JP2018115093A - 直方体状の単結晶ニオブ酸ナトリウム粒子およびその製造方法 - Google Patents

直方体状の単結晶ニオブ酸ナトリウム粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、小さな平均粒径および狭い粒径分布を有する、直方体状の単結晶NaNbO3粒子を提供する。【解決手段】本発明は、Nb2O5ゾルと、ナトリウム含有化合物と、を含むNb2O5ゾル溶液を調製することと、前記Nb2O5ゾル溶液を用いてソルボサーマル合成処理を行うことと、を含む、直方体状の単結晶NaNbO3粒子の製造方法であって、前記直方体状の単結晶NaNbO3粒子の粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、直方体状の単結晶NaNbO3粒子の製造方法に関する。【選択図】図2

Description

本発明は、直方体状の単結晶NaNbO粒子およびその製造方法、ならびに直方体状の単結晶NaNbO粒子を用いた誘電体磁器組成物およびその製造方法に関する。
現在、圧電材料として使用されているチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti1−X)O)は、RoHS指令対象物質である鉛を含むため、鉛を含まない圧電材料の探索が急務となってきている。近年、NaNbO、KNbOやK0.5Na0.5NbOなどのNb系セラミックス材料が非鉛圧電材料として盛んに研究されており、チタン酸ジルコン酸鉛の代替材料として注目されている。
Nb系セラミックスの特徴として、一般的に、誘電体材料として知られるチタン酸バリウム(BaTiO)よりも高いキュリー温度を有することが挙げられる。これより、チタン酸バリウムとNb系セラミックスとの2成分系材料、またはさらに他の成分を加えた3成分系材料は、200℃以上の高温誘電体の候補材料として、近年盛んに研究されている。
一方、誘電体材料の研究においては、結晶界面歪み効果を利用することが検討されており、このための構成として、チタン酸バリウムナノキューブ同士を配列させたナノキューブ集積体の形成が検討されている。かような構成においては、チタン酸バリウムナノキューブ同士を配列させ、熱処理を加えることでチタン酸バリウムナノキューブ同士の界面が結合し、その界面で結晶格子が歪むことによって、巨大な誘電率が発現するものと推測されている。
ナノキューブ集積体へのNb系セラミックスの適用は、誘電体材料の特性のさらなる向上が可能であると予測される。例えば、チタン酸バリウムナノキューブとNaNbOナノキューブとが配列され、その界面で結晶格子を歪ませた構造は、高温特性、DCバイアス特性等の種々の特性に優れた誘電体材料となりうると予測される。
このNb系セラミックスナノキューブに関する技術としては、特許文献1には、粒子の最大径が0.05〜20μmであり、アスペクト比が1〜1.5である、NaK(1−x)NbO(0.05≦x≦0.8)で表されるニオブ酸ナトリウム・カリウム塩粒子が開示されている。また、特許文献2には、酸化ニオブと、水酸化ナトリウム水溶液と別工程で製造したニオブ酸ナトリウムとを含有する混合物を調製する工程と、得られた混合物に対して水熱処理を施す工程とを含む、ニオブ酸ナトリウム微粒子の製造方法が開示されている。
特開2014−88314号公報 特開2013−224228号公報
上記特許文献1に係る粒子は、微細な単結晶粒子が結合した多結晶粒子であって単結晶粒子ではなく、その粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50は数μm以上である。また、上記特許文献2に係る方法によって製造される粒子は、粒径分布が広く、その粒径は、平均粒径としては200nm以上である。
ナノキューブ集積体の形成においては、Nb系セラミックスナノキューブが単結晶粒子であり、粒子の形状が直方体状(好ましくは立方体形状)であり、平均粒径が小さく、粒径分布が狭いことが要求される。このため、上記先行技術文献に記載の粒子は、粒子の種類、粒子サイズ、粒径分布の観点から、異なるナノキューブ同士を配列してナノキューブ集積体へ適用することは困難であるとの問題があった。
本発明者らは、上記課題に鑑みてなされたものであり、小さな平均粒径および狭い粒径分布を有する、直方体状の単結晶NaNbO粒子を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決される;
Nbゾルと、ナトリウム含有化合物と、を含むNbゾル溶液を調製することと、
前記溶液Aを用いてソルボサーマル合成を行うことと、
を含む、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法であって、
前記直方体状の単結晶NaNbO粒子は、粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ
粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、
直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
本発明の上記課題は、以下の手段によっても解決される;
粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ
粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記粒径D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、
直方体状の単結晶NaNbO粒子。
本発明によれば、小さな平均粒径および狭い粒径分布を有する、直方体状の単結晶NaNbO粒子の提供が可能となる。
実施例3に係る立方体状の単結晶NaNbO粒子のXRDスペクトルである。 実施例3に係る立方体状の単結晶NaNbO粒子のSEM写真であり、(a)は単結晶粒子を、(b)は単結晶粒子の1つを拡大したものをそれぞれ表す。 本発明の第三の形態に係る製造方法で製造される、または本発明の第四の形態に係る誘電体磁器組成物の好ましい一形態の構造を表す概略図である。
本発明の一形態は、Nbゾルと、ナトリウム含有化合物と、を含むNbゾル溶液を形成することと、前記Nbゾル溶液を用いてソルボサーマル合成を行うことと、を含む、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法であって、前記直方体状の単結晶NaNbO粒子は、粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ粒子径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法である。
本明細書中、「粒径」は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により粒子を撮像してその粒径を測定したものである。また、平均粒径は、無作為に、50個の粒子を抽出して該粒径を測定し、これを平均したものである。ここで、粒子の形状が球形でない場合には、長径を測定して算出したものと定義する。
また、本明細書中、「粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50」は、上記SEM測定によって得られた50個の粒子の粒径分布における個数基準の積算分率より算出できる。同様に、「粒径分布における個数基準の積算分率における90%径である粒径D90」は、上記SEM測定によって得られた50個の粒子の粒径分布において個数基準の積算分率より算出できる。
ここで、本明細書中、「直方体状」、「立方体状」とは、上記SEMにより粒子を撮像した写真を確認することで判断される粒子の形状がそれぞれ直方体状、立方体状であることをいう。ここで、「直方体状」、「立方体状」とは、目視にて直方体状、立方体状であると判断されるものであればよく、厳密に直方体状、立方体状であることまでは要求されない。
そして、本明細書中、「単結晶」とは、電子線回折(ED:Electron Diffraction)法を用いて、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)により撮像した粒子の電子線回折図形において、回折斑点(スポット)が規則正しく並ぶ状態であるとする。なお、「多結晶」とは、粒子の電子線回折図形が同心円状の円環となる状態であるとし、「非晶」とは、粒子の電子線回折図形がブロードな円環状となる状態であるとする。
合成された粒子が結晶性のNaNbOであることは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)で生成物を同定することで確認することができる。
上記の本発明の構成による作用効果の発揮のメカニズムは、以下のように推測される。
NaNbO粒子の合成では、Nbとナトリウム含有化合物とを用いてソルボサーマル合成を行うことによって、Nbの表面から反応が進行して結晶性のNaNbOが徐々に生成される。ここで、生成される結晶性NaNbOの粒子は、Nbの分散状態によって変化する。そして、Nbがゾル状態、すなわち高度に分散された状態で、核生成速度および各成長速度との関係において好適な条件で反応が行われることで、生成される結晶性のNaNbOは、直方体状の単結晶NaNbO粒子となる。この理由は、結晶性のNaNbOが結晶成長し終えるまでの間、他の結晶性のNaNbOと接する可能性は極めて低いからであると推察される。一方、Nbが粉末等の凝集状態であると、生成する結晶性のNaNbOは、微細な単結晶粒子が結合した多結晶粒子となる。この理由は、結晶性のNaNbOが成長し終えるまでの間、他の結晶性のNaNbOと接することとなり、結晶性のNaNbO同士が結合するからであると推察される。
ここで、結晶性の物質が単結晶として成長する場合、通常、その単結晶粒子の形状はその結晶系によって決定されることから、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造が可能となる。また、Nbゾルは高度に分散された状態であることから、反応開始時の原料としての均一性が高く、結晶性のNaNbOが単結晶として成長する場合、結晶成長速度と反応時間との制御によって粒径制御が容易となる。その結果、従来と比べて小さな平均粒径および狭い粒径分布を有する、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造が可能となる。
なお、本発明は、上記メカニズムに何ら制限されるものではない。
以下、本発明に係る直方体状の単結晶NaNbO粒子、および本発明を実施するための形態・態様について詳細に説明する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
また、本明細書中、「溶液」とは溶液または分散液を表し、「溶媒」とは溶媒または分散媒を表すものとする。
<直方体状の単結晶NaNbO粒子およびその製造方法>
(1)直方体状の単結晶NaNbO粒子
本発明の第一の形態は、粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法に関する。
また、本発明の第二の形態は、粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、粒径D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、直方体状の単結晶NaNbO粒子でもある。
直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50は、5nm以上である。D50が5nm未満であると、直方体形状となりにくく、球状になる割合が増加する。これより、直方体形状粒子を得るという観点から、粒径D50は、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、70nm以上がさらに好ましい。また、粒径D50は100nm以下である。粒径D50が100nm超であると、ナノキューブ集積体への適用が困難となり、積層チップコンデンサ等の小型大容量化が困難となる。これより、ナノキューブ集積体への適用、積層チップコンデンサ等の小型大容量化の観点から、98nm以下が好ましく、95nm以下がより好ましい。
D90/D50は1.40以下である。D90/D50が1.40超であると、均一なナノキューブ集積体の形成が困難となる。これより、均一なナノキューブ集積体の形成の観点から、D90/D50は、1.38以下が好ましく、1.35以下がより好ましい。なお、D90/D50は、小さいほど好ましいが、製造の容易性の観点から、通常は1.01以上であり、1.10以上が好ましく、1.20以上がより好ましく、1.25以上がさらに好ましい。
直方体状の単結晶NaNbO粒子は、立方体状の単結晶NaNbO粒子が好ましい。
(2)Nbゾル溶液の調製
本発明の一形態に係る製造方法は、Nbゾルと、ナトリウム含有化合物と、を含むNbゾル溶液を形成すること、を含む。なお、本明細書において、上記Nbゾル溶液を単に「溶液A」とも称する。また、溶液Aを用いたソルボサーマル合成処理を単に「ソルボサーマル合成処理A」とも称する。
溶液Aの調製において、各成分の混合方法および混合順序は特に制限されない。
[Nbゾル]
溶液Aは、Nbゾルを含む。Nbゾルは、直方体状の単結晶NaNbO粒子の合成において、Nb源として用いられる。
Nbゾル中のNbの粒径D50は、Nbがゾル状態を形成していれば特に制限されないが、0.1nm以上30nm以下が好ましい。ここで、ゾル中のNbの粒径D50は、上記直方体状の単結晶NaNbO粒子と同様の方法で、SEMによって測定することができる。この範囲であると、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。同様の観点からNbゾル中のNbの粒径D50は、1nm以上20nm以下であることが好ましい。ここで、ゾル中のNbの粒径D50が大きくなるに従い、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50および粒径分布が広くなる傾向がある。
Nbゾルを形成する溶媒は、Nbがゾル状態を形成していれば特に制限されず、水(純水、イオン交換水、超純水等)または公知の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、メトキシエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸エチル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。なお、上記溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、上記有機溶媒に水を混合した混合溶媒としてもよい。これらの中でも、後に行われる直方体状の単結晶NaNbO粒子の合成(ソルボサーマル合成処理A)が阻害される可能性をより小さくするとの観点から、Nbゾルを形成する溶媒は水が好ましい。
溶液AにおけるNbゾルの含有量は、溶液Aの総体積に対して、Nb元素のモル換算で3×10−3mol/l以上12.5×10−3mol/l以下が好ましく、4×10−3mol/l以上10×10−3mol/l以下がより好ましく、5×10−3mol/l以上8×10−3mol/l以下がさらに好ましい。
[Nbゾルの調製]
Nbゾルの調製方法としては、特に制限されず、公知の方法を使用することができる。本発明の一形態に係る製造方法は、Nbの水和物(Nb・nHO)または水酸化物を含む溶液を用いて、ソルボサーマル合成処理によってNbゾルを合成することをさらに含むことが好ましい。この方法によると、Nbゾルの純度をより高めることができ、その結果、直方体状の単結晶NaNbO粒子の純度をより高めることができるからである。また、ソルボサーマル合成処理に用いられるNbの水和物または水酸化物を含む溶液の処方や適用される条件を制御することによって、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50をより容易に本発明の範囲内へと制御できるからである。
なお、本明細書において、上記Nbの水和物または水酸化物を含む溶液を、単に「溶液B」とも称する。また、溶液Bを用いたソルボサーマル合成処理を単に「ソルボサーマル合成処理B」とも称する。
Nbゾルの原料であるNbの水和物または水酸化物は、特に制限されず、市販品を用いてもよく、公知の方法で合成したものを用いてもよい。なお、上記Nbの水和物または水酸化物は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でもNbの水和物を用いることがより好ましい。
Nbの水和物の合成方法としては、例えば、ニオブ含有化合物にエタノールを加えて溶液を調製し、この溶液を攪拌しながらアンモニア水を滴下してNb・nHOの沈殿を生成させる方法が挙げられる。ここで、ニオブ含有化合物としては、Nbの水和物を合成することができれば特に制限されず公知のものを用いることができる。これらの中でも、ニオブ含有化合物は、塩化ニオブ(V)(NbCl)または硝酸ニオブが好ましい。上記ニオブ含有化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。ここで、Nbの水和物は、得られた沈殿を含む溶液を遠心分離して上澄みを除去することで取り出すことができる。ただし、Nbの水和物の合成方法は、この方法に限定されるものではない。
溶液Bの溶媒は、ソルボサーマル合成処理BによりNbゾルの合成を行うことができれば特に制限されず、水(純水、イオン交換水、超純水等)または公知の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、メトキシエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸エチル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。なお、上記溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、上記有機溶媒に水を混合した混合溶媒としてもよい。これらの中でも、得られるNbゾルの不純物をより少なくするとの観点から、溶液Bの溶媒は水が好ましい。
溶液Bは、酸化剤をさらに含むことが好ましい。酸化剤は、溶液B中において、Nb5+以外として存在するNb元素をNb5+へと変換するように作用する。この結果、酸化物を含有することで得られるNbゾルの純度を高めることができ、得られる直方体状の単結晶NaNbO粒子において、本発明の範囲外の粒径D50またはD90/D50を有する粒子やその他不純物の量をより低減させることができる。
酸化剤としては、Nb5+以外として存在するNb元素をNb5+としうるものであれば特に制限されず、公知の酸化剤を使用することができる。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸、亜塩素酸、過塩素酸、硝酸カリウム、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。なお、上記酸化剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、溶液Bの好ましい溶媒である水に溶解し、Nbゾル中に発生する不純物をより低減するとの観点から、酸化剤は、硝酸または過酸化水素がより好ましく、分解してNbゾルを形成する好ましい溶媒である水となるとの観点から、過酸化水素がさらに好ましい。
酸化剤の添加方法は、特に制限されず、Nbの水和物または水酸化物と溶媒との混合物に、酸化剤を直接添加する方法であってもよい。また、酸化剤の添加方法は、酸化剤は、事前に酸化剤溶液を形成した後、酸化ニオブ(V)(Nb)の水和物または水酸化物と溶媒との混合液と、酸化剤溶液とを混合してもよい。この際、酸化剤溶液の溶媒は、酸化剤溶液を形成しうることができれば特に制限されず、特に制限されず、水または公知の有機溶媒を用いることができるが、溶液BおよびNbゾルの好ましい溶媒である水が好ましい。ここで、酸化剤溶液の好ましい例としては、過酸化水素水が挙げられる。
溶液B中の酸化剤の含有量は、使用する酸化剤の種類、または残存するNbの水和物または水酸化物の原料の量や種類に応じて、適宜設定することができる。
溶液Bは、本発明の効果を妨げない限り、他の添加剤を含んでいてもよい。
本明細書中、ソルボサーマル合成処理とは、中〜高程度の圧力(通常、0.20〜1,000MPa)と中〜高程度の温度(通常50℃〜1000℃)の下で行われる反応を用いた処理と定義する。ここで、「水熱合成処理」とは、ソルボサーマル合成処理であって、水(純水、イオン交換水、超純水等)のみを溶媒として使用する場合であり、その他の有機溶媒を溶媒として含まない形態であると定義する。
ソルボサーマル合成処理Bにおいて、ソルボサーマル合成処理時の保持温度は、特に限定されないが、60℃以上が好ましい。この範囲であると、反応が好適に行われ、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50を本発明の範囲を満たす一定以上の値とすること、およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。同様の観点から、ソルボサーマル合成処理時の保持温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がさらに好ましい。また、ソルボサーマル合成処理Bにおいて、ソルボサーマル合成処理時の保持温度は、200℃以下が好ましい。この範囲であると、反応が好適に行われ、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50を本発明の範囲を満たす一定以下の値とすること、およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。同様の観点から、ソルボサーマル合成処理時の保持温度は、150℃以下が好ましく、95℃以下が好ましい。また、ソルボサーマル合成処理Bは、保持温度が一定温度であることが好ましい。
また、ソルボサーマル合成処理Bにおいて、ソルボサーマル合成処理時の保持時間についても特に限定されないが、好ましくは1時間以上500時間以下、より好ましくは5時間以上200時間以下、さらに好ましくは24時間以上168時間以下である。この範囲であると、反応が好適に行われ、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。
ソルボサーマル合成処理Bにおいて、ソルボサーマル合成処理時の圧力は、特に限定されないが、0.2MPa以上4.0MPa以下で行うと好ましい。このような圧力下での反応は、オートクレーブ等の耐圧容器中で行うことが好ましい。
したがって、本発明の一形態に係る製造方法においては、ソルボサーマル合成処理Bは、60℃以上200℃以下で、1時間以上500時間以下保持することで行うことが好ましい。
ソルボサーマル合成処理Bによって合成されたNbゾルは、ゾル状態を維持したまま、溶液Aの調製に用いられることが好ましい。Nbゾル生成から溶液Aの形成までゾル状態を維持して乾燥による凝集を回避することで、ソルボサーマル合成処理Bにより実現されたゾル中のNbの好適な粒径D50および良好な分散性をより良好に維持することができる。その結果、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50を、本発明の範囲内へとより良好に制御することができる。
[ナトリウム含有化合物]
溶液Aは、ナトリウム含有化合物を含む。ナトリウム含有化合物は、直方体状の単結晶NaNbO粒子の合成において、Na源として用いられる。
ナトリウム含有化合物としては、ソルボサーマル合成処理Aにより直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成しうるものであれば特に制限されず、公知のナトリウム含有化合物を用いることができる。ナトリウム含有化合物としては、水酸化ナトリウムまたはナトリウム塩が好ましい。ナトリウム塩としては、特に制限されないが、例えば、硫酸、炭酸、硝酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸およびリン酸等の無機酸のナトリウム塩や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸および乳酸などのカルボン酸、ならびにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびイセチオン酸等の有機酸のナトリウム塩等が挙げられる。なお、上記ナトリウム含有化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、直方体状の単結晶NaNbO粒子の不純物をより低減するとの観点から、ナトリウム含有化合物は、水酸化ナトリウムまたは無機酸のナトリウム塩がより好ましく、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムがさらに好ましく、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムが特に好ましい。ここで、溶液Aをアルカリ性とするために他のアルカリの添加を必須としないとの観点から、ナトリウム含有化合物は、ナトリウム含有化合物でもあり、アルカリでもある水酸化ナトリウムが最も好ましい。
溶液Aにおけるナトリウム含有化合物の含有量は、溶液A中に含まれるNb元素のモル量に対するNa元素のモル量の比Na/Nbとして、5以上20以下が好ましく、7以上15以下がより好ましく、8以上12以下がさらに好ましい。
[界面活性剤]
溶液Aは、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。界面活性剤は、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径分布をより狭くし、合成における形状制御をより容易にするために用いられる。
界面活性剤は、その存在下でソルボサーマル合成処理Aによる直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成可能であれば特に制限されず、公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、アミン系界面活性剤、ホスフィン系界面活性剤およびチオール系界面活性剤等が挙げられる。アミン系界面活性剤としては、例えば、オレイルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ドデシルアミン、n−オクチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン等が挙げられる。ホスフィン系界面活性剤としては、例えば、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘブチルホスフィン等が挙げられる。チオール系界面活性剤としては、例えば、1−ドデカンチオール等が挙げられる。なお、上記界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、界面活性剤は、アミン系界面活性剤が好ましく、オレイルアミンがより好ましい。
溶液Aにおける界面活性剤の含有量は、溶液Aの総質量に対して20質量%以下が好ましい。この範囲であると、後述する本発明の第三の形態に係る製造方法で製造される、または本発明の第四の形態に係る誘電体磁器組成物の一例であるナノキューブ集積体として、誘電特性がより向上する。この理由は、直方体状の単結晶NaNbO粒子と隣接して配列されるナノキューブとの界面におけるエピタキシャル成長が促進されるからであると推測されるからである。同様の観点から、溶液Aにおける界面活性剤の含有量は10質量%以下が好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、溶液Aが界面活性剤を実質的に含有しないことが特に好ましい(下限0%)。なお、本明細書中、「実質的に含有しない」とは、系の総質量に対して0.1質量%以下であることを表す。
[他の添加剤]
溶液Aは、本発明の効果を妨げない限り、他の添加剤を含んでいてもよい。
[溶媒]
溶液Aは、溶媒をさらに含むことが好ましい。なお、Nbゾルを形成する溶媒は、ここで説明する溶媒には含めないものとする。
溶液Aの溶媒は、その存在下でソルボサーマル合成処理Aによる直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成可能であれば特に制限されず、水(純水、イオン交換水、超純水等)または公知の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ベンジルアルコール、メトキシエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸エチル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。なお、上記溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、上記有機溶媒に水を混合した混合溶媒としてもよい。
これらの中でも、溶液Aの溶媒は、アルコールを含むことが好ましく、2種以上のアルコールを含むことがより好ましい。溶液Aの溶媒が2種以上のアルコールを含有することで、反応が好適に行われ、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。同様の観点から、2種以上のアルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、およびtert−ブタノールからなる群より選択される2種以上が好ましく、メタノールと、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、およびtert−ブタノールからなる群より選択される少なくとも1種との組み合わせがより好ましく、メタノールおよびエタノールがさらに好ましい。
溶液Aの溶媒がメタノールおよび他のアルコール(好ましくはエタノール)を含む場合、メタノールの含有量は、特に制限されないが、アルコールの総体積に対して、25体積%以上が好ましい。この範囲であると、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。同様の観点から、メタノールの含有量は、アルコールの総体積に対して、50体積%以上がより好ましく、75体積%以上がさらに好ましい。また、メタノールの含有量は、特に制限されないが、アルコールの総体積に対して、99体積%以下が好ましい。この範囲であると、直方体状の単結晶NaNbO粒子の形成がより促進される。同様の観点から、メタノールの含有量は、アルコールの総体積に対して、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下がさらに好ましい。
溶液Aの溶媒中のアルコールの比率は、溶液Aの溶媒の総体積に対して、50体積%以上が好ましく、75体積%以上が好ましく、100体積%がさらに好ましい。
[溶液Aの性質]
溶液Aは、水を含むことが好ましい。溶液Aが水を含むようにするには、Nbゾルを形成する際に溶媒として水を用いてもよいし、溶液Aの溶媒として水を用いてもよいし、その両方であってもよい。また、この際、溶液Aは、アルカリ性がより好ましい。本明細書中、アルカリ性とは、pHが7以上であることを表す。溶液Aがアルカリ性であると、ソルボサーマル合成処理Aによる直方体状の単結晶NaNbO粒子の合成がより促進される。同様の観点から、溶液AのpHは7以上14以下がさらに好ましく、9以上13以下が特に好ましく、10以上13以下が最も好ましい。
溶液Aをアルカリ性とするために、溶液Aはアルカリをさらに含有することが好ましい。アルカリとは、水に溶解して水酸化物イオン(OH)を発生させる化合物をいう。アルカリは、その存在下でソルボサーマル合成処理Aによる直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成可能であれば特に制限されず、公知のアルカリを用いることができる。
ここで、上記のナトリウム含有化合物の説明で述べた、ナトリウム含有化合物でもあり、アルカリでもある水酸化ナトリウム以外のアルカリとしては、特に制限されないが、例えばアンモニア等を好ましく用いることができる。なお、上記アルカリは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これより、本発明の一形態に係る製造方法は、Nbゾルと、ナトリウム含有化合物と、アルカリとを含む溶液Aを調製することを含むことが好ましい。
アルカリの添加量は、溶液Aがアルカリ性となるよう、または所望のpH値となるよう、適宜設定すればよい。
(3)ソルボサーマル合成処理A
本発明の一形態に係る製造方法は、溶液Aを用いてソルボサーマル合成処理(ソルボサーマル合成処理A)を行うことを含む。
ソルボサーマル合成処理および水熱合成処理の定義は、上記したソルボサーマル合成処理BによるNbゾルの合成における定義と同様である。
ソルボサーマル合成処理Aは、50℃未満(好ましくは25℃)の状態からソルボサーマル合成処理時の保持温度以上の温度まで、溶液Aを40℃/分以上の昇温速度で昇温することを含むことが好ましい。この範囲であると、急速なNaNbO濃度の増大により多数の結晶核が生成されることとなり、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50およびD90/D50を本発明の範囲内へと制御することがより容易となる。同様の観点から、昇温速度は、50℃/分以上がより好ましく、60℃/分以上がさらに好ましい。また、目的とする昇温速度の実現容易性の観点から、ソルボサーマル合成処理Aは、50℃未満(好ましくは室温)の状態からソルボサーマル合成処理時の保持温度以上の温度まで、溶液Aを200℃/分以下の昇温速度で昇温することに含むことが好ましい。同様の観点から、昇温速度は120℃/分以下がより好ましく、100℃/分以下がさらに好ましい。ただし、ソルボサーマル合成処理Aにおける溶液Aの昇温速度はこれに限定されるものではない。
これより、本発明の一形態に係る製造方法は、ソルボサーマル合成処理Aが、溶液Aを40℃/分以上200℃/分以下の昇温速度で昇温することを含むことが好ましい。
ソルボサーマル合成処理Aにおいて、ソルボサーマル合成処理時の保持温度は、特に限定されないが、60℃以上300℃以下であると好ましく、140℃以上260℃以下であるとより好ましく、180℃以上230℃以下であるとさらに好ましい。また、ソルボサーマル合成処理Aは、保持温度が一定温度であることが好ましい。
また、ソルボサーマル合成処理Aにおいて、ソルボサーマル合成処理時の保持時間についても特に限定されないが、好ましくは1分以上である。この範囲であると、直方体状の単結晶NaNbO粒子の形成に際して未反応物の量をより低減できる。同様の観点から、ソルボサーマル合成処理時の保持時間は、2分以上がより好ましく、3分以上がさらに好ましく、5分以上が特に好ましい。また、ソルボサーマル合成処理Aにおいて、ソルボサーマル合成処理時の保持時間は、20時間以下が好ましい。この範囲であると、多結晶粒子の形成をより抑制し、直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径D50を一定以下の値へと制御することがより容易となる。同様の観点から、ソルボサーマル合成処理時の保持時間は、60分以下がより好ましく、10分以下がさらに好ましく、7分以下が特に好ましい。
ソルボサーマル合成処理Aにおいて、ソルボサーマル合成処理時の圧力は、特に限定されないが、0.2MPa以上4.0MPa以下程度で行うと好ましい。このような圧力下での反応は、反応時に必要とされる圧力に応じて、オートクレーブ等の耐圧容器中で行ってもよい。
かような昇温速度または反応温度(保持温度)を実現する方法としては、特に制限されないが、マイクロ波を照射する方法が好ましい。マイクロ波照射装置としては、市販のものを用いてもよく、例えば、マイクロ波合成装置(マイルストーンゼネラル株式会社製:StartSYNTH)等を用いることができる。マイクロ波の出力としては、特に制限されないが、500W以上1000W以下が好ましい。すなわち、ソルボサーマル合成処理Aは、昇温速度および反応温度(保持温度)が共にマイクロ波を照射する方法で実現されること、すなわちマイクロ波照射下で行われることが好ましい。
ソルボサーマル合成処理Aにおいては、攪拌が行われることが好ましい。攪拌方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。攪拌方法の好ましい一例は、攪拌子を用いる方法等が挙げられる。攪拌の際の回転数としては、ソルボサーマル反応中に溶液Aが十分に攪拌されれば特に制限されないが、例えば、20rpm以上2000rpm以下が好ましい。
(4)洗浄・乾燥処理
上記ソルボサーマル合成処理Aにより直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成した後、必要に応じて洗浄・乾燥を行ってもよい。これらは、主として、合成により生じた不純物や未反応物を除去するために行われる。したがって、洗浄溶媒は、これらを溶解させることができると共に、生成した直方体状の単結晶NaNbO粒子に影響しない溶媒が用いられる。例えば、エタノール、酢酸水溶液、水等を用いることが好ましい。この時の洗浄溶媒の温度は、不純物や未反応物の除去を効率よく行い、かつ、精製した直方体状の単結晶NaNbO粒子の物性を損なうことを抑制するため、10℃以上80℃以下であると好ましい。
また、乾燥条件も特に制限されないが、100℃以上150℃以下で乾燥させると好ましい。この時用いられる乾燥装置は、特に制限されず、例えば、オーブン、熱風乾燥機などの通常用いられる装置を用いることができる。これらの乾燥装置は、複数を組み合わせて使用してもよい。
上記乾燥時の雰囲気は特に制限されず、大気中、または窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
<誘電体磁器組成物およびその製造方法>
本発明の第三の形態は、本発明の第一の形態に係る製造方法によって直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成すること、および前記直方体状の単結晶NaNbO粒子を含む誘電体磁器組成物形成材料を成形することを含む、誘電体磁器組成物の製造方法に関する。
これより、本発明の第四の形態は、本発明の第二の形態に係る単結晶NaNbO粒子を含む、誘電体磁器組成物でもある。
誘電体磁器組成物形成材料は、NaNbO以外の他の成分(その他の成分)を含んでいてもよく、その他の成分としては、NaNbO以外の金属酸化物であることが好ましく、チタンを含む金属酸化物であることがより好ましく、チタン酸バリウム(BaTiO)であることがさらに好ましい。また、その他の成分としては、単結晶粒子であることが好ましく、直方体状の単結晶粒子であることがより好ましく、立方体状の単結晶粒子であることがさらに好ましい。
誘電体磁器組成物の製造方法としては、特に制限されず、例えば、本発明の第一の形態に係る製造方法によって合成された直方体状の単結晶NaNbO粒子、または本発明の第二の形態に係る直方体状の単結晶NaNbO粒子と、その他の成分と、を混合して誘電体磁器組成物形成材料を調製する工程(調整工程)と、得られた誘電体磁器組成物形成材料を用いて成形して成形体(グリーンシート)を作製する工程(グリーンシート作製工程)と、当該成形体(グリーンシート)を焼成する工程と、を含む製造方法が挙げられる。また、例えば、本発明の第一の形態に係る製造方法によって合成された直方体状の単結晶NaNbO粒子、または本発明の第二の形態に係る直方体状の単結晶NaNbO粒子と、その他の成分と、を混合して誘電体磁器組成物形成材料を調製する工程(調整工程)と、得られた誘電体磁器組成物形成材料をスラリー分散させる工程(スラリー分散工程)と、スラリー分散された誘電体磁器組成物形成材料を、毛細管力を利用したディップコーティングにより基板上にコーティングして成形する工程(コーティング工程)と、を含む製造方法が挙げられる。本方法においては、コーティング工程の後に得られた成形体を焼成する工程をさらに含んでいてもよい。なお、当該製造方法においては、前記調整工程と、前記スラリー分散工程とは、同一の工程として行われていてもよい。
誘電体磁器組成物としては、特に制限されないが、直方体状の単結晶NaNbO粒子を含む単結晶粒子同士を配列させた、3次元接合構造を有する集積体が好ましい。かような集積体としてはナノキューブ集積体であることが好ましく、ナノキューブ集積体の特に好ましい一例を、図3に示す。図3は、チタン酸バリウムナノキューブとニオブ酸ナトリウムナノキューブ(立方体状の単結晶NaNbO粒子)とが配列され、その界面で結晶格子を歪ませた構造を有する、3次元ヘテロ接合構造を有する、異種強誘電体ナノキューブ集積体を表す。
図3中、1は異種強誘電体ナノキューブ集積体を、2はチタン酸バリウムナノキューブ(すなわち、立方体状の単結晶BaTiO粒子:正方晶構造)を、3はニオブ酸ナトリウムナノキューブ(すなわち、立方体状の単結晶NaNbO粒子:斜方晶構造)をそれぞれ表す。ここで、4は、チタン酸バリウムナノキューブとニオブ酸ナトリウムナノキューブとの界面を表す。このような界面では結晶格子の歪みが発生しており、その結果、異種強誘電体ナノキューブ集積体は優れた誘電特性を発現する。
なお、図3では、チタン酸バリウムナノキューブと立方体状の単結晶NaNbO粒子とが共に立方体状であるが、本発明に係る誘電体磁器組成物である集積体の構成はこれに限定されるものではなく、立方体以外の形状である直方体状の単結晶同士を配列させてもよく、立方体以外の形状である直方体状の単結晶粒子と立方体状の単結晶粒子とを配列させていてもよい。
<用途>
本発明に係る製造方法で製造された、または本発明に係る直方体状の単結晶NaNbO粒子、または誘電体磁器組成物は、積層チップコンデンサ等の小型大容量化のために用いられることが好ましい。これらは、誘電体セラミックスおよび誘電体セラミックス組成物などの電子部品材料として、特に、車載向けに適した温度特性を有する電子部品材料として用いられることが好ましく、将来的には、電気自動車向け電子部品材料としての用途も期待される。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
<Nbゾルの調製>
[溶液Bの調整]
NbCl(株式会社高純度化学研究所製)を5g秤量し、これにエタノールを10ml加えて溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら、0.3mol/Lアンモニア水200mlにこの溶液を滴下して、Nb・nHOの沈殿を生成させた。その後、この沈殿を含む溶液を10000rpm、5分の条件で遠心分離して、上澄みを除去することで、沈殿物Nb・nHOを得た。氷水により冷却された状態で、得られた沈殿物Nb・nHOに、攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水を20ml添加して溶液Bを調製した。ここで、Nb元素とHとのモル比がNb元素:H=1:10となるよう過酸化水素水を加えた。
[ソルボサーマル合成処理B]
得られた溶液Bをオートクレーブ容器(三愛科学株式会社製)に入れて、75℃、24時間保持の条件で反応させ、ソルボサーマル合成処理B(水熱合成処理)を行うことで、Nbゾルを調製した。ここで、ソルボサーマル合成処理Bにおいて、保持時の反応系内の圧力は0.2MPa以上であった。
<直方体状の単結晶NaNbO粒子の合成>
[溶液Aの調製]
上記得られたNbゾル:Nb元素換算で0.25mmol、NaOH:5mmol、メタノール:30ml、エタノール:10mlをそれぞれ計量し、100mlのマイクロ波合成装置用容器に入れることで、溶液Aを調製した。
[ソルボサーマル合成処理A]
得られた溶液Aを、マイクロ波合成装置(マイルストーンゼネラル株式会社製:StartSYNTH)を用いて、200rpmで攪拌しながら、出力800Wのマイクロ波照射環境下、200℃まで3分間で上昇(昇温速度66.7℃/分)後、200℃、5分保持の条件でソルボサーマル合成処理Aを行い、生成物溶液を調製した。ここで、ソルボサーマル合成処理Aにおいて、昇温開始から一定期間経過後の昇温時の反応系内の圧力、および保持時の反応系内の圧力は0.2MPa以上であった。
[洗浄・乾燥処理]
得られた生成物溶液を10000rpm、5分の条件で遠心分離し、上澄み液を除去することで生成物を取り出した。この生成物をエタノールに添加してエタノール溶液を調製した後、エタノール溶液を10000rpm、5分の条件で遠心分離し、上澄み液を除去することで粒子の洗浄を行い、80℃で乾燥をして生成物を得た。
[評価]
得られた生成物について、株式会社RIGAKU製試料水平型多目的X線回折装置Ultima IVを用いて、電圧40kV、電流30mAの条件でXRD(X−ray diffraction)測定を行うことで同定を行い、FEI company製Tecnai Osirisを用いて、加速電圧200kVの条件でTEM(Transmission Electron Microscope)電子線回折を行うことで単結晶であることを確認した。
さらに、得られた生成物について、日本電子株式会社(JEOL Ltd.)製JSM−6500を用いて、加速電圧15kVの条件でSEM(Scanning Electron Microscope)観察を行うことで粒子の形状を確認するとともに個々の粒径の計測を行い、さらに計測結果より粒子の粒径D50およびD90を算出した。
ここで、TEM電子線回折では、電子線回折図形が、回折斑点(スポット)が規則正しく並ぶ状態であることから、得られた生成物の粒子が単結晶であることを確認した。
(実施例2)
ソルボサーマル合成処理Bにおいて、オートクレーブ容器による水熱合成処理を、75℃、168時間の条件で行った以外は実施例1と同様にしてNbゾルを調製し、生成物を得た。その後、実施例1と同様にして得られた粒子を評価した。
(実施例3)
ソルボサーマル合成処理Bにおいて、オートクレーブ容器による水熱合成処理を、95℃、24時間の条件で行った以外は実施例1と同様にしてNbゾルを調製し、生成物を得た。その後、実施例1と同様にして得られた粒子を評価した。
(実施例4)
ソルボサーマル合成処理Bにおいて、オートクレーブ容器による水熱合成処理を、95℃、168時間の条件で行った以外は実施例1と同様にしてNbゾルを調製し、生成物を得た。その後、実施例1と同様にして得られた粒子を評価した。
(比較例1)
Nb粉末:Nb元素換算で0.25mmol(キシダ化学株式会社製)、NaOH:5mmol、メタノール:30ml、エタノール:10mlをそれぞれ計量し、100mlのマイクロ波合成装置用容器に入れて溶液を調製した。ここで、Nb粉末は溶液中に沈殿しており、ゾルを形成しなかった。
この溶液を、マイクロ波合成装置(マイルストーンゼネラル株式会社製:StartSYNTH)を用いて、200rpmで攪拌しながら、出力800Wのマイクロ波照射環境下、200℃まで3分間で上昇(昇温速度66.7℃/分)後、200℃、60分保持の条件でソルボサーマル合成処理を行い、生成物含有液を調製した。
得られた生成物含有液について実施例1と同様にして生成物を取り出し、洗浄・乾燥を行い、実施例1と同様に評価した。
(比較例2)
Nb(CO):Nb元素換算で0.25mmol(和光純薬工業株式会社製)、NaOH:5mmol、メタノール:30ml、エタノール:10mlをそれぞれ計量し、100mlのマイクロ波合成装置用容器に入れて溶液を調製した。
この溶液を、マイクロ波合成装置(マイルストーンゼネラル株式会社製:StartSYNTH)を用いて、200rpmで攪拌しながら、出力800Wのマイクロ波照射環境下、200℃まで3分間で上昇(昇温速度66.7℃/分)後、200℃、60分保持の条件でソルボサーマル合成処理を行い、生成物含有液を調製した。
得られた生成物含有液について実施例1と同様にして生成物を取り出し、洗浄・乾燥を行い、実施例1と同様に評価した。
ここで、実施例3の生成物について、XRDの結果を図1に、SEM観察結果を図2にそれぞれ記載した。
図1の結果より、得られたピーク位置から生成物が結晶性のNaNbOであることを確認した。なお、図1のXRDスペクトル中、「反応前」とはソルボサーマル合成処理A前、「反応後」とは、ソルボサーマル合成処理A後を示す。
図2において、(a)は撮像したSEM写真を、(b)は1つの粒子について拡大したSEM写真である。これより、得られた粒子が立方体状であることが確認できる。
実施例1、2および4の生成物についても、平均粒径およびD90/D50は異なるものの、実施例3と類似の結果が確認された。
各実施例および各比較例におけるソルボサーマル合成処理Bの反応温度および反応時間の条件、ソルボサーマル合成処理AにおけるNb源、ならびに得られた粒子の特性をそれぞれ下記表1および下記表2にまとめる。下記表2において、平均粒径5nm以上100nm以下、D90/D50が1.01以上1.40以下の粒子を○と判定し、この平均粒径またはD90/D50の範囲を満たさない粒子を×と判定した。
以上の結果より、本発明に係る実施例1〜4の製造方法によって粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、直方体状(上記例では立方体状)の単結晶NaNbO粒子が製造されることが確認された。
これらの粒子は、その小さい平均粒径および狭い粒径分布から、直方体状の単結晶NaNbO粒子を含むナノキューブ同士を配列させた、3次元接合構造を有するナノキューブ集積体、特に図3に示すようなナノキューブ集積体への適用が期待される。
一方、本発明に係る製造方法とは異なり、Nb源としてNbゾルを用いない比較例1および比較例2の製造方法では、目的の粒子が形成されないことが確認された。
1 異種強誘電体ナノキューブ集積体、
2 チタン酸バリウムナノキューブ、
3 ニオブ酸ナトリウムナノキューブ、
4 界面。

Claims (11)

  1. Nbゾルと、ナトリウム含有化合物と、を含むNbゾル溶液を調製することと、
    前記Nbゾル溶液を用いてソルボサーマル合成処理を行うことと、
    を含む、直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法であって、
    前記直方体状の単結晶NaNbO粒子の粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ
    粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、
    直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  2. 前記Nbゾル溶液が、2種以上のアルコールをさらに含む、請求項1に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  3. 前記Nbゾル溶液が、界面活性剤を実質的に含有しない、請求項1または2に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  4. 前記Nbゾル溶液が、アルカリ性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  5. 前記Nbゾル溶液を用いるソルボサーマル合成処理は、前記Nbゾル溶液を40℃/分以上200℃/分以下の昇温速度で昇温することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  6. 前記ソルボサーマル合成処理は、マイクロ波照射下で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  7. 前記Nbゾル溶液の調製の前に、Nbの水和物または水酸化物を含む溶液を用いて、ソルボサーマル合成処理によって前記Nbゾルを合成することをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子の製造方法。
  8. 前記Nbゾルの合成において、前記Nbの水和物または水酸化物を含む溶液を用いるソルボサーマル合成処理は、60℃以上200℃以下で、1時間以上500時間以下保持することで行う、請求項7に記載の直方体状のNaNbO粒子の製造方法。
  9. 粒径分布において個数基準の積算分率における50%径である粒径D50が5nm以上100nm以下であり、かつ
    粒径分布において個数基準の積算分率における90%径である粒径D90の、前記粒径D50に対する比であるD90/D50が1.01以上1.4以下である、
    直方体状の単結晶NaNbO粒子。
  10. 請求項1〜8に記載の製造方法によって直方体状の単結晶NaNbO粒子を合成すること、および前記直方体状の単結晶NaNbO粒子を含む誘電体磁器組成物形成材料を成形すること、を含む、誘電体磁器組成物の製造方法。
  11. 請求項9に記載の直方体状の単結晶NaNbO粒子を含む、誘電体磁器組成物。
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