JP2018113749A - エネルギー変換機 - Google Patents

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里丘 石山
Noritaka Ishiyama
里丘 石山
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Abstract

【課題】磁気漏洩の低減、エネルギー効率の向上、推力の向上に有効な構成を持つエネルギー変換機を提供する。【解決手段】本発明によるエネルギー変換機は、第1の円筒状永久磁石10のN極側に、外周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ第2の円筒状永久磁石12を組み合わせ、第1の円筒状永久磁石のS極側に、中心軸側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ第3の円筒状永久磁石13を組み合わせてなる配列磁石体を複数組、直列に組み合わせた配列磁石集合体を備える。配列磁石集合体において隣り合う2組の配列磁石体の一方の組は、第1の円筒状永久磁石の磁極の向きが、他方の組の配列磁石体の第1の円筒状永久磁石の磁極の向きと反対になるように他方の組に組み合わせるようにして、第3の円筒状永久磁石又は第2の円筒状永久磁石を交互に共用する構成とした。【選択図】図6

Description

本発明は、リニアモータ、リニア発電機等のエネルギー変換機に関し、特にハルバッハ配列磁石体を備えたエネルギー変換機に関する。
ハルバッハ配列磁石体を用いた磁界発生装置は、通常の配列磁石体を用いた磁界発生装置に比べて推力向上を実現できることから回転型モータやリニアモータに適用されている。ハルバッハ配列磁石体のリニアモータへの適用例は特許文献1に記載されており、以下に、図4、図5を参照して説明する。
図4は、ハルバッハ配列磁石体を用いた周期磁界発生装置の断面図である。図4において、102は磁石の磁化の方向、103はバックヨーク、111は発生磁界方向(図中、上向き又は下向き)に磁化された主永久磁石、112は磁極の向きが主永久磁石111の磁極の向きと直角(図中、右向き又は左向き)になるように磁化された副永久磁石、104は主永久磁石111の磁界発生側に配置された軟磁性材料体である。主永久磁石111と副永久磁石112は交互に隣り合わせになるように直線状に並べてバックヨーク103上に配置されている。特に、副永久磁石112を、主永久磁石111と軟磁性材料体104のそれぞれと同じ厚みの2種類の幅の磁石で構成した構造としている。
このようなハルバッハ配列磁石体の構成によれば、生成される磁束の大部分をバックヨーク103側とは反対側(図の上側)の面に作用させることができ、しかも正弦波またはそれに近い磁束密度波形を有する周期的な磁界を発生させることができる。
図5は図4の周期磁界発生装置を用いたリニアモータの概略構成を示す断面図である。図5において、一対の周期磁界発生装置をその磁界発生側が対向するように配置し、それらの間に複数のコイル105を配置している。このような構成によれば、コイル105に通電することによって、コイル105により発生する磁界と周期磁界発生装置による発生磁界との吸引力と反発力により、コイル105を固定子とした場合は可動子となる周期磁界発生装置を直線的に、図中左右方向に移動させることができる。一方、周期磁界発生装置を固定子とした場合は可動子となるコイル105を直線的に、図中左右方向に移動させることができる。
特開2011−24379号公報(図2、図9) 特開2010−288418号公報 特開2012−186936号公報
ところで、上述したタイプのリニアモータとは別のタイプ、つまりハルバッハ配列磁石体を用いないタイプのリニアモータとして、円筒型と呼ばれるリニアモータが提案されている(特許文献2参照)。この円筒型リニアモータは、円筒状のケーシング内壁に複数の環状コイルを長さ方向(中心軸方向)に沿って配置して固定子とし、この固定子内にケーシングの中心軸に沿って直動自在に設けた可動軸の外周に複数の円筒状永久磁石を中心軸方向に沿って並べて固着して可動子とした構成を持つ。
なお、特許文献2には、軸体の外周に複数の円筒状永久磁石を中心軸方向に沿って並べて固着した固定子と、この固定子の周囲に中心軸方向に直動可能に配置され、円筒状のケーシング内壁に複数の環状コイルを中心軸方向に沿って配置した可動子と、を含む円筒型リニアモータも提案されている。
以下では、便宜上、ハルバッハ配列磁石体を用いるかどうかにかかわらず、永久磁石を可動子とするタイプを磁石可動型と呼び、コイルを可動子とするタイプをコイル可動型と呼ぶことがある。
円筒型リニアモータの別の例として、複数の円筒状永久磁石を同磁極同士が対向しあうように直列に組み合わせて固定子とし、その周囲に複数の環状コイルを、微小ギャップを介して中心軸方向に移動可能に構成して可動子としたリニアモータが提案されている(特許文献3参照)。このような円筒型リニアモータはシャフトモータと呼ばれているが、本明細書においては、円筒型リニアモータと呼ぶ場合、シャフトモータも含むものとする。
本発明の課題は、上記のような円筒型リニアモータに比べて、磁気漏洩の更なる低減、エネルギー効率の更なる向上、推力の更なる向上に有効な構成を持つエネルギー変換機を提供することにある。
本発明の更なる課題は、特許文献2のように円筒状のケーシング内壁に複数の環状コイルを長さ方向(中心軸方向)に沿って配置して固定子とし、ケーシング内にその中心軸に沿って直動自在に設けた可動軸の外周に複数の円筒状永久磁石を中心軸方向に沿って並べて固着して可動子とした構成を持つ円筒型リニアモータの場合、磁束が外部に多く漏洩してしまい、コイルのある内部には磁束があまり多くないという課題を解消するのに有効な構成を持つ磁気回路を備えたエネルギー変換機を提供することにある。
本発明の更なる課題は、円筒型リニアモータ、リニア発電機への適用に適したエネルギー変換機を提供することにある。
本発明によれば、長さ方向に異方性を持つ第1の円筒状永久磁石の一端側に、半径方向に異方性を持つ第2の円筒状永久磁石を組み合わせ、他端側には半径方向に異方性を持つと共に前記第2の円筒状永久磁石の磁極の向きとは反対の磁極の向きを持つ第3の円筒状永久磁石を組み合わせてなる配列磁石体を少なくとも1組備えたことを特徴とするエネルギー変換機が提供される。
本発明の第1の態様は、前記配列磁石体が、前記第1の円筒状永久磁石のN極側に、外周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第2の円筒状永久磁石を組み合わせ、前記第1の円筒状永久磁石のS極側に、中心軸側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第3の円筒状永久磁石を組み合わせてなり、前記配列磁石体を複数組、直列に組み合わせた配列磁石集合体を備え、該配列磁石集合体において隣り合う2組の前記配列磁石体の一方の組は、前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きが、他方の組の前記配列磁石体の前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きと反対になるように前記他方の組に組み合わせるようにして、前記第3の円筒状永久磁石又は第2の円筒状永久磁石を交互に共用する構成とする。
上記第1の態様においては、前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体的に構成した断面円形の固定子と、前記固定子の外周側に該固定子に沿って直動可能に組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した可動子とで、円筒型リニアモータとして作用するように構成することができる。
上記第1の態様においてはまた、前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体的に中心軸方向に可動とした断面円形の可動子と、前記可動子の外周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した固定子とで、円筒型リニアモータとして作用するように構成することもできる。
本発明の第2の態様は、前記配列磁石体が、前記第1の円筒状永久磁石のS極側に、外周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第2の円筒状永久磁石を組み合わせ、前記第1の円筒状永久磁石のN極側に、内周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第3の円筒状永久磁石を組み合わせてなり、前記配列磁石体を複数組、直列に組み合わせた配列磁石集合体を備え、該配列磁石集合体において隣り合う2組の前記配列磁石体の一方の組は、前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きが、他方の組の前記配列磁石体の前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きと反対になるように前記他方の組に組み合わせるようにして、前記第3の円筒状永久磁石又は第2の円筒状永久磁石を交互に共用する構成とする。
上記第2の態様においては、前記配列磁石集合体を一体的に中心軸方向に可動とした断面環状形の可動子と、前記可動子の内周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した固定子とで、円筒型リニアモータとして作用するように構成することができる。
上記第1、第2の態様のいずれにおいても、前記円筒型リニアモータは三相駆動型であり、前記複数の環状コイルがU相コイル、V相コイル、W相コイルの組み合わせを1組とする少なくとも1組からなる。
本発明によるエネルギー変換機は、上記第1の態様において、前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体的に中心軸方向に可動とした断面円形の可動子と、前記可動子の外周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した固定子とを備え、前記可動子にブイを取り付けて波により前記可動子を上下動させて、前記可動子と前記固定子の間に相対的変位を生じさせるようにして、波力発電機として作用するように構成することができる。
本発明によるエネルギー変換機はまた、前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体化した断面円形の固定子と、前記固定子の外周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿いかつ前記ケーシングと共に前記中心軸方向に可動とした断面円形の可動子とを備え、前記可動子にブイを取り付けて波により前記可動子を上下動させて、前記可動子と前記固定子の間に相対的変位を生じさせるようにして、波力発電機として作用するように構成することができる。
本発明によれば、磁気漏洩の低減、エネルギー効率の向上、推力の向上に有効な構成を持つエネルギー変換機を提供することができる。
本発明に用いられる永久磁石とその磁化方向の表記法について説明するための図である。 本発明を円筒型リニアモータに適用する場合の構成要素であるハルバッハ配列磁石体の第1の例について説明するための図で、該配列磁石体を中心軸側に配置し外周側に環状コイルを配置する場合の該配列磁石体の最小限の構成について説明するための斜視図である。 本発明を円筒型リニアモータに適用する場合の構成要素であるハルバッハ配列磁石体の第2の例について説明するための図で、該配列磁石体を外周側に配置し該配列磁石体の中心穴内にコイルを配置する場合の最小限の構成について説明するための斜視図である。 ハルバッハ配列磁石体を用いた、従来の周期磁界発生装置の断面図である。 図4の周期磁界発生装置を用いたリニアモータの断面図である。 図2に示されたハルバッハ配列磁石体を複数組、直列に組み合わせて構成したハルバッハ配列磁石集合体の各永久磁石の磁化方向について説明するための図である。 図3に示されたハルバッハ配列磁石体を複数組、直列に組み合わせて構成したハルバッハ配列磁石集合体の各永久磁石の磁化方向について説明するための図である。 図2及び図6に示されたハルバッハ配列磁石体を固定子として採用した円筒型リニアモータの主要構成を示した縦断面図である。 図3及び図7に示されたハルバッハ配列磁石体を可動子として採用した円筒型リニアモータの主要構成を示した縦断面図である。 図8に示された円筒型リニアモータにおいて、ハルバッハ配列磁石体を可動子とし、環状コイルを固定子として採用した円筒型リニアモータの概略構成を示す側面図および正面図である。 三相リニアモータにおける永久磁石の磁極と三相コイルの基本的の構成について説明するための図である。 図11の磁極N−N間が長くなった場合に増やされるコイルと、図2に示される配列磁石体2組からなる配列磁石集合体との関係を示した図である。 本発明を波力発電機に適用した場合の構成例を示した図である。
本発明の実施形態を説明する前に、図1を参照して、本発明に係る永久磁石の態様を説明する。図1(b)に示すように、第1の円筒状永久磁石10、110はその長さ方向(中心軸方向)に異方性を有する。一方、図1(a)に示すように、第2、第3の円筒状永久磁石12、13はその半径方向に異方性を有する。
磁化方向について言えば、図1(e)に矢印で示すように、第1の円筒状永久磁石10は図の左方向向きに磁極の向きを有し、図1(f)に矢印で示すように第1の円筒状永久磁石110は図の右方向向きに磁極の向きを有する。第1の円筒状永久磁石10、110は同じものであるが、異なる参照番号を付している理由については、図2、図3の説明において説明する。
図1(c)に矢印で示すように第2の円筒状永久磁石12はその断面の、中心から外周側に向かう放射方向に磁極の向きを有し、図1(d)に矢印で示すように第3の円筒状永久磁石13はその断面の、外周側から中心に向かう方向に磁極の向きを有する。また、電流の向きを表示する方法に倣って、第2、第3の円筒状永久磁石12、13についてはそれぞれ図1(c)、図1(d)の右側に示したように表記するものとする。
次に、図2、図3を参照して、本発明のハルバッハ配列磁石集合体(以下、配列磁石集合体と略称することがある)の最小限の構成要素であるハルバッハ配列磁石体(以下、配列磁石体と略称することがある)を第1、第2の例について説明する。図2、図3に示される矢印も磁極の向きを示す。
図2(a)は、配列磁石体を中心軸側に配置し、その外側に環状コイルを配置する円筒型リニアモータの場合の最小単位の配列磁石体(第1の例)である。この態様によれば、長さ方向に異方性を持つ第1の円筒状永久磁石10と、該円筒状永久磁石10のN極側(矢印の先端側)の端部に組み合わされた磁石であって、半径方向に異方性を持ち磁石の外周を向くように磁化した第2の円筒状永久磁石12と、第1の円筒状永久磁石10のS極側(矢印の終端側)の端部に組み合わされた磁石であって、半径方向に異方性を持ち磁石の中心方向を向くように磁化した第3の円筒状永久磁石13と、を有する配列磁石体が提供される。本例では、各円筒状永久磁石は同じ内径及び外径としているが、これは最も好ましい例であり、これに限定されるものでは無い。例えば、第2、第3の円筒状永久磁石12、13の外径が第1の円筒状永久磁石10の外径と同じで、内径が第1の円筒状永久磁石10の内径より大きくても良い。または、第2、第3の円筒状永久磁石12、13の外径が第1の円筒状永久磁石10の外径より小さく、内径は第1の円筒状永久磁石10の内径より大きくても良い。これは、後述されるすべての実施形態に適用される。
第1の例の配列磁石体は、第2の円筒状永久磁石12の外周を出て第3の円筒状永久磁石13の外周に入射し、第3の円筒状永久磁石13から第1の円筒状永久磁石10に入射する外周側の磁束密度が、内周側の磁束密度に比べてはるかに大きいという特徴を有している。
なお、図2(b)は、図2(a)に示されている配列磁石体を、左右逆にして示しており、これも第1の例として考えて良い。図2(b)を示した理由は、後述の図6の説明で明らかになる。
図3は配列磁石体を外周側に配置し、磁石の中心穴の中にコイルを配置する円筒型リニアモータの場合の最小単位の配列磁石体(第2の例)を示す。この態様によれば、長さ方向に異方性を持つ第1の円筒状永久磁石110と、該第1の円筒状永久磁石110のS極側(矢印の終端側)の端部に組み合わされた磁石であって、半径方向に異方性を持ち磁石の外周を向くように磁化した第2の円筒状永久磁石12と、第1の円筒状永久磁石110のN極側(矢印の先端側)の端部に組み合わされた磁石であって、半径方向に異方性を持ち磁石の中心方向を向くように磁化した第3の円筒状永久磁石13と、を有する配列磁石体が提供される。各円筒状永久磁石の内径及び外径は図2で説明したとおりである。
第2の例の配列磁石体は、第3の円筒状永久磁石13の内周を出て第2の円筒状永久磁石12の内周に入射し、第2の円筒状永久磁石12から第1の円筒状永久磁石10に入射する内周側の磁束密度が、外周側の磁束密度に比べてはるかに大きいという特徴を有している。
このように、第1の例と第2の例の配列磁石体は、同じ第1の円筒状永久磁石であってもその両側への第2、第3の円筒状永久磁石の組み合わせを変えることで形成される磁路が異なる。そこで、第1の例の配列磁石体における第1の円筒状永久磁石と、第2の例の配列磁石体における第1の円筒状永久磁石とを識別し易くするために第1、第2の円筒状永久磁石には異なる参照番号を付している。
図6は、図2で説明した最小単位の配列磁石体(第1の例)を複数組(ここでは4組)、直列に組み合わせて配列磁石集合体を構成した例を示す。この配列磁石集合体においては、隣り合う2組(例えば1組目と2組目)の配列磁石体の一方の組(1組目)は、第1の円筒状永久磁石10の磁極の向きが、他方の組(2組目)の配列磁石体の第1の円筒状永久磁石10の磁極の向きと反対になるように他方の組(2組目)に組み合わせるようにして、第3の円筒状永久磁石13を共用できる構成としている。同様にして、2組目と3組目では第2の円筒状永久磁石12を共用でき、3組目と4組目で第3の円筒状永久磁石13を共用できる。つまり、隣り合う2組の配列磁石体において第3の円筒状永久磁石13又は第2の円筒状永久磁石12を交互に共用する構成としている。
この配列磁石集合体は、図8で説明するように、中心軸側に固定配置してコイル可動型の円筒型リニアモータを構成するのに適している。これは、図2に示す配列磁石体においては、円筒状永久磁石10、12、13の外周側の磁束密度が内周側の磁束密度に比べてはるかに大きいという特徴を有しているからである。
図6のような配列磁石集合体は、すべての円筒状永久磁石の中心部の穴に、両端にネジ部を持つステンレス製のシャフトを通し、両端をナットで固定して使用することができるが、これは一例にすぎず、これに限定されるものでないことは言うまでも無い。
なお、図2に示した配列磁石体は、コイル可動型に限らず、磁石可動型にも適用可能であり、その一例は図10で説明される。
図7は、図3で説明した最小単位の配列磁石体(第2の例)を複数組(ここでは2組)、直列に組み合わせて配列磁石集合体を構成した例を示す。この配列磁石集合体においても、隣り合う2組(1組目と2組目)の配列磁石体の一方の組(1組目)は、第1の円筒状永久磁石110の磁極の向きが、他方の組(2組目)の配列磁石体の第1の円筒状永久磁石110の磁極の向きと反対になるように他方の組(2組目)に組み合わせるようにして、第3の円筒状永久磁石13を共用できる構成としている。配列磁石集合体を、図6のように4組の配列磁石体で構成する場合には、2組目と3組目では第2の円筒状永久磁石12を共用し、3組目と4組目で第3の円筒状永久磁石13を共用する。つまり、隣り合う2組の配列磁石体において第3の円筒状永久磁石13又は第2の円筒状永久磁石12を交互に共用する構成となる。
この配列磁石集合体は、図9で説明するように、中心軸側に固定配置した複数の環状コイルの外周側に直動可能に配置して磁石可動型の円筒型リニアモータを構成するのに適している。これは、図3に示す配列磁石体においては、円筒状永久磁石110、12、13の内周側の磁束密度が外周側の磁束密度に比べてはるかに大きいという特徴を有しているからである。
(第1の実施形態)
次に、図8を参照して、図6に示すようなハルバッハ配列磁石集合体(以下、配列磁石集合体と呼ぶ)を円筒型リニアモータに適用した、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態においては、配列磁石集合体側を固定子とし、環状コイル側を可動子とするが、図10で説明するように、配列磁石集合体側を可動子とし、環状コイル側を固定子とすることも可能である。
本実施形態において使用する永久磁石として、外径23.5mm、内径6mm、長さ22.5mmの長さ方向に異方性を持つ円筒状Nd-Fe-B磁石(第1の円筒状永久磁石10、110)と、外径23.5mm、内径6mm、長さ11.25mmの半径方向に異方性を持つ円筒状Nd-Fe-B磁石(第2、第3の円筒状永久磁石12、13)とが挙げられるが、一例にすぎず、本発明はこれらの数値に限定されないことは言うまでもない。また、磁石もNd-Fe-B磁石の他、Sm-Co磁石、フェライト磁石やその他の永久磁石であってもよい。
図8は、本発明の第1の実施形態による三相リニアモータ(円筒型リニアモータ)における固定子と可動子の断面図、特に固定子の中心軸に沿った縦断面図である。以下では、中心軸という場合、特にことわりがない場合、固定子の中心軸を意味する。また、固定子は断面円形、可動子は断面環状形が望ましいが、この限りではなく、固定子と可動子の断面形状が相互の移動を妨げないように適合していれば良い。
固定子30は、図2で説明したハルバッハ配列磁石体(以下、配列磁石体と呼ぶ)を複数組、ここでは5組を直列に繋ぎ合わせてなる。すなわち、図6で説明したように、隣り合う2組の配列磁石体の一方の組は、第1の円筒状永久磁石10の磁極の向きが、他方の組の配列磁石体の第1の円筒状永久磁石10の磁極の向きと反対になるように他方の組に組み合わせるようにして、第3の円筒状永久磁石13又は第2の円筒状永久磁石を交互に共用する構成としている。すなわち、1組目と2組目で第3の円筒状永久磁石13を共用し、2組目と3組目では第2の円筒状永久磁石12を共用し、3組目と4組目で第3の円筒状永久磁石13を共用し、4組目と5組目では第2の円筒状永久磁石12を共用する構成としている。
配列磁石体の組数は、可動子のストロークにより決められる。
このような配列磁石体を複数組、直列に繋ぎ合わせて配列磁石集合体を構成する手法の一例を説明すると以下の通りである。
少なくとも両端に近い部分にそれぞれ雄ネジを切った丸棒状のセンター軸40の一端側にナット41Aを装着する。続いて、5組の配列磁石体からなる配列磁石集合体を構成すべく、第1〜第3の円筒状永久磁石を、12−10−13−10−12−10−13−10−12−10−13の順にセンター軸40に装着してゆく。なお、センター軸40の全長に亘って雄ネジを形成しても良い。
配列磁石体5組分の円筒状永久磁石を装着したら、センター軸40の他端側の雄ネジにナット41Bを装着し、円筒状永久磁石相互の締め付けを行なう。ナットによる締め付けは、後で緩みが生じないように、ダブルナットで行なわれるのが望ましい。
次に、上記のように一体化した配列磁石集合体を円筒状のケーシング50内に挿着する。ケーシング50は、配列磁石集合体の外周に密着するような内径で薄い肉厚の方が望ましい。
ケーシング50の両端は蓋部材42A、42Bで塞ぐようにし、ケーシング50内の気密を維持する必要がある場合には、ケーシング50と蓋部材42A、42Bの間に、O(オー)リング等のシール材を設けるか、あるいはロウ付け等の方法により密閉するのが好ましい。
センター軸40、ケーシング50は、ステンレス等の材料で提供される。また、通常、固定子30は、その両端側において土台等に固定される。
以上のように構成された固定子30の外周側に、6個の環状(円筒状を含む)コイル80−1U、80−1V’、80−1W、80−2U’、80−2V、80−2W’をコイルケーシング90に装着してなる円筒状の可動子100が、固定子30に沿って直動可能に組み合わされる。なお、U’、V’、W’は、巻線の方向が逆向きであることを示す。6個の環状コイルはそれぞれボビンに巻線を巻回してなり、巻線はスターあるいはデルタ結線されて、図示しない三相電源に接続されるとともに図示しない制御装置に接続される。
ここで、リニアモータにおける永久磁石とコイルの関係について図11、図12を参照して簡単に説明する。
通常、永久磁石を用いる三相リニアモータに適用される永久磁石の磁極とU相コイル、V相コイル、W相コイルの関係は図11のようになる。つまり、磁極N−N間に対してU相コイル、V相コイル、W相コイルが対応し、磁極N−N間の長さ=(U相コイル長+V相コイル長+W相コイル長)となる。また、各相のコイル長=(磁極N−N間の長さ)/3となる。
磁極N−N間の長さが長いときは図12のようにすることもできる。図12に示されるように、磁極N−N間にU、V、Wの各相当たり2個、合計6個のコイルが入る。コイルの配置は、U相−V’相−W相−U’相−V相−W’相が基本構成となり、コイルの数が3個(6個、9個、12個、・・・)を越える場合、この基本構成が繰り返される。前述したように、V’相、U’相、W’相は巻線の方向が逆にされる。各相のコイル長=(磁極N−N間の長さ)/6となる。
図12には、このような磁極N−N、三相を構成する6個のコイルと、前述した配列磁石体の第1の例、第2の例のうち、例えば第1の例の配列磁石体を2組組み合わせた配列磁石集合体との関係を示している。
図8に戻って、第1の実施形態では、6個の環状コイルを示しているが、上述したように、三相の円筒型リニアモータの構成に必要な環状コイルの最小限の個数は3個である。つまり、可動子側のコイルは、U相、V相、W相の三相1組を単位とし、必要推力に応じて複数組設置される。6個の環状コイルの合計長は、一例を挙げれば、(第2又は第3の円筒状永久磁石の長さ×2+第1の円筒状永久磁石の長さ×2)である。また、円筒型リニアモータとしての可動距離範囲は、図6の場合、(配列磁石集合体の全長−6個の環状コイルの合計長)となる。
可動子100は、ケーシング50の周囲に軸受等を介して直動可能に組み合わされるが、ケーシング50に沿うように配置されたガイド棒を介して直動可能に支持されても良い。しかし、これらに限定されるものではない。更に、可動子100は三相電源と接続するための可撓性の電力ケーブルを備えるが、コイルと三相電源との接続形態は、巻線のスターあるいはデルタ結線形態を含め、本発明の要旨ではないので、詳しい説明は省略する。これは、後述する第2、第3の実施形態においても同様である。
更に、円筒型リニアモータとしての動作原理はこれまでの円筒型リニアモータと同様であり、制御装置による可動子の位置制御を含む制御形態も本発明の要旨ではないので、詳しい説明は省略する。
コイルケーシング90は、その内径がケーシング50の外径より大きく、配列磁石集合体の外周と環状コイルの内周、厳密にはコイルケーシング90の内周との間には微小ギャップが形成される。
なお、ケーシング50の内周と配列磁石集合体の外周との間にギャップを設けると共に、蓋部材42A、42Bにそれぞれ、等角度間隔をおいて中心軸方向に貫通する複数の孔を設け、一方の側の孔から圧縮空気等の冷媒を導入し、他方の側の孔から冷媒を排出することにより、固定子30側の冷却を行うことができる。
以上のような構成により、三相の環状コイル80−1U、80−1V’、80−1W、80−2U’、80−2V、80−2W’に流す電流を制御して位置制御や速度制御を行うことで円筒型リニアモータとして動作させることができる。
(第1の実施形態の効果)
以上の説明のように、本発明の第1の実施形態による円筒型リニアモータは、図2、図6で説明した円筒状のハルバッハ配列磁石体を用いたことにより、生成される磁束の大部分が円筒状のハルバッハ配列磁石体の外周側、すなわち環状コイルに作用するので、磁気漏洩の低減、エネルギー効率の向上を実現することができ、環状コイルに作用する磁束密度が大幅に増加する結果、ハルバッハ配列磁石体を使用しない円筒型リニアモータに比べて約1.2〜1.5倍の推力が得られる。
(第2の実施形態)
次に、図9を参照して、図7に示すようなハルバッハ配列磁石集合体(以下、配列磁石集合体と呼ぶ)を円筒型リニアモータに適用した、本発明の第2の実施形態について説明する。
図9は、複数の環状コイルを中心軸側に配置して固定子とし、この固定子の外周側に配列磁石集合体を直動可能に配置して可動子とした磁石可動型の円筒型リニアモータを縦断面図で示す。
第2の実施形態は、配列磁石集合体を可動子とし、コイルを固定子として使用することができるので、固定子コイルに配線された電線が固定され、電線の屈曲による断線を防ぐことができる。
図9を参照して、円筒状のケーシング210の内壁に、U相、V相、W相の三相を1組とする5組の環状コイル220−1U、220−1V’、220−1W、220−2U’、220−2V、220−2W’、220−3U、220−3V’、220−3W、220−4U’、220−4V、220−4W’、220−5U、220−5V’、220−5Wを、長さ方向(中心軸方向)に沿って固定配置して固定子200としている。ケーシング210の両端は蓋部材211A、211Bで塞いでいる。固定子200は、その両端側において土台等に固定されるのが望ましい。
環状コイルはそれぞれボビンに巻線を巻回してなり、巻線は組毎にスターあるいはデルタ結線されて、図示しない三相電源に接続されるとともに図示しない制御装置に接続される。U相、V相、W相の組数は、必要ストロークに応じて決定される。
以上のように構成された固定子200の外周側に、図7で説明した配列磁石集合体を一体化してなる円筒状の可動子300が、固定子200に沿って直動可能に組み合わされる。図示していないが、配列磁石集合体も円筒状のケーシングで保持する構成とするのが望ましい。第1の実施形態と同様、可動子300も、ケーシング210の周囲に軸受等を介して直動可能に組み合わされるが、ケーシング210に沿うように配置されたガイド棒を介して直動可能に支持されても良い。
可動子300は、図7で説明したように、2組の配列磁石体の一方の組は、第1の円筒状永久磁石110の磁極の向きが、他方の組の配列磁石体の第1の円筒状永久磁石110の磁極の向きと反対になるように他方の組に組み合わせるようにして、第3の円筒状永久磁石13を共用する構成としている。配列磁石体の組数は、可動子300の必要推力により決められる。また、円筒型リニアモータとしての可動距離範囲は、図9の場合、(環状コイルの合計長−配列磁石集合体の全長)となる。
なお、本実施形態においても、ケーシング200の内径側と環状コイルの外周との間にギャップを設けるか、または環状コイルの内周側に一端側から他端側に連なる貫通路を設けると共に、蓋部材211A、211Bにそれぞれ、等角度間隔をおいて中心軸方向に貫通する複数の孔を設け、一方の側の孔から圧縮空気等の冷媒を導入し、他方の側の孔から冷媒を排出することにより、固定子200の冷却を行うことができる。
(第2の実施形態の効果)
以上の説明のように、本発明の第2の実施形態による円筒型リニアモータは、図3、図7で説明した円筒状のハルバッハ配列磁石体を用いたことにより、生成される磁束の大部分が円筒状のハルバッハ配列磁石体の内周側、すなわち中心軸側に固定配置されている環状コイルに作用するので、磁気漏洩の低減、エネルギー効率の向上を実現することができ、環状コイルに作用する磁束密度が大幅に増加する。また、可動子側には電線の配線がなく、コイルを可動子とした場合のように、配線の屈曲による断線の心配がなくなる。
(第3の実施形態)
図10を参照して、磁石可動型の円筒型リニアモータの変形例を第3の実施形態として説明する。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、図8で説明した可動子100、つまり複数の環状コイルを固定子400とし、図8で説明した環状コイルの空間内に配置されている配列磁石集合体による固定子30を可動子500として構成している。
図10に外観を示すように、ケーシング410の断面円形空間の内壁に複数の環状コイル420を長さ方向(中心軸方向)に沿って配置して固定子400とし、環状コイル420の内側空間に中心軸に沿って直動自在に可動軸510を設けると共に、可動軸510の外周に、図8で説明した配列磁石集合体を中心軸方向に沿って固着して可動子500としている。そして、図8で説明したセンター軸40を延長したものが可動軸510となる。可動軸510の両端を脚部520で支持し、可動軸510の直動運動をこれらの脚部520を介して、テーブル600上に固定したリニアガイド530でガイドする。
(第3の実施形態の効果)
本実施形態においては、配列磁石体は図6に示す態様の配列なので、磁束のほとんどが配列磁石体の外周側、すなわちコイルのある外側の空間に集まり、円筒型リニアモータの推力を大幅に向上させることができる。また、可動子側には電線の配線がなく、コイルを可動子とした場合のように、配線の屈曲による断線の心配がなくなる。
(第4の実施形態)
図13を参照して、図8に示した構造をリニア発電機として適用する場合の一例を第4の実施形態として説明する。
本実施形態は、本発明をエネルギー変換機のうちの円筒型リニア発電機に適用した例であり、特に、水上の波による上下動を利用して電気エネルギーを得る、いわゆる波力発電機に適用した例である。
本波力発電機は、図8で説明した円筒型リニアモータとは異なり、配列磁石集合体側を可動子650とし、環状コイル側を固定子700としている。また、配列磁石集合体及び環状コイルのサイズも図8の数値例よりも大きい方が望ましい。一方、配列磁石集合体側及び環状コイル側の構造や永久磁石の材料は図8で説明したものと同じで良い。そこで、図13において図8と同じ構成要素については、便宜上、同じ参照番号を付して説明する。
図13において、可動子650は、図2で説明した配列磁石体(ハルバッハ配列磁石体)を複数組、ここでは5組を直列に繋ぎ合わせてなる。図6で説明したように、隣り合う2組の配列磁石体の一方の組は、第1の円筒状永久磁石10の磁極の向きが、他方の組の配列磁石体の第1の円筒状永久磁石10の磁極の向きと反対になるように他方の組に組み合わせるようにして、第2の円筒状永久磁石12又は第3の円筒状永久磁石13を交互に共用する構成としている。但し、図13では、図8と異なり、図中、下方から1組目と2組目で第2の円筒状永久磁石12を共用し、2組目と3組目では第3の円筒状永久磁石13を共用し、3組目と4組目で第2の円筒状永久磁石12を共用し、4組目と5組目では第3の円筒状永久磁石13を共用する構成としている。
このような配列磁石体を複数組、直列に繋ぎ合わせて配列磁石集合体を構成する手法は、図8で説明した手法と同じで良く、サイズが異なるだけである。
図8で説明した手法により一体化した配列磁石集合体を円筒状のケーシング50内に挿着する。ケーシング50は、配列磁石集合体の外周に密着するような内径で薄い肉厚の方が望ましいが、海中に水没する部分があるので、耐腐食性や機械的強度等を考慮して材料、厚さが決定される。ケーシング50の両端は蓋部材42A、42Bで塞ぐようにし、ケーシング50内の気密を維持する必要があるので、ケーシング50と蓋部材42A、42Bの間に、O(オー)リング等のシール材を設けるか、あるいはロウ付け等の方法により密閉する。センター軸40、ケーシング50は、ステンレス等の材料を使用することができる。
可動子650は、その上端側においてブイ(フロート)800に固定され、中心軸が水中で上下方向(鉛直方向)を向くように設置される。可動子650はまた、波によりブイ800と共に流されずしかも傾かずに上下動可能となる支持構造(図示省略)を介して設置される。なお、ブイ800は、可動子650の上下動に際して固定子700と干渉し合わないように構成すれば可動子650の上下両端の間、又は可動子650の下端側に固定されても良い。この場合、可動子650及び固定子700の少なくとも一部を水没させずに済ませることができる。
上記のように構成された固定子650の外周側に、円筒状の固定子700が組み合わされる。固定子700は、6個の環状(円筒状を含む)コイル80−1U、80−1V’、80−1W、80−2U’、80−2V、80−2W’をそれらの中心軸方向に直列に並ぶようにコイルケーシング90に装着したものを、円筒状のシリンダ95内にその内壁に密着するように収容してなる。なお、U’、V’、W’は、巻線の方向が逆向きであることを示す。6個の環状コイルはそれぞれボビンに巻線を巻回してなり、3つの巻線を1組にしてスターあるいはデルタ結線されて、整流手段を含む三相の処理回路及び出力回路(いずれも図示省略)に接続される。ケーシング50の外周壁とコイルケーシング90の内周壁との間のギャップは小さい方が望ましいことは言うまでも無い。シリンダ95は、フレーム96を介して筏900に取り付けられている。
図13においては、便宜上、筏900を小さく描いているが、実際には、可動子650、固定子700、フロート800の大きさに比べてかなり大きい。これは、可動子650がブイ800と共に波により上下動するのに対し、固定子700は、波の影響を受けずに可動子650に対してほぼ静止状態にあることが望ましいからである。しかし、可動子650と固定子700との間で大きな相対的変位を得ることができる構造であればよく、水上に突出するように水底に立設した支柱に固定子700を固定するような構造でも良い。また、図13では可動子650及びブイ800の組立体と固定子700の組み合わせ体を1組のみ示しているが、実際には、発電量を大きくするために、1つの筏900に上記組み合わせ体が複数組設置される。
本波力発電機における永久磁石とコイルの関係については、図11、図12を参照して説明した通りとして良い。
本第4の実施形態でも6個の環状コイルを示しているが、前述した三相の円筒型リニアモータと同様、本第4の実施形態の構成に必要な環状コイルの最小限の個数は3個である。つまり、固定子側のコイルは、U相、V相、W相の三相1組を単位とし、可動子650の変位量に応じて複数組設置される。6個の環状コイルの合計長は、一例を挙げれば、(第2又は第3の円筒状永久磁石の長さ×2+第1の円筒状永久磁石の長さ×2)である。また、可動子650の可動距離範囲は、図13の場合、(配列磁石集合体の全長−6個の環状コイルの合計長)となる。
コイルケーシング90は、その内径がケーシング50の外径より大きく、配列磁石集合体の外周と環状コイルの内周との間、厳密にはケーシング50の外周とコイルケーシング90の内周との間に微小ギャップが形成される。
以上のような構成により、ほぼ静止状態にある固定子700に対して波力によって可動子650が上下動することにより三相の環状コイル80−1U、80−1V’、80−1W、80−2U’、80−2V、80−2W’に誘起される電力を、整流手段を含む処理回路、出力回路を通して取り出すことができる。
なお、図13では配列磁石集合体側を可動子650とし、環状コイル側を固定子700としているが、配列磁石集合体側を固定子とし、環状コイル側を可動子とすることもできる。すなわち、配列磁石集合体側と環状コイル側との位置関係は図13に示すままとしたうえで、配列磁石集合体側を筏又は水底に立設した支柱に取り付けて静止状態を維持できるようにして固定子とし、環状コイル側を波により傾くことなく上下動するようにブイに取り付けて可動子とする。言い換えれば、配列磁石集合体側と環状コイル側のどちらにブイを取り付けるかで、どちらを可動子にするかが決まる。
しかし、いずれにしても、波による配列磁石集合体側又は環状コイル側の上下動により環状コイル側に誘起される電力を波力発電電力として得ることができる。
(第4の実施形態の効果)
本実施形態においては、ハルバッハ配列磁石集合体を用いることにより、これまでのハルバッハ配列磁石集合体を用いない波力発電機に比べて発電量が増えるので増幅手段無しでダイレクトに電力を取り出すことのできる波力発電機を提供することができる。
本発明による波力発電機はまた、図9で説明した構造にも適用可能である。すなわち、図9に示される配列磁石集合体側、環状コイル側の一方にブイを取り付けて波により上下動する可動子とし、配列磁石集合体側、環状コイル側の他方をほぼ静止状態に維持できるようにして固定子とすれば良い。
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでも無い。例えば、ハルバッハ配列磁石体、U相、V相、W相のコイルはいずれも複数組の場合について説明しているが、これらは1組でも円筒型リニアモータ、リニア発電機としての作用を実現することができる。
本発明によるエネルギー変換機は、リニアモータやリニア発電機への適用に適している。
10、110 第1の円筒状永久磁石
12 第2の円筒状永久磁石
13 第3の円筒状永久磁石
30、200、400、700 固定子
40 センター軸
41A、41B ナット
50、210、410 ケーシング
80−1U、80−2U’、80−1V’、80−2V、80−1W、80−2W’、420 環状コイル
90 コイルケーシング
95 シリンダ
96 フレーム
100、300、500、650 可動子
510 可動軸
520 脚部
530 リニアガイド
600 テーブル
800 ブイ
900 筏

Claims (9)

  1. 長さ方向に異方性を持つ第1の円筒状永久磁石の一端側に、半径方向に異方性を持つ第2の円筒状永久磁石を組み合わせ、他端側には半径方向に異方性を持つと共に前記第2の円筒状永久磁石の磁極の向きとは反対の磁極の向きを持つ第3の円筒状永久磁石を組み合わせてなる配列磁石体を少なくとも1組備えたことを特徴とするエネルギー変換機。
  2. 前記配列磁石体は、前記第1の円筒状永久磁石のN極側に、外周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第2の円筒状永久磁石を組み合わせ、前記第1の円筒状永久磁石のS極側に、中心軸側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第3の円筒状永久磁石を組み合わせてなり、
    前記配列磁石体を複数組、直列に組み合わせた配列磁石集合体を備え、該配列磁石集合体において隣り合う2組の前記配列磁石体の一方の組は、前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きが、他方の組の前記配列磁石体の前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きと反対になるように前記他方の組に組み合わせるようにして、前記第3の円筒状永久磁石又は第2の円筒状永久磁石を交互に共用する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換機。
  3. 前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体的に構成した断面円形の固定子と、
    前記固定子の外周側に該固定子に沿って直動可能に組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した可動子とで、円筒型リニアモータとして作用するように構成したことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換機。
  4. 前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体的に中心軸方向に可動とした断面円形の可動子と、
    前記可動子の外周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した固定子とで、円筒型リニアモータとして作用するように構成したことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換機。
  5. 前記配列磁石体は、前記第1の円筒状永久磁石のS極側に、外周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第2の円筒状永久磁石を組み合わせ、前記第1の円筒状永久磁石のN極側に、内周側に向かう半径方向に磁極の向きを持つ前記第3の円筒状永久磁石を組み合わせてなり、
    前記配列磁石体を複数組、直列に組み合わせた配列磁石集合体を備え、該配列磁石集合体において隣り合う2組の前記配列磁石体の一方の組は、前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きが、他方の組の前記配列磁石体の前記第1の円筒状永久磁石の磁極の向きと反対になるように前記他方の組に組み合わせるようにして、前記第3の円筒状永久磁石又は第2の円筒状永久磁石を交互に共用する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換機。
  6. 前記配列磁石集合体を一体的に中心軸方向に可動とした断面環状形の可動子と、
    前記可動子の内周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した固定子とで、円筒型リニアモータとして作用するように構成したことを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換機。
  7. 前記円筒型リニアモータは三相駆動型であり、前記複数の環状コイルがU相コイル、V相コイル、W相コイルの組み合わせを1組とする少なくとも1組からなることを特徴とする請求項3、4、6のいずれか1項に記載のエネルギー変換機。
  8. 前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体的に中心軸方向に可動とした断面円形の可動子と、
    前記可動子の外周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿うように配置した固定子とを備え、
    前記可動子にブイを取り付けて波により前記可動子を上下動させて、前記可動子と前記固定子の間に相対的変位を生じさせるようにして、波力発電機として作用するように構成したことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換機。
  9. 前記配列磁石集合体における前記第1〜第3の円筒状永久磁石のそれぞれの中心部の穴に軸体を挿着して一体化した断面円形の固定子と、
    前記固定子の外周側に中心軸方向に沿って組み合わされ、円筒状のケーシングに該ケーシングと同心の複数の環状コイルを前記ケーシングに沿いかつ前記ケーシングと共に前記中心軸方向に可動とした断面円形の可動子とを備え、
    前記可動子にブイを取り付けて波により前記可動子を上下動させて、前記可動子と前記固定子の間に相対的変位を生じさせるようにして、波力発電機として作用するように構成したことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換機。
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