JP2018115480A - 負圧波発生装置 - Google Patents

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【課題】トンネル出口から放射される微気圧波のタイミングをより正確に演算する。
【解決手段】トンネル2の坑口21から放射される微気圧波W2の圧力を負圧波W1によって低減する負圧波発生装置1であって、前記負圧波W1を放射可能な負圧波発生手段11と、前記トンネル2内に発生して一方側から他方側へ伝播する圧縮波W3の通過を検出する圧縮波通過検出手段12と、前記圧縮波通過検出手段12によって検出される際の前記圧縮波W3の状態を検出する圧縮波状態検出手段12と、前記圧縮波通過検出手段12および前記圧縮波状態検出手段12によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段11の動作を制御する制御手段13とを備えて成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、負圧波発生装置に関する。
近年では、移動時間の短縮を目的として鉄道車両の高速化が進められており、その一方で、鉄道車両の高速化に伴って引き起こされるトンネル微気圧波(以下、本明細書においては、微気圧波という)の問題が取り上げられている。
微気圧波は、トンネルの坑口(出口)から外部に放射されるパルス状の圧力波であり、鉄道車両が高速でトンネル内へ突入することによって発生する。詳細には、鉄道車両が一方側の坑口(入口)からトンネル内へ突入すると、トンネル内には圧縮波が形成され、この圧縮波がトンネル内を一方側から他方側へ向かって音速で伝播して他方側の坑口(出口)に到達すると、その坑口からトンネル外に向かってパルス状の圧力波(微気圧波)が放射される。
この微気圧波は、超低周波音であり、近隣の家屋における建具等を振動させ、その振動による振動音が発生する虞がある。このようなトンネルの坑口から放射される微気圧波を低減する技術として、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特開平5−209405号公報
特許文献1には、トンネル内に圧力計を設け、この圧力計によって列車突入時に発生するトンネル内の圧縮波を検知し、当該圧縮波がトンネル出口から放射されるタイミングを演算し、当該タイミングで負圧波発生装置から負圧波を放射することによって圧縮波を相殺することが記載されている。
しかし、列車突入時に発生する圧縮波は、トンネル内において徐々に切り立つようにして伝播するので、特許文献1に記載された負圧波発生装置では、圧力計の設置位置によってはトンネル出口から微気圧波が放射されるタイミングを正確に演算することができない虞がある。このように正確な演算ができない場合には、微気圧波と負圧波とのタイミングがずれ、負圧波によって微気圧波を低減する効果が小さくなってしまう。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、トンネル出口から放射される微気圧波のタイミングをより正確に演算することを目的とする。
上記課題を解決する第一の発明に係る負圧波発生装置は、トンネルの坑口から放射される微気圧波の圧力を負圧波によって低減する負圧波発生装置であって、前記負圧波を放射可能な負圧波発生手段と、前記トンネル内に発生して一方側から他方側へ伝播する圧縮波の通過を検出する圧縮波通過検出手段と、前記圧縮波通過検出手段によって検出される際の前記圧縮波の状態を検出する圧縮波状態検出手段と、前記圧縮波通過検出手段および前記圧縮波状態検出手段によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段の動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する第二の発明に係る負圧波発生装置は、第一の発明に係る負圧波発生装置において、前記圧縮波通過検出手段が、前記トンネル内の気圧を検出する圧力検出器であり、前記圧縮波状態検出手段が、前記圧力検出器を前記トンネルの前後方向または高さ方向に並んで配置することによって構成されるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第三の発明に係る負圧波発生装置は、第一または第二の発明に係る負圧波発生装置において、前記圧縮波通過検出手段および前記圧縮波状態検出手段が、前記トンネルの前後方向における複数箇所で検出可能なものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第四の発明に係る負圧波発生装置は、第一から第三のいずれか一つの発明に係る負圧波発生装置において、前記トンネル外の気温を検出する外気温検出手段と、前記トンネル内の気温を検出する内気温検出手段とを備え、前記制御手段が、前記外気温検出手段および前記内気温検出手段によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段の動作を制御するものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第五の発明に係る負圧波発生装置は、第一から第四のいずれか一つの発明に係る負圧波発生装置において、前記トンネルに突入する鉄道車両を検出する車両通過検出手段を備え、前記制御手段が、前記車両通過検出手段によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段の動作を制御するものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第六の発明に係る負圧波発生装置は、第一から第五のいずれか一つの発明に係る負圧波発生装置において、前記負圧波発生手段が、前記坑口の近傍に複数配置されるものであり、前記制御手段が、複数の前記負圧波発生手段の動作を独立して制御するものであることを特徴とする
第一の発明に係る負圧波発生装置によれば、圧縮波が通過するタイミングを検出すると共に、トンネル内を伝播する圧縮波の状態を検出することができるので、微気圧波が放射される正確なタイミングを演算することができる。よって、負圧波と微気圧波とを効果的に重ね合せ、トンネルの坑口から放射される微気圧波の振幅(圧力)を効果的に低減することができる。
第二の発明に係る負圧波発生装置によれば、簡易な構成で圧縮波通過検出手段および圧縮波状態検出手段を備えることができる。
第三の発明に係る負圧波発生装置によれば、トンネルの前後方向における複数箇所の圧縮波の状態を検出することができるので、微気圧波が放射されるタイミングを確実に演算することができる。よって、負圧波と微気圧波とを効果的に重ね合せ、トンネルの坑口から放射される微気圧波の振幅(圧力)を効果的に低減することができる。
第四の発明に係る負圧波発生装置によれば、外気温検出手段および内気温検出手段によって伝播する圧縮波の温度および環境温度を検出することができるので、圧縮波の正確な伝搬速度(音速)を演算し、微気圧波が放射される正確なタイミングを演算することができる。よって、負圧波と微気圧波とを効果的に重ね合せ、トンネルの坑口から放射される微気圧波の振幅(圧力)を効果的に低減することができる。
第五の発明に係る負圧波発生装置によれば、車両がいずれの坑口からトンネル内へ突入したか、すなわち、車両の進行方向を検出することができる。つまり、当該車両の突入によって形成される圧縮波の伝播方向を検出することができるので、圧縮波通過検出手段および圧縮波状態検出手段の誤検出等を防止することができる。
第六の発明に係る負圧波発生装置によれば、複数の負圧波発生手段を独立して動作させることにより、負圧波と微気圧波とを効果的に重ね合せ、トンネルの坑口から放射される微気圧波の振幅(圧力)を効果的に低減することができる。
実施例1に係る負圧波発生装置の構造を示す説明図(トンネルの平面図)である。 実施例1に係る負圧波発生装置の構造を示す説明図(トンネルの縦断面図)である。 実施例1に係る負圧波発生装置の構造を示す説明図(トンネルの横断面図)である。 実施例1に係る負圧波発生装置によって判断される圧縮波通過タイミングを説明するグラフである。 実施例1に係る負圧波発生装置によって判断される圧縮波通過タイミングを説明するグラフ(他の例)である。 実施例1に係る負圧波発生装置によって判断される圧縮波通過タイミングを説明するグラフ(他の例)である。 実施例1に係る負圧波発生装置によって判断される圧縮波通過タイミングを説明する説明図である。 実施例2に係る負圧波発生装置の構造を示す説明図(トンネルの平面図)である。 実施例2に係る負圧波発生装置の構造を示す説明図(トンネルの縦断面図)である。 実施例2に係る負圧波発生装置の構造を示す説明図(トンネルの横断面図)である。
以下に、本発明に係る負圧波発生装置の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることは言うまでもない。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る負圧波発生装置の構造について、図1から図5を参照して説明する。
図1に示すように、負圧波発生装置1には、トンネル2における坑口21の近傍に設けられる負圧波発生器(負圧波発生手段)11と、トンネル2内において前後方向に離間して設けられる複数(図1においては、四つ)の圧力検出器(圧力検出手段)12と、これら負圧波発生器11および圧力検出器12とそれぞれ電気的に接続される制御器(制御手段)13とが備えられている。
負圧波発生器11は、所定の方向(図1においては、右方向)に向けて半球面状に広がる負圧波W1を放射することができるものであり、この負圧波W1は、トンネル2の坑口21から放射される微気圧波W2と重ね合わされることにより、当該微気圧波W2の振幅(圧力)を低減することができるものである。
ここで、微気圧波W2は、鉄道車両3が高速でトンネル2内に突入することによって発生する。詳細には、図1および図2に示すように、鉄道車両3が一方側(図2においては、左方側)の坑口21からトンネル2内に突入すると、トンネル2内には圧縮波W3が形成され、この圧縮波W3がトンネル2内を一方側から他方側(図2においては、右方側)へ向けて伝播して他方側の坑口21に到達すると、この坑口21からトンネル2外に向かってパルス状の圧力波(微気圧波)W2が放射される(図1参照)。
なお、図2は、圧縮波W3がトンネル2内を伝播する様子を示しており、図2における符号W3A,W3B,W3C,W3Dは、トンネル2の一方側から他方側に向けて徐々に切り立ちながら伝播する圧縮波W3であって、トンネル2の前後方向に離間して設けられた圧力検出器12(図2においては、左方側から順に圧力検出器12A,12B,12C,12D)の設置位置を通過する圧縮波W3をそれぞれ表している。
また、図2においては、トンネル2の一方側の坑口21で発生した圧縮波W3は、徐々に切り立ちながら伝播して圧力検出器12B,12C間の区間SBCにおいて略完全に切り立った状態となり、トンネル2の他方側の坑口21まで伝播するものとする。よって、トンネル2の伝播方向上流側から一番目および二番目に設けられた圧力検出器12A,12Bを通過する際の圧縮波W3A,W3Bは、切り立っていない状態であり、トンネル2の伝播方向上流側から三番目および四番目に設けられた圧力検出器12C,12Dを通過する際の圧縮波W3C,W3Dは、切り立っている状態である。
図3に示すように、圧力検出器12は、トンネル2内の圧力(気圧)を検出するものであり、トンネル2の前後方向(図1および図2においては、左右方向)の複数箇所における一方の壁2aに、それぞれ一つずつ取り付けられている。また、トンネル2の前後方向に並んで設けられた圧力検出器12は、互いに略同じ高さで配置されており、これら圧力検出器12の取付け高さH12は、トンネル2の中央C2の高さHCと略同じである。ここで、トンネル2の中央C2は、坑口21の中央(微気圧波W2の発信源)C21に相当する(図1参照)。
もちろん、本発明における圧力検出手段は、本実施例のようにトンネル2内の一方の壁2aにおける略中央に取り付けられるものに限定されない。例えば、本発明における圧力検出手段として、トンネル2内における両側の壁2aにそれぞれ設けられるものであっても良く、また、トンネル2内の壁2aにおける下方側あるいは上方側に設けられるものであっても良い。
これらの圧力検出器12によって検出された検出結果(トンネル2内の圧力)は、制御器13に送られるようになっており、トンネル2の前後方向に並んで配置された圧力検出器12の位置情報、すなわち、各圧力検出器12と坑口21との距離情報(および各圧力検出器12間の距離情報)は、制御器13に記憶されている。
制御器13は、圧力検出器12によって検出された検出結果に基づいて、圧縮波W3が当該圧力検出器12の設置位置を通過したか否か、すなわち、圧縮波W3が圧力検出器12の設置位置を通過したタイミング(圧縮波通過タイミング)を判断する。
ここで、圧縮波W3が一つの圧力検出器12の設置位置を通過する際に当該圧力検出器12によって検出される検出結果(圧力変化)を図4Aのグラフに示す。図4Aのグラフは、時間t(図4Aのグラフにおける横軸)とトンネル2内の圧力p(図4Aのグラフにおける縦軸)との関係を表している。図4Aに示すように、トンネル2内の圧力pは、圧縮波W3の伝播前において略一定に低く、圧縮波W3の伝播に伴って急上昇する。
制御器13は、圧力検出器12によって検出されるトンネル2内の圧力pの変化率(図4Aにおけるグラフの傾き)dp/dtが最大となる点RAを圧縮波通過タイミングとし、この時点(圧縮波通過タイミング)で圧縮波W3が当該圧力検出器12の設置位置を通過したと判断するようになっている。
もちろん、本発明に係る負圧波発生装置は、本実施例のように圧力の変化率に基づいて圧縮波通過タイミングを判断するものに限定されず、例えば、図4Bに示すように、圧縮波W3が伝播する前におけるトンネル2内の圧力値(最小圧力値)PMINから所定値ΔPだけ上昇した圧力値PCONSTとなる点RBを圧縮波通過タイミングとしても良く、また、図4Cに示すように、圧縮波W3の伝播前後におけるトンネル2内の最小圧力値PMINと最大圧力値PMAXとの略中間圧力値PMIDとなる点RCを圧縮波通過タイミングとしても良い。
また、制御器13は、トンネル2の前後方向に並んで配置された二つの圧力検出器12によって検出された検出結果および当該二つの圧力検出器12の位置情報に基づいて、圧縮波W3が当該二つの圧力検出器12間の区間を伝播する際の状態、すなわち、圧縮波W3が当該区間において切り立っているか否かを判断する。
具体的には、まず、制御器13は、二つの圧力検出器12(例えば、図2における圧力検出器12A,12B)によって検出された検出結果から当該二つの圧力検出器12の設置位置における圧縮波通過タイミングの差(時間差)を求めると共に、それら二つの圧力検出器12の位置情報から当該二つの圧力検出器12の設置位置の差(トンネル2の前後方向における距離差)を求め、これら時間差および距離差から所定区間(当該二つの圧力検出器12間の区間であって、例えば、図2における区間SAB)における圧縮波W3の伝播速度Vを演算する。そして、制御器13は、演算された伝搬速度Vが音速Vaと一致するか否かによって、当該所定区間における圧縮波W3の状態、すなわち、当該所定区間を伝播する圧縮波W3が切り立っているか否かを判断する。
圧縮波W3は、トンネル2の一方側で発生して他方側へ伝播する際に、徐々に切り立つように、すなわち、トンネル2内での伝播に伴って前面部が傾斜した状態から略垂直の状態へと変化しながら伝播する(図2参照)。圧力検出器12によって検出されるトンネル2内の圧力が急変化(急上昇)するのは、圧縮波W3の前面部が当該圧力検出器12の設置位置を通過するときであり、制御器13は、この圧縮波W3の前面部が圧力検出器12の設置位置を通過するときを圧縮波通過タイミングと判断することとなる。
よって、図5に示すように、切り立っていない状態の圧縮波W3(図5においては、左方側の二点鎖線で示すもの)は、切り立った状態の圧縮波W3(図5においては、右方側の一点鎖線で示すもの)と比較して、当該圧縮波W3の前面部の傾斜による時間差ΔTだけ遅れて圧力検出器12によって検出されることとなる。つまり、圧縮波W3の状態によって、圧縮波W3による圧力変化が圧力検出器12によって検出されるタイミング、すなわち、制御器13によって判断される圧縮波通過タイミングが異なる。
そして、圧縮波W3が所定区間を切り立った状態で伝播した場合には、二つの圧力検出器12の設置位置の両方において圧縮波W3が切り立っているので、演算された伝搬速度Vは音速Vaと一致する(図2においては、圧力検出器12C,12D間の区間SCD、および、圧縮波W3C,W3Dを参照)。
一方、圧縮波W3が所定区間を切り立ちながら伝播した場合には、二つの圧力検出器12の設置位置の少なくとも一方において圧縮波W3が切り立っていないので、演算された伝搬速度Vは音速Vaと一致しない(図2においては、圧力検出器12A,12B間の区間SABまたは圧力検出器12B,12C間の区間SBC、および、圧縮波W3A,W3Bまたは圧縮波W3B,W3Cを参照)。
つまり、制御器13は、演算された伝搬速度Vが音速Vaと一致した場合には、圧縮波W3は当該所定区間において切り立っていると判断し、一方、演算された伝搬速度Vが音速Vaと一致しない場合には、圧縮波W3は当該所定区間において切り立っていないと判断する。
また、制御器13は、所定区間における圧縮波W3が切り立っていると判断した場合には、微気圧波W2が坑口21から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算すると共に、この演算によって求めた微気圧波放射タイミングに基づいて、複数の負圧波発生器11の動作をそれぞれ制御する。
ここで、微気圧波放射タイミングは、トンネル2の一方側で発生した圧縮波W3がトンネル2の他方側の坑口21に到達するタイミングである。よって、制御器13は、圧縮波W3が切り立った状態であると判断された所定区間における圧力検出器12の位置情報および伝搬速度V(音速Vaと同じ)とに基づいて、微気圧波放射タイミングを求めることができる。
本発明の実施例1に係る負圧波発生装置の動作について、図1から図5を参照して説明する。
鉄道車両3が一方側の坑口21からトンネル2内に突入すると、トンネル2内に圧縮波W3が形成される。圧縮波W3は、トンネル2内において徐々に切り立ちつつ一方側から他方側へ向けて音速で伝播する(図2参照)。
圧縮波W3は、その伝播過程において、まず伝播方向上流側(図2においては、左方側)から一番目に設置された圧力検出器12Aの設置位置を通過する(図2における圧縮波W3A参照)。このとき、圧力検出器12Aの設置位置における圧縮波W3(W3A)の伝播前後の圧力差(圧力変化)は、圧力検出器12Aによって検出され、その検出結果(トンネル2内の圧力変化)は、制御器13に送信される。
制御器13は、圧力検出器12Aによって検出された検出結果に基づいて、圧縮波W3(W3A)が当該圧力検出器12Aの設置位置を通過したか否か(圧縮波通過タイミング)を判断する。
続いて、圧縮波W3は、その伝播過程において、伝播方向上流側から二番目に設置された圧力検出器12Bを通過し(図2における圧縮波W3B参照)、制御器13は、当該圧力検出器12Bの設置位置における圧縮波通過タイミングを判断する。
そして、制御器13は、トンネル2の前後方向に並んで配置された二つ(伝播方向上流側から一番目と二番目)の圧力検出器12A,12Bによって検出された検出結果(圧縮波通過タイミング)と当該二つの圧力検出器12A,12Bの位置情報に基づいて、それらの圧力検出器12A,12B間の区間SABを伝播した際の圧縮波W3(W3A,W3B)の状態を判断する。
ここで、圧力検出器12A,12Bの設置位置を通過する際の圧縮波W3A,W3Bのいずれもが切り立っていない状態であり、当該区間SABにおける情報(圧力検出器12A,12Bによって検出された検出結果および圧力検出器12A,12Bの位置情報)に基づいて演算された伝搬速度Vは音速Vaと一致しない。よって、制御器13は、区間SABにおける圧縮波W3(W3A,W3B)は切り立っていないと判断し、この区間SABにおける情報に基づいて、微気圧波W2が坑口21から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算しない。
続いて、圧縮波W3は、その伝播過程において、伝播方向上流側から三番目に設置された圧力検出器12Cを通過し(図2における圧縮波W3C参照)、制御器13は、当該圧力検出器12Cの設置位置における圧縮波通過タイミングを判断する。
そして、制御器13は、トンネル2の前後方向に並んで配置された二つ(伝播方向上流側から二番目と三番目)の圧力検出器12B,12Cによって検出された検出結果(圧縮波通過タイミング)と当該二つの圧力検出器12B,12Cの位置情報に基づいて、それらの圧力検出器12B,12C間の区間SBCを伝播した際の圧縮波W3(W3B,W3C)の状態を判断する。
つまり、制御器13は、前述した所定区間SABにおける圧縮波W3(W3A,W3B)が切り立っていないと判断すると、当該所定区間SABよりも伝播方向下流側(トンネル2の他方側であって、図2における右方側)に位置する区間SBCにおける圧縮波W3(W3B,W3C)の状態を判断する。
ここで、圧力検出器12Cの設置位置を通過する際の圧縮波W3Cは、切り立っている状態であるが、圧力検出器12Bの設置位置を通過する際の圧縮波W3Bは、切り立っていない状態である。つまり、圧力検出器12B,12Cの設置位置を通過する際の圧縮波W3B,W3Cの一方が切り立っていない状態であり、当該区間SBCにおける情報(圧力検出器12B,12Cによって検出された検出結果および圧力検出器12B,12Cの位置情報)に基づいて演算された伝搬速度Vは音速Vaと一致しない。よって、制御器13は、区間SBCにおける圧縮波W3(W3B,W3C)は切り立っていないと判断し、この区間SBCにおける情報に基づいて、微気圧波W2が坑口21から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算しない。
続いて、圧縮波W3は、その伝播過程において、伝播方向上流側から四番目に設置された圧力検出器12Dを通過し(図2における圧縮波W3D参照)、制御器13は、当該圧力検出器12Dの設置位置における圧縮波通過タイミングを判断する。
そして、制御器13は、トンネル2の前後方向に並んで配置された二つ(伝播方向上流側から三番目と四番目)の圧力検出器12C,12Dによって検出された検出結果(圧縮波通過タイミング)と当該二つの圧力検出器12C,12Dの位置情報に基づいて、それらの圧力検出器12C,12D間の区間SCDを伝播した際の圧縮波W3(W3C,W3D)の状態を判断する。
つまり、制御器13は、前述した所定区間SAB,SBCにおける圧縮波W3が切り立っていないと判断すると、当該所定区間SAB,SBCよりも更に伝播方向下流側に位置する区間SCDにおける圧縮波W3(W3C,W3D)の状態を判断する。
ここで、圧力検出器12C,12Dの設置位置を通過する際の圧縮波W3C,W3Dのいずれもが切り立っている状態であり、当該区間SCDにおける圧縮波W3の伝搬速度Vは音速Vaと一致する。よって、制御器13は、区間SCDにおける圧縮波W3(W3C,W3D)は切り立っていると判断し、この区間SCDにおける情報に基づいて、微気圧波W2が坑口21から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算する。
つまり、制御器13は、区間SCDの圧力検出器12C(または12D)の設置位置における圧縮波通過タイミングおよび当該圧力検出器12C(または12D)の位置情報と伝搬速度V(音速Va)とに基づいて、微気圧波放射タイミングを演算する。
次に、制御器13は、演算された微気圧波放射タイミングに基づいて、負圧波発生器11の動作(負圧波W1を放射するための準備動作等を含む)を制御する。このとき、制御器13は、負圧波発生器11から負圧波W1が放射されるタイミング(負圧波放射タイミング)が演算された微気圧波放射タイミングに対して所定のタイミングとなるように、すなわち、負圧波W1が微気圧波W2と同時にまたは時間差を設けて放射されるようにする。また、負圧波発生器11が複数備えられている場合には、制御器13は、負圧波発生器11の動作をそれぞれ独立して制御する、すなわち、負圧波放射タイミングがそれぞれ異なるように制御しても良い。
そして、圧縮波W3がトンネル2内を伝播して他方側の坑口21に到達すると、当該坑口21からトンネル2外へ向けてパルス状の微気圧波W2が放射されると共に、この微気圧波放射タイミングに対して所定のタイミングで負圧波発生器11から負圧波W1が放射される。よって、微気圧波W2に対して負圧波W1が所定のタイミングで重ね合わされ、微気圧波W2の振幅(圧力)が効果的に低減される。
以上に説明したように、本実施例においては、トンネル2内に圧力検出器12を設置することによって圧縮波W3の通過(圧縮波通過タイミング)を検出する圧縮波通過検出手段を構成し、トンネル2の前後方向に二つの圧力検出器12を並んで配置することによって圧縮波W3の状態を検出する圧縮波状態検出手段を構成している。
そして、この構成によれば、圧縮波通過タイミングを検出すると共に、トンネル2内を伝播する圧縮波W3の状態を検出することができるので、正確な微気圧波放射タイミングを演算し、負圧波W1と微気圧波W2とを効果的に重ね合せることができる。よって、トンネル2の坑口21から放射される微気圧波W2の振幅(圧力)を効果的に低減している。
また、本実施例においては、トンネル2の前後方向に三つ以上の圧力検出器12を並んで配置することによって複数段の圧縮波状態検出手段を構成している。この構成によれば、トンネル2の前後方向における複数箇所(範囲)の圧縮波W3の状態を検出することができるので、確実に微気圧波放射タイミングを演算し、負圧波W1と微気圧波W2とを効果的に重ね合せることができる。
[実施例2]
本発明の実施例2に係る負圧波発生装置の構造について、図6から図8を参照して説明する。
本実施例に係る負圧波発生装置101は、配置を異にする圧力検出器112を備えると共に、温度検出器114,115と車両検出器116とを追加して備えたことを除いて、本発明の実施例1に係る負圧波発生装置1と同様な構造を有するものである。よって、本実施例に係る負圧波発生装置101における実施例1と同様な構造に対する重複説明は適宜省略する。
図7に示すように、負圧波発生装置101には、トンネル102における坑口121の近傍に設けられる負圧波発生器(負圧波発生手段)111と、トンネル102内に設けられる複数の圧力検出器(圧力検出手段)112と、これら負圧波発生器111および圧力検出器112とそれぞれ電気的に接続される制御器(制御手段)113とが備えられている。
図8に示すように、圧力検出器112は、トンネル102内の圧力(気圧)を検出するものであり、トンネル102の前後方向の複数箇所における一方の壁102aに、それぞれ三つずつ取り付けられている。また、図7に示すように、各箇所に設けられた三つの圧力検出器112は、切り立った状態の圧縮波W3の前面部に沿うよう(略垂直)に並んで配置されており、それぞれ高さを異にしている。
もちろん、本発明における圧力検出手段は、本実施例のようにトンネル102内の一方の壁102aにおける略中央に取り付けられるものに限定されない。例えば、本発明における圧力検出手段として、トンネル102内における両側の壁102aにそれぞれ設けられるものであっても良い。
これらの圧力検出器112によって検出された検出結果(トンネル102内の圧力)は、制御器113に送られるようになっており、トンネル102の前後方向に並んで配置された圧力検出器112の位置情報、すなわち、各圧力検出器112と坑口121との距離情報は、制御器113に記憶されている。
制御器113は、圧力検出器112によって検出された検出結果に基づいて、圧縮波W3が当該圧力検出器112の設置位置を通過したか否か、すなわち、圧縮波W3が圧力検出器112の設置位置を通過したタイミング(圧縮波通過タイミング)を判断すると共に、トンネル102の高さ方向に並んで配置された複数の圧力検出器112によって検出される検出結果に基づいて、当該圧力検出器112の設置位置を通過する際の圧縮波W3の状態、すなわち、圧縮波W3が当該圧力検出器112の設置位置を通過する際に切り立っているか否かを判断するようになっている。
具体的には、まず、制御器113は、略垂直に並んで配置された三つの圧力検出器112(例えば、図7における圧力検出器112A1,112A2,112A3)によって検出された検出結果に基づいて、当該三つの圧力検出器112の設置位置における圧縮波通過タイミングを求める。そして、制御器113は、それら三つの圧縮波通過タイミングが略同時であるか否か(または、所定の時間範囲内にあるか否か)によって、圧縮波W3の状態、すなわち、当該所定区間を伝播する圧縮波W3が切り立っているか否かを判断する。
圧縮波W3は、トンネル102の一方側で発生して他方側へ伝播する際に、徐々に切り立つように、すなわち、トンネル102内での伝播に伴って前面部が傾斜した状態から略垂直の状態へと変化しながら伝播し、制御器113は、この圧縮波W3の前面部が圧力検出器112の設置位置を通過するときを圧縮波通過タイミングと判断することとなる(図7参照)。
よって、切り立った状態の圧縮波W3(図7においては、圧縮波W3C,W3D)が略垂直に並んで配置された三つの圧力検出器112の設置位置を通過する際には、当該圧縮波W3の前面部が当該三つの圧力検出器112の設置位置を略同時に通過し、三つの圧縮波通過タイミングは略同時となる(または、所定の時間範囲内にある)。
一方、切り立っていない状態の圧縮波W3(図7においては、圧縮波W3A,W3B)が略垂直に並んで配置された三つの圧力検出器112の設置位置を通過する際には、当該圧縮波W3の前面部が当該三つの圧力検出器112の設置位置を略同時に通過しないので、三つの圧縮波通過タイミングは略同時とならない(または、所定の時間範囲内にない)。
つまり、制御器113は、三つの圧縮波通過タイミングが略同時である(または、所定の時間範囲内にある)場合には、圧縮波W3が切り立っていると判断し、一方、三つの圧縮波通過タイミングが略同時でない(または、所定の時間範囲内にない)場合には、圧縮波W3が切り立っていないと判断する。
また、制御器113は、判断した圧縮波通過タイミングおよび圧縮波W3の状態、ならびに、外気温度検出器114および内気温度検出器115によって検出された検出結果に基づいて、微気圧波W2が坑口121から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算し、この演算によって求めた微気圧波放射タイミングに基づいて、複数の負圧波発生器111の動作をそれぞれ制御する。
また、制御器113は、圧縮波W3が切り立っていると判断した場合には、微気圧波W2が坑口121から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算すると共に、この演算によって求めた微気圧波放射タイミングに基づいて、複数の負圧波発生器111の動作をそれぞれ制御する。
また、図6および図7に示すように、負圧波発生装置101には、トンネル102外に設けられる外気温度検出器114と、トンネル102内に設けられる内気温度検出器115とが備えられており、これら外気温度検出器114および内気温度検出器115は、それぞれ制御器113と電気的に接続されている。
外気温度検出器114は、トンネル102外の温度(気温)を検出するものであり、内気温度検出器115は、トンネル102内の温度(気温)を検出するものである。これら外気温度検出器114および内気温度検出器115によって検出された検出結果(トンネル102外の温度およびトンネル102内の温度)は、制御器113に送られるようになっており、制御器113は、外気温度検出器114および内気温度検出器115によって検出された検出結果に基づいて、圧縮波W3の伝搬速度(音速)を演算するようになっている。
また、図6および図7に示すように、負圧波発生装置101には、トンネル102における坑口121にそれぞれ設けられる車両検出器116が備えられており、この車両検出器116は、制御器113と電気的に接続されている。
車両検出器116は、鉄道車両103が通過したこと、すなわち、鉄道車両103がトンネル102内に突入したことを検出するものである。車両検出器116によって検出された検出結果(鉄道車両103のトンネル102内への突入)は、制御器113に送られ、制御器113は、車両検出器116によって検出された検出結果に基づいて、鉄道車両103がいずれの坑口121からトンネル102内へ突入したか、すなわち、鉄道車両103の進行方向(当該鉄道車両103の突入によって形成される圧縮波W3の伝播方向)を判断するようになっている。
本発明の実施例2に係る負圧波発生装置の動作について、図6から図8を参照して説明する。
鉄道車両103が一方側の坑口121からトンネル102内に突入すると、トンネル102内に圧縮波W3が形成される。圧縮波W3は、トンネル102内において徐々に切り立ちつつ一方側から他方側へ向けて音速で伝播する。
圧縮波W3は、その過程において、まず伝播方向上流側(図7においては、左方側)から一番目に設置された三つの圧力検出器112A1,112A2,112A3の設置位置を通過する(図7における圧縮波W3A参照)。このとき、圧力検出器112A1,112A2,112A3の設置位置における圧縮波W3(W3A)の伝播前後の圧力差(圧力変化)は、圧力検出器112A1,112A2,112A3によって検出され、その検出結果(トンネル102内の圧力変化)は、制御器113に送信される。
制御器113は、圧力検出器112A1,112A2,112A3によって検出された検出結果に基づいて、圧縮波W3(W3A)が当該圧力検出器112A1,112A2,112A3の設置位置を通過したか否か(圧縮波通過タイミング)を判断すると共に、これら圧縮波通過タイミングが略同じタイミング(または、これら圧縮波通過タイミングの差が所定の範囲内)であるか否かを判断する。
ここで、圧力検出器112A1,112A2,112A3の設置位置を通過する際の圧縮波W3Aは切り立っていない状態であり、圧力検出器112A1,112A2,112A3によって検出された検出結果に基づいて判断された圧縮波通過タイミングは略同時でない(または、所定の時間範囲内にない)。よって、制御器113は、圧力検出器112A1,112A2,112A3の設置位置を通過する際の圧縮波W3(W3A)は切り立っていないと判断し、これら圧力検出器112A1,112A2,112A3の情報に基づいて、微気圧波W2が坑口121から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算しない。
続いて、圧縮波W3は、その伝播過程において、伝播方向上流側から二番目に設置された圧力検出器112B1,112B2,112B3の設置位置を通過し(図7における圧縮波W3B参照)、制御器113は、三つの圧力検出器112B1,112B2,112B3の設置位置における圧縮波通過タイミングを判断すると共に、これら圧縮波通過タイミングが略同じタイミング(または、これら圧縮波通過タイミングの差が所定の範囲内)であるか否かを判断する。
ここで、圧力検出器112B1,112B2,112B3の設置位置を通過する際の圧縮波W3Bは切り立っていない状態であり、圧力検出器112B1,112B2,112B3によって検出された検出結果に基づいて判断された圧縮波通過タイミングは略同時でない(または、所定の時間範囲内にない)。よって、制御器113は、圧力検出器112B1,112B2,112B3の設置位置を通過する際の圧縮波W3(W3B)は切り立っていないと判断し、これら圧力検出器112B1,112B2,112B3の情報に基づいて、微気圧波W2が坑口121から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算しない。
続いて、圧縮波W3は、その伝播過程において、伝播方向上流側から三番目に設置された圧力検出器112C1,112C2,112C3の設置位置を通過し(図7における圧縮波W3C参照)、制御器113は、三つの圧力検出器112C1,112C2,112C3の設置位置における圧縮波通過タイミングを判断すると共に、これら圧縮波通過タイミングが略同じタイミング(または、これら圧縮波通過タイミングの差が所定の範囲内)であるか否かを判断する。
ここで、圧力検出器112C1,112C2,112C3の設置位置を通過する際の圧縮波W3Cは切り立っている状態であり、圧力検出器112C1,112C2,112C3によって検出された検出結果に基づいて判断された圧縮波通過タイミングは略同時である(または、所定の時間範囲内にある)。よって、制御器113は、圧力検出器112C1,112C2,112C3の設置位置を通過する際の圧縮波W3(W3C)は切り立っていると判断し、これら圧力検出器112C1,112C2,112C3の情報に基づいて、微気圧波W2が坑口121から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算する。
つまり、制御器113は、圧力検出器112C2(または112C1,112C3)の設置位置における圧縮波通過タイミングおよび当該圧力検出器112C2(または112C1,112C3)の位置情報と伝搬速度(音速)とに基づいて、微気圧波放射タイミングを演算する。ここで、微気圧波放射タイミングの演算に用いる伝搬速度(音速)は、外気温度検出器114および内気温度検出器115によって検出された検出結果に基づいて演算されたものである。
もちろん、圧力検出器112D1,112D2,112D3の設置位置を通過する際の圧縮波W3Dも切り立っている状態であるので、これら圧力検出器112D1,112D2,112D3の情報に基づいて、微気圧波W2が坑口121から放射されるタイミング(微気圧波放射タイミング)を演算しても良い。
次に、制御器113は、演算された微気圧波放射タイミングに基づいて、負圧波発生器111の動作(負圧波W1を放射するための準備動作等を含む)を制御する。このとき、制御器113は、負圧波発生器111から負圧波W1が放射されるタイミング(負圧波放射タイミング)が演算された微気圧波放射タイミングに対して所定のタイミングとなるように、すなわち、負圧波W1が微気圧波W2と同時にまたは時間差を設けて放射されるようにする。また、負圧波発生器111が複数備えられている場合には、制御器113は、負圧波発生器111の動作をそれぞれ独立して制御する、すなわち、負圧波放射タイミングがそれぞれ異なるように制御しても良い。
そして、圧縮波W3がトンネル102内を伝播して他方側の坑口121に到達すると、当該坑口121からトンネル102外へ向けてパルス状の微気圧波W2が放射されると共に、この微気圧波放射タイミングに対して所定のタイミングで負圧波発生器111から負圧波W1が放射される。よって、微気圧波W2に対して負圧波W1が所定のタイミングで重ね合わされ、微気圧波W2の振幅(圧力)が効果的に低減される。
以上に説明したように、本実施例においては、トンネル102内に圧力検出器112を設置することによって圧縮波W3の通過(圧縮波通過タイミング)を検出する圧縮波通過検出手段を構成し、トンネル102の高さ(略鉛直)方向に複数(少なくとも二つ)の圧力検出器112を並んで配置することによって圧縮波W3の状態を検出する圧縮波状態検出手段を構成している。
そして、この構成によれば、圧縮波通過タイミングを検出すると共に、トンネル102内を伝播する圧縮波W3の状態を検出することができるので、正確な微気圧波放射タイミングを演算し、負圧波W1と微気圧波W2とを効果的に重ね合せることができる。よって、トンネル102の坑口121から放射される微気圧波W2の振幅(圧力)を効果的に低減している。
また、本実施例においては、トンネル102の前後方向に離間した複数箇所に圧力検出器112を配置することによって複数段の圧縮波状態検出手段を構成している。この構成によれば、トンネル102の前後方向における複数箇所の圧縮波W3の状態を検出することができるので、確実に微気圧波放射タイミングを演算し、負圧波W1と微気圧波W2とを効果的に重ね合せることができる。
1 負圧波発生装置
2 トンネル
2a トンネル内の壁
3 鉄道車両
11 負圧波発生器(負圧波発生手段)
12 圧力検出器(圧縮波通過検出手段、圧縮波状態検出手段)
13 制御器(制御手段)
21 坑口
101 負圧波発生装置
102 トンネル
102a トンネル内の壁
103 鉄道車両
111 負圧波発生器(負圧波発生手段)
112 圧力検出器(圧縮波通過検出手段、圧縮波状態検出手段)
113 制御器(制御手段)
114 外気温度検出器(外気温検出手段)
115 内気温度検出器(内気温検出手段)
116 車両検出器(車両通過検出手段)
121 坑口
2 トンネルの中心(坑口の中心に相当)
21 微気圧波の発信源(坑口の中心)
102 トンネルの中心(坑口の中心に相当)
121 微気圧波の発信源(坑口の中心)
1 負圧波
2 微気圧波
3 圧縮波

Claims (6)

  1. トンネルの坑口から放射される微気圧波の圧力を負圧波によって低減する負圧波発生装置であって、
    前記負圧波を放射可能な負圧波発生手段と、
    前記トンネル内に発生して一方側から他方側へ伝播する圧縮波の通過を検出する圧縮波通過検出手段と、
    前記圧縮波通過検出手段によって検出される際の前記圧縮波の状態を検出する圧縮波状態検出手段と、
    前記圧縮波通過検出手段および前記圧縮波状態検出手段によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段の動作を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする負圧波発生装置。
  2. 前記圧縮波通過検出手段が、前記トンネル内の気圧を検出する圧力検出器であり、
    前記圧縮波状態検出手段が、前記圧力検出器を前記トンネルの前後方向または高さ方向に並んで配置することによって構成されるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の負圧波発生装置。
  3. 前記圧縮波通過検出手段および前記圧縮波状態検出手段が、前記トンネルの前後方向における複数箇所で検出可能なものである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の負圧波発生装置。
  4. 前記トンネル外の気温を検出する外気温検出手段と、前記トンネル内の気温を検出する内気温検出手段とを備え、
    前記制御手段が、前記外気温検出手段および前記内気温検出手段によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段の動作を制御するものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の負圧波発生装置。
  5. 前記トンネルに突入する鉄道車両を検出する車両通過検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記車両通過検出手段によって検出される検出結果に基づいて、前記負圧波発生手段の動作を制御するものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の負圧波発生装置。
  6. 前記負圧波発生手段が、前記坑口の近傍に複数配置されるものであり、
    前記制御手段が、複数の前記負圧波発生手段の動作を独立して制御するものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の負圧波発生装置。
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