JP2018109785A - 装着者の利き手を考慮に入れた眼用レンズ - Google Patents

装着者の利き手を考慮に入れた眼用レンズ Download PDF

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Abstract

【課題】現在のレンズ設計は設計要素として利き手を含まず、一方このような要素は装着者の視覚的快適性に影響を与える。【解決手段】本発明は利き手の経験を改善するための眼用レンズと眼鏡を提供する。【選択図】図8

Description

本発明は利き手の経験を改善するための眼用レンズと眼鏡に関する。
装着者には、正又は負の屈折力(optical power)補正が処方されることがある。老眼の装着者にとって、屈折力補正の値は近方視における適応の困難性により遠方視と近方視で異なる。老眼の装着者に好適な眼用レンズは多焦点レンズであり、最も適切なものは累進多焦点レンズである。
本発明者らは、右利きの人と左利きの人は、近方視、中間視、及び/又は遠方視に関わらず、ある作業を行う際全く異なる方法で振る舞うということを発見した。しかし、現在のレンズ設計は設計要素として利き手を含まず、一方このような要素は装着者の視覚的快適性に影響を与える。
本発明は、利き手経験の改善のために設計された眼用レンズ、一対のレンズ、一連のレンズ、眼鏡を提供する。本発明の目的は、有利には優れた視覚的快適性を装着者に与えることであり、近方視及び/又は中間視及び/又は遠方視の快適性改善のためにカスタム化され得る。したがって、特定の装着者作業及び活動に対し、利き手に応じた快適性の改善をさらに提供し得る。
一態様では、本発明は、レンズ設計が装着者利き手に依存する非対称を特徴とする装着者用累進多焦点眼用レンズを提供する。このような非対称は、単一レンズ設計のレベルで(例えば、レンズの鼻部分と側頭部分間で非対称を導入することにより)、及び/又は一対内のレンズのそれぞれの間で(例えば、右眼設計に対する左眼設計の非対称を導入することにより)導入され得る。
別の態様では、本発明は、利き手に応じて設計されるフレームを備える眼鏡を提供する。
本発明のさらなる特徴と利点は、以下に列挙される添付図面を参照して、非限定的な例として与えられる以下の本発明の実施形態の説明から明らかになる。
目とレンズの光学系と、眼の回転中心からの光線追跡とを図式的に示す。 目とレンズの光学系と、眼の回転中心からの光線追跡とを図式的に示す。 目とレンズの光学系と、眼の回転中心からの光線追跡とを図式的に示す。 マイクロマーキングを有する面とマイクロマーキングを有しない面それぞれに対するマイクロマーキングに関して定義された基準点を示す。 マイクロマーキングを有する面とマイクロマーキングを有しない面それぞれに対するマイクロマーキングに関して定義された基準点を示す。 レンズの視野ゾーンを示す。 レンズの視野ゾーンを示す。 近方視作業を行う際の目とレンズの光学系を示す。 図8の光学系により掃引された際の有用ゾーンに対応する注視方向の包絡線を示す。 図8の光学系により掃引された際の有用ゾーンに対応する注視方向の包絡線を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 フィッティングが装着者の利き手に応じて非対称である本発明の眼鏡を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 基準点を見出すための非対称マーキングを有する本発明のレンズを示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明によるインセット決定を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。 本発明のレンズの光学的特性を示す。 本発明による累進式眼用レンズの対の3つの例の光学的特性を示す。
添付図面内の要素は簡略化と明確化のために示され必ずしも原寸に比例して描かれていないということが理解される。例えば、添付図面内の要素のいくつかの寸法は、本発明のいくつかの実施形態の理解を深めるのを支援するために他の要素に対して誇張されることがある。
定義
以下の定義は本発明を説明するために与えられる。
「処方データ(Prescription data)」は当該技術分野において知られている。処方データは、装着者毎に得られる1つ又は複数のデータであって、眼毎に、処方された(以下、簡単化のため「処方」)遠方視平均屈折力PFV、及び/又は処方非点収差値CYLFV、及び/又は処方非点収差軸AXEFV、及び/又は各眼の不正視及び/又は老眼を矯正するために好適な処方加入度(addition)Aを示す1つ又は複数のデータを指す。平均屈折力PFVは、処方非点収差値CYLFVの半値と処方球値SPHFVとを合計することにより得られる:PFV=SPHFV+CYLFV/2。このとき、近接(近方)視の各眼の平均屈折力は、処方加入度Aと同眼に対して処方された遠方視平均屈折力PFVとを合計することにより得られる:PNV=PFV+A。累進レンズの処方の場合、処方データは、眼毎のSPHFV、CYLFV、Aの値を示す装着者データを含む。
「利き手」又は「左右差」は、一方の手又は他方の手を使用する個人の好み及び/又は性向を示す。これは通常、書くなどの作業に対して観測されるが、他の活動においても反映される。対象者の利き手を記述するために利き手パラメータHを使用することができる。
「眼用レンズ」は当該技術分野において知られている。本発明によると、眼用レンズは、累進及び逆進レンズ、単焦点レンズ、二重焦点レンズ、又はより一般的には多焦点レンズから選択され得る。レンズは、眼鏡、コンタクトレンズ、又は眼内レンズとして使用され得る。レンズはまた、レンズが眼の前に情報を表示する手段を含む情報眼鏡であり得る。レンズは処方又は処方箋無しレンズであり得る。レンズはまた、サングラスに好適であることも、そうでないこともある。本発明による好ましいレンズは累進多焦点眼用レンズを含む累進式眼用レンズである。本発明のすべての眼用レンズは一対のレンズ(左眼LE、右眼RE)を形成するように対にされ得る。
装着者用の「一対のレンズ」は前記装着者により同時に装着されるようにされた一対のレンズを示す。前記一対のレンズはフレームに嵌め込められるように意図されている。
「注視方向(gaze direction)」は、眼の回転中心(CRE:center of rotation of the eye)を中心とする基準軸に対して測定される2つの角度値(α,β)により特定することができる。より正確には、図1は、注視方向を定義するために使用されるパラメータα、βを示すこのような系の斜視図を表す。図2は、装着者の頭の前後軸に平行な鉛直面であって、パラメータβが0に等しいときの眼の回転中心を通る鉛直面の図である。眼の回転中心はQ’と標記される。図2に鎖線で示された軸Q’Fは、眼の回転中心を通り装着者の前に延びる水平軸である、すなわち主注視方向に対応する軸Q’Fである。この軸は、眼鏡屋によるフレーム内のレンズの位置決めを可能にするためにレンズ上に存在するフィッティング十字(fitting cross)と呼ばれる点上のレンズの前面と交わる。フィッティング十字は0°の俯角(lowering angle)αと0°の方位角βに対応する。レンズの裏面と軸Q’Fの交点が点Oである。裏面に位置する場合、Oはフィッティング十字になりえる。中心Q’と半径q’の頂点球(vertex sphere)は水平軸の一点でレンズの裏面と接する。例として、25.5mmの半径q’の値は標準値に対応し、レンズを装着する際に満足な結果を与える。
所与の注視方向(図1上の実線により表される)は、Q’のまわりの回転における眼の位置と頂点球の点J(図2を参照)とに対応する、角度βは軸Q’Fと軸Q’Fを含む水平面上の直線Q’Jの投影との成す角度であり、この角度は図1上の図式上に現われる。角度αは、軸Q’Jと軸Q’Fを含む水平面上の直線Q’Jの投影との成す角度であり、この角度は図1と図2の図式上に現われる。したがって、所与の注視視野(gaze view)は頂点球の点J又は組(α,β)に対応する。下向き注視角の値が正になればなるほど注視はより下向きとなり、同値が負になればなるほど注視視野は上向きとなる。
所与の注視方向において、所与の物体距離に位置する物体空間内の点Mの像は、最小距離JSと最大距離JT(サジタル(sagittal)局所焦点距離と接線方向(tangential)局所焦点距離)に対応する2点SとTとの間に形成される。無限大における物体空間内の点の像は点F’に形成される。距離Dはレンズの後側正面に対応する。
レンズ上において、注視方向(α,β)毎に、屈折力Pα,β、非点収差のモジュール(module)Astα,βとこの非点収差の軸Axeα,β、及び発生(「残余又は不要」とも称する)非点収差のモジュールAsrα,βが定義される。
「エルゴラマ(ergorama)」は、物点の標準距離と各注視方向とを関連付ける関数である。通常、主注視方向に従う遠方視において物点は無限大にある。鼻側方向に絶対値で35°程度の角度αと5°程度の角度βとにほぼ対応する注視方向に従う近方視では物体距離は30〜50cm程度である。エルゴラマの考えられる定義に関する詳細については、米国特許第A−6,318,859号明細書を考慮し得る。この文書は、エルゴラマ、その定義、そのモデリング方法について説明している。本発明の方法に関しては、点は無限遠にあっても、無くてもよい。エルゴラマは装着者の屈折異常に応じ得る。単焦点レンズという状況では、エルゴラマは無限大距離に位置する面として定義され得る。これらの要素を使用して、各注視方向における装着者屈折力及び非点収差を定義することが可能である。エルゴラマにより与えられる物体距離における物点Mには、注視方向(α,β)が考慮される。物体近接度(object proximity)ProxOは、頂点球の点Mと点J間の距離MJの逆数として物体空間内の対応する光線上の点Mに対して定義される。
ProxO=1/MJ
これにより、物体近接度を、エルゴラマの判断に使用されるこの頂点球のすべての点の薄肉レンズ近似内で計算することができるようになる。実際のレンズについては、物体近接度は、対応する光線上の物点とレンズの前面間の距離の逆数として考えることができる。
同じ注視方向(α,β)については、所与の物体近接度を有する点Mの像は、最小焦点距離と最大焦点距離(サジタル焦点距離と接線方向焦点距離)にそれぞれ対応する2点SとTとの間に形成される。量Prox Iは点Mの像近接度と呼ばれる:
屈折力(optical power)は屈折力(refractive power)とも称する。
したがって、薄肉レンズの場合との類推により、所与の注視方向と所与の物体近接度に対して(すなわち、対応する光線上の物体空間の点に対して)、像近接度と物体近接度の合計としての屈折力Puiを定義することができる。
Pui=ProxO+ProxI
同じ表記により、非点収差Astは、あらゆる注視方向と所与の物体近接度に対して次のように定義される。
この定義は、レンズにより生成される光線ビームの非点収差に対応する。
図3は、パラメータαとβが非零である構成の斜視図を表す。したがって、固定座標系{x,y,z}と目にリンクされた座標系{x,y,z}とを示すことにより眼の回転の影響を示すことができる。座標系{x,y,z}は点Q’にその原点を有する。軸xは軸Q’Oであり、レンズから目方向に向けられる。y軸は垂直であり、上方に向けられる。z軸は、座標系{x,y,z}が正規直交となるようにされる。座標系{x,yzm}は目にリンクされ、その中心は点Q’である。x軸は注視方向JQ’に対応する。したがって、主注視方向に関し、2つの座標系{x,y,z}と{x,y,z}は同じである。レンズの特性は、いくつかの異なる方法で、特に面において、及び光学的に表現し得ることが公知である。それゆえ、面特性評価は、光学的特性評価と等しい。ブランクの場合、面特性評価のみを使用し得る。光学的特性評価は、レンズが装用者の処方に機械加工されていることを必要とすることを理解する必要がある。対照的に、眼科用レンズの場合、特性評価は、面又は光学的な事項であり、両特性評価によって、2つの異なる視点から同じ物体を説明することができる。レンズの特性評価が光学的な事項であるときはいつでも、上述のエルゴラマ−眼−レンズ系を指す。簡単にするために、説明では用語「レンズ」を使用するが、これは、「エルゴラマ−眼−レンズ系」として理解する必要がある。面のそれぞれの項目の値はそれぞれの点に対して表し得る。点は、図4と図5に関して上に定義されたような座標系における横座標又は縦座標の助けを借りて配置される。
光学的なそれぞれの項目の値はそれぞれの視線方向に対して表し得る。注視方向は、その原点が眼の回転中心である座標系におけるそれらの下向きの度合いと方位角とにより与えられる。レンズが眼の前に適用される場合、フィッティング十字と呼ばれる点が瞳の前又は主注視方向の眼の回転中心Q’の前に配置される。主注視方向は、装着者が真直ぐ見ている状況に対応する。したがって、選択された座標系において、フィッティング十字は、フィッティング十字がレンズのどの面(裏面又は前面)に配置されたとしても0°の俯角αと0°の方位角βとに対応する。
図1〜3を参照してなされた上記説明は中心視に対してなされた。周辺視では、注視方向が固定されるので、瞳の中心が眼の回転中心の代わりと考えられ、周辺光線方向が注視方向の代わりと考えられる。周辺視を考慮する場合、角度αと角度βが注視方向の代わりに光線方向に対応する。
明細書の残りの部分では、「上」、「底」、「水平」、「垂直」、「の上」、「の下」、又は相対位置を示す他の単語のような用語が使用されることがある。これらの用語はレンズの装着条件において理解されるものとする。特に、レンズの「上側」部分は負の俯角α<0°に対応し、レンズの「下側」部分は正の俯角α>0°に対応する。同様に、レンズ又は半仕上げレンズブランクの面の「上側」部分はy軸に沿った正値(好適には、フィッティング十字に対応するy値より上のy軸に沿った値)に対応し、レンズ又は半仕上げレンズブランクの面の「下側」部分は、図4と図5に関して上に定義されたような座標系におけるy軸に沿った負値(好適には、フィッティング十字におけるy_valueを下回るy軸に沿った値)に対応する。
累進レンズの「経線」は次のように定義され得る。フィッティング十字に対応する注視方向とレンズの底との間の観察角α=αの視野のそれぞれの下向きに関し、注視方向(α,β)は、エルゴラマにより判断された距離における正中面(median plane)内に位置する物点を鮮明に見ることができるために、光線追跡により探索される。正中面は、頭の正中面であり、優先的には鼻の基部を通る。この面はまた、右及び左眼回転中心の中央を通り得る。
したがって、そのようにして定義されたすべての注視方向は、エルゴラマ眼レンズ系の経線を形成する。個人用に設定するために、環境における頭の角度と位置などの装着者の姿勢データが物体位置を決定するために考慮される可能性がある。例えば、物体位置は、近方視における装着者横ズレをモデル化するために、正中面から外れた位置である可能性がある。
レンズの経線は、装着者が遠方視から近方視で見ているとき装着者の平均注視方向の軌跡を表す。
レンズの「面経線」32は以下のように定義される。レンズの経線に属する各注視方向(α,β)は点(x,y)において面と交差する。面経線はレンズの経線の注視方向に対応する点集合である。
図7に示すように、例えばレンズの前面に属する面経線32はレンズを鼻領域(N)と側頭領域(T)とに分離する。予想通り、鼻領域は経線と装着者の鼻との間にあるレンズの領域であり、側頭領域は経線と装着者の側頭との間にある領域である。
「チャンネル線」は、発生非点収差(resulting astigmatism)の最小に対応する注視方向を含む線、又は鼻側と側頭側のレンズのそれぞれを通る2つの注視方向からほぼ等距離(俯角に対する同じ値と発生非点収差に対しても同じ値を有する)にある線として累進レンズに対して定義される。通常、レンズ製造業者は累進レンズの経線をチャンネル線とほぼ一致させる。各経線又は各チャンネル線は、フィッティング十字の上の鉛直面内に含まれ、フィッティング十字の下の鼻側方向に偏向される。
単焦点レンズの「経線」と「チャンネル線」はレンズの光学中心を通る垂直線として定義される。
レンズの「偏心ゾーン」は、以下のすべての注視方向を含むゾーンとして定義される。
*PRPを通る注視方向に対応するとともに不等式(|α|+|β|1/2≦40°に関するすべての注視方向(α,β)を含む注視方向を中心とするゾーン内、
*中央光学ゾーン外;経線(α,β)を含む中央光学ゾーンであって、その方位角がβ±5°に等しい注視方向により経線の両側で境界が定められた中央光学ゾーン。
レンズの「鼻」及び「側頭」側は経線に対して定義される。鼻(又は側頭)側は、「偏心ゾーン」内の一組の注視方向に対応し、経線に対する鼻(又は側頭)側に制限される。
累進レンズを通して見られる「視野ゾーン」は当業者に知られており、図6と図7に概略的に示される。レンズは、レンズの上部にある遠方視ゾーン26と、レンズの下部にある近方視ゾーン28と、遠方視ゾーン26と近方視ゾーン28間に位置する中間領域30とを含む。レンズはまた、例えば前面に属し、3つのゾーンを通り、鼻側と側頭側を定義する面経線32を有する。
単焦点レンズの「視野ゾーン」は次のように定義される。
− 遠方視単焦点レンズ(すなわち遠方視補正のために処方され取り付けられる単焦点レンズ)に対して遠方視基準点は光学中心に対応し、近方視基準点は近接視に使用される点(例えば、座標NV(0,−15mm)の点)に対応し、中間視基準点は、中間視に使用される点(例えば、座標IV(0,−7.5mm)の点)に対応し、座標は、前面に位置するレンズの光学中心OCを中心とする基準座標(OC,x,y)の、及びOCにおけるレンズの前面の接平面に属する軸xとyの、デカルト系に相対的であり、x軸は、レンズがフレームに嵌め込められ主注視状況にある装着者により装着される場合に地上面と平行であり(累進レンズに対する類推により、x軸はマイクロマーキングが存在する場合それにより形成される軸と平行である;図4を参照)、y軸はx軸に直角である。
− 近方視単焦点レンズ(すなわち近方視補正のために処方され取り付けられた単焦点レンズ)に対し、近方視基準点は光学中心に対応し、上記定義のデカルト座標系において、中間視基準点は(0,+7.5mm)の座標を有し得、遠方視基準点は(0,+15mm)の座標を有し得る。
− 単焦点レンズの遠方視、近方視及び中間視ゾーンは、遠方視、近方視及び中間視基準点を囲むレンズのゾーンとしてそれぞれ定義される。図6と同様に、ゾーンの限界は基準点間の中間距離において定義され得る。
「近方視注視方向」(αPV,βPV)はレンズに対して定義され、また対のレンズの各々について定義され得る、すなわち、当該対の左眼レンズに対して左近方視注視方向(αPVL,βPVL)、当該対の右眼レンズに対して右近方視注視方向(αPVR,βPVR)。
近方視注視方向は経線に属する。
一般的に、累進レンズに対し、近方視注視方向したがってαPVは、当該屈折力が、当該レンズの処方遠方視平均屈折力PFV+当該レンズの処方加入度Aの50%と、当該レンズの処方遠方視平均屈折力PFV+当該レンズの処方加入度の125%との間に含まれるようにされる。
有利には、近方視注視方向したがってαPVは、当該対の各レンズに対して、屈折力が、当該レンズの処方遠方視平均屈折力PFV+当該レンズの処方加入度Aの85%に達する場合の注視方向、又は屈折力が、当該レンズの処方遠方視平均屈折力PFV+当該レンズの処方加入度Aの100%に達する場合の注視方向として定義される。
「屈折力の近方視側頭半値幅」TP,nvは、近方視注視方向(αPV,βPV)と、屈折力PαPV,βTP,nvが、レンズの処方遠方視平均屈折力の値PFV+レンズの処方加入度Aの3/4の値に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αPV,βTP,nv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
「屈折力の近方鼻側頭半値幅」NP,nvは、近方視注視方向(αPV,βNP)と、屈折力PαPV,βNPが、レンズの処方遠方視平均屈折力の値PFV+レンズの処方加入度Aの3/4に達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αPV,βNP)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
「発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅」TA,nvは、近方視注視方向(αPV,βPV)と、発生非点収差のモジュールAsrαPV,βTA,nvがレンズの処方加入度Aの1/4の値に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αPV,βTA,nv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
AsrαPV,βTA,nv=A/4
「発生非点収差のモジュールの近方視鼻側半値幅」NA,nvは、近方視注視方向(αPV,βPV)と、発生非点収差のモジュールAsrαPV,βNA,nvがレンズの処方加入度Aの1/4の値に達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αPV,βNA,nv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
AsrαPV,βNA,nv=A/4
「屈折力の近方視側頭半値幅」TP,nvは、近方視注視方向(αPV,βPV)と、屈折力PαPV,βTP,nvが0.25Dに達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αPV,βTP,nv)との間の一定の俯角αにおける角距離として近方視単焦点レンズに対して定義される。
「屈折力の鼻側頭半値幅」NP,nvは、近方視注視方向(αPV,βpv)と、屈折力PαPV,βNPが0.25Dに達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αPV,βNP)との間の一定の俯角αにおける角距離として近方視単焦点レンズに対して定義される。
「発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅」TA,nvは、近方視注視方向(αPV,βPV)と、発生非点収差のモジュールAsrαPV、βTA,nvが0.25Dに達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αPV,βTA,nv)との間の一定の俯角αにおける角距離として近方視単焦点レンズに対して定義される。
「発生非点収差のモジュールの近方視鼻側半値幅」NA,nvは、近方視注視方向(αPV,βPV)と、発生非点収差のモジュールAsrαPV,βNA,nvが0.25Dに達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αPV,βNA,nv)との間の一定の俯角αにおける角距離として近方視単焦点レンズに対して定義される。
「遠方視注視方向」は、屈折力が遠方視における処方屈折力にほぼ等しい場合の遠方基準点に対応する視方注視方向したがってαFVとしてレンズに対して定義される。屈折力はまた、フィッティング十字に対応する注視方向として定義され得、この場合α=β=0°。本開示内では、遠方視(far−vision)は遠方視(distant−vision)とも称する。
「屈折力の遠方視側頭半値幅」TP,fvは、遠方視注視方向(αFV,βFV)と、屈折力PαFV,βTP,fvが、レンズの処方遠方視平均屈折力の値PFV+レンズの処方加入度Aの1/4に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αFV,βTP,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
αFV,βTP,fv=PFV+(1/4)*A
「屈折力の遠方視鼻側半値幅」NP,fvは、近方視注視方向(αFV,βFV)と、屈折力PαFV,βNP,fvが、レンズの処方遠方視平均屈折力の値PFV+レンズの処方加入度Aの1/4の値に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αFV,βNP,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
αFV,βNP,fv=PFV+(1/4)*A
「発生非点収差のモジュールの遠方視側頭半値幅」TA,fvは、遠方視注視方向(αFV,βFV)と、発生非点収差のモジュールAsrαFV,βTA,fvがレンズの処方加入度Aの1/4の値に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αFV,βTA,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
AsrαFV,βTA,fv=A/4
「発生非点収差のモジュールの遠方視鼻半値幅」NA,fvは、遠方視注視方向(αFV,βFV)と、発生非点収差のモジュールAsrαFV,βNA,fvがレンズの処方加入度Aの1/4の値に達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αFV,βNA,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として累進レンズに対して定義される。
AsrαFV,βNA,fv=A/4
「屈折力の遠方視側頭半値幅」TP,fvは、遠方視注視方向(αFV,βFV)と、屈折力PαFV,βTP,fvが0.25Dの値に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αFV,βTP,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として遠方単焦点レンズに対して定義される。
「屈折力の遠方視鼻側半値幅」NP,fvは、近方視注視方向(αFV,βFV)と、屈折力PαFV,βNP,fvが0.25Dの値に達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αFV,βNP,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として遠方単焦点レンズに対して定義される。
「発生非点収差のモジュールの遠方視側頭半値幅」TA,fvは、遠方視注視方向(αFV,βFV)と、発生非点収差のモジュールAsrαFV,βTA,fvが0.25Dの値に達する場合のレンズの側頭側の注視方向(αFV,βTA,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として遠方単焦点レンズに対して定義される。
「発生非点収差のモジュールの遠方視鼻半値幅」NA,fvは、遠方視注視方向(αFV,βFV)と、発生非点収差のモジュールAsrαFV,βNA,fvが0.25Dの値に達する場合のレンズの鼻側の注視方向(αFV,βNA,fv)との間の一定の俯角αにおける角距離として遠方単焦点レンズに対して定義される。
「側頭半値幅」と「鼻半値幅」は、以下に列挙するパラメータなどの他の光学パラメータの類推により、及び/又は以下に列挙するような他の視領域の類推により、及び当然左眼LE用のレンズ及び/又は右眼RE用のレンズの類推により定義され得る。
「レンズの有効ゾーン」は、ある状況下の装着者により使用されるように意図されたレンズの領域を示す。有効ゾーンは、近方視、遠方視、中間視用レンズの部分内に、中心視、周辺視、及び上記の組み合わせ(例えば、中央近方視、周辺中間視など)用の領域などの有効領域を含む。有効ゾーンは装着者間で変わり得る。さらに、一人の装着者に関し、有効ゾーンはまた、レンズが装着される一般情勢を考慮する際に変化し得、したがって活動依存である(スポーツを行う、メークアップする、髭を剃る、読書する、電子タブレット又はスマートフォンを使用する、机で書き物をする、料理するためのレンズと眼鏡)。有効ゾーンはまたレンズの全体を指し得る。有効ゾーンは視標追跡により例えば視線追跡眼鏡により判断され得る。
「光学パラメータ」は当該技術分野において知られている。本発明によると、光学パラメータ(π)は視機能に影響を及ぼす判定基準である。
光学パラメータは以下のものから選択され得る:
近方視、遠方視、中間視用レンズの1つ又は複数の有効ゾーンにおける、
− 中心視における屈折力、中心視における非点収差、中心視における高次収差、中心視における明瞭度、中心視におけるプリズムによる光のフレ、視覚偏差、中心視における物体視野、中心視における像視野、中心視における倍率、又はこれらの変形を含む群から選択される中心視光学基準(CVOC:central vision optical criteria)のうちの任意の1つ;
− 周辺視における屈折力、周辺視における非点収差、周辺視における高次収差、瞳孔視野光線偏差、周辺視における物体視野、周辺視における像視野、周辺視におけるプリズムによる光のフレ、周辺視における倍率、又はこれらの変形を含む群から選択される周辺視光学基準(PVOC:peripheral vision optical criteria)のうちの任意の1つ:
− 眼の倍率、側頭変位、又はこれらの変形を含む群から選択されるグローバル光学基準(GOC:global optical criteria)のうちの任意の1つ;
− 前又は後平均曲率、前又は後最小曲率、前又は後最大曲率、前又は後円柱軸、前又は後円柱、前又は後平均球、前又は後最大球、前又は後最小球、又はこれらの変形を含む群から選択される面基準(SC:surface criteria)のうちの任意の1つ、
− 上記基準のうちの任意の1つの最大値(又は、最小値、山から谷値、最大勾配値、最小勾配値、最大勾配値、最小勾配値、平均値)。
例えば、光学パラメータは以下のうちの任意のものの最大値(又は、最小値、山から谷値、最大勾配値、最小勾配値、最大勾配値、最小勾配値、平均値)であり得る:
− 所与の注視方向について、
− 例えば中心視、周辺視、近方視、遠方視、中間視用レンズの1つ又は複数の有効ゾーンにおけるレンズの2つ以上のゾーン、又はその組み合わせ、又は
− 適用可能な場合には、レンズ全体における、
発生非点収差、屈折力勾配、前面の平均球勾配、前面の円柱。
「中心視(central vision)」(中心視(foveal vision)とも称される)は、中心窩(数多くの円錐体の集合を含む網膜の中心における小領域)の働きについて説明する。中心視状況において、観察者は、注視方向にいる対象を見、観察者の中心窩は対象を追うために動かされる。中心視は、人が、読書し、運転し、精細かつ鮮明な視力を必要とする他の活動を行えるようにする。
「周辺視」は、直接視線外の対象と運動を見る能力を説明する。周辺視状況では、観察者は固定された注視方向を見、対象はこの直接視線外で見られる。このとき、対象から生じ目に向かう光線の方向は、注視方向とは異なるものであり、周辺光線方向と呼ばれる。周辺視は、主として桿体(網膜の中心窩の外に位置する光受容細胞)の働きである。
「周辺光線方向」は、目入射瞳(eye entrance pupil)を中心とする基準軸に関して測定される2つの角度により定義され、注視方向軸に沿って移動する。
「中心視における屈折力判定基準」は、装着者が中心視において対象を観測する際にレンズにより生成される屈折力を指す。
「非点収差」は、いずれの場合も振幅又は振幅と軸の両方に関するレンズにより生成される非点収差、又は処方非点収差(装着者非点収差)とレンズ生成非点収差との差異に対応する残余非点収差(residual astigmatism )(発生非点収差)を指す。
「中心視における非点収差判定基準」は、いずれの場合も振幅又は振幅と軸の両方に関するレンズにより生成される非点収差から選択される中心視における非点収差基準、又は処方非点収差(装着者非点収差)とレンズ生成非点収差との差異に対応する残余非点収差(発生非点収差)を指す。
「中心視における高次収差」は、一般的に残余屈折力と残余非点収差(例えば、球面収差、非対称収差)に加えて中心視において装着者により観測される対象の像のぼやけ(blurredness)を修正する収差を説明する。収差が参照される次数は通常、Zernike多項式により表される次数である。
「周辺屈折力」は、装着者が周辺視において対象を観測する場合にレンズにより生成される屈折力として定義される。
「周辺非点収差」は、振幅又は振幅と軸の両方に関してレンズにより生成される非点収差として定義される。
「視覚偏差」は中心視において定義され、レンズ加えることで、レンズ無しの場合と比較して、同じ対象に焦点を合わせ続けるために目を回転させるということを説明する。角度はプリズムのジオプトリーすなわち度数で測定され得る。
「中心視における物体視野」は、少なくとも2つの注視方向により判断されるレンズの角部を走査することにより目が観測することができる空間の部分により物体空間において定義される。例えば、これらの注視方向は、眼鏡フレームの形状により定義する、又は十分に良好な鮮明さで物体空間を視覚化することを妨げる収差レベルにより定義することができる。
「像空間における中心視における像視野」は、物体空間において視野を視覚化するために目により走査される角部として、物体空間(目空間)における中心視において判断され固定される物体視野に対して定義される。
「周辺視における高次収差」は、一般的に残余周辺屈折力と残余周辺非点収差(例えば、周辺球面収差、周辺非対称収差)に加えて周辺視において装着者により観測される物体の像のぼやけを修正する収差を説明する。収差が参照される次数は通常、Zernike多項式により表される次数である。
「瞳視野光線偏差(Pupil field ray deviation)」は、周辺視野に存在する物体から生ずる光線が、目入射瞳にその経路上のレンズを加えることにより、修正されるということを説明する。
「周辺視における物体視野」は物体空間において定義される。「周辺視における物体視野」は、目入射瞳の中心から発せられた少なくとも2つの光線により定義される視野の周辺視野において目が観測する(目が固定方向を見ながら)ことができる空間の部分である。例えば、これらの光線は、眼鏡フレームの形状により定義される、又は良好な十分な鮮明さで物体空間を視覚化することを妨げる収差レベルにより定義されることができる。
「周辺視における像視野」は、眼の周辺視により見られる像空間における当該角部として判断され固定された周囲物体視野に対して定義される。
「中心視におけるプリズムによる光のフレ」は、レンズのプリズムの量により導入される眼の回転中心から発せられた光線の角度変位により物体空間において定義される。
「周辺視におけるプリズムによる光のフレ」は、レンズのプリズムの量により導入される入射瞳の中心から発せられた光線の角度変位である。
「中央/周辺視における倍率」は、レンズの無い中央/周辺視において見られる物体の見かけの角寸法(すなわち立体角)と、中央/周辺視においてレンズを通して見られる物体の見かけの角寸法(すなわち立体角)との比として定義される。
「眼の倍率」は、観察者により評価される装着者の眼の倍率として定義される。
「側頭変位」は、観察者により評価される装着者側頭のオフセットとして定義される。
「最小曲率」CURVminは、次式により非球面上にいずれかの点で定義される。
ここで、Rmaxは最大曲率半径でありメートルで表され、CURVminはm−1で表される。
「最大曲率」CURVmaxは、次式により非球面上にいずれかの点で定義することができる。
ここで、Rminは局所最小曲率半径でありメートルで表され、CURVmaxはm−1で表される。
SPHminとSPHmaxと標記された「最小及び最大球」は、考察される面の種類に従って導出することができる。
考察される面が物体側面(前面)であるとき、式は次のようになる。
ここで、nはレンズの構成材料の屈折率である。
考察される面が眼球側面(裏面)である場合、式は次のようになる。
nはレンズの構成材料の屈折率である。
非球面上の任意の点における「平均球」SPHmeanもまた次式により定義することができる。
したがって、平均球の式は考察される面に依存する。
− 面が物体側面である場合、
− 面が眼球側面である場合、
− 円柱CYLもまた次式により定義される。
CYL=|SPHmax−SPHmin
「円柱軸」γAXは、基準軸対する及び選択回転方向における最大曲率CURVmaxの配向の角度である。TABO記法では、装着者方向を見て、基準軸は水平であり(この基準軸の角度は0°)、回転方向は眼毎に反時計回りである(0°≦γAX≦180°)。したがって、+45°の円柱軸γAXの軸値は、装着者方向を見て斜めに配向された軸を表し、右上の象限から左下の象限まで延びる。
レンズの任意の非球面の特性は局所平均球と円柱により表され得る。
したがって、面は、最大球SPHmax、最小球SPHmin、円柱軸γAXにより構成されるトリプレットにより局所的に定義され得る。又は、トリプレットは、平均球SPHmean、円柱CYL、円柱軸γAXにより構成され得る。
「マイクロマーキング」は整合規格ISO8990−2により累進レンズに対し義務付けられた。「一時的なマーキング」をレンズの2面のうちの少なくとも一方に適用して、レンズ上の制御点(基準点)、例えば遠方視の制御点、近方視の制御点、プリズム基準点、及びフィッティング十字などの位置を示してもよい。プリズム基準点PRP(prism reference point)は、本明細書では、マイクロマーキングを接続する直線の線分の中間点において考慮される。一時的なマーキングが存在しない又は消されている場合、当業者は実装図と恒久的マイクロマーキングを使用することによりレンズ上に制御点を位置決めすることが常に可能である。同様に、半仕上げレンズブランク上では、規格ISO10322−2はマイクロマーキングが適用されることを要求する。したがって、上述のような基準だけでなく半仕上げレンズブランクの非球面の中心も判断され得る。
「インセット」は当該技術分野において知られており、以下のように定義され得る。累進加入度レンズでは、レンズがその装着者により有用な位置にあるとき、近方視点(近方視点は、近方視において装着者が注視できるようにする注視方向との交差点に対応し、この注視方向は経線に属する)は、遠方視点を通る垂直線に対して水平方向にずらされることができる。レンズの鼻側の方向にあるこの変位は「インセット」と呼ばれる。インセットは通常、特にレンズの屈折力、物体の観察の距離、レンズのプリズムによる光のフレ、眼レンズ距離など多くのパラメータに依存する。インセットは、レンズ注文の時に眼鏡屋により選択される入力パラメータであり得る。インセットは、計算により又は注文データ(処方データ)に基づき光線追跡により判断され得る。
「眼用レンズ材料組成」は眼用レンズを作製するために好適な任意の組成を指す。当業者はこのような組成に精通している。その例としては、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ(チオウレタン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフホン、ポリカーボネート−エチレンテレフタラート共重合体、ポリノルボルネンなどのポリオレフィン、アリルジグリコール炭酸塩単独重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸単独重合体及び共重合体、チオ(メタ)アクリル単独重合体及び共重合体、エポキシ樹脂、及びエピスルフィド樹脂からなる群から選択され得る熱可塑性樹脂又は熱硬化性材料などの有機ガラスの組成が挙げられる。
眼用レンズ
本発明は装着者により装着されるように意図された眼用レンズであって装着者の利き手に応じて設計される眼用レンズに関する。レンズが装着者の利き手に応じて設計されるということは、レンズ特性の少なくとも1つが装着者の利き手を考慮して選択されるということを意味する。このような特性としては、レンズ寸法、レンズ面パラメータ、レンズ光学パラメータが挙げられる。
レンズは好適には眼鏡多焦点累進式眼用レンズ、より好適には多焦点累進式眼用レンズであるがこれらに限定されない。
利き手に応じて鼻/側頭半値幅の非対称を有するレンズ
一態様では、本発明の眼用レンズは以下:
− 近方視注視方向に対する近方視ゾーン、
− 経線に関する中間視ゾーン、
− 遠方視注視方向に対する遠方視ゾーン
のうちの1つ又は複数の鼻/側頭半値幅が装着者の利き手に応じて非対称であるという点で非対称である。
一態様によると、本発明は、近方視鼻/側頭半値幅が装着者の利き手に応じて非対称である装着者用の眼用レンズを提供する。
半値幅は、本明細書に記載されるように任意の光学パラメータに対して、特に発生非点収差のモジュールに対して及び/又は屈折力に対して定義され得る。
一実施形態では、左利き装着者に関して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TP,nv−NP,nv)/(TP,nv+NP,nv)≦0)に設定され及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)≦0)に設定される。これらの比は個々に又は両方ともに厳密に0より小さな値(例えば、<−0.10、<−0.15、<−0.20、<−0.25)に設定され得る。レンズは好適には装着者の右眼用である。
別の実施形態では、左利き装着者に関し、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TP,nv−NP,nv)/(TP,nv+NP,nv)≧0)に設定される及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)≧0)に設定される。これらの比は、個々に又は両方ともに厳密に0より大きな値(例えば、>0.10、>0.15、>0.20、>0.25)に設定される。レンズは好適には装着者の左眼用である。
別の実施形態では、左利き装着者に関して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比はほぼ0((TP,nv−NP_nv)/(TP,nv+NP,nv)=0)に設定される、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比はほぼ0((TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)=0)に設定される。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するために対をなし得る。
一実施形態では、右利き装着者に関して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TP,nv−NP,nv)/(TP,nv+NP,nv)≧0)に設定される、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)≧0)に設定される。これらの比は個々に又は両方ともに厳密に0より大きな値(例えば、>0.10、>0.15、>0.20、>0.25)に設定される。レンズは好適には装着者の右眼用である。
別の実施形態では、右利き装着者に関して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TP,nv−NP,nv)/(TP,nv+NP,nv)≦0)に設定される、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)≦0)に設定される。これらの比は個々に又は両方ともに厳密に0より小さな値(例えば、<−0.10、<−0.15、<−0.20、<−0.25)に設定される。レンズは好適には装着者の左眼用である。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するために対にされ得る。
一態様によると、本発明は、遠方視鼻/側頭半値幅が装着者の利き手に応じて非対称である装着者用の眼用レンズを提供する。有利には、視野は書字手の側でより開いている(半値幅がより大きい)。
一実施形態では、左利き装着者に関して、屈折力の遠方視側頭半値幅と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TP,fv−NP,fv)/(TP,fv+NP,fv)≦0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの遠方視側頭半値と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TA,fv−NA,fv)/(TA,fv+NA,fv)≦0)に設定される。これらの比は個々に又は両方ともに厳密に0より小さな値(例えば、<−0.10、<−0.15、<−0.20、<−0.25)に設定され得る。レンズは好適には装着者の右眼用である。
別の実施形態では、左利き装着者に関して、屈折力の遠方視側頭半値幅と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TP,fv−NP,fv)/(TP,fv+NP,fv)≧0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの遠方視側頭半値と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TA,fv−NA,fv)/(TA,fv+NA,fv)≧0)に設定される。これらの比は個々にそれぞれ又は両方とも厳密に0より大きな値(例えば、>0.10、>0.15、>0.20、>0.25)に設定される。レンズは好適には装着者の左眼用である。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するために対にされ得る。
一実施形態では、右利き装着者に関して、屈折力の遠方視側頭半値幅と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TP,fv−NP,fv)/(TP,fv+NP,fv)≧0))に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの遠方視側頭半値と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TA,fv−NA,fv)/(TA,fv+NA,fv)≧0))に設定される。これらの比は個々に又は両方ともに厳密に0より大きな値(例えば、>0.10、>0.15、>0.20、>0.25)に設定される。レンズは好適には装着者の右眼用である。
別の実施形態では、右利き装着者に関して、屈折力の遠方視側頭半値幅と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TP,fv−NP,fv)/(TP,fv+NP,fv)≦0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの遠方視側頭半値と遠方視鼻半値幅の差と和との比は0より小さい又は0にほぼ等しい値((TA,fv−NA,fv)/(TA,fv+NA,fv)≦0)に設定される。これらの比は個々に又は両方ともに厳密に0より小さな値(例えば、<−0.10、<−0.15、<−0.20、<−0.25)に設定される。レンズは好適には装着者の左眼用である。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するために対にされ得る。
上記非対称は、近方視ゾーン(NV)内、中間視ゾーン(IV)内、又は遠方視ゾーン(FV)内にかかわらず他の光学パラメータπに対して一般化され得る。
一態様によると、本発明は、鼻/側頭半値幅が装着者の利き手に応じて非対称である装着者用の眼用レンズを提供する。非対称は、遠方視ゾーン内又は近方視ゾーン内にかかわらず発生非点収差及び/又は屈折力及びその組み合わせに適用し得る。
利き手は有利には利き手値Hにより考慮される。Hは装着者の利き手に全く依存しており、後で説明するように判断され得る。特に、Hは例4に示すように判断され得る。
一実施形態に対し、
− 右眼に関して:(TP,nv−NP_nv)/(TP,nv+NP,nv)=0.002*H、及び/又は
− 左眼に関して:(TP,nv−NP,nv)/(TP,nv+NP,nv)=0.002*H。
別の実施形態では、
− 右眼に関して:(TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)=0.002*H、及び/又は
− 左眼に関して:(TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)=0.002*H。
別の実施形態では、
− 右眼に関して:(TP,fv−NP,fv)/(TP,fv+NP,fv)=0.002*H、及び/又は
− 左眼に関して:(TP,fv−NP,fv)/(TP,fv+NP,fv)=0.002*H。
別の実施形態では、
− 右眼に関して:(TA,fv−NA,fv)/(TA,fv+NA,fv)=0.002*H、及び/又は
− 左眼に関して:(TA,fv−NA,fv)/(TA,fv+NA,fv)=0.002*H。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するように対にされ得る。
前述のように、例えば、特徴もまた組み合わせられ得る:
一実施形態では、右眼に関して:
− (TP,nv−NP_nv)/(TP,nv+NP,nv)=0.002*H及び
− (TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)=0.002*H。
別の実施形態では、左眼に関して:
− (TP,nv−NP,nv)/(TP,nv+NP,nv)=−0.002*H及び
− (TA,nv−NA,nv)/(TA,nv+NA,nv)=−0.002*H。
上の全ての実施形態において、Hは後で述べるように特に例4のように判断され得、したがってHは−100〜+100の値を有し得る。
さらに、1枚のレンズに関しては、近方視における半値幅に関する上記実施形態のいずれかと遠方視における半値幅に関する上記実施形態のいずれかとを組み合わせ得る。
利き手に応じて鼻/側頭半値幅の非対称を有する対のレンズ
一態様によると、本発明は、近方視注視方向に対する近方視ゾーンの鼻/側頭半値幅が装着者の利き手に応じて非対称である装着者用の一対のレンズを提供する。
一実施形態では、左利き装着者に関して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は対のレンズの各々に対してほぼ0((TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)=(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)=0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は対のレンズの各々に対してほぼ0((TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)=(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)=0)に設定される。
別の実施形態では、左利き装着者に対して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに対して0より小さい又は0にほぼ等しい値((TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)≦0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに対して0より小さい又は0にほぼ等しい値((TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)≦0)に設定され、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに対して0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)≧0)に設定され、発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに対して0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)≧0)に設定される。
別の実施形態では、左利き装着者に対して、[(TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)≧0及び(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)≧0]及び/又は[(TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)≧0及び(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)≦0]。
一実施形態では、左利き装着者に対して、[(TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)>0及び(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)<0]及び/又は[(TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)>0及び(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)<0]。
一実施形態では、左利き装着者に対して[(TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30、及び(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30]及び/又は[(TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30、及び(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30]。
別の実施形態では、右利き装着者に対して、屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに対して0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)≧0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに対して0より大きい値又は0にほぼ等しい値((TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)≧0)に設定され、及び屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに対して0より小さい又は0にほぼ等しい値((TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)≦0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに対して0より小さい又は0にほぼ等しい値((TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)≦0)に設定される。
別の実施形態では、右利き装着者に対して、近方視ゾーンにおける屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに対して厳密に0より大きな値((TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)>0)に設定され、及び/又は発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに対して厳密に0より大きな値((TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)>0)に設定され、及び屈折力の近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに対して厳密に0より小さな値((TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)<0)に設定され、発生非点収差のモジュールの近方視側頭半値幅と近方視鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに対して厳密に0より小さな値((TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)<0)に設定される。
別の実施形態では、右利き装着者に対して、[(TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)≦0及び(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)≧0]及び/又は[(TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)≦0及び(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)≧0]。
別の実施形態では、右利き装着者に対して[(TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)<0及び(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)>0]及び/又は[(TA_LE,nv−NA_LE,nv)/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)<0及び(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)>0]。
別の実施形態では、右利き装着者に対して、[(TP_LE,nv−NP_LE,nv)/(TP_LE,nv+NP_LE,nv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30、及び(TP_RE,nv−NP_RE,nv)/(TP_RE,nv+NP_RE,nv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30]及び/又は[((TA_LE,nv−NA_LE,nv))/(TA_LE,nv+NA_LE,nv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30、及び(TA_RE,nv−NA_RE,nv)/(TA_RE,nv+NA_RE,nv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30]。
別の態様によると、本発明は、遠方視注視方向に対する遠方視ゾーンの鼻/側頭半値幅が装着者の利き手に応じて非対称である装着者用の一対のレンズを提供する。
有利には、視野は書字手の側でより開いている(半値幅がより大きい)。
一実施形態では、右利き装着者に対して、[(TP_LE,fv−NP_LE,fv)/(TP_LE,fv+NP_LE,fv)≦0及び(TP_RE,fv−NP_RE,fv)/(TP_RE,fv+NP_RE,fv)≧0]及び/又は[(TA_LE,fv−NA_LE,fv)/(TA_LE,fv+NA_LE,fv)≦0及び(TA_RE,fv−NA_RE,fv)/(TA_RE,fv+NA_RE,fv)≧0]。
一実施形態では、右利き装着者に対して、[(TP_LE,fv−NP_LE,fv)/(TP_LE,fv+NP_LE,fv)<0及び(TP_RE,fv−NP_RE,fv)/(TP_RE,fv+NP_RE,fv)>0]及び/又は[(TA_LE,fv−NA_LE,fv)/(TA_LE,fv+NA_LE,fv)<0及び(TA_RE,fv−NA_RE,fv)/(TA_RE,fv+NA_RE,fv)>0]。
別の実施形態では、右利き装着者に対して、[(TP_LE,fv−NP_LE,fv)/(TP_LE,fv+NP_LE,fv)<−0.15,好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30、及び(TP_RE,fv−NP_RE,fv)/(TP_RE,fv+NP_RE,fv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30]及び/又は[(TA_LE,fv−NA_LE,fv)/(TA_LE,fv+NA_LE,fv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30、及び(TA_RE,fv−NA_RE,fv)/(TA_RE,fv+NA_RE,fv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30]。
一実施形態では、左利き装着者に対して[(TP_LE,fv−NP_LE,fv)/(TP_LE,fv+NP_LE,fv)≧0及び(TP_RE,fv−NP_RE,fv)/(TP_RE,fv+NP_RE,fv)≧0]及び/又は[(TA_LE,fv−NA_LE,fv)/(TA_LE,fv+NA_LE,fv)≦0及び(TA_RE,fv−NA_RE,fv)/(TA_RE,fv+NA_RE,fv)≦0]。
一実施形態では、左利き装着者に対して[(TP_LE,fv−NP_LE,fv)/(TP_LE,fv+NP_LE,fv)>0及び(TP_RE,fv−NP_RE,fv)/(TP_RE,fv+NP_RE,fv)<0]及び/又は[(TA_LE,fv−NA_LE,fv)/(TA_LE,fv+NA_LE,fv)>0及び(TA_RE,fv−NA_RE,fv)/(TA_RE,fv+NA_RE,fv)<0]。
別の実施形態では、左利き装着者に対して[(TP_LE,fv−NP_LE,fv)/(TP_LE,fv+NP_LE,fv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30、及び(TP_RE,fv−NP_RE,fv)/(TP_RE,fv+NP_RE,fv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30]及び/又は[(TA_LE,fv−NA_LE,fv)/(TA_LE,fv+NA_LE,fv)>0.15、好適には>0.20、好適には>0.25、好適には>0.30、及び(TA_RE,fv−NA_RE,fv)/(TA_RE,fv+NA_RE,fv)<−0.15、好適には<−0.20、好適には<−0.25、好適には<−0.30]。
利き手に応じて鼻部分と側頭部分間に光学パラメータの非対称を有するレンズ
一態様では、本発明の眼用レンズは、装着者の利き手に応じてレンズの鼻部分と側頭部分間で少なくとも1つの光学パラメータが非対称であるという点で非対称である。パラメータは次のものから選択され得る:
近方視、遠方視、中間視用のゾーンを含むレンズの1つ又は複数の有効ゾーンにおける、
− 中心視における屈折力、中心視における非点収差、中心視における高次収差、中心視における明瞭度、中心視におけるプリズムによる光のフレ(prismatic deviation)、視覚偏差、中心視における物体視野、中心視における像視野、中心視における倍率、又はこれらの変形を含む群から選択される中心視光学基準(CVOC)の任意の1つ;
− 周辺視における屈折力、周辺視における非点収差、周辺視における高次収差、瞳孔視野光線偏差、周辺視における物体視野、周辺視における像視野、周辺視におけるプリズムによる光のフレ、周辺視における倍率、又はこれらの変形を含む群から選択される周辺視光学基準(PVOC)の任意の1つ:
− 眼の倍率、側頭変位、又はこれらの変形を含む群から選択されるグローバル光学基準(GOC)のうちの任意の1つ;
− 前又は後平均曲率、前又は後最小曲率、前又は後最大曲率、前又は後円柱軸、前又は後円柱、前又は後平均球、前又は後最大球、前又は後最小球、又はこれらの変形を含む群から選択される面基準(SC)のうちの任意の1つ、及び/又は
− 上記基準のうちの任意の1つの最大値(それぞれ最小値、山から谷値、最大勾配値、最小勾配値、最大勾配値、最小勾配値、平均値)。
例えば、光学パラメータは、近方視、遠方視及び中間視用レンズの1つ又は複数の有効ゾーンにおける発生非点収差、屈折力勾配、前面の平均球勾配、前面の円柱のうちの任意の最大値(又は、最小値、山から谷値、最大勾配値、最小勾配値、最大勾配値、最小勾配値、平均値)であり得る。
好ましい実施形態では、レンズの鼻部分と側頭部分間で非対称な光学パラメータは、前面の最大発生非点収差、最大屈折力勾配、平均球勾配、前面の円柱から選択される。有利には、光学パラメータが最大発生非点収差である場合、低減されたぼやけ及び低減された像変形が装着者により主として使用されるレンズ側で経験される。さらに、光学パラメータが最大屈折力勾配である場合、標的への注視位置合わせは装着者により主として使用されるレンズ側でより簡単になる。したがって、本発明は、装着者の利き手に応じて利き手の経験を改善し視覚的快適性を改善する。
一態様では、本発明の眼用レンズは、装着者の利き手に応じてレンズの鼻部分と側頭部分間で、上記定義された鼻/側頭半値幅と上記定義された少なくとも1つの光学パラメータとの両方が非対称であるという点で非対称である。
一態様では、本発明の眼用レンズは、レンズの鼻部分と側頭部分間で少なくとも1つの光学パラメータが装着者の利き手に応じて非対称であるという点で非対称であり、上記光学パラメータは、レンズの側頭側(MaxAsrT)と鼻側(MaxAsrN)でそれぞれ定義された最大発生非点収差(MaxAsr)である。このような場合、最大発生非点収差(ピーク値)のカスタム化は装着者の利き手に応じてレンズの設計を緩和することができるので有利である。例えば、右利き装着者に関して、設計は右側で、すなわち右眼REレンズの側頭側Tで緩和され得る、及び/又は左眼LEレンズの鼻側Nで緩和され得、一方、左利き装着者に関して、設計は左側で緩和され得る。
一実施形態では、本発明は、MaxAsrT−MaxAsrN>0である右利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の左眼用である。
別の実施形態では、本発明は、MaxAsrT−MaxAsrN<0である右利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の右眼用である。
別の実施形態では、本発明は、MaxAsrT−MaxAsrN<0である左利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の左眼用である。
別の実施形態では、本発明はMaxAsrT−MaxAsrN>0である左利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の右眼用である。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するように対にされ得る。
一態様では、本発明の眼用レンズは、最大発生非点収差(MaxAsr)が装着者の利き手に応じてレンズの鼻部Nと側頭部分T間で非対称であるという点で非対称であり、(MaxAsrT)−(MaxAsrN)は処方加入度の値に依存する。
一実施形態では、本発明は、MaxAsrT−MaxAsrN>Max(0.25*A−0.25;0.25)である処方加入度Aを有する右利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の左眼用である。
別の実施形態では、本発明は、MaxAsrT−MaxAsrN<−Max(0.25*A−0.25;0.25)である処方加入度Aを有する右利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の右眼用である。
別の実施形態では、本発明は、MaxAsrT−MaxAsrN<−Max(0.25*A−0.25;0.25)である処方加入度Aを有する左利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の左眼用である。
別の実施形態では、本発明はMaxAsrT−MaxAsrN>Max(0.25*A−0.25;0.25)である処方加入度Aを有する左利き装着者用レンズを提供する。レンズは好適には装着者の右眼用である。
上記レンズは一対のレンズ(RE/LE)を形成するように対にされ得る。
別の態様では、鼻側と側頭側間の非対称は、一対のものに関して以下のように定義され得る。処方加入度Aを有する右利き装着者に関して、MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE>Max(0.25*A−0.25;0.25)及びMaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE<−Max(0.25*A−0.25;0.25)、一方、処方加入度Aを有する左利き装着者に関して、MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE<−Max(0.25*A−0.25;0.25)及びMaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE>Max(0.25*A−0.25;0.25)。
上記実施形態では+/−Max(0.25*A−0.25;0.25)はジオプター(D)で表され、Maxは(0.25*A−0.25)と0.25の最大値関数を示す。
一態様では、本発明は、装着者の利き手に応じてレンズの鼻(N)部分と側頭(T)部分間で少なくとも1つの光学パラメータ(π)が非対称であるという点で非対称である眼用レンズに関する。一態様では:
Δl=ABS[(π−π)/avg(π;π)]>0.15
ここで、
− ABSは絶対値であり、
− avgは平均値を表す。
好適には、本発明のレンズはΔl>0.20、Δl>0.25、又はΔl>0.30である。
いくつかの実施形態では、πは、発生非点収差MaxAsrの最大値又は屈折力勾配の最大値である。
利き手に応じて左右レンズ間の非対称を有する一対のレンズ
本発明はまた、装着者により装着されるように意図された一対の眼用レンズに関する。この一対の眼用レンズでは、各レンズは、装着者の利き手に応じてレンズの鼻(N)部分とそれぞれの側頭(T)部分間で少なくとも1つの同じ光学パラメータ(π)が非対称であるという点で非対称であり、さらに非対称性は両眼間で反対符号である。したがって、本発明は右眼(RE)と左眼(LE)を有する装着者により装着されるように意図された一対の眼用レンズを提供する。ここで、
− ABS[(πT_RE−πN_RE)/avg(πT_RE;πN_RE)]>0.15(好適には0.20、0.30);
− ABS[(πT_LE−πN_LE)/avg(πT_LE;πN_LE)]>0.15(好適には0.20、0.30);
− 任意選択的に(πT_RE−πN_RE)/avg(πT_RE;πN_RE)と(πT_LE−πN_LE)/avg(πT_LE;πN_LE)は反対符号である。
このような状況では、右眼の非対称性は左眼の非対称性と同一でなく、したがって、一対のレンズ全体ではさらなる非対称性を与える。
別の態様では、本発明は、装着者の利き手に応じて非対称である右眼(RE)と左眼(LE)を有する装着者により装着されるように意図された一対の眼用レンズを提供する。
例えば、本発明は、右眼用レンズに対し定義された少なくとも1つの光学パラメータ(πRE)と左眼用レンズに対し定義された少なくとも1つの光学パラメータ(πLE)に関し、量πRE−πLEが装着者の利き手に応じたものであるという点で非対称である一対のレンズを提供する。有利には、これにより、左利き装着者と右利き装着者に対して異なる(処方データ、生物測定学データ、フレームデータを含む他のすべては同じである)レンズ対設計をもたらすだろう一対のレンズの設計を可能にする。設計の差の程度は利き手の程度に従って変化し得る。一実施形態による場合、
(πRE−πLE)/avg(πRE;πLE)=aH+b及び
− 任意選択的にABS[(πRE−πLE)/avg(πRE;πLE)]>0.15、
ここで、
− ABSは絶対値であり、
− avgは平均値を表し、
− aとbは定数であり、
− Hは利き手パラメータである。
(a,b)は決して利き手に依存しないという点で定数である。(a,b)は装着者処方データ又は生物測定学データなどの利き手データ以外の装着者データに依存し得る。Hは装着者の利き手に全面的に依存する利き手パラメータである。Hは後で及び例で述べるように利き手値であり得る。
Hは本開示のように任意の利き手判断方法に従って決定され得る。当業者は、本開示及び共通一般知識に基づき適切な(a,b)値を決定し得る。好適には、(a,b)はΔ2=ABS[(πRE−πLE)/avg(πRE;πLE)]>0.15となるように選択される。好適には、(a,b)はΔ2>0.20;Δ2>0.25;Δ2>0.30となるように選択される。
利き手に応じて非対称なインセットを有する一対のレンズ
本発明は、それぞれのインセットが装着者の利き手に応じて異なる右眼と左眼を有する装着者により装着されるように意図された一対の眼鏡累進式眼用レンズを提供する。すなわち、右眼用レンズのインセットは装着者の利き手に応じて左眼用レンズのインセットとは異なる。
一態様では、右眼と左眼の同一の処方データを有する装着者に対して、
− 右利き装着者に対して:Inset_LE>Inset_RE
− 左利き装着者に対して:Inset_RE>Inset_LE
である。
別の態様では、各レンズのインセット(inset_RE_initialとinset_LE_initial)は装着者利き手を考慮することなく最初に判断され得る。当業者は、例えば正中面内の近方視における物体に関する光線追跡法などの光線追跡法によりインセット値を決定する方法を知っている。inset_RE_initialとinset_LE_initialの値は処方データと適用可能な場合には国際公開第2010034727号パンフレットによるものなどの他のパラメータとに応じて判断され得る。
このとき、利き手を考慮するインセット値は以下のように判断され得る。
右利き装着者に対して:
− Inset_RE=inset_RE_initial−Delta_inset、
− Inset_LE=inset_LE_initial+Delta_inset
一方、左利き装着者に対して:
− Inset_RE=inset_RE_initial+Delta_inset
− Inset_LE=inset_LE_initial−Delta_inset、ここで、Delta_inset>0。
Delta_insetは以下のように判断され得る:
Delta_inset=[CRE_L/RD]*DPS
ここで、
− DPS=サジタル面と近方視における注視点間の距離、個人の右側に向かって正である。
− CRE_L=眼の回転中心とレンズ間の距離、CRE_Lは左眼(CRE_L_LE)と右眼(CRE_L_RE)に対して定義される。
− RD=眼の回転中心からの読み取り距離。
Delta_insetもまた以下のように判断され得る:
Delta_inset、DPS/[1+W/CRE_L−W*P]
ここで、
− DPS=サジタル面と近方視における注視点間の距離であり、個人の右側に向かって正である。
− CRE_L=眼の回転中心とレンズ間の距離(メートル)。
− W=レンズからの読み取り距離(メートル)。
P=近方視におけるレンズの屈折力(ジオプター)。例えば、装着者が両眼に対して同一の処方箋を有する場合、Delta_inset=約1mmを選択し得る。
利き手を考慮するインセット値もまた以下のように判断され得る:インセット値は、以下のような片眼瞳孔間距離(monocular pupillary−distance)の修正値PD_RE’とPD_LE’を使用することにより計算により、光線追跡により、又は任意の他の方法により判断することができる、
− PD_RE’=PD_RE−DPS
− PD_LE’=PD_LE+DPS
ここで、
− DPS=サジタル面と近方視における注視点間の距離であり、装着者の右側に向かって正である。
− PD_RE=装着者の右眼の片眼瞳孔間距離。
− PD_LE=装着者の左眼の片眼瞳孔間距離。
例えば、インセットは次式に従って計算され得る:
Inset_RE、PD_RE’/[1+W/CRE_L_RE−W*P_RE]
Inset_LE、PD_LE’/[1+W/CRE_L LE−W*P_LE]
ここで、
− CRE_L_RE=右眼の回転中心とレンズ間の距離(メートル)。
− CRE_L_LE=左眼の回転中心とレンズ間の距離(メートル)。
− W=レンズからの読み取り距離(メートル)。
− P_RE=近方視における右レンズの屈折力(ジオプター)。
− P_LE=近方視における左レンズの屈折力(ジオプター)。
Delta_insetの上記定義はすべて図21に示され、ここで、Oは近方視において注視される物点である。
利き手に応じて定義された一連の眼用レンズ
別の態様では、本発明は一連の眼用レンズを提供する。前記一連の眼用レンズは以下のものを含む:
− 右利き装着者に好適な一組の眼用レンズ、
− 左利き装着者に好適な一組の眼用レンズ。
例えば、一連のレンズはレンズの商品範囲に対応することができる。一連の眼用レンズは、装着者の利き手に従って装着者に好適であり、したがって、装着者の利き手に従ってセグメント化される製品範囲を提供する。一実施形態では、一連の眼用レンズのレンズは部分的に又はすべて装着者の利き手に応じて設計される。例えば、一連の眼用レンズの一部又はすべては、上に説明したように装着者の利き手に応じて非対称である。好適には、一連の眼用レンズは、鼻/側頭半値幅に関して及び/又はレンズの鼻部分と側頭部分間の少なくとも1つの光学パラメータに関して、上に定義されたように非対称である。
利き手に応じて非対称マーキングを有するレンズ
本発明はまた、レンズ上のマーキングが非対称である装着者により装着されるように意図された一対の累進(好適には多焦点)眼用レンズを提供する。マーキングは、例えば遠方視ゾーンにおいて基準点を見出すための又は近方視ゾーンにおいて基準点を見出すためのレンズ上の基準点を見出すためのマーキングであり得る。したがって、本発明はそれぞれが
− 遠方視ゾーン;
− 近方視ゾーン;及び
− 近方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマーク(又は、遠方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマーク)を含む一対のレンズを提供し、
ここで、レンズのプリズム基準点(PRP:Prism Reference Point)を通る垂直軸と以下:
− 第1の目用のレンズ上の近方視ゾーンの基準点(遠方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマークそれぞれ)を見出すためのマーク、
− 第2の目用のレンズ上の近方視ゾーンの基準点(遠方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマークのそれぞれ)を見出すためのマーク、のそれぞれとの間の距離は異なる。一実施形態では、上記距離の差は装着者の利き手に応じて判断される。
これは、近方視ゾーンの基準点を見出すためのマークが示される図20により示される。右レンズの距離xNV_Rと左レンズのxNV_Lは異なる。
医療利用/指示
本発明はさらに、治療される患者の性質により部分的に定義される医療指示に関する。すなわち、本発明は、装着者の利き手に応じて設計された装着者により装着されるように意図された眼鏡眼用レンズを提供する。このようなレンズは、患者の(装着者の)処方箋に合うためのもの、したがって屈折異常(例えば、近視、遠視、非点収差、老眼)に悩む患者に光学補正を提供するためのものである。
利き手判断
本発明によると、レンズ装着者の利き手は以下の様々な方法で判断され得る:
− 書く作業/活動に対して左利きか右利きかどうか尋ねられた時の装着者の回答として;
− かぎ型の(hooked)書き方又は通常の書き方などの姿勢を用いるかどうか尋ねられたときの装着者の回答と組み合わせて、書く作業/活動に対して左利きか右利きかどうか尋ねられたときの装着者の回答として。「かぎ型の」書き方は、書字手の手首が前腕と手との間である角度(通常ほほ直角)に曲がるようにする腕姿勢を指す。これは、手と前腕が一直線に並ぶように書字手の手首が通常曲がっていない「通常の」手書きと反対である。このとき、回答は、かぎ型左(又は右)手又は通常の左(又は右)手であり得る。
− 書字手と上記かぎ型の/通常の姿勢特徴の観察を含む装着者の観察(人の外部評価)からの結論として、
− Oldfield,R.C.“The assessment and analysis of handedness:the Edinburgh inventory.”Neuropsychologia.9(1):97−113.1971によるエジンバラインベントリ(Edinburgh inventory)を用いて判断されるような側性係数として、
− エジンバラインベントリの類推により判断され同じ計算原理に従うが、インベントリとは別のインベントリによる1つ又は複数の利き手質問(例えば1〜5又は1〜10の質問)に対する装着者の回答に基づく側性係数として;これはエディンバラ的修正利き手インベントリとなるだろう。特に、以下のような様々な修正インベントリを定義することが可能である:一般的インベントリ、遠方視作業インベントリ、中間視作業インベントリ、近方視作業インベントリ(例を参照);
− 物理的試験及び/又は頭/視標追跡及び/又は文書追跡及び/又は手追跡などの測定。利き手パラメータ/値はまた、頭/目挙動得点に応じて計算され得る。頭/目挙動得点はVisioffice又はVision Print Systemの名称で知られた装置を用いて測定され得る、又は頭/目挙動得点は、SMI視標追跡眼鏡(SensoMotoric Instrument)、ASL視標追跡眼鏡(Applied Science Laboratories)など視標追跡により判断することができる。
装着者の利き手を判断するために用いられる方法の性質と無関係に、利き手値Hを定義することが可能である。値は様々な方法に従って判断され得る。
一実施形態では、装着者は、例えば、手書きを行うためにどちらの手を使用するかといった単一質問を尋ねられる。返答が「右」である場合、利き手は「右利き」と判断され、+100の利き手値Hを割り振ることができる。返答が「左」である場合、利き手は「左利き」と判断され、−100の利き手値Hを割り振ることができる。
別の実施形態では、利き手値Hはエジンバラインベントリに従って判断され得る。プロトコルはOldfield、R.C.“The assessment and analysis of handedness:the Edinburgh inventory.”Neuropsychologia.9(1):97−113(1971)により説明された通りである。この方法によると、対象者は一連の利き手関連質問を尋ねられ、定量的に答えることになっている。結果は、−100(極めて左利き)〜+100(極めて右利き)の範囲の側性係数LQである。したがって、利き手値Hは、この方法に従って得られるLQ値として定義されることができる。
別の実施形態では、利き手値Hは修正エジンバラインベントリに従って判断され得る。Oldfield,R.C.“The assessment and analysis of handedness:the Edinburgh inventory.”Neuropsychologia.9(1):97−113(1971)のように商計算の同じ原理に従うことが可能であるが、質問の性質に関しては修正を伴う。特に、遠方視(又は中間視、又は近方視)を用いて作業に関係する質問を列挙することにより遠方視(又は中間視、又は近方視)のH=LQ値を定義することが可能である。例えば、近方視LQを定義するために用いられ得る近方視作業は、以下の1つ又は複数を含み得る:1枚の紙に書く、卓上電話の番号をダイヤルする、ポータブル/セルフォンの番号をダイヤルする、タッチスクリーン(電子タブレット、スマートフォン)上でナビゲートする、ポット又は鍋の内容物を撹拌する、髭を剃る、メークアップする。遠方視作業の例:空の一面又は任意の他の遠い点に向かって指す;弓を射る。中間視作業の例:皿洗い機又はオーブンを起動する;高い棚に置かれた物を取ろうと手を伸ばす。対象者は以下の質問表を与えられる:
対象者は、適切な欄に「+」を記入することにより各作業における手の使用でのその人の好みを示すように要求される。好みが非常に強いので特に強制されない限り他の手を使用しようとしない場合、対象者は「++」を記入する。どちらでも対象者にとって問題とならない場合は、両方の欄に「+」を記入する。LQは、[(「右」欄内の「+」の数)−(「左」欄内の「+」の数)/「+」の数]*100として定義される。
利き手に応じて設計される眼鏡
本発明は利き手の経験を改善するための眼鏡を提供する。本発明の眼鏡は改善された視覚的快適性及び/又は改善された使用快適性を含む改善された装着者快適性を提供する。
一態様では、本発明は、眼用レンズと利き手固有フレームとを含む眼鏡を提供する。フレームは、以下の利き手依存特徴の1つ又は複数を示し得る:
− 眼鏡をかける/はずす装着者の好ましい手に配置された握りパッド。例えば、眼鏡をかける/はずすために右手を好む装着者に対して、握りパッドはフレームの右腕に配置され得る。パッドは熱可塑性樹脂材料などの任意の握り用材料であり得る。眼鏡をかける/はずすために左手を好む装着者については同じ;
− フレームの最も求められる側(例えば、眼鏡をかける/はずすために右手を好む装着者の右腕)に対応するフレームの一方の腕上の補強;
− 装着者が腕を折り畳むために好む順序に応じた特定の非対称な腕特徴、
− レンズの非対称寸法、すなわち、レンズの一方は他方より大きい;例えば、右(又は左)利きの装着者の右(又は左)目にはより大きなレンズ;
− ここで、眼鏡は、「情報眼鏡」(すなわちフレームに嵌め込まれたレンズの一部上に情報の表示を可能にする眼鏡)である、表示の位置及び/又は起動手段(スイッチ)の位置は利き手経験が改善されるように設計され得る。例えば、右利き者に対しては、装着者は、表示の位置のために他方に優先して一方のレンズを選択することを決定し得る。同様に、起動手段の位置は装着者の利き手に応じて選択され得る(右利き装着者の右側に;又は、右利き装着者が書くなどの他の作業のために自由な右手を維持することを好めば、左側に。
別の態様では、本発明は、レンズが装着者の利き手に応じて非対称な方法で嵌め込められる利き手固有眼鏡を提供する。
一実施形態では、レンズ取り付けは装着者利き手に従ってカスタム化され得る。取り付けパラメータ(瞳孔間距離(inter−pupillary distance)、各レンズの取り付け高さ)は装着者利き手に従ってカスタム化され得る。
例えば、PD_RE=PD_RE−delta及びPD_LE=D_LE+deltaを選択してもよい、ここで、PDは瞳孔間距離を示す。
これは、近方視単焦点レンズの非対称取り付けを有する眼鏡を示す図19により示される、
ここで、
− Near FHは近方視における取り付け高さである、
− Near PDは近方視瞳孔間距離である、
− AとBはフレーム寸法である、
− DBLはレンズ間の水平距離である。
本発明は以下の非限定的な例により示される。
例1:装着者利き手に応じて近方視における非対称側頭/鼻半値幅(屈折力と非点収差)を有する累進レンズ設計
例1におけるすべてのパラメータは近方視に関係するが簡略化目的などのために注釈されない。
例1A:近方視挙動は利き手依存である
プロトコル:次に、一枚の紙に書く特定の近方視作業が一群の被試験人について考慮される。この目的を達成するために、図8に示すように、対象者が書いている場合の文書42の書くゾーン40が考慮され、文書42の領域として定義される。グループの各人は書くゾーン40上で書く状態に置かれる。この時、左及び右レンズの面内の書くゾーン40の投影44L、44Rが計算され、記録され、解析される。これらの投影44L、44Rはまた、本明細書の残りの部分では有効近方視ゾーン又は単に有効ゾーンと呼ばれる。
結論:図9に、この経験を継続した右利きの人について記録された有効ゾーン44L、44Rの重ね合せを示し、図10に、この経験を継続した左利きの人について記録された有効ゾーン44L、44Rの重ね合せを示す。
これらの図9〜10から、有効ゾーン44L、44Rは右利きと左利きの人とで著しく異なるということがわかる。
その上、左利きの人の間では有効ゾーンの高い可変性があり、大きくかつ水平軸(α=0°)に平行な軸に沿ってほぼ一直線になった平均有効ゾーンを生じる。逆に、右利きの人の間では、有効ゾーンの可変性は低減され、より小さくかつ水平軸に対してほぼ傾いた平均有効ゾーンを生じる。表1に、特定された有効ゾーンを要約する。
したがって、水平軸に対するそれらの配向に基づき有効ゾーン44L、44Rを利用することができる。
表1に収集し表したデータに基づき、平均では、右利きの人は書くなどの近方視作業を行う際約20°の角度だけ文書42を傾斜させ、一方、左利きの人に関しては、傾斜は0°とそれほど大きく異ならないので平均傾斜角は0°であると考えられる。
結果:書く作業における文書42の配向のこのような高い可変性は、右利きと左利きの人との間に存在する特殊行動を実証するので右利きと左利き装着者に対して近方視における異なる設計を提供する必要性を暗示する。特に、レンズの近方視ゾーンは、有効ゾーンのそれぞれのレンズ上の平均投影が近方視作業中に掃引される最適な方法で一致するようにされなければならない。
例1B:利き手に応じて近方視におけるレンズ鼻/側頭半値幅(屈折力、非点収差)を非対称性にする;有効視力ゾーンの判断
本例は、一対の累進式眼用レンズの2つの異なる設計:左利きの人に対して1つの特定の設計と右利きの人に対して1つの特定の設計を提供する。この例は、鼻及び側頭近方視半値幅の非対称特徴を有する近方視ゾーンにおけるレンズ設計に関する。
以下で考慮される基準は、左眼レンズと右眼レンズの屈折力の側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比RPL、RPRと、左眼レンズと右眼レンズの発生非点収差のモジュールの側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比RAL,RARである:
対の各レンズに関しては、少なくとも1つの判定基準(すなわち。屈折力Rの比又は発生非点収差Rのモジュールの比のいずれか又はその両方)が装着者の左右差に基づき判断される。
表1に要約され図9と図10を参照して説明した結果によると、選択する判定基準は、左利きと右利きの人に対して異なる方法で判断される。
左利きの人に関しては、左眼と右眼レンズの面上の書くゾーン40の投影の水平軸に対する傾斜は0°にほぼ等しいので、左眼及び右眼レンズの両方の設計は対応する近方視注視方向(αPVL,βPVL),(αPVR,βPVR)に対して対称的である。
この条件は次の事実により表される。左利きの人に対して、屈折力の側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は一対の各レンズに対してほぼ0に設定される。及び/又は発生非点収差のモジュールの側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は一対の各レンズに対してほぼ0に設定される:
PL=RPR=0、及び/又はRAL=RAR=0
これらの式は以下の事実に至る、左利きの人に関しては、屈折力の左及び右側頭半値幅がそれぞれ屈折力の左及び右鼻半値幅にほぼ等しい、及び/又は発生非点収差のモジュールの左及び右側頭半値幅はそれぞれ発生非点収差のモジュールの左及び右鼻半値幅にほぼ等しい:
P_LE=NP_LE及びTP_RE=NP_RE
及び/又は
A_LE=NA_LE及びTA_RE=NA_RE
表2は、屈折力が「PFV+処方加入度の100%」に達する場合の近方視注視方向と屈折力が「PFV+処方加入度の85%」に達する場合の近方視注視方向に対する、左利きの人の発生非点収差RAL,RARの基準の値を要約する。
右利きの人に対して、左眼及び右眼レンズの面上の書くゾーン40の投影は水平軸に対して約20°の角度だけ傾斜するので、左眼及び右眼レンズの両方の設計は対応する近方視注視方向(αPVL,βPVL),(αPVR,βPVR)に対して非対称である。
この条件は次の事実により表される。右利きの人に対して、屈折力の側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに関して0より大きい値に設定され、屈折力の側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに関して0より小さい値に設定される及び/又は発生非点収差のモジュールの側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は右眼レンズに関して0より大きい値に設定され、発生非点収差のモジュールの側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は左眼レンズに関して0より小さい値に設定される:
PR>0及びRPL<0
及び/又は
AR>0及びRAL<0
これらの式は以下の事実に至る、右利きの人に関しては、屈折力の右側頭半値幅は屈折力の右鼻半値幅より大きく、屈折力の左側頭半値幅は屈折力の左鼻半値幅より小さく、及び/又は発生非点収差のモジュールの右側頭半値幅は発生非点収差のモジュールの右鼻半値幅より大きい又は0にほぼ等しく発生非点収差のモジュールの左側頭半値幅は発生非点収差のモジュールの左鼻半値幅より小さい又は0にほぼ等しい。
P_RE>NP_RE及びTP_LE<NP_LE
及び/又は
A_RE>NA_RE及びTA_LE<NA_LE
特に、右利きの人に関して、右眼レンズの屈折力の側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比と左眼レンズの屈折力の側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比との比はほぼ0に設定される。及び/又は右眼レンズの発生非点収差のモジュールの側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比と、左眼レンズの発生非点収差のモジュールの側頭半値幅と鼻半値幅の差と和との比は、ほぼ0に設定される。
PR+RPL=0
及び/又は
AR+RAL=0
表3は、屈折力が「PFV+処方加入度の100%」に達する場合の近方視注視方向と屈折力が「PFV+処方加入度の85%」に達する場合の右方視注視方向に対する、右利きの人の発生非点収差RAL,RARの基準の値を要約する。
したがって、本発明は、装着者の左右差に従って一対の累進式眼用レンズのための2つの特定の設計を提供する。
別の態様によると、本発明は、特定の装着者用の一対の個人専用累進式眼用レンズを決定する方法を提供する。
この方法は、この装着者の有効近方視ゾーン44L、44Rと有効近方視ゾーン44L、44Rの傾斜が測定され、基準は測定された傾斜に基づき判断されるという点で左利きの/右利きの区分化に関する上記方法と異なる。
したがって、得られた設計は、左利き又は右利きの人の平均値ではなくこの特定の装着者に適用される。
明らかに、コンピュータ上で読む、書く、スマートフォンを使用するなど他の近方視作業を考慮し得る。
本発明によると、設計はさらに、装着者の頭/目挙動を考慮することにより微調整することができる。実際、近方視作業を行う場合、ある人はむしろ自分の目を動かす傾向があり、他の人はむしろ自分の頭を動かす傾向がある。
本発明者らは、目を動かす装着者に関して、実際に使用されるレンズの領域は書くゾーン40のレンズ上の全投影に対応し、一方、頭を動かす装着者に関しては、実際に使用されるレンズの領域が書くゾーン40のレンズ上の投影の一部に対応するということを見出した。頭/目挙動得点を計算することができ、書くゾーン40の投影を頭/目挙動得点に依存する係数により重み付けることができる。Visioffice又はVision Print Systemの名称で知られた装置を使用することにより頭/目挙動得点を測定できる、又はSMI視標追跡眼鏡(SensoMotoric Instrument)、ASL視標追跡眼鏡(Applied Science Laboratories)などの視標追跡により頭/目の挙動得点を決定できる。
例1C:特定のレンズ設計
図11〜図18と図19a〜図22aは考察されるレンズの光学特性を示す。
図11、13、15、17、19a、21aは屈折力マップである。マップの垂直及び水平軸は注視方向の俯角αの値と方位角βの値である。これらのマップに示された等角曲線は、同じ屈折力値に対応する注視方向を接続したものである。曲線のそれぞれの屈折力値は、隣接曲線間で0.25δだけ増加され、これらの曲線のいくつかの上に示される。
図12、14、16、18、20a、22aは、発生非点収差マップである。これらのマップの軸は屈折力マップのものと同様であり、これらのマップに示された等角曲線は、同じ発生非点収差値に対応する注視方向を接続したものである。これらのマップのそれぞれはまた経線を示す。
これらのマップのそれぞれのマップ上で、3つの特定箇所PV、A、Bを考察する。
点PVは、近方視制御点に関係する近方視注視方向に対応する。
以下の例では、点PVは、屈折力が「当該レンズの処方遠方視平均屈折力」+「当該レンズに処方された加入度の100%」に達する場合の注視方向と交差するレンズの前面上の点である。
点Aは、点Aと点PV間の距離が上に定義されるような側頭半値幅に対応するようにレンズの側頭側上に配置される。
点Bは、点Bと点PV間の距離が上に定義されるような鼻半値幅に対応するようにレンズの鼻側に配置される。
PAIR1−図11〜図14:右利き装着者、発生非点収差の最適化
本発明による累進式眼用レンズの対PAIR1は、右利き装着者用であり、発生非点収差という意味で最適化された。
この場合、屈折力処方箋は遠方視において+0.75δであり、処方加入度は対のレンズの両方に対して1.50δである。装着者に対していかなる非点収差も処方されない。
図11と図12に、当該対の右眼レンズLENS1の光学特性(屈折力と発生非点収差)を示す。
図13と図14に、当該対の左眼レンズLENS2の光学特性(屈折力と発生非点収差)を示す。
図11で:
− 点PVはαPVR=28.9°及びβPVR=4.9°に位置する。
− 点PVは屈折力値に対応する等角曲線上に位置する:
P=0.75+100%*1.5=2.25δ
図12で:
− 点PVはαPVR=28.9°及びβPVR=4.9°に位置する。
− 点AはαAR=αPVR=28.9°及びβAR=−1.4°に位置する。
− 点BはαBR=αPVR=28.9°及びβBR=8.4°に位置する。
点AとBを接続する等角曲線は発生非点収差値に対応する:
− Asr=1.5/4=0.375δ
− TA_RE=6.3°及びNA_RE=3.5°
このときRAR=0.28
図13で:
− 点PVはαPVL=29.0°及びβPVL=−4.9°に位置する。
− 点PVは屈折力値に対応する等角曲線上に位置する:
P=0.75+100%*1.5=2.25δ
図14で:
− 点PVはαPVL=29.0°及びβPVL=−4.9°に位置する。
− 点AはαAl=αPVL=29.0°及びβAL=−1.2°に位置する。
− 点BはαBL=αPVL=29.0°及びβBL=−11.3°に位置する。
点AとBを接続する等角曲線は発生非点収差値に対応する:
− Asr=1.5/4=0.375δ
− TA_LE=3.7°及びNA_LE=6.4°
このとき、RAL=−0.27
この対PAIR1は右利きの人用である。発生非点収差比はこのようなである。
AR≧0及びRAL≦0
上記比はさらに、公差範囲を考慮してRAR+RALがほぼ0に等しくなる(RAR+RAL=0.01)ようにされる。
したがって、この対のレンズは、装着者が近方視作業を行う場合に、有効ゾーン内において非対称設計を提供することにより最適な快適性を右利き装着者に提供する。
PAIR2−図15〜図18:左利き装着者、発生非点収差の最適化
例2は、左利き装着者用の本発明による累進式眼用レンズの対PAIR2であって発生非点収差という意味で最適化された対PAIR2に対応する。
この場合、屈折力処方箋は遠方視において+0.75δであり、処方加入度は対のレンズの両方に対して1.50δである。装着者に対していかなる非点収差も処方されない。
図15と16に、当該対の右眼レンズLENS3の光学特性(屈折力と発生非点収差のモジュール)を示す。
図17と図18に、当該対の左眼レンズLENS4の光学特性(屈折力と発生非点収差のモジュール)を示す。
図15で:
− 点PVはαPVR=29.1°及びβPVR=5.0°に位置する。
− 点PVは屈折力値に対応する等角曲線上に位置する:
P=0.75+100%*1.5=2.25δ
図16で:
− 点PVはαPVR=29.1°及びβPVR=5.0°に位置する。
− 点AはαAR=αPVR=29.1°及びβAR=−0.1°に位置する。
− 点BはαBR=αPVR=29.1°及びβBR=10.1°に位置する。
点AとBを接続する等角曲線は発生非点収差値に対応する:
− Asr=1.5/4=0.375δ
− TA_RE=5.1°及びNA_RE=5.1°
このときRAR=0.00
図17で:
− 点PVはαPVL=29.1°及びβPVL=−5.0°に位置する。
− 点PVは屈折力値に対応する等角曲線上に位置する:
P=0.75+100%*1.5=2.25δ
図18で:
− 点PVはαPVL=29.1°及びβPVL=−5.0°に位置する。
− 点AはαAl=αPVL=29.1°及びβAL=0.1°に位置する。
− 点BはαBL=αPVL=29.1°及びβBL=−10.1°に位置する。
点AとBを接続する等角曲線は発生非点収差値に対応する:
− Asr=1.5/4=0.375δ
− TA_LE=5.1°及びNA_LE=5.1°
このときRAL=0.00
この対PAIR2は左利きの人用である。発生非点収差比は次のようにされる:
AL=RAR=0
したがって、この対のレンズは、装着者が近方視作業を行う場合に、有効ゾーン内において対称設計を提供することにより最適な快適性を左利き装着者に提供する。
PAIR3−図19a〜22a:左利き装着者
例3は、左利き装着者用の本発明による累進式眼用レンズの対PAIR3であって発生非点収差という意味で最適化された対PAIR3に対応する。
この場合、屈折力処方箋は遠方視において+0.75δであり、処方加入度は対のレンズの両方に対して1.50δである。装着者に対していかなる非点収差も処方されない。
図19aと20aに、対PAIR3の右眼レンズLENS1の光学特性(屈折力と発生非点収差)を示す。
図21aと22aに、対PAIR3の左眼レンズLENS2の光学特性(屈折力と発生非点収差)を示す。
図19aで:
− 点PVはαPVR=29.0°及びβPVR=5.0°に位置する。
− 点PVは屈折力値に対応する等角曲線上に位置する:
− P=0.75+100%*1.5=2.25δ
図20aで:
− 点PVはαPVR=29.0°及びβPVR=5.0°に位置する。
− 点AはαAR=αPVR=29.0°及びβAR=1.3°に位置する。
− 点BはαBR=αPVR=29.0°及びβBR=11.4°に位置する。
点AとBを接続する等角曲線は発生非点収差値に対応する:
Asr=1.5/4=0.375δ
A_RE=3.7°及びNA_RE=6.4°
このとき、RAR=−0.27
図21aで:
− 点PVはαPVL=28.9°及びβPVL=−4.9°に位置する。
− 点PVは屈折力値に対応する等角曲線上に位置する:
− P=0.75+100%*1.5=2.25δ
図22aで:
− 点PVはαPVL=28.9°及びβPVL=−4.9°に位置する。
− 点AはαAl=αPVL=28.9°及びβAL=1.4°に位置する。
− 点BはαBL=αPVL=28.9°及びβBL=−8.4°に位置する。
点AとBを接続する等角曲線は発生非点収差値に対応する:
Asr=1.5/4=0.375δ
A_LE=6.3°及びNA_LE=3.5°
このときRAL=0.28
この対PAIR3は左利きの人用である。実際、発生非点収差比は次のようになるようにされる
AR≦0及びRAL≧0
上記比はさらに、公差範囲を考慮してRAR+RALがほぼ0に等しくなる(RAR+RAL=0.01)ようにされる。
したがって、対PAIR3は、装着者が近方視作業を行う場合に、有効ゾーン内において非対称設計を提供することにより最適な快適性を左利き装着者に提供する。
例2:装着者利き手に応じて遠方視における非対称側頭/鼻半値幅(屈折力と非点収差)を有する累進レンズ設計
例2におけるパラメータはすべて遠方視に関係するが簡略化目的などのために注釈されない。例1に対する類推により、以下のとおり、累進レンズ設計は装着者の利き手に応じて、遠方視の半値幅に対する非対称性を備える。
右利き装着者に関して:
(TP_LE−NP_LE)/(TP_LE+NP_LE)≦0及び(TP_RE−NP_RE)/(TP_RE+NP_RE)≧0並びに/又は
(TA_LE−NA_LE)/(TA_LE+NA_LE)≦0及び(TA_RE−NA_RE)/(TA_RE+NA_RE)≧0
左利き装着者に関して:
(TP_LE−NP_LE)/(TP_LE+NP_LE)≧0及び(TP_RE−NP_RE)/(TP_RE+NP_RE)≦0並びに/又は
(TA_LE−NA_LE)/(TA_LE+NA_LE)≧0及び(TA_RE−NA_RE)/(TA_RE+NA_RE)≦0
例示として:
右利き装着者に関して:
(TP_LE−NP_LE)/(TP_LE+NP_LE)<−0.18及び(TP_RE−NP_RE)/(TP_RE+NP_RE)>0.18並びに/又は
(TA_LE−NA_LE)/(TA_LE+NA_LE)<−0.25及び(TA_RE−NA_RE)/(TA_RE+NA_RE)>0.25
左利き装着者に関して:
(TP_LE−NP_LE)/(TP_LE+NP_LE)>0.18及び(TP_RE−NP_RE)/(TP_RE+NP_RE)<−0.18並びに/又は
(TA_LE−NA_LE)/(TA_LE+NA_LE)>0.25及び(TA_RE−NA_RE)/(TA_RE+NA_RE)<−0.25
有利には、本発明によると、視野は、ある距離に位置する物体方向を指すなど、遠方視作業に使用される手の側に向かってより開いている。
例3:装着者の利き手に応じて非対称非点収差ピーク(最大)を有する累進レンズ設計
鼻(又は側頭)非点収差ピーク値MaxAsrN(又はMaxAsrT)はレンズの鼻(又は側頭)の側における発生非点収差の最大値として定義される。設計の緩和は非点収差ピークにより特徴付けられ得、装着者の利き手に応じてカスタム化することができる。設計は、書字手の側(LE、左眼;RE:右眼)で緩和され得る:
右利き装着者に関して:
MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE>0及びMaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE<0
左利き装着者に関して:
MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE<0及びMaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE>0.
任意選択的に、設計はさらに、処方加入度の値Aを考慮し得る。
有利には、これで、主として使用されるレンズの両側のぼやけが少なくなる。さらに、頭は手の側に向かってより回転し、したがって設計がより穏やかである場合、この側には視覚的歪が少ないので有利である。
右利き装着者に関して:
MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE>Max(0.25*A−0.25;0.25)及び
MaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE<−Max(0.25*A−0.25;0.25);
左利き装着者に関して:
MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE<−Max(0.25*A−0.25;0.25)及び
MaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE>Max(0.25*A−0.25;0.25)
一例として:
右利き装着者に関して:
MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE>0.50及び
MaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE<−0.50;
左利き装着者に関して:
MaxAsrT_LE−MaxAsrN_LE<−0.5及び
MaxAsrT_RE−MaxAsrN_RE>0.50。
例4:利き手の判断
以下は、異なる方法に従う利き手の判断を示す。
単一質問
装着者は、手書きを行うためにどちらの手を使用するかと尋ねられる。
− 返答が「右」である場合、利き手は「右利き」と判断され、+100の利き手値を割り振ることができる。
− 返答が「左」である場合、利き手は「左利き」と判断され、−100の利き手値を割り振ることができる。
エジンバラインベントリ
プロトコルはOldfield、R.C.,“The assessment and analysis of handedness:the Edinburgh inventory.”Neuropsychologia.9(1):97−113(1971)により説明された通りである。
本方法によると、対象者は一連の利き手関連質問を尋ねられ、定量的に答えることになっている。結果は、−100(極めて左利き)〜+100(極めて右利き)の範囲の側性係数LQである。
したがって、利き手値Hは、この方法に従って得られるLQ値として定義されることができる。
修正エジンバラインベントリ
Oldfield、R.C.,“The assessment and analysis of handedness:the Edinburgh inventory.”Neuropsychologia.9(1):97−113(1971)のように商計算の同じ原理に従うことが可能であるが、質問の性質に関しては修正を伴う。特に、遠方視(それぞれ中間視、それぞれ近方視)を利用して作業に関係する質問を列挙することにより遠方視(それぞれ中間視、それぞれ近方視)のH=LQ値を定義することが可能である。
例えば、近方視LQを定義するために用いられ得る近方視作業は、以下の1つ又は複数を含み得る:
− 1枚の紙に書く、
− 卓上電話の番号をダイヤルする、
− ポータブル/セルフォンの番号をダイヤルする、
− タッチスクリーン(自動販売機、電子タブレット、スマートフォン)上でナビゲートする、
− ポット又は鍋の内容物を撹拌する、
− 髭を剃る又はメークアップする。
遠方視作業の例:空の一面又は任意の他の遠い点に向かって指す;弓を射る。
中間視作業の例:皿洗い機又はオーブンを起動する;高い棚に置かれた物を取ろうと手を伸ばす。
修正エジンバラインベントリにおける計算原理
対象者は以下の質問表を与えられる:
対象者は、適切な欄に「+」を記入することにより各作業における手の使用でのその人の好みを示すように要求される。好みが非常に強いので特に強制されない限り他の手を使用しようとしない場合、対象者は「++」を記入する。どちらでも対象者にとって問題とならない場合は、両方の欄に「+」を記入する。
H=LQは、[(「右」欄内の「+」の数)−(「左」欄内の「+」の数)/「+」の数]*100として定義される。
異なる視力ゾーンにおける修正エジンバラインベントリの計算の例
有利には、本発明による利き手係数として様々な側性係数を使用することにより、レンズのそれぞれ上の、近方視、遠方視、及び中間視ゾーンのそれぞれの非対称性のレベルを個々に定義できるようにする。
例5:利き手に応じた非対称インセットを有する一対のレンズ
各レンズのインセット(inset_RE_initialとinset_LE_initial)は、装着者利き手を考慮すること無く最初に判断される。inset_RE_initialとinset_LE_initialの値は処方データと適用可能な場合には国際公開第2010034727号パンフレットによるものなど他のパラメータとに応じて判断され得る。
このとき、利き手を考慮するインセット値は以下のように判断され得る:
右利き装着者に対して:
− inset RE=inset_RE_initial−Delta_inset
− inset LE=inset_LE_initial+Delta_inset
一方、左利き装着者に対して:
− inset RE=inset_RE_initial+Delta_inset
− inset LE=inset_LE_initial−Delta_inset
ここで、
− SPD=サジタル面と近方視における注視点間の距離=30mm
− CRE_L=眼の回転中心とレンズ間の距離=25.5mm
− RD=読み取り距離=400mm
Delta_inset=CRE_L/DL*DPS=1.9mm。
例6:本発明の累進レンズ
図22に、本発明の累進レンズの発生非点収差マップを示す。
レンズは、2つの眼に対する同一処方データ(+4Add2)を有する右利き装着者の近方視用に設計される。マップは、上述のように光線追跡を利用して得られ、注視方向に応じて発生非点収差の値を示し、レンズは平均装着条件で配置される。
各レンズ上では、発生非点収差の最大値(最大Asr)に関しては装着者の右手側が好ましい:
右眼レンズ上では、最大Asr(側頭)<最大Asr(鼻)、一方、左眼レンズ上では、最大Asr(鼻)<最大Asr(側頭)。

Claims (6)

  1. 装着者により装着されるように意図された眼鏡累進式眼用レンズであって、
    前記眼鏡累進式眼用レンズは:
    − 以下:
    近方視注視方向に対する近方視ゾーン、
    経線に関する中間視ゾーン、
    遠方視注視方向に対する遠方視ゾーン
    の1つ又は複数の鼻/側頭半値幅は前記装着者の利き手に応じて非対称である点、及び
    − 前記眼鏡累進式眼用レンズの鼻(N)部分と側頭(T)部分との間の少なくとも1つの光学パラメータ(π)は前記装着者の利き手に応じて非対称であり、かつ、次式を満たし、
    ABS[(π−π)/avg(π;π)]>0.20
    ここで、ABSは絶対値であり、avgは平均値を表す、
    前記光学パラメータ(π)は、近方視、遠方視、中間視用のゾーンを含むレンズの1つ又は複数の有効ゾーンにおける、中心視または周辺視における発生非点収差の最大値又は屈折力勾配の最大値である、眼鏡累進式眼用レンズ。
  2. 装着者により装着されるように意図された一対の眼鏡累進式眼用レンズであって、
    − 前記装着者の右眼(RE)用である、請求項1に記載の眼鏡累進式眼用レンズである、第1の眼鏡累進式眼用レンズと、
    − 前記装着者の左眼(LE)用である、請求項1に記載の眼鏡累進式眼用レンズである、第2の眼鏡累進式眼用レンズと、を含み、
    (πT_RE−πN_RE)/avg(πT_RE;πN_RE)と(πT_LE−πN_LE)/avg(πT_LE;πN_LE)は反対符号である、一対の眼鏡累進式眼用レンズ。
  3. 右眼(RE)と左眼(LE)を有する装着者により装着されるように意図された一対の眼鏡累進式眼用レンズであって、
    前記一対の眼用レンズは、右眼用のレンズに対し定義された光学パラメータ(πRE)及び左眼用レンズに対し定義された光学パラメータ(πLE)の少なくとも1つの光学パラメータ(π)に関し、量πRE−πLEが前記装着者の利き手に依存するという点で非対称であり、前記光学パラメータは、
    近方視、遠方視、中間視用レンズの1つ又は複数の有効ゾーンにおける、
    中心視における屈折力、中心視における非点収差、中心視における高次収差、中心視における明瞭度、中心視におけるプリズムによる光のフレ、視覚偏差、中心視における物体視野、中心視における像視野、中心視における倍率を含む群から選択される中心視光学基準(CVOC)のうちの任意の1つ;
    周辺視における屈折力、周辺視における非点収差、周辺視における高次収差、瞳孔視野光線偏差、周辺視における物体視野、周辺視における像視野、周辺視におけるプリズムによる光のフレ、周辺視における倍率を含む群から選択される周辺視光学基準(PVOC)のうちの任意の1つ;
    眼の倍率、側頭変位を含む群から選択されるグローバル光学基準(GOC)のうちの任意の1つ;
    前又は後平均曲率、前又は後最小曲率、前又は後最大曲率、前又は後円柱軸、前又は後円柱、前又は後平均球、前又は後最大球、前又は後最小球を含む群から選択される面基準(SC)のうちの任意の1つ、及び/又は
    前記基準のうちの任意の1つの最大値、最小値、山から谷値、最大勾配値、最小勾配値、最大勾配値、最小勾配値、及び、平均値から選択され、
    − (πRE−πLE)/avg(πRE;πLE)=aH+b;
    ここで、
    avgは平均値を表し、
    aとbは定数であり、これらの定数は利き手に依存せず、装着者の処方箋データ又は生物測定学データに依存し、
    Hは、左利き装着者の−100から右利き装着者の+100までの範囲の利き手パラメータであり、
    ABS[(π−π)/avg(π;π)]>0.20
    ここで、ABSは、絶対値であり、Hは、−100又は+100である、一対の眼鏡累進式眼用レンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼鏡累進式眼用レンズである、一連の眼鏡累進式眼用レンズであって、
    − 右利き装着者に好適な一組の眼鏡累進式眼用レンズと、
    − 左利き装着者に好適な一組の眼鏡累進式眼用レンズと、を含む、一連の眼鏡累進式眼用レンズ。
  5. 請求項3又は4に記載の一対の眼鏡累進式眼用レンズであって、各眼鏡累進式眼用レンズが、
    − 遠方視ゾーンと、
    − 近方視ゾーンと、
    − 前記近方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマーク、又は、前記遠方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマークと、を含み、
    前記眼鏡累進式眼用レンズのプリズム基準点(PRP)を通る垂直軸と以下、
    − 第1の目用の前記眼鏡累進式眼用レンズ上の前記近方視ゾーンの基準点、又は、前記遠方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマークを見出すためのマーク、及び
    − 第2の目用の前記眼鏡累進式眼用レンズ上の前記近方視ゾーンの基準点、又は、前記遠方視ゾーンの基準点を見出すための1つのマークを見出すためのマーク、のそれぞれとの間の距離は異なり、
    前記距離間の差は前記装着者の利き手に応じて判断される、一対の眼鏡累進式眼用レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼鏡累進眼用レンズを判断する方法であって、
    前記装着者の利き手のデータを提供するステップであって、
    − 所与の活動に対して左利きか右利きかを尋ねられたときの前記装着者の返答を書くことと、
    − エジンバラインベントリ又は、前記エジンバラインベントリから選択される、1つ又は複数の利き手質問がなされたときの前記装着者の返答を利用して判断される側性係数と、
    − 物理的試験及び/又は頭/視標追跡の測定と、
    により前記装着者の利き手が判断される、ステップと、
    前記装着者の利き手を考慮して眼鏡累進眼用レンズを判断するステップと、
    を備える方法。
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