JP2018115640A - 燃料噴射システム - Google Patents

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知明 柿原
Tomoaki Kakihara
知明 柿原
英樹 長田
Hideki Osada
英樹 長田
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【課題】バイオディーゼル燃料の酸化劣化を効果的に抑制する。【解決手段】バイオディーゼル燃料を貯留する燃料タンク11と、高圧ポンプ14と、コモンレール16と、インジェクタ17と、燃料リターン配管19と、冷却水循環回路30と、冷却水循環回路30から分岐する冷却水導入配管61と、燃料リターン配管19の少なくとも上流側の外周面を覆うと共に、その内周面と燃料リターン配管19の外周面との間に冷却水導入配管61から導入される冷却水を燃料リターン配管19の上流側から下流側に向けて流通させ、燃料リターン配管19内を流れるバイオディーゼル燃料を冷却水との熱交換により冷却する熱交換配管62と、熱交換配管62内を流れた冷却水を冷却水循環回路30に戻す冷却水リターン配管63とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料噴射システムに関し、特に、燃料にバイオディーゼル燃料を用いるエンジンの燃料噴射システムに関する。
一般的に、エンジンの燃料には、主としてガソリンや軽油等の化石燃料が広く使用されている。しかしながら、これら化石燃料には、燃焼により発生するCO2が地球温暖化等に影響を与える課題がある。近年、このような化石燃料の課題に鑑み、燃焼により発生したCO2排出量をカウントしない所謂バイオディーゼル燃料が用いられるようになっている。バイオディーセル燃料としては、例えば、植物を原料とするエタノールやメタノール、脂肪酸メチルエステル等が広く実用化されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2010−156275号公報 特開2006−144736号公報
ところで、バイオディーゼル燃料は、酸化安定性が低く、燃料温度が高温になると、酸化劣化により燃料中にスラッジや酸が生成され、燃料噴射系の破損や腐食、燃焼不良等を引き起こす課題がある。
本開示の技術は、バイオディーゼル燃料の酸化劣化を効果的に抑制することを目的とする。
本開示の技術は、バイオディーゼル燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクから汲み上げられるバイオディーゼル燃料を加圧する高圧ポンプと、
前記高圧ポンプから供給されるバイオディーゼル燃料を蓄圧するコモンレールと、前記コモンレールに蓄圧されたバイオディーゼル燃料をエンジンの気筒内に噴射するインジェクタと、前記コモンレール及び前記インジェクタの余剰燃料を前記燃料タンクに戻す燃料リターン配管と、前記エンジンの冷却水を循環させる冷却水循環回路と、前記冷却水循環回路から分岐する冷却水導入配管と、前記燃料リターン配管の少なくとも上流側の外周面を覆うと共に、その内周面と前記燃料リターン配管の外周面との間に前記冷却水導入配管から導入される冷却水を前記燃料リターン配管の上流側から下流側に向けて流通させ、前記燃料リターン配管内を流れるバイオディーゼル燃料を冷却水との熱交換により冷却する熱交換配管と、前記熱交換配管内を流れた冷却水を前記冷却水循環回路に戻す冷却水リターン配管と、を備えることを特徴とする。
また、前記冷却水循環回路が、少なくとも、冷却水を外気との熱交換により冷却するラジエータと、該ラジエータの出口部と前記エンジンのウォータジャケットとを接続する冷却水上流配管とを含み、前記冷却水導入配管が前記冷却水上流配管から分岐してもよい。
また、前記冷却水循環回路が、前記冷却水上流配管に設けられて冷却水を圧送する冷却水ポンプを含み、前記冷却水導入配管が前記冷却水ポンプよりも下流側の前記冷却水上流配管から分岐してもよい。
また、前記熱交換配管が円筒状に形成されると共に、前記冷却水導入配管及び前記冷却水リターン配管が前記熱交換配管に接線方向から接続されてもよい。
本開示の技術によれば、バイオディーゼル燃料の酸化劣化を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射システムを示す模式的な全体構成図である。 本発明の一実施形態に係る熱交換部を示す模式的な軸方向断面図である。 他の実施形態に係る熱交換部を示す模式的な径方向断面図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る燃料噴射システムについて説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態に係る燃料噴射システム1を示す模式的な全体構成図である。本実施形態の燃料噴射システム1は、エンジンEの燃料としてバイオディーゼル燃料を用いるもので、燃料噴射装置10と、冷却水循環回路30と、熱交換部60とを備えている。
燃料噴射装置10は、燃料タンク11と、フィードポンプ20と、燃料吸入配管12と、燃料フィルタ13と、高圧ポンプ14と、燃料供給配管15と、コモンレール16と、エンジンEの各気筒内に燃料を噴射する複数のインジェクタ17と、圧力制御弁18と、余剰燃料を燃料タンク11に戻す燃料リターン配管19とを備えている。
燃料タンク11は、バイオディーゼル燃料を貯留する。フィードポンプ20は、燃料タンク11内のバイオディーゼル燃料に浸漬されている。フィードポンプ20は、例えば、図示しないモータ等の動力により駆動される。
燃料吸入配管12は、一端側をフィードポンプ20の吐出口に接続されると共に、他端側を高圧ポンプ14の吸入口に接続されている。燃料フィルタ13は、燃料吸入配管12に介装されており、フィードポンプ20によって汲み上げられたバイオディーゼル燃料に含まれる異物を除去する。
高圧ポンプ14は、エンジンEの動力で駆動する。高圧ポンプ14は、何れも図示しないシャフトの回転によって往復駆動するプランジャを備えており、プランジャの往復運動によってバイオディーゼル燃料を加圧して吐出する。高圧ポンプ14で加圧された高圧燃料は、燃料供給配管15を介してコモンレール16に供給される。
コモンレール16は、高圧ポンプ14から供給される高圧燃料を蓄圧して各インジェクタ17に分配する。また、コモンレール16には、圧力制御弁18が設けられており、コモンレール16内の圧力が所定値に達すると、高圧燃料が燃料リターン配管19を介して燃料タンク11に戻されるようになっている。なお、圧力制御弁18は高圧ポンプ14とコモンレール14の間の位置に設置されていてもよい。
冷却水循環回路30は、シリンダブロックCBに形成されて各気筒を冷却するウォータジャケット31と、冷却水を外気との熱交換により冷却するラジエータ32と、ラジエータ32出口部とウォータジャケット31入口部とを接続する冷却水上流配管33と、ウォータジャケット31出口部とラジエータ32入口部とを接続する冷却水下流配管34と、冷却水下流配管34と冷却水上流配管33とを接続する冷却水バイパス配管35と、冷却水上流配管33の冷却水バイパス配管35との合流部よりも下流側に介装された冷却水ポンプ36と、サーモススタット37とを備えている。
冷却水循環回路30は、冷却水温が所定の暖気温度に達するまではサーモスタット37が閉弁することで、冷却水をラジエータ32から迂回させて冷却水バイパス配管35に流通させるようになっている。
本実施形態において、冷却水循環回路30には、冷却水上流配管33から分岐して、燃料リターン配管19を流れるバイオディーゼル燃料を冷却水との熱交換により冷却する熱交換部60が設けられている。熱交換部60は、冷却水上流配管33(好ましくは、冷却水ポンプ36よりも下流側)から分岐する冷却水導入配管61と、燃料リターン配管19内のバイオディーゼル燃料を冷却水と熱交換させる熱交換配管62と、冷却水リターン配管63とを備えている。
以下、図2に基づいて、熱交換部60の詳細構成について説明する。
熱交換配管62は、その管内径を燃料リターン配管19の管外径よりも大径に形成された中空円筒状を呈している。また、熱交換配管62の内部には、燃料リターン配管19が円筒軸方向に貫通挿入されており、熱交換配管62の内筒面と燃料リターン配管19の外周面との間には、全周に亘って所定の間隔が確保されている。すなわち、熱交換配管62によって覆われた燃料リターン配管19の外周面全体に冷却水が均一に流されるようになっている。
本実施形態において、冷却水導入配管61は、燃料リターン配管19の上流側を覆う熱交換配管62の一端部62Aに接続され、冷却水リターン配管63は、燃料リターン配管19の下流側を覆う熱交換配管62の他端部62Bに接続されている。すなわち、ラジエータ32及び、冷却水上流配管33(何れも図1参照)から冷却水導入配管61を介して熱交換配管62内に導入される低温冷却水が、最も高温になり易い燃料リターン配管19の上流側外周面に直接的に当てられるようになっている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、燃料リターン配管19の外周面を覆う熱交換配管62に冷却水循環回路30から導入した冷却水を流通させることで、燃料リターン配管19内を流れるリターン燃料が冷却水との熱交換により冷却されるようになっている。このように、高温になり易いリターン燃料をエンジンEの冷却水によって冷却することで、バイオディーゼル燃料の酸化劣化を効果的に抑制することができる。
また、冷却水導入配管61を燃料リターン配管19の上流端側を覆う熱交換配管62の一端部62Aに接続することで、ラジエータ32で冷却された低温冷却水が最も高温になり易い燃料リターン配管19の上流側外周面に直接的に当てられるようになっている。このように、低温冷却水を最も温度の高い上流側のリターン燃料と熱交換させることで、バイオディーゼル燃料の冷却効率を確実に向上することができる。
また、熱交換配管62の内筒面と燃料リターン配管19の外周面との間に全周に亘って所定の間隔を確保することで、低温冷却水が燃料リターン配管19の外周面全体に均一に流されるようになっている。このように、燃料リターン配管19の外周面全体に低温冷却水を均一に流すことで、低温冷却水とリターン燃料との熱交換面積を効果的に確保することができる。
また、エンジンEの暖機運転時は、ラジエータ32を迂回しながら循環する冷却水が熱交換配管62にてリターン燃料との熱交換により昇温されることで、エンジンEの暖機運転時間を効果的に短縮することもできる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、図3に示すように、冷却水導入配管61及び冷却水リターン配管63を熱交換配管62に接線方向から接続して構成してもよい。このように、冷却水導入配管61及び冷却水リターン配管63を接線方向から接続することで、冷却水が燃料リターン配管19の外周面に沿って螺旋状に流れるようになり、冷却水とリターン燃料との熱交換率をさらに向上させることができる。
また、熱交換配管62の形状は、円筒状に限定されず、燃料リターン配管19の外周に巻かれる螺旋状に形成されてもよい。
また、エンジンEは複数気筒エンジンに限定されず、単気筒エンジンであってもよい。
E エンジン
1 燃料噴射システム
10 燃料噴射装置
11 燃料タンク
12 燃料吸入配管
13 燃料フィルタ
14 高圧ポンプ
15 燃料供給配管
16 コモンレール
17 インジェクタ
18 圧力制御弁
19 燃料リターン配管
20 フィードポンプ
30 冷却水循環回路
31 ウォータジャケット
32 ラジエータ
33 冷却水上流配管
34 冷却水下流配管
35 冷却水バイパス配管
36 冷却水ポンプ
37 サーモススタット
60 熱交換部
61 冷却水導入配管
62 熱交換配管
63 冷却水リターン配管

Claims (4)

  1. バイオディーゼル燃料を貯留する燃料タンクと、
    前記燃料タンクから汲み上げられるバイオディーゼル燃料を加圧する高圧ポンプと、
    前記高圧ポンプから供給されるバイオディーゼル燃料を蓄圧するコモンレールと、
    前記コモンレールに蓄圧されたバイオディーゼル燃料をエンジンの気筒内に噴射するインジェクタと、
    前記コモンレール及び前記インジェクタの余剰燃料を前記燃料タンクに戻す燃料リターン配管と、
    前記エンジンの冷却水を循環させる冷却水循環回路と、
    前記冷却水循環回路から分岐する冷却水導入配管と、
    前記燃料リターン配管の少なくとも上流側の外周面を覆うと共に、その内周面と前記燃料リターン配管の外周面との間に前記冷却水導入配管から導入される冷却水を前記燃料リターン配管の上流側から下流側に向けて流通させ、前記燃料リターン配管内を流れるバイオディーゼル燃料を冷却水との熱交換により冷却する熱交換配管と、
    前記熱交換配管内を流れた冷却水を前記冷却水循環回路に戻す冷却水リターン配管と、を備える
    ことを特徴とする燃料噴射システム。
  2. 前記冷却水循環回路が、少なくとも、冷却水を外気との熱交換により冷却するラジエータと、該ラジエータの出口部と前記エンジンのウォータジャケットとを接続する冷却水上流配管とを含み、前記冷却水導入配管が前記冷却水上流配管から分岐する
    請求項1に記載の燃料噴射システム。
  3. 前記冷却水循環回路が、前記冷却水上流配管に設けられて冷却水を圧送する冷却水ポンプを含み、前記冷却水導入配管が前記冷却水ポンプよりも下流側の前記冷却水上流配管から分岐する
    請求項2に記載の燃料噴射システム。
  4. 前記熱交換配管が円筒状に形成されると共に、前記冷却水導入配管及び前記冷却水リターン配管が前記熱交換配管に接線方向から接続された
    請求項1から3の何れか一項に記載の燃料噴射システム。
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JP2021116688A (ja) * 2020-01-22 2021-08-10 株式会社クボタ エンジン

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