、カードユニット3において、店舗の店員や管理者が、カードの盗難防止機能に関する登録を行うことを可能としてもよい。例えば、カードユニット3へのリモコン操作によって、カードユニット3の表示部312に、カードの盗難防止機能に関する登録画面を表示させる。この登録画面には、例えば、盗難防止機能の有効/無効の項目や、盗難防止機能を適用する範囲(遊技島単位や対応する遊技機の機種単位、隣接する数台のユニット単位、ユニット単独)の選択の項目を表示させ、この登録画面において、店員や管理者が、いずれの範囲のカードユニットに盗難防止機能を有効とさせるかを登録して、カードユニット3に設定を行わせるようにしてもよい。
このようにすることで、ホールコンピュータ140や管理コンピュータ150、島コンピュータ4といった管理装置側でカードユニット3の盗難防止機能に関する設定用データを生成する必要がなくなり、カードユニット3に対する登録・設定のみによって、カードユニット3に盗難防止に関する処理を実行させることができる。