JP2018110362A - オーディオ信号処理回路、それを用いた車載オーディオシステム、オーディオコンポーネント装置、電子機器、オーディオ信号処理方法 - Google Patents

オーディオ信号処理回路、それを用いた車載オーディオシステム、オーディオコンポーネント装置、電子機器、オーディオ信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイレゾ音源を再生可能なオーディオシステムを、低コスト化、および/または低消費電力化する。【解決手段】オーディオ信号処理回路100は、周波数帯域分割部110およびメインデジタル信号処理部120を備える。周波数帯域分割部110は、入力サンプリング周波数fs0を有する入力オーディオ信号SHRを、第1周波数帯域FB1を含む第1信号S1と第1周波数帯域FB1より高い第2周波数帯域FB2を含む第2信号S2に分割する。第1信号S1は入力サンプリング周波数fs0より低い内部サンプリング周波数fs1にダウンサンプリングされている。メインデジタル信号処理部120は第1信号S1を処理する。【選択図】図2

Description

本発明は、オーディオ信号処理回路に関する。
近年、ハイレゾ(Hi-Resolution)音源の普及が進んでおり、それにともなってオーディオ再生機器にもハイレゾ対応化が求められている。ハイレゾの定義はさまざまであるが、本明細書では、24ビット、96kHz以上のデジタル信号を処理でき、可聴周波数帯より高い周波数(たとえば40kHz以上)のアナログ信号を出力できるものを、ハイレゾ対応機器として扱う。本明細書において、ハイレゾ以外を、非ハイレゾあるいはローレゾ(Low-Resolution)とも称する。
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明者が検討したローレゾ音源およびハイレゾ音源を再生可能なオーディオシステムのブロック図である。図1(a)のオーディオシステム200Lは、ローレゾのオーディオデータ(オーディオ信号ともいう)SLRを再生する。オーディオシステム200Lは、デジタル信号処理部210L、D/Aコンバータ220、パワーアンプ230、およびスピーカ240を備える。
デジタル信号処理部210Lは、オーディオデータSLRに対して、さまざまなデジタル信号処理を施す。デジタル信号処理部210Lはデジタルボリューム回路212Lや、デジタルフィルタ回路214Lを含む。
D/Aコンバータ220は、デジタル信号処理部210Lの処理を経たオーディオ信号をアナログのオーディオ信号SANALOGに変換する。パワーアンプ230は、オーディオ信号SANALOGを増幅し、スピーカ240を駆動する。
デジタル信号処理部210Lには、オーディオデータSLRに含まれる最高周波数の2倍より高いサンプリング周波数が要求される。ローレゾのオーディオデータSLRには、可聴周波数帯域である20〜20kHzが含まれるため、デジタル信号処理部210Lのサンプリング周波数fsは、40kHzで足りる。
図1(b)のオーディオシステム200Hは、ハイレゾのオーディオデータSHRを再生する。オーディオシステム200Hの構成は、図1(a)の200Lと同様である。
ハイレゾのオーディオデータSHRには、可聴周波数帯域20〜20kHzよりも高い周波数成分が含まれる。たとえばオーディオデータSHRに最高で40kHzの周波数成分が含まれる場合、デジタル信号処理部210Hには80kHzより高いサンプリング周波数fsが要求され、オーディオデータSHRに最高で96kHzの周波数成分が含まれる場合、デジタル信号処理部210Hには192kHzより高いサンプリング周波数fsが要求される。
特開2016−11593号公報
デジタル信号処理部210Hの動作クロックは、サンプリング周波数fsに応じて高くなるため、ハイレゾ対応のデジタル信号処理部210Hの回路規模(面積)は、非ハイレゾのデジタル信号処理部210Lの回路規模よりも大きくなり、コストが高くなる。回路規模の増大の程度は、ハイレゾ音源のサンプリング周波数が高くなるほど大きい。
また、ハイレゾ対応のデジタル信号処理部210Hでは、動作クロックの周波数が高くなるため、その消費電力も、非ハイレゾのデジタル信号処理部210Lの消費電力より大きくなる。
これらの事情から、ハイレゾ音源に対応したオーディオシステム200Hは、非ハイレゾのオーディオシステム200Lに比べて高価となり、ハイレゾ音源のさらなる普及の妨げとなっている。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、ハイレゾ音源を再生可能なオーディオシステムの、低コスト化、および/または低消費電力化にある。
本発明のある態様はオーディオ信号処理回路に関する。オーディオ信号処理回路は、入力サンプリング周波数を有する入力オーディオ信号を、第1周波数帯域を含み、入力サンプリング周波数より低い内部サンプリング周波数にダウンサンプリングされている第1信号と、第1周波数帯域より高い第2周波数帯域を含む第2信号と、に分割する周波数帯域分割部と、第1信号をデジタル信号処理するメインデジタル信号処理部と、を備える。
この態様によると、メインデジタル信号処理部は、入力オーディオ信号の全周波数帯域を処理する必要が無く、メインデジタル信号処理部が対応すべきサンプリング周波数は、第1信号に含まれる最高周波数の2倍程度でよい。したがって、メインデジタル信号処理部のサイズを小さくしてコストを下げることができ、および/または、消費電力を低減できる。
入力サンプリング周波数は、96kHzまたは192kHzであり、内部サンプリング周波数は48kHzであってもよい。
周波数帯域分割部は、入力オーディオ信号を内部サンプリング周波数にダウンサンプリングするダウンサンプリング回路を含んでもよい。ダウンサンプリング回路の出力が第1信号であってもよい。これによりデジタルフィルタを用いずに、第1信号を生成できる。
内部サンプリング周波数を、可聴周波数帯域の最高周波数の2倍付近に設定してもよい。これにより第1信号として可聴周波数帯域を抽出することができる。
周波数帯域分割部は、ダウンサンプリング回路の後段に設けられたフィルタをさらに含み、当該フィルタの出力が、第1信号であってもよい。フィルタのカットオフ周波数に応じて、第1周波数帯域を規定することができる。
周波数帯域分割部は、ダウンサンプリング回路の出力を入力サンプリング周波数にアップサンプリングする第1アップサンプリング回路と、入力オーディオ信号と第1アップサンプリング回路の出力の差分を生成する減算器と、をさらに含み、減算器の出力が第2信号であってもよい。
第1アップサンプリング回路の出力には、可聴周波数帯域が含まれるため、入力オーディオ信号と第1アップサンプリング回路の出力の差分、すなわち第2信号として、可聴周波数帯域より上の周波数帯域を得ることができる。こうして得られる第2信号は、ハイパスフィルタを利用して可聴周波数帯域より上の周波数帯域を得る場合に比べて、フィルタのカットオフ特性(クロスオーバー特性)の影響を受けないという利点がある。
周波数帯域分割部は、入力オーディオ信号の高周波成分を通過するハイパスフィルタをさらに含み、ハイパスフィルタの出力が第2信号であってもよい。
ハイパスフィルタのカットオフ周波数に応じて、第2周波数帯域を規定することができる。
オーディオ信号処理回路は、第2信号をデジタル信号処理するサブデジタル信号処理部をさらに備えてもよい。サブデジタル信号処理部は、メインデジタル信号処理部より簡素化されたデジタル処理を実行してもよい。
周波数帯域分割部は、第1信号を、複数のサブ周波数帯域に分割するサブ帯域分割部を含んでもよい。メインデジタル信号処理部は、サブ周波数帯域ごとにデジタル信号処理を実行してもよい。
第2信号には可聴周波数帯域の一部が含まれていてもよい。
この場合において、オーディオ信号処理回路は、第1信号と第2信号を、個別に出力してもよい。これにより、第1周波数帯域と第2周波数帯域を別々のスピーカユニットから再生することができる。
第2信号には、可聴周波数帯域が含まれず、オーディオ信号処理回路は第1信号と第2信号を合成した信号を出力してもよい。
オーディオ信号処理回路は、メインデジタル信号処理部の出力を入力サンプリング周波数にアップサンプリングする第2アップサンプリング回路と、第2信号と第2アップサンプリング回路の出力を合成する加算器と、をさらに備えてもよい。
オーディオ信号処理回路は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
本発明の別の態様は、車載オーディオシステムに関する。車載オーディオシステムは、上述のいずれかのオーディオ信号処理回路を備える。
本発明の別の態様は、オーディオコンポーネント装置に関する。オーディオコンポーネント装置は、上述のいずれかのオーディオ信号処理回路を備える。
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、上述のいずれかのオーディオ信号処理回路を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
本発明によれば、ハイレゾ音源を再生可能なオーディオシステムを、低コストまたは低消費電力で提供できる。
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明者が検討したローレゾ音源およびハイレゾ音源を再生可能なオーディオシステムのブロック図である。 実施の形態に係るオーディオ信号処理回路の基本構成を示すブロック図である。 図3(a)、(b)は、図2のオーディオ信号処理回路の処理を説明する図である。 第1実施例に係るオーディオ信号処理回路を備えるオーディオシステムのブロック図である。 第2実施例に係るオーディオ信号処理回路を備えるオーディオシステムのブロック図である。 第3実施例に係るオーディオ信号処理回路を備えるオーディオシステムのブロック図である。 第4実施例に係るオーディオ信号処理回路を備えるオーディオシステムのブロック図である。 第5実施例に係るオーディオシステムのブロック図である。 オーディオ信号処理回路を用いた車載オーディオシステムのブロック図である。 オーディオ信号処理回路を用いた別の車載オーディオシステムのブロック図である。 図11(a)、(b)は、オーディオ信号処理回路を備える電子機器を、図11(c)はオーディオコンポーネント装置を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図2は、実施の形態に係るオーディオ信号処理回路100の基本構成を示すブロック図である。図2にはオーディオ信号処理回路100の主要部のみが簡略化して示されており、発明の無関係のブロックは省略されている。
オーディオ信号処理回路100は、ハイレゾの入力オーディオ信号SHRに対応しており、周波数帯域分割部110、メインデジタル信号処理部120、サブデジタル信号処理部130を備える。
周波数帯域分割部110は、入力サンプリング周波数fsを有する入力オーディオ信号SHRを受け、第1周波数帯域FBを含む第1信号Sと、第1周波数帯域FBより高い第2周波数帯域FBを含む第2信号Sを生成する。第1信号Sは入力サンプリング周波数fsより低い内部サンプリング周波数fsにダウンサンプリングされている。
第1信号Sは、入力オーディオ信号SHRのうち、可聴周波数帯域の全部(あるいは低周波側の一部)を含み、第2信号Sは、入力オーディオ信号SHRの残り、すなわち可聴周波数帯域(あるいは可聴周波数帯域の全部および可聴周波数帯域の高周波側の残り)を含む。第2信号Sのサンプリング周波数fsは、元の入力オーディオ信号SHRの入力サンプリング周波数fsと等しい。
メインデジタル信号処理部120は、ダウンサンプリング後の第1信号Sを、内部サンプリング周波数fsにて処理する。デジタル信号処理の内容は特に限定されず、マルチバンドイコライジング処理、マルチバンドトーンコントロール処理、デジタルボリューム処理、ラウドネス処理、バスブースト処理などが例示される。
サブデジタル信号処理部130は、第2信号Sに対してデジタル信号処理を施す。たとえばサブデジタル信号処理部130は、第2信号Sに、可聴周波数帯域が含まれる場合に設けることが望ましい。第2信号Sは、可聴周波数帯域外を主成分とするため、サブデジタル信号処理部130における信号処理は、メインデジタル信号処理部120よりも簡略化することができる。たとえば、サブデジタル信号処理部130には、バスブースト機能などは不要である。メインデジタル信号処理部120およびサブデジタル信号処理部130がマルチバンドイコライザを含む場合、サブデジタル信号処理部130のバンド数は、メインデジタル信号処理部120のバンド数より少ないため、前者は後者より簡略化される。なおサブデジタル信号処理部130はオプションであり、省略できる場合もある。
メインデジタル信号処理部120の出力信号Sおよびサブデジタル信号処理部130の出力Sは、図示しない回路ブロックに供給される。後述のように、メインデジタル信号処理部120およびサブデジタル信号処理部130の処理はさまざまであり、特に限定されない。
以上がオーディオ信号処理回路100の基本構成である。続いてその動作を説明する。
図3(a)、(b)は、図2のオーディオ信号処理回路100の処理を説明する図である。図3(a)は、元の入力オーディオ信号SHRのスペクトルであり、図3(b)は、第1信号Sおよび第2信号Sのスペクトルである。
たとえばfs0=96kHzとすると、入力オーディオ信号SHRには、最高48kHzの周波数成分が含まれる。
第1周波数帯域FBと第2周波数帯域FBのクロスオーバー周波数をfとする。第1周波数帯域FBの最高周波数は、クロスオーバー周波数fと実質的に一致すると考えてよい。
第1信号Sのサンプリング周波数fsは、fs>2fを満たせばよい。クロスオーバー周波数fを20kHzとした場合、内部サンプリング周波数fsは40kHzより高ければ足り、たとえばfs=48kHzとすることができ、元の入力サンプリング周波数fs(=96kHz)より低くなる。
メインデジタル信号処理部120は、第1信号Sを、内部サンプリング周波数fsで処理し、サブデジタル信号処理部130は、第2信号Sを、入力サンプリング周波数fsで処理する。
以上がオーディオ信号処理回路100の動作である。
オーディオ信号処理回路100の利点は、図1(b)のオーディオシステム200Hとの対比によって明確となる。オーディオシステム200Hでは、デジタル信号処理部210Hが、入力オーディオ信号SHRの全周波数帯域を処理する必要があり、fs=96kHzの場合、デジタル信号処理部210Hにおけるサンプリング周波数も96kHzとなる。
一方、図2のオーディオ信号処理回路100において、メインデジタル信号処理部120は、入力オーディオ信号SHRの全周波数帯域を処理する必要が無く、それに要求されるサンプリング周波数fsは、第1信号Sに含まれる最高周波数の2倍程度(たとえば48kHz)でよい。
メインデジタル信号処理部120とサブデジタル信号処理部130の組み合わせによって、図1(b)のデジタル信号処理部210Hと同じ処理を行う場合を考える。デジタル信号処理回路の面積は、サンプリング周波数に応じてスケーリングされる。一例として、メインデジタル信号処理部120の回路面積は、デジタル信号処理部210Hの1/2まで削減することができる。
一方、追加で必要となるサブデジタル信号処理部130および周波数帯域分割部110の合計の面積は、デジタル信号処理部210Hの面積の1/2よりも十分に小さい。したがって、図2のオーディオ信号処理回路100は、デジタル信号処理部210Hよりも小さくすることができ、ひいてはオーディオ信号処理回路100の低コスト化が可能となる。
また、メインデジタル信号処理部120におけるサンプリング周波数を下げることができるため、消費電力を低減できる。
入力サンプリング周波数fs=192kHzのオーディオ信号SHRに対応する場合、fs1=48kHzとすれば、面積削減の効果はより一層顕著となる。
本発明は、図2のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な実施例や変形例を説明する。
(第1実施例)
図4は、第1実施例に係るオーディオ信号処理回路100Aを備えるオーディオシステム200Aのブロック図である。オーディオシステム200Aは、2ウェイネットワークの再生システムであり、オーディオ信号処理回路100A、パワーアンプ230H,230L、スピーカユニット240H,240Lを備える。高域用のスピーカユニット240Hはツイータ、低域用のスピーカユニット240Lはウーハとも称される。
なお図4および以降の図では、1チャンネルのみが示されるが、実際には、入力オーディオ信号SHRのチャンネル数に応じた数だけ同じ回路が設けられる。
オーディオ信号処理回路100Aは、スピーカユニット240L、スピーカユニット240Hそれぞれの再生周波数帯域のアナログオーディオ信号S,Sを、個別に出力する。パワーアンプ230L,230Hはそれぞれ、アナログオーディオ信号S,Sを増幅し、スピーカユニット240L,240Hを駆動する。
オーディオ信号処理回路100Aの構成を説明する。オーディオ信号処理回路100Aは、上述の周波数帯域分割部110、メインデジタル信号処理部120、サブデジタル信号処理部130に加えて、入力インタフェース102、高域補間部104、D/Aコンバータ150,152を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化されている。
入力インタフェース102は、図示しない音源から、ハイレゾあるいは非ハイレゾのオーディオデータSINを受信する。高域補間部104はオンオフが切りかえ可能であり、オーディオデータSINが非ハイレゾであったり、あるいはMP3などの圧縮音源であったりする場合に、高域周波数成分を補間する。高域補間部104は省略してもよい。
周波数帯域分割部110は、ダウンサンプリング回路112、ローパスフィルタ114、ハイパスフィルタ116を含む。ダウンサンプリング回路112は、サンプリングレートコンバータであり、入力オーディオ信号SHRを、内部サンプリング周波数fsにダウンサンプリングする。ローパスフィルタ114は、ダウンサンプリング回路112の後段に設けられ、ローパスフィルタ114の出力が、第1信号Sとなる。ローパスフィルタ114はダウンサンプリング回路112の前段に設けることも可能であるが、後段に設けることにより、ローパスフィルタ114の回路規模を小さくできる。
ハイパスフィルタ116は、入力オーディオ信号SHRの高周波成分を抽出し、第2信号Sを生成する。ローパスフィルタ114およびハイパスフィルタ116それぞれのカットオフ周波数は、第1周波数帯域FBと第2周波数帯域FBのクロスオーバー周波数fcに応じて規定される。
この実施例においてクロスオーバー周波数fcは、スピーカユニット240Hの再生周波数帯域にもとづいて規定され、可聴周波数帯域の最高周波数(20kHz)より低い。したがって第2周波数帯域FBは、可聴周波数帯域の高域側の一部を含む。たとえばクロスオーバー周波数fcは10kHzであり、第1周波数帯域FBは20〜10kHzを含み、第2周波数帯域FBは10kHzより高い周波数成分を含む。
内部サンプリング周波数fsは、2×fc=20kHzより高ければ任意の値とすることができる。従来の非ハイレゾ用のデジタル信号処理部は、48kHzのサンプリング周波数で設計されている場合が多い。したがって、回路資産の有効活用の観点から、ダウンサンプリング後の第1信号S1の内部サンプリング周波数fsは48kHzとすることが好ましい。
メインデジタル信号処理部120は、第1周波数帯域FBを含む第1信号Sを処理し、サブデジタル信号処理部130は、第2周波数帯域FBを含む第2信号Sを処理する。メインデジタル信号処理部120は、デジタルボリューム回路122、フィルタブロック124、遅延ブロック126を含む。同様にサブデジタル信号処理部130は、デジタルボリューム回路132、フィルタブロック134、遅延ブロック136を含む。
デジタルボリューム回路122および132はそれぞれ、ユーザが設定したボリューム値(音量)にもとづいて、第1信号S、第2信号Sの振幅を調節する。
フィルタブロック124およびフィルタブロック134の組み合わせは、(i)マルチバンドイコライジング処理、(ii)マルチバンドトーンコントロール処理、(iii)ラウドネス処理、(iv)バスブースト処理などを実行する。
フィルタブロック134はフィルタブロック124よりも簡素化されている。たとえば第2信号Sには、バスブースト処理の対象となる周波数成分は含まれないため、フィルタブロック134からこの機能は省略される。
マルチバンドイコライジング処理に関連して、第2信号Sに含まれるバンド数は、第1信号Sに含まれるバンド数よりも少ないから、この機能に関しても、フィルタブロック134はデジタルボリューム回路132より簡略化することができる。たとえば13バンドイコライザを実装する場合、フィルタブロック124は低域側の11バンドを受け持ち、フィルタブロック134は、高域側の2バンドを受け持つこととなる。
マルチトーンコントロール処理に関連して、第2信号Sに含まれるバンド数は、第1信号Sに含まれるバンド数よりも少ないから、この機能に関しても、フィルタブロック134はデジタルボリューム回路132より簡略化することができる。たとえばロー、ミッド、トレブルの3バンドトーンコントロールを実装する場合、フィルタブロック124はロー、ミッドの2バンドを受け持ち、フィルタブロック134は、トレブルを受け持つこととなる。
遅延ブロック126,136は、アナログオーディオ信号S,Sの相対的な遅延量を調節する。遅延ブロック126,136は、第1信号Sと第2信号Sの遅延を揃える第1機能と、オーディオ信号SとSに積極的に遅延差を与える第2機能を担う。
第1信号Sと第2信号Sを比較すると、第1信号Sはダウンサンプリング回路112を通過しており、また第1信号Sと第2信号Sは別々のフィルタ回路を通過しているため、第1信号Sは第2信号Sに比べてΔτだけ遅延している。そこで、遅延ブロック126と136は、この遅延量Δτをキャンセルさせる(第1機能)。
第2機能は、いわゆるタイムアライメントと称されるものである。車載オーディオシステムでは、スピーカユニット240Lと240Hが離れた場所に設置される場合がある。この場合、オーディオ信号処理回路100Aの出力S,Sの遅延差がゼロであると、視聴者(運転手)の耳に、スピーカユニット240L、240Hから異なるタイミングで音が到達し、音質が劣化する。遅延ブロック126,136の遅延量は、視聴位置と2つのスピーカユニット240H,240Lとの距離の差がキャンセルされるように、設定される。
したがって、遅延ブロック126には、タイムアライメント用の遅延量が設定され、遅延ブロック136には、ダウンサンプリング回路112の遅延量をキャンセルするための遅延量と、タイムアライメント用の遅延量と、が設定される。タイムアライメント機能が省略される場合、遅延ブロック126を省略してもよい。
D/Aコンバータ150,152はそれぞれ、メインデジタル信号処理部120、サブデジタル信号処理部130の出力S,Sをアナログオーディオ信号S,Sに変換する。
以上がオーディオシステム200Aの構成である。オーディオ信号処理回路100Aを用いることにより、低コストおよび/または低消費電力のオーディオシステム200Aを提供できる。
また既存のハイレゾ非対応の2ウェイオーディオシステムにおいて、オーディオ信号処理回路を置き換えるだけで、ハイレゾ対応とすることができる。
(第2実施例)
図5は、第2実施例に係るオーディオ信号処理回路100Bを備えるオーディオシステム200Bのブロック図である。オーディオシステム200Bは、3ウェイネットワークの再生システムであり、オーディオ信号処理回路100A、パワーアンプ230H,230L、230S、スピーカユニット240H,240L,240Sを備える。
オーディオ信号処理回路100Bは、第1実施例における第1信号Sを、2つのサブ周波数帯域に分割して出力する。周波数帯域分割部110Bは、図4のローパスフィルタ114に代えて、サブ帯域分割部115を備える。サブ帯域分割部115は、第1信号Sを、複数のサブ周波数帯域に分割し、サブ周波数帯域毎の信号S11,S12を出力する。
一例として、サブ周波数帯域のひとつは重低音の周波数帯域(20〜100Hz)であり、別のひとつは低域〜中高域の周波数帯域(100Hz〜10kHz)である。このようなオーディオシステムは、2.1チャンネル(5.1チャンネル)などと称され、0.1チャンネルは重低音に対応する。スピーカユニット240H,240L,240Sはそれぞれ、高域を受け持つツイータ、低域を受け持つウーハおよび重低音を受け持つサブウーハであってもよい。
サブ帯域分割部115は、バンドパスフィルタ115Aおよびローパスフィルタ115Bを含む。ローパスフィルタ115Bは、スピーカユニット240Sに対応する周波数成分を抽出する。たとえばスピーカユニット240Sがサブウーハであり、その再生周波数帯域が20〜100Hzである場合、ローパスフィルタ115Bのカットオフ周波数fcは100Hzとなる。バンドパスフィルタ115Aは、スピーカユニット240Lに対応する周波数成分を抽出する。この例ではバンドパスフィルタ115Aは、100Hz〜100kHzの周波数成分を抽出する。ダウンサンプリング回路112の出力SDSに10kHz以上の帯域が含まれない場合、バンドパスフィルタ115Aは、ハイパスフィルタに置換できる。
メインデジタル信号処理部120Bは、サブ周波数帯域ごとに、デジタル信号処理を実行する。メインデジタル信号処理部120Bは、第1サブ周波数帯域の信号S11を処理するデジタルボリューム回路122、フィルタブロック124、遅延ブロック126を備える。これらは図4のそれらと同様である。
またメインデジタル信号処理部120Bは、第2サブ周波数帯域(重低音)の信号S12を処理するデジタルボリューム回路127、遅延ブロック128を備える。重低音に関しては、イコライジング処理は不要であることから、フィルタブロックは省略することができる。
重低音に対応する第2サブ周波数帯域の再生ブロック(115B,127,128)は、全チャンネルで共通でひとつだけ設けられ、この再生ブロックは、全チャンネルの重低音の成分を合成した信号を再生する。
D/Aコンバータ150,152および154はそれぞれ、対応するデジタル信号S31,S32およびSを、アナログオーディオ信号SL1,SL2およびSに変換する。
(第3実施例)
図6は、第3実施例に係るオーディオ信号処理回路100Cを備えるオーディオシステム200Cのブロック図である。第1、第2実施例では、第2信号Sに可聴周波数帯域が含まれていた。これに対して、第3実施例では、第2信号Sは可聴周波数帯域外の周波数成分のみを含む。したがって、第1周波数帯域FBと第2周波数帯域FBのクロスオーバー周波数fは20kHzより高く定められ、たとえば24kHzである。
オーディオ信号処理回路100Cは、第1信号Sと第2信号Sをデジタル信号処理した後に、それらを合成し、アナログオーディオ信号に変換して出力する。パワーアンプ230は、オーディオ信号処理回路100Cの出力信号を受け、スピーカ240を駆動する。スピーカ240の再生周波数帯域は、全周波数帯域に及ぶ。
周波数帯域分割部110Cは、ダウンサンプリング回路112、第1アップサンプリング回路118、減算器119を備える。ダウンサンプリング回路112は、入力オーディオ信号SHRを内部サンプリング周波数fsにダウンサンプリングする。ダウンサンプリング回路112の出力SDSは、fs/2より低い周波数成分のみを含み、第1信号Sに対応する。たとえばfs=48kHzとした場合、第1信号Sは、20〜20kHzの可聴周波数帯域を含む。
第1アップサンプリング回路118は、サンプリングレートコンバータであり、ダウンサンプリング回路112の出力SDSを、入力サンプリング周波数fsに再度、アップサンプリングする。減算器119は、入力オーディオ信号SHRと第1アップサンプリング回路118の出力SUSの差分に応じた信号を生成する。減算器119の出力は第2信号Sに対応する。上述のようにダウンサンプリング回路112の出力SDSは可聴周波数帯域を含む信号であるから、それをアップサンプリングした信号SUSも同様に可聴周波数帯域を含む。したがって減算器119の出力は、入力オーディオ信号SHRのうち可聴周波数帯域を除去した信号であり、したがって、可聴周波数帯域外の信号となる。
メインデジタル信号処理部120Cは、第1信号Sを処理する。メインデジタル信号処理部120Cは、デジタルボリューム回路122とフィルタブロック124を含む。第3実施例において、第1信号Sと第2信号Sは同じスピーカ240から再生されることから、タイムアライメント機能は不要である。したがってメインデジタル信号処理部120Cからは、遅延ブロック126が省略される。
サブデジタル信号処理部130Cは、デジタルボリューム回路132および遅延ブロック136を含む。遅延ブロック136は、第1信号Sと第2信号Sの遅延量を合わせる。
第2アップサンプリング回路140は、メインデジタル信号処理部120Cの出力Sを、元の入力サンプリング周波数fsにアップサンプリングする。加算器142は、第2アップサンプリング回路140の出力Sとサブデジタル信号処理部130Cの出力Sを加算する。D/Aコンバータ150は、加算器142の出力Sをアナログオーディオ信号Sに変換する。アナログオーディオ信号Sは、元の入力オーディオ信号SHRに含まれていたすべての周波数帯域を含む。
(第4実施例)
図7は、第4実施例に係るオーディオ信号処理回路100Dを備えるオーディオシステム200Dのブロック図である。オーディオ信号処理回路100Dの構成は、出力段を除いて、図6のオーディオ信号処理回路100Cと同様である。パワーアンプ230Dは、デジタルオーディオ信号を受けることが可能なD級アンプであり、オーディオ信号処理回路100Dは、デジタルオーディオ信号Sを出力する。
(第5実施例)
図8は、第5実施例に係るオーディオシステム200Eのブロック図である。オーディオ信号処理回路100Eは、図6のオーディオ信号処理回路100Cと、図5のオーディオ信号処理回路100Bの組み合わせと把握できる。周波数帯域分割部110Eは、第1信号Sを、重低音のサブ周波数帯域を含む信号S11と、それより高いサブ周波数帯域を含む信号S12に分割する。周波数帯域分割部110Eは、バンドパスフィルタ(もしくはハイパスフィルタ)117Aとローパスフィルタ117Bを含むサブ帯域分割部117を備える。
メインデジタル信号処理部120Eは、サブ周波数帯域ごとの信号S11,S12を処理する。デジタルボリューム回路127は、重低音のサブ周波数帯域の音量を調節する。遅延ブロック128は、重低音のサブ周波数帯域に、必要に応じて遅延を与える。メインデジタル信号処理部120Eの高域側の出力S31は、第2アップサンプリング回路140に供給される。
メインデジタル信号処理部120Eの低域側の出力S32は、D/Aコンバータ154によってアナログオーディオ信号SL2に変換される。パワーアンプ230Sは、オーディオ信号SL2に応じてスピーカユニット(サブウーハ)240Sを駆動する。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1変形例)
図4におけるD/Aコンバータ150,152、図5におけるD/Aコンバータ150,152,154、図6におけるD/Aコンバータ150は、オーディオ信号処理回路の外部に設けられてもよい。この場合、オーディオ信号処理回路の出力段には、デジタルオーディオ信号を、後段のD/Aコンバータチップに送信する出力インタフェースが設けられる。
(第2変形例)
図4、図5、図6において、パワーアンプ230をデジタル入力を受け付けるD級アンプで構成し、オーディオ信号処理回路の出力段のD/Aコンバータ150,152,154を省略してもよい。
(第3変形例)
第3実施例や第4実施例において、メインデジタル信号処理部およびサブデジタル信号処理部の出力S,Sの合成方法は限定されない。たとえばオーディオ信号S,Sそれぞれを、2個のD/Aコンバータによりアナログオーディオ信号に変換した後に、アナログ加算器によって2つのアナログオーディオ信号を合成してもよい。
(第4変形例)
図5のオーディオシステム200Bの変形例として、スピーカユニット240H,240L,240Sはそれぞれ、高域を受け持つツイータ、中域を受け持つミッドレンジスピーカ(スコーカ)、低域を受け持つウーハであってもよい。この場合、低域に対応する第2サブ周波数帯域の再生ブロックにはさらにフィルタが追加される。またこの再生ブロックは、チャンネルごとに個別に設けられる。
(第5変形例)
最終段のD/Aコンバータの後段に、複数チャンネルの相対的な音量を調節するためのフェダーボリューム回路を追加してもよい。
(第6変形例)
オーディオ信号処理回路は、外部からのアナログオーディオ信号を受け、入力オーディオ信号SHRに変換するA/Dコンバータを備えてもよい。
(用途)
最後に、オーディオ信号処理回路の用途を説明する。図9は、オーディオ信号処理回路を用いた車載オーディオシステムのブロック図である。
車載オーディオシステム500Aは、4個のスピーカ240FL,240FR,240RL,240RRを備える。
音源502は、左右(LR)2チャンネルのデジタルオーディオ信号を出力する。オーディオ信号処理回路504は、音源502からデジタルオーディオ信号を受信する入力インタフェース102と、左右2チャンネルに対応する2個の回路ブロック101L,101Rを含む。たとえばオーディオ信号処理回路504は、第3実施例に係るオーディオ信号処理回路100Cのアーキテクチャを用いて構成するこることができ、各回路ブロック101はそれぞれ、図6の高域補間部104〜D/Aコンバータ150を含む。
回路ブロック101LのD/Aコンバータ150の出力は、図示しないフェダーボリュームを経て、パワーアンプ230FL,230RLに分配される。同様に回路ブロック101RのD/Aコンバータの出力150は、図示しないフェダーボリュームを経て、パワーアンプ230FR,230RRに分配される。各パワーアンプ230は、対応するスピーカ240を駆動する。パワーアンプ230をD級アンプとして、オーディオ信号処理回路504に、第4実施例のオーディオ信号処理回路100Dのアーキテクチャを採用してもよい。
図10は、別の車載オーディオシステムのブロック図である。車載オーディオシステム500Bは、4個のスピーカ240FL,240FR,240RL,240RRを備える。フロントのスピーカ240FL、240FRはそれぞれ、ツイータユニット240およびウーハーユニット240を含む。
オーディオ信号処理回路506は、音源502からデジタルオーディオ信号を受信する入力インタフェース102と、左右2チャンネルに対応する2個の回路ブロック101L,101Rを含む。たとえばオーディオ信号処理回路506は、第1実施例に係るオーディオ信号処理回路100Aのアーキテクチャを用いて構成するこることができ、各回路ブロック101はそれぞれ、図6の高域補間部104〜D/Aコンバータ150,152を含む。
左チャンネルの回路ブロック101LのD/Aコンバータ150の出力Sは、図示しないフェダーボリュームを経て、パワーアンプ230FLL,230RLに分配される。回路ブロック101LのD/Aコンバータ152の出力Sは、パワーアンプ230FLHに供給される。右チャンネルの回路ブロック101Rについても同様である。
各パワーアンプ230は、入力されたオーディオ信号に応じて、対応するスピーカ(スピーカユニット)を駆動する。
車載オーディオシステム500がサブウーハを備える場合、オーディオ信号処理回路として、第2実施例に係るオーディオ信号処理回路100Bあるいは第5実施例に係るオーディオ信号処理回路100Eのアーキテクチャを採用できる。
図11(a)、(b)は、オーディオ信号処理回路100を備える電子機器を示す図である。図11(a)の電子機器はディスプレイ装置600である。ディスプレイ装置600は、ディスプレイパネル602に加えて、オーディオ信号処理回路100、パワーアンプ230L,230R、スピーカ240L,240Rを備える。
図11(b)の電子機器700は、持ち運び可能な機器であり、スマートホン、タブレットPC(Personal Computer)、オーディオプレイヤなどである。小型情報端末700は、筐体702、ディスプレイ702、ヘッドホン端子704、パワーアンプ230L,230R、231L,231R、スピーカ240L,240Rを備える。パワーアンプ231L,232Rの出力はヘッドホン端子704を介して、ヘッドホン710と接続される。
図11(c)は、オーディオコンポーネント装置800を示す図である。オーディオコンポーネント装置800は、オーディオ信号処理回路100、パワーアンプ230L,230Rを備える。パワーアンプ230L,230Rは、スピーカケーブルを介して接続されるスピーカ240L,240Rを駆動する。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
100…オーディオ信号処理回路、102…入力インタフェース、104…高域補間部、110…周波数帯域分割部、110B…周波数帯域分割部、112…ダウンサンプリング回路、114…ローパスフィルタ、115…サブ帯域分割部、115A…バンドパスフィルタ、115B…ローパスフィルタ、116…ハイパスフィルタ、118…第1アップサンプリング回路、119…減算器、120…メインデジタル信号処理部、122…デジタルボリューム回路、124…フィルタブロック、126…遅延ブロック、130…サブデジタル信号処理部、132…デジタルボリューム回路、134…フィルタブロック、136…遅延ブロック、140…第2アップサンプリング回路、142…加算器、150,152,154…D/Aコンバータ、SHR…入力オーディオ信号、S…第1信号、S…第2信号、fs…入力サンプリング周波数、fs…内部サンプリング周波数、200…オーディオシステム、230…パワーアンプ、240…スピーカユニット、500…車載オーディオシステム、502…音源、504…オーディオ信号処理回路、600…ディスプレイ装置、700…小型電子機器、800…オーディオコンポーネント装置。

Claims (19)

  1. 入力サンプリング周波数を有する入力オーディオ信号を、第1周波数帯域を含みかつ前記入力サンプリング周波数より低い内部サンプリング周波数にダウンサンプリングされている第1信号と、前記第1周波数帯域より高い第2周波数帯域を含む第2信号と、に分割する周波数帯域分割部と、
    前記第1信号をデジタル信号処理するメインデジタル信号処理部と、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理回路。
  2. 前記周波数帯域分割部は、前記入力オーディオ信号を前記内部サンプリング周波数にダウンサンプリングするダウンサンプリング回路を含み、
    前記ダウンサンプリング回路の出力が前記第1信号であることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ信号処理回路。
  3. 前記周波数帯域分割部は、前記ダウンサンプリング回路の後段に設けられたフィルタをさらに含み、前記フィルタの出力が、前記第1信号であることを特徴とする請求項2に記載のオーディオ信号処理回路。
  4. 前記周波数帯域分割部は、
    前記ダウンサンプリング回路の出力を前記入力サンプリング周波数にアップサンプリングする第1アップサンプリング回路と、
    前記入力オーディオ信号と前記第1アップサンプリング回路の出力の差分を生成する減算器と、
    をさらに含み、前記減算器の出力が前記第2信号であることを特徴とする請求項2または3に記載のオーディオ信号処理回路。
  5. 前記周波数帯域分割部は、前記入力オーディオ信号の高周波成分を通過するハイパスフィルタをさらに含み、前記ハイパスフィルタの出力が前記第2信号であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  6. 前記第2信号をデジタル信号処理するサブデジタル信号処理部をさらに備え、
    前記サブデジタル信号処理部は、前記メインデジタル信号処理部より簡素化されたデジタル処理を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  7. 前記周波数帯域分割部は、前記第1信号を複数のサブ周波数帯域に分割するサブ帯域分割部をさらに備え、
    前記メインデジタル信号処理部は、サブ周波数帯域ごとにデジタル信号処理を実行することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  8. 前記第2信号には可聴周波数帯域の一部が含まれていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  9. 前記第1信号と前記第2信号を個別に出力することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  10. 前記第2信号には可聴周波数帯域が含まれず、
    前記第1信号と前記第2信号を合成した信号を出力することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  11. 前記メインデジタル信号処理部の出力を前記入力サンプリング周波数にアップサンプリングする第2アップサンプリング回路と、
    前記第2信号と前記第2アップサンプリング回路の出力を合成する加算器と、
    をさらに備え、
    前記第1信号と前記第2信号を再合成した信号を出力することを特徴とする請求項8または10に記載のオーディオ信号処理回路。
  12. 入力サンプリング周波数を有する入力オーディオ信号を、前記入力サンプリング周波数より低い内部サンプリング周波数にダウンサンプリングするダウンサンプリング回路と、
    前記ダウンサンプリング回路の出力を前記入力サンプリング周波数にアップサンプリングするアップサンプリング回路と、
    前記入力オーディオ信号と前記アップサンプリング回路の出力の差分を生成する減算器と、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理回路。
  13. 前記入力サンプリング周波数は96kHzまたは192kHzであり、前記内部サンプリング周波数は48kHzであることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  14. ひとつの半導体基板上に一体集積化されることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路を備えることを特徴とする車載オーディオシステム。
  16. 請求項1から14のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路を備えることを特徴とするオーディオコンポーネント装置。
  17. 請求項1から14のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路を備えることを特徴とする電子機器。
  18. 入力オーディオ信号を第1周波数帯域を含み、前記入力オーディオ信号よりもダウンサンプリングされている第1信号と、前記第1周波数帯域より高い第2周波数帯域を含む第2信号に分割するステップと、
    前記第1周波数帯域をデジタル信号処理するステップと、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理方法。
  19. 入力サンプリング周波数を有する入力オーディオ信号を、前記入力サンプリング周波数より低い内部サンプリング周波数にダウンサンプリングするステップと、
    ダウンサンプリングされた信号を、前記入力サンプリング周波数にアップサンプリングするステップと、
    前記入力オーディオ信号とアップサンプリングされた信号との差分を生成するステップと、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理方法。
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