JP2018114718A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】問合せ処理における連続した入力に対してユーザにインクを注入したことを確実に確認させるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】コントローラは、インク室にインクを注入したか否かを問い合わせる問合せ画面を表示部に表示させ、且つ第１操作或いは第２操作を操作部を通じて受け付ける問合せ処理と、問合せ処理において受け付けた操作が第１操作のみか否かを判断する操作判断処理と、を実行する。コントローラは、操作判断処理において第１操作のみを受け付けたと判断したことに応じて、すべてのインク室にインクを注入したことを第３操作の入力によって確認する確認画面を表示部に表示させ、且つ第１操作或いは第３操作を操作部を通じて受け付ける確認処理を実行し、確認処理において第３操作を受け付けたことに応じて、各カウント値をすべて初期化する初期化処理を実行する。
【選択図】図７

Description

本発明は、シートに画像を記録するインクジェット記録装置に関する。

例えば特許文献１には、インクボトルに充填されたインクを、ユーザが注入口からインク室に注入するインクタンク方式のインクジェット記録装置が開示されている。また、と挙文献１には、インク室にインクが注入されたと推定した場合に注入の有無をユーザに問い合わせ、注入したことを示すユーザ操作がなされたことに応じて、インク残量を示すカウント値を初期化する構成が開示されている。

特開２０１６−１３２２２１号公報

しかし、インク室毎にインクの注入の有無を問い合わせる表示を出す場合に、ユーザが、インクの注入の有無の問合せを確認すること無く、例えば問合せに対して「yes」を示す入力を連続して行うおそれがある。インク室にインクが注入されていないにも拘わらず、連続した「yes」の入力に応じてカウント値が初期化されると、インク室のインクが無くなったとしても、カウント値が閾値に到達せずに、インク室のエンプティの判断がなされないおそれがある。その結果、インク室から記録ヘッドへ空気が流れ込み、記録ヘッドからインクが排出可能な状態に回復するための操作やインクが必要となる。

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インク室にインクを注入したか否かをユーザに問い合わせる問合せ処理において、連続した入力に対してユーザにインクを注入したことを確実に確認させるインクジェット記録装置を提供することにある。

(1) 本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを貯留するための複数のインク室、及び上記各インク室にインクをそれぞれ注入するための複数の注入口を有するタンクと、上記各インク室に貯留されたインクを排出して、シートに画像を記録する記録部と、画面を表示する表示部と、ユーザ操作を受け付ける操作部と、上記記録部から各インクが排出されたことに応じて各インク室毎の閾値に近づく向きに更新される各カウント値、及び上記操作部を通じて受け付けた操作を記憶するメモリと、上記記録部及び上記表示部の動作を制御するコントローラとを備える。上記コントローラは、いずれかの上記インク室にインクを注入したか否かを問い合わせる問合せ画面を上記表示部に表示させ、且つ第１操作或いは第２操作を上記操作部を通じて受け付ける処理を複数の上記インク室それぞれに対して繰り返し実行する問合せ処理と、上記問合せ処理において受け付けた操作が上記第１操作のみか否かを判断する操作判断処理と、を実行し、上記操作判断処理において上記第１操作のみを受け付けたと判断したことに応じて、すべての上記インク室にインクを注入したことを第３操作の入力によって確認する確認画面を上記表示部に表示させ、且つ上記第１操作或いは第３操作を上記操作部を通じて受け付ける確認処理を実行し、上記確認処理において上記第３操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する初期化処理を実行する。

上記構成によれば、問合せ処理において、ユーザが表示部の画面を確認することなく、操作部に第１操作を連続して入力しても、コントローラは、確認画面において第３操作の入力を受け付けなければ各カウント値を初期化しない。その結果、ユーザに確認画面の表示を確認させることができる。

(2) 好ましくは、上記コントローラは、上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記第１操作と異なる第４操作の入力を促す注意画面を上記表示部に表示させ、且つ第４操作を上記操作部を通じて受け付ける注意処理を実行し、上記注意処理において上記第４操作を受け付けたことに応じて、再度上記問合せ処理を実行する。

上記構成によれば、問合せ処理において、操作部が第１操作を連続して受け付け、さらに確認処理においても操作部が第１操作を受け付けると、表示部に注意画面が表示される。注意画面においては、第１操作と異なる第４操作が入力されなければ、問合せ処理に移行しないので、ユーザの連続した第１操作の入力に対して、注意画面を確実に表示させることができる。

(3) 好ましくは、上記インクジェット記録装置は、上記各注入口を覆って上記各インク室へのインクの注入を規制する被覆位置、及び上記各注入口を露出させて上記各インク室へのインクの注入を許容する露出位置の間を移動可能なカバーと、上記カバーの位置を検出するためのカバーセンサと、を更に具備しており、上記コントローラは、上記カバーが上記被覆位置に移動されたことを上記カバーセンサを通じて検出したことに応じて、上記問合せ処理を実行する。

ユーザがカバーを操作することによって、問合せ画面が表示される。

(4) 好ましくは、上記コントローラは、上記カバーが上記被覆位置に移動されたことを上記カバーセンサを通じて検出したことに応じて、上記カバーが上記露出位置に配置されていた露出時間が第１時間以上であるか否かを判断する開閉時間判断処理を実行し、上記開閉時間判断処理で上記第１時間以上であると判断し、且つ上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する処理を実行する。

カバーが開かれてから閉じられるまでの時間が第１時間以上であれば、ユーザがインク室へインクを補充した可能性が高い。その後、問合せ処理において、連続した第１操作が受け付けられたときは、コントローラがカウント値を初期化する。これにより、インク室の状態とカウント値とが整合し、また、ユーザビリティが高まる。

(5) 好ましくは、上記コントローラは、上記カバーが上記被覆位置に移動されたことを上記カバーセンサを通じて検出したことに応じて、上記カバーが上記露出位置に配置されていた露出時間が第２時間以下であるか否かを判断する開閉時間判断処理を実行し、上記開閉時間判断処理で上記第２時間以下であると判断し、且つ上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値を初期化せずに処理を終了する。

カバーが開かれてから閉じられるまでの時間が第２時間以下であれば、ユーザがインク室へインクを補充した可能性が低い。その後、問合せ処理において、連続した第１操作が受け付けられたときは、コントローラはカウント値を初期化せずに終了する。これにより、インク室にインクが補充されていないにも拘わらず、カウント値が初期化されることが抑制される。

(6) 好ましくは、上記コントローラは、上記問合せ処理において複数の上記第１操作を受け付けた時間間隔が第３時間以上であるか否かを判断する受付間隔判断処理を実行し、上記受付間隔判断処理で上記第３時間以上であると判断したことに応じて、上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する処理を実行する。

問合せ処理において、第１操作を受け付けた時間間隔が第３時間以上であれば、ユーザが、表示部の表示を確認した上で、第１操作を入力している可能性が高い。これにより、ユーザの入力に基づいてカウント値を初期化できるので、ユーザビリティが高まる。

(7) 好ましくは、上記メモリは、再問合せフラグを記憶しており、上記コントローラは、上記注意処理において上記第４操作を受け付けたことに応じて、上記再問合せフラグを第１値に設定する設定処理を実行し、上記操作判断処理において上記第１操作のみを受け付け、且つ上記再問合せフラグが上記第１値であることに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する処理を実行する。

再度の問合せ処理においては、ユーザが、表示部の表示を確認した上で、第１操作を入力している可能性が高い。したがって、再度の問合せ処理においては、ユーザの第１操作のみ入力に基づいてカウント値を初期化できるので、ユーザビリティが高まる。

(8) 好ましくは、上記メモリは、再問合せフラグを記憶しており、上記コントローラは、上記注意処理において上記第４操作を受け付けたことに応じて、上記再問合せフラグを第１値に設定する設定処理を実行し、上記操作判断処理において上記第１操作のみを受け付け、且つ上記再問合せフラグが上記第１値であることに応じて、上記各カウント値を初期化せずに終了する。

再度の問合せ処理において、ユーザが、再び表示部の表示を確認せずに、第１操作を連続して入力する可能性がある。このようなユーザに対して、再び問合せ処理しても表示部の表示が確認される可能性が低い。したがって、コントローラは、再度の問合せ処理において第１操作のみが入力されると、カウント値を初期化せずに処理を終了する。

(9) 好ましくは、上記コントローラは、上記問合せ処理において上記第２操作を受け付けたインク室の上記カウント値を初期化せず、上記第１操作を受け付けたインク室の上記カウント値を初期化する。

(10) 好ましくは、上記コントローラは、上記第３操作及び上記第４操作について上記操作部に同じキーを割り当てる。

(11) 好ましくは、上記コントローラは、シートに画像を記録する指示が入力されたことに応じて、上記インク室のインクの量が閾値残量未満か否かを判断するエンプティ判断処理と、上記エンプティ判断処理で上記インクの量が閾値残量以上だと判断したことに応じて、シートに対して上記記録部に画像を記録させる記録処理と、上記記録処理で上記記録部が排出したインク量に応じて、上記カウント値を更新する更新処理と、を実行し、上記エンプティ判断処理で上記インクの量が閾値残量未満だと判断したことに応じて、上記記録処理及び上記更新処理を実行せずに、インクを注入しないと上記記録処理を実行できないことを報知する報知画面を上記表示部に表示させる報知処理を実行する。

上記構成によれば、問合せ処理において、ユーザが表示部の画面を確認することなく、操作部に第１操作を連続して入力しても、コントローラは、各カウント値を初期化しないので、インク室にインクが補充されていないにも拘わらず、カウント値が初期化されることがない。その結果、コントローラがインク室のエンプティを判断する前にインク室のインクが無くなり、その状態で記録処理が実行されて、インク室から記録部に空気が流れることが抑制される。

(12) 好ましくは、複数のインク室に対応した上記第１操作は、上記操作部の同じ位置を押す動作である。

本発明によれば、インク室にインクを注入したか否かをユーザに問い合わせる問合せ処理における連続した入力に対して、ユーザにインクを注入したことを確実に確認させることができる。

図１は、複合機１０の外観斜視図であって、（Ａ）はカバー７０が閉じた状態、（Ｂ）はカバー７０が開いた状態を示す。 図２は、記録部２４及びインクタンク１００を示す平面図である。 図３は、タンク１００Ｂの前方斜視図である。 図４は、タンク１００Ｂの後方斜視図である。 図５は、複合機１０のブロック図である。 図６は、カバーＯＰＥＮ時の処理のフローチャートである。 図７は、問合せ処理のフローチャートである。 図８は、問合せ処理のフローチャートである。 図９は、画像記録処理のフローチャートである。

以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。本明細書では、使用可能に設置された複合機１０の姿勢（以下、「使用姿勢」と表記する。）を基準として上下方向７が定義され、複合機１０の開口１３が設けられている側を手前側（前面）として前後方向８が定義され、複合機１０を手前側（前面）から見て左右方向９が定義される。

［複合機１０の全体構成］
複合機１０は、図１、図２、及び図５に示されるように、給送トレイ２０と、排出トレイ２１と、搬送部２３と、記録部２４と、タンクの一例であるインクタンク１００とを主に備える。複合機１０の構成要素は、概ね直方体の筐体１４に収容されている。複合機１０は、インクジェット記録方式でシートに画像を記録するプリント機能を有している。また、複合機１０は、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等の各種の機能を有していてもよい。複合機１０は、インクジェット記録装置の一例である。

［給送トレイ２０、排出トレイ２１］
給送トレイ２０は、図１に示されるように、筐体１４の前面で且つ左右方向９の中央部に形成された開口１３を通じて前後方向８に挿抜される。給送トレイ２０は、積層された複数のシートを支持可能である。排出トレイ２１は、給送トレイ２０の上方に配置されており、給送トレイ２０と共に挿抜される。排出トレイ２１は、搬送部２３によって排出されたシートを支持する。

［搬送部２３、記録部２４］
搬送部２３は、給送トレイ２０に支持されたシートを、記録部２４に対面する位置を経由して排出トレイ２１まで延びる搬送経路に沿って搬送する。搬送部２３は、例えば、シートに当接して回転する複数のローラ等によって構成される。記録部２４は、インクタンク１００に貯留されたインクを排出することによって、搬送部２３によって搬送されたシートに画像を記録する。記録部２４は、例えば、シートの搬送向きと交差する主走査方向に移動するキャリッジと、当該キャリッジに搭載されてノズルからインクを排出する記録ヘッドとで構成される。

記録部２４には、図２に示されるように、インクチューブ３２と、フレキシブルフラットケーブル３３とが接続されている。インクチューブ３２は、インクタンク１００に貯留されたインクを記録部２４に供給する。より詳細には、各色（ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー）のインクが流通する４本のインクチューブ３２Ｂ、３２Ｍ、３２Ｃ、３２Ｙ（これらを総称して、「インクチューブ３２」と表記することがある。）がインクタンク１００から延出され、これらが束ねられた状態で記録部２４に接続されている。フレキシブルフラットケーブル３３は、コントローラ１３０（図５参照）から出力される制御信号を記録部２４に伝達する。

［インクタンク１００］
インクタンク１００は、図１に示されるように、筐体１４の右前部の内部空間に据え置かれている。換言すれば、インクタンク１００は、筐体１４から容易に取り外すことができないように、複合機１０に固定されている。なお、「容易に取り外すことができない」とは、例えば、一般のユーザが通常の使用状態において、複合機１０からインクタンク１００を簡単に取り外せないことを意味しており、複合機１０からインクタンク１００を取り外すことが不可能である必要はない。

インクタンク１００は、記録部２４に供給されるインクを貯留する。インクタンク１００は、図１（Ｂ）に示されるように、４つのタンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍを備える。各タンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍには、異なる色のインクが貯留される。具体的には、タンク１００Ｂにはブラックインクが貯留され、タンク１００Ｙにはイエローインクが貯留され、タンク１００Ｃにはシアンインクが貯留され、タンク１００Ｍにはマゼンタインクが貯留される。但し、タンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍの数、及び貯留されるインクの色は上記の例に限定されない。

４つのタンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍは、左右方向９に沿って一列に並んで配置されている。４つのタンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍの中で、タンク１００Ｂが最も右に配置され、タンク１００Ｍが最も左に配置されている。タンク１００Ｂは、他のタンク１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍより左右方向９の幅が大きい。また、タンク１００Ｂは、後述するインク室１１１Ｂの容積が他のタンク１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍより大きい。但し、タンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍの配置、サイズ、インク室１１１の容積の関係は、前述の例に限定されない。

タンク１００Ｂは、図３及び図４に示されるように、フレーム１４１と、２枚のフィルム１４２、１４３とを主に備える。フレーム１４１は、上下方向７及び前後方向８の寸法が左右方向９の寸法より長い扁平な略直方体である。フレーム１４１は、インク室１１１に貯留されたインクがタンク１００Ｂの外部から視認可能な程度の透光性を有する樹脂（例えば、ポリプロピレン）で形成される。フレーム１４１は、例えば、樹脂材料を射出成型することによって一体成型される。

フレーム１４１は、前壁１０１と、右壁１０２と、上壁１０３と、下壁１０４と、後壁１０５とを主に備える。一方、フレーム１４１の右側面の一部及び左側面は、開放されている。そして、フレーム１４１にフィルム１４２、１４３が溶着されることによって、フレーム１４１の右側面の一部及び左側面が封止される。前壁１０１、右壁１０２、上壁１０３、下壁１０４、後壁１０５、及びフィルム１４２、１４３で画定されるタンク１００Ｂの内部空間は、インクが貯留されるインク室１１１Ｂとなる。なお、インク室１１１Ｂは、フレーム１４１の外壁１０１〜１０５の内側に位置する不図示の内壁によって画定されてもよいし、不図示の隔壁によって複数の小領域に区画されてもよい。

前壁１０１は、立壁１０６と傾斜壁１０７とで構成されている。立壁１０６は、上下方向７及び左右方向９に拡がっている。傾斜壁１０７は、立壁１０６の上端及び上壁１０３の前端を連結する壁である。傾斜壁１０７は、上下方向７及び前後方向８に対して傾斜している。傾斜壁１０７には、インク室１１１Ｂにインクを注入するための注入口１１２Ｂが設けられている。注入口１１２Ｂは、傾斜壁１０７を厚み方向に貫通して、インク室１１１Ｂをタンク１００Ｂの外部に連通させる。

注入口１１２Ｂは、キャップ１１３Ｂによって閉塞される。図１（Ａ）に示されるように、傾斜壁１０７に取り付けられたキャップ１１３Ｂは、注入口１１２Ｂの周縁を画定する壁面に密着して、注入口１１２Ｂを閉塞させる。一方、図１（Ｂ）に示されるように、傾斜壁１０７から取り外されたキャップ１１３Ｂは、注入口１１２Ｂを開放する。キャップ１１３Ｂは、後述するカバー７０を露出位置に位置させた状態で、傾斜壁１０７に対して着脱される。また、キャップ１１３Ｂを注入口１１２Ｂから取り外すことによって、注入口１１２Ｂを通じてインク室１１１Ｂにインクが注入可能となる。

立壁１０６の外面には、図３及び図４に示されるように、左右方向９に延びる第１ライン１４６及び第２ライン１４７が設けられている。第１ライン１４６の上下方向７の位置は、複合機１０の使用姿勢において、予め設定された最大貯留量のインクがインク室１１１Ｂに貯留されたときの液面と概ね同じ高さである。最大貯留量とは、例えば、不図示のインクボトル１本に貯留されたインクの量に相当する。第２ライン１４７の位置は、複合機１０の使用姿勢において、第１ライン１４６より下方で、且つ後述する検出位置より上方である。

後壁１０５には、内部空間を有する筒形状のインク供給部１５１が設けられている。インク供給部１５１は、後壁１０５の外面から後方へ突出する。インク供給部１５１の先端は、開口されている。また、インク供給部１５１の内部空間は、後述するインク流路１５３を通じてインク室１１１Ｂに連通されている。そして、インクチューブ３２Ｂの先端がインク供給部１５１の外面を覆うように接続されることによって、インク室１１１Ｂに貯留されたインクがインク供給部１５１を通じて、インクチューブ３２Ｂへ供給される。

また、後壁１０５には、内部空間を有する箱型の被検出部１５２が設けられている。被検出部１５２は、後述する発光部７４から照射される光を透過する透過性を有する。被検出部１５２は、後壁１０５の外面から後方へ突出する。被検出部１５２の内部空間は、インク室１１１Ｂに連通されている。すなわち、インク室１１１Ｂ内のインクの液面が被検出部１５２の設置位置より高いとき、被検出部１５２の内部空間にはインクが存在する。一方、インク室１１１Ｂ内のインクの液面が被検出部１５２の設置位置より低いとき、被検出部１５２の内部空間にはインクが存在しない。

インク流路１５３は、インク室１１１Ｂに貯留されているインクを、インク供給部１５１に供給するための細長い通路である。インク流路１５３は、一端が下壁１０４の内面に接する位置においてインク室１１１Ｂに連通され、他端がインク供給部１５１の内部空間に連通されている。より詳細には、インク流路１５３は、インク室１１１Ｂとの連通位置から左方に延び、タンク１００Ｂの左端において上方に延び、インク供給部１５１と同じ高さから右方に延びてインク供給部１５１の内部空間に連通される。

さらに、タンク１００Ｂには、大気連通部１５５が設けられている。大気連通部１５５は、インク室１１１Ｂを大気に連通させる大気通路である。大気連通部１５５は、上下方向７において、注入口１１２Ｂより上方に設けられている。大気連通部１５５は、一端が切り欠き１５６を通じてインク室１１１Ｂに連通され、他端が上壁１０３を貫通する貫通孔１５７を通じてタンク１００Ｂの外部に連通される。大気連通部１５５の内部には、不図示のラビリンス通路或いは半透膜などが設けられていてもよい。

［残量センサ７３］
複合機１０は、図４及び図５に示されるように、発光部７４及び受光部７５を有する残量センサ７３を備える。発光部７４及び受光部７５は、被検出部１５２を挟んで左右方向９に対面して配置される。発光部７４は、被検出部１５２の壁を透過し且つブラックインクを透過しない光（例えば、可視光や赤外光）を、受光部７５へ向けて出力する。受光部７５は、発光部７４から出力され且つ被検出部１５２を透過した光を受光したか否かに応じた残量信号をコントローラ１３０に出力する。すなわち、残量センサ７３は、インク室１１１Ｂに貯留されたインク量に応じた残量信号をコントローラ１３０に出力する。

本実施形態に係る残量センサ７３は、被検出部１５２内の検出位置にインクが存在することに対応する第１残量信号、或いは被検出部１５２内の検出位置にインクが存在しないことに対応する第２残量信号を出力する。本実施形態において、第１残量信号の信号レベルは０Ｖであり、第２残量信号の信号レベルは３．３Ｖである。すなわち、「残量センサ７３が残量信号を出力する」とは、信号レベルが０Ｖであることをも含む。但し、信号レベルの組み合わせは前述の例に限定されない。後述するカバーセンサ７２の位置信号についても同様である。

検出位置は、被検出部１５２の内部空間において、発光部７４及び受光部７５と上下方向７の高さが同じ位置である。検出位置の上下方向７の位置は、複合機１０の使用姿勢において、第２ライン１４７より下方で、インク供給部１５１の内部空間より僅かに上方である。すなわち、インク室１１１Ｂ内のインクの液面が検出位置と一致する時、インク供給部１５１の内部空間は、インクで満たされている状態である。一方、インク室１１１Ｂ内のインクの液面が検出位置を下回ると、大気連通部１５５を通じてインク室１１１Ｂに進入した空気が、インク供給部１５１の内部空間に混入する可能性がある。検出位置とインク供給部１５１の内部空間との上下方向７の差は、例えば、１枚のシートに画像を記録するのに必要な想定インク量に基づいて、予め定められる。

そして、残量センサ７３から出力される残量信号は、インク室１１１Ｂ内のインクの液面が検出位置を下回ったタイミングで、第１残量信号から第２残量信号に切り替わる。以下、残量センサ７３から第２残量信号が出力されているときのインク室１１１Ｂの状態を、「ハードエンプティ」と表記する。すなわち、「ハードエンプティ」とは、例えば、インク供給部１５１の内部空間に空気が混入する直前の状態を指す。ハードエンプティは、インク室１１１Ｂに貯留されているインクの量が閾値残量未満であることの一例である。閾値残量は、例えば、インクの液面が検出位置のときにインク室１１１Ｂに貯留されているインクの量に相当する。

タンク１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍの基本的な構成は、タンク１００Ｂと同様であってもよい。但し、タンク１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍには、被検出部１５２が設けられていない。すなわち、コントローラ１３０は、インク室１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍに貯留されたインクの量を、残量センサ７３によって検出できない。以下、インク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍを総称して「インク室１１１」と表記することがあり、注入口１１２Ｂ、１１２Ｙ、１１２Ｃ、１１２Ｍを総称して「注入口１１２」と表記することがあり、キャップ１１３Ｂ、１１３Ｙ、１１３Ｃ、１１３Ｍを総称して「キャップ１１３」と表記することがある。

［カバー７０］
インクタンク１００の前面は、筐体１４の前面で且つ左右方向９の右端部に形成された開口２２を通じて、複合機１０の外部に露出されている。そして、複合機１０は、開口２２を覆う被覆位置（図１（Ａ）に示される位置）と、開口２２を露出させる露出位置（図１（Ｂ）に示される位置）との間を回動可能なカバー７０を有する。カバー７０は、上下方向７における筐体１４の下端近傍において、左右方向９に延びる回動軸線周りに回動可能に、筐体１４によって支持されている。

被覆位置は、カバー７０が全ての注入口１１２Ｂ、１１２Ｙ、１１２Ｃ、１１２Ｍを覆って、全てのインク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍへのインクの注入を規制する位置である。なお、被覆位置のカバー７０によって覆われるのは、注入口１１２全体であってもよいし、注入口１１２の一部であってもよい。露出位置は、全ての注入口１１２Ｂ、１１２Ｙ、１１２Ｃ、１１２Ｍを複合機１０の外部に露出させて、全てのインク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍへのインクの注入を許容する位置である。

ユーザによる一連のインク注入操作は、例えば以下の通りである。まず、ユーザは、被覆位置のカバー７０を露出位置に移動させ、注入しようとするインク色に対応する注入口１１２のキャップ１１３を取り外す。次に、ユーザは、開放された注入口１１２にインクボトルの先端を挿入し、当該インクボトル内の全てのインクをインク室１１１に注入する。次に、インクの注入を終えたユーザは、取り外していたキャップ１１３を注入口１１２に取り付け、カバー７０を被覆位置に移動させる。

また、カバー７０は、被覆位置においてインクタンク１００の前壁１０１に対面する透過窓７１を有している。これにより、ユーザは、カバー７０が被覆位置であるか露出位置であるかに拘わらず、前壁１０１を通じてインク室１１１内のインクの残量を視認することができる。但し、カバー７０は、透過窓７１を有していなくてもよい。この場合、インク室１１１内のインクの量を確認しようとするユーザは、カバー７０を露出位置に移動させる必要がある。

［カバーセンサ７２］
複合機１０は、図５に示されるように、カバーセンサ７２を有する。カバーセンサ７２は、例えば、カバー７０が接離するスイッチ等の機械式センサであってもよいし、カバー７０の位置によって光が遮断或いは透過される光学式センサであってもよい。カバーセンサ７２は、カバー７０の位置に応じた位置信号をコントローラ１３０に出力する。

カバーセンサ７２は、カバー７０が被覆位置に位置することに対応する第１位置信号、或いはカバー７０が被覆位置と異なる位置（例えば、露出位置）に位置することに対応する第２位置信号をコントローラ１３０に出力する。本実施形態において、第１位置信号の信号レベルは０Ｖであり、第２位置信号の信号レベルは３．３Ｖである。以下、カバーセンサ７２から出力される位置信号が、第１位置信号から第２位置信号に変化したことを「カバーＯＰＥＮ」と表記し、第２位置信号から第１位置信号に変化したことを「カバーＣＬＯＳＥ」と表記する。

［表示部１５］
複合機１０は、図１及び図５に示されるように、表示部１５を備える。表示部１５は、ユーザに報知すべき情報をメッセージとして表示する。表示部１５の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙの略）、有機ＥＬディスプレイ（Ｏｒｇａｎｉｃ Ｅｌｅｃｔｒｏ−Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ Ｄｉｓｐｌａｙの略）等を採用することができる。

本実施形態に係る表示部１５は、縦８ドット×横８０ドットの長方形である。すなわち、表示部１５は、縦８ドット×横５ドット（縦約８ｍｍ×横約５ｍｍ程度）の文字を最大１６個（スペースを含む）表示させることができる。また、１６文字を超える文字列を表示部１５に表示させようとする場合、当該文字列はスクロール表示される。さらに、複数行の文字列を表示部１５に表示させようとする場合、各行の文字列が順番に表示される。但し、表示部１５の画面サイズは、前述の例に限定されない。

［操作部１７］
複合機１０は、ユーザ操作を受け付ける操作部１７を備える。操作部１７は、複合機１０に対する指示の入力をユーザから受け付けるインタフェースである。本実施形態に係る操作部１７は、例えば、テンキー１７Ａ及びＯＫボタン１７Ｂ等の複数の押ボタンで構成されている。但し、操作部１７に設けられた押ボタンは前述の例に限定されず、“上”、“下”、“右”、“左”に対応する方向キー等であってもよい。また、操作部１７の具体的な構成は押ボタンに限定されず、表示部１５の表示画面に重畳されたタッチセンサであってもよい。

操作部１７は、押下された押ボタンに対応する操作信号をコントローラ１３０に出力する。本実施形態に係る操作部１７は、テンキー１７Ａに含まれる［１］ボタンが押下されたこと（第１操作）に対応する第１操作信号、テンキー１７Ａに含まれる［２］ボタンが押下されたこと（第２操作）に対応する第２操作信号、或いはＯＫボタン１７Ｂが押下されたこと（第３操作、第４操作）に対応する第３操作信号をコントローラ１３０に出力する。また、操作部１７は、他のボタンが押下されたことに応じて、当該ボタンに対応する操作信号をコントローラ１３０に出力する。

以下、操作部１７から第１操作信号が出力されたことを「［１］ボタンが押下された」と表記し、操作部１７から第２操作信号が出力されたことを「［２］ボタンが押下された」と表記し、操作部１７から第３操作信号が出力されたことを「ＯＫボタン１７Ｂが押下された」と表記する。但し、第１操作信号、第２操作信号、及び第３操作信号に対応するボタンは、前述の例に限定されない。なお、本実施形態では、第３操作及び第４操作は、いずれもＯＫボタン１７Ｂに割り当てられているので、第３操作と第４操作とは区別されないが、第４操作がＯＫボタン１７Ｂ以外に割り当てられてもよい。

［通信部２５］
複合機１０は、図５に示されるように、通信部２５を備える。通信部２５は、外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機１０は、通信部２５を通じて外部装置に各種データを送信し、通信部２５を通じて外部装置から各種データを受信する。また、通信部２５は、外部装置からＦＡＸデータを受信するＦＡＸ受信部として機能してもよい。

［コントローラ１３０］
コントローラ１３０は、図５に示されるように、ＣＰＵ１３１、ＲＯＭ１３２、ＲＡＭ１３３、ＥＥＰＲＯＭ１３４、及びＡＳＩＣ１３５を備えており、これらは内部バス１３７によって接続されている。ＲＯＭ１３２には、ＣＰＵ１３１が各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。ＲＡＭ１３３は、ＣＰＵ１３１が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。ＥＥＰＲＯＭ１３４には、プラグＯＦＦ状態でも保持すべき設定やフラグ等が格納される。ＲＯＭ１３２、ＲＡＭ１３３、ＥＥＰＲＯＭ１３４は、メモリの一例である。また、コントローラ１３０は、時刻情報を出力する内部時計（所謂、ハードウェアクロック）を備えている。

ＥＥＰＲＯＭ１３４は、インク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍそれぞれに対応付けて、カウント値を記憶している。本実施形態に係るカウント値は、後述するＳ３６で初期値（例えば、０）が設定され、後述するＳ４６で記録部２４から排出されたインクの量に応じてカウントアップされる。以下、インク室１１１Ｂに対応するカウント値を「カウント値Ｂ」と表記し、インク室１１１Ｙに対応するカウント値を「カウント値Ｙ」と表記し、インク室１１１Ｃに対応するカウント値を「カウント値Ｃ」と表記し、インク室１１１Ｍに対応するカウント値を「カウント値Ｍ」と表記する。

また、ＥＥＰＲＯＭ１３４は、インク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍそれぞれに対応付けて、第１閾値及び第２閾値を記憶している。第１閾値は、例えば、対応するインク室１１１に貯留可能な最大貯留量（例えば、１００）より僅かに小さい値（例えば、９５）に設定される。インク室１１１Ｂに対応する最大貯留量と第１閾値との差は、例えば、前述した閾値残量に相当する。第２閾値は、第１閾値よりカウント値の初期値に近い値（例えば、８５）に設定される。最大貯留量と第２閾値との差は、例えば、インクの液面が第２ライン１４７に一致する時に、インク室１１１に貯留されているインクの量に相当する。

以下、対応する第１閾値及びカウント値の差（第１閾値−カウント値）が０未満の時のインク室１１１の状態を「ソフトエンプティ」と表記し、対応する第２閾値及びカウント値の差（第２閾値−カウント値）の差が０未満の時のインク室１１１の状態を「インクロー」と表記する。すなわち、インクローは、ソフトエンプティより先に発生する。また、理想的或いは理論的には、ソフトエンプティのタイミングは、ハードエンプティのタイミングと一致する。第１閾値或いは第２閾値とカウント値との差は、対応するインク室１１１に貯留されているインク量の推定値として用いることができる。ソフトエンプティは、インク室１１１に貯留されているインクの量が閾値残量未満であることの一例である。

なお、カウント値、第１閾値、及び第２閾値の関係は、前述の例に限定されない。他の例として、カウント値は、Ｓ３６で初期値（例えば、１００）が設定され、Ｓ４６で記録部２４から排出されたインクの量に応じてカウントダウンされてもよい。そして、第１閾値（例えば、５）は、第２閾値（例えば、１５）より小さい値であってもよい。この場合のソフトエンプティは（カウント値−第１閾値）で判断され、インクローは（カウント値−第２閾値）で判断される。すなわち、カウント値は、Ｓ４６において、第１閾値に近づく向きに更新されればよい。また、第２閾値は、カウント値との差が第１閾値より先に０になる値であればよい。

また、ＥＥＰＲＯＭ１３４は、再問合せフラグ（Ｒフラグ）を記憶している。再問合せフラグは、ユーザに対して、インク室１１１にインクが注入されたか否かの問合せを行ったことを示す。再問合せフラグには、インク室１１１にインクが注入された否かの問合せを行ったことに対応する第１値“ＯＮ”、或いはインク室１１１にインクが注入された否かの問合せを行っていないことに対応する第２値“ＯＦＦ”が設定される。再問合せフラグの初期値は、第２値“ＯＦＦ”である。再問合せフラグは、ＲＡＭ１３３に記憶されてもよい。

また、ＥＥＰＲＯＭ１３４は、インク室１１１にインクが注入されたか否かの問合せに対してユーザが行った操作による操作信号を記憶している。この問合せは各インク色毎に行われるので、各インク色毎に、インク室１１１にインクが注入された否かの問合せに対して操作部１７に入力された操作信号を記憶する。この操作信号は、ＲＡＭ１３３に記憶されてもよい。

また、ＥＥＰＲＯＭ１３４は、Ｔ１フラグ及びＴ２フラグを記憶している。Ｔ１フラグは、カバー７０が開放されていた時間が、第１時間より長かったことを示す。Ｔ１フラグには、第１時間より長かったことに対応する第１値“ＯＮ”、或いは第１時間未満であったことに対応する第２値“ＯＦＦ”が設定される。Ｔ２フラグは、カバー７０が開放されていた時間が、第２時間より短かったことを示す。Ｔ２フラグには、第２時間より短かったことに対応する第１値“ＯＮ”、或いは第２時間より長かったことに対応する第２値“ＯＦＦ”が設定される。Ｔ１フラグ及びＴ２フラグの初期値は、いずれも第２値“ＯＦＦ”である。第１時間及び第２時間は、ＥＥＰＲＯＭ１３４が記憶している。Ｔ１フラグ及びＴ２フラグは、ＲＡＭ１３３に記憶されてもよい。

ＡＳＩＣ１３５には、搬送部２３、記録部２４、表示部１５、通信部２５、操作部１７、カバーセンサ７２、及び残量センサ７３が接続されている。コントローラ１３０は、搬送部２３にシートを搬送させ、記録部２４にインクを排出させ、表示部１５に画面を表示させ、通信部２５に外部装置と通信させる。また、コントローラ１３０は、操作部１７から操作信号を取得し、カバーセンサ７２から位置信号を取得し、残量センサ７３から残量信号を取得する。コントローラ１３０は、例えば、カバーセンサ７２から出力される位置信号、及び残量センサ７３から出力される残量信号を、所定の時間間隔（例えば、５０ｍｓｅｃ）毎に読み取る。

［複合機１０の動作］
図６〜図９を参照して、本実施形態に係る複合機１０の動作を説明する。図６〜図９に示される各処理は、コントローラ１３０のＣＰＵ１３１によって実行される。なお、以下の各処理は、ＲＯＭ１３２に記憶されているプログラムをＣＰＵ１３１が読み出して実行してもよいし、コントローラ１３０に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。

［カバーＯＰＥＮ時の処理］
まず、コントローラ１３０は、カバーセンサ７２を通じてカバーＯＰＥＮを検出したことに応じて、図６に示されるカバーＯＰＥＮ時の処理を実行する。カバーＯＰＥＮ時の処理は、例えば、複合機１０が待機状態（後述する画像記録処理が実行されていない状態）のときに、カバー７０が被覆位置から露出位置に移動されたことに応じて実行される。カバーＯＰＥＮ時の処理は、インク室１１１へのインクの注入をユーザに促し、且つインク室１１１にインクを注入したか否かをユーザに確認する処理である。

まず、コントローラ１３０は、注入報知画面を表示部１５に表示させる（Ｓ１１）。注入報知画面には、例えば、「ＲＥＦＩＬＬ ＩＮＫ［＊］」の文字列、及び「ＴＨＥＮ ＣＬＯＳＥ ＩＮＫ ＣＯＶＥＲ」の文字列が交互に表示される。［＊］は、インク色を表す文字（“Ｂｋ”、“Ｙ”、“Ｃ”、“Ｍ”）に置換される。コントローラ１３０は、例えば、インクローのインク室１１１に貯留されたインクの色を表す文字を、注入報知画面に含めればよい。コントローラ１３０は、カバーセンサ７２を通じてカバーＣＬＯＳＥを検出するまで（Ｓ１２：Ｎｏ）、注入報知画面を表示部１５に継続して表示させる。また、コントローラ１３０は、カバーＯＰＥＮを検出した時刻を示す第１時刻情報を内部時計から取得して、ＲＡＭ１３３に記憶させる。

注入報知画面を見たユーザは、注入口１１２からキャップ１１３を取り外して、インク室１１１にインクを注入することができる。そして、インクを注入したユーザは、注入口１１２をキャップ１１３で閉塞し、カバー７０を被覆位置に移動させることができる。ここで、ユーザは、注入報知画面で報知されたインク色のインクのみを注入するかもしれないし、全ての色のインクを注入するかもしれないし、どの色のインクも注入しないかもしれない。しかしながら、コントローラ１３０は、どのインク色のインクが注入されたかを検出することができない。

そして、コントローラ１３０は、カバーセンサ７２を通じてカバーＣＬＯＳＥを検出したことに応じて（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、露出時間Ｔを算出する（Ｓ１３）。露出時間Ｔは、カバー７０が露出位置に配置されていた時間である。換言すれば、露出時間Ｔは、カバーセンサ７２から第２位置信号が継続して出力されていた時間である。コントローラ１３０は、例えば、カバーＣＬＯＳＥを検出した時刻を示す第２時刻情報を内部時計から取得する。そして、コントローラ１３０は、第２時刻情報で示される時刻と、第１時刻情報で示される時刻との差を、露出時間Ｔとして算出する。

次に、コントローラ１３０は、インク室１１１がエンプティか否かを判断する（Ｓ１４）。より詳細には、コントローラ１３０は、３つのインク室１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍのうちの少なくとも１つがソフトエンプティ、或いはインク室１１１Ｂがハードエンプティか（Ｓ１４：Ｙｅｓ）、全てのインク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍがエンプティでないか（Ｓ１４：Ｎｏ）を判断する。

次に、コントローラ１３０は、全てのインク室１１１Ｂ、１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍがエンプティでないと判断したことに応じて（Ｓ１４：Ｎｏ）、Ｓ１３で算出した露出時間Ｔが第１時間（Ｔ１）以上か否かを判断する（Ｓ１５）。Ｓ１５の処理は、開閉時間判断処理の一例である。第１時間は、例えば、一般的なユーザがインク室１１１にインクを注入するのに必要と考えられる予め定められた時間である。そして、コントローラ１３０は、露出時間Ｔが第１時間以上だと判断したことに応じて（Ｓ１５：Ｙｅｓ）、Ｔ１フラグをＯＮにする（Ｓ１６）。

コントローラ１３０は、Ｔ１フラグをＯＮにした後（Ｓ１６）、或いは、露出時間Ｔが第１時間未満だと判断したことに応じて（Ｓ１５：Ｎｏ）、Ｓ１３で算出した露出時間Ｔが第２時間（Ｔ２）以下か否かを判断する（Ｓ１７）。Ｓ１７の処理は、開閉時間判断処理の一例である。第２時間は、例えば、一般的なユーザがインク室１１１にインクを注入することが不可能と考えられる予め定められた時間である。一般的に、第２時間は、第１時間より短い（Ｔ１＞Ｔ２）。そして、コントローラ１３０は、露出時間Ｔが第２時間以下だと判断したことに応じて（Ｓ１７：Ｙｅｓ）、Ｔ２フラグをＯＮにする（Ｓ１８）。

コントローラ１３０は、Ｔ２フラグをＯＮにした後（Ｓ１８）、或いは、露出時間Ｔが第２時間より長いと判断したことに応じて（Ｓ１７：Ｎｏ）、後述する問合せ処理を実行する（Ｓ１９）。また、コントローラ１３０は、少なくとも一つのインク室１１１がエンプティだと判断したことに応じて（Ｓ１４：Ｙｅｓ）、後述する問合せ処理を実行する（Ｓ１９）。問合せ処理は、インク室１１１にインクを注入したか否かをユーザに問合せ、ユーザからの回答に応じてカウント値を初期化する処理である。図７を参照して、問合せ処理の詳細を説明する。

［問合せ処理］
まず、コントローラ１３０は、事前問合せ画面を表示部１５に表示する（Ｓ２１）。事前問合せ画面は、インク室１１１の少なくとも１つにインクを注入したか否かを問い合わせる画面である。事前問合せ画面には、例えば、「ＤＩＤ ＹＯＵ ＲＥＦＩＬＬ？」の文字列、及び「１．ＹＥＳ ， ２．ＮＯ」の文字列が交互に表示される。そして、コントローラ１３０は、第１操作或いは第２操作を操作部１７を通じて受け付けるまで（Ｓ２２）、事前問合せ画面を表示部１５に継続して表示させる。

第１操作は、インク室１１１の少なくとも１つにインクを注入したことに対応するユーザ操作であって、例えば［１］ボタンの押下に対応する。第２操作は、インク室１１１にインクを注入していないことに対応するユーザ操作であって、例えば［２］ボタンの押下に対応する。Ｓ３１、Ｓ３２の処理は、事前問合せ処理の一例である。

次に、コントローラ１３０は、事前問合せ画面の表示中に［１］ボタンが押下されたことに応じて（Ｓ２２：ＹＥＳ）、各インク室１１１毎を対象とする問合せ画面を表示部１５に表示する（Ｓ２３）。問合せ画面は、各インク室１１１毎に最大貯留量までインクを注入したか否かを問い合わせる画面である。問合せ画面には、例えば、「［＊］ ＩＮＫ ＦＵＬＬ？」の文字列、及び「１．ＹＥＳ ， ２．ＮＯ」の文字列が交互に表示される。［＊］は、インク色を表す文字（“Ｂｋ”、“Ｙ”、“Ｃ”、“Ｍ”）に置換される。そして、コントローラ１３０は、第１操作或いは第２操作を操作部１７を通じて受け付けるまで、問合せ画面を表示部１５に継続して表示させる。

第１操作は、インク室１１１Ｍに最大貯留量までインクを注入したことに対応するユーザ操作であって、例えば［１］ボタンの押下に対応する。第２操作は、インク室１１１Ｍにインクを注入していないことに対応するユーザ操作であって、例えば［２］ボタンの押下に対応する。

コントローラ１３０は、各問合せ処理において操作部１７を通じて受け付けた操作信号をＲＡＭ１３３に記憶する（Ｓ２４）。また、各問合せ処理において操作部１７を通じて受け付けた操作の時間間隔（インターバルＩ）をＲＡＭ１３３に記憶する（Ｓ２４）。インターバルＩは、複数の操作の間の時間間隔の平均値であってもよいし、最大値又は最小値であってもよい。

コントローラ１３０は、全てのインク室１１１を対象とするＳ２３の処理を実行していなければ（Ｓ２５：Ｎｏ）、例えば、Ｍ、Ｃ、Ｙ、Ｂｋの順序で［＊］の表示を変更して、各インク室１１１毎を対象とする問合せ画面を表示部１５に表示させる（Ｓ２３）。

そして、コントローラ１３０は、全てのインク室１１１を対象とするＳ２３の処理を実行したことに応じて（Ｓ２５：Ｙｅｓ）、ＲＡＭ１３３に記憶した操作信号が、全て第１操作を示すものであるか否かを判定する（Ｓ２７）。Ｓ２７の処理は、操作判断処理の一例である。

例えば、問合せ処理を早く終了することのみを目的とするユーザは、表示部１５の表示を十分に確認せずに、［１］ボタンの押下を連続して行うことがある。コントローラ１３０は、どのインク色のインクが注入されたかを検出することができないので、問合せ処理におけるユーザの入力に基づいて、各インク室１１１にインクが注入されたかを判定するが、このようなユーザの入力に基づいてカウント値を初期値にすると、インク室１１１にインクが注入されず、インク室１１１のインク残量が少ないにも拘わらず、カウント値は初期値となり、「ソフトエンプティ」が正確に報知されない。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶した操作信号が、全て第１操作でないと判定したことに応じて（Ｓ２７：Ｎｏ）、ＲＡＭ１３３に記憶した操作信号に基づいて、［２］ボタンの押下を受け付けたインク室１１１のカウント値を初期化せず、［１］ボタンの押下を受け付けたインク室１１１のカウント値を初期化して（Ｓ２８）、問合せ処理を終了する。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶した操作信号が、全て第１操作であると判定し（Ｓ２７：Ｙｅｓ）、且つ再問合せフラグがＯＮであることに応じて（Ｓ２９：Ｙｅｓ）、再問合せフラグをＯＦＦにした後（Ｓ３０）、全てのインク室１１１の各カウント値をすべて初期化して（Ｓ２８）、問合せ処理を終了する。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶した操作信号が、全て第１操作であると判定し（Ｓ２７：Ｙｅｓ）、且つ再問合せフラグがＯＦＦであることに応じて（Ｓ２９：Ｎｏ）、図８に示されるように、すべてのインク室１１１にインクを注入したことを［ＯＫ］ボタンの押下によって確認する確認画面を表示部１５に表示する（Ｓ３１）。確認画面は、すべてのインク室１１１にインクを注入したことを再度問い合わせる画面である。確認画面には、例えば、「ＲＥＦＩＬ ＣＯＭＰＬＥＴＥ Ｐｒｅｓｓ ＯＫ」の文字列が表示される。つまり、第１操作とは異なる第３操作を行うようにユーザに報知する。そして、コントローラ１３０は、第１操作或いは第３操作を操作部１７を通じて受け付けるまで（Ｓ３２：ＯＫ、Ｙｅｓ）、確認画面を表示部１５に継続して表示させる。Ｓ３２の処理が確認処理の一例である。

コントローラ１３０は、第３操作である［ＯＫ］ボタンの押下を受け付けたことに応じて（Ｓ３２：ＯＫ）、全てのインク室１１１の各カウント値をすべて初期化して（Ｓ３３）、問合せ処理を終了する。

コントローラ１３０は、第１操作である［１］ボタンの押下を受け付けたことに応じて（Ｓ３２：ＹＥＳ）、ＲＡＭ１３３に記憶した時間間隔（インターバルＩ）が第３時間（Ｔ３）以上であるか否かを判断する（Ｓ３４）。Ｓ３４の処理が、受付間隔判断処理の一例である。第３時間は、例えば、一般的なユーザが表示部１５の表示を確認して第１操作などを入力するのに必要と考えられる予め定められた時間である。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶したインターバルＩが第３時間（Ｔ３）以上であると判定したことに応じて（Ｓ３４：Ｙｅｓ）、全てのインク室１１１の各カウント値をすべて初期化して（Ｓ３３）、問合せ処理を終了する。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶した時間間隔（インターバルＩ）が第３時間（Ｔ３）未満であると判定したことに応じて（Ｓ３４：Ｎｏ）、ＲＡＭ１３３に記憶したＴ１フラグを確認する（Ｓ３５）。コントローラ１３０は、Ｔ１フラグがＯＮであることに応じて（Ｓ３５：Ｙｅｓ）、全てのインク室１１１の各カウント値をすべて初期化して（Ｓ３３）、問合せ処理を終了する。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶したＴ１フラグがオフであることに応じて（Ｓ３５：Ｎｏ）、ＲＡＭ１３３に記憶したＴ２フラグを確認する（Ｓ３６）。コントローラ１３０は、Ｔ２フラグがＯＮであることに応じて（Ｓ３６：Ｙｅｓ）、問合せ処理を終了する。

コントローラ１３０は、ＲＡＭ１３３に記憶したＴ２フラグがオフであることに応じて（Ｓ３６：Ｎｏ）、再入力を促して［ＯＫ］ボタンの押下を受け付ける注意画面を表示部１５に表示する（Ｓ３７）。注意画面は、ユーザに、問合せ処理の再入力を求める画面である。注意画面には、例えば、「ＯＫボタンを再入力してください」の文字列が表示される。そして、コントローラ１３０は、第４操作を操作部１７を通じて受け付けるまで（Ｓ３８：ＯＫ）、注意画面を表示部１５に継続して表示させる。すなわち、このステップにおいて、ユーザが例えば第１操作である［１］ボタンの押下を行った場合には、注意画面を表示部１５に継続して表示させる。Ｓ３８の処理が注意処理の一例である。

コントローラ１３０は、［ＯＫ］ボタンの押下を受け付けたことに応じて（Ｓ３８：ＯＫ）、再問合せフラグＯＮにし（Ｓ３９）、［＊］に置換されるインク色を表す文字（“Ｂｋ”、“Ｙ”、“Ｃ”、“Ｍ”）を初期値にして（Ｓ４０）、再度、前述した問合せ処理を実行する（Ｓ２１）。

［画像記録処理］
次に、コントローラ１３０は、複合機１０に記録指示が入力されたことに応じて、図９に示される画像記録処理を実行する。記録指示は、画像データで示される画像をシートに記録する記録処理を複合機１０に実行させるための指示である。記録指示の取得先は特に限定されないが、例えば、操作部１７を通じてユーザから取得してもよいし、通信部２５を通じて外部装置から取得してもよい。また、記録指示は、ＦＡＸデータで示される画像をシートに記録することを指示するものであってもよい。

まず、コントローラ１３０は、インク室１１１がエンプティか否かを判断する（Ｓ４１）。Ｓ４１の処理は、エンプティ判断処理の一例である。そして、コントローラ１３０は、３つのインク室１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍのうちの少なくとも１つがソフトエンプティ、或いはインク室１１１Ｂがハードエンプティだと判断したことに応じて（Ｓ４１：Ｙｅｓ）、エンプティ報知画面を表示部１５に表示させる（Ｓ４２）。エンプティ報知画面は、インクを注入しないと記録処理を実行できないことを報知する報知画面の一例である。Ｓ４２の処理は、報知処理の一例である。

より詳細には、エンプティ報知画面には、「ＣＡＮＮＯＴ ＰＲＩＮＴ」の文字列、及び「ＲＥＦＩＬＬ ＩＮＫ ［＊］」の文字列が交互に表示される。［＊］は、ソフトエンプティのインク室１１１に貯留されたインク色を表す文字に置換される。コントローラ１３０は、カバーセンサ７２を通じてカバーＯＰＥＮを検出するまで（Ｓ４３：Ｎｏ）、エンプティ報知画面を表示部１５に継続して表示させる。次に、コントローラ１３０は、カバーセンサ７２を通じてカバーＯＰＥＮを検出したことに応じて（Ｓ４３：Ｙｅｓ）、カバーＯＰＥＮ時の処理を実行する（Ｓ４４）。そして、コントローラ１３０は、カバーＯＰＥＮ時の処理が終了したことに応じて、Ｓ４１以降の処理を再び実行する。

次に、コントローラ１３０は、カバーＯＰＥＮ時の処理を実行しても４つのインク室１１１のうちの少なくとも１つがエンプティであることに応じて（Ｓ４１：Ｙｅｓ）、Ｓ４２以降の処理を再び実行する。一方、コントローラ１３０は、全てのインク室１１１がエンプティでないと判断したことに応じて（Ｓ４１：Ｎｏ）、記録指示に含まれる画像データで示される画像をシートに記録する（Ｓ４５）。Ｓ４５の処理は、記録処理の一例である。すなわち、記録部２４は、全てのインク室１１１がエンプティでないときにインクを排出可能であり、少なくとも１つのインク室１１１がエンプティのときにインクを排出できない。

より詳細には、コントローラ１３０は、Ｓ４５において、給送トレイ２０に指示されたシートを、記録部２４に対面する位置まで搬送部２３に搬送させる。次に、コントローラ１３０は、記録部２４に対面されたシートに向けて、記録部２４にインクを排出させることによって、当該シートに画像を記録する。さらに、コントローラ１３０は、記録部２４によって画像が記録されたシートを、搬送部２３に排出トレイ２１へ排出させる。

また、コントローラ１３０は、Ｓ４５で記録部２４から排出されるインク量をインク色毎にカウントして、対応するカウント値をカウントアップする（Ｓ４６）。Ｓ４６の処理は、更新処理の一例である。なお、カウント値のカウントアップは、ステップＳ４６のタイミングに限定されない。例えば、記録部２４のメンテナンスのために、不図示のインク受け部へ向けて記録部２４にインクを排出させる所謂フラッシング処理、或いは記録部２４内のインクを不図示のポンプ等によって強制的に排出させる所謂パージ処理において、記録部２４から排出されたインク量で対応するカウント値がカウントアップされる。

次に、コントローラ１３０は、記録指示で示された全ての画像をシートに記録するまで（Ｓ４７：Ｙｅｓ）、ステップＳ４１〜Ｓ４６の処理を繰り返し実行する。そして、コントローラ１３０は、記録指示で示される全ての画像をシートに記録したことに応じて（Ｓ４７：Ｎｏ）、３つのインク室１１１Ｙ，１１Ｃ，１１Ｍそれぞれのカウント値を、対応する第１閾値及び第２閾値と比較し、インク室１１１Ｂのカウント値を第２閾値と比較する（Ｓ４８）。

そして、コントローラ１３０は、３つのインク室１１１Ｙ，１１Ｃ，１１Ｍのうちの少なくとも１つがソフトエンプティ、或いはインク室１１１Ｂがハードエンプティであることに応じて（Ｓ４８：エンプティ）、エンプティ報知画面を表示部１５に表示させる（Ｓ４９）。また、コントローラ１３０は、全てのインク室１１１がエンプティでなく、且つ４つのインク室１１１のうちの少なくとも１つがインクローであることに応じて（Ｓ４８：インクロー）、インクロー報知画面を表示部１５に表示させる（Ｓ５０）。また、４つのインク室１１１がインクロー及びエンプティでなければ、画像記録処理を終了する。

Ｓ４９で表示されるエンプティ報知画面は、Ｓ４２と同様であってもよい。また、インクロー報知画面は、インク室１１１がまもなくエンプティになることを報知する画面である。より詳細には、インクロー報知画面には、「ＩＮＫ ＬＯＷ」の文字列、及び「ＲＥＦＩＬＬ ＩＮＫ ［＊］」の文字列が交互に表示される。［＊］は、インクローのインク室１１１に貯留されたインク色を表す文字に置換される。

そして、コントローラ１３０は、カバーセンサ７２を通じてカバーＯＰＥＮを検出するまで、記録指示が入力されるまで、操作部１７が操作されるまで、エンプティ報知画面或いはインクロー報知画面を表示部１５に継続して表示させる。

［本実施形態の作用効果］
上記実施形態によれば、問合せ処理において、ユーザが表示部１５の画面を確認することなく、操作部１７に第１操作（［１］ボタンの押下）を連続して入力しても、コントローラ１３０は、確認画面において第３操作（［ＯＫ］ボタンの押下）の入力を受け付けなければ各カウント値を初期化しない。その結果、ユーザに確認画面の表示を確認させることができる。

また、問合せ処理において、操作部１７が第１操作（［１］ボタンの押下）を連続して受け付け、さらに確認処理（Ｓ３１）においても操作部１７が第１操作を受け付けると（Ｓ３２：Ｙｅｓ）、表示部１５に注意画面が表示される（Ｓ３７）。注意画面においては、第１操作と異なる第４操作（［ＯＫ］ボタンの押下）が入力されなければ、問合せ処理に移行しないので、ユーザの連続した第１操作の入力に対して、注意画面を確実に表示させることができる。

また、本実施形態では、ユーザがカバー７０を操作することによって、問合せ画面が表示される。

また、カバー７０が開かれてから閉じられるまでの露出時間が第１時間（Ｔ１）以上であれば、ユーザがインク室１１１へインクを補充した可能性が高い。その後、問合せ処理において、連続した第１操作（［１］ボタンの押下）が受け付けられたときは、コントローラ１３０がカウント値を初期化する。これにより、インク室１１１の状態とカウント値とが整合し、また、ユーザビリティが高まる。

また、カバー７０が開かれてから閉じられるまでの露出時間が第２時間（Ｔ２）以下であれば、ユーザがインク室１１１へインクを補充した可能性が低い。その後、問合せ処理において、連続した第１操作（［１］ボタンの押下）が受け付けられたときは、コントローラ１３０はカウント値を初期化せずに終了する。これにより、インク室１１１にインクが補充されていないにも拘わらず、カウント値が初期化されることが抑制される。

また、問合せ処理において操作を受け付けた時間間隔（インターバルＩ）が第３時間（Ｔ３）以上であれば、ユーザが、表示部１５の表示を確認した上で、第１操作を入力している可能性が高い。これにより、ユーザの入力に基づいてカウント値を初期化できるので、ユーザビリティが高まる。

また、再度の問合せ処理においては、ユーザが、表示部１５の表示を確認した上で、第１操作を入力している可能性が高い。したがって、再度の問合せ処理においては、ユーザの第１操作のみ入力に基づいてカウント値を初期化できるので、ユーザビリティが高まる。

また、問合せ処理において、ユーザが表示部１５の画面を確認することなく、操作部１７に第１操作を連続して入力しても、コントローラ１３０は、各カウント値を初期化しないので、インク室１１１にインクが補充されていないにも拘わらず、カウント値が初期化されることがない。その結果、コントローラ１３０がインク室１１１のエンプティを判断する前にインク室１１１のインクが無くなり、その状態で記録処理が実行されて、インク室１１１から記録部２４に空気が流れることが抑制される。

［変形例］
前述された実施形態では、再度の問合せ処理において、ユーザが第１操作のみを入力すると、コントローラ１３０は、全てのカウント値を初期化したが、再度の問合せ処理において、ユーザが第１操作のみを入力すると、コントローラ１３０は、全てのカウント値を初期化せずに、問合せ処理を終了してもよい。

再度の問合せ処理において、ユーザが、再び表示部１５の表示を確認せずに、第１操作を連続して入力する可能性がある。このようなユーザに対して、再び問合せ処理しても表示部１５の表示が確認される可能性が低い。したがって、コントローラ１３０は、再度の問合せ処理において第１操作のみが入力されると、カウント値を初期化せずに処理を終了する。

また、前述された実施形態は、第３操作及び第４操作として同じ［ＯＫ］ボタンが割り当てられているが、第３操作及び第４操作は、別のボタンが割り当てられてもよい。

また、Ｓ１５における第１時間は、インク室１１１がインクローか否かに応じて、増減されてもよい。例えば、第１時間は、インク室１１１がインクローである場合に、インク室１１１がインクローでない場合より長くてもよい。より詳細には、第１時間は、インローのインク室１１１が多いほど長くてもよい。

このように、第２閾値及びカウント値の差に応じて第１時間を増減させることによって、さらに適切なタイミングで問合せ処理を実行させることができる。例えば、ユーザがインク室１１１にインクを注入する可能性は、第２閾値及びカウント値の差が小さいほど高く、第２閾値及びカウント値の差が大きいほど低いと考えられる。そこで、第２閾値及びカウント値の差が大きいほど第１時間を長くすることによって、不要な問合せ処理を抑制することができる。

また、ユーザは、カバー７０を露出位置に移動させた際に、複数のインク室１１１にインクを注入する可能性がある。この場合において、インクを注入するのに要する時間は、インクローのインク室１１１の数が多いほど、長くなると考えられる。そこで、インクローのインク室１１１の数に応じて第１時間を増減させることによって、インクを注入したか否かの推定精度が向上する。

また、Ｓ１８における第２時間は、エンプティのインク室１１１の数が多いほど長くてもよい。ユーザは、カバー７０を露出位置に移動させた際に、複数のインク室１１１にインクを注入する可能性がある。この場合において、インクを注入するのに要する時間は、エンプティのインク室１１１の数が多いほど、長くなると考えられる。そこで、エンプティのインク室１１１の数に応じて第２時間を増減させることによって、インクを注入したか否かの推定精度が向上する。

また、上記の実施形態では、Ｓ１５、Ｓ１７の両方を実行する例を説明したが、Ｓ１５、Ｓ１７の一方は省略されてもよい。また、上記の実施形態では、インク室１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍがソフトエンプティの時にＳ１５〜Ｓ１８の処理をスキップする例を説明したが、インク室１１１Ｙ、１１１Ｃ、１１１Ｍの１つがソフトエンプティで、且つインク室１１１Ｂがハードエンプティである場合に、Ｓ１５〜Ｓ１８の処理がスキップされてもよい。

また、上記の実施形態では、タンク１００Ｂのみに被検出部１５２及び残量センサ７３を設けた例を説明したが、被検出部１５２及び残量センサ７３は、全てのタンク１００Ｂ、１００Ｙ、１００Ｃ、１００Ｍに設けられていてもよいし、全く設けられていなくてもよい。すべてのタンク１００Ｂ，１００Ｙ，１００Ｃ，１００Ｍに被検出部１５２及び残量センサ７３が設けられた場合、Ｓ１４，Ｓ４１，Ｓ４８において、すべてのタンク１００Ｂ，１００Ｙ，１００Ｃ，１００Ｍに対してハードエンプティか否かが判断されればよい。また、いずれのタンク１００Ｂ，１００Ｙ，１００Ｃ，１００Ｍにも被検出部１５２及び残量センサ７３が設けられない場合、Ｓ１４，Ｓ４１，Ｓ４８において、すべてのタンク１００Ｂ，１００Ｙ，１００Ｃ，１００Ｍに対してソフトエンプティか否かが判断されればよい。

１０・・・複合機
１５・・・表示部
１７・・・操作部
２４・・・記録部
２５・・・通信部
７０・・・カバー
７２・・・カバーセンサ
７３・・・残量センサ
１００・・・インクタンク
１１１・・・インク室
１１２・・・注入口
１３０・・・コントローラ
１３４・・・ＥＥＰＲＯＭ

Claims (12)

1. インクを貯留するための複数のインク室、及び上記各インク室にインクをそれぞれ注入するための複数の注入口を有するタンクと、
   上記各インク室に貯留されたインクを排出して、シートに画像を記録する記録部と、
   画面を表示する表示部と、
   ユーザ操作を受け付ける操作部と、
   上記記録部から各インクが排出されたことに応じて各インク室毎の閾値に近づく向きに更新される各カウント値、及び上記操作部を通じて受け付けた操作を記憶するメモリと、
   上記記録部及び上記表示部の動作を制御するコントローラとを備えており、
   上記コントローラは、
   いずれかの上記インク室にインクを注入したか否かを問い合わせる問合せ画面を上記表示部に表示させ、且つ第１操作或いは第２操作を上記操作部を通じて受け付ける処理を複数の上記インク室それぞれに対して繰り返し実行する問合せ処理と、
   上記問合せ処理において受け付けた操作が上記第１操作のみか否かを判断する操作判断処理と、を実行し、
   上記操作判断処理において上記第１操作のみを受け付けたと判断したことに応じて、すべての上記インク室にインクを注入したことを第３操作の入力によって確認する確認画面を上記表示部に表示させ、且つ上記第１操作或いは第３操作を上記操作部を通じて受け付ける確認処理を実行し、
   上記確認処理において上記第３操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する初期化処理を実行するインクジェット記録装置。
2. 上記コントローラは、
   上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記第１操作と異なる第４操作の入力を促す注意画面を上記表示部に表示させ、且つ第４操作を上記操作部を通じて受け付ける注意処理を実行し、
   上記注意処理において上記第４操作を受け付けたことに応じて、再度上記問合せ処理を実行する請求項１に記載のインクジェット記録装置。
3. 上記各注入口を覆って上記各インク室へのインクの注入を規制する被覆位置、及び上記各注入口を露出させて上記各インク室へのインクの注入を許容する露出位置の間を移動可能なカバーと、
   上記カバーの位置を検出するためのカバーセンサと、を更に具備しており、
   上記コントローラは、上記カバーが上記被覆位置に移動されたことを上記カバーセンサを通じて検出したことに応じて、上記問合せ処理を実行する請求項１又は２に記載のインクジェット記録装置。
4. 上記コントローラは、
   上記カバーが上記被覆位置に移動されたことを上記カバーセンサを通じて検出したことに応じて、上記カバーが上記露出位置に配置されていた露出時間が第１時間以上であるか否かを判断する開閉時間判断処理を実行し、
   上記開閉時間判断処理で上記第１時間以上であると判断し、且つ上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する処理を実行する請求項３に記載のインクジェット記録装置。
5. 上記コントローラは、
   上記カバーが上記被覆位置に移動されたことを上記カバーセンサを通じて検出したことに応じて、上記カバーが上記露出位置に配置されていた露出時間が第２時間以下であるか否かを判断する開閉時間判断処理を実行し、
   上記開閉時間判断処理で上記第２時間以下であると判断し、且つ上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値を初期化せずに処理を終了する請求項３又は４に記載のインクジェット記録装置。
6. 上記コントローラは、
   上記問合せ処理において複数の上記第１操作を受け付けた時間間隔が第３時間以上であるか否かを判断する受付間隔判断処理を実行し、
   上記受付間隔判断処理で上記第３時間以上であると判断したことに応じて、上記確認処理において上記第１操作を受け付けたことに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する処理を実行する請求項１から５のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
7. 上記メモリは、再問合せフラグを記憶しており、
   上記コントローラは、
   上記注意処理において上記第４操作を受け付けたことに応じて、上記再問合せフラグを第１値に設定する設定処理を実行し、
   上記操作判断処理において上記第１操作のみを受け付け、且つ上記再問合せフラグが上記第１値であることに応じて、上記各カウント値をすべて初期化する処理を実行する請求項２に記載のインクジェット記録装置。
8. 上記メモリは、再問合せフラグを記憶しており、
   上記コントローラは、
   上記注意処理において上記第４操作を受け付けたことに応じて、上記再問合せフラグを第１値に設定する設定処理を実行し、
   上記操作判断処理において上記第１操作のみを受け付け、且つ上記再問合せフラグが上記第１値であることに応じて、上記各カウント値を初期化せずに終了する請求項２に記載のインクジェット記録装置。
9. 上記コントローラは、上記問合せ処理において上記第２操作を受け付けたインク室の上記カウント値を初期化せず、上記第１操作を受け付けたインク室の上記カウント値を初期化する請求項１から７のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
10. 上記コントローラは、上記第３操作及び上記第４操作について上記操作部に同じキーを割り当てる請求項２に記載のインクジェット記録装置。
11. 上記コントローラは、
    シートに画像を記録する指示が入力されたことに応じて、上記インク室のインクの量が閾値残量未満か否かを判断するエンプティ判断処理と、
    上記エンプティ判断処理で上記インクの量が閾値残量以上だと判断したことに応じて、
    シートに対して上記記録部に画像を記録させる記録処理と、
    上記記録処理で上記記録部が排出したインク量に応じて、上記カウント値を更新する更新処理と、を実行し、
    上記エンプティ判断処理で上記インクの量が閾値残量未満だと判断したことに応じて、上記記録処理及び上記更新処理を実行せずに、インクを注入しないと上記記録処理を実行できないことを報知する報知画面を上記表示部に表示させる報知処理を実行する請求項１から９のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
12. 複数のインク室に対応した上記第１操作は、上記操作部の同じ位置を押す動作である請求項１から１１のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
    

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