JP2018115368A - 鋼材のホウ素濃度の推定方法及びその制御方法 - Google Patents

鋼材のホウ素濃度の推定方法及びその制御方法 Download PDF

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勝郎 出島
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Abstract

【課題】鋼材のホウ素濃度の推定及び制御を簡便に行うことができる方法を提供する。【解決手段】副原料バンカー21に貯蔵されたFeSiが複数の炉上バンカー31,31,…を介して溶銑及び溶鋼中へ投入されて鋼材が製造される場合に、副原料バンカー21内のFeSi中のホウ素濃度を測定し、その測定値に基づいて、特定の炉上バンカー31が選択され、その炉上バンカー31にFeSiが搬送される。次に、前記ホウ素濃度の測定値、並びに溶銑及び溶鋼中に投入されるFeSiの量に基づいて、ホウ素投入量の推定値を算出し、その推定値、及び鋼材のホウ素残存率の実績値に基づいて、製造される鋼材のホウ素濃度の推定値を算出する。その後、そのホウ素濃度の推定値、及び製造予定の鋼材のホウ素濃度許容値に基づいて、特定の炉上バンカー31を選択し、その炉上バンカー31を介してFeSiを溶銑及び溶鋼中に投入する。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材に残存するホウ素の濃度を推定する方法及び当該濃度を制御する方法に関する。
溶銑又は溶鋼中に投入される副原料に起因して、製造される鋼材にホウ素が混入されることがある。製造後の鋼材にホウ素が残存すると、強度が低下する等の問題が生じるため、ホウ素を低減化するための技術が従来提案されている(特許文献1及び2を参照)。
特開昭59−211517号公報 特開2007−131911号公報
ところで、鋼材のホウ素濃度を測定する方法として、ICP発光分析法が一般的に知られている。しかし、ICP発光分析法の場合、測定時間が数時間程度を要する等の問題がある。そのため、簡便に鋼材のホウ素含有量を推定する技術が求められている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる鋼材のホウ素濃度の推定方法及びその制御方法を提供することにある。
本発明者は、副原料バンカーに貯蔵されている副原料のホウ素濃度を測定し、その測定値を用いることにより、その副原料を用いて製造される鋼材のホウ素濃度を推定することが可能であること、及び製造される鋼材のホウ素濃度を所望の範囲内に制御することが可能であることを知見した。これらの知見に基づき、本発明者は、以下の発明をした。
本発明の一の態様の鋼材のホウ素濃度の推定方法は、副原料バンカーに貯蔵されたホウ素を含む副原料が溶銑及び溶鋼中に投入されて鋼材が製造される場合に、当該副原料バンカー内の副原料中のホウ素濃度を測定するステップと、前記ホウ素濃度の測定値、及び前記溶銑及び溶鋼中に投入される前記副原料の量に基づいて、ホウ素投入量の推定値を算出するステップと、前記ホウ素投入量の推定値、及び鋼材のホウ素残存率の実績値に基づいて、製造される鋼材のホウ素濃度の推定値を算出するステップとを有する。この態様において、前記副原料はフェロシリコンであることが好ましい。
本発明の一の態様の鋼材のホウ素濃度の制御方法は、副原料バンカーに貯蔵されたホウ素を含む副原料が複数の炉上バンカーを介して溶銑及び溶鋼中に投入されて鋼材が製造される場合に、当該副原料バンカー内の副原料中のホウ素濃度を測定するステップと、前記ホウ素濃度の測定値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちの特定の炉上バンカーを選択するステップと、選択された炉上バンカーに、前記副原料バンカー内の副原料を搬送するステップと、前記ホウ素濃度の測定値、及び前記溶銑及び溶鋼中に投入される副原料の量に基づいて、ホウ素投入量の推定値を算出するステップと、前記ホウ素投入量の推定値、及び鋼材のホウ素残存率の実績値に基づいて、製造される鋼材のホウ素濃度の推定値を算出するステップと、前記ホウ素濃度の推定値、及び製造予定の鋼材のホウ素濃度許容値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちのいずれかの炉上バンカーを選択するステップと、選択された炉上バンカーを介して副原料を前記溶銑及び溶鋼中に投入するステップとを有する。
また、本発明の一の態様の鋼材のホウ素濃度の制御方法は、副原料バンカーに貯蔵されたホウ素を含む副原料が複数の炉上バンカーを介して溶銑及び溶鋼中に投入されて鋼材が製造される場合に、当該副原料バンカー内の副原料中のホウ素濃度を測定するステップと、前記ホウ素濃度の測定値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちの特定の炉上バンカーを選択するステップと、選択された炉上バンカーに、前記副原料バンカー内の副原料を搬送するステップと、製造予定の鋼材のホウ素濃度許容値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちのいずれかの炉上バンカーを選択するステップと、選択された炉上バンカーを介して副原料を前記溶銑及び溶鋼中に投入するステップとを有する。
上記態様において、前記副原料はフェロシリコンであることが好ましい。
本発明に係る鋼材のホウ素濃度の推定方法及び制御方法のそれぞれによれば、鋼材のホウ素濃度を簡便に推定及び制御することができる。
実施の形態1の副原料投入設備の概略構成を示す図。 実施の形態1の上位制御装置の構成を示すブロック図。 実施の形態1における副原料搬送処理の手順を示すフローチャート。 実施の形態1におけるホウ素濃度推定処理の手順を示すフローチャート。 実施の形態1におけるホウ素濃度制御処理の手順を示すフローチャート。 実施の形態2におけるホウ素濃度制御処理の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
(実施の形態1)
[副原料投入設備の構成]
図1は、実施の形態1の副原料投入設備の概略構成を示す図である。図1に示すとおり、副原料投入設備1は、副原料を種類別に貯蔵する複数の副原料バンカー21,21,…と、これらの副原料バンカー21,21,…から搬送された副原料を収容する複数の炉上バンカー31,31,…と、これらの炉上バンカー31,31,…から切り出された副原料を、転炉50に対して秤量して投入する2つのホッパー41,41とを備えている。
各副原料バンカー21の下方には、その副原料バンカー21内の副原料を所定量切り出すための切り出し装置22が設けられている。この切り出し装置22によって切り出された副原料は、図示しないベルトコンベアによって搬送され、炉上バンカー31,31,…のうちの特定の炉上バンカー31へ供給される。
複数の副原料バンカー21,21,…のうちの一つは、フェロシリコン(FeSi)を貯蔵するためのものであり、その副原料バンカー21には、貯蔵されているフェロシリコン中のホウ素濃度を測定するホウ素濃度計23が取り付けられている。このホウ素濃度計23としては、公知の濃度計を用いることができる。
上述した切り出し装置22及びホウ素濃度計23並びにベルトコンベアは、副原料バンカー21から炉上バンカー31への副原料の輸送するための副原料搬送制御装置20と接続されている。副原料搬送制御装置20は、PLC(Programmable Logic Controller)で構成されており、切り出し装置22及びベルトコンベアの動作を制御することによって、副原料の切り出し量・切り出しタイミング・搬送量・搬送タイミング等を管理するとともに、副原料バンカー21に貯蔵されているフェロシリコン中のホウ素濃度の測定値の入力をホウ素濃度計23から受ける。
各炉上バンカー31の下方には、その炉上バンカー31内の副原料を所定量切り出すための切り出し装置32が設けられている。この切り出し装置32によって切り出された副原料は、ホッパー41に供給される。切り出し装置32は、PLCで構成される副原料切り出し制御装置30と接続されている。副原料切り出し制御装置30は、切り出し装置32の動作を制御することによって、副原料の切り出し量・切り出しタイミング等を管理する。
ホッパー41,41は、転炉50にて吹錬が開始された後、副原料を秤量して転炉50内の溶銑中に投入する。これらのホッパー41,41は、PLCで構成されるホッパー制御装置40と接続されている。ホッパー制御装置40は、ホッパー41,41の動作を制御することによって、転炉50への副原料の投入速度・投入タイミング等を管理する。
なお、転炉50中の溶銑へのフェロシリコンの投入は、精錬工程において、昇熱及び脱酸等の目的で行われる。精錬工程が複数回行われる場合、フェロシリコンの投入もその都度行われることがある。また、製錬工程の後には一般的に合金添加が行われ、その際にフェロシリコンが溶鋼中に投入される。この場合、炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが、ホッパー41又はホッパー41以外の別のホッパーを介して、受鋼鍋に投入される。その後、転炉50から当該鍋に溶鋼が移されることにより、溶鋼中にフェロシリコンが投入されることになる。このように、鋼材が製造されるまでにフェロシリコンの投入が複数回行われるが、いずれの場合も同じ炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコン(すなわち、同じホウ素濃度のフェロシリコン)が投入されることになる。
上記の副原料搬送制御装置20、副原料切り出し制御装置30、及びホッパー制御装置40は、副原料投入設備1全体の動作を制御する上位制御装置10と通信可能に接続されており、それぞれの動作は、上位制御装置10によって制御される。以下、この上位制御装置10の詳細について説明する。
[上位制御装置の構成]
図2は、実施の形態1の上位制御装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(上位制御装置)10は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、通信インタフェース(I/F)15、ディスプレイ16、及び入力部17を備えており、これらの各要素はバス18によって接続されている。
CPU11は、RAM13にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ10が本実施の形態の上位制御装置として機能することになる。
ROM12は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU11にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
RAM13は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM13は、ハードディスク14に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU11が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU11の作業領域としても利用される。
ハードディスク14には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU11に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク14には、鋼材のホウ素残存率の実績値を示すホウ素残存率データ14Aが格納されている。ここで、鋼材のホウ素残存率とは、溶銑及び溶鋼中に投入されたホウ素が製造後の鋼材に残存する割合をいう。本実施の形態において、ホウ素残存率データ14Aは、ICP発光分析法等の公知の手法で測定された鋼材のホウ素濃度と、その鋼材の製造にあたって溶銑及び溶鋼中に投入されたホウ素の量とにより算出されたホウ素残存率の実績値の平均値である。
通信I/F15は、副原料投入制御装置10が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。副原料投入制御装置10は、この通信I/F15を介して、副原料搬送制御装置20、副原料切り出し制御装置30、及びホッパー制御装置40との間で通信処理を実行する。
ディスプレイ16は、LCD等で構成される出力装置であり、CPU11から与えられた画像データに応じた映像信号にしたがって画像(画面)を表示する。また、入力部17は、キーボード及びマウス等で構成された入力装置である。ユーザが入力部17を使用することによって、上位制御装置10に対する入力を行うことができる。
[副原料投入設備の動作]
次に、上述したように構成されている副原料投入設備1の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。以下では、(1)副原料であるフェロシリコン中のホウ素濃度の測定を行うためのホウ素濃度測定処理、(2)副原料バンカー21から炉上バンカー31へフェロシリコンを搬送するための副原料搬送処理、(3)製造される鋼材のホウ素濃度を推定するためのホウ素濃度推定処理、及び(4)同じく鋼材のホウ素濃度を制御するためのホウ素濃度制御処理の4つの処理について主に説明する。
(1)ホウ素濃度測定処理
副原料投入設備1において、副原料バンカー21,21,…内には、各種の副原料が貯蔵されている。上述したように、これらの副原料バンカー21,21,…のうち、フェロシリコンを貯蔵する副原料バンカー21には、ホウ素濃度計23が取り付けられている。このホウ素濃度計23は、副原料バンカー21にフェロシリコンが供給される都度、そのフェロシリコン中のホウ素濃度を測定し、その結果得られたホウ素濃度の測定値を、副原料搬送制御装置20に対して出力する。副原料搬送制御装置20は、その測定値を、上位制御装置10に対して出力する。これにより、上位制御装置10は、副原料バンカー21に貯蔵されているフェロシリコン中のホウ素濃度の測定値を取得することができる。上位制御装置10は、その測定値をハードディスク14に記憶する。
(2)副原料搬送処理
上記のホウ素濃度測定処理が実行された後、次の副原料搬送処理が実行される。なお、以下では、複数の副原料のうちフェロシリコンの搬送に関する処理について説明する。それ以外の副原料については、公知の方法で副原料バンカー21から炉上バンカー31へ搬送される。
図3は、上位制御装置10によって実行される副原料搬送処理の手順を示すフローチャートである。図3に示すように、上位制御装置10はまず、ハードディスク14にアクセスし、副原料バンカー21に貯蔵されているフェロシリコン中のホウ素濃度の測定値を参照する(S101)。
次に、上位制御装置10は、参照した測定値に基づいて、複数の炉上バンカー31,31,…の中から、副原料バンカー21内のフェロシリコンの搬送先となる炉上バンカー31を選択する(S102)。本実施の形態の場合、2個の炉上バンカー31,31がフェロシリコンの搬送先として予め定められており、測定値が所定の閾値を超える場合はそのうちの一つの炉上バンカー(以下、「高濃度用炉上バンカー」という)31が、同じく所定の閾値以下である場合はもう一つの炉上バンカー(以下、「低濃度用炉上バンカー」という)31が、それぞれ搬送先として選択される。
次に、上位制御装置10は、副原料バンカー21内のフェロシリコンを、ステップS102にて選択した炉上バンカー31へ搬送するよう、副原料搬送制御装置20に対して指示する(S103)。その結果、副原料搬送制御装置20が切り出し装置22及びベルトコンベアの動作を制御し、副原料バンカー21内のフェロシリコンが高濃度用炉上バンカー31又は低濃度用炉上バンカー31のいずれかに搬送される。
上記のホウ素濃度測定処理及び副原料搬送処理は、副原料バンカー21及び炉上バンカー31の貯蔵状況に応じて繰り返し実行される。その結果、高濃度用炉上バンカー31には所定の閾値を超えるホウ素濃度のフェロシリコンが、低濃度用炉上バンカー31には当該閾値以下のホウ素濃度のフェロシリコンが、それぞれ貯蔵されることになる。
(3)ホウ素濃度推定処理
上記の副原料搬送処理が実行された後、次のホウ素濃度推定処理が実行される。なお、このホウ素濃度推定処理は、鋼材が製造された後に実行される処理である。したがって、上記の副原料搬送処理によってフェロシリコンが炉上バンカー31に搬送され、その後高濃度用炉上バンカー31及び低濃度用炉上バンカー31のいずれかに貯蔵されているフェロシリコンが溶銑及び溶鋼中に投入された後に、下記のホウ素濃度推定処理が実行される。
図4は、上位制御装置10によって実行されるホウ素濃度推定処理の手順を示すフローチャートである。図4に示すように、上位制御装置10は、溶銑及び溶鋼中に投入されたフェロシリコンの総量、及びそのフェロシリコン中のホウ素濃度の測定値に基づいて、溶銑及び溶鋼中へのホウ素投入量の推定値を算出する(S201)。ここで、溶銑及び溶鋼中に投入されたフェロシリコンの総量は、製造される鋼材の仕様等に基づいて定められた値である。また、フェロシリコン中のホウ素濃度の測定値は、ハードディスク14に記憶されている値である。
次に、上位制御装置10は、算出したホウ素投入量の推定値と、ハードディスク14に記憶されているホウ素残存率データ14Aとを用いて、製造された鋼材のホウ素濃度の推定含有量を求め、その推定含有量に基づいて当該鋼材のホウ素濃度の推定値を算出する(S202)。そして、上位制御装置10は、算出した鋼材のホウ素濃度の推定値をディスプレイ16に表示する(S203)。これにより、ユーザは、転炉50にて製造される鋼材のホウ素濃度の推定値を把握することができる。
上述したように、本実施の形態では、製造に用いられる副原料バンカー21内のフェロシリコン中のホウ素濃度の実測値と、ホウ素残存率の実績値とに基づいて、鋼材のホウ素濃度の推定値が算出されている。そのため、当該推定値は高精度であることが期待でき、しかも簡便に得ることができる。
(4)ホウ素濃度制御処理
次に、ホウ素濃度制御処理について説明する。このホウ素濃度制御処理は、上記の副原料搬送処理によってフェロシリコンが副原料バンカー21から炉上バンカー31へ搬送された後であって、そのフェロシリコンが転炉50に投入される前に実行される処理である。上位制御装置10は、下記のホウ素濃度制御処理を実行する前に、入力部17を介して、製造予定の鋼材のホウ素濃度の許容値の入力を受け付け、その許容値をハードディスク14に記憶しておく。この許容値は、製造予定の鋼材の仕様等に基づいて定められる。例えば、高張力鋼板(ハイテン)等のように高加工性が要求される鋼材の場合、ホウ素濃度が低いことが好ましいため、許容値として比較的低い値が設定される。
図5は、上位制御装置10によって実行されるホウ素濃度制御処理の手順を示すフローチャートである。図5に示すように、上位制御装置10は、上記のS201と同様に、溶銑及び溶鋼中に投入される予定のフェロシリコンの総量、及びそのフェロシリコン中のホウ素濃度の測定値に基づいて、溶銑及び溶鋼中へのホウ素投入量の推定値を算出する(S301)。ここで、溶銑及び溶鋼中に投入される予定のフェロシリコンの量は、製造される鋼材の仕様に基づいて定められる。また、ホウ素投入量の推定値は、高濃度用炉上バンカー31及び低濃度用炉上バンカー31のそれぞれについて算出される。すなわち、高濃度用炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが溶銑及び溶鋼中に投入される場合と、低濃度用炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが溶銑及び溶鋼中に投入される場合との両方について、ホウ素投入量の推定値が算出される。
次に、上位制御装置10は、上記のS202と同様に、算出したホウ素投入量の推定値と、ハードディスク14に記憶されているホウ素残存率データ14Aとを用いて、製造される鋼材のホウ素濃度の推定含有量を求め、その推定含有量に基づいて当該鋼材のホウ素濃度の推定値を算出する(S302)。これにより、高濃度用炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが溶銑及び溶鋼中に投入される場合における鋼材のホウ素濃度の推定値(以下、「高濃度推定値」という)と、低濃度用炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが溶銑及び溶鋼中に投入される場合における同じく推定値(以下、「低濃度推定値」という)との2つの値が得られる。
次に、上位制御装置10は、算出した鋼材のホウ素濃度の高濃度推定値と、予め記憶している製造予定の鋼材のホウ素濃度の許容値とを比較し、高濃度推定値が許容値以下であるか否かを判定する(S303)。ここで高濃度推定値が許容値以下であると判定された場合(S303でYES)、上位制御装置10は、使用する炉上バンカー31として高濃度用炉上バンカー31を選択する(S304)。他方、S303において高濃度推定値が許容値を超えると判定された場合(S303でNO)、上位制御装置10は、使用する炉上バンカー31として低濃度用炉上バンカー31を選択する(S305)。
上述したように使用する炉上バンカー31が選択された後、上位制御装置10は、その選択された炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンをホッパー41に供給するよう、副原料切り出し制御装置30に対して指示する(S306)。その後、所定のタイミングで、フェロシリコンがホッパー41から転炉50内の溶銑中へ投入される。また、その後の合金添加の工程において、上記のようにして選択された炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが溶鋼中に投入される。上記の処理により、ホウ素濃度の許容値に応じて、溶銑及び溶鋼中へのホウ素の投入量を制御することができる。
なお、上記のホウ素濃度制御処理では、低濃度推定値と許容値との比較を行っていないが、その比較を行うようにしてもよい。その比較の結果、低濃度推定値が許容値を超える場合に、上位制御装置10は、ホウ素濃度が許容値以下の鋼材を製造することができない旨を示すメッセージをディスプレイ16に表示して、処理を終了するようにしてもよい。また、この場合に、当該メッセージをディスプレイ16に表示した上で、使用する炉上バンカー31として低濃度用炉上バンカー31を選択するようにしてもよい。
副原料バンカー21のフェロシリコンの貯蔵状況等によっては、高濃度用炉上バンカー31及び低濃度用炉上バンカー31のいずれかにしかフェロシリコンが貯蔵されていない場合もあり得る。その場合は、上位制御装置10が、そのいずれかの炉上バンカー31内のフェロシリコン中のホウ素濃度の推定値と許容値とを比較し、推定値が許容値以下であるときに、その炉上バンカー31からホッパー41に対してフェロシリコンを供給したり、推定値が許容値を超えるときに、上記と同様のメッセージをディスプレイ16に表示するようにしたりしてもよい。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、ホウ素濃度制御処理において、鋼材のホウ素濃度の推定値に基づき、製造予定の鋼材のホウ素濃度の制御を行っている。これに対し、実施形態2では、当該推定値を用いずに、製造予定の鋼材のホウ素濃度の制御を行う。なお、副原料投入設備1の構成、並びに(1)ホウ素濃度測定処理、(2)副原料搬送処理、及び(3)ホウ素濃度推定処理については実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略する。
(4)ホウ素濃度制御処理
図6は、上位制御装置10によって実行されるホウ素濃度制御処理の手順を示すフローチャートである。図6に示すように、上位制御装置10は、製造予定の鋼材のホウ素濃度の許容値が所定の閾値以下であるか否かを判定する(S401)。この閾値は、鋼材の仕様及びフェロシリコンのホウ素濃度の測定値等に基づいて、適宜設定される。ここで、許容値が閾値以下であると判定された場合(S401でYES)、上位制御装置10は、使用する炉上バンカー31として低濃度用炉上バンカー31を選択する(S402)。他方、S401において許容値が閾値を超えると判定された場合(S401でNO)、上位制御装置10は、使用する炉上バンカー31として高濃度用炉上バンカー31を選択する(S403)。
上述したように使用する炉上バンカー31が選択された後、上位制御装置10は、その選択された炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンをホッパー41に供給するよう、副原料切り出し制御装置30に対して指示する(S404)。その後、所定のタイミングで、フェロシリコンがホッパー41から転炉50内の溶銑中へ投入される。また、その後の合金添加の工程において、上記のようにして選択された炉上バンカー31に貯蔵されているフェロシリコンが溶鋼中に投入される。上記の処理により、ホウ素濃度の許容値に応じて、溶銑及び溶鋼中へのホウ素の投入量を制御することができる。
本実施の形態の場合、鋼材のホウ素濃度の推定値を用いていないため、実施の形態1の場合と比べて簡易な処理でホウ素濃度の制御を行うことができる。
(その他の実施の形態)
上述した各実施の形態においては、ホウ素が含まれている副原料としてフェロシリコンを例示しているが、例えばフェロマンガン(FeMn)及びシリコンマンガン(SiMn)等の他の副原料であってもよい。
また、上述した各実施の形態においては、副原料バンカー21からのフェロシリコンの搬送先として、2個の炉上バンカー31,31が設けられているが、本発明は2個に限定されるわけではく、3個以上であってもよい。その場合、閾値を複数設けておき、それらの閾値とホウ素濃度の測定値(又は許容値)との比較結果に応じて、いずれかの炉上バンカー31が搬送先として選択されるようにすればよい。
本発明の鋼材のホウ素濃度の推定方法及び制御方法はそれぞれ、高張力鋼板等の鋼材のホウ素濃度の推定方法及び制御方法等として有用である。
1 副原料投入設備
10 上位制御装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ハードディスク
14A ホウ素残存率データ
15 通信インタフェース
16 ディスプレイ
17 入力部
18 バス
20 副原料搬送制御装置
21 副原料バンカー
22 切り出し装置
23 ホウ素濃度計
30 副原料切り出し制御装置
31 炉上バンカー
32 切り出し装置
40 ホッパー制御装置
41 ホッパー
50 転炉

Claims (5)

  1. 副原料バンカーに貯蔵されたホウ素を含む副原料が溶銑及び溶鋼中に投入されて鋼材が製造される場合に、当該副原料バンカー内の副原料中のホウ素濃度を測定するステップと、
    前記ホウ素濃度の測定値、及び前記溶銑及び溶鋼中に投入される前記副原料の量に基づいて、ホウ素投入量の推定値を算出するステップと、
    前記ホウ素投入量の推定値、及び鋼材のホウ素残存率の実績値に基づいて、製造される鋼材のホウ素濃度の推定値を算出するステップと
    を有する、鋼材のホウ素濃度の推定方法。
  2. 前記副原料はフェロシリコンである、
    請求項1に記載の鋼材のホウ素濃度の推定方法。
  3. 副原料バンカーに貯蔵されたホウ素を含む副原料が複数の炉上バンカーを介して溶銑及び溶鋼中に投入されて鋼材が製造される場合に、当該副原料バンカー内の副原料中のホウ素濃度を測定するステップと、
    前記ホウ素濃度の測定値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちの特定の炉上バンカーを選択するステップと、
    選択された炉上バンカーに、前記副原料バンカー内の副原料を搬送するステップと、
    前記ホウ素濃度の測定値、及び前記溶銑及び溶鋼中に投入される副原料の量に基づいて、ホウ素投入量の推定値を算出するステップと、
    前記ホウ素投入量の推定値、及び鋼材のホウ素残存率の実績値に基づいて、製造される鋼材のホウ素濃度の推定値を算出するステップと、
    前記ホウ素濃度の推定値、及び製造予定の鋼材のホウ素濃度許容値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちのいずれかの炉上バンカーを選択するステップと、
    選択された炉上バンカーを介して副原料を前記溶銑及び溶鋼中に投入するステップと
    を有する、鋼材のホウ素濃度の制御方法。
  4. 副原料バンカーに貯蔵されたホウ素を含む副原料が複数の炉上バンカーを介して溶銑及び溶鋼中に投入されて鋼材が製造される場合に、当該副原料バンカー内の副原料中のホウ素濃度を測定するステップと、
    前記ホウ素濃度の測定値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちの特定の炉上バンカーを選択するステップと、
    選択された炉上バンカーに、前記副原料バンカー内の副原料を搬送するステップと、
    製造予定の鋼材のホウ素濃度許容値に基づいて、前記複数の炉上バンカーのうちのいずれかの炉上バンカーを選択するステップと、
    選択された炉上バンカーを介して副原料を前記溶銑及び溶鋼中に投入するステップと
    を有する、鋼材のホウ素濃度の制御方法。
  5. 前記副原料はフェロシリコンである、
    請求項3又は4に記載の鋼材のホウ素濃度の制御方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113025772A (zh) * 2021-02-07 2021-06-25 首钢集团有限公司 一种精炼过程中硼元素含量的控制方法及其产品

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