JP2018114692A - 抄造機、抄造体の抄き上げ量調整方法および抄造機用ワイヤーシリンダー - Google Patents

抄造機、抄造体の抄き上げ量調整方法および抄造機用ワイヤーシリンダー Download PDF

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Abstract

【課題】種々の要因に対して抄造体の幅方向の厚みを好適に調整することができる抄造機を提供する。【解決手段】原料のスラリー13を貯留する少なくとも1の槽3と、槽3内でスラリー13に浸漬され、回転に伴いスラリー13中の固形分を抄き上げるワイヤーシリンダー14と、ワイヤーシリンダー14の透水性をワイヤーシリンダー14の幅方向において制御することにより、ワイヤーシリンダー14に抄き上げられる固形分の量を幅方向において調整する抄き上げ量調整手段22と、を備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、抄造体の厚みのばらつきを低減することができる円網式抄造機、抄造体の抄き上げ量調整方法および抄造機用ワイヤーシリンダーに関する。
スラリー状の原料から製造される繊維板などの板材は、抄造法による抄造工程を経て製造される。そのうち、円網式抄造機を用いた抄造工程は、スラリー状の原料を一または複数の円網で抄く工程と、抄いて形成された固形分(抄造体)を積層させながら巻き取る工程とを有する。
この抄造法は、種々の要因に応じて、製造された、完成品としての板材の幅方向に約5〜30%の厚みのばらつきを発生させる場合がある。要因としては、原料の濃度(鉱物材料や繊維材料の量)や粘度、繊維長や粒子径などの状態、繊維の質、フェルトの汚れ、原料の流速、原料の沈降度合い、原料の経時劣化、槽内のアジテーターによる回流方向および速さなどが挙げられる。
例えば、特許文献1には、板厚のばらつきを低減させる丸網式抄造機が開示されている。この丸網式抄造機は、原料スラリーを貯留する第1、第2の槽に、槽からスラリーを排出する排出手段を備える。第1の槽と第2の槽との各排出手段は、丸網を挟んで対向する位置に設けられる。これにより、槽内の圧力分布を調整し、板厚のばらつきを低減させるものである。
特開2013−112901号公報
特許文献1に記載の丸網式抄造機は、板厚のばらつきの要因として、槽内の圧力分布のみを考慮するものであった。しかし、上述したとおり、厚みのばらつきは原料の濃度および粘度やフェルトの汚れなど、種々の要因に依存するものである。このため、特許文献1に記載の丸網式抄造機では、均一な板厚を有する板材を得るには十分ではなかった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、種々の要因に対して抄造体の幅方向の厚みを好適に調整することができる抄造機、抄造体の抄き上げ量調整方法および抄造機用ワイヤーシリンダーを提供することを目的とする。
本発明に係る抄造機は、上述した課題を解決するために、原料のスラリーを貯留する少なくとも1の槽と、前記槽内で前記スラリーに浸漬され、回転に伴い前記スラリー中の固形分を抄き上げるワイヤーシリンダーと、前記ワイヤーシリンダーの透水性を前記ワイヤーシリンダーの幅方向において制御することにより、前記ワイヤーシリンダーに抄き上げられる前記固形分の量を前記幅方向において調整する抄き上げ量調整手段と、を備えた。
また、本発明に係る抄造体の抄き上げ量調整方法は、原料のスラリーを貯留する槽内で前記スラリーに浸漬されたワイヤーシリンダーで、回転に伴い前記スラリー中の固形分を抄き上げる工程と、前記ワイヤーシリンダーで抄き上げられ形成された抄造体の略幅方向の厚みに応じて、前記ワイヤーシリンダーの幅方向に複数に分割された各領域にシャワー装置で水分の噴射を制御し前記ワイヤーシリンダーに付着した前記固形分の量を制御することにより、前記ワイヤーシリンダーの透水性を前記ワイヤーシリンダーの幅方向において制御し、前記ワイヤーシリンダーに抄き上げられる前記固形分の量を前記幅方向において調整する工程と、を備える。
また、本発明に係る抄造機用ワイヤーシリンダーは、ワイヤーシリンダーに抄き上げられる固形分の量を、ワイヤーシリンダーに抄き上げられ形成される抄造体の幅方向において調整するために、前記ワイヤーシリンダーの表面の周方向の少なくとも一部に、前記ワイヤーシリンダーの幅方向に複数に分割された各領域の透水性を異ならせる抄き上げ量調整手段を備えた。
本発明に係る抄造機、抄造体の抄き上げ量調整方法および抄造機用ワイヤーシリンダーにおいては、種々の要因に対して抄造体の幅方向の厚みを好適に調整することができる。
本発明に係る抄造機の一実施形態を示す全体的な構成図。 本実施形態におけるシャワー装置を側面から見た説明図。 本実施形態におけるシャワー装置を正面から見た説明図。 変形例におけるシート付シャワー装置を側面から見た説明図。 (a)はシート付シャワー装置のシートの説明図、(b)はシート付シャワー装置を上方から示す説明図。
本発明に係る抄造機、抄造体の抄き上げ量調整方法および抄造機用ワイヤーシリンダーの一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る抄造機の一実施形態を示す全体的な構成図である。
抄造機1は、例えば住宅用建材であるサイディングボード、シリカボード、セメントボードなどの板材を製造する際の抄造工程で用いられるものである。抄造機1は、円網式抄造機であり、コンベア装置2と、槽3、3、3(以下単に槽3という。)と、巻取ローラー4とを有する。
コンベア装置2は、例えばフェルトで構成された抄造ベルト10を有し、抄造体30aを移送する。
槽3は、コンベア装置2の下側に配置され、原料のスラリー13を貯留する。槽3は、抄造される板材の用途などに応じて、単槽でも3槽以外の複数槽であってもよい。各槽3には、スラリー13が原則として常時供給される。スラリー13の供給は、ワイヤーシリンダー14の回転方向の順流側であっても、逆流側であってもよい。原料は、例えばセメントなどの鉱物材料とパルプなどの繊維材料との混合物である。
各槽3内には、原料を抄くためにメッシュ状に形成された円筒状のワイヤーシリンダー14、14、14(以下単にワイヤーシリンダー14という。)が配置される。ワイヤーシリンダー14は、槽3内でスラリー13に浸漬され、回転に伴いスラリー13中の固形分を抄き上げる。ワイヤーシリンダー14の外周には、ワイヤーシリンダー14の目開きよりも細かい目開きを有する金網が巻き付けられている。なお、「ワイヤーシリンダー表面」という場合には、金網が巻き付けられた場合も含む。ワイヤーシリンダー14は、軸方向が抄造ベルト10の送り方向に略直交する方向となるよう、配置される。ワイヤーシリンダー14は、図示しない駆動源により調整可能な回転速度で回転する。または、抄造ベルト10などとの摩擦力で回転する。なお、ワイヤーシリンダー14は、図2に示すように、ワイヤーシリンダー14表面の金網を通過した排水13bを槽3の側面より排出させる排水手段(図示せず)を有する。また、槽3内には、スラリー13の沈殿を防止するアジテーター15(攪拌機)が設けられる。
巻取ローラー4は、コンベア装置2の送り方向下流側に、回転可能に設けられる。巻取ローラー4は、コンベア装置2上で輸送された抄造体30aを巻き取るために設けられる。巻取ローラー4近傍には、所定の層数の巻き取りが完了した抄造体30bを切断するカッターなどの切断装置(図示せず)が配置される。巻取ローラー4の下流側には、さらに移送ベルト18を有するコンベア装置19が設けられる。巻取ローラー4から切断された抄造体30bは移送ベルト18上で次工程へ移送される。
本実施形態における抄造機1は、厚み測定装置20を有する。厚み測定装置20は、ワイヤーシリンダー14で抄き上げられ形成された抄造体30bの略幅方向(コンベア装置2、19の送り方向に略直交する方向)の厚み(幅方向複数箇所の厚み)を測定する。厚み測定装置20には、非接触の光学式、静電容量式など種々の形式を利用することができる。
なお、厚み測定装置20は、巻取ローラー4上、または巻取ローラー4上流(すなわち抄造ベルト10上)に設けられ、各抄造体の厚みを測定してもよい。すなわち、厚み測定装置20の設置位置は、図1に示す例に限られない。また、厚み測定装置20は、抄造機1の一部である必要はない。例えば、抄造機1から独立した厚み測定装置を用いて厚み情報を得、この厚み情報がコントローラー21に提供されればよい。また、使用者(人間)の視認により厚みを判断し、厚み情報をコントローラー21に入力してもよい。
厚み測定装置20により測定された厚み情報は、コントローラー21へ送信される。コントローラー21は、厚み情報に基づいてシャワー装置22(図2)を制御する。
図2は、本実施形態におけるシャワー装置22を側面から見た説明図である。
図3は、本実施形態におけるシャワー装置22を正面から見た説明図である。図3においては、説明の都合、槽3の一部の図示を省略した。
シャワー装置22は、抄き上げ量調整手段として設けられる。抄き上げ量調整手段は、ワイヤーシリンダー14の透水性をワイヤーシリンダー14の幅方向において制御することにより、ワイヤーシリンダー14に抄き上げられる固形分の量を幅方向において調整する。
シャワー装置22は、ワイヤーシリンダー14の幅方向に複数に分割されたシャワーパイプ23から噴射される水分の水量や水圧を異ならせることにより水分の噴射を制御する。具体的には、シャワー装置22は、ワイヤーシリンダー14で抄き上げられ形成された抄造体30bの略幅方向の厚みに応じて、ワイヤーシリンダー14の幅方向に複数に分割された各領域(図3においては一点鎖線で5分割された領域)にシャワーパイプ23から高圧の水分22aを噴射しワイヤーシリンダー14に付着した固形分を取る。固形分は、ワイヤーシリンダー14内部に押圧され、ワイヤーシリンダー14表面から取り除かれる。これにより、シャワー装置22は、固形分が取られた領域の透水性を大きくし、その領域に抄き上げられる抄造体30cの量を増加させる。また、シャワー装置22の水量または水圧を小さくした領域においては、固形分が取り除かれる量が減る。その結果、他の領域よりも透水性が小さくなり、その領域に抄き上げられる抄造体30cの量が減少する。シャワー装置22は、スラリー水面13aよりも上方に設けられる。シャワー装置22は、コントローラー21により制御されることにより、シャワーパイプ23から所要の領域に対して水分22aを噴射する。例えば、シャワー装置22は、領域毎に水分22aを制御するためのバルブを介してシャワーパイプ23から噴射される水量や水圧を制御する。シャワー装置22は、ワイヤーシリンダー14に付着した固形分が取れる程度の水圧で水分22aを噴射すればよく、例えば10kg〜40kg程度の水圧で噴射される。なお、シャワー装置22の水量や水圧、噴射時間は、付着した固形分の量、すなわち増加または減少させたい透水性の程度に応じて制御してもよい。
次に、本実施形態における抄造機1の作用について説明する。
槽3にスラリー13が貯留された状態で、抄造ベルト10を走行させるとともに、その速度に合わせてワイヤーシリンダー14を回転させる。各槽3のスラリー13中の原料は、ワイヤーシリンダー14内の排水13bとスラリー水面13aの水頭差(浸透圧)により、ワイヤーシリンダー14表面に抄造体30cとして付着する(抄かれる)。ワイヤーシリンダー14の回転により、大部分の抄造体30cは順次ワイヤーシリンダー14表面から抄造ベルト10の表面に転写される。ワイヤーシリンダー14に付着した一部の(少量の)微細な原料は、抄造ベルト10表面に転写されずにワイヤーシリンダー14表面に残る。残った微細な原料は、経時変化により硬化が進んでワイヤーシリンダー14の透水性を低下させる。また、抄造されなかった一部の原料と大部分の水分である排水13bは、ワイヤーシリンダー14表面のメッシュ状表面(金網)を通過し、ワイヤーシリンダー14内部に入る。この排水13bは、排水手段(図示せず)により槽3側面より外部に排水される。
抄造ベルト10には、各槽3を通過した時点で抄造体30cが1層ずつ積層され、全ての槽3を通過した段階では最終的に3層の抄造体30aが形成される。
抄造体30aは、抄造ベルト10によって連続的に下流側へと送られ、巻取ローラー4まで送られたところで、この巻取ローラー4に巻き取られる。巻取ローラー4に巻き取られた抄造体30aは、所定の厚み分巻き取られたところで切断装置によって巻取ローラー4上で切断され、巻取ローラー4から剥離される。切断された抄造体30bは、移送ベルト18により移送される。
このように形成された抄造体30bは、移送ベルト18上において厚み測定装置20により測定され、抄造体30bの略幅方向の厚み情報が得られる。コントローラー21は、厚み情報を取得し、シャワー装置22を制御する。すなわち、厚みを変化させたい抄造体30bの幅方向の領域には、シャワーパイプ23の該当する領域から水分22aを噴射させてワイヤーシリンダー14に付着した微量の固形分を取ったり、逆に水量や水圧を減らして固形分を取らなかったりすることにより、各領域の透水性を制御する。
例えば、コントローラー21は、抄造体30bの幅方向中央の厚みが両端と比べて10%大きいと判断した場合、抄造体30bの幅方向中央の厚みに比べて両端の厚みを大きくするために、図3に示すように、幅方向端部に位置する4つの領域のシャワーパイプ23から水分22aを噴射し(または幅方向中央の領域のシャワー装置22より水量または水圧を大きくし)、固形分を取る。または、幅方向中央に位置する領域のシャワー装置22のみ水量を減少させ、または停止させて、幅方向中央の固形分を取らない。また、厚みの調整量によっては、3つすべての槽3でシャワー装置22を用いてもよいし、1つの槽3のみ用いてもよい。
シャワー装置22が作用することにより、ワイヤーシリンダー14に抄き上げられるスラリー13中の固形分の量が領域毎に調整され、抄造体30a、30bに生じる幅方向の厚みのばらつきが解消され、平滑な完成品としての板材が得られる。
このような本実施形態における抄造機1は、抄造体30bの幅方向厚みのばらつきに応じて、ワイヤーシリンダー14における抄き上げ量を調整することができる。シャワー装置22は、各ワイヤーシリンダー14に設けることができるため、積層された抄造体30bの最小単位である各ワイヤーシリンダー14で抄き上げられる抄造体30cの厚みを調整対象とすることができる。
従来であれば、抄造体30bに生じた幅方向の厚みのばらつきは、プレス加工したり、サンダーで削ったりして最終的に調整していたため、原料や製造エネルギーなどの無駄が生じていた。これに対し、本実施形態における抄造機1は、きめ細かく抄造量の調整ができ、最終的に得られる抄造体30bの幅方向の厚みを均一にすることができる。
抄造機1は、シャワー装置22の水量または水圧をバルブによる制御により各領域で異ならせることに替えて、またはそれに加え、シャワー装置22の水量または水圧をシートによる制御により各領域で異ならせてもよい。
図4は、変形例としての抄造機1aに設けられたシート付シャワー装置40を側面から見た説明図である。
図5(a)はシート付シャワー装置40のシート43の説明図、(b)はシート付シャワー装置40を上方から示す説明図である。
シート付シャワー装置40は、シャワーパイプ41、42の噴射口を領域毎に被覆するか開放するかを選択可能なシート43を有し、このシート43でシャワーパイプ41、42から噴射される水分の水量または水圧を異ならせることにより水分の噴射を制御する。シート付シャワー装置40は、2つのシャワーパイプ41、42と、シート43とを有する。シャワーパイプ41、42は、上述したシャワーパイプ23とほぼ同様である。なお、シャワーパイプ41、42は、何れか一方のみであってもよい。シート43は、シャワーパイプ41、42の幅方向の各領域に対応して、独立して回転可能な複数の分割シート45の集合体である。シート43は、透水性を有していても有していなくてもよい。各分割シート45は、シートが存在する被覆領域45aと、シートが存在しない開放領域45bとを長さ方向(周方向)に交互に有する。シート支持部44は、シート43を支持する。また、シート支持部44は、分割シート45毎に回転可能なハンドルなどの制御機構(図示せず)を有する。
このような変形例としての抄造機1aは、シート43を用いることによりシャワーパイプ41、42から噴射される水分の水圧または水量を幅方向において個別に制御することなく、好適に制御することができる。例えば、ワイヤーシリンダー14に設けられている、ワイヤーシリンダー14の表面を洗浄するための、幅方向に制御ができない既存のシャワー装置に対してこのようなシート43を設けることにより、必要箇所の分割シート45を制御して、幅方向の各領域における水圧または水量を制御(噴射の停止を含む)することができる。
なお、抄き上げ量調整手段は、上述したシャワー装置22以外にもワイヤーシリンダー14に抄き上げられる固形分の量を、固形分を取ることなどにより幅方向において調整することができる装置であればよい。
また、抄き上げ量調整手段に代えて、または抄き上げ量調整手段と共に、ワイヤーシリンダー14に抄き上げられる固形分の量を幅方向において調整するために、ワイヤーシリンダー14の表面に設けられ、幅方向に複数に分割された各領域の透水性をワイヤーシリンダー14の周方向の少なくとも一部で異ならせてもよい。
例えば、ワイヤーシリンダー14に、ワイヤーシリンダー14の表面の目開きを小さくするために、ワイヤーシリンダー14の表面に塗料が塗られたことにより、各領域の透水性を異ならせてもよい。この場合の塗料には、例えばタール剤などを用いることができる。また、ワイヤーシリンダー14の表面の透水性を小さくする透水性を有するシートが設けられたことにより、各領域の透水性を異ならせてもよい。この場合のシートは、例えば他の領域よりも目開きが小さい(ワイヤーシリンダー14の表面の透水性を小さくする)金網や布などを用いることができる。さらに、ワイヤーシリンダー14の表面に透水性を小さくすることを意図して付着させたスラリー13中の固形分であってもよい。この場合、固形分が意図的に付着されたワイヤーシリンダー14を別途準備し、抄造機に取り付けてもよい。また、塗料、シートまたは固形分は、周方向の少なくとも一部に施されてもよいし、全周に渡って施されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
抄造機1は、コントローラー21を省略してもよい。この場合、厚み測定装置20より得られた厚み情報に基づいて、使用者がシャワー装置22の制御を行う。
1 抄造機
2、19 コンベア装置
3 槽
4 巻取ローラー
10 抄造ベルト
13 スラリー
13b 排水
14 ワイヤーシリンダー
15 アジテーター
18 移送ベルト
20 厚み測定装置
21 コントローラー
22、40 シャワー装置
23、41、42 シャワーパイプ
30a、30b、30c 抄造体
43 シート
44 シート支持部
45 分割シート
45a 被覆領域
45b 開放領域

Claims (10)

  1. 原料のスラリーを貯留する少なくとも1の槽と、
    前記槽内で前記スラリーに浸漬され、回転に伴い前記スラリー中の固形分を抄き上げるワイヤーシリンダーと、
    前記ワイヤーシリンダーの透水性を前記ワイヤーシリンダーの幅方向において制御することにより、前記ワイヤーシリンダーに抄き上げられる前記固形分の量を前記幅方向において調整する抄き上げ量調整手段と、を備えた抄造機。
  2. 前記抄き上げ量調整手段は、前記ワイヤーシリンダーで抄き上げられ形成された抄造体の略幅方向の厚みに応じて、前記幅方向に複数に分割された各領域で水分の噴射を制御し前記ワイヤーシリンダーに付着した前記固形分の量を調整するシャワー装置である請求項1記載の抄造機。
  3. 前記シャワー装置は、前記各領域に複数に分割されたシャワーパイプから噴射される前記水分の水量や水圧を異ならせることにより前記水分の噴射を制御する請求項2記載の抄造機。
  4. 前記シャワー装置は、シャワーパイプの噴射口を前記領域毎に被覆するか開放するかを選択可能なシートを備え、前記シートで前記シャワーパイプから噴射される前記水分の水量または水圧を異ならせることにより前記水分の噴射を制御する請求項2記載の抄造機。
  5. 前記幅方向の厚みを測定する厚み測定装置をさらに備えた請求項2記載の抄造機。
  6. 前記抄き上げ量調整手段は、前記ワイヤーシリンダーの表面に設けられ、前記幅方向に複数に分割された各領域の透水性を前記ワイヤーシリンダーの周方向の少なくとも一部で異ならせた請求項1記載の抄造機。
  7. 前記抄き上げ量調整手段は、前記ワイヤーシリンダーの表面の目開きを小さくするために前記ワイヤーシリンダーの表面に塗られた塗料、前記ワイヤーシリンダーの表面の透水性を小さくする透水性を有するシート、または前記ワイヤーシリンダーの表面に付着した前記固形分である請求項6記載の抄造機。
  8. 原料のスラリーを貯留する槽内で前記スラリーに浸漬されたワイヤーシリンダーで、回転に伴い前記スラリー中の固形分を抄き上げる工程と、
    前記ワイヤーシリンダーで抄き上げられ形成された抄造体の略幅方向の厚みに応じて、前記ワイヤーシリンダーの幅方向に複数に分割された各領域にシャワー装置からの水分の噴射を制御し前記ワイヤーシリンダーに付着した前記固形分の量を調整することにより、前記ワイヤーシリンダーの透水性を前記ワイヤーシリンダーの幅方向において制御し、前記ワイヤーシリンダーに抄き上げられる前記固形分の量を前記幅方向において調整する工程と、を備える抄造体の抄き上げ量調整方法。
  9. ワイヤーシリンダーに抄き上げられる固形分の量を、前記ワイヤーシリンダーに抄き上げられ形成される抄造体の幅方向において調整するために、前記ワイヤーシリンダーの表面の周方向の少なくとも一部に、前記ワイヤーシリンダーの幅方向に複数に分割された各領域の透水性を異ならせる抄き上げ量調整手段を備えた抄造機用ワイヤーシリンダー。
  10. 前記抄き上げ量調整手段は、前記ワイヤーシリンダーの表面の目開きを小さくするために前記ワイヤーシリンダーの表面に塗られた塗料、前記ワイヤーシリンダーの表面の透水性を小さくする透水性を有するシート、または前記ワイヤーシリンダーの表面に付着した前記固形分である請求項9記載の抄造機用ワイヤーシリンダー。
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