JP2018111421A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】ドライ路面での優れた走行性能を維持しながら、ウェット路面での走行性能を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ショルダー陸部21にタイヤ幅方向に沿って延在するラグ溝30を形成し、このラグ溝30のタイヤ幅方向内側端をショルダー陸部21内で終端させ、最外主溝11とラグ溝30のタイヤ幅方向内側端との間に最外主溝11およびラグ溝30から離間してタイヤ周方向に沿って延在する1本の細溝40を形成し、最外主溝11と細溝40との間にタイヤ幅方向に沿って延在して最外主溝11および細溝40に連通する第一サイプ51を形成し、細溝40とラグ溝30との間にタイヤ幅方向に沿って延在して細溝40およびラグ溝30に連通する第二サイプ52を形成し、第二サイプ52の底部または深さ方向の中腹に第二サイプ52よりも広幅で第二サイプ52に沿って延在する空洞部を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ドライ路面での優れた走行性能を維持しながら、ウェット路面での走行性能を向上することを可能にした空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤでは、雨などで濡れた路面(ウェット路面)での走行性能(ウェット性能)を確保するために、トレッド部の表面にタイヤ周方向に延在する主溝やタイヤ幅方向に延在するラグ溝を設けて、排水性能を高めることが行われている。しかしながら、排水性能を高めるために主溝やラグ溝を多く設けて溝面積が増加すると、接地面積が減少したり陸部剛性が低下して、乾燥路面(ドライ路面)での走行性能(ドライ性能)に悪影響が出る虞がある。
このような問題に対して、例えば特許文献1や特許文献2では、排水用の孔が組み合わされたサイプが提案されている。このようなサイプは、排水用の孔によって溝容積を確保してウェット性能を良好にする一方で、トレッド面における溝面積の増加を抑制して接地面積を確保してドライ性能を良好にすることができる。しかしながら、このようなサイプであっても、排水用の孔が存在するため陸部剛性には影響があり、また、サイプ自体による排水性能は必ずしも高くないため、ドライ性能を充分に維持しながらウェット性能を効果的に改善するためには、サイプの形状や配置や他の溝との組み合わせ方について、更なる対策が求められている。
特開2006‐168462号公報 特開昭62‐241712号公報
本発明の目的は、ドライ路面での優れた走行性能を維持しながら、ウェット路面での走行性能を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部の表面にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の主溝と該主溝によって区画された複数列の陸部とを有する空気入りタイヤにおいて、前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外主溝のタイヤ幅方向外側に区画されたショルダー陸部に、タイヤ幅方向に沿って延在するラグ溝がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、該ラグ溝のタイヤ幅方向内側端は前記ショルダー陸部内で終端し、前記最外主溝と前記ラグ溝のタイヤ幅方向内側端との間に前記最外主溝および前記ラグ溝から離間してタイヤ周方向に沿って延在する1本の細溝が形成され、前記最外主溝と前記細溝との間にタイヤ幅方向に沿って延在して一端が前記最外主溝に連通して他端が前記細溝に連通する第一サイプが形成され、前記細溝と前記ラグ溝との間にタイヤ幅方向に沿って延在して一端が前記細溝に連通して他端が前記ラグ溝に連通する第二サイプが形成され、該第二サイプの底部または深さ方向の中腹に前記第二サイプよりも広幅で前記第二サイプに沿って延在する空洞部を備えることを特徴とする。
本発明では、上述のように、ラグ溝が陸部内で終端して主溝に対して非連通であることでショルダー陸部の剛性を確保することができ、ドライ性能を良好に維持することができる。その一方で、主溝とラグ溝との間に細溝が設けられているので、陸部剛性を維持したまま、ラグ溝が主溝に対して連通した場合と同等の溝面積を確保することができ、ウェット性能を良好にすることができる。このとき、第一サイプおよび第二サイプが設けられて、主溝と細溝とが第一サイプによって連通し、細溝とラグ溝とが第二サイプによって連通しているので、溝内の水が主溝と細溝とラグ溝との間を流動可能になり排水性能を向上し、ウェット性能を更に高めることができる。特に、空洞部を有することで優れた排水性能を有する第二サイプを設けた細溝とラグ溝との間では、第二サイプの補助によってラグ溝が細溝まで達している場合と同程度の排水性能を得ることができる。これらの共働により、優れたドライ性能を維持しながら、ウェット性能を効果的に高めることができる。
本発明では、細溝の溝幅W4が、接地端におけるラグ溝の溝幅W3と、接地端におけるラグ溝の最大間隔Pgと、ラグ溝のタイヤ幅方向内側端から最外主溝までのタイヤ幅方向距離Lとに対して、下記式(1)を満たすことが好ましい。このように寸法を設定することで、細溝とラグ溝との位置関係やバランスが良好になり、優れたドライ性能を維持しながら、実質的にラグ溝が最外主溝と連通した場合と同等のウェット性能を確保することが可能になる。
1.0×(W3×L/Pg)≦W4≦1.3×(W3×L/Pg) (1)
本発明では、子午線断面において、トレッド表面におけるラグ溝のタイヤ幅方向内側端点をA1とし、この点A1を通りトレッド表面に垂直な仮想線とラグ溝の溝底の延長線との交点をA2とし、点A1から点A2までの距離をラグ溝の最大溝深さD3としたとき、ラグ溝の最大溝深さD3と細溝の溝深さD4とが0.8×D3≦D4≦1.0×D3の関係を満たすことが好ましい。このように細溝の溝深さD4をラグ溝の最大溝深さD3と同程度に設定することで、優れたドライ性能を維持しながら、実質的にラグ溝が最外主溝と連通した場合と同等のウェット性能を確保するには有利になる。
本発明では、第一サイプの間隔Psが接地端におけるラグ溝の最大間隔Pgに対して0.2×Pg≦Ps≦0.6Pgの関係を満たすことが好ましい。これにより、第一サイプとラグ溝との配列を最適化することができ、陸部剛性を維持しながら排水性能を確保することができ、ドライ性能とウェット性能とを両立するには有利になる。
本発明では、第一サイプおよび第二サイプのサイプ深さDsが細溝の溝深さD4に対して0.9×D4≦Ds≦1.0×D4の関係を満たすことが好ましい。これにより、第一サイプおよび第二サイプと細溝との深さ関係が最適化されて、陸部剛性を維持しながら排水性能を確保することができ、ドライ性能とウェット性能とを両立するには有利になる。
本発明では、空洞部の最大断面幅Whが空洞部を備えたサイプのサイプ幅Wsに対して2.0×Ws≦Wh≦4.0×Wsの関係を満たすことが好ましい。このように空洞部の大きさを設定することで、陸部剛性を維持しながら排水性能を確保することができ、ドライ性能とウェット性能とを両立するには有利になる。
本発明において、「接地端」とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重の80%を加えたときに形成される接地領域のタイヤ軸方向の両端部である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である。 本発明の空洞部を備えたサイプの構造を拡大して示す説明図である。 図1のトレッド部の一部を拡大して示す要部拡大図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。尚、図1において、符号CLはタイヤ赤道を示し、符号Eは接地端を示す。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8(ベルト層7の幅方向両端部をそれぞれ覆う一対のベルト補強層8)が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その断面構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
図1,2に示すように、トレッド部1の外表面には、タイヤ周方向に延びる複数本(図1,2では3本)の主溝10が設けられている。主溝10は、本発明の空気入りタイヤのトレッド部1に形成される溝のなかで最も溝幅および溝深さが大きい溝であり、溝幅が例えば6.0mm〜15.0mm、溝深さが例えば5.0mm〜15.0mmに設定される。そして、これら複数本の主溝10により複数列(図1,2では4列)の陸部20が区画されている。これら主溝10および陸部20のうち、タイヤ幅方向最外側に位置する主溝10を最外主溝11とし、この最外主溝11のタイヤ幅方向外側に区画された陸部20をショルダー陸部21としたとき、ショルダー陸部21には、後述のようにラグ溝30、細溝40、第一サイプ51、第二サイプ52が設けられる。また、図示の例では、これらに加えて任意の要素として第三サイプ53も設けられている。尚、本発明において、「細溝」とは主溝や後述のラグ溝に比べて溝幅が小さく、且つ、後述のサイプに比べて溝幅が大きい溝であり、「サイプ」とは溝幅が1.5mm以下の微細な溝である。また、本発明における「陸部」とは、主溝(または後述のラグ溝)によって区画されたものを指しており、細溝やサイプによって陸部がタイヤ周方向またはタイヤ幅方向に分断されていても、その陸部は実質的に連続した1つの陸部として見做すものとする。
本発明では、最外主溝11のタイヤ幅方向内側の構造は特に限定されない。例えば、図示の例では、タイヤ赤道CL上の主溝10(以下、センター主溝12という)の両側にそれぞれ最外主溝11とセンター主溝12とで区画された陸部20(以下、センター陸部22という)が設けられている。そして、各センター陸部22には、タイヤ幅方向に対して一方向に傾斜して延在して一端が最外主溝11に連通し他端がセンター陸部22内で終端する傾斜溝60がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられている。また、この傾斜溝60と逆方向に傾斜して延在して一端が傾斜溝60に連通して他端がセンター陸部22内で終端する第四サイプ54が設けられている。
ショルダー陸部21に形成されたラグ溝30は、タイヤ幅方向に沿って延在する溝であり、タイヤ周方向に間隔をおいて複数本が配列される。ラグ溝30のタイヤ幅方向内側端はショルダー陸部21内で終端し、ラグ溝30のタイヤ幅方向外側端は接地端Eを越えてタイヤ幅方向外側に延長している。
ショルダー陸部21に形成された細溝40は、タイヤ周方向に沿ってタイヤ全周に亘って延在する溝であり、タイヤ幅方向両側の一対のショルダー陸部21のそれぞれにおいて最外主溝11とラグ溝30のタイヤ幅方向内側端との間に1本ずつが設けられる。細溝40は、最外主溝11およびラグ溝30と交差または直接連通せずに、後述の第一サイプ51および第二サイプ52を介して連通している。
第一サイプ51は、最外主溝11と細溝40との間に設けられてタイヤ幅方向に沿って延在するサイプである。この第一サイプ51は、一端が最外主溝11に連通して他端が細溝40に連通している。第一サイプ51は、最外主溝11と細溝40との間において、タイヤ周方向に間隔をおいて複数本が設けられている。
第二サイプ52は、細溝40とラグ溝30のタイヤ幅方向内側端との間に設けられてタイヤ幅方向に沿って延在するサイプである。この第二サイプ52は、一端が細溝40に連通して他端がラグ溝30のタイヤ幅方向内側端に連通している。第二サイプ52は、各ラグ溝30に対して1本ずつ設けられている。各第二サイプ52は、サイプ幅が溝底まで一定である一般的なサイプではなく、図3(a)および図3(b)に示すように、第二サイプ52の他の部分よりも広幅で第二サイプ52に沿って延在する空洞部Hを備えている。空洞部Hは、第二サイプ52深さ方向の任意の位置に設けることができ、図3(a)では第二サイプ52の底部に空洞部Hが設けられ、図3(b)では第二サイプ52の深さ方向の中腹に空洞部Hが設けられている。
第三サイプ53は、図示の例では形成されているが、本発明において必ずしも設ける必要のない任意の要素である。図示の例では、第三サイプ53は、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30の間に1本ずつ設けられて、それぞれがタイヤ幅方向に沿って延在し、一端が細溝40に連通し、他端が接地端Eを越えてタイヤ幅方向外側に延長している。
このように、本発明の空気入りタイヤのショルダー陸部21では、ラグ溝30がショルダー陸部21内で終端して最外主溝11に対して非連通であることでショルダー陸部21の剛性を確保することができ、ドライ性能を良好に維持することができる。その一方で、最外主溝11とラグ溝30との間に、これら溝と非連通の細溝40が設けられているので、陸部剛性を維持したまま、ラグ溝30が最外主溝11に対して連通した場合と同等の溝面積を確保することができ、ウェット性能を良好にすることができる。このとき、第一サイプ51および第二サイプ52が設けられて、最外主溝11と細溝40とが第一サイプ51によって連通し、細溝40とラグ溝30とが第二サイプ52によって連通しているので、溝内の水が最外主溝11と細溝40とラグ溝30との間を流動可能になり、排水性能を向上してウェット性能を更に高めることができる。特に、空洞部Hを有することで優れた排水性能を有する第二サイプ52を設けた細溝40とラグ溝30との間では、第二サイプ52(空洞部H)の補助によってラグ溝30が細溝40まで達している場合と同程度の排水性能を得ることができる。これらの共働により、優れたドライ性能を維持しながら、ウェット性能を効果的に高めることができる。
このとき、ラグ溝30がショルダー陸部21を分断していると、ショルダー陸部21の剛性が低下してドライ性能を維持することができない。細溝40や第一サイプ51および第二サイプ52が形成されないと、溝面積が不足してウェット性能を改善することができない。細溝40の代わりにサイプが形成されたり、第一サイプ51や第二サイプ52の代わりにサイプよりも溝幅が大きい溝が形成されると、溝面積が不足したり、陸部剛性が不足して、ウェット性能やドライ性能を向上することができない。第二サイプ52が空洞部Hを備えていないと、充分な排水性能が得られずウェット性能を改善することができない。
本発明では、少なくとも第二サイプ52が空洞部Hを備えたサイプであればよいが、第一サイプ51についても空洞部Hを備えたサイプとすることが好ましい。これにより、第一サイプ51の排水性能を高めることができ、ウェット性能を向上するには有利になる。尚、図示の例に任意の要素として設けられる第三サイプ53や第四サイプ54にまで空洞部を設けると、陸部剛性が大幅に低下することになるので、空洞部を設けるサイプは第二サイプ52(必ず設ける)と第一サイプ51(任意で設けてもよい)に留めることが好ましい。
空洞部Hは第一サイプサイプ51や第二サイプ52の深さ方向の任意の位置(即ち、底部または深さ方向の中腹)に設けることができるが、サイプ51,52の底部に近い位置に空洞部Hを設けるほど摩耗末期まで空洞部Hが残存して、摩耗末期まで優れた排水性能を発揮することが可能になる。このことから、空洞部Hは、トレッド表面から各サイプ51,52の深さの例えば50%以上離間した位置に設けることが好ましい。
空洞部Hの断面形状は特に限定されず、図示の円形状の他、楕円形状、多角形状など任意の形状を採用することができる。また、空洞部の最大断面幅Whを、空洞部を備えたサイプのサイプ幅Wsに対して2.0×Ws≦Wh≦4.0×Wsの関係を満たすように
設定することが好ましい。このように空洞部Hの大きさを設定することで、陸部剛性を維持しながら排水性能を確保することができ、ドライ性能とウェット性能とを両立するには有利になる。空洞部Hの最大断面幅Whがサイプ幅Wsの2.0倍よりも小さいと、空洞部Hによる排水性能を充分に確保することができない。空洞部Hの最大断面幅Whがサイプ幅Wsの4.0倍よりも大きいと、陸部剛性が低下してドライ性能を維持することが難しくなる。
本発明の空気入りタイヤでは、上述のようにショルダー陸部21にラグ溝30、細溝40、第一サイプ51、第二サイプ52が設けられることで、ドライ性能とウェット性能を両立することができるが、ショルダー陸部21に設けられるラグ溝30、細溝40、第一サイプ51、第二サイプ52の寸法や配置を最適化することで、より高度にバランスよくドライ性能とウェット性能を両立することができる。即ち、細溝40の溝幅W4が、接地端Eにおけるラグ溝30の溝幅W3と、接地端Eにおけるラグ溝30の最大間隔Pgと、ラグ溝30のタイヤ幅方向内側端から最外主溝11までのタイヤ幅方向距離Lとに対して、下記式(1)を満たすことが好ましい。
1.0×(W3×L/Pg)≦W4≦1.3×(W3×L/Pg) (1)
この式(1)の関係を満たすことで、細溝40によって、ラグ溝30が最外主溝11に非連通であることでラグ溝30が最外主溝11に連通する場合に比べて不足する溝面積を的確に補うことが可能になり、細溝40とラグ溝30とのバランスが良好になり、優れたドライ性能を維持しながら、ラグ溝30が最外主溝11と連通した場合と同等のウェット性能を確保することが可能になる。このとき、細溝40の溝幅W4が1.0×(W3×L/Pg)未満であると、溝面積を充分に確保することができず、ウェット性能を向上する効果が限定的になる。細溝40の溝幅W4が1.3×(W3×L/Pg)を超えると、陸部剛性が低下するためドライ性能を充分に維持することが難しくなる。
細溝40はラグ溝30に比べて溝幅の小さい溝であるが、溝深さについては同等の深さに設定することが好ましい。具体的には、ラグ溝の最大溝深さD3と細溝の溝深さD4とが0.8×D3≦D4≦1.0×D3の関係を満たすことが好ましい。尚、「ラグ溝の最大溝深さD3」とは、図4に示すように、子午線断面において、トレッド表面におけるラグ溝30のタイヤ幅方向内側端点をA1とし、この点A1を通りトレッド表面に垂直な仮想線とラグ溝30の溝底の延長線との交点をA2としたときの、点A1から点A2までの距離である。このように溝深さを設定することで、優れたドライ性能を維持しながら、実質的にラグ溝30が最外主溝11と連通した場合と同等のウェット性能を確保するには有利になる。このとき、細溝40の溝深さD4がラグ溝30の最大溝深さD3の0.8倍よりも小さいと、細溝40の溝容積が減少するため、ウェット性能を向上する効果が限定的になる。細溝40の溝深さD4がラグ溝30の最大溝深さD3の1.0倍よりも大きいと、陸部剛性が低下してドライ性能を充分に維持することが難しくなる。
第一サイプ51は、最外主溝11と細溝40との間においてタイヤ周方向に間隔をおいて設けられるが、その間隔Psは、接地端Eにおけるラグ溝30の最大間隔Pgに対して0.2×Pg≦Ps≦0.6Pgの関係を満たすことが好ましい。これにより、第一サイプ51とラグ溝30との配列を最適化することができ、陸部剛性を維持しながら排水性能を確保することができ、ドライ性能とウェット性能とを両立するには有利になる。このとき、第一サイプ51の間隔Psがラグ溝30の最大間隔Pgの0.2倍よりも小さいと、第一サイプ51の本数が過多になり、個々のサイプ幅が小さくても全体として陸部剛性を低下させてしまい、ドライ性能を充分に維持することが難しくなる。第一サイプ51の間隔Psがラグ溝30の最大間隔Pgの0.6倍よりも大きいと、第一サイプ51の本数が不足し、第一サイプ51による排水性能が充分に見込めなくなるため、ウェット性能を向上する効果が限定的になる。
第一サイプ51と第二サイプ52とが排水性能を効果的に発揮するためには、これら第一サイプ51および第二サイプ52が細溝40と同程度の溝深さ(サイプ深さ)を有することが好ましい。具体的には、第一サイプ51および第二サイプ52のサイプ深さDsが細溝40の溝深さD4に対して0.9×D4≦Ds≦1.0×D4の関係を満たすことが好ましい。これにより、第一サイプ51および第二サイプ52と細溝40との深さ関係が最適化されて、陸部剛性を維持しながら排水性能を確保することができ、ドライ性能とウェット性能とを両立するには有利になる。このとき、サイプ深さDsが細溝40の溝深さD4の0.9倍よりも小さいと、第一サイプ51および第二サイプ52による排水性能が充分に見込めず、ウェット性能を向上する効果が限定的になる。サイプ深さDsが細溝40の溝深さD4の1.0倍よりも大きいと、サイプ幅が小さくても陸部剛性に影響がありドライ性能を充分に維持することが難しくなる。尚、図3(a)に示すように、空洞部がサイプの底部に設けられた場合には、サイプの開口部(トレッド表面)から空洞部の底部までをサイプ深さとする。
タイヤサイズが155/65R14 75Sであり、図1に例示する基本構造を有し、図2のトレッドパターンを基調とし、ラグ溝の形状、細溝の有無、第一サイプの有無、第二サイプの有無、空洞部の有無、ラグ溝の溝幅W3とラグ溝から最外主溝までの距離Lとの積をラグ溝の最大間隔Pgで除した値(W3×L/Pg)に対する細溝の溝幅W4の比率W4/(W3×L/Pg)、ラグ溝の最大溝深さD3に対する細溝の溝深さD4の比率D4/D3、ラグ溝の最大間隔Pgに対する第一サイプの間隔Psの比率Ps/Pg、細溝の溝深さD4に対する第一/第二サイプのサイプ深さDsの比率Ds/D4、空洞部が設けられたサイプの幅Wsに対する空洞部の最大断面幅Whの比率Wh/Wsをそれぞれ表1〜3のように設定した従来例1〜2、比較例1〜7、実施例1〜20の29種類の空気入りタイヤを作製した。
表1〜3の「ラグ溝の形状」の欄について、ラグ溝がタイヤ幅方向内側に延長して最外主溝に連通している場合を「連通」、ラグ溝が陸部内で終端して最外主溝と連通していない場合を「非連通」と示した。表1〜3の「空洞部の有無」の欄について、空洞部が設けられたサイプが、第一サイプであるか(「(第一)」と表示)、第二サイプであるか(「(第二)」と表示)、第一サイプおよび第二サイプの両方であるか(「(両方)」と表示)を併記した。
尚、従来例1は、図2のトレッドパターンを基調とするが、細溝と第一サイプおよび第二サイプが形成されず、ラグ溝および第三サイプが最外主溝に連通したウェット性能に特化したトレッドパターンを有する例である。一方、従来例2は、図2のトレッドパターンを基調とするが、細溝と第一サイプおよび第二サイプが形成されず、ラグ溝および第三サイプが最外主溝に到達せずに陸部内で終端したドライ性能に特化したトレッドパターンを有する例である。
これら29種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、ドライ性能およびウェット性能を評価し、その結果を表1〜3に併せて示した。
ドライ性能
各試験タイヤをリムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付けて、軽自動車に装着し、ウォームアップ後の空気圧をフロントタイヤで240kPa、リアタイヤで240kPaとし、ドライ路面において初速100km/hから完全に停止するまでの制動距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例2の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどドライ路面での制動距離が短く、ドライ性能(ドライ路面での走行性能)に優れることを意味する。尚、指数値が「97」以上であれば従来例2と同等の優れたドライ性能を維持している。
ウェット性能
各試験タイヤをリムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付けて、軽自動車に装着し、ウォームアップ後の空気圧をフロントタイヤで240kPa、リアタイヤで240kPaとし、ウェット路面において初速100km/hから完全に停止するまでの制動距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウェット路面での制動距離が短く、ウェット性能(ウェット路面での走行性能)に優れることを意味する。
Figure 2018111421
Figure 2018111421
Figure 2018111421
表1〜3から明らかなように、実施例1〜20はいずれも、ドライ性能に優れた従来例2と同レベルの優れたドライ性能を維持しながら、ウェット性能に優れた従来例1以上の優れたウェット性能を発揮し、これらウェット性能およびドライ性能を高度に両立した。一方、比較例1〜7はいずれも、ラグ溝が最外主溝に対して非連通で、最外主溝とラグ溝との間に細溝が形成されているものの、比較例1では第一サイプおよび第二サイプの両方を有しておらず、比較例2では空洞部を備えない第二サイプのみが設けられて第一サイプを有しておらず、比較例3では空洞部を備えない第一サイプのみが設けられて第二サイプを有しておらず、比較例4では空洞部を備えた第二サイプのみが設けられて第一サイプを有しておらず、比較例5では空洞部を備えた第一サイプのみが設けられて第二サイプを有しておらず、比較例6では第一サイプおよび第二サイプの両方が設けられるものの共に空洞部を備えておらず、比較例7では第一サイプおよび第二サイプの両方が設けられるものの第一サイプが空洞部を有するのに対して第二サイプが空洞部を有さないので、従来例1に対してウェット性能が悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 主溝
11 最外主溝
12 センター主溝
20 陸部
21 ショルダー陸部
22 センター陸部
30 ラグ溝
40 細溝
51 第一サイプ
52 第二サイプ
53 第三サイプ
54 第四サイプ
H 空洞部
CL タイヤ赤道
E 接地端

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部の表面にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の主溝と該主溝によって区画された複数列の陸部とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外主溝のタイヤ幅方向外側に区画されたショルダー陸部に、タイヤ幅方向に沿って延在するラグ溝がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、該ラグ溝のタイヤ幅方向内側端は前記ショルダー陸部内で終端し、前記最外主溝と前記ラグ溝のタイヤ幅方向内側端との間に前記最外主溝および前記ラグ溝から離間してタイヤ周方向に沿って延在する1本の細溝が形成され、前記最外主溝と前記細溝との間にタイヤ幅方向に沿って延在して一端が前記最外主溝に連通して他端が前記細溝に連通する第一サイプが形成され、前記細溝と前記ラグ溝との間にタイヤ幅方向に沿って延在して一端が前記細溝に連通して他端が前記ラグ溝に連通する第二サイプが形成され、該第二サイプの底部または深さ方向の中腹に前記第二サイプよりも広幅で前記第二サイプに沿って延在する空洞部を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記細溝の溝幅W4が、接地端における前記ラグ溝の溝幅W3と、接地端における前記ラグ溝の最大間隔Pgと、前記ラグ溝のタイヤ幅方向内側端から前記最外主溝までのタイヤ幅方向距離Lとに対して、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
    1.0×(W3×L/Pg)≦W4≦1.3×(W3×L/Pg) (1)
  3. 子午線断面において、トレッド表面におけるラグ溝のタイヤ幅方向内側端点をA1とし、この点A1を通りトレッド表面に垂直な仮想線と前記ラグ溝の溝底の延長線との交点をA2とし、点A1から点A2までの距離を前記ラグ溝の最大溝深さD3としたとき、前記ラグ溝の最大溝深さD3と前記細溝の溝深さD4とが0.8×D3≦D4≦1.0×D3の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第一サイプの間隔Psが接地端における前記ラグ溝の最大間隔Pgに対して0.2×Pg≦Ps≦0.6Pgの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第一サイプおよび前記第二サイプのサイプ深さDsが前記細溝の溝深さD4に対して0.9×D4≦Ds≦1.0×D4の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記空洞部の最大断面幅Whが該空洞部を備えたサイプのサイプ幅Wsに対して2.0×Ws≦Wh≦4.0×Wsの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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