JP2018116063A - 回折環計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像から解析までリアルタイムに行う回折環計測装置を提供する。
【解決手段】回折環計測装置10は、X線照射部14と、回折環を撮像する撮像部15と、回折環画像を生成する画像処理部16と、回折環画像を解析するデータ処理部17とを備え、撮像部15はビームが通過する貫通孔を中央部に有し、回折環を撮像する固体撮像素子300を有し、固体撮像素子300は二次元状に直交配置された複数の光電変換部111を有し、画像処理部16は固体撮像素子300により撮像された画像を、直交座標から貫通孔を中央とする極座標に変換することにより回折環画像を生成し、固体撮像素子300は、1つの半導体基板上に複数の画素の半分ずつをそれぞれ有する2つのイメージセンサの回路を対称に備え、垂直転送パルスおよび水平転送パルスを含む駆動信号を共通化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、計測対象物にX線を照射してこの計測対象物で回折したX線により形成される回折環を計測する回折環計測装置に関する。
従来の回折環計測装置に関して、特許文献1に開示されたX線回折装置や、特許文献2に開示されたX線応力測定方法等がある。
非特許文献1では、非特許文献2に開示されたX線応力測定方法の1つであるcosα法を発展させて回折環の2次元的データを解析することによって全平面応力成分を単一のX線照射によって同時一括に計測する手法が開示されている。また、非特許文献3では、cosα法によりX線応力測定を行う上で、スポッティ化した(つまり粒状性のある)回折環から精度良く応力を求める画像処理方法としてソフトウェア揺動法を開示している。
特開2005−241308号公報 特開2011−27550号公報
佐々木俊彦、広瀬幸雄「2次元的X線検出器イメージングプレートを用いた全平面応力成分の単一入射X線応力測定」、材料Vol.44、No.504、pp1138−1143、Sep.1995 平修二、田中啓介、山崎利春「細束X線 応力測定の一方法とその疲労き裂伝ぱ問題への応用」材料Vol.27、pp.251−256、1978 佐々木俊彦、広瀬幸雄、安川昇一「イメージングプレートを用いた粗大結晶粒材料のX線マクロ応力測定」、日本機械学界論文集(A編)、63、pp533−541
従来技術の特許文献1、特許文献2によれば、回折環を撮像するための撮像デバイスとして主にイメージングプレート(IP)が用いられている。イメージングプレートは現像作業を必要とするので、回折環の撮像から解析までをリアルタイムに実行することができないという問題がある。
また、特許文献1、特許文献2には、撮像部として、イメージングプレートの代わりにX線CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを利用することも示唆しているが、X線CCDイメージセンサの構成についての開示がなく、撮像部としてX線CCDイメージセンサを適用することが困難であり、回折環の撮像から解析までをリアルタイムに実行することが困難であるという問題がある。
本発明は、回折環の撮像から解析までをリアルタイムに行う回折環計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の一態様における回折環計測装置は、回折により発生する回折環を計測する回折環計測装置であって、計測対象物に回折する性質をもつビームを照射する照射部と、前記計測対象物からの回折ビームにより形成される前記回折環を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された回折環を表す回折環画像を生成する画像処理部と、前記画像処理部により生成された前記回折環画像を解析するデータ処理部とを備え、前記撮像部は、前記ビームが通過する貫通孔を中央部に有し、前記回折環を撮像する固体撮像素子を有し、前記固体撮像素子は、二次元状に直交配置された複数の光電変換部を有し、前記画像処理部は、前記固体撮像素子により撮像された画像を、直交座標から前記貫通孔を中央とする極座標に変換することにより前記回折環画像を生成し、前記固体撮像素子は、1つの半導体基板上に複数の画素の半分ずつをそれぞれ有する2つのイメージセンサの回路を対称に備え、垂直転送パルスおよび水平転送パルスを含む駆動信号を共通化する。
また、本発明の他の態様における回折環計測装置は、回折により発生する回折環を計測する回折環計測装置であって、計測対象物に回折する性質をもつビームを照射する照射部と、前記計測対象物からの回折ビームにより形成される前記回折環を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された回折環を表す回折環画像を生成する画像処理部と、前記画像処理部により生成された前記回折環画像を解析するデータ処理部とを備え、前記撮像部は、前記ビームが通過する貫通孔を中央部に有し、前記回折環を撮像する固体撮像素子を有し、前記固体撮像素子は、前記貫通孔を中央とする極座標に沿って配置された複数の光電変換部を有し、前記複数の光電変換部のそれぞれの受光面積は、前記極座標の内側の光電変換部の受光面積よりも大きい。
本発明の回折環計測装置によれば、貫通孔をもつ第1の固体撮像素子、または、複数の第2の固体撮像素子により回折環を撮像するので、回折環の撮像から解析までをリアルタイムに行うことができる。
図1は、本実施の形態における回折環計測装置の構成を示すブロック図である。 図2は、回折環計測装置の動作を示すフローチャートである。 図3は、第1の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図4は、図3の固体撮像素子の構成例を示すブロック図である。 図5は、第2の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図6は、図5の固体撮像素子の画素配置例を示す図である。 図7は、第3の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図8は、第4の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図9は、第5の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図10は、第6の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図11Aは、第7の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図11Bは、図11Aの変形例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図12は、第8の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図13は、第9の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。 図14は、第10の構成例における撮像部の(a)断面図および(b)下面図である。 図15は、第11の構成例における撮像部の(a)断面図および(b)下面図である。 図16は、計測対象物表面にX線を照射した場合の座標系、入射X線および回折環を示す図である。 図17は、計測対象物にひずみが生じている回折環の一例と無応力で無ひずみの回折環(真円)とを示す図である。 図18は、従来のcosα法の4分割の説明図である。 図19は、従来のcosα法により求めたε α(上バー付き)を縦軸に、cos αを横軸にとったグラフを示す図である。 図20は、従来のcosα法により求めたE2を縦軸に、sin2αを横軸にとったグラフを示す図である。 図21は、従来のcosα法により求めたE1を縦軸に、cos2αを横軸にとったグラフを示す図である。 図22は、従来のcosα法により求めたε α(上チルダ付き)を縦軸に、sin2αを横軸にとったグラフを示す図である。 図23は、回折環に欠落部分がある場合の状態を有する図である。 図24は、本実施の形態を示す回折環分析方法を示すフローチャートである。 図25は、回折環の変形εαの実測値と2次以下の係数によって求めた変形εαの近似値の関係をしめしたグラフ(上図)と、その残差(下図)を示す図である。 図26は、回折環の変形データ例(一部)とそれから求めたフーリエ級数の係数を示す図である。 図27は、機械的に測定した負荷と本実施形態のフーリエ方式で求めた応力σxの比較を示す図である。
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
本実施の形態における回折環計測装置は、X線回折により発生する回折環を解析する装置である。回折環は、デバイ環、デバイ・シェラー環とも呼ばれる。この回折環計測装置は、計測対象物回折する性質をもつビームを照射する照射部と、計測対象物からの回折ビームにより形成される回折環を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された回折環を表す回折環画像を生成する画像処理部と、画像処理部により生成された回折環画像を解析するデータ処理部とを備える。ここで、撮像部は(a)ビームが通過する貫通孔を中央部に有し、回折環を撮像する第1の固体撮像素子、および、(b)回折環の互いに異なる部分を撮像する複数の第2の固体撮像素子の何れか一方を有している。
このように、貫通孔をもつ第1の固体撮像素子、または、複数の第2の固体撮像素子により回折環を撮像するので、回折環の撮像から解析までをリアルタイムに行うことを可能にしている。
図1は、本実施の形態における回折環計測装置の構成を示すブロック図である。この回折環計測装置10は、高圧電源11、冷却部12、制御部13、X線照射部14、撮像部15、画像処理部16、データ処理部17、出力部18を備える。
高圧電源11は、電子線加速用の高電圧をX線照射部14に供給する。
冷却部12は、X線照射部14を冷却する。
制御部13は、回折環計測装置10全体の動作を制御する。
X線照射部14は、電子線をターゲットに衝突させてX線を発生させる装置と、発生したX線を細束のX線ビームとして計測対象物に照射するX線照射管とを備えている。X線発生装置は、たとえば、電子線を高電圧で加速して陽極に衝突させCrKα特性X線を発生させるためのX線管球(真空管)である。X線照射管は、たとえば、発生したX線を細い平行ビームに絞り照射するピンホールコリメータである。
計測対象物表面とX線ビームとのなす角(照射角)は、0°と180°とを除く0°〜180°の範囲で設定可能であるが、例えば30°〜45°(または−30°〜−45°)が望ましい。照射角90°には特別な意味があり、剪断応力τxz、τyzを求めるのに適している。また、照射角−30°〜−45°は、応力σを求めるのに適している。
照射されるX線ビームの直径は、1〜2mmよりも細くてよく、例えば数100μm以下の細さでもよい。
またX線の強度は、4〜20keV程度の軟X線でよい。このX線の強度は、撮像部15の感度と撮像部15の撮像エリアと計測対象物と距離とに依存するが、例えば、4.9〜8.1keVでもよい。
イメージングプレートを用いる従来の技術と比べて照射されるX線は弱いエネルギーでよく、X線照射部14、冷却部12および高圧電源11は、低電力化および小型化することができる。
なお、回折光としてX線を用いる例を説明するが、X線の代わりに、回折の性質を持つビームを用いてもよい。回折の性質を持つビームとは、X線に限らず電磁波(可視光、紫外線、γ線を含む)、中性子線、電子線などを含む。
撮像部15は、計測対象物からの回折ビームにより形成される回折環を撮像する。そのため、撮像部15は、(a)X線が通過する貫通孔を中央部に有し、回折環を撮像する第1の固体撮像素子、または、(b)回折環の互いに異なる部分を撮像する複数の第2の固体撮像素子を備える。第1、第2の固体撮像素子は、CCDイメージセンサ、MOS(Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を用いる。撮像部15の詳しい構成例につ
いては後述する。
画像処理部16は、撮像部15により撮像された回折環を表す回折環画像を生成する。回折環画像を生成する処理は、撮像部15が(a)X線が通過する貫通孔を中央部に有し、回折環を撮像する第1の固体撮像素子、および、(b)回折環の互いに異なる部分を撮像する複数の第2の固体撮像素子の何れを有しているかによって異なる。
画像処理部16は、(b)の場合、複数の第2の固体撮像素子から得られる画素信号列から画像を形成し、さらにそれらの画像を1枚の回折環画像に合成する処理を行う。合成された回折環画像では、回折環の一部が欠落することになる。また、画像処理部16は、撮像部15から得られる画像の座標系が直交座標ある場合は極座標に変換する処理をしてもよい。また、画像処理部16は、(a)の場合、第1の固体撮像素子から得られる画素信号列から回折環画像を生成する。この回折環画像は欠落のない回折環を表すことになる。この場合、画像処理部16は、複数の画像を1枚の回折環画像に合成する処理からは解
放される。
データ処理部17は、画像処理部16により生成された回折環画像を解析する。具体的には、データ処理部17は、回折環の半径、回折環の半径の変化、半価幅変化、回折X線の強度の変化等を測定し、これらを解析して(残留)応力(歪)、ミクロ応力(歪)、硬さ、摩耗、疲労、損傷、耐久性、余寿命、き裂、材質、焼き、白色層、等を評価する。そのための解析手法としては、非特許文献1、非特許文献2等に開示された所謂cosα法や、フーリエ級数を用いる解析手法等がある。
出力部18は、表示装置および記憶部を備え、データ処理部17による解析結果を表示し、解析結果を示すデータを記憶部にファイルとして記録する。
図2は、本実施の形態における回折環計測装置に動作を示すフローチャートである。
回折環計測装置10は、まずX線照射部14から計測対象物にX線ビームを照射し、同時に撮像部15により回折環を撮像する(ステップS10)。次に、画像処理部16は、撮像部15からの画素信号列から1枚の回折環画像を生成する(ステップS20)。さらに、データ処理部17は、画像処理部16により生成された回折環画像を解析する(ステップS30)。出力部18は、データ処理部17による解析結果を出力する(ステップS40)。
4つのステップS10〜S40は、シリーズに処理してもよいし、より高速化(高フレームレート化)するためにはパイプライン処理により並列化してもよい。
続いて、撮像部15のより具体的な構成について第1〜第11の構成例について説明する。
<撮像部の第1の構成例>
第1の構成例では、撮像部15は、1チップの第1の固体撮像素子を有している。この第1の固体撮像素子は、X線が通過する貫通孔と、円形の撮像エリアを有している。
図3は、撮像部15の第1構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子200(第1の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子200が配置される。貫通孔152の直径は、計測対象物の結晶状態や測定面積に応じて選択すればよく、X線ビームの直径が1〜2mm程度である場合、それよりも大きければよい。図3では、貫通孔152を明確にするために大きく描いている。
固体撮像素子200は、円形の撮像エリア201と、中央部にX線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔202とを有し、計測対象物で回折したX線により形成される回折環を撮像するイメージセンサである。撮像エリア201は、撮像する回折環の直径以上のサイズを有する。たとえば、撮像部15の画素サイズが10μ位の場合は、計測対象物と撮像部15との距離は10mm程度でよい。この場合、回折環のサイズは計測対象物に依存するがおおよそ半径4〜9mm程度が多いので、撮像エリア201のサイズ(短辺または内径)は10〜20mm程度でよい。
貫通孔202の直径は、貫通孔152の直径と同じでよい。
また、計測対象物と撮像部15との距離を小さくすれば、撮像エリア201のサイズもX線の強度もより小さくすることができる。この点で、計測対象物と撮像部15との距離は、撮像部15の画素サイズや回折角の大きさ等に依存するが約30mm以下とすることが望ましい。
図4は、図3の固体撮像素子200の構成例を示すブロック図である。同図では固体撮像素子200の撮像エリア201の構成を示している。撮像エリア201は、半径R方向に電荷を転送する複数のR転送部101と、複数の光電変換部102と、円周方向に電荷を転送する1個のθ転送部103とを含む。
複数の光電変換部102は、貫通孔を中央とする極座標に沿って配置され、例えばPN接合を含むフォトダイオードより構成される。複数の光電変換部102のそれぞれの受光面積は、極座標の内側の光電変換部102の受光面積よりも大きい。たとえば光電変換部102の受光面積が半径に比例する大きさとしてもよい。
複数のR転送部101は、貫通孔を中心に放射状に形成されている。複数のR転送部101のそれぞれは、半径方向に並ぶ光電変換部102から信号電荷を一斉に受けて、半径方向の中心側に向けて信号電荷を順次転送するCCDである。
θ転送部103は、複数のR転送部101から信号電荷を一斉に受けて、θ方向(つまりθ転送部103の円周方向)に信号電荷を転送するCCDである。θ転送部103の最終段にはアンプが形成されており、このアンプはθ転送部103によりθ方向に転送される最終段の信号電荷を電圧に変換して出力する。
固体撮像素子200と、二次元状に直交配置されたフォトダイオードを備える直交CCDイメージセンサとを比較すると、複数のR転送部101は直交CCDイメージセンサの複数の垂直CCDに対応し、θ転送部103は直交CCDイメージセンサの水平CCDに対応する。
1つの固体撮像素子200により回折環の全周(つまり欠落のない完全な回折環)を撮像することができる。
第1の構成例における画像処理部16は、撮像部15から回折環の全周を表す回折環画像が得られることから、複数枚の画像を結合する処理から解放される。
第1の構成例におけるデータ処理部17は、光電変換部102が極座標に沿って配置されているため、回折環の半径を求める際に、直交座標から極座標に変換する処理が不要になり、解析処理が簡単で精度を向上させることができる。また、光電変換部102が半径に比例した受光面積を有することにより、計測対象物との距離や回折角に対する輝度の補正が容易あるいは不要になる。このように、データ処理部17の処理負荷が小さくかつ良好な精度を得ることができる。
なお、図4の光電変換部102は矩形状であるが、扇形または円弧状としてもよい。
なお、固体撮像素子200は、MOS型の固体撮像素子であってもよい。
<撮像部の第2の構成例>
第1の構成例では、第1の固体撮像素子の撮像エリアが円形である例を説明したが、第2の構成例では第1の固体撮像素子の撮像エリアが矩形である例について説明する。
図5は、第2の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子300(第1の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子300が配置される。
固体撮像素子300は、矩形状の撮像エリア301と、中央部にX線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔302とを有し、計測対象物で回折したX線により形成される回折環を撮像するイメージセンサである。
図6は、図5の固体撮像素子300の画素配置例を示す図である。固体撮像素子300は、二次元状に直交配置された複数の画素111を有する。ただし、画素111は、貫通孔302の近くには配置されない。
固体撮像素子300は、たとえば、1つの半導体基板上に上半分(一点鎖線の上側)の画素111を有するCCDイメージセンサと、下半分(一点鎖線の下側)の画素111を有するCCDイメージセンサとを備える。上下2つのCCDイメージセンサの回路を対称に構成することにより、垂直転送パルス、水平転送パルス等の駆動信号を共通化することができる。上下2つのCCDイメージセンサの画素からの信号電荷の同時に読み出し可能なことから実質2倍速で読み出すことができる。
この場合、画像処理部16は、上下2つのCCDイメージセンサからの得られる2つの画像を合成することにより回折環画像を生成する。この回折環画像では欠落のない回折環の全周が表現される。
なお、図6では、1つの半導体基板上に上下2つのCCDイメージセンサを形成する構成について説明したが、左右に2つ、斜め方向に2つのCCDイメージセンサを構成してもよいし、全光電変換部をもれなく分担する複数のCCDイメージセンサを構成してもよい。また、固体撮像素子300は、CCDイメージセンサではなくMOSイメージセンサにより構成してもよい。
<撮像部の第3の構成例>
第3の構成例では、撮像部15は、複数の第2の固体撮像素子を有している。複数の第2の固体撮像素子は、X線照射部から照射されるX線を中心として、X線と直交する平面に配置される。ここでは、複数の第2の固体撮像素子が2つである例を説明する。
図7は、第3構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子400a、400b(2つの第2の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子400a、400bが配置される。
固体撮像素子400aは、撮像エリア401aを有する。固体撮像素子400bは、撮像エリア401bを有する。
第3の構成例では、固体撮像素子400a、400bはいずれも貫通孔を有しないので、貫通孔を有する第1の固体撮像素子よりも製造コストを低減することができる。
また、第3の構成例における画像処理部16は、2つの第2の固体撮像素子により撮像された画像を合成することにより回折環画像を生成する。この回折環画像には回折環に欠落が生じるが、データ処理部17の解析手法によっては欠落を十分に許容できる。
<撮像部の第4の構成例>
第3の構成例では、複数の第2の固体撮像素子が2つの例を説明したが、4つの例を説明する。
図8は、第4の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子500a〜500d(4つの第2の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子500a〜500dが配置される。
固体撮像素子500aは、撮像エリア501aを有する。固体撮像素子500b〜500dも、同様に撮像エリア501b〜501dをそれぞれ有する。
第4の構成例では、固体撮像素子500a〜500dはいずれも貫通孔を有しないので、貫通孔を有する第1の固体撮像素子よりも製造コストを低減することができる。
また、第4の構成例における画像処理部16は、4つの第2の固体撮像素子により撮像された画像を合成することにより回折環画像を生成する。この回折環画像には回折環に欠落が生じるが、データ処理部17の解析手法によっては欠落を十分に許容できる。
<撮像部の第5の構成例>
第4の構成例では、複数の第2の固体撮像素子が4つの例を説明したが、第5の構成例では10個の例を説明する。
図9は、第5の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子600a〜600j(10個の第2の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子600a〜600jが配置される。
固体撮像素子600aは、撮像エリア601aを有する。固体撮像素子600b〜600jも、同様に撮像エリア601b〜601jをそれぞれ有する。
また、第5の構成例における画像処理部16は、10個の第2の固体撮像素子により撮像された画像を合成することにより回折環画像を生成する。
<撮像部の第6の構成例>
第5の構成例では、複数の第2の固体撮像素子が10の例を説明したが、第6の構成例では12個の例を説明する。
図10は、第6の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子700a〜700l(12個の第2の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子700a〜700lが配置される。
固体撮像素子700aは、撮像エリア701aを有する。固体撮像素子700b〜700lも、同様に撮像エリア701b〜701lをそれぞれ有する。
また、第6の構成例における画像処理部16は、12個の第2の固体撮像素子により撮像された画像を合成することにより回折環画像を生成する。
<撮像部の第7の構成例>
第7の構成例では、撮像部15が複数の第2の固体撮像素子を有し、かつ、複数の第2の固体撮像素子のそれぞれが、貫通孔を中心とする扇形から扇央を含む扇形部分を除外した形状をもつ撮像エリアを有している。また、複数の第2の固体撮像素子は、貫通孔を中央とする極座標に沿って配置された複数の光電変換部を有する。さらに、複数の光電変換部のそれぞれの受光面積は、極座標の内側の光電変換部の受光面積よりも大きくなっている。
図11Aは、第7の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と固体撮像素子800a〜800d(4つ第2の固体撮像素子)とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に固体撮像素子800a〜800dが配置される。
固体撮像素子800aは、撮像エリア801aを有する。固体撮像素子800b〜800dも、同様に撮像エリア801b〜801dをそれぞれ有する。
撮像エリア801aは、貫通孔を中心とする扇形から扇央を含む扇形部分を除外した形状を有し、貫通孔を中央とする極座標に沿って配置された複数の光電変換部を有する。撮像エリア801aは、図4に示した極座標のCCDイメージセンサのうちほぼ1/4(ほぼ90度)に相当する部分と同じ回路構成を有する。撮像エリア801b〜801dも同様である。たとえば、固体撮像素子800a〜800dの配置には隙間があるので、撮像エリア801aは図4に示したCCDイメージセンサの1/4(90度)よりも少し小さくなる。
画像処理部16は、複数の第2の固体撮像素子により撮像された画像から回折環画像を生成する。
第7の構成例では、回折環画像には回折環に欠落が生じるものの、極座標なので第1の構成例と同様の効果が得られ、しかも、第1の構成例よりもコストを低減することができる。
なお、図11Aに示した固体撮像素子800a〜800dの外形は矩形であるが、図11Bのような形状および配置にしてもよい。図11Bでは、固体撮像素子810a〜810dの扇央部分に該当する一部分を扇状に切り欠いた外形になっている。こうすれば、固体撮像素子810a〜810d間の配置の隙間を0にすることが、または小さくすることができる。図11Bの撮像エリア811a〜811dにより撮像される回折環の欠落は、図11Aと比べてより少なくすることができる。
なお図11Bの切欠きは、扇状でなくてもよく、斜め45度でもよい。
<撮像部の第8の構成例>
第8の構成例では、複数の第2の固体撮像素子は5つ以上のラインセンサである例を説明する。記5つ以上のラインセンサは貫通孔を中心に放射状に配置される。また、画像処理部は、5つ以上のラインセンサにより撮像された画像から回折環画像を形成する。
図12は、第8の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と16本のラインセンサ900a〜900pとを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に16本のラインセンサ900a〜900pが放射状に配置される。
ラインセンサ900aは、直線状に並ぶ複数の光電変換部(フォトダイオード)を有する。複数の光電変換部のそれぞれの受光面積は、放射状の内側の光電変換部の受光面積よりも大きく形成されている。たとえば光電変換部の受光面積が半径に比例する大きさとしてもよい。ラインセンサ900b〜900pも同様である。
第7の構成例では、回折環画像には回折環に欠落が生じるものの、第1の構成例と同様の効果が得られ、しかも、第1の構成例よりもコストを低減することができる。
<撮像部の第9の構成例>
第8の構成例では、複数の第2の固体撮像素子が16本のラインセンサである例を説明したが、第9の構成例では、複数の第2の固体撮像素子が32本のラインセンサである例を説明する。
図13は、第8の構成例における撮像部の(a)側面図および(b)下面図である。同図のように撮像部15は、基台151と16本のラインセンサ901〜932とを有する。
基台151は、X線照射部14からのX線ビームを通過させる貫通孔152を中央部に有し、下面に32本のラインセンサ901〜932が放射状に配置される。
ラインセンサ901は、例えば、直線状に並ぶ複数の光電変換部(フォトダイオード)と、それと並列に配置されたCCDとを有するCCDリニアイメージセンサである。
複数の光電変換部のそれぞれの受光面積は、放射状の内側の光電変換部の受光面積よりも大きく形成されている。たとえば光電変換部の受光面積が半径に比例する大きさとしてもよい。ラインセンサ902〜932も同様である。
なお、ラインセンサ901〜932は、CCDリニアイメージセンサに限らずMOSリニアイメージセンサで構成してもよい。
第9の構成例では、回折環画像には回折環に欠落が生じるものの、第1の構成例と同様の効果が得られ、しかも、第1の構成例よりもコストを低減することができる。
<撮像部の第10の構成例>
第10の構成例では、第8の構成例におけるラインセンサの基台への取り付け角度に傾きを持たせる例について説明する。
図14は、第10の構成例における撮像部の(a)断面図および(b)下面図である。同図の(a)は、同図の(b)のA−A線で垂直に切った断面図である。同図のように基台152は、円錐状の内面形状を下面にもち、X線照射部から照射されるX線を通過させる貫通孔を円錐形状の頂点部分に有している。
第10の構成例は、第8の構成例と比較して、計測対象物からの回折X線と、ラインセンサとの角度を90度に近づけるので、回折環画像の精度を向上させることができる。
<撮像部の第11の構成例>
第10の構成例では16本のラインセンサを有する例を説明したが、第11の構成例では32本のラインセンサを有する例について説明する。
図15は、第11の構成例における撮像部の(a)断面図および(b)下面図である。同図の(a)は、同図の(b)のA−A線で垂直に切った断面図である。同図のように基台152は、円錐状の内面形状を下面にもち、X線照射部から照射されるX線を通過させる貫通孔を円錐形状の頂点部分に有している。
第11の構成例は、第10の構成例と比較して、回折環画像の精度をより向上させることができる。
なお、第10および第11の構成例においてラインセンサの傾き(円錐形状の下面の傾き)は、回折環が出現する方向、計測対象物の種類等に応じて設定すればよい。また、基台152は、下面の傾きを任意に設定可能な機構を備えてもよい。たとえば、X線照射管を軸としてラインセンサを骨に対応させた傘のような構成としてもよい。この場合の傘の骨およびラインセンサは直線状であってもよいし、球の内面に沿う曲線状であってもよい。また、図3〜図15に示した第1または第2の固体撮像素子の形状は、円錐形状の内面あるいは球の内面に沿う形状としてもよい。
なお、図14または図15においてラインセンサの本数は、2本以上であればよく、回折環として取り扱うためにより望ましくは5本以上であればよい。
また、撮像部15は取り外し可能な構成としてもよい。例えば(a)X線ビームが通過する貫通孔を中央部に有し、回折環を撮像する第1の固体撮像素子、および、(b)回折環の互いに異なる部分を撮像する複数の第2の固体撮像素子の何れか一方ではなく、両方を備え、選択あるいは交換可能な構成としてもよい。また、上記の第1〜第11の構成例の2つ以上の撮像部を備え、選択あるいは交換可能な構成としてもよい。
<データ処理部の構成例>
つづいて、データ処理部17の解析方法(図2のステップS30)について詳細に説明する。
データ処理部17は、所謂cosα法による解析、フーリエ級数を用いた解析等を選択的に行う。従来のcosα法による解析は、上記の第1および第2の構成例に適している。フーリエ級数を用いた解析は、第1〜第11の構成例に適している。従来のcosα法による解析については非特許文献1、非特許文献2に詳しく開示されている。
以下では、従来のcosα法についての概説とその問題点を指摘し、さらに、本願で開示する新たな手法であるフーリエ級数を用いた解析について説明する。
<従来のcosα法の概説>
非特許文献1では、非特許文献2に開示されたX線応力測定方法の1つであるcosα法を発展させて回折環の2次元的データを解析することによって全平面応力成分を単一のX線照射によって同時一括に計測する手法が開示されている。その手法について図面を用いて説明する。
図16は、計測対象物表面にX線を照射した場合の座標系、入射X線および回折環を示す図である。同図に示すように、電子ビーム1を計測対象物であるサンプル2の特定部分3に照射し、その回折ビーム4により、回折環5(デバイ環)を撮像部6に結像させる。
回折環5を用いた応力測定では、サンプル2の特定部分3にひずみがある場合、図17に示すように、ひずみがない時の真円の回折環8からずれた位置に、サンプル2のひずみに応じて変形したX線の回折環9が生じる。
このサンプル2のひずみ(応力状態)を回折環9の変形から求めるのが、cosα法である。この方式は中性子線など、結晶で回折する性質のあるビームであればX線以外でも利用可能である。
cosα法では回折環9上の中心角αの点での変形の測定値をεαで表すと、図18の様
に、回折環9から、中心角α、π+α、−α、π−αの4方向の変形εα、επ+α、ε−α、επ−αを測定する。そして、この4つの測定値から、次の式(1)~(4)で計算される4種のパラメーターの値を求める。
Figure 2018116063
4種のパラメーターの実測値を縦軸、cosα、sinα、cos2α、sin2αの夫々を横軸にしてその関係を示したのが、図19〜図22である。図19からわかるように、cosαとε α(上バー付き)との間には明確な直線的な比例関係がみられる。つまり、式(1)のパ
ラメーターε α(上バー付き)をcosαについてプロットすると直線関係が得られ、そ
の直線の傾きに非特許文献1の式(9)を適用することで被測定物のひずみ(応力状態)を求めることができる(この例ではx方向の応力σx)。
一方、(2)~(4)では直線関係はそれほど明確ではない(図20〜図22)。これはcosα法ではε α(上バー付き)、ε α(上チルダ付き)、E、Eとcosα、sinα、cos2α、sin2αとの関係がそれぞれ直線になるとしているが、この仮定が成り立つのは被測定物の応力状態が理想的な場合に限られるからである。実際には被測定物の応力状態は理想的な場合からずれており、それにより図20〜図22のように直線からのずれが生じる。このずれは被測定物の物理的状態の情報を含んでいるが、直線近似からひずみ(応力状態)を求めるcosα法ではその情報の取り扱いは困難である。
またcosα法では常に回折環上の4点を一組としてパラメーターの計算を行うので(図18)、図23のように一部が欠落した回折環では応力の計算が困難になる(図23の例ではε α(上バー付き)、ε α(上チルダ付き)、E、Eの各パラメーターの計算は不可能である)。
欠落した回折環の例として、非特許文献3ではスポッティ化した(つまり粒状性のある)回折環を示している。非特許文献3ではスポッティ化した回折環から精度良く応力を求める画像処理方法としてソフトウェア揺動法を開示しているが、図23のような回折環ではソフトウェア揺動法を利用してもcosα法の適用は困難である。
<従来のcosα法の問題点>
非特許文献1および非特許文献2によれば、cosα法の数値処理の都合上、次のような問題がある。
第1に、回折環に欠落がある場合(例えば図23)に応力の計算精度が劣化するか、あるいは計算できなくなる。
第2に、4点のひずみを加減算しているため、抽出するパラメーターには常に4点分の測定値誤差を含んでいることになる。これによってS/N比が劣化する。
第3に、回折環のひずみ情報には測定対象物の多くの応力状態についての情報を含んでいるが、それを4つのパラメーターに集約してしまうため、多くの情報が失われることになる。
<フーリエ方式の概説>
従来のcosα法にはこのような問題があるが、本願で開示する新たな手法としてのフーリエ級数を用いた解析(以下では、フーリエ方式と呼ぶ)ではこのような問題に対応することができる。以下、フーリエ方式について説明する。
フーリエ方式による回折環分析方法は、回折する性質をもつビームを計測対象物の特定部分に照射し、この特定部分から反射される回折ビームにより形成される回折環を測定し、この回折環の変形をフーリエ変換し、その結果から、特定部分の応力又はひずみの少なくとも一方を算出するものである。この構成により、計測対象物の特定部分の応力又はひずみを正確に求めることができ、また、回折環に欠落がある場合であっても計測対象物のひずみ(応力状態)を分析することができる。
具体的にフーリエ級数を求めるには、回折環の変形εαと回折環の中心角αの関係のリストを作成し、それに高速フーリエ変換(FFT)などのアルゴリズムを適用することでフーリエ級数の係数を求める。またcosα、sinα、cos2α、sin2α…との相関を計算することでもフーリエ級数の係数を求めることができる。
また、フーリエ方式による回折環分析方法において、フーリエ級数の係数の他に、ヤング率、ポアソン比、回折角の余角、および前記計測対象物表面に対する法線と入射ビームとのなす角を用いた演算を施してもよい。この構成により、計測対象物の特定部分の応力又はひずみを更に正確に求めることができる。
また、上記の回折分析方法において、回折環の一部に欠落部分がある場合、実測された回折環と欠落部分の中心角αの情報から、フーリエ級数の性質を用いて欠落のない場合の回折環のフーリエ級数を推定してもよい。これにより、回折環に欠落がある場合であっても計測対象物のひずみ(応力状態)を正確に分析することができる。
また、フーリエ方式による回折環分析方法において、フーリエ変換の結果得られたフーリエ級数のうち少なくとも0次から2次までの係数を利用するものである。この構成により、高次の係数を利用しなくても、従来のcosα法に比べて、正確に回折環の分析することができる。
また、フーリエ方式による回折環分析方法において、1次および2次のフーリエ級数の係数をa1、b1、a2、b2とする時、計測対象物の応力を平面応力であると仮定してx軸、y軸方向の垂直応力σx、σをそれぞれ
Figure 2018116063
とし、剪断応力τxy
Figure 2018116063
の両式少なくとも一方の式で算出するものである。ここで、Eはヤング率、νはポアソン比、ηは回折角の余角、ψは前記計測対象物の表面の法線と入射X線ビームとのなす角を表す。
この構成により、垂直応力および剪断応力を正確に求めることができる。
また、フーリエ方式による回折環分析装置は、回折する性質をもつビームを計測対象物の特定部分に照射するビーム照射部と、この特定部分から反射される回折ビームを撮像し、撮像面に回折環を形成させる撮像部と、この撮像部で得られた測定結果をフーリエ変換し、前記特定部分の応力又はひずみの少なくとも一方を算出するデータ処理部を備えるものである。この構成により、計測対象物の特定部分の応力又はひずみを正確に求めることができ、また、回折環に欠落がある場合であっても回折環を分析する装置を提供できる。
本発明の第2の回折環分析装置は、第1の回折環分析装置において、撮像部が、半導体を利用した固体X線撮像素子またはイメージングプレーである。この構成により、正確に回折環の測定が可能になる。
このように、フーリエ方式による回折環分析方法および装置によれば、回折環に欠落がある場合であっても回折環を分析し、かつ精度を向上させることができる。
言い換えれば、第1に、回折環に欠落がある場合(例えば図23)でもフーリエ級数への展開が可能なので、計算精度を劣化させることなく応力計算を可能にする。
第2に、4点のひずみを加減算する従来法とはことなり、回折環の存在する部分全てを用いてフーリエ級数に展開することにより4点分の測定値誤差を含まないのでS/N比を向上させることができる。
第3に、フーリエ級数の2次までの係数は従来法と等価な分析を可能にし、さらに、3次以上の係数は、従来法と比べて、回折環のひずみ情報に含まれるより多くの応力状態について分析することが可能にする。
<フーリエ方式の詳細説明>
続いて、フーリエ方式による回折環分析方法を行う回折環分析装置について図面を参照しながら説明する。
図24は、図1に示したデータ処理部17による回折環分析方法のうち、フーリエ方式に係るフローチャートを示すものである。
同図に示すように、本回折環分析方法は、撮像部15により撮像された回折環画像から回折環を判別する(S21)。
そして、判別された回折環と真円との半径方向のずれを判別された回折環と真円との半径方向のずれを、回折環の中心角αをパラメーターとする変形εαとして算出する(S22)。
次に、回折環の中心角αをパラメーターとする変形をεαフーリエ変換し、このフーリエ級数の係数を算出する(S23)。なお、判別された回折環に欠落がある場合には、測定された回折環と欠落部分の中心角αから欠落が無かったであろう場合のフーリエ級数を求める。この計算はフーリエ級数の性質を利用するものである。
この後、この算出結果を用いて、サンプル2の特定部分の応力又はひずみの少なくとも一方を算出する(S24)。
なお、図24において、回折環の真円とのずれをフーリエ級数に展開しているが、その代わりに、あるいは、それと併せて、回折環の幅、回折環の強度の変化をフーリエ級数に展開してもよい。これにより、回折環に含まれる情報に対してより多角的な分析を可能にする。
本形態の特徴としては第1に、回折環に欠落がある場合でもフーリエ級数への展開が可能なので、計算精度を劣化させることなく応力計算を可能にする。
第2に、4点のひずみを加減算する従来法とはことなり、回折環の存在する部分全てを用いてフーリエ級数に展開することにより4点分の測定値誤差を含まないのでS/N比を向上させることができる。
第3に、フーリエ級数の2次までの係数は従来法と等価な分析を可能にし、さらに、3次以上の係数は、従来法と比べて、回折環のひずみ情報に含まれるより多くの応力状態について分析することが可能にする。
フーリエ級数については、データ処理部17は、フーリエ級数の係数のうち少なくとも0次から2次までの係数を算出する。例えば、0次から2次までの係数を算出してもよいし、3次以上の係数を算出してもよい。
<回折環のフーリエ級数展開>
次に、回折環のフーリエ級数展開の内容を説明する。
入射ビームと試験対象物、撮像素子と回折環の位置関係は図16に示す通りである。ηは結晶の格子面間隔とX線の波長で決まっている回折角θの余角である(つまりηは90°−θ)。またψ0は計測対象物表面の法線と入射ビームとのなす角で、φ0はX線ビームと計測対象物のx軸とのなす角である。
一般に、試験対象物のx、y、z軸方向の垂直ひずみをそれぞれεx、εy、εz、剪断ひずみをγxy、γyz、γzxとすると、円周角αでの回折環の変形εα
Figure 2018116063
で表される。ただしn、n、nは、ひずみεα方向の方向余弦で、図16でφ0
0に設定するとき(以下の考察では妥当な設定である)
Figure 2018116063
で表される。一方、変形εαをフーリエ級数の形に表すと
Figure 2018116063
である。式(8)を式(7)に代入したものと式(9)とを比較することで計測対象物のひずみと回折環の歪のフーリエ級数を関連付けることができる。具体的には
Figure 2018116063
のようになる。k>=3の係数は全て0になるが、試験対象物のひずみがビームの照射領域内で一様で無い場合にはεx、εy、εz、γxy、γyzのいずれかまたは全てがαの関数となりk>=3成分が観測される。
以上の様に、回折環の円周角αと変形εαを求め、それを用いて、フーリエ変換し、そのフーリエ級数の係数を関連付けることにより、試験対象物の応力、ひずみを正確に求めることができる。
<平面応力状態>
式(10)〜(14)では変数が6個あるのに対し、方程式は5個なのでこのままでは解くことができない。そこで通常は試験対象物の応力状態に仮定を置いて測定を行う。比較的単純な例として平面応力状態を考える。これは試験対象物の深さ方向に対して応力が変化しないという仮定で、近似的に多くの場合で成り立っており、工業的に重要である。具体的にはヤング率Eとポアソン比v、応力成分σx、σyおよびτxyを用いて
Figure 2018116063
および
Figure 2018116063
のように表される。
式(11)〜(14)に式(15)および式(16)を代入すると
Figure 2018116063
のようにフーリエ級数の係数と応力の関係式が得られる。ただしa0は応力の決定には利用しないので省略した。
式(17)よりσx
Figure 2018116063
のように計算される。このσxと式(19)を利用するとσy
Figure 2018116063
のように求められる。同様に式(18)、式(20)からそれぞれ
Figure 2018116063
のようにτxyが独立に計算される。
<応力の測定例>
本発明のフーリエ方式を検証するためJIS-SS400C材に機械的負荷(四点曲げ)を与え、裏面に貼ったひずみゲージによる機械的応力と本フーリエ方式による測定値を比較した。回折用のビームにはX線(Cr-Kα線)を、回折画像の取得にはイメージングプレート(IP)を利用した。回折角θが78.44度なので、ηは11.56度であった。また試験対象物とIPとの距離は39mm、Ψ0=35度であった。
<フーリエ係数の抽出>
図25は回折環の円周角と変形との関係を示す図である。具体的には、10 MPaの負荷をかけたときに得られた回折環の変形εαの例を示す図である。同図の横軸は回折環の円周角α、縦軸は変形εαを表している。εαの実測値(図25の上図の実線で示す)をαについてフーリエ級数に展開し、各項の係数の2次以下の係数によってひずみを近似して求めると、図25の上図の破線のようになる。なお、ここでは高速フーリエ変換(FFT)によって係数を求めており、同図では4次までの係数を示している(実際にはさらに高次の係数も求まる)。
図25の下図は上図の実線(実測値)と破線(近似計算値)との間の残差である。2次以下の近似とは図25のa1、b1、a2、b2だけを式(7)に代入した近似で、残差とは実測値と近似値との間の差である。
同図から明らかなように、実測値と計算値の誤差は僅かであり、本回折環分析方法および同装置の効果を実証するものである。なお、同図の下図に示される残差は、これは式(13)および(14)の平面応力状態という近似が完全には成り立っていないことや、ひずみを求める際の回折ピークの位置決定の誤差が原因であると考えられる。
<応力の決定>
図26は、試験対象物に機械的負荷を10 MPaかけた状態で回折環の変形εαを測定し、フーリエ級数の係数を求めた結果を示す図である。同図で、係数a1、b1、a2、b2はそれぞれ、式(1)〜(4)に対応するものである。図26から明らかな様に、本実施形態の回折環分析方法および同装置では、従来のcosα法では求めることができなかった高次の係数a3、b3、a4、b4まで求めことが可能になっている。これは、本実施形態では、上記の様に、実測値との関係が明確に理論づけされているからに他ならない。
図27は、試験対象物に10、43、73、106、140、174、209 MPaの各負荷を機械的にかけながら本実施形態のフーリエ方式で求めた応力σxである。図の横軸は機械的な負荷による応力で、縦軸が本発明のフーリエ方式で求めた応力σxである。それぞれの負荷でフーリエ係数から応力の平均と標準偏差を求め、式(21)から負荷方向の応力σxを決定した。この図では機械的な負荷による応力と本発明のフーリエ方式で求めた応力σxの比例係数がほぼ1になっており、本実施形態のフーリエ方式で応力を正確に測定できることがわかる。
本発明は、計測対象物にX線を照射して、計測対象物で反射したX線により発生する回折環の画像を計測する回折環計測装置に有用である。
2 サンプル(計測対象物)
5、8、9 回折環
10 回折環計測装置
11 高圧電源
12 冷却部
13 制御部
14 X線照射部
6、15 撮像部
16 画像処理部
17 データ処理部
18 出力部
101 R転送部
102 光電変換部
111 画素
151、155 基台
152 貫通孔
200、300 固体撮像素子
201 撮像エリア
202 貫通孔
302 貫通孔
303 θ転送部
300、400a、400b、500a〜500d、600a〜600j 固体撮像素子
700a〜700l、800a〜800d、810a〜810d 固体撮像素子
301、401a、401b、501a〜501d、601a〜601j 撮像エリア
701a〜701l、801a〜801d、811a〜811d 撮像エリア
900a〜900p、901〜932 ラインセンサ

Claims (2)

  1. 回折により発生する回折環を計測する回折環計測装置であって、
    計測対象物に回折する性質をもつビームを照射する照射部と、
    前記計測対象物からの回折ビームにより形成される前記回折環を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された回折環を表す回折環画像を生成する画像処理部と、
    前記画像処理部により生成された前記回折環画像を解析するデータ処理部と
    を備え、
    前記撮像部は、前記ビームが通過する貫通孔を中央部に有し、前記回折環を撮像する固体撮像素子を有し、
    前記固体撮像素子は、二次元状に直交配置された複数の光電変換部を有し、
    前記画像処理部は、前記固体撮像素子により撮像された画像を、直交座標から前記貫通孔を中央とする極座標に変換することにより前記回折環画像を生成し、
    前記固体撮像素子は、1つの半導体基板上に複数の画素の半分ずつをそれぞれ有する2つのイメージセンサの回路を対称に備え、垂直転送パルスおよび水平転送パルスを含む駆動信号を共通化する
    回折環計測装置。
  2. 回折により発生する回折環を計測する回折環計測装置であって、
    計測対象物に回折する性質をもつビームを照射する照射部と、
    前記計測対象物からの回折ビームにより形成される前記回折環を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された回折環を表す回折環画像を生成する画像処理部と、
    前記画像処理部により生成された前記回折環画像を解析するデータ処理部と
    を備え、
    前記撮像部は、前記ビームが通過する貫通孔を中央部に有し、前記回折環を撮像する固体撮像素子を有し、
    前記固体撮像素子は、前記貫通孔を中央とする極座標に沿って配置された複数の光電変換部を有し、
    前記複数の光電変換部のそれぞれの受光面積は、前記極座標の内側の光電変換部の受光面積よりも大きい
    回折環計測装置。
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