以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。なお各図は、本発明を十分に理解できる程度に概略的に示してあるに過ぎない。よって本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。また以下の説明において上流及び下流は、紙幣の搬送方向を意味している。以下では便宜的に、上流側を鑑別部18の前側とし、下流側を鑑別部18の後側として説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動取引装置の構成]
図1に外観を示すように、現金自動取引装置1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行う。筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に顧客応対部3が設けられている。
顧客応対部3は、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7及びレシート発行口8が設けられており、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行う。カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理的なキーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。
筐体2内には、現金自動取引装置1全体を統轄制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。
以下では、現金自動取引装置1のうち利用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した利用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
[1−2.紙幣入出金機の内部構成]
紙幣入出金機10は、図2に示すように、箱状の入出金機筐体11を中心に構成されており、制御部12が各部(入出金部16、鑑別部18、一時保留部20、取忘れ回収庫22、搬送部24、紙幣収納庫26及びリジェクト庫28)を統轄制御する。
制御部12は、図示しないCPUを中心に構成されており、ROM、RAM、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部14から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。
紙幣入出金機10の内部の上側には、入出金部16、紙幣の金種や真偽を判定する鑑別部18、入金紙幣等を一時的に保留する一時保留部20及び入出金部16から顧客が取り忘れた取忘れ紙幣を収納する取忘れ回収庫22等が設けられている。
入出金部16は、入出金機筐体11内における前側上部に配され、顧客から投入された紙幣を1枚ずつ分離し搬送部24へ繰り出す。
搬送部24は、図示しないローラやベルト等により、図中実線で示す搬送路に沿って長方形の紙幣を短手方向に搬送する。搬送部24は、鑑別部18を前後方向に挿通させるように紙幣を搬送し、該鑑別部18の後側と一時保留部20、紙幣収納庫26及び取忘れ回収庫22とをそれぞれ接続している。また搬送部24は、鑑別部18の前側と入出金部16及びリジェクト庫28とを接続している。搬送部24の分岐点には、セレクタ(図中三角形で示す)が設けられており、制御部12の制御に基づき回動することにより、紙幣の搬送先を切り替える。
鑑別部18は、その内部で紙幣を搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等(正損)を鑑別し、その鑑別結果を制御部12へ通知する。また鑑別部18は、撮像した紙幣の画像データから記番号を読み取り識別し、その識別結果を制御部12へ通知する。これに応じて制御部12は、取得した鑑別結果及び識別結果に基づいて紙幣の搬送先を決定する。
一時保留部20は、入出金機筐体11内における前後方向のほぼ中央部であって搬送部24の上に隣接する位置に配され、いわゆるテープエスクロ方式を採用しており、円筒形状のドラムの周側面に紙幣をテープと共に巻き付けることで該紙幣を収納し、またこの周側面から該テープを引き剥がすことで紙幣を繰り出す。
取忘れ回収庫22は、入出金機筐体11内における後側上部であって搬送部24の上に隣接する位置に配され、内部に紙幣を収納する空間を有している。この取忘れ回収庫22は、入出金部16から顧客が取り忘れた取忘れ紙幣が搬送部24により搬送されてくると、これを内部に収納する。
紙幣入出金機10の内部の下側には、再利用すべきでない紙幣を収納するリジェクト庫28と、再利用可能な紙幣を収納する5個の紙幣収納庫26とが設けられている。
リジェクト庫28は、入出金機筐体11内における前側下部に配され、上下方向に長い直方体状に形成されると共に内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。このリジェクト庫28は、鑑別部18及び制御部12により損傷の程度が大きく再利用すべきで無いと判断された紙幣が搬送部24により搬送されて来ると、該紙幣を内部に収納する。
入出金機筐体11内におけるリジェクト庫28の後方には、前側から後側へ向けて順に5個の紙幣収納庫26(26A、26B、26C、26D及び26E)が設けられている。各紙幣収納庫26は、何れも同様に構成されており、上下方向に長い直方体状に形成されると共に内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。各紙幣収納庫26は、それぞれ収納すべき紙幣の金種が予め設定されている。この紙幣収納庫26は、鑑別部18及び制御部12により損傷の程度が小さく再利用が可能であると判断された紙幣が、その金種に応じて搬送部24により搬送されてくると、該紙幣を内部に集積して収納する。また紙幣収納庫26は、制御部12から紙幣を繰り出す指示を受け付けると、集積している紙幣を1枚ずつに分離して繰り出し、搬送部24に受け渡す。
かかる構成において現金自動取引装置1は、鑑別部18による紙幣の鑑別結果及び識別結果等をもとに主制御部9及び制御部12が各部を制御して、紙幣の入金処理及び出金処理等を行う。
すなわち現金自動取引装置1は、入金取引時、顧客により操作表示部6を介して入金取引が選択され入出金部16に紙幣が投入されると、投入された紙幣を入出金部16から1枚ずつ鑑別部18に搬送して該鑑別部18内を搬送する。ここで現金自動取引装置1は、鑑別部18の鑑別結果及び識別結果に基づき入金可能と判定された入金可能紙幣については一時保留部20に搬送して一時的に収納する。一方で現金自動取引装置1は、入金に適さないと判定された入金リジェクト紙幣については入出金部16へ戻して顧客に返却する。その後顧客により入金金額が確定されると、現金自動取引装置1は、一時保留部20に収納している紙幣のうち収納可能と判定された紙幣については、その金種に応じて各紙幣収納庫26へ搬送して保管する。一方で現金自動取引装置1は、収納に適さないと判定された紙幣については、リジェクト庫28へ搬送する。
一方出金取引時、現金自動取引装置1は、顧客により操作表示部6を介して出金取引が選択され出金金額が入力されると、要求金額に応じて必要な金種毎の紙幣枚数を認識し、この金種毎の紙幣枚数に応じて各紙幣収納庫26から紙幣を繰り出して鑑別部18に搬送して該鑑別部18内を搬送し、鑑別結果及び識別結果を得る。ここで現金自動取引装置1は、鑑別部18の鑑別結果及び識別結果に基づき出金可能と判定された出金可能紙幣については入出金部16に搬送する。一方で現金自動取引装置1は、出金に適さないと判定された出金リジェクト紙幣についてはリジェクト庫28へ搬送して収納する。そして要求金額分の紙幣が入出金部16へ集積されると、現金自動取引装置1は、シャッタを開ける。これにより入出金部16内に集積されている紙幣の受け取りが可能な状態となり、顧客がこの紙幣を受け取る。その後現金自動取引装置1は、一時保留部20に収納している出金リジェクト紙幣をリジェクト庫28へと搬送して保管する。
[1−3.鑑別部の構成]
鑑別部18は図3に示すように、L型形状の鑑別搬送部82と、鑑別搬送部82の後方上側に配され該鑑別搬送部82に着脱可能な略直方体状の鑑別センサ部84とにより構成されている。
鑑別搬送部82は、前後方向に延びる箱型の搬送下側フレーム30Aと、該搬送下側フレーム30Aの前方に配され上下方向に延びる箱型の搬送前側フレーム30Bとにより構成されている。鑑別センサ部84は、前後方向に延びる箱型の鑑別上側フレーム40Aと、該鑑別上側フレーム40Aの下方に配され前後方向に延びる箱型の鑑別下側フレーム40Bとにより構成されている。以下では搬送下側フレーム30A及び搬送前側フレーム30Bをまとめて搬送フレーム30とも呼び、鑑別上側フレーム40A及び鑑別下側フレーム40Bをまとめて鑑別フレーム40とも呼ぶ。この搬送下側フレーム30A、搬送前側フレーム30B、鑑別下側フレーム40B及び鑑別上側フレーム40Aは、鑑別部18内の各構成部品を支持するフレーム部材である。鑑別上側フレーム40Aと鑑別下側フレーム40Bとの間と、鑑別下側フレーム40Bと搬送前側フレーム30Bとの間と、搬送下側フレーム30Aと搬送前側フレーム30Bとの間と、鑑別上側フレーム40Aと搬送前側フレーム30Bとの間とには、紙幣BLを搬送する搬送路43が設けられている。
鑑別上側フレーム40Aは、鑑別下側フレーム40Bに設けられた支柱部37(支柱部37L及び37R(図4))における回動支点37aを軸として後端が上方へ移動するよう回動可能に構成されている。鑑別上側フレーム40Aは、搬送路43に詰まった紙幣が取り除かれる保守作業が行われる際、保守作業者により回動支点37aを軸として回動されることにより、鑑別センサ搬送路43A(後述する)を外部に開放し、保守作業者が鑑別センサ搬送路43A内にアクセスし易い状態となる。搬送下側フレーム30Aは、前後方向に延びる上側の板状部分から鑑別下側フレーム40Bの下側の板状部分に向かうよう上方に突出する固定部35A及び35Bが形成されている。鑑別下側フレーム40Bは、それぞれ固定部35Aにネジ等の固定部材46Aが、固定部35Bにネジ等の固定部材46Bが螺合することにより、搬送下側フレーム30Aに着脱可能に固定されている。
鑑別部18は、搬送路43の周囲に、搬送下側搬送ガイド31、搬送前側搬送ガイド32、鑑別上側搬送ガイド41及び鑑別下側搬送ガイド42と、駆動ローラ34A、33C、44A、44B、44C及び44Dと、従動ローラ33A、33B、45A、45B、45C、45Dと、振分機構36と、厚み情報取得部50と、光学情報取得部60と、磁気情報取得部70とを有している。
搬送下側搬送ガイド31は、搬送下側フレーム30Aの前端に設けられ紙幣をガイドするガイド部材である。搬送前側搬送ガイド32は、搬送前側フレーム30Bの後端に設けられ搬送下側搬送ガイド31、鑑別上側搬送ガイド41及び鑑別下側搬送ガイド42と対向し紙幣をガイドするガイド部材である。鑑別上側搬送ガイド41は、前後方向に沿って延び前端が上方に向かって湾曲する形状であり、鑑別上側フレーム40Aの前端及び下端に設けられ鑑別下側搬送ガイド42及び搬送前側搬送ガイド32と対向し紙幣をガイドするガイド部材である。鑑別下側搬送ガイド42は、前後方向に沿って延び前端が下方に向かって湾曲する形状であり、鑑別下側フレーム40Bの前端及び上端に設けられ鑑別上側搬送ガイド41及び搬送前側搬送ガイド32と対向し紙幣をガイドするガイド部材である。以下では搬送下側搬送ガイド31及び搬送前側搬送ガイド32をまとめて搬送部搬送ガイドとも呼び、鑑別上側搬送ガイド41及び鑑別下側搬送ガイド42をまとめて鑑別部搬送ガイドとも呼ぶ。
厚み情報取得部50は紙幣BLの厚み情報を取得する。光学情報取得部60は、搬送路43の幅ba(図4)よりも僅かに広い搬送幅方向の検出領域を有し、紙幣BLの画像情報を取得する。磁気情報取得部70は紙幣BLの磁気情報を取得する。以下では、紙幣が搬送される方向である搬送方向と、紙幣の紙面に直交する方向である厚み方向とに直交する方向を搬送幅方向とも呼ぶ。また以下では、厚み情報取得部50、光学情報取得部60及び磁気情報取得部70をまとめて読取手段76とも呼ぶ。
搬送路43は、鑑別センサ搬送路43A、搬送路間隔変更部43B、搬送路間隔変更部前搬送路43C、分岐部43D、入出金部側搬送路43E及びリジェクト庫側搬送路43Fにより構成されている。以下では鑑別センサ搬送路43A、搬送路間隔変更部43B及び搬送路間隔変更部前搬送路43Cをまとめて鑑別部搬送路43ABCとも呼び、入出金部側搬送路43E及びリジェクト庫側搬送路43Fをまとめて搬送部搬送路43EFとも呼ぶ。
鑑別センサ搬送路43Aは、鑑別上側搬送ガイド41のガイド面41Aと鑑別下側搬送ガイド42のガイド面42Aとの間に形成される。また鑑別センサ搬送路43Aは、鑑別センサ部84の後端において搬送部24(図2)における鑑別部18の後方と紙幣を受け渡す箇所である搬送路受渡部80Aから、搬送路間隔変更部43Bまで延び、該搬送路受渡部80Aと該搬送路間隔変更部43Bとの間で紙幣BLを前後方向に走行させる。また鑑別センサ搬送路43Aは、搬送される紙幣の厚み方向に沿った間隔である搬送路間隔が間隔dcで形成されている。これにより鑑別センサ搬送路43Aは、鑑別上側搬送ガイド41のガイド面41Aと鑑別下側搬送ガイド42のガイド面42Aとの間において、紙幣BLの位置を光学情報取得部60の焦点深度に合わせると共に、磁気情報取得部70及び厚み情報取得部50に送り込まれる際の紙幣BLの変形を押さえている。
搬送路間隔変更部43Bは、駆動ローラ44Cと従動ローラ45Cとの近傍において、鑑別上側搬送ガイド41に設けた上側スロープ41Bと鑑別下側搬送ガイド42に設けた下側スロープ42Bとの間に形成される。また搬送路間隔変更部43Bは、鑑別センサ搬送路43Aの前端から搬送路間隔変更部前搬送路43Cまで延び、該鑑別センサ搬送路43Aと該搬送路間隔変更部前搬送路43Cとの間で紙幣BLを前後方向に走行させる。また搬送路間隔変更部43Bは、後端から前端に向かうに連れて搬送路間隔が間隔dcから間隔dbへ広くなっている。これにより鑑別部18は、前方から後方へ向けて搬送される紙幣BLの搬送方向先端側の端部にめくれ部等の変形があっても、該めくれ部が鑑別上側搬送ガイド41及び鑑別下側搬送ガイド42に押さえつけられて引っかからないようにし、該紙幣BLを入出金部側搬送路43Eから搬送路間隔変更部43Bまで搬送する。
搬送路間隔変更部前搬送路43Cは、鑑別上側搬送ガイド41の前側に位置するガイド面41Cと鑑別下側搬送ガイド42の前側に位置するガイド面42Cとの間に形成され、搬送路間隔変更部43Bの前端から分岐部43Dまで延び、該搬送路間隔変更部43Bと該分岐部43Dとの間で紙幣BLを前後方向に走行させる。また搬送路間隔変更部前搬送路43Cは、搬送路間隔が間隔dcよりも広い間隔dbで形成される。
分岐部43Dは、鑑別上側搬送ガイド41のガイド面41Cと鑑別下側搬送ガイド42のガイド面42Cとの間に配され、搬送路間隔変更部前搬送路43Cの前端から鑑別センサ部84の上方と下方とに分岐する。
入出金部側搬送路43Eは、鑑別上側搬送ガイド41のガイド面41Cと振分機構36の上側振分面36Aとの間と、鑑別上側搬送ガイド41のガイド面41Cと搬送前側搬送ガイド32のガイド面32Aとの間に形成される。また入出金部側搬送路43Eは、分岐部43Dから、鑑別センサ部84の上端において入出金部16と紙幣を受け渡す箇所である入出金部側受渡部80Bまで延び、該分岐部43Dと該入出金部側受渡部80Bとの間で紙幣BLを上下方向に走行させる。また入出金部側搬送路43Eは、搬送路間隔が間隔dbと同じ間隔daで形成される。
リジェクト庫側搬送路43Fは、鑑別下側搬送ガイド42のガイド面42Cと振分機構36の下側振分面36Bとの間と、鑑別下側搬送ガイド42のガイド面42Cと搬送前側搬送ガイド32のガイド面32Aとの間と、搬送下側搬送ガイド31のガイド面31Aと搬送前側搬送ガイド32のガイド面32Aとの間に形成される。またリジェクト庫側搬送路43Fは、分岐部43Dから、鑑別センサ部84の下端においてリジェクト庫28と紙幣を受け渡す箇所であるリジェクト庫受渡部80Cまで延び、該分岐部43Dと該リジェクト庫受渡部80Cとの間で紙幣BLを上下方向に走行させる。またリジェクト庫側搬送路43Fは、搬送路間隔が間隔dbと同じ間隔daで形成される。
紙幣入出金機10は、制御部12の制御に基づいて、紙幣BLを搬送路43に沿って入出金部側受渡部80Bから搬送路受渡部80Aへ、又は搬送路受渡部80Aから入出金部側受渡部80Bへ、又は搬送路受渡部80Aからリジェクト庫受渡部80Cへ走行させながら、紙幣BLの鑑別処理を行う。
駆動ローラ34A、33C、44A、44B、44C及び44D並びに従動ローラ33A、33B、45A、45B、45C及び45Dは、紙幣入出金機10が取り扱う紙幣BLの種類のうちの最大幅の紙幣BLである最大幅紙幣の搬送幅方向に沿った幅よりも狭い範囲において、搬送幅方向に沿って複数(例えば4個)設けられている。
搬送前側搬送ガイド32には、駆動ローラ33Cが左右方向を軸に、すなわち紙幣BLの搬送方向と直交する方向に向けるよう回転可能に取り付けられている。搬送下側搬送ガイド31には、駆動ローラ34Aが左右方向を軸に回転自由に取り付けられている。鑑別下側搬送ガイド42の上側には、駆動ローラ44A、44B、44C及び44D並びに厚み基準ローラ51及び磁気ギャップローラ72が左右方向を軸に回転可能に取り付けられている。
駆動ローラ33Cは、外周面の一部を搬送前側搬送ガイド32に形成された開口部から搬送路43に突出させている。駆動ローラ34Aは、外周面の一部を搬送下側搬送ガイド31に形成された開口部から搬送路43に突出させている。駆動ローラ44A、44B、44C及び44D並びに厚み基準ローラ51及び磁気ギャップローラ72は、それぞれの外周面の一部を鑑別下側搬送ガイド42に形成された開口部から搬送路43に突出させている。
鑑別上側搬送ガイド41の下側には、従動ローラ45A、45B及び45Cが左右方向を軸に回転可能且つ上下方向に移動可能に取り付けられている。鑑別上側搬送ガイド41の前側には、従動ローラ45Dが左右方向を軸に回転可能で且つ前後方向に移動可能に取り付けられている。搬送前側搬送ガイド32には、従動ローラ33A及び33Bが左右方向を軸に回転可能且つ前後方向に移動可能に取り付けられている。従動ローラ45A、45B、45C及び45Dは、それぞれの外周面の一部を鑑別上側搬送ガイド41に形成された開口部から搬送路43内に突出させている。従動ローラ33A及び33Bは、それぞれの外周面の一部を搬送前側搬送ガイド32に形成された開口部から搬送路43内に突出させている。
従動ローラ45A、45B、45C、45D、33A及び33Bは、図示しない圧縮ばねである付勢部材により、それぞれ駆動ローラ44A、44B、44C、33C、34A及び44Dに押し付けられている。この付勢部材の押付け荷重は、搬送路43の搬送路間隔が間隔da、間隔db又は間隔dcの何れの箇所においても、紙幣と、ガイド面41A、42A、31A及び32A並びに上側振分面36A及び下側振分面36Bとの摩擦力よりも、従動ローラ45A、45B、45C、45D、33A及び33Bが紙幣を駆動ローラ44A、44B、44C、33C、34A及び44Dに押し付けることで発生する、駆動ローラ44A、44B、44C、33C、34A及び44Dから紙幣BLへの摩擦力が大きくなるように設定されている。このとき、従動ローラ45Cの付勢部材は、他の従動ローラ33A、33B、45A、45B及び45Dの付勢部材よりも大きい荷重で該従動ローラ45Cを駆動ローラ44Cに押し付ける。
[1−4.スロープ面及びリブの構成]
入出金部側搬送路43Eの左右方向は、図4に示すように、搬送前側フレーム30Bの左端において前後方向に沿って延在する内壁面である壁面30BLと、右端において前後方向に沿って延在する内壁面である壁面30BRとにより規制されており、搬送幅方向に沿った搬送路幅である幅baは最大幅紙幣の左右方向の幅よりも広く設けられている。鑑別センサ搬送路43A、搬送路間隔変更部43B及び搬送路間隔変更部前搬送路43Cの左右方向は、鑑別下側フレーム40Bの左端に設けられた支柱部37Lの右側面において前後方向に沿って延在する壁面37LSと、鑑別下側フレーム40Bの右端に設けられた支柱部37Rの左側面において前後方向に沿って延在する壁面37RSとにより規制されている。
壁面37LSの後方には、前方から後方へ向かうに連れて左側へ傾斜し、法線が後右側を向く平面であるスロープ面37LBが形成されている。壁面37LSの前方には、前方へ向かって突出する突出部としてのリブ37LCが形成されている。リブ37LCの右側面には、後方から前方へ向かうに連れて左側へ傾斜し、法線が前右側を向く平面であるリブスロープ面37LCAが形成されている。壁面30BLの後端部には、前方から後方へ向かうに連れて左側へ傾斜し、法線が後右側を向く平面であるスロープ面30BLAが形成されている。スロープ面30BLAよりも左方には、リブ37LCが入り込む溝部30BLBが形成されている。リブ37LCは溝部30BLBに挿入されている。このためリブ37LCの前端部はスロープ面30BLAの後端部よりも左側の前側に位置しており、リブ37LCはスロープ面30BLAよりも左側にオーバーラップしている。
壁面37RSの後方には、前方から後方へ向かうに連れて右側へ傾斜し、法線が後左側を向く平面であるスロープ面37RBが形成されている。壁面37RSの前方には、前方へ向かって突出する突出部としてのリブ37RCが形成されている。リブ37RCの左側面には、後方から前方へ向かうに連れて右側へ傾斜し、法線が前左側を向く平面であるリブスロープ面37RCAが形成されている。壁面30BRの後端部には、前方から後方へ向かうに連れて右側へ傾斜し、法線が後左側を向く平面であるスロープ面30BRAが形成されている。スロープ面30BRAよりも右方には、リブ37RCが入り込む溝部30BRBが形成されている。リブ37RCは溝部30BRBに挿入されている。このためリブ37RCの前端部はスロープ面30BRAの後端部よりも右側の前側に位置しており、リブ37RCはスロープ面30BRAよりも右側にオーバーラップしている。
以下ではスロープ面37LB及び37RBをまとめて、戻し時傾斜面としてのスロープ面37Bとも呼ぶ。このスロープ面37Bは、鑑別部搬送路43ABCから搬送部搬送路43EFへ向けて前方へ搬送される紙幣の搬送方向に対向する後方と、搬送幅方向の内側とを含む方向に法線が向いている。また以下ではスロープ面30BLA及び30BRAを、まとめて搬送部側接続部傾斜面としての搬送部側接続部スロープ面とも呼ぶ。この搬送部側接続部スロープ面は、搬送部搬送路43EFから鑑別部搬送路43ABCへ向けて後方へ搬送される紙幣の搬送方向に沿う後方と、搬送幅方向の内側とを含む方向に法線が向いている。また以下ではリブスロープ面37LCA及び37RCAをまとめて鑑別部側接続部傾斜面としての鑑別部側接続部スロープ面とも呼ぶ。この鑑別部側接続部スロープ面は、搬送部搬送路43EFから鑑別部搬送路43ABCへ向けて後方へ搬送される紙幣の搬送方向に対向する前方と、搬送幅方向の内側とを含む方向に法線が向いている。鑑別部側接続部スロープ面における鑑別搬送部82側(前側)の端部は、搬送部側接続部スロープ面における鑑別センサ部84側(後側)の端部よりも幅方向の外側に位置している。また以下では溝部30BLB及び30BRBをまとめて溝部とも呼ぶ。この溝部は、搬送幅方向の内側面に搬送部側接続部スロープ面が形成されており、鑑別センサ部84から離隔するよう前方に向けて凹設されている。また以下ではリブ37LC及び37RCをまとめてリブとも呼ぶ。このリブは、搬送幅方向の内側に鑑別部側接続部スロープ面が形成されており、鑑別搬送部82に近接するよう前方に向けて突設している。
スロープ面37LBの左後先端とスロープ面37RBの右後先端との間の搬送路幅である幅bb、すなわち搬送路間隔変更部43Bよりも後方である鑑別センサ搬送路43Aの搬送路幅は、幅baよりも間隔daの2倍以上広く設けられている。このため鑑別部18は、搬送幅方向の端部から最大で間隔daだけ折れ曲がってめくれが形成された紙幣が支柱部37よりも後方まで搬送された際に、該紙幣のめくれが矯正されて紙幣がめくれのない形状となったときでも、支柱部37よりも後方で引っかかることなく該紙幣を搬送できる。
図5及び図6に示すように、鑑別上側搬送ガイド41には、支柱部37Lのスロープ面37LBに対向して第1傾斜面としてのスロープ面41LSBが形成されている。スロープ面41LSBは、前方から後方へ向かうに連れて左側へ傾斜し、法線が前左側を向く平面である。このようにスロープ面41LSBは、前方から後方へ搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向である前方と、搬送幅方向の外側である左方とを含む方向に法線が向いている。
スロープ面41LSBの左後方には、左右方向に沿って延在する平面である壁面41LSDが形成されている。スロープ面41LSBの下端部、すなわち搬送される紙幣に近接する端部には、前方から後方へ向かうに連れて下側へ傾斜し、法線が前下側を向く平面である第2傾斜面としてのスロープ面41LSAが形成されている。このスロープ面41LSAは、前端部がガイド面41A(図3)よりも上方に位置している。このようにスロープ面41LSAは、前方から後方へ搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向である前方と、搬送される紙幣の紙面に対向する方向である下方とを含む方向に法線が向いている。スロープ面41LSBは、スロープ面41LSAの前端部から、壁面41LSDとの接続箇所までに亘って、連続的に形成されている。
なお図6においては、スロープ面41LSA及びスロープ面41LSBを図示し、スロープ面41RSA及びスロープ面41RSBは図示せず省略するが、スロープ面41RSA及び41RSBは、鑑別上側搬送ガイド41における左右方向の中心を軸としてスロープ面41LSA及び41LSBと線対称に形成されている。以下ではスロープ面41LSA及び41LSBをまとめて傾斜面41LSとも呼び、スロープ面41RSA及び41RSBをまとめて傾斜面41RS(図示せず)とも呼ぶ。また以下では傾斜面41LS及び41RSをまとめて傾斜面41S(図示せず)とも呼ぶ。この傾斜面41LS及び41RSは、前方から後方へ搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向と、搬送幅方向の外側と、搬送される紙幣の紙面に対向する方向とを含む方向に法線が向いている。またスロープ面41LSA及びスロープ面41LSBとスロープ面41RSA及びスロープ面41RSBとは、入出金部側搬送路43Eにおいて振分機構36により上方から前方へカーブするよう搬送方向を変えた紙幣におけるカーブの内側に形成されている。
また鑑別上側搬送ガイド41には、支柱部37Rのスロープ面37RBに対向してスロープ面41RSBが形成されている。スロープ面41RSBは、前方から後方へ向かうに連れて右側へ傾斜し、法線が前右側を向く平面である。スロープ面41RSBの右後方には、左右方向に沿って延在する平面である壁面41RSDが形成されている。スロープ面41RSBの下端部には、前方から後方へ向かうに連れて下側へ傾斜し、法線が前下側を向く平面であるスロープ面41RSAが形成されている。このスロープ面41RSAは、前端部がガイド面41A(図3)よりも上方に位置している。スロープ面41RSBは、スロープ面41RSAの前端部から、壁面41RSDとの接続箇所までに亘って、連続的に形成されている。
このようにスロープ面41LSA及び41LSBとスロープ面41RSA及び41RSBとは、鑑別上側搬送ガイド41における左右方向の中心を軸として線対称に形成されている。
[1−5.読取手段等の構成]
厚み情報取得部50は、厚み検知ローラ部52と、ギャップセンサ55と、厚み基準ローラ51とを有している。厚み検知ローラ部52は、回動支点部52Aにおいて左右方向を軸に回動可能に鑑別上側フレーム40Aに取り付けられている。厚み検知ローラ部52のローラ部分は、外周面の一部を鑑別上側搬送ガイド41に形成された開口部から搬送路43内に突出させている。また厚み検知ローラ部52のローラ部分は、回転支点部52Bにおいて左右方向を軸に回転可能に厚み検知ローラブラケットに取り付けられている。厚み検知ローラ部52は、図示しない圧縮ばねである付勢部材により、厚み基準ローラ51に押し付けられている。ギャップセンサ55は、厚み検知ローラ部52の上方に設けられており、厚み検知ローラ部52が厚み基準ローラ51へ当接するときの位置を基準とし、厚み検知ローラ部52の相対的な変位量を検出して、その検出結果を厚み情報として制御部12へ送出する。制御部12は、この検出結果と予め記憶している厚みの基準値とを比較することにより、変位量が紙幣1枚分又は複数枚分の何れに相当するかを判定し、折れ曲がりや異物の貼り付け等の有無を判断する。
光学情報取得部60は、上側に位置する反射透過センサユニット62と下側に位置する反射センサユニット63とにより構成されている。反射透過センサユニット62と反射センサユニット63とは、鑑別センサ搬送路43Aを挟んで上下に対向して配置されている。光学情報取得部60は、紙幣BLの反射パターン及び透過パターンを検出し、その検出結果を画像情報として制御部12へ送出する。これに応じて制御部12は、光学情報取得部60から取得した紙幣BLの反射パターン及び透過パターンを用いて該紙幣BLの真偽や金種、或いは損傷の程度(正損)等を判定する。
磁気情報取得部70は、磁気センサ71と磁気ギャップローラ72とにより構成されている。磁気センサ71は、鑑別センサ搬送路43Aの上側において鑑別上側搬送ガイド41に固定されている。磁気ギャップローラ72は、その外周面と磁気センサ71の検出面との間に紙幣厚み数枚分の間隙を空けるように、図4に示す磁気ギャップローラ72の左右端部の軸受72LG及び72RGが、図示しない付勢部材(圧縮ばね)により、鑑別上側搬送ガイド41に設けられた図5に示す係止部41LG及び41RGにそれぞれ突き当たっている。磁気情報取得部70は、磁気センサ71により、鑑別センサ搬送路43Aを搬送される紙幣BLの磁気を検出し、その検出結果を磁気情報として制御部12へ送出する。これに応じて制御部12は、磁気情報取得部70から取得した紙幣BLの磁気検出結果を用いて該紙幣BLの真偽や金種等を判定する。
駆動ローラ44A、44B、44C、33C、34A及び44D並びに厚み基準ローラ51及び磁気ギャップローラ72は、それぞれ図示しないアクチュエータから駆動力が伝達されることにより回転する。このとき、従動ローラ45A、45B、45C、45D、33A及び33B並びに厚み検知ローラ部52は、それぞれ対向する駆動ローラ44A、44B、44C、33C、34A及び44D並びに厚み基準ローラ51及び磁気ギャップローラ72に紙幣BLを押し付けながら、それぞれに対応するローラの回転に従動して回転する。これにより鑑別部18は、搬送路43に沿って紙幣BLを搬送する。
振分機構36は、先端が後方を向くブレードであり、上端面の上側振分面36Aと下端面の下側振分面36Bとを有し、回動軸36Cを中心に回動可能に左右方向に複数個が搬送前側フレーム30Bに取り付けられている。振分機構36は、図示しないアクチュエータによって回動することによりブレードの傾斜方向を変化させて紙幣BLの搬送経路を2通りに切り替えるようになっており、鑑別部搬送路43ABCと入出金部側搬送路43Eとを結ぶ搬送経路を形成するか、又は鑑別部搬送路43ABCとリジェクト庫側搬送路43Fとを結ぶ搬送経路を形成する。これにより振分機構36は、分岐部43Dにおいて、上側振分面36Aにより、入出金部側搬送路43E内を上方から下方へ向けて搬送された紙幣BLを鑑別部搬送路43ABCへ、又は鑑別部搬送路43ABC内を後方から前方へ向けて搬送された紙幣BLを入出金部側搬送路43Eへ振り分ける一方、下側振分面36Bにより、鑑別部搬送路43ABC内を後方から前方へ向けて搬送された紙幣BLをリジェクト庫側搬送路43Fへ振り分ける。
[1−6.鑑別部の動作]
かかる構成において鑑別部18は、入金処理を行う場合、制御部12の制御に基づき、図示しないアクチュエータにより振分機構36を駆動し先端が下方向を向くよう切り替えることにより、入出金部側搬送路43Eから鑑別部搬送路43ABCへ紙幣BLが通過できるようにする。次に鑑別部18は、駆動ローラ33C、44C、44B及び44A並びに厚み基準ローラ51及び磁気ギャップローラ72に図示しないアクチュエータにより駆動力を伝達する。
紙幣BLが入出金部16から入出金部側受渡部80Bを介し鑑別部18に搬送されると、鑑別部18は、まず駆動ローラ33Cと従動ローラ45Dとで紙幣BLを挟み、従動ローラ45Dにより駆動ローラ33Cに該紙幣BLを押し付けて下方向への駆動力を伝達し、該紙幣BLを下方向に移動させ振分機構36に搬送する。紙幣BLは、振分機構36の上側振分面36Aに当たることにより、後方向に向きを変え、搬送路間隔変更部前搬送路43Cへ搬送される。
続いて鑑別部18は、駆動ローラ33C及び従動ローラ45Dの駆動力により紙幣BLを搬送路間隔変更部43Bで後方向へ搬送し、該紙幣BLにより従動ローラ45Cを押し上げさせる。これにより鑑別部18は、駆動ローラ44Cと従動ローラ45Cとで紙幣BLを挟み、従動ローラ45Cにより駆動ローラ44Cに該紙幣BLを押し付けて後方向への駆動力を伝達し、該紙幣BLを鑑別センサ搬送路43Aで後方向へ搬送し磁気情報取得部70へ搬送する。続けて紙幣BLは、磁気情報取得部70の磁気ギャップローラ72の駆動力により、磁気センサ71の検出面と磁気ギャップローラ72との間に設けられた間隙を、詰まることなく搬送される。紙幣BLが磁気情報取得部70を通過している間、鑑別部18は、磁気情報取得部70により紙幣BL表面の磁気インク等の磁気情報を取得する。
続いて鑑別部18は、駆動ローラ44C及び従動ローラ45Cの駆動力により紙幣BLを後方向へ搬送し、該紙幣BLにより従動ローラ45Bを押し上げさせる。これにより鑑別部18は、駆動ローラ44Bと従動ローラ45Bとで紙幣を挟み、従動ローラ45Bにより駆動ローラ44Bに該紙幣BLを押し付けて後方向への駆動力を伝達し、該紙幣BLを光学情報取得部60へ搬送する。紙幣BLが光学情報取得部60に搬送され該光学情報取得部60を通過している間、鑑別部18は、光学情報取得部60により紙幣BL表面の反射画像や透過画像等の画像情報を取得する。
続いて鑑別部18は、駆動ローラ44B及び従動ローラ45Bの駆動力により紙幣BLを後方向へ搬送し、該紙幣BLにより従動ローラ45Aを押し上げさせる。これにより鑑別部18は、駆動ローラ44Aと従動ローラ45Aとで紙幣を挟み、従動ローラ45Aにより駆動ローラ44Aに該紙幣BLを押し付けて後方向への駆動力を伝達し、該紙幣BLを厚み情報取得部50へ搬送する。続いて鑑別部18は、駆動ローラ44A及び従動ローラ45Aの駆動力により紙幣BLを後方向へ搬送し、該紙幣BLにより厚み検知ローラ部52を押し上げさせる。これにより鑑別部18は、厚み検知ローラ部52と厚み基準ローラ51とで紙幣を挟み、厚み検知ローラ部52により厚み基準ローラ51に該紙幣BLを押し付けて後方向への駆動力を伝達する。紙幣BLが厚み情報取得部50を通過している間、鑑別部18は、厚み検知ローラ部52の動きの変化をギャップセンサ55により検出し、紙幣BLの厚み情報を取得する。
その後鑑別部18は、厚み検知ローラ部52及び厚み基準ローラ51の駆動力により紙幣BLを後方向へ搬送し、搬送路受渡部80Aを介し鑑別部18の後方へ繰り出す。制御部12は、磁気情報取得部70、光学情報取得部60及び厚み情報取得部50において取得された紙幣BLの情報を図示しない信号伝達手段により取得して紙幣BLの真贋や金種、汚損の度合い等を鑑別し、鑑別結果に基づき、該紙幣BLを一時保留部20へ搬送して貯留するか、又は入出金部16へ搬送して返却する。
以上は入金処理時において紙幣BLが搬送される場合の動作について説明したが、収納処理時において紙幣BLが一時保留部20から紙幣収納庫26又はリジェクト庫28に搬送される場合と、出金処理時において紙幣BLが紙幣収納庫26から入出金部16又はリジェクト庫28に搬送される場合、鑑別部18は、入金処理時に対して各ローラの回転方向を逆にすると共に振分機構36を適宜切り替える。
[1−7.めくれ紙幣の搬送]
ここで、図7(A)に示す、折れやめくれ等の紙幣の一部が変形しためくれ紙幣SAが搬送路43へ搬送される場合について説明する。めくれ紙幣SAは図7(B)に示す左側の下流側の角部がめくれ紙幣SAの厚み方向に入出金部側搬送路43Eの搬送路間隔である間隔daと同じ高さ分だけ鑑別上側搬送ガイド41に向かってめくれためくれ部SAaと、搬送方向の下流側の端部の中央付近においてめくれ紙幣SAの厚み方向に間隔daと同じ高さ分だけ鑑別上側搬送ガイド41に向かってめくれた、めくれ部SAbを有している。
図8に示すように、めくれ紙幣SAのめくれ部SAaが搬送前側フレーム30Bのスロープ面30BLAの位置まで搬送されたとき、めくれ紙幣SAは入出金部側搬送路43Eにおいてカーブしながら搬送される。これに伴い、めくれ部SAaは鑑別下側搬送ガイド42に向かって下側へ広がろうとするため、めくれ紙幣SAは、めくれ部SAaが搬送前側フレーム30Bの壁面30BLに触れた状態で下流へと搬送される。続いて、めくれ紙幣SAは、めくれ部SAaがスロープ面30BLAに触れた状態でさらに下流へと搬送される。
続いて図9に示すようにめくれ部SAaが支柱部37Lのリブ37LCまで搬送されると、めくれ部SAaは、めくれ紙幣SAが元の形状に戻ろうとして左側に広がろうとする。そのため、めくれ紙幣SAは、めくれ部SAaがリブ37LCのリブスロープ面37LCAに触れながら搬送される。続いて、めくれ紙幣SAは、めくれ部SAaが支柱部37Lの左側の壁面37LSに触れながら下流へと搬送される。
続いて図10に示すようにめくれ部SAaが鑑別上側搬送ガイド41のスロープ面41LSBまで搬送されると、めくれ紙幣SAは、スロープ面41LSAとスロープ面41LSBとによりめくれ紙幣SAが元の形状に戻るようにめくれ部SAaが左側に広げられ、さらに下流へと搬送される。
ここで、少し状態を戻し、図11に示すようにめくれ紙幣SAのめくれ部SAbが搬送路間隔変更部前搬送路43Cの位置まで搬送された状態においては、めくれ部SAbの高さが間隔da(すなわち間隔db)と同じになっているため、めくれ紙幣SAは、めくれ部SAbの先端が鑑別上側搬送ガイド41に設けた上側スロープ41Bと鑑別下側搬送ガイド42に設けた下側スロープ42Bとに突っ張った状態で下流へと搬送され、上側スロープ41B及び下側スロープ42Bからめくれ紙幣SAのめくれ部SAbが受ける摩擦力が次第に大きくなってくる。このときめくれ紙幣SAのめくれ部SAbが上側スロープ41B及び下側スロープ42Bから受ける摩擦力は、搬送路43の間隔da及びdbの箇所において受ける摩擦力よりも非常に大きなものとなる。
続いて図12に示すように、めくれ紙幣SAは従動ローラ45Cを上側に押し上げ、従動ローラ45Cと駆動ローラ44Cとに把持された状態となる。ここで、従動ローラ45Cは、他の従動ローラ33A、33B、45A、45B及び45Dよりも大きい荷重で駆動ローラ44Cに押し付けられている。このため、搬送路間隔変更部43Bにおいてめくれ紙幣SAが受ける摩擦力が、搬送路43の搬送路間隔が間隔da及びdbの箇所において紙幣が受ける摩擦力よりも非常に大きなものであったとしても、駆動ローラ44C及び従動ローラ45Cは、該めくれ紙幣SAを下流へと搬送することができる。このため、めくれ紙幣SAは、搬送路間隔変更部43Bよりも下流へと搬送される。
続いて図13に示すように、めくれ紙幣SAのめくれ部SAbが磁気情報取得部70まで搬送されると、めくれ部SAbの厚みは間隔dcであり紙幣数枚分以上となっているため、めくれ紙幣SAは、磁気ギャップローラ72により磁気センサ71に押し付けられてめくれ部SAbが潰され、下流へと搬送される。鑑別部18を抜けた後は、搬送路間隔が間隔dbと広がった搬送部24(図2)に搬送される。以上はめくれ部SAaがめくれ紙幣SAの左側に存在する場合について説明したが。めくれ紙幣SAの右側に存在した場合であっても同様である。
[1−8.効果等]
ここで、図3乃至図6と対応する部材に同一符号を付した図14乃至図17に示す従来の鑑別部218においては、第1の実施の形態による搬送前側フレーム30Bのスロープ面30BLA及び30BRAが設けられていない搬送前側フレーム230Bと、第1の実施の形態による支柱部37のスロープ面37LB及び37RB並びにリブ37RC及び37LCが設けられていない支柱部237(支柱部237L及び237R)と、スロープ面241LSA及び241RSAが設けられた鑑別上側搬送ガイド241と、第1の実施の形態による従動ローラ45Cの付勢部材の荷重を他の従動ローラ33A、33B、45A、45B及び45Dの荷重と同等にした従動ローラ245Cとを設けたものがあった。図17に示すように、スロープ面241LSAの左端部には、前後方向に沿って延在する平面である壁面241LSCが形成されており、スロープ面241LSAの左後方には、左右方向に沿って延在する平面である壁面241LSDが形成されており、スロープ面241LSAの前端部には、左右方向に沿って延在する平面である壁面241LSEが形成されている。
この鑑別部218においてめくれ紙幣SAが搬送されると、図18に示すように、鑑別上側搬送ガイド41と搬送前側フレーム230Bとの隙間に該めくれ紙幣SAが入り込み、めくれ紙幣SAのめくれ部SAaが支柱部237Lに引っかかり搬送できなくなることがある。また、鑑別上側搬送ガイド41と搬送前側フレーム230Bとの隙間に入り込まずに搬送された場合であっても、図19に示すように、めくれ部SAaがスロープ面241LSAの外側に広がり、鑑別上側搬送ガイド241と支柱部237Lとの隙間に入り込み、鑑別上側搬送ガイド241に引っかかり搬送できなくなることがある。また、めくれ部SAaが搬送路間隔変更部43B(図14)において鑑別上側搬送ガイド241の上側スロープ41Bと、鑑別下側搬送ガイド42の下側スロープ42Bとに突っ張り、めくれ紙幣SAが上側スロープ41Bと下側スロープ42Bとから受ける摩擦力に、従動ローラ245Cが駆動ローラ44Cにめくれ紙幣SAを押し付けることにより発生する摩擦力が負け、搬送できなくなることがある。
これに対し鑑別部18は、めくれ紙幣SAが搬送された場合であっても、壁面30BL、スロープ面30BLA、リブ37LC、壁面37LS並びにスロープ面41LSA及び41LSBにより、めくれ部SAaが鑑別上側搬送ガイド41に引っかからないようにしつつ下流に搬送することができる。また鑑別部18は、めくれ部SAbが搬送路間隔変更部43Bにおいて、鑑別上側搬送ガイド41の上側スロープ41Bと鑑別下側搬送ガイド42の下側スロープ42Bとから受ける摩擦力よりも、従動ローラ45Cが駆動ローラ44Cにめくれ紙幣SAを押し付けることにより発生する摩擦力が大きくなると共に、磁気ギャップローラ72によりめくれ部SAbを潰すため、鑑別部搬送路43ABC内で詰まらせることなく該めくれ紙幣SAを搬送できる。また、めくれ紙幣SAは、鑑別部18を抜けた後は、搬送路間隔が間隔dbと広がった搬送部24に搬送されるため、めくれ部が元に戻っても引っかかることがなくなる。
また、鑑別部18の従動ローラ33A、33B、45A、45B、45C及び45Dの付勢部材の荷重を全て従動ローラ45Cと同等に大きくした場合、全ての従動ローラ33A、33B、45A、45B、45C及び45Dの付勢部材の荷重が大きくなる。このためこのような鑑別部の場合、めくれ紙幣SAのめくれ部SAbがガイド面から受ける摩擦力よりも、従動ローラ45A、45B、45C、45D、33A及び33Bが駆動ローラ44A、44B、44C、33C、34A及び44Dに紙幣を押し付けることにより発生する摩擦力の方が大きいため、搬送路43内で詰まらせることなく紙幣を搬送できるが、摩擦力が大きいローラが多いため図示しない駆動モータの負荷が大幅に増大してしまう。
これに対し鑑別部18は、搬送路幅が間隔dbから間隔dcに向かって狭くなる箇所にのみ付勢部材の荷重を大きくしているため、鑑別部218と比較して図示しない駆動モータの負荷の増加を少なくできる。
また、図20に示す従来の鑑別部318においては、搬送路43の搬送路幅である幅bcを最大幅紙幣の幅よりも十分広く、例えば鑑別部18の幅bbと同等にしたものがある。この鑑別部318において、めくれ紙幣SAが図7と同じ位置に繰り出されたとしても、めくれ部SAaは前側フレーム330Bの左側の壁面330BLよりも十分離れるため、引っかからないようにしつつめくれ紙幣SAを搬送できる。しかしながら、搬送路43の搬送路幅を幅bcまで広げたため、鑑別部318の左右方向の幅が鑑別部18に比べて大型化してしまう。
これに対して鑑別部18は、複数のスロープ等を設けることにより、左右方向のサイズを鑑別部318よりも小型化でき、鑑別部218と同等に抑えることができる。
また、鑑別フレーム40と搬送フレーム30とを一体にし、壁面30BLと支柱部37Lとの間と、壁面30BRと支柱部37Rとの間とに隙間ができないようにすれば、めくれ紙幣SAのめくれ部SAaが引っかかることがなくなる。しかしながらその場合、鑑別センサ部84単体での交換ができなくなるため、メンテナンス性が悪化してしまう。
これに対して鑑別部18は、着脱可能で且つめくれ紙幣SAのめくれ部SAaが引っかからないようにスロープを設けたことにより、メンテナンス性を悪化させないようにさせつつ搬送の信頼性を向上させることができる。
以上の構成によれば鑑別部18は、紙葉類としての紙幣が搬送される鑑別部搬送路43ABCを形成すると共に、該鑑別部搬送路43ABCに紙幣の特徴を読み取る読取手段76を設けた鑑別センサ部84と、鑑別部搬送路43ABCと接続され該鑑別部搬送路43ABCと異なる方向に紙幣を搬送する搬送部搬送路43EFを形成する鑑別搬送部82と、鑑別部搬送路43ABC又は搬送部搬送路43EFにおける搬送幅方向の両端部において、紙幣の搬送方向に対向する方向と、紙幣の紙面に対向する方向と、紙幣の搬送幅方向の外側とを含む方向に法線が向く傾斜面41LS及び41RSとを設けるようにした。
これにより鑑別部18は、めくれ紙幣SAの端部のめくれ部SAaが元の形状に戻るようにめくれ紙幣SAの形状を傾斜面41LS又は41RSで矯正しつつ搬送することにより、めくれ部SAaが搬送前側搬送ガイド32及び鑑別上側搬送ガイド41に引っかからないようにしつつめくれ紙幣SAを搬送できる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.紙幣入出金機の構成]
図1と、図2と対応する部材に同一符号を付した図21とに示すように、第2の実施の形態による現金自動取引装置101の紙幣入出金機110は、第1の実施の形態による現金自動取引装置1の紙幣入出金機10と比べて、制御部112が制御部12と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。制御部112は、制御部12と比べて横ずれ検出部90が追加されている。
ここで、図4と対応する部材に同一符号を付した図22に示すように、第1の実施の形態と同様に図7に示した位置にめくれ紙幣SAが搬送される場合を検討する。めくれ紙幣SAは、スロープ面41LSA及びスロープ面41LSB(図5)にめくれ部SAaが接触しつつ搬送されめくれ部SAaが広がった状態で、支柱部37よりも後方へ搬送される。めくれ紙幣SAが光学情報取得部60まで搬送されると、光学情報取得部60は図23に示すように搬送路43の幅baの領域の紙幣データDSAを取得し、横ずれ検出部90に取得データを転送する。横ずれ検出部90は、幅baよりも広い幅beのエリアにめくれ部SAaに対応する紙幣データDSAaが掛かっていることを検出し、駆動ローラ34A、33C、44A、44B、44C及び44Dを回転させる駆動モータの動作を停止させる。
このように紙幣入出金機110は、紙幣の端部にめくれがある紙幣を引っ掛けることなく光学情報取得部60まで搬送できるため、光学情報取得部60で紙幣データを取得して横ずれ検出部90で、紙幣が搬送路幅以上に搬送路幅方向へずれた位置にある横ずれの異常を検出することで、端部にめくれがある紙幣を鑑別部18よりも下流側へ送らないようにでき、鑑別部18よりも下流側における装置での信頼性をさらに高めることができる。
またこのとき駆動モータを逆回転させて駆動ローラ34A、33C、44A、44B、44C及び44Dを逆回転させることにより、図23に示すようにめくれ紙幣SAを光学情報取得部60から前方へ向けて搬送する。このときめくれ紙幣SAは、めくれ部SAaが支柱部37のスロープ面37LBに当たり、めくれ状態になりながら上流に搬送される。続いてめくれ紙幣SAは、壁面37LS、リブ37LC、スロープ面30BLA及び壁面30BLに接触しながら上流に搬送され、入出金部16に戻される。
このように紙幣入出金機110は、鑑別部18において後方から前方へ向かうに連れて搬送幅方向の外側から内側へ傾斜するスロープ面37LB及びスロープ面30BLAを形成するようにした。このため紙幣入出金機110は、めくれがある紙幣を鑑別部18から入出金部16に戻す際に、該紙幣が支柱部37や壁面30BLの後端部に引っかかることを防止しつつ、安定的に紙幣を搬送できる。
その他第2の実施の形態による鑑別部118は、第1の実施の形態による鑑別部18とほぼ同様の作用効果を奏する。
[3.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、鑑別上側搬送ガイド41にスロープ面41LSA、スロープ面41LSB及び壁面41LSDとスロープ面41RSA、スロープ面41RSB及び壁面41RSDとを設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、鑑別下側搬送ガイド42や搬送前側フレーム30Bにスロープ面41LSA、スロープ面41LSB及び壁面41LSDとスロープ面41RSA、スロープ面41RSB及び壁面41RSDとを設けても良い。
また上述した実施の形態においては、スロープ面41LSA、41LSB、41RSA及び41RSBを平面形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、スロープ面41LSA、41LSB、41RSA及び41RSBを湾曲した面等、種々の形状の面にしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、スロープ面41LSB及び41RSBは、搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向と、搬送幅方向の外側とを含む方向に法線が向く場合について述べた。本発明はこれに限らず、スロープ面41LSB及び41RSBは、搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向と、搬送幅方向の外側とを含む方向とに加え、搬送される紙幣の紙面に対向する方向を含む方向に法線が向いていても良い。
さらに上述した実施の形態においては、スロープ面41LSA及び41RSAは、搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向と、搬送される紙幣の紙面に対向する方向とを含む方向に法線が向く場合について述べた。本発明はこれに限らず、スロープ面41LSA及び41RSAは、搬送される紙幣の搬送方向に対向する方向と、搬送される紙幣の紙面に対向する方向とに加え、搬送幅方向の外側を含む方向に法線が向いていても良い。
さらに上述した実施の形態においては、従動ローラ45Cの付勢部材の押付け荷重を上げることにより従動ローラ45Cと駆動ローラ44Cとの摩擦力を上げる場合について述べた。本発明はこれに限らず、従動ローラ45Cをゴム系の材料にしたり、ゴム硬度を下げたり、ローラ幅を増やしたり、ローラ数を増やしたりすることにより摩擦力を上げても良い。要は従動ローラ45C及び駆動ローラ44Cのローラ対による紙幣の搬送力を、他の従動ローラ33A、33B、45A、45B及び45D並びに駆動ローラ34A、44D、44A、44B及び33Cの他のローラ対による搬送力よりも強くすれば良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、現金を取引する現金自動取引装置1及び101において、媒体としての紙幣を鑑別する鑑別部18及び118において本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば債権、証書、商品券、金券や入場券等のような薄い紙状の媒体を鑑別する種々の装置に適用しても良い。また、例えば紙幣を入出する紙幣入出金機や紙幣を所定枚数毎に施封する施封小束支払機等、紙幣や硬貨の取引に関する種々の処理を行う複数種類の装置の組み合わせにより構成された現金処理装置に本発明を適用してもよい。
さらに上述した実施の形態においては、入金取引及び出金取引を行う現金自動取引装置に本発明を適用する場合について述べたが、入金取引又は出金取引の何れか一方のみを行う装置に本発明を適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、鑑別部としての鑑別センサ部84と、搬送部としての鑑別搬送部82と、傾斜面としての傾斜面41Sとによって、紙葉類処理装置としての鑑別部18又は118を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる鑑別部と、搬送部と、傾斜面とによって、紙葉類処理装置を構成しても良い。