JP2018115987A - シリコンと導電体との接合体およびこれを用いた圧力センサ - Google Patents

シリコンと導電体との接合体およびこれを用いた圧力センサ Download PDF

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Keisuke Nakano
景介 中野
吉原 晋二
Shinji Yoshihara
晋二 吉原
佐藤 順一
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Abstract

【課題】シリコンと導電体とがPbOを主材料とする接合材を介して接合された接合体において、接合材が薄肉化された構成としつつも、接合材におけるPb析出が抑制された信頼性の高い接合体およびこれを用いた圧力センサを実現する。【解決手段】表面1aを有し、金属によりなる導電体1とシリコンによりなるチップ3とが導電体上に配置され、PbOを主材料とする接合材2を介して接合され、該チップと該接合材とを隔てるように形成されたバリア層4とを備えた接合体とする。圧力センサにおいては、導電体1が金属ステム10、チップ3がセンサチップ40、接合材2が接合ガラス30、バリア層4が拡散防止層43である接合体を有する構成とする。これにより、チップ3から接合材2へのシリコンの拡散が抑制され、Pb析出を抑制された信頼性の高い接合体およびこれを用いた圧力センサとなる。【選択図】図2

Description

本発明は、シリコンと導電体とがPbOを主材料とする接合材を介して接合された接合体およびこれを用いた圧力センサに関する。
従来より、シリコンによりなるシリコンチップと金属等によりなる導電体とがPbOを主材料とする接合材を介して接合された接合体が知られている。このような接合体は、高圧を検出することができる圧力センサ等で見られ、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1に記載の圧力センサは、ダイヤフラムが形成された有底円筒状の金属ステムと、ダイヤフラムの歪検出を行う歪検出素子が形成されたセンサチップとを備え、接合ガラスを介してセンサチップがダイヤフラム上に接合されている。なお、特許文献1に記載の圧力センサでは、センサチップがシリコンチップに、金属ステムが導電体に、接合ガラスが鉛ガラスに相当し、センサチップが金属ステムに接合ガラスを介して接合されたものが上記の接合体に相当する。
このような構成において、接合ガラスは、センサチップから金属ステムに向かってその熱膨張係数が連続的に変化するように形成されている。具体的には、例えばシリコンによりなるセンサチップと金属によりなる金属ステムとでは、その熱膨張係数が異なる。そして、接合ガラスのうちセンサチップとの界面については、その熱膨張係数がセンサチップの熱膨張係数に近くされると共に、接合ガラスのうち金属ステムとの界面については、その熱膨張係数が金属ステムの熱膨張係数に近くされている。また、PbOを主材料とする接合ガラス(以下「鉛ガラス」という)は、流動性があり、金属ステムとセンサチップとの線膨張係数差に基づく熱膨張の制御を行うのに適していることから、接合材として用いると好適である。
上記の構成によれば、熱膨張係数が異なるセンサチップと金属ステムとが熱膨張係数が連続的に変化する接合ガラスで接合されることで、熱膨張係数差に起因するセンサチップの剥離や割れ等の少ない信頼性の高い圧力センサとなる。
特開2013−36935号公報
ここで、近年、圧力センサでは、小型化、軽量化、高感度化が進み、接合ガラスの厚みを薄くすることが検討されている。本発明者らは、センサチップとしてシリコンチップを、接合ガラスとして鉛ガラスを用い、鉛ガラスの薄肉化について検討を行った。その結果、冷熱試験などの信頼性試験において当該鉛ガラス中での鉛の析出が生じ、特に鉛ガラスを薄肉化した圧力センサではその信頼性が低下することが判明した。特許文献1に記載の圧力センサでは、熱膨張係数が連続的に変化させた接合ガラスによりセンサチップと金属ステムとの接合の信頼性については高くできるものの、鉛ガラスを用いた場合における鉛の析出による信頼性低下を解決することが難しい。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、シリコンチップと導電体とを鉛ガラスを介して接合した接合体およびこれを用いた圧力センサにおいて、鉛ガラスを薄肉化しつつも、信頼性の高い接合体および圧力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の接合体は、表面(1a)を有し、金属によりなる導電体(1)と導電体上に配置され、PbOを主材料とする接合材(2)と、導電体上に接合材を介して接合され、シリコンによりなるチップ(3)と、チップと接合材とを隔てるように形成されたバリア層(4)とを備える。
これにより、PbOを主材料とし、薄肉化された接合材を介してシリコンによりなるチップと金属によりなる導電体とが接合された接合体において、チップにバリア層が形成されることにより、接合材におけるPbの析出を抑制でき、信頼性の高い接合体となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の圧力センサを示す断面図である。 図1中の破線で囲む領域IIの部分拡大図である。 信頼性試験を行った際の従来の圧力センサおよび第1実施形態の圧力センサにおける鉛ガラスの変化について示した断面図である。 バリア層を備える導電体とシリコンによりなるチップとが接合材を介して接合された接合体を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる圧力センサについて説明する。なお、本実施形態の圧力センサは、例えば、自動車における燃料噴射用の燃料パイプの燃料圧やブレーキ液圧の検出用のように、高圧、例えば200〜300MPa程度の圧力検出を行う製品に適用されると好適である。
図1に示されるように、圧力センサは、金属ステム10、ハウジング20、接合ガラス30、センサチップ40、回路基板50、リード60、61、コネクタ70およびターミナル71などによって構成されている。
金属ステム10は、SUS430、SUS630、SUS304のようなステンレス鋼等の金属によって構成され、有底筒状部材とされている。金属ステム10の底面にて薄肉のダイヤフラム11が構成されており、金属ステム10のうちダイヤフラム11と反対側の他端部が中空の開口部12とされている。開口部12から形成された中空の内部空間13は円柱形状とされており、ダイヤフラム11の上面形状が円形状となっている。
また、金属ステム10は、ダイヤフラム11側の方が開口部12側に比べて外周径が大きくなるようにフランジ形状とされた底部14が形成されている。この底部14のうち開口部12と反対側の面を一面10aとして、一面10aの上に、接合ガラス30を介してセンサチップ40が配置されると共に、接合ガラス30およびセンサチップ40の周囲に回路基板50が配置されている。より詳しくは、底部14のうちダイヤフラム11と対応する位置に接合ガラス30を介してセンサチップ40が接合され、ダイヤフラム11の周囲の部分に回路基板50が固定されている。そして、開口部12を通じて導入される圧力媒体の圧力がダイヤフラム11における受圧面に印加され、その圧力に応じた歪みが接合ガラス30を介してセンサチップ40に伝えられるようになっている。
さらに、底部14のうち回路基板50と対応する位置には凹部15が形成されており、当該凹部15内に、回路基板50を貫通するように設けられたリード60の先端が入り込んでいる。この凹部15内には図示しない接着剤等が充填されており、この接着剤を介して回路基板50が底部14に貼り付けられている。
ハウジング20は、例えば図示しない燃料パイプなどの被取付対象に直接取り付けられるもので、外周面に取付用のネジ21が形成されている。このネジ21の部分を例えば燃料パイプに螺合することによって開口部12が燃料パイプ内と連通して、金属ステム10への圧力媒体の導入が可能となる。
ハウジング20の内部には、金属ステム10の一部が嵌め込まれる中空部22と、センサチップ40などが収容される収容空間23とが形成されている。収容空間23の径は、中空部22の径よりも大きくされている。そして、上記した金属ステム10は、底部14よりも開口部12側の部分が中空部22に嵌め込まれることでハウジング20に固定されている。収容空間23には、底部14に加えて、接合ガラス30やセンサチップ40および回路基板50などが収容されている。
また、ハウジング20のうちネジ21と反対側には、ハウジング20の内径が拡大されることで構成された第1段付部24と、更にハウジング20の内径が拡大されることで構成された第2段付部25が形成されている。第1段付部24に当接するようにシール部材26が配置され、シール部材26に当接するようにコネクタ70が配置されている。シール部材26は、ゴムで構成されたOリング26aと樹脂もしくは金属で構成された環状部26bとを有した構成とされている。そして、コネクタ70がOリング26aを押圧するようにしてハウジング20に固定されることで、ハウジング20とコネクタ70との間のシール性が確保されている。
さらに、ハウジング20のうちネジ21の反対側の先端部27が径方向内方にかしめられていることで、このかしめによってコネクタ70が先端部27に固定されている。
なお、本実施形態では、ハウジング20を金属ステム10と別体のもので構成した場合を示してあるが、金属ステム10とハウジング20とを1部材で構成することもできる。例えば、1本の金属材料を用意し、切削加工を行うことによって、金属ステム10とハウジング20とを一体構造としたものを作製することも可能である。
接合ガラス30は、センサチップ40を金属ステム10に対して接合するための接合材に相当し、酸化鉛(PbO)を主材料とする酸化物からなるガラス質により構成されている。酸化物の中でも、鉛を含むガラス質である酸化鉛については、流動性があり、金属ステム10とセンサチップ40との線膨張係数差に基づく熱膨張の制御を行うのに適していることから、接合ガラス30における主材料として用いられる。他にも酸化物としては、酸化ホウ素(B)、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)などが挙げられ、酸化物として上記の主材料以外にこのような材料を含んでいてもよい。
なお、ここでいう「主材料」とは、接合ガラス30を構成する材料のうち50wt%以上を占める材料であることを意味する。
接合ガラス30は、圧力センサの小型化等の観点から金属ステム10の一面10aに対する法線方向(以下「一面法線方向」という)における厚みが薄いことが好ましい。具体的には、接合ガラス30の一面法線方向における厚みについては、10μm以上であって、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下とされる。
また、接合ガラス30は、フィラーを含有していても良い。フィラーとしては、ガラス質のガラス転移温度でも形状変化が無い材料で構成され、例えば鉛、チタン、カルシウム、ジルコニウムおよびシリコンのうちの1種もしくは複数種の元素を含む金属酸化物を粒子状としたものを用いることができる。フィラーの粒径については任意であるが、接合ガラス30の薄肉化の観点から、10μm以下のものであると好ましい。なお、上記のようなフィラーを無機ガラスに含有させることにより、接合ガラス30の熱膨張係数を任意の値に調整することもできる。
接合ガラス30は、例えば上記のようなガラス質に溶媒を加えてなるペースト状ガラスを素材とし、このペーストを固化させてなる。例えば、ダイヤフラム11が形成された金属ステム10の一面10a上に接合ガラス30の材料に溶媒を加えてペースト状にしたペースト状ガラスをディスペンサーで略円形状となるように塗布する。そして、例えば四角形状とされ、後述する拡散防止層43が形成されたセンサチップ40を、センサチップ40のうち拡散防止層43がペースト状ガラスと接するように配置する。その後、例えば、加熱炉にて440℃で10分間の加熱を行い、接合ガラス30の材料を加熱溶融し、その後自然冷却して固化する。このようにして、図2に示すように、拡散防止層43を介してセンサチップ40を接合ガラス30に接合することができる。
なお、上記ではハウジング20に固定される前の金属ステム10に接合ガラス30の材料を塗布する例を説明したが、ハウジング20に固定された後の金属ステム10やハウジング20と一体化された金属ステム10に接合ガラス30の材料を塗布してもよい。
センサチップ40は、開口部12から金属ステム10の内部に導入された圧力媒体の圧力によってダイヤフラム11が変形したときに発生する歪みを検出するものである。具体的には、センサチップ40には、図2に示すように、ダイヤフラム11の歪みに応じた電気出力をセンサ信号として出力する歪検出素子としての歪検出部41が形成されている。例えば、センサチップ40は、本実施形態では、四角形状とされたシリコン基板によって構成されている。歪検出部41は、例えばセンサチップ40に形成された拡散抵抗によって構成され、4つのゲージ抵抗でホイートストンブリッジ回路が形成されたものとされている。
このような構成とされたセンサチップ40において、圧力印加に伴ってダイヤフラム11が変形すると、それに基づく歪みにより、ホイートストンブリッジ回路を構成する4つのゲージ抵抗のうち一方の対向する1組については圧縮応力が加わる。そして、残る他方の対向する1組については引張応力が加わる。これにより、ゲージ抵抗が構成するホイートストンブリッジ回路の中点電圧が変化するため、歪検出部41では、印加された圧力を電気信号に変換した電気出力をすることが可能となっている。
なお、センサチップ40の所望箇所と回路基板50の所望箇所とがボンディングワイヤ42を介して電気的に接続されており、例えば歪検出部41の電気出力が回路基板50に伝えられる。また、センサチップ40に、歪検出部41の電気出力を信号処理する信号処理回路を備えることもできる。その場合、回路基板50には、歪検出部41の電気出力が信号処理回路で処理されてから回路基板50に対して出力される。
センサチップ40は、図2に示すように、接合ガラス30との接合界面に形成された拡散防止層43を備える。
拡散防止層43は、シリコンにより構成されたセンサチップ40から鉛ガラスを主材料とする接合ガラス30へとシリコンが拡散することを抑制するために設けられる。拡散防止層43は、接合ガラス30およびセンサチップ40の両方と密着性が高く、かつ、シリコンの拡散を抑制できる金属材料もしくは酸化物により構成される。具体的には、拡散防止層43として用いることができる金属材料としては、例えばNi、Ti、W、TiN、TiWなどが挙げられる。拡散防止層43として用いることができる酸化物としては、例えばSiO、SiNなどが挙げられる。拡散防止層43は、製造コストの低減や製造工程におけるセンサチップ40への熱履歴による信頼性低下の抑制の観点から金属材料を用いることが好ましい。
拡散防止層43の厚みは、シリコンの接合ガラス30への拡散防止の観点から、金属材料、酸化物のいずれを用いる場合であっても、10nm以上、好ましくは50nm以上、さらに好ましくは100nm以上とされる。拡散防止層43の厚みを100nm以上とする際における上限値は特にないが、1μm以下とされることが好ましい。拡散防止層43を10nm以上の厚みとすることにより接合ガラス30へのシリコンの拡散を抑制する効果が期待できる一方で、製造コストの観点から拡散防止層43を必要以上に厚くする意義が薄いためである。
なお、拡散防止層43は、シリコンがセンサチップ40から接合ガラス30へ拡散することを抑制できればよく、金属材料もしくは酸化物によりなる単層膜とされてもよいし、例えばTi/TiN/Tiなどのように複数の層が積層された多層膜とされてもよい。拡散防止層43は、単層膜であって、金属材料と酸化物とを有する複合膜とされてもよい。
拡散防止層43は、例えば、金属材料により構成する場合にはスパッタリングなどにより、酸化物により構成する場合には化学気相成長法(CVD)や熱酸化などにより形成される。
回路基板50は、接着剤などを介して金属ステム10の底部14に固定されている。例えば、回路基板50は、ダイヤフラム11と対応する部分が開口させられた円環板状もしくはC字形板状などによって構成されている。そして、回路基板50には、ボンディングワイヤ42と電気的に接続される図示しない複数のパッドが形成されている。また、回路基板50には複数本のリード60が実装されており、複数のパッドのそれぞれに各リード60が電気的に接続されている。
なお、この回路基板50に対して、歪検出部41の電気出力を信号処理する信号処理回路等が形成されたICチップ等を配置することもできる。この場合、歪検出部41の電気出力がICチップ内の信号処理回路で信号処理されたのち、リード60などを通じて外部に出力されることになる。
リード60は、回路基板50を通じてセンサチップ40との電気的接続を行うための導体部材であり、例えば銅などの金属によって構成されている。リード60は、複数本備えられ、それぞれ回路基板50に対して立設されており、その一端が回路基板50の各パッドに対して電気的に接続され、他端がリード61に電気的に接続されている。
リード61は、リード60とターミナル71とを物理的および電気的に接続する導体部材であり、例えば銅などの金属によって構成されている。リード61は、リード60と対応して複数本備えられており、それぞれが各リード60に対して例えば溶接などによって接続されている。
コネクタ70は、ターミナル71がコネクタケース72にインサート成形された部材である。ターミナル71は、リード60、61を介して回路基板50やセンサチップ40に電気的に接続されている。これにより、センサチップ40からの電気出力は、必要に応じて信号処理回路で信号処理されたのち、ボンディングワイヤ42から回路基板50に伝えられ、リード60、61およびターミナル71に伝えられるようになっている。
また、コネクタ70は、コネクタケース72のうちターミナル71の他端が突き出した側の面を下面として、当該下面をシール部材26側に押圧した状態でハウジング20の先端部27がかしめられることで、ハウジング20に固定保持されている。なお、ターミナル71は、図1では2本示されているが、実際には、電源印加用、GND接続用、出力用、検査用等のために必要な本数が備えられている。そして、コネクタ70に対して、自動車のECUなどに繋がる配線に接続された図示しない外部コネクタを接続することで、圧力センサの検出信号がECUなどに伝達されるようになっている。
コネクタケース72は、コネクタ70の外形を成すものであり、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂の略)等によって構成されている。コネクタケース72は、下面がフランジ形状を成しており、このフランジ形状とされた部分がシール部材26と当接するようにしてハウジング20の先端部27の内側に挿入され、かしめられた先端部27によってハウジング20に固定保持される。つまり、コネクタケース72は、ハウジング20に組み付けられるパッケージを構成するものであり、ハウジング20に収容されたセンサチップ40や電気的接続箇所等を湿気や機械的外力より保護する機能を果たす。
以上が本実施形態における圧力センサの基本的な構成である。次に、拡散防止層43を設けることによる効果について、図3を参照して具体的に述べる。
図3(a)では、拡散防止層43を備えていない従来の圧力センサ(以下、単に「従来の圧力センサ」という)であって、接合ガラス30の厚みを薄く、例えば50μm程度とされたものの信頼性試験前における状態を示している。本発明者らが、このような従来の圧力センサにて信頼性試験、例えば冷熱サイクル試験を行ったところ、図3(b)に示すように、接合ガラス30内において析出物44が生じることが判明した。具体的には、信頼性試験後の従来の圧力センサにおける接合ガラス30の断面について、EDX(Energy dispersive X-ray spectrometryの略)分析を行ったところ、析出物44は、Pbであった。接合ガラス30中にPbが析出すると、図3(b)に示すように、センサチップ40と金属ステム10とがPbを介して電気的に接続されるか若しくはこれらが電気的に接続されずともPbの析出により接合ガラス30の耐電圧が低下する等の絶縁不良が生じ得る。また、Pbが析出した場所において応力変化が生じることで、接合ガラス30全体としての応力変化が生じてしまい、センサチップ40の剥離や割れ等による不具合が懸念される。
本発明者らは、図3(b)に示す矢印の向き、すなわちセンサチップ40から接合ガラス30に向かう方向に沿って、シリコンが接合ガラス30内に拡散し、この拡散したシリコンが酸化鉛から酸素原子を奪うことでPbからなる析出物44が生じたと推測した。そこで、図3(c)に示すように、センサチップ40から接合ガラス30へシリコンが拡散することを抑制する拡散防止層43を備えた圧力センサとすることで、析出物44が生じることを抑制し、信頼性の高い圧力センサとなることを見出した。
なお、上記にいう「冷熱サイクル試験」とは、例えば、160℃に加熱して5分間保持した後、−40℃に冷却して5分間保持する冷熱工程を200サイクル繰り返すものをいう。
本実施形態によれば、接合ガラス30とセンサチップ40との間に拡散防止層43を設けることにより、接合ガラス30が従来の圧力センサに比べて薄肉化された構成としつつも、接合ガラスにおける析出物44の発生を抑制でき、信頼性の高い圧力センサとなる。また、接合ガラス30が薄肉化されることにより、金属ステム10に形成されたダイヤフラム11の歪みを精度良く検出ことが可能となるため、高感度の圧力センサとなる。加えて、接合ガラス30およびセンサチップ40の薄肉化により、高感度の圧力センサとなることで、センサチップ40の必要なサイズおよびこれに付随する接合ガラス30のサイズをさらに小さくでき、小型化、軽量化された圧力センサとなる。そして、高感度化、小型化、軽量化されることで製造コストの少ない圧力センサとなる。
(他の実施形態)
なお、上記した第1実施形態に示した圧力センサは、本発明の接合体の一例を示したものであり、上記の第1実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、拡散防止層43を多層膜とする場合についてTi/TiN/Tiを例として挙げたが、これに限らず、TiN/Ti/TiWなどの上記の金属材料の他の様々な組み合わせとされていてもよい。また、拡散防止層43は、金属材料と酸化物とを適宜組み合わせた多層膜とされていてもよい。
上記第1実施形態では、センサチップ40のうち接合ガラス30の反対側の面を表面、接合ガラス30と向き合う面を裏面とし、表面と裏面との間における端面を側面として、図2に示すように、拡散防止層43を裏面にのみ形成した例について述べた。しかし、拡散防止層43は、接合ガラス30とセンサチップ40とを隔てるように形成されればよく、裏面のみに限らず、側面の一部もしくは全部に形成されてもよい。
上記第1実施形態では、センサチップ40を四角形状とした例について述べたが、センサチップ40は、四角形状に限らず、多角形状や円形状、楕円形状にされていてもよく、他の形状とされていてもよい。
なお、上記第1実施形態の圧力センサは、図4に示す接合体の具体的な一例として示したものである。すなわち、上記第1実施形態の圧力センサでは、金属ステム10が表面1aを有し、金属によりなる導電体1に、接合ガラス30がPbOを主材料とする接合材2に、センサチップ40がシリコンによりなるチップ3に、拡散防止層43がバリア層4に相当する。また、上記第1実施形態の圧力センサは、図4に示す金属ステム10とセンサチップ40とが接合ガラス30を介して接合された接合体を用いたものに相当する。金属によりなる導電体1とシリコンによりなるチップ3とが薄肉化された接合材2を介して接合された接合体であれば、圧力センサに限らず、他の用途にも用いることができる。
10 金属ステム
11 ダイヤフラム
20 ハウジング
30 接合ガラス
40 センサチップ
41 歪検出部
43 拡散防止層
44 析出物

Claims (4)

  1. 表面(1a)を有し、金属によりなる導電体(1)と
    前記導電体上に配置され、PbOを主材料とする接合材(2)と、
    前記導電体上に前記接合材を介して接合され、シリコンによりなるチップ(3)と、
    前記チップと前記接合材とを隔てるように形成されたバリア層(4)とを備える接合体。
  2. 前記表面に対する法線方向における前記接合材の厚みは、50μm以下である請求項1に記載の接合体。
  3. 印加される圧力に応じて電気出力を発生させる圧力センサを有し、
    圧力検出用のダイヤフラム(11)が形成された一面(10a)を有する金属ステム(10)と、
    前記一面のうち前記ダイヤフラム上に配置され、PbOを主材料とする接合ガラス(30)と、
    前記ダイヤフラム上に前記接合ガラスを介して接合され、前記ダイヤフラムの歪みに応じた電気出力を発生する歪検出部(41)を備えるセンサチップ(40)と、
    前記センサチップと前記接合ガラスとを隔てるように形成された拡散防止層(43)と、を備え、
    前記金属ステムが前記導電体であり、
    前記接合ガラスが前記接合材であり、
    前記センサチップが前記チップであり、
    前記拡散防止層が前記バリア層である請求項1または2に記載の接合体。
  4. 前記センサチップのうち前記拡散防止層が形成された面に対する法線方向における前記拡散防止層の厚みは、10nm以上である請求項3に記載の接合体。
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CN109103266B (zh) * 2018-09-19 2024-02-06 华天科技(西安)有限公司 一种光电传感器封装结构及其封装方法

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