以下、本開示の実施形態に係る廃トナー回収装置及び画像形成装置100について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は画像形成装置100の構造を示した断面図である。画像形成装置100は、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)に対応する4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターである。以下、図1の紙面手前側を画像形成装置100の正面側(手前側)とし、左右方向は画像形成装置100を正面から見た方向を基準として説明する。各図に付される矢印Fr、Rr、L、Rは、それぞれ画像形成装置100の前側、後側、左側、右側を示している。
画像形成装置100の装置本体内には、マゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのそれぞれの色の画像を形成する画像形成部Pa〜Pdが、図1の右側から順に配設されている。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する像担持体としての感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dが、図1の反時計回り方向に回転可能に設けられている。感光体ドラム1a〜1dの上方には、重ね合された各色のトナー像を担持する像担持体としての中間転写ベルト8が、従動ローラー10及び駆動ローラー11に沿って循環走行可能に支持されている。中間転写ベルト8の中空部には、感光体ドラム1a〜1dのそれぞれに対応するように、一次転写ローラー6a、6b、6cおよび6dが回転可能に支持されている。駆動ローラー11の左側には、二次転写ローラー9が回転可能に支持されている。
さらに、従動ローラー10の近傍には、中間転写ベルト8の表面に残存するトナー等を除去するためのベルトクリーニング装置19が配置されている。ベルトクリーニング装置19は、中間転写ベルト8の走行方向に対してカウンター方向から当接するブレードと、ブレードによって除去されたトナーが収容される回収部(図示省略)と、を有している。回収部に収容されたトナーは、回収スパイラル等によって画像形成装置の正面側に搬送されるようになっている。回収部の正面側には、搬送されたトナーの排出口(図示省略)が形成されている。
トナー像が転写される用紙Pは、装置本体の下部に設けられた用紙カセット16内に収容されている。用紙Pは、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。各画像形成部Pa〜Pdにおいて、感光体ドラム1a〜1dの周囲には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、トナー像の転写後に感光体ドラム1a〜1dに残留した現像剤(トナー)を除去及び回収するドラムクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dと、が設けられている。さらに、画像形成部Pa〜Pdの下方には、感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット5が設けられている。
次に、画像形成動作について説明する。パソコン等の画像入力装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。次いで、露光ユニット5によって画像データに基づいて感光体ドラム1a〜1dに対して光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。静電潜像は、現像装置3a〜3dによって、対応する色のトナー像に現像される。そして、一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがドラムクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
各感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9においてフルカラーのトナー像が用紙P上に二次転写される。フルカラーのトナー像は定着装置13において加熱及び加圧されて用紙Pに定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
次に、図2と図3を参照して、上述した画像形成部Paについて詳細に説明する。図2は画像形成部Paを示した断面図であり、図3は現像装置を示す断面図である。なお、画像形成部Pb〜Pdについては、基本的に画像形成部Paと同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の反時計回り方向)に沿って、上述した帯電装置2a、現像装置3a、一次転写ローラー6a、ドラムクリーニング装置7aが配置されている。
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラー20と、帯電ローラー20をクリーニングするための帯電クリーニングローラー21と、を有している。
現像装置3aは、図3にも示されるように、磁性キャリアとトナーとを含む現像剤が収容される現像容器30を備えている。現像容器30の上部には、感光体ドラム1aに対向する開口部30aと浮遊トナーダクト38とが形成されている。浮遊トナーダクト38は、開口部30aの内側に形成された入口37と、現像容器30の正面側の部分に形成された出口(図示省略)との間に形成されて、入口37を介して現像容器30の内部に連通している。
現像容器30の下部には、トナーコンテナ4aからトナーが補給される撹拌搬送室31及び供給搬送室32と、余剰となった現像剤を廃棄するための廃現像剤排出口(図示省略)と、が形成されている。撹拌搬送室31及び供給搬送室32には、撹拌搬送スクリュー33a及び供給搬送スクリュー33bがそれぞれ回転可能に支持されている。撹拌搬送スクリュー33a及び供給搬送スクリュー33bは、補給されたトナーを磁性キャリアと混合して撹拌して帯電させる。供給搬送スクリュー33bの上方には、磁気ローラー34が支持されている。磁気ローラー34の斜め上方には、現像ローラー35が支持されている。磁気ローラー34と現像ローラー35との間には、対向領域が形成されている。現像ローラー35の外周面の一部は、開口部30aから露出して感光体ドラム1aに対向している。磁気ローラー34および現像ローラー35は、それぞれ図3において時計回り方向に回転する。
また、現像ローラー35と磁気ローラー34との対向領域よりも磁気ローラー34の回転方向上流側には、穂切りブレード36が、磁気ローラー34の長手方向(図2、図3の紙面と垂直方向)に沿って取り付けられている。穂切りブレード36の先端部と磁気ローラー34の表面との間には僅かな隙間が形成されている。
撹拌搬送スクリュー33a及び供給搬送スクリュー33bによって、撹拌搬送室31及び供給搬送室32を現像剤が循環しながら撹拌されることでトナーが帯電する。帯電したトナーを含む現像剤は、供給搬送スクリュー33bによって磁気ローラー34に搬送され、磁気ローラー34上に磁気ブラシが形成される。磁気ブラシは、穂切りブレード36によって層厚規制された後、磁気ローラー34と現像ローラー35との対向領域に搬送される。対向領域では、磁気ローラー34に印加される直流電圧と現像ローラー35に印加される直流電圧との電位差、及び、磁気ローラー34が発生させる磁界によって現像ローラー35上にトナー薄層を形成する。
現像ローラー35上に形成されたトナー薄層が、感光体ドラム1aに対向するまで現像ローラー35が回転すると、現像ローラー35に印加されるバイアス電位と感光体ドラム1aの電位との間の電位差によって、現像ローラー35から感光体ドラム1aにトナーが飛翔し、感光体ドラム1a上の静電潜像が現像される。
再度図2を参照して説明する。ドラムクリーニング装置7aは、摺擦ローラー22と、クリーニングブレード23と、回収スパイラル24と、を有している。
摺擦ローラー22は、感光体ドラム1aに所定の圧力で接触している。クリーニングブレード23は、摺擦ローラー22と感光体ドラム1aとの接触面よりも感光体ドラム1aの回転方向下流側において、感光体ドラム1aの回転方向に対してカウンター方向から感光体ドラム1aに当接している。回収スパイラル24は、摺擦ローラー22の下方に配置されて、摺擦ローラー22およびクリーニングブレード23によって感光体ドラム1a表面から除去されたトナーを画像形成装置の正面側に搬送する。ドラムクリーニング装置7aの正面側には、搬送されたトナーの排出口(図示省略)が形成されている。
さらに、画像形成装置は、ドラムクリーニング装置7a〜7dで回収されたトナー、ベルトクリーニング装置19で回収されたトナー、現像装置3a〜3dの現像ローラー35の周囲に存在する浮遊トナー、現像装置3a〜3dで余剰となった現像剤、を回収する廃トナー回収装置40(図4参照)を備えている。
廃トナー回収装置40について、図4〜図7を参照して説明する。図4は廃トナー回収装置40を正面から見た斜視図、図5は浮遊トナー回収室64を正面から見た斜視図、図6は浮遊トナー回収室64の中空部S2を正面から見た斜視図、図7は廃トナー回収装置40を裏側から見た斜視図である。
図4に示されるように、廃トナー回収装置40は、画像形成部Pa〜Pdの正面側に設けられる中間回収ボックス50と、中間回収ボックス50の下方に設けられる廃トナー回収容器100と、中間回収ボックス50内に画像形成部Pa〜Pdのそれぞれに対応するように設けられた浮遊トナー回収室64と、を備えている。
中間回収ボックス50には、ドラムクリーニング装置7a〜7d及びベルトクリーニング装置19で回収されたトナーや、現像装置3a〜3dの現像ローラー35の周囲に存在する浮遊トナー、現像装置3a〜3dで余剰となった現像剤が一時的に収容される。廃トナー回収容器100には、中間回収ボックス50に収容されたトナーや現像剤が最終的に回収される。浮遊トナー回収室64には、浮遊トナーが一時的に収容される。
まず、中間回収ボックス50について説明する。図4に示されるように、中間回収ボックス50は、4つの画像形成部Pa〜Pdに対応する幅及び高さと、所定の厚さを有している。中間回収ボックス50は、4つの画像形成部Pa〜Pdの側のベース部50aと、4つの画像形成部Pa〜Pdとは反対側の蓋部50bとによって、横長直方体形状の中空部S1を形成している。
ベース部50aには、4つの画像形成部Pa〜Pdのそれぞれの前方に、浮遊トナー受入口51と、排気口52と、第1回収トナー受入口53と、廃現像剤受入口54と、が形成されている。図5及び図6に示されるように、浮遊トナー受入口51と排気口52とは、左右方向に並んで、浮遊トナー受入口51が右側、排気口52が左側に形成されている。排気口52は斜め下方を向いている。第1回収トナー受入口53は、排気口52の左側に形成されている(図4参照)。廃現像剤受入口54は、浮遊トナー受入口51と排気口52との中間の下方に形成されている。さらにベース部50aの右端部には、第2回収トナー受入口55(図4参照)が形成されている。
浮遊トナー受入口51には、現像装置3a〜3dのそれぞれに設けられた浮遊トナーダクト38の出口が接続している。排気口52には、排気ダクト57の入口が接続している。図7に示されるように、排気ダクト57は、排気口からベース部50aの裏面に沿って下方に湾曲し、さらに、ベース部50aの左右方向中央に向かって湾曲している。ベース部50aの裏面の左右方向中央には、合流部57aが形成されている。排気ダクト57の出口は、合流部57aに接続している。合流部57aには、排気ファン58が設けられている。
次に、図8〜図10を参照して、排気ダクト57に設けられている噴出設備80について説明する。図8は、噴出設備80を示す斜視図、図9は、ピストン後退時の噴出設備80を示す断面斜視図であり、図10は、ピストン進出時の噴出設備80を示す断面斜視図である。
図8に示されるように、各排気ダクト57には、各排気口52に向けて空気を噴出する噴出設備80が設けられている。図9及び図10に示されるように、排気ダクト57には、排気口52に対向する開口57bが開けられている。開口57bには、後方に略水平に突出する筒状接続部57cが形成されている。噴出設備80は、この筒状接続部57cに接続されている。
噴出設備80は、排気ダクト57に連通するシリンダ81と、シリンダ81の内部に往復移動可能に支持されるピストン82と、ピストン82を排気ダクト57の方向に付勢するスプリング83と、ピストン82を排気ダクト57とは反対の方向に移動させるピニオン84と、を備えている。
シリンダ81は円筒状の部材であり、両端に開口端部81aと閉止端部81bとを有している。閉止端部81bの中央には、開口81cが開けられている。開口81cには、シリンダ81の長さ方向に突出する筒状接続部81dが形成されている。開口端部81aは、キャップ86で塞がれている。キャップ86の中央には、シリンダ81の内部に突出する円柱状のガイド突起87が形成されている。また、シリンダ81の開口端部81a側の部分には、長手方向に沿ったスリット88が形成されている。
シリンダ81の筒状接続部81dは、排気ダクト57の筒状接続部57cとゴムチューブ90によって接続して、シリンダ81の内部はゴムチューブ90を介して排気ダクト57と連通している。ゴムチューブ90とシリンダ81とは、排気ダクト57の筒状接続部57cと直線状となるように水平に支持されている。
ピストン82は、シリンダ81の内部に挿入可能な円筒状の部材であり、両端に開口端部82aと閉止端部82bとを有している。閉止端部82bの外面にはヘッド部92が設けられている。ピストン82の開口端部82a側の部分には、長手方向に沿ってラック部94が形成されている。ラック部94は、シリンダ81のスリット88に嵌め込むことが可能な形状を有している。
ピストン82は、ヘッド部92がシリンダ81の閉止端部81bの側、開口端部82aがキャップ86の側となる姿勢で、シリンダ81に挿入されている。
スプリング83は、ガイド突起87の周囲に配置されて、ピストン82の閉止端部82bとキャップ86との間に介装されている。スプリング63の一方の端部は、キャップ86の裏側の面に固定されている。スプリング83は、ピストン82をキャップ86とは反対の方向に付勢している。
ピニオン84は、ピストン82のラック部94と噛み合い可能なギア部97を有している。ギア部97は、ピニオン84の外周面の一部に形成されている。ピニオン84は、ピストン82のラック部94にギア部97が噛み合うように配置されて、一方向に回転するように駆動される。詳細には、ピニオン84は図8〜図10の時計回り方向に回転する方向に駆動されて、ピストン82をキャップ86の方向に後退させてスプリング83を圧縮させる(図9参照)。図10に示されるように、ピニオン84が回転してギア部97がピストン82のラック部94から離脱すると、ピストン82は、圧縮されたスプリング83の弾性力で、排気ダクト57の方向に進出する。つまり、ギア部97とラック部94とは、ピストン82を排気ダクト57とは反対の方向に後退させる移動機構を構成している。ピニオン84を時計回り方向に連続して回転させることで、ピストン82はシリンダ81内を往復移動する。
ピストン82の進出によって、シリンダ81内の空気が、ゴムチューブ90を通って排気ダクト57の開口57bから排気口52に向かって噴出する。なお、ピニオン84は、専用の駆動源によって駆動されても良く、現像装置やクリーニング装置等の駆動源によって駆動されても良い。
再度図4〜図6を参照して説明する。第1回収トナー受入口53は、ドラムクリーニング装置7a〜7dのそれぞれに設けられた排出口(図示省略)に接続している。廃現像剤受入口54は、現像装置3a〜3dの各現像容器30に設けられた廃現像剤排出口(図示省略)に接続している。第2回収トナー受入口55は、ベルトクリーニング装置19のトナー排出口(図示省略)に接続している。
図4に示されるように、中間回収ボックス50の底部には、左右方向に沿って搬送経路50cが形成されている。浮遊トナー受入口51、第1回収トナー受入口53、廃現像剤受入口54、第2回収トナー受入口55から受け入れられたトナーや現像剤は、自重によって搬送経路50cに落下する。底部の右端部には、開口(図示省略)が形成されている。開口には接続パイプ62が接続している。
中間回収ボックス50には、搬送経路50cに落下したトナーを搬送する搬送部材としての搬送スクリュー60が回転可能に支持されている。搬送スクリュー60は、回転軸60aと、回転軸60aの軸方向に所定のピッチで螺旋状に形成された螺旋羽根60bと、を有している。回転軸60aの一端(左端)にはギア61が固定されており、駆動源(図示省略)からの回転駆動力がギア61を介して回転軸60aに入力される。駆動源としては、例えば、給紙ローラー12aを回転駆動させるモーターを使用することができる。モーターにはクラッチが設けられて、回転軸60aを正方向及び逆方向に回転させる。
搬送スクリュー60は、正方向に回転することで、搬送経路50cに落下したトナーや現像剤を図4の右方向(接続パイプ62の方向)に搬送する。
次に、廃トナー回収容器100について説明する。図4に示されるように、廃トナー回収容器100は、中間回収ボックス50の下方に設けられて、接続パイプ62を介して中間回収ボックス50と連通している。搬送スクリュー60によって搬送経路50cに沿って接続パイプ62の方向に搬送されたトナーや現像剤は、接続パイプ62を通して廃トナー回収容器100に回収される。廃トナー回収容器100は、接続パイプ62に対して着脱可能である。廃トナー回収容器100には、回収されたトナー等の量を検知するセンサーが備えられており、所定量のトナーが回収されたことがセンサーで検知されると、接続パイプ62から取り外して、回収されたトナー等を廃棄する。
次に、浮遊トナー回収室64について、図5及び図6を参照して説明する。浮遊トナー回収室64は、仕切り壁部65と蓋部66とで形成されている。仕切り壁部65は、浮遊トナー受入口51と排気口52とを囲むようにベース部50aから立設している。蓋部66は、仕切り壁部65で囲まれた空間を閉止して、中空部S2を形成している。このように、中空部S2は中間回収ボックス50の中空部S1とは隔離されて、浮遊トナー受入口51から排気口52へ向かう、浮遊トナーを含む空気の排気経路59(図6参照)を形成している。つまり、浮遊トナー回収室64は、浮遊トナーダクト38と排気ダクト57との間の排気経路を形成している。
浮遊トナー回収室64には、排気経路から浮遊トナーを捕集する捕集設備としてのフィルター67と、捕集された浮遊トナーを中間回収ボックス50に排出する排出口68と、排出口68を開閉する排出扉69と、が設けられている。
フィルター67は、排気口52に、斜め下向きの姿勢で取り付けられている。フィルター67は、エアフィルターを二重あるいは三重に重ねて形成されている。
排出口68は、仕切り壁部65に形成されている。仕切り壁部65の排気口52の下方には、切り欠き65aが形成されている。仕切り壁部65は、切り欠き65aの両側面から、下方に突き出した突出壁部65bを有している。突出壁部65bの下角は斜め下向きに切り取られて、斜め下向きに開口した排出口68を形成している。
次に、図11A、図11Bを参照して、排出扉69について説明する。図11Aは排出扉69によって閉止された排出口68の側断面図、図11Bは排出扉69によって開かれた排出口68を示す側断面図である。
排出扉69は、仕切り壁部65の排出口68を閉止可能な形状を有し、蓋部66の下縁に接続している。排出扉69の下端には、突出片70が固定されている。突出片70は、平面視逆台形状を成しており、PETフィルム等の弾性材料で形成されている。突出片70は、搬送スクリュー60の螺旋羽根60bのピッチよりも狭い幅を有し、搬送スクリュー60の隣接する螺旋羽根60b間の空間に垂下している。
排出扉69は、排出口68を閉じる収容位置(図11A参照)と、中間回収ボックス50の中空部S1側に回動して排出口68を開く排出位置(図11B参照)と、の間を、蓋部66の下縁を中心として回動する。図11Aに示される収容位置では、排出扉69は、蓋部66から斜め下方に延びて突出壁部65bに当接し、排出口68を閉止する姿勢に回動する。図11Bに示される排出位置では、排出扉69は、蓋部66から搬送経路50cに向けて垂下して突出壁部65bから離れて、排出口68を開く姿勢に回動する。排出扉69は、付勢部材71によって収容位置に付勢されている。付勢部材71は、中間回収ボックス50の蓋部50bと排出扉69との間に介装されている。付勢部材71は、例えば、ウレタンフォーム等の弾性部材である。
次に、排出扉69の回動動作について説明する。図11Aの二点鎖線に示されるように、排出扉69が収容位置に回動して、隣接する螺旋羽根60b間の空間に突出片70が垂下している場合、搬送スクリュー60が正方向(図11Aの反時計回り方向)に回転すると、突出片70に螺旋羽根60bが当接する。そして、図11Aの実線で示されるように、螺旋羽根60bの外周面が、回転軸60aの回転方向(正方向)に突出片70を押圧する。つまり、突出片70は、排出扉69を収容位置に回動させる方向に押圧される。突出片70はこのように押圧されると、突出片70は排出扉69に対してしなるように変形する。
一方、搬送スクリュー60を逆方向に回転させると、図11Bに示されるように、螺旋羽根60bの外周面によって、搬送スクリュー60が正方向に回転する場合(図11A参照)とは逆方向に突出片70が押圧される。すなわち、突出片70は排出扉69を開放位置に回動させる方向に押圧されるので、排出扉69は付勢部材71の付勢力に抗して排出位置に回動する。すると、浮遊トナー回収室64に収容されている浮遊トナーが、排出口68から搬送経路50cに落下する。なお、搬送スクリュー60の逆方向への回転が停止して正方向へ回転すると、排出扉69は付勢部材71によって収容位置に付勢されて、排出口68は閉止される。
上記構成を有する廃トナー回収装置40のトナー回収動作について説明する。画像形成動作中、前述のように、一次転写後に画像形成部Pa〜Pdにおいて感光体ドラム1a〜1dに残留したトナーはドラムクリーニング装置7a〜7dによって回収される。回収されたトナーは、第1回収トナー受入口53から中間回収ボックス50に一時的に収容される。また、二次転写後に中間転写ベルト8に残留したトナーは、ベルトクリーニング装置19によって回収されて、第2回収トナー受入口55を通って中間回収ボックス50に一時的に収容される。さらに、現像容器30の廃現像剤排出口(図示省略)から排出された廃現像剤が廃現像剤受入口54を通って中間回収ボックス50に一時的に収容される。このように各受入口から収容されたトナーや廃現像剤は、自重によって搬送経路50cに落下する。
搬送経路50cにおいては、搬送スクリュー60が駆動源から駆動回転力を受けて正方向に回転し、搬送経路50cに落下したトナーや現像剤を接続パイプ62の方向(右方向)に搬送する。トナーや現像剤は、搬送経路50cの右端部に搬送されると、接続パイプ62を通って廃トナー回収容器100に回収される。
一方、所定のタイミングで排気ファン58を駆動させると、現像装置3a〜3dの現像ローラー35付近に浮遊しているトナーを含む空気は、浮遊トナーダクト38、浮遊トナー回収室64、排気ダクト57からなる排気経路59を通って排気される。そして、この排気経路59の一部を形成する浮遊トナー回収室64において、フィルター67によってトナーが捕集される。捕集されたトナーは自重によって落下して仕切り壁部65や排出扉69の上面に堆積する。一方で、フィルター67を通過した空気は、排気ダクト57を通って排気ファン58によって外部に排気される。
次に、噴出設備80の動作について、図9と図10とを参照して説明する。一回の印字動作終了後あるいは1つのジョブが終了後で排気ファン58の停止中に、ピニオン84を図の時計回り方向に回転させてピストン82をキャップ86の方向に後退させ、スプリング83を圧縮させる。ピストン82のラック部94からギア部97が離脱するまでピニオン84が回転すると、スプリング83の圧縮が解放されてスプリング83が伸長して、ピストン82は排気口52の方向に進出する。すると、シリンダ81内の空気がゴムチューブ90を通って排気口52、すなわち、フィルター67の方向に噴出して、フィルター67の裏側(排気ダクト57の側)に吹き付けられる。すると、フィルター67の表側(浮遊トナー回収室64側の面)に捕集されているトナーがフィルター67から離脱して落下し、浮遊トナー回収室64内に堆積する。なお、噴出設備80を動作させる場合は、ピニオン84を所定時間だけ図の時計回り方向に回転させて、ピストン82を複数回往復させることが好ましい。
堆積したトナーが所定の量に達するタイミングで、搬送スクリュー60を逆方向に所定の時間だけ回転させる。例えば、印刷枚数が1000枚ごとに、搬送スクリュー60を2〜3秒逆方向に回転させる。すると、前述のように、搬送スクリュー60の螺旋羽根60bによって、排出扉69が付勢部材71の付勢力に抗して排出位置に回動する。これにより、排出口68が開いて、排出扉69の上面等に堆積した浮遊トナーが搬送経路50cに落下する。落下したトナーは回収トナーや廃現像剤と共に搬送スクリュー60によって搬送経路50cに沿って搬送されて、廃トナー回収容器100に回収される。
上記説明したように、本実施形態では、噴出設備80によってフィルター67の裏側に空気を吹き付けるので、フィルター67に捕集されたトナーをより強い力でフィルター67から離脱させることができる。したがって、フィルター67の目詰まりを防止して、排気経路における浮遊トナーの吸引力をできるだけ維持できる。そして、浮遊トナーによる機内汚染を長期間防止することができる。
この噴出設備80では、振動モーターでフィルター67を振動させて捕集されたトナーを離脱させる場合と比較して、排気経路における吸引力の低下を抑制することができる。本発明の噴出設備80と振動モーターとの吸引力の低下度合いの一例を、図12のグラフを参照して説明する。図12は吸引力と印字枚数との関係を示すグラフであり、縦軸は吸引力(kgf/cm2)、横軸は印字枚数(枚)を示す。グラフ中の実線は噴出設備、破線は振動モーターを示す。所定の印字枚数毎に、振動モーター及び噴出設備を所定時間駆動させた場合の吸引力を計測した。噴出設備の場合は、ピニオンギアを所定時間回転させて、空気の噴出動作を所定回数行う。
グラフからわかるように、振動モーターの場合は、ある印字枚数まで吸引力は徐々に低下する。そして、初期吸引力の10〜50%に低下すると、その後の吸引力が維持される。この間、所定の印字枚数毎に振動モーターを駆動させると一時的に吸引力は回復するが、その後低下しほぼ一定の値となる。また、フィルター67の材質やトナーの状態によっては、吸引力にばらつきが生じる。
一方、本発明の噴出設備80の場合は、早い段階で初期吸引力の90%程度に低下するが、その後は90%程度の吸引力が維持される。この場合も、噴出設備80を駆動させると一時的に吸引力は回復するが、その後低下しほぼ一定の値となる。なお、噴出設備80を用いた場合、排気経路の吸引力は噴出設備80における空気の噴出速度に依存するが、シリンダ81の筒状接続部81dから噴出される空気の噴出速度が10〜30m/s程度であれば、上記の吸引力を維持できる。
また、噴出設備80においては、圧縮されたスプリング83の弾性力でピストン82によって空気を噴出しているので、強い噴出力を得ることができる。したがって、フィルター67からの浮遊トナーの離脱をより促進できる。また、ピストン82のラック部94と噛み合うギア部97は、ピニオン84の外周面の一部に形成されているので、ピニオン84を一方向に回転することで、ピストン82を繰り返し後退及び進出させることができる。なお、噴出設備80は、蛇腹式のポンプ等を使用しても良い。また、本実施形態では、シリンダ81が水平に配置されているが、フィルター67に対して空気が垂直に吹き付けられるように、シリンダ81を傾斜して配置してもよい。
また、浮遊トナーが一時的に収容される浮遊トナー回収室64は、ドラムクリーニング装置7a〜7dやベルトクリーニング装置19によって回収されるトナーが一時的に収容される中間回収ボックス50の内部に設けられて、浮遊トナー回収室64に収容されたトナーを中間回収ボックス50に排出できるようになっている。すなわち、浮遊トナーを回収するための容器を廃トナー回収容器100とは別に設ける必要がない。このため、浮遊トナーを回収するための容器と廃トナー回収容器100とを別々に設ける場合に比べて、回収容器の交換作業の回数が減り、メンテナンス性を向上させることができる。
また、浮遊トナーを回収するための専用の容器が不要となるので、画像形成装置の大型化を抑制できる。さらに、回収されたトナーが満杯であることを検知する検知センサーを設ける場合、廃トナー回収容器100に検知センサーを1つ設ければよいので、廃トナー回収装置の構成を簡素化することができるとともにコスト増加を抑制できる。
さらに、搬送スクリュー60の回転動作に伴って螺旋羽根60bと干渉することで排出扉69が開閉されるので、排出扉69を開閉するための機構が不要になる。したがって、廃トナー回収装置40の構成を簡素化することができる。
なお、本実施形態では、排出扉69に設けた突出片70が、螺旋羽根60bの回転方向に押圧されるように構成されているが、螺旋羽根60bによって突出片70を搬送方向及びその反対方向に押圧するように構成することもできる。この場合、例えば、排出扉69を、搬送スクリュー60の回転軸60aと直交する軸を中心として回動可能に設け、突出片70を隣接する螺旋羽根60b間の空間に垂下させる。これにより、回転軸60aが回転すると、螺旋羽根60bの搬送方向前側の面又は後側の面で突出片70が搬送方向前方又は後方に押圧されることで、排出扉69を回動させて排出口68を開閉する。
また、浮遊トナー回収室64の排出扉69は付勢部材71で収容位置に付勢されているので、搬送スクリュー60が回転していない状態でも、排出口68が閉じられて、浮遊トナー回収室64の中空部S2と、中間回収ボックス50の中空部S1とは隔離されている。したがって、排気ファン58によって排気経路59を負圧にした場合に、排気経路59内の吸引力の低下を抑制できる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。例えば、上記実施形態では、カラープリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、プリンター、複合機、ファクシミリ等の、廃トナーが通過する廃トナー通過経路と、現像装置内の浮遊トナーを吸引するための吸気経路と、を備えた種々の画像形成装置に本発明を適用できる。