JP2018116573A - 申告書作成システム、申告書作成方法、申告書作成プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】所得税を申告する際に、複数の寄附金種類と税額の控除方式の組み合わせがある中で、試算リストを作成して控除方式を判断したり、提出すべき帳表を自動設定するシステムを提供する。【解決手段】 申告書作成システムは、複数の顧問先について、所得税の申告書のデータ入力と、支出した寄附金データの入力を受け付け、申告書の作成の際に、入力した寄附金データを調べ、支出した寄附金の種類と、税額の控除方式の組み合わせであり得るパターンを導出する手段を備え、導出したパターンについて、控除金額を算出して、差引所得税額を算定した試算リストを生成する手段と、差引所得税額が有利な順番にソートした画面を表示する手段とを備え、選択した控除パターンについて提出すべき帳票を自動設定する手段を備える。【選択図】図2A

Description

本発明は、所得税を申告する際に、複数の寄附金種類と、寄附金種類ごとに税控除を受けるための申告方式として税額控除と所得控除の2つがある中で、どの方式で控除を受けるかの判断をするために、寄附金種類ごとに控除パターン毎の控除金額を試算する画面表示や帳表出力に関し、併せて、試算した画面表示等に基づいて、決定した申告方式に沿った提出すべき帳表(申告書等)を自動設定すること、に関する。
従来より、例えば、特許文献1に記載の発明のように、税申告の際に、扶養者控除や保険料控除ないし医療費控除の内容を確認して、申告データを確定するためのシステムがあった。
特開2004−151814号公報
所得税を申告する際に、寄附金を支出した場合に税金を控除する手続を取ることができるが、寄附金の種類も多く、かつ寄附金毎に税控除を受けるための申告方式として税額控除と所得控除の2つがある中で、さらに所得金額や寄附金額との関係で控除される額が変動するので、どの方式で控除を受けるのが有利であるかの判断が困難であった。
この点、特許文献1に記載のシステムでは、扶養者控除や保険料控除ないし医療費控除などの種類に応じて、固定的な申告方式が定められているだけなので、寄附金のように、所得金額に対して一定の比率で算定した基準額に基づいて控除されるのか(所得控除)、あるいは寄附金の金額に対して一定の比率で算定した基準額に基づいて控除されるのか(税額控除)、といった申告方式が複数あるような場合に、かつ複数の寄附金の種類が組み合わさった場合に、それぞれの寄附金の種類ごとに、どの申告方式を採用するのが有利であるか、を判定するのには利用できなかった。
また、寄附金毎に税控除を受けるための申告方式として税額控除と所得控除の2つがある中で、申告方式に応じて、提出する帳表(申告書、証明書を含む)も異なるため、試算した結果、どの申告方式で申告するかの判断を変えた場合、帳表を選択して新たに連動し直す等の手間が必要であり、特許文献1のシステムでは対応することができなかった。
また、寄附金を支出して、申告書類を作成する際に、それぞれの寄附金の種類ごとに、どの申告方式を採用するのが有利であるか、を判定するのに、エクセルの計算シートで、寄附金の種類ごと、申告方式ごとに、控除額を計算することができるが、申告方式の各パターンを個別に計算する場合は、寄附金の種類ごとに申告方式(所得控除か税額控除か)を入力する必要があったり、申告方式のパターンを一括で計算する場合でも、必要となる基礎データ(所得金額合計、課税される所得金額など)との連動や、支出した寄附金を入力するグラフィカルユーザーインターフェース(以下「GUI」と略す)(寄附金リスト形式入力/寄附金明細形式入力など)との連動ができず、いちいち、エクセルの計算シートに転記するなどの入力オペレーションの手間が掛かっていた。
また、試算結果を一覧表で表示した際の画面構成の自由度が無く、寄附金額を変えて再計算する際にも、変更前の寄附金額の欄に上書き入力するか、連動元の寄附金額を変更するかしかないので、変更前の寄附金額を保存する手段が無く、再計算前の計算結果との比較は容易ではない等の不都合があった。
上記課題を解決すべく、本発明の一実施形態は、第1の発明が、税申告のために必要なデータを入力または入力済みのデータと連動して、提出する税申告データを作成する税申告データ作成システムであって、課税およびまたは税控除の対象となるデータの入力を受け付けるか、または入力済みのデータと連動する手段と、税控除の対象となるデータのうち、税控除の対象となる寄附金データに関して、複数の寄附金データの種類を識別するために、寄附金の種類を区別するための寄附金種類情報を記憶する手段と、寄附金種類情報のうち、申告方式として所得控除および税額控除の両方が対象となる複数の種類情報を記憶すると共に、当該複数の寄附金種類に対し、それぞれ所得控除および税額控除の対象となる場合のパターンを記憶する控除パターン記憶手段と、複数の寄附金データについて、申告方式が所得控除および税額控除の対象となる寄附金種類情報ごとに、控除金額を算出する控除計算手段と、複数の寄附金種類について、所得控除または税額控除の対象となった場合に提出が必要となる帳表をそれぞれ対応付けて記憶した出力帳表設定手段と、を備え、寄附金データの入力を受け付ける際に、前記寄附金種類情報と対応付けて格納する寄附金データ入力手段と、入力した寄附金データのうち、所得控除計算および税額控除計算の対象となる寄附金データを収集して、寄附金データに対応付けられた寄附金種類情報と、前記控除パターン記憶手段とに基づいて、複数の寄附金種類に対して、申告方式が所得控除または税額控除のいずれを採用するかの組み合わせについて、あり得る組み合わせのパターンを導出する手段と、導出した申告方式の組み合わせパターンについて、控除計算手段を適用して、寄附金種類ごとに控除金額を算出して差引所得税額を算出し、差引所得税額が有利な順番にソートした試算リストを作成する試算リスト作成手段と、試算リストの中で選択した申告方式のパターンについて、出力帳表設定手段に基づいて、出力が必要となる帳表を設定し、設定した帳表に、税申告のために必要なデータを入力または入力済みのデータを連動すると共に、前記試算した寄附金種類ごとの控除金額を連動する、出力帳表連動手段と、を備えたことを特徴とする。
また、第2の発明が、第1の発明に記載の税申告データ作成システムにおいて、さらに、顧問先毎に寄附金種類ごと寄附金の証明書を受領したことを確認する証明書管理手段を備え、寄附金データの入力を受け付ける際に、寄附金種類ごと、証明書の有無を調べて、証明書が取得されていない場合には、寄附金データの入力を保留または、受付を拒否する、寄附金証明書チェック手段を備えたこと、を特徴とする。
また、第3の発明が、第1の発明に記載の税申告データ作成システムにおいて、さらに、試算リストを基に寄附金有利判定試算結果表示画面を表示し、寄附金有利判定試算結果表示画面において、寄附金データ項目に対する入力を直接受け付ける手段と、受け付けた寄附金データについて、前記控除計算手段を適用して、寄附金種類ごとに控除金額をあらためて算出して、差引所得税額が有利な順番にソートした再試算リストを作成する再試算リスト作成手段を備えたこと、を特徴とする。
本発明によれば、所得税を申告する際に、複数の寄附金種類と、寄附金種類ごとに税控除を受けるための申告方式として税額控除と所得控除の2つがある中で、どの方式で控除を受けるかの判断をするために、寄附金種類の入力の有無を調べて、入力済みの寄附金種類ごとに、控除パターンを切り換えて、控除金額を試算して差引所得税額を算出し、必要な控除パターンについて差引所得税額が記載された試算リストを生成することができる。
また、生成した試算リストを表示して、その中から所望の控除パターンを選択することで、選択した申告方式に沿った提出すべき帳表(申告書等)を自動設定すること、ができ、申告書類の漏れを無くすことができる。
図1は、システム構成図であり、(A)スタンドアローン構成、(B)クライアントサーバー構成、(C)クラウド構成の3種の構成を示したものである。
図2は、機能ブロック図であり、(A)スタンドアローン構成、(B)クライアントサーバー構成、(C)クラウド構成の3種の構成を示したものである。
図3Aは、寄附金控除試算〜出力帳表セット機能を実現するまでの全体処理フローを示した図である。
図3Bは、寄附金証明書自動チェックサブルーチンの処理フローを示した図である。
図3Cは、入力した寄附金種類を判定して、入力した寄附金種類に応じて試算するサブルーチンの処理フローを示した図である。
図4−1は、寄附金の種類を管理する寄附金種類テーブルである。
図4−2は、寄附金の申告方式(税額控除または所得控除)ごとに控除金額を算出するための控除計算テーブルであり、(A)所得控除計算のための控除計算テーブルと、(B)税額控除計算のための控除計算テーブルについて、それぞれのテーブルを示した図である。
図4−3は、寄附金の種類ごと、寄附金の申告方式(税額控除または所得控除)ごとに控除できるパターンを判定するための寄附金控除パターンテーブルである。
図4−4は、顧問先毎に、寄附金種類毎に、寄附があったことを証明する証明書を管理する寄附金種類毎の証明書管理テーブルである。
図4−5は、寄附金の種類ごと、寄附金の申告方式(税額控除または所得控除)ごとに提出が必要となる帳表を出力するための出力帳表判定テーブルである。
図4−6は、顧問先毎の出力帳表管理テーブル(年度毎)である。
図5−1は、寄附金種類を選択して入力(管理)するための寄附金種類選択画面である。
図5−2は、選択した寄附金種類ごとに、寄附金の内容、金額等を入力するための寄附金入力画面であり、支出した寄附金をリスト形式で入力するための画面構成例を示す。
図5−3は、入力した、寄附金種類ごとに、あり得る申告方式(税額控除または所得控除)のパターンについて、控除金額を試算して、差引所得税額を算出することで、どの申告パターンが有利であるかを判定するための寄附金有利判定試算結果表示画面の例を示した図である。
なお、図示はしないが、この試算リストを生成するために必要となる、寄附金有利判定試算結果表示画面の各項目の基礎データは、顧問先毎に記憶部で管理されている。
図5−4は、図5−3の寄附金有利判定試算結果表示画面において、所定の項目の金額を編集した場合に、上下に、編集前と編集後の試算結果を表示した図である。
図6−1〜図6−5は、設定した出力帳表の構成を示す図であり、それぞれ、申告書第1表、申告書第2表、政党等寄附金特別控除の計算明細書(税額控除で出力用)、認定NPO法人等寄附金特別控除の計算明細書(税額控除で出力用)、公益社団法人等寄附金特別控除の計算明細書(税額控除で出力用)の構成例を示す図である。
1.システムの一実施例の構成
本発明のシステム構成は、図1に示すように、(A)スタンドアローン構成、(B)クライアントサーバー構成、(C)クラウド構成の3種の構成がある。
システムの構成要素は、スタンドアローン構成では、クライアントPC10があり、クライアントPCで処理を完結する構成である。
クライアントサーバー構成では、サーバー100とWS端末20によって構成され、操作者がWS端末20を操作してデータ入力、画面表示、出力操作等を行ない、サーバー100が、WS端末20から操作情報やデータ操作を受けて、サーバー100の各機能部によって処理をして端末に返信するといった、両者の連携によって処理を行なう構成である。クライアントサーバー構成は、会計事務所や企業の経理部門などで利用される類型であるが、これに限られない。
クラウド構成は、サーバーがクラウド側に構築された構成例であり、処理内容としては、クライアントサーバー構成と同様である。
2.各構成要素の機能ブロック
各構成要素の機能ブロック図を、図2に示す。それぞれ、(A)スタンドアローン構成におけるクライアントPC10の機能ブロック図、(B)クライアントサーバー構成、(C)クラウド構成の3種の構成を示したものである。
2−1.スタンドアローン構成におけるクライアントPC10の機能ブロック構成
クライアントPC10では、KBやマウス等の入力操作ないし、モバイル端末であればジェスチャー操作などを受け付ける入力部11があり、画面や印刷出力などを行なう出力部12がある。
また、記憶部に保存されるプログラムコードをRAM(ランダムアクセスメモリ)上に展開して、中央処理装置(CPU)によってプログラムを実行することによって、制御部14の各機能部の処理が行なわれる。
通信部13は、外部とのネットワークとの通信処理を行なう。
記憶部15には、入力した寄附金データや、寄附金種類テーブル、申告データ、帳表データなどが格納される。
なお、図示はしないが、記憶部の申告データ格納部、帳表データ格納部、寄附金データ格納部、寄附金証明書格納部、寄附金特別控除の計算明細書データ格納部などは、顧問先毎、年度毎に記録され、管理されている。
2−2.クライアントサーバー構成、およびクラウド構成の機能ブロック
図2(B)(C)は、クライアントサーバー構成、およびクラウド構成の機能ブロックを示す図である。
図2(A)の各機能部が、サーバー100ないしクラウド200に構成されたものとなっており、ネットワークを介して、WS端末20からの操作を受け付けて、制御部140(ないし240)の各機能部が記憶部150(ないし250)のデータを利用して処理を実行する。
なお、クラウド構成では、仮想サーバーや、仮想PCなど様々なタイプを利用することができる。
3.処理フロー
3−1.全体処理フロー
図3Aは、本発明の申告書作成システムの、全体処理フローを示す図である。
会計事務所の職員や税理士など専門知識を持った者や、企業の経理担当者のほか、個人事業主などの操作者が、クライアントPC10や、WS端末20等を操作して、クライアントPC10ないしサーバー100あるいはクラウド200の制御部ないし記憶部により、処理が進められていく際の、全体処理フローを示している。
まず、所得税確定申告書の作成に必要な各種のデータ入力が行なわれる(ステップS3A−1)。
そして、寄附金データの入力を行なう際に、操作者を補助するために、寄附金の種類を示して入力ができるように、システムの制御部は、寄附金種類テーブル(図4−1)を参照して、寄附金種類選択画面(図5−1)を作成して表示し、操作者の寄附金選択の入力を受け付ける(ステップS3A−2)。
寄附金種類の選択により、寄附金の種類毎に記憶部に用意された寄附金入力の画面情報等を読み出して、寄附金入力画面(図5−2)を生成、表示して、操作者に示し、操作者は、選択した寄附金種類について、寄附年月日や寄附先の情報、金額などを入力していく(ステップS3A−3)。
図5−2では、寄附金リスト形式で入力した場合を主に示しているが、支出した寄附金を1種ずつ明細形式で入力することも可能である。
システムの制御部は、入力を受けて、控除金額の試算等のデータ処理、あるいは帳表への転記や連動処理及び記憶部への登録などを行なう。
本システムによれば、寄附金入力の際に、寄附金証明書自動チェックサブルーチン(図3B)が起動し、システムの制御部(寄附金証明書チェック部)が、ある顧問先の寄附金の入力をする際に、顧問先毎の寄附金種類毎の証明書管理テーブル(図4−4)を参照することで、寄附をしたことを証明する証明書の有無を自動チェックすることができる(ステップS3A−4)。寄附金証明書自動チェックサブルーチン(図3B)の詳細は後述する。
寄附金の支出があったことを証明する証明書のイメージも、寄附金データと紐付けしておくことで、確かに証明書を取得したことを間接的に確認する趣旨である。
なお、顧問先毎の寄附金種類毎の証明書管理に際しては、寄附金を支出した際の証明書をスキャナやモバイル端末のカメラ等でスキャンして、システムの制御部(寄附金証明書管理部)が、顧問先ごと、寄附金種類毎に、IDを振って、証明書のイメージを管理することで実現できる。
この管理の一例として、顧問先毎の出力帳表管理テーブル(年度毎)(図4−6)に、提出すべき申告書や明細書等の帳表と共に、証明書のイメージにIDを割り振って、顧問先毎、年度毎に管理する様子を示した。
顧問先を多く抱える会計事務所の職員などが利用する場合には、顧問先の申告に間違いがないようにすることが求められ、このような機能があることで、入力のオペレーションの適正化が可能となると共に、多くの顧問先毎の証明書の確認作業など大幅な確認負担の軽減を図ることができる。
ここで、もし、寄附金の証明書がない場合には、入力を完結できない保留ないし途中であることを示すステータスを付与し、後に申告書を提出する際に、ワーニングを表示することができる。あるいは、入力を一時中断させ、証明書の取得を登録するまで入力を保留にすることもできる。これにより、証明書がないことで控除が受けられないという不都合を防止することができる。
ここで、図示はしないが、寄附金データ入力は、上記のような寄附金の種類(特定寄附金(次の3種を除く)、政党等寄附金、認定NPO法人等寄附金、公益社団法人等寄附金など)を選択するだけでなく、寄附金の種類のさらに詳細情報を入力して行なうようにしてもよい。
例えば、寄附の種類が「認定NPO法人等寄附金」の場合は、寄附金の種類の詳細情報として「1=都道府県、市町村」、あるいは「2=都道府県」などを選択できるようにして、入力オペレーションの軽減を図るようにしても良い。
あるいは、寄附の種類が、特定寄附金の中の「日本赤十字社支部に対する寄附金」の場合や「共同募金会支部に関する寄附金」の場合には、「1=震災に係る義援金等」、「2=住所地の寄附先」、「3=住所地以外の寄附先」などを選択できるようにして、入力オペレーションの軽減を図るようにしても良い。
あるいは、寄附の種類が「認定NPO法人等寄附金」の場合や「公益社団法人等寄附金」の場合は、「1=住所地の都道府県及び市区町村の両方が条例により指定した寄附金」、「2=住所地の都道府県のみが条例により指定した寄附金」、「3=住所地の市区町村のみが条例により指定した寄附金」、「0=上記に該当しない寄附金」などを選択できるようにして、入力オペレーションの軽減を図るようにしても良い。
また、さらに、過年度の所得税の申告の入力を行なっていた場合には、入力した項目を次期繰り越しするようにして、入力を省力化することもできる。例えば、寄附金についての所在地や名称をなどを、システムの記憶部に記録しているので、この情報を利用して、次期繰越として登録しておき、今回の入力で自動選択したり、寄附先の所在地や名称等を自動入力することができる。
なお、次期繰り越しするか/しないかは、別途、入力した内容や項目毎に、選択できるGUIを設けて、操作者の要望に応じて、入力した内容や項目毎に、次期繰り越しするか/しないかを設定できるようにしても良い。
さらに、すでに説明したように、寄附金を支出した際に、寄附金を支出したことを証明する証明書を取得して、登録する際、あるいは登録した後、証明書のイメージをOCR(文字認識装置)で文字認識処理を行ない、寄附先の住所の情報をテキスト化して、寄附金入力画面(図5−2)の該当項目に自動設定することもできる。
あるいは、寄附の種類が特定寄附金の中の「日本赤十字社支部に対する寄附金」の場合や「共同募金会支部に関する寄附金」の場合に、「1=震災に係る義援金等」、「2=住所地の寄附先」、「3=住所地以外の寄附先」などなどを操作者が選択することに代えて、文字認識処理で得た寄附先の住所と、当該入力中の顧問先の住所地の情報を、顧問先IDと紐付けて登録した上で(会社マスタとして管理し)、顧問先の住所地と、寄附先の住所地とを比較して、一致していた場合には、「2=住所地の寄附先」を自動設定し、一致しない場合は、「3=住所地以外の寄附先」を自動設定するようにして、さらなる入力オペレーションの軽減を図るようにしても良い。
次に、操作者が、寄附金の入力が終わり、入力した寄附金に対し、寄附金の申告方式(税額控除または所得控除)のいずれを採用するかを検討したい場合には、操作者が、図5−2の寄附金入力画面に配置された寄附金有利判定ボタンを選択指示すると、入力した寄附金に応じて試算するサブルーチン(図3C)が起動する(ステップS3A−5)。処理の詳細は、図3Cの入力した寄附金に応じて試算するサブルーチンの箇所で説明する。
寄附金有利判定ボタンを押下により、入力した寄附金データをサーチして、入力した寄附金について、あり得る申告方式のパターンを調べて、それぞれ控除金額を算出した上で、差引所得税額を算出して、有利な順番にソートして、試算リストを生成して、寄附金有利判定試算結果表示画面(図5−3)を表示する(ステップS3A−6)。
これにより、従来技術のような、入力した寄附金の種類をいちいち調べて、エクセル等の計算シートに転記したり、可能な申告方式(税額控除または所得控除)のパターンをいちいちセットすることなく、さらに、試算に必要な所得金額合計や課税される所得金額等のデータもシステムの制御部が記憶部から連動して、セットしてシミュレーションするので、オペレーションの大幅な簡易化を図ることができる。
また、すでに入力した寄附金の金額を、仮に変更した場合、どのようになるかを確認するために、再度、控除額を試算することができる(寄附金額を直接入力して再度試算するサブルーチン)(ステップS3A−7)。なお、ステップS3A−7の「寄附金額を直接入力して再度試算するサブルーチン」の内部処理は図示しないが、以下で処理内容を説明する。
ステップS3A−7は、フローチャートの簡易化のため、S3A−6の次のステップに記載したが、S3A−6から分岐してS3A−3の再入力を求めて、S3A−4に戻る処理として行なうこともできる。
あるいは、再度の寄附金データ入力を、通常の入力手順に戻って再入力するのではなく、寄附金有利判定試算結果表示画面(図5−3)の寄附金の金額欄に直接入力を受け付け、システムの制御部が、通常の入力手順の処理をバックグラウンドで処理して、再試算することもできる。
例えば、ある寄附金をどのくらいまで支出しても、差し引き所得税額の有利な順番および最も有利な申告パターンの判定(有利不利判定)の結果が変わらないかを確認したり、来年の寄附金の額を寄附金の種類毎に見通しを立てる際などに利用することができる。
次に、操作者が、寄附金有利判定試算結果表示画面(図5−3)を確認し、どの申告パターンで申告するかを選択する(ステップS3A−8)。
そうすると、システムの制御部は、寄附金種類毎に控除金額データを取得し(ステップS3A−9)、申告方式が、所得控除の場合と、税額控除の場合に分けて(ステップS3A−10)、それぞれ、試算結果で生成した控除金額を、申告書の第2表などの該当箇所に転記する連動処理を行なう(ステップS3A−11、ステップS3A−12)。
あるいは、直ちに連動するのではなく、作成帳表の区分をセットするだけで、その後一連の税額計算処理を続行するようにしても良い。
そして、寄附金以外の項目のデータを、さらに帳表に連動する(ステップS3A−13)。
これにより、操作者は、いちいち、寄附金種類毎に、申告方式を選択して試算した結果を、提出する申告書に転記する必要が無く、寄附金入力から試算、帳表への連動までのオペレーションの誤りを防止すると共に、大幅なオペレーション作業の軽減を図ることができるので、多くの顧問先を抱える会計事務所の職員にとって、特に有効である。
そして、システムの制御部(出力帳表自動設定部)が、転記、連動処理が済んで、申告の際に必要となる帳表を、出力帳表判定テーブル(図4−5)により判定して、出力帳表として自動的に設定する(ステップS3A−14)。
例えば、政党等寄附金を申告方式(所得控除)で 申告する場合には、第1表と第2表を出力するようにセットするが、政党等寄附金を申告方式(税額控除)で申告する場合には、政党等寄附金特別控除の計算明細書も出力するようにセットする。
そして、セットした申告書や、寄附金の特別控除のための帳表等は、顧問先毎の出力帳表管理テーブル(年度毎)(図4−6)に登録して管理される。
これにより、後に、操作者が、申告の際に、顧問先毎に提出する帳表を確認することなく、出力できる。
多くの顧問先を抱える会計事務所の職員の場合、特に有効であり、電子申告や紙の書類で申告する際に、多くの顧問先について間違いなく申告書の帳表を揃えることができる。
なお、寄附金の証明書のイメージも寄附金データに紐付けしているため、イメージとして確認できるが、確かに証明書を受領しているという確認のためのものである。
3−2.寄附金証明書自動チェックサブルーチン
図3Bは、寄附金証明書自動チェックサブルーチンの処理フローを示した図である。
全体処理フローにおいて、操作者により、寄附金の入力が行なわれる際に(図3AのステップS3A−4)、操作者のGUI操作による起動あるいは自動起動により、寄附金証明書自動チェックサブルーチンが起動する。
サブルーチンが起動すると、まず、システムの制御部(寄附金証明書チェック部)は、寄附金証明書管理部が管理する記憶部の寄附金証明書格納部に記憶された、顧問先毎の寄附金種類毎の証明書管理テーブル(図4−4)を参照し(ステップS3B−1)、入力中の顧問先の、当該寄附金の種類の証明書の有無をチェックする(ステップS3B−2)。
尚、寄附金の支出があったことを証明する証明書のイメージは、寄附金データと紐付けしておくことで、確かに証明書を取得したことを間接的に確認することができる。
チェックの結果、その顧問先の、その寄附金種類について、証明書が登録されていない場合には、証明書取得(登録)を促すガイダンス表示する(ステップS3B−3)。
そこで、操作者が、すでに証明書を入手していたが、システムに登録するのを忘れたりしていた場合や、速やかに証明書を取得した場合には、寄附金証明書管理部が、記憶部の寄附金証明書格納部に登録更新を行ない、サブルーチンからリターンする(ステップS3B−4のOK)。
そして、証明書がまだ入手できず、登録できない場合は(ステップS3B−4のNG)、証明書のない寄附金入力を保留状態として、記録し、後に申告書を出力する際にワーニングのためのフラグ(図示せず)を立てる(ステップS3B−5)。
このように、顧問先が多数ある場合で、複数の寄附金種類がある場合でも、証明書まで含めて、申告書の作成及び管理をすることができ、誤りのない申告を実現すると共に、入力オペレーションの効率化を達成することができる。
3−3.入力した寄附金に応じて試算して試算リストの生成するサブルーチン
図3Cは、入力した寄附金種類を判定して、入力した寄附金種類に応じて試算するサブルーチンの処理フローを示した図である。
全体処理フローにおいて、システムの制御部が、操作者による、寄附金入力画面(図5−2)の寄附金有利判定ボタンの押下を検出すると、入力した寄附金に応じて試算するサブルーチンが起動する。
サブルーチンが起動すると、まず、システムの制御部(試算処理部)は、特定寄附金(次の3種を除く)、政党等寄附金、認定NPO法人等寄附金、公益社団法人等寄附金の4種以外の寄附金種類についても試算したいかどうか確認を求め(ステップS3C−1)、他の寄附金種類についても試算したいとの入力があった場合は(ステップS3C−1の「ありの場合」)、他の寄附金種類の試算サブルーチン(内部処理は図示しない)を起動して(ステップS3C−2)、例えば、ふるさと納税等の寄附金入力を求めて、入力して得た結果を、寄附金試算の基礎データとしてデータ更新する。
他の寄附金種類についても試算したいとの入力が無い場合は(ステップS3C−1の「無しの場合」)、前記の寄附金種類の4種のうち、入力済みの寄附金種類情報を、記憶部の寄附金データ格納部から取得する(ステップS3C−3)。
次に、システムの制御部(試算処理部)は、記憶部の寄附金控除パターンテーブル(図4−3)を参照して、入力した寄附金種類の有無に応じて寄附金控除パターンを算出する(ステップS3C−4)。
ここで、図4−3の寄附金控除パターンテーブルは、寄附金の種類毎に、申告方式(税額控除と所得控除)が2つあるので、両者の組み合わせを全て記載したテーブルである。
テーブル中の数値「1」は、その寄附金の種類について税額控除の控除計算(税額控除計算)をすることを意味し、数値「0」は、税額控除を選択しない場合、つまり所得控除の計算(所得控除計算)をすることを意味する。
また、このテーブルの使用例としては、例えば、入力した寄附金の種類が政党等寄附金と公益社団法人等寄附金の場合には、控除パターン1、2、5、6というように、入力した寄附金の種類に応じて、まず、控除パターン1(所得控除計算)を含ませた上で、政党等寄附金と公益社団法人等寄附金のいずれか一方が数値「1」のパターンを取得して冗長なパターンを除いて、入力した寄附金種類について控除パターンを生成するという処理を行なう。
なお、寄附金控除パターンテーブルは、図4−3では、寄附金の種類毎に、申告方式(税額控除と所得控除)が2つあるので、両者の組み合わせを全て記載したテーブルの例を記載したが、入力した寄附金の種類に応じて、それぞれの寄附金に対し、申告方式(税額控除と所得控除)が2つの組み合わせを算出して、寄附金を入力する度にその都度生成するということもできる。
例えば、入力した寄附金の種類が政党等寄附金と公益社団法人等寄附金の場合には、図4−3の控除パターン1、2、5、6の4パターンだけを含む寄附金控除パターンテーブルを作成しても良い。この場合は、顧問先毎に寄附金控除パターンテーブルを作成するので、作成した寄附金控除パターンテーブルは顧問先IDと紐付けて管理される。
そして、記憶部から、所得金額合計(その他の所得控除を含む)、課税される所得金額のデータなど、試算に必要なその他のデータを連動して取得し、寄附金の控除額の試算の準備を行なう(ステップS3C−5)。
そして、寄附金の種類毎に、控除額を算出するための情報が格納された、控除計算テーブル(図4−2)を参照して、入力した寄附金種類について、所得控除や税額控除(特別控除)の計算ルールを適用して、それぞれ入力した寄附金種類毎、申告方式(税額控除または所得控除)毎に、控除額を算出する(ステップS3C−6)。
計算ルールには、寄附金の控除額が、ある一定の上限の金額が定められている場合があり、図4−2(A)および(B)の控除計算テーブルの上限設定の項目に設定されている。
システムの制御部(試算処理部)は、控除額を算出すると、入力した寄附金種類毎、申告方式(税額控除または所得控除)毎に、控除額を記載すると共に、控除額の合計金額を記載した、試算リストの生成処理を行ない(ステップS3C−7)、サブルーチンを抜ける。
試算リストは、寄附金有利判定試算結果表示画面(図5−3)を表示ないし印刷するための画面構成データである。
システムの制御部は、試算リストを元に寄附金有利判定試算結果表示画面(図5−3)を表示し(全体処理フロー(図3A)のステップS3A−6)、操作者が、寄附金有利判定試算結果表示画面の中から、有利不利判定による控除金合計額を参照しながら、控除パターンを決定する処理につながる。
図5−3は、寄附金有利判定試算結果表示画面であり、入力した4種類の寄附金の内訳ごとに、現況の申告方式(税額控除または所得控除)での控除額や差引所得税額などを表示すると共に、差引所得税額が有利な順(つまり有利な順)にソートして、試算1、試算2・・・という順番で表示する様子を示している。
また、(現況)は、操作者が手動で設定した、現時点の申告方式(税額控除または所得控除)のパターンであってもよいし、過年度の寄附金入力の情報を、次期繰越で取得した申告方式(税額控除または所得控除)のパターンであってもよい。
また、図5−3では、ある顧問先について、特定寄附金(次の3種を除く)、政党等寄附金、認定NPO法人等寄附金、公益社団法人等寄附金の4種の全てについて、寄附金データの入力があった場合の例であるが、入力した寄附金の種類に応じて、寄附金控除パターンテーブル(図4−3)から、必要なパターンだけを抜き出す形で、試算リストが生成され、寄附金有利判定試算結果表示画面が表示される。
また、図5−3では、最も有利な控除を受けられるパターンを見間違わないように、最有利判定のアイコン表示がなされている。
操作者は、この図5−3は、寄附金有利判定試算結果表示画面を確認して、最終的に、申告するパターンを決定し、試算1、試算2・・・の項目を選択すると、決定したパターンの控除額計算の結果が、記憶部に記憶される。
また、最も有利な控除を受けられるパターンとなる列の色を変えたり、試算結果の項目のうち寄附金の申告方式(税額控除または所得控除)が現況と異なる項目に「※」を表示することができる。これにより、現況の申告方式から、どの種類の寄附金の申告方式を変更することが有利なのかを一目で確認することができる。
あるいは、寄附金有利判定試算結果表示画面において、操作者が、試算結果の中から、所望の控除パターンを選択した場合、システムの制御部が、最有利判定の結果との(差し引き所得税額の)差額を算出して、操作者に、提示するということもできる。
あるいは、寄附金入力の際に、有利不利判定ボタンを選択指示しなくとも、寄附金の入力があったかどうかを、システムの制御部が検出して、入力した寄附金の種類について、寄附金控除パターンテーブル(図4−3)から、あり得る控除パターンを導出し、バックグランド処理で、有利不利判定を行なって、試算リストを生成し、操作者が入力した申告方式の現況との(差し引き所得税額の)差額を算出して、操作者に提示するということもできる。
あるいは、有利不利判定ボタンを選択指示した場合においても、寄附金有利判定試算結果表示画面を表示する機能は、操作者の任意の選択による機能として設けた上で、寄附金有利判定試算結果表示画面を表示しない場合でも、システムの制御部がバックグランド処理で、有利不利判定を行なって、試算リストを生成し、操作者が入力した申告方式の現況との(差し引き所得税額の)差額を算出して、操作者に提示するということもできる。
また、寄附金の金額欄に直接入力を受け付けて、再試算を行ない、試算リストを更新して、寄附金有利判定試算結果表示画面を更新するほか、編集前と編集後の寄附金有利判定試算結果表示画面とを順次、切り換えて表示することができる。
あるいは、図5−4のように、編集前と編集後の寄附金有利判定試算結果表示画面を上下に並べて表示することができる。
図5−4の編集後の寄附金有利判定試算結果表示画面では、認定NPO法人等寄附金を編集前の96,000円から、編集後では150,000円に編集している様子が示されている(図の認定NPO法人等寄附金の項目の金額欄を区別表示して明示)。
これにより、その寄附金種類について、支出した金額が変わった場合の、有利不利判定の変化を一目で確認することができる。図によれば、編集前では、試算1の申告パターンが最も有利な算定になっていたが、編集後では、現況の申告パターンが最も有利な差し引き所得税額になっていることが分かる。
また、図5−4の寄附金有利判定試算結果表示画面によれば、編集中の寄附金種類の項目について「編集」という表示を行なうことで、編集中であることを明示している。そして、その試算結果をそのまま使うことができない場合もあるので、「寄附金額を上書き訂正したため、編集中の試算結果になります。寄附金入力時の基礎データとは金額が異なるので注意してください。」といった注意表示を行なうようにしている。これにより、編集中の寄附金の試算結果を誤って、申告データに使用するといった誤りを防止することができる。
また、支出した寄附金種類の寄附金額を連続的に変更したと仮定した場合の、試算を行ない、それをグラフ化することもできる。この場合、複数の寄附金種類も含めて、連続的に変更して、2次元あるいは3次元のグラフにして、ある寄附金の金額をどこまで変更しても、最も有利な申告パターンが変わらないかを一目で把握することもできる。
同様に、過年度の試算結果との比較結果を表示するようにしても良い。
また、寄附金の金額欄に直接入力を受け付けて、再度の試算をするほか、所得金額欄への直接入力を受け付けて、再度の試算を行なうこともできる。
4.出力帳表の説明
図6−1〜図6−5は、設定した出力帳表の構成を示す図であり、それぞれ、申告書第1表、申告書第2表、政党等寄附金特別控除の計算明細書(税額控除で出力用)、認定NPO法人等寄附金特別控除の計算明細書(税額控除で出力用)、公益社団法人等寄附金特別控除の計算明細書(税額控除で出力用)の構成例を示す図である。
各帳表は、全体処理フロー(図3A)の所得税申告書作成のための各種データ入力(ステップS3A−1)や、寄附金入力(リスト形式入力/明細形式入力)(ステップS3A−3)などによって、入力したデータを元に連動して転記されて生成される。
申告書第1表、申告書第2表は、4種類の寄附金について、所得控除および税額控除のいずれの場合でも出力が予定される。
他方、政党等寄附金特別控除の計算明細書、認定NPO法人等寄附金特別控除の計算明細書、公益社団法人等寄附金特別控除の計算明細書は、出力帳表判定テーブル(図4−5)に示すように、それぞれ、政党等寄附金の税額控除を選択した場合、認定NPO法人等寄附金の税額控除を選択した場合、公益社団法人等寄附金の税額控除を選択した場合にのみ出力されるが、顧問先毎の出力帳表管理テーブル(年度毎)(図4−6)によって管理されるので、複数の顧問先に対する申告サービスにおいても間違いなく、提出すべき帳表が出力可能である。
5.顧問先毎の寄附金入力に関連する履歴管理
また、システムの制御部が、顧問先毎、年度毎に、寄附金データの入力操作、有利不利の試算結果(試算リスト)、および支出した寄附金の証明書の取得の有無を記憶部に履歴データとして記録して管理し、後に、顧問先の申告処理の進捗を確認することができる。
例えば、顧問先Aについて、平成28年度の所得税確定申告書を出力しようとした場合に、システムの制御部が、顧問先Aの、平成28年度の所得税確定申告書に紐付けられた、寄附金データ入力の履歴情報の有無を調べて、入力漏れを防止することができる。
より具体的には、顧問先Aについて、履歴データを調べて、認定NPO法人等寄附金の入力を行なったことを検出した場合において、証明書を取得しておらず、寄附金データ入力が保留状態にある場合には、寄附金データ入力が保留であることを示すアイコンを画面表示するようにすることができる。
あるいは逆に、政党等寄附金の証明書は取得しているが、政党等寄附金のデータ入力がないという場合に、入力を促すアイコン表示も可能である。
このように、所得税確定申告に際して、寄附金の入力に関連する手続は煩雑であり、特に、多くの顧問先を抱える会計事務所では、顧問先の申告で寄附金等の手続における漏れを生じやすいが、履歴管理により、これらの漏れを防止することができる。
6.入力オペレーションの軽減の変形例
「3−1.全体処理フロー」の実施例では寄附金の種類のさらに詳細情報を入力する例が記載されていたが、その変形例として、寄附金種類テーブル(図4−1)を拡張することで、表示画面からどの寄附金を選択のような最低限の情報を入力することで入力オペレーションの軽減を図ることができる。
具体的には、寄附金種類テーブル(図4−1)を拡張する(図示せず)。テーブルの項目として、既存の項目である「コード」、「寄附金種類」、「備考」の他に「表示項目」、「税制上の優遇措置」、「寄附先」、「税種類」、「条件」の項目を追加する。
「表示項目」は「ふるさと納税」、「日本赤十字社への寄附」、「震災義援金」や「赤い羽根共同募金(○○市)へ寄附」等の表示画面に表示する確定申告対象者が寄附した寄附金の内容が入力されています。なお、日本赤十字や共同募金会への寄附の場合は、「日本赤十字社(○○支部)への寄附」や「赤い羽根共同募金(○×市)へ寄附」のように市町村等の寄附先地域や寄附の種類も一緒に表示画面に表示されてもよい。
また、「税種類」には所得税や(個人)住民税等の税の種類が、「条件」には義援金、住所地、住所地以外等の情報が、「税制上の優遇措置」は「寄附金種類」の項目に対応する寄附金の区分に応じた所得控除や税制控除等の税制上の優遇措置が入力されています。図4−1の寄附金種類テーブルの「国に対する寄附金」、「都道府県、市町区村に対する寄附金」等は所得控除のみ、「政党及政治資金団体に対する寄附金」、「認定NPO法人等に対する寄附金」は所得控除や税務控除のように寄附金種類の項目によって所得控除や税額控除に対応している(図示せず)。
例えば、「震災義援金」をNPO法人に支払った場合、表示項目の内容が寄附金の種類を表示した表示画面(図示せず)として表示されるので、「震災義援金(県の災害対策本部等)」、「震災義援金(日本赤十字社の「震災義援金」口座)」、「震災義援金(中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建のための義援金」口座)」、「震災義援金(中央共同募金会の「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援のための募金」口座)」、「震災義援金(NPO法人△△)」、「震災義援金(公益社団法人○△)」等の表示画面の表示項目から寄附の内容である「震災義援金(NPO法人等)」を選択して、金額や口数を入力する。表示項目については、「震災義援金(NPO法人△△)」のように直接NPO法人名まで表示してもよいし、「震災義援金(NPO法人等)」を選択してからさらにNPO法人名を選択する多段階の表示形式にしてもよい。
表示画面から選択した寄附の内容「震災義援金(NPO法人等)」が認定NPO法人かどうかを国税庁から認定を受けた「認定NPO法人」である認定NPO法人テーブル(図示せず)をもとにマッチングしているかを制御部が判定し、認定NPO法人の場合は「寄附金種類」が「認定NPO法人等に対する寄附金」、「税種類」が「所得税」に該当すると制御部が判断する。その後、寄附金有利判定を行い、判定結果から寄附金種類テーブルの「税制上の優遇措置」に所得控除又は税務控除の有利な方を設定する。
また、赤い羽根共同募金へ寄附する場合は、表示画面から「赤い羽根共同募金(○×市)へ寄附」を選択して、金額や口数を入力する。寄附先住所である○×市と顧問先や個人事業者等の確定申告対象者の住所(以下申告者住所)が申告者情報テーブル(図示せず)をもとにマッチングしているかを制御部が判定する。マッチングにより寄附先住所と申告者住所と一致(住所地)する場合は寄附金種類テーブルの「条件」に住所地を設定し、一致しない場合は「条件」に住所地以外を設定する。さらに住所地であって都道府県、市町区村が条例で指定するものに該当する場合には、住所地の都道府県等の条例指定を設定する。「税種類」が所得税のときは寄附金種類テーブルの「税制上の優遇措置」に所得控除を設定する。「税種類」が(個人)住民税のときは寄附金種類テーブルの「税制上の優遇措置」に税額控除を設定する。
これらの処理により、表示画面からどの寄附金を選択するだけで所得控除や税務控除等のどのような税制上の優遇措置を受けられるかが判断できるため、入力オペレーションの軽減を図ることができる。なお、領収書等の証明書類から取得したデータと比較することで選択された内容が正しいかどうかを制御部が判定し、不一致がある場合はワーニング表示してもよい。
上記入力については、(A)スタンドアローン構成、(B)クライアントサーバー構成と(C)クラウド構成の3つのシステム構成が考えられる。
(A)スタンドアローン構成の場合は、例えば、証明書類をイメージ化したものを見ながら、寄附金種類を表示画面から選択することで簡単に寄附金に関する部分の申告書作成を軽減化できるが、ここに記載した環境に限定されない。
また(B)クライアントサーバー構成の場合は、例えば、会計事務所内で職員が証明書類をイメージ化して申告書を作成したり、先生が申告書をチェック、修正したりすることでの共同作業や分担作業を行うことで、寄附金に関する部分の申告書作成を軽減化できる。さらに、外部業者や在宅入力等に業務委託するような場合でも、サーバーにリモートアクセスすることで申告書の作成作業を行う事も可能であるが、ここに記載した環境に限定されない。
さらに(C)クラウド構成の場合は、例えば、顧問先で証明書類をイメージ化して送付し、会計事務所で申告書を作成したり、顧問先で申告書を作成し、会計事務所で申告書をチェック、修正したり、証明書類をイメージ化することで、顧問先と会計事務所間での共同作業や分担作業を行うことで、寄附金に関する部分の申告書作成を軽減化できる。さらに、外部業者や在宅入力等に業務委託するような場合でも、クラウド上のデータにアクセスすることで申告書の作成作業を行う事も可能であるが、ここに記載した環境に限定されない。
7.まとめ
以上のように、本願発明のシステム、方法、プログラムによれば、所得税を申告する際に、複数の寄附金種類と、寄附金種類ごとに税控除を受けるための申告方式として税額控除と所得控除の2つがある中で、どの方式で控除を受けるかの判断をするために、システム側で自動的に寄附金種類の入力の有無を調べて、入力済みの寄附金種類ごとに、控除パターンを切り換えて、控除金額を試算して、さらに必要なデータを連動して、必要な控除パターンについて差引所得税額が記載された試算リストを生成することができる。
また、生成した試算リストを表示して、その中から所望の控除パターンを選択することで、選択した申告方式に沿った提出すべき帳表(申告書等)を自動設定すること、ができ、申告書類の漏れを無くすことができる。
10 クライアントPC
11 クライアントPCの入力部
12 クライアントPCの出力部
13 クライアントPCの通信部
14 クライアントPCの制御部
15 クライアントPCの記憶部
20 WS端末
21 WS端末の入力部
22 WS端末の出力部
23 WS端末の通信部
24 WS端末の制御部
25 WS端末の記憶部
100 サーバー
130 サーバーの通信部
140 サーバーの制御部
150 サーバーの記憶部
200 クラウド(仮想サーバー、仮想PC含む)
230 クラウドの通信部
240 クラウドの制御部
250 クラウドの記憶部

Claims (7)

  1. 税申告のために必要なデータを入力または入力済みのデータと連動して、提出する税申告データを作成する税申告データ作成システムであって、
    課税およびまたは税控除の対象となるデータの入力を受け付けるか、または入力済みのデータと連動する手段と、
    税控除の対象となるデータのうち、税控除の対象となる寄附金データに関して、複数の寄附金データの種類を識別するために、寄附金の種類を区別するための寄附金種類情報を記憶する手段と、
    寄附金種類情報のうち、申告方式として所得控除および税額控除の両方が対象となる複数の種類情報を記憶すると共に、当該複数の寄附金種類に対し、それぞれ所得控除および税額控除の対象となる場合のパターンを記憶する控除パターン記憶手段と、
    複数の寄附金データについて、申告方式が所得控除および税額控除の対象となる寄附金種類情報ごとに、控除金額を算出する控除計算手段と、
    複数の寄附金種類について、所得控除または税額控除の対象となった場合に提出が必要となる帳表をそれぞれ対応付けて記憶した出力帳表設定手段と、
    を備え、
    寄附金データの入力を受け付ける際に、前記寄附金種類情報と対応付けて格納する寄附金データ入力手段と、
    入力した寄附金データのうち、所得控除計算および税額控除計算の対象となる寄附金データを収集して、寄附金データに対応付けられた寄附金種類情報と、前記控除パターン記憶手段とに基づいて、複数の寄附金種類に対して、申告方式が所得控除または税額控除のいずれを採用するかの組み合わせについて、あり得る組み合わせのパターンを導出する手段と、
    導出した申告方式の組み合わせパターンについて、控除計算手段を適用して、寄附金種類ごとに控除金額を算出して、差引所得税額が有利な順番にソートした試算リストを作成する試算リスト作成手段と、
    試算リストの中で選択した申告方式のパターンについて、出力帳表設定手段に基づいて、出力が必要となる帳表を設定し、設定した帳表に、税申告のために必要なデータを入力または入力済みのデータを連動すると共に、
    前記試算した寄附金種類ごとの控除金額を連動する、出力帳表連動手段と、
    を備えたことを特徴とする税申告データ作成システム。
  2. 請求項1に記載の税申告データ作成システムにおいて、さらに、
    顧問先毎に寄附金種類ごと寄附金の証明書を受領したことを確認する証明書管理手段を備え、
    寄附金データの入力を受け付ける際に、寄附金種類ごと、証明書の有無を調べて、証明書が取得されていない場合には、寄附金データの入力を保留または、受付を拒否する、寄附金証明書チェック手段を備えたこと、
    を特徴とする税申告データ作成システム。
  3. 請求項1に記載の税申告データ作成システムにおいて、さらに、
    試算リストを基に寄附金有利判定試算結果表示画面を表示し、寄附金有利判定試算結果表示画面において、寄附金データ項目に対する入力を直接受け付ける手段と、
    受け付けた寄附金データについて、前記控除計算手段を適用して、寄附金種類ごとに控除金額をあらためて算出して、差引所得税額が有利な順番にソートした再試算リストを作成する再試算リスト作成手段を備えたこと、
    を特徴とする税申告データ作成システム。
  4. 税申告データ作成システムが行なう、税申告のために必要なデータを入力または入力済みのデータと連動して、提出する税申告データを作成する税申告データ作成方法であって、
    課税およびまたは税控除の対象となるデータの入力を受け付けるか、または入力済みのデータと連動するステップと、
    税控除の対象となるデータのうち、税控除の対象となる寄附金データに関して、複数の寄附金データの種類を識別するために、寄附金の種類を区別するための寄附金種類情報を記憶するステップと、
    寄附金種類情報のうち、申告方式として所得控除および税額控除の両方が対象となる複数の種類情報を記憶すると共に、当該複数の寄附金種類に対し、それぞれ所得控除および税額控除の対象となる場合のパターンを記憶する控除パターン記憶手ステップと、
    複数の寄附金データについて、申告方式が所得控除および税額控除の対象となる寄附金種類情報ごとに、控除金額を算出する控除計算ステップと、
    複数の寄附金種類について、所得控除または税額控除の対象となった場合に提出が必要となる帳表をそれぞれ対応付けて記憶した出力帳表設定ステップと、
    を備え、
    寄附金データの入力を受け付ける際に、前記寄附金種類情報と対応付けて格納する寄附金データ入力ステップと、
    入力した寄附金データのうち、所得控除計算および税額控除計算の対象となる寄附金データを収集して、寄附金データに対応付けられた寄附金種類情報と、前記控除パターン記憶手段とに基づいて、複数の寄附金種類に対して、申告方式が所得控除または税額控除のいずれを採用するかの組み合わせについて、あり得る組み合わせのパターンを導出するステップと、
    導出した申告方式の組み合わせパターンについて、控除計算手段を適用して、寄附金種類ごとに控除金額を算出して、差引所得税額が有利な順番にソートした試算リストを作成する試算リスト作成ステップと、
    試算リストの中で選択した申告方式のパターンについて、出力帳表設定手段に基づいて、出力が必要となる帳表を設定し、設定した帳表に、税申告のために必要なデータを入力または入力済みのデータを連動すると共に、
    前記試算した寄附金種類ごとの控除金額を連動する、出力帳表連動ステップと、
    を備えたことを特徴とする税申告データ作成方法。
  5. 請求項4に記載の税申告データ作成方法において、税申告データ作成システムが、さらに、
    顧問先毎に寄附金種類ごと寄附金の証明書を受領したことを確認する証明書管理ステップを備え、
    寄附金データの入力を受け付ける際に、寄附金種類ごと、証明書の有無を調べて、証明書が取得されていない場合には、寄附金データの入力を保留または、受付を拒否する、寄附金証明書チェックステップを備えたこと、
    を特徴とする税申告データ作成方法。
  6. 請求項4に記載の税申告データ作成システムにおいて、税申告データ作成システムが、さらに、
    試算リストを基に寄附金有利判定試算結果表示画面を表示し、寄附金有利判定試算結果表示画面において、寄附金データ項目に対する入力を受け付けるステップと、
    受け付けた寄附金データについて、前記控除計算手段を適用して、寄附金種類ごとに控除金額をあらためて算出して、差引所得税額が有利な順番にソートした再試算リストを作成する再試算リスト作成ステップを備えたこと、
    を特徴とする税申告データ作成方法。
  7. コンピュータに、請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の方法を実行させることを特徴とするプログラム。
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