JP2018108006A - 回転子およびリラクタンス回転電機 - Google Patents

回転子およびリラクタンス回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】回転子鉄心に形成されている複数の空洞部に、十分に樹脂を充填することができる回転子およびリラクタンス回転電機を提供することである。【解決手段】実施形態の回転子は、シャフトと、回転子鉄心と、樹脂体と、プレートと、を持つ。回転子鉄心は、シャフトに固定され、1極当りに径方向内側に向かって凸形状となる空洞部が複数層形成されている。樹脂体は、空洞部に充填される。プレートは、回転子鉄心の回転軸線方向両側に配置され、複数の空洞部の軸方向両端の開口を閉塞する。また、プレートは、空洞部に連通し外部からプレートを介して空洞部に樹脂体を導入可能な樹脂導入口を持つ。プレートの回転子鉄心側の一面には、1極当りに形成されている複数層の空洞部のうち2層以上の空洞部に跨る少なくとも1つの樹脂導入凹部が形成されており、樹脂導入凹部を介して1極当りの2層以上の空洞部が連通されている。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、回転子およびリラクタンス回転電機に関する。
リラクタンス回転電機は、回転子と、固定子と、を備えている。回転子は、回転可能に軸支されて回転軸中心で軸方向に延びるシャフトと、シャフトに外嵌固定される回転子鉄心と、を備えている。固定子は、回転子鉄心の外周に回転子鉄心と間隔をあけて配置され、互いに周方向に間隔をあけて配列された複数のティースを有する固定子鉄心と、複数のティースにそれぞれ巻回された複数極の多相の電機子巻線と、を備えている。
回転子鉄心には、1極当りに径方向内側に向かって凸形状となる空洞部が複数層形成されている。このように空洞部を形成することにより、回転子鉄心に、磁束の流れ易い方向と磁束の流れにくい方向とが形成される。そして、リラクタンス回転電機は、空洞部によって発生するリラクタンストルクを利用し、シャフトを回転させる。
ところで、回転子鉄心を、複数の電磁鋼板を積層して構成する場合がある。このような場合、積層された電磁鋼板を一体的に固定するための方法として、さまざまな技術が提案されている。
例えば、回転子鉄心の回転軸線両端に円板状の端板(鉄心押さえ)を設け、これら端板によって、積層された電磁鋼板を回転軸線両側から押さえる技術がある。また、端板を設けるのに加えて複数の空洞部に樹脂を充填し、積層された電磁鋼板を強固に一体化する技術がある。
しかしながら、複数の空洞部にそれぞれ十分に樹脂を充填するには、特殊な治具が必要になる場合がある。樹脂を充填後に治具を取り外すことを考慮すると、製造工数が増加してしまい、製造コストが嵩張る可能性があった。
また、回転子鉄心の回転軸線両端に端板を設けた状態では、各空洞部に十分に樹脂が充填できたかを確認するのが困難で、各空洞部に十分に樹脂が充填できない可能性があった。
特開2009−303485号公報
本発明が解決しようとする課題は、回転子鉄心に形成されている複数の空洞部に、十分に樹脂を充填することができる回転子およびリラクタンス回転電機を提供することである。
実施形態の回転子は、シャフトと、回転子鉄心と、樹脂体と、プレートと、を持つ。シャフトは、回転軸線回りに回転する。回転子鉄心は、シャフトに固定され、1極当りに径方向内側に向かって凸形状となる空洞部が複数層形成されている。樹脂体は、空洞部に充填される。プレートは、回転子鉄心の回転軸線方向両側に配置され、複数の空洞部の軸方向両端の開口を閉塞する。また、プレートは、空洞部に連通し外部からプレートを介して空洞部に樹脂体を導入可能な樹脂導入口を持つ。プレートの回転子鉄心側の一面には、1極当りに形成されている複数層の空洞部のうち2層以上の空洞部に跨る少なくとも1つの樹脂導入凹部が形成されており、樹脂導入凹部を介して1極当りの2層以上の空洞部が連通されている。
第1の実施形態のリラクタンス回転電機を示す一部断面斜視図。 第1の実施形態の回転子鉄心を示す軸方向に直交する断面図。 第1の実施形態の回転子の端板および短絡環を取り外した状態を示す斜視図。 第1の実施形態の回転子鉄心に端板を取り付けた状態を示す斜視図。 第1の実施形態の端板の内面側を示す平面図。 第1の実施形態の回転子の端板および短絡環の一部を切り欠いた斜視図。 第2の実施形態のリラクタンス回転電機を示す一部断面斜視図。
以下、実施形態の回転子およびリラクタンス回転電機を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、リラクタンス回転電機(以下、単に回転電機という)1を示す一部断面斜視図である。
同図に示すように、回転電機1は、ハウジング2と、ハウジング2内に固定されている固定子3と、ハウジング2内に回転軸線O回りに回転自在に支持されている回転子4と、を備えている。なお、以下の説明では、回転軸線Oと平行な方向を単に軸方向と称し、回転軸線O回りに周回する方向を単に周方向と称し、回転軸線Oに直交する径方向を単に径方向と称する。
ハウジング2は、略円筒状のフレーム5と、フレーム5の軸方向両端の開口部5a,5bを閉塞するベアリングブラケット6,7と、を備えている。各ベアリングブラケット6,7は、略円板状に形成されている。各ベアリングブラケット6,7の径方向略中央には、それぞれ回転子4を回転自在に支持するためのベアリング8,9が設けられている。
固定子3は、中心軸線が回転軸線Oと同軸上に位置する略円筒状の固定子鉄心10を有している。この固定子鉄心10の外周面が、フレーム5の内周面に、例えば圧入により固定されている。固定子鉄心10は、電磁鋼板を複数枚積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりして形成することが可能である。
固定子鉄心10の内周面には、回転軸線Oに向かって突出し、周方向に等間隔で配列された複数のティース11が一体成形されている。ティース11の具体的形状は特に図示しないが、ティース11は、断面略矩形状に形成されている。そして、隣接する各ティース11間には、それぞれ不図示のスロットが形成されている。これらスロットを介し、各ティース11に電機子巻線13が巻回されている。
回転子4は、固定子鉄心10よりも径方向内側に配置されている。回転子4は、回転軸線O回りに回転するシャフト14と、シャフト14に外嵌固定された略円柱状の回転子鉄心15と、回転子鉄心15内に設けられた複数の導体バー41と、回転子鉄心15の軸方向両側に配置された端板(鉄心押さえ)42および短絡環45と、を備えている。
図2は、回転子鉄心15を示す軸方向に直交する断面図である。
図1、図2に示すように、回転子鉄心15は、電磁鋼板を複数枚積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりして形成することが可能である。回転子鉄心15の外径は、径方向で対向する各ティース11との間に、所定のエアギャップGが形成されるように設定されている。また、回転子鉄心15の径方向中央には、軸方向に貫通する貫通孔16が形成されている。この貫通孔16に、シャフト14が圧入や焼嵌め等され、シャフト14と回転子鉄心15とが一体となって回転する。
さらに、回転子鉄心15には、1/4周の周角度領域のそれぞれに、4層の空洞部(フラックスバリア)21,22,23,24(第1空洞部21、第2空洞部22、第3空洞部23、第4空洞部24)が径方向に並んで形成されている。すなわち、最もシャフト14に近い位置(回転子鉄心15の径方向最内側)に第1空洞部21が形成され、さらにシャフト14から離間する方向(径方向外側)に向かって順に第2空洞部22、第3空洞部23、第4空洞部24が並んで形成されている。そして、第4空洞部24が、シャフト14から最も離間した位置(径方向最外側)に配置されている。
また、各空洞部21〜24は、電機子巻線13に通電した際に形成される磁束の流れに沿うように形成されている。つまり、各空洞部21〜24は、周方向の中央が最も径方向内側に位置するように(径方向内側に向かって凸形状となるように)、湾曲形成されている。これにより、回転子鉄心15には、磁束の流れ易い方向と磁束の流れにくい方向が形成される。なお、以下の説明では、軸方向からみて各空洞部21,22,23,24の長手方向を、単に空洞部21,22,23,24の長手方向と称して説明する場合がある。
ここで、本実施形態において、磁束の流れ易い方向をq軸と称する。また、q軸に対して電気的、磁気的に直交する径方向に沿った方向をd軸と称する。すなわち、各空洞部21〜24は、d軸に沿った径方向において、多層構造となる。
より詳しくは、回転子鉄心15においてq軸方向は、各空洞部21〜24によって磁束の流れが妨げられない方向をq軸と称する。すなわち、回転子鉄心15の外周面15aの任意の周角度位置に正の磁位(例えば磁石のN極を近づける)、これに対して1極分(本実施形態の場合は機械角で90度)ずれた他の任意の周角度位置に負の磁位(例えば磁石のS極を近づける)を与え、任意の位置を周方向へずらしていった場合に最も多くの磁束が流れる時の回転軸線Oから任意の位置に向かう方向をq軸と定義する。そして、各空洞部21〜24の長手方向がq軸である。
一方、各空洞部21〜24によって磁束の流れが妨げられる方向、すなわちq軸に対して磁気的に直交する方向をd軸と称する。本実施形態では、各空洞部21〜24によって、回転軸線Oに近い領域と遠い領域に分離された2つの回転子鉄心部分が対向する方向に対して平行な方向がd軸である。また、本実施形態のように各空洞部21〜24が多層に形成されている場合(本実施形態では4層)、層の重なり方向がd軸である。本実施形態では、d軸は、q軸に対して電気的、磁気的に直交するのに限らず、直交する角度からある程度の角度幅(例えば機械角で10度程度)をもって交わってよい。
このように、回転子鉄心15は、4極に構成されており、1極当り(回転子鉄心15の1/4周の周角度領域)に4層の空洞部21〜24が形成されていることになる。そして、1極とは、q軸間の領域をいう。つまり、各空洞部21〜24は、d軸上が最も径方向内側に位置するように、径方向内側に向かって湾曲形成されている。
また、各空洞部21〜24は、軸方向からみて長手方向両端が回転子鉄心15の外周部に位置するように湾曲形成されている。そして、各空洞部21〜24は、長手方向両端に近い箇所ほどq軸に沿うように、且つ長手方向中央に近い箇所ほどd軸と直交するように形成されている。
また、q軸方向において、各空洞部21〜24の長手方向両端と回転子鉄心15の外周面15aとの間には、それぞれブリッジ26,27,28,29(第1ブリッジ26、第2ブリッジ27、第3ブリッジ28、第4ブリッジ29)が形成されている。
さらに、各空洞部21〜24のうち、第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23の長手方向中央に、それぞれセンターブリッジ61,62,63(第1センターブリッジ61、第2センターブリッジ62、第3センターブリッジ63)が形成されている。各センターブリッジ61,62,63は、各空洞部21,22,23をd軸方向に沿って跨るように設けられている。これらセンターブリッジ61,62,63は、空洞部21〜24が形成された回転子鉄心15を変形しにくくさせるためのものである。
図3は、回転子4の端板42および短絡環45を取り外した状態を示す斜視図である。
図2、図3に示すように、回転子鉄心15内に設けられた複数の導体バー41は、各空洞部21〜24に挿入されている。具体的には、第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23の長手方向両端に、それぞれ導体バー41が挿入されている。また、第4空洞部24の長手方向中央に、導体バー41が挿入されている。
各導体バー41は、軸方向に直交する断面形状が略矩形状で、且つ軸方向に細長く一様な板状の部材である。導体バー41は、回転子鉄心15の軸方向両端から突出している。また、導体バー41は、例えばアルミ合金や銅合金等の非磁性で且つ導電性を有する材料により形成されている。さらに、第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23に挿入されている導体バー41は、対応する第1ブリッジ26、第2ブリッジ27、および第3ブリッジ28から所定の間隙をあけて配置されている。
また、回転子鉄心15には、各空洞部21〜24の導体バー41が配置されている箇所以外に、樹脂体51が充填されている。樹脂体51は、例えば電磁鋼板を複数枚積層して回転子鉄心15を構成する場合、積層された電磁鋼板を強固に一体化させる。また、各空洞部21〜24に樹脂体51を充填することにより、回転子鉄心15に対して導体バー41を固定できる。さらに、各空洞部21〜24を形成することにより、回転子鉄心15が変形しやすくなる傾向になるが、各空洞部21〜24に樹脂体51を充填することにより、回転子鉄心15を変形しにくくすることができる。
図4は、回転子鉄心15に端板42を取り付けた状態を示す斜視図である。
同図に示すように、端板42は、回転子鉄心15の軸方向両端に、この回転子鉄心15と重ね合わさるように配置されている。端板42は、非磁性材(例えば、硬質樹脂等)により略円板状に形成されており、その外径は、回転子鉄心15の外径とほぼ同一に設定されている。端板42は、回転子鉄心15を軸方向両側から押さえ、シャフト14に対する回転子鉄心15の軸方向への移動を規制したり、電磁鋼板を複数枚積層して構成される回転子鉄心15を一体化させたりする。また、端板42により、回転子鉄心15に形成されている各空洞部21〜24の軸方向両端の開口が閉塞される。
端板42の径方向中央には、シャフト14を圧入または焼嵌め等可能な貫通孔42aが形成されている。これにより、シャフト14に端板42が固定され、さらに、シャフト14に対する回転子鉄心15の軸方向への移動が規制される。
なお、端板42の貫通孔42aにシャフト14を挿入とし、貫通孔42aの内周面およびシャフト14の外周面の何れか一方にキーを設け、他方に、キーを受け入れ可能なキー溝を設け、これによりシャフト14に端板42を固定してもよい。
また、端板42には、回転子鉄心15内に挿入されている導体バー41に対応する位置に、それぞれ導体挿通孔42bが形成されている。これら導体挿通孔42bに、導体バー41が挿通されている。そして、導体バー41は、導体挿通孔42bを介して端板42の回転子鉄心15とは反対側の外面42cに突出している。
図5は、端板42の回転子鉄心15と重なり合う内面42d側を示す平面図、図6は、回転子4の端板42および短絡環45の一部を切り欠いた斜視図である。
図5、図6に示すように、端板42の内面42dには、貫通孔42a(シャフト14)の周囲を取り囲むように、軸方向からみて略円環状の樹脂導入凹部52が形成されている。より詳しくは、樹脂導入凹部52は、内径が貫通孔42aとの間に所定間隔K1が形成されるように、且つ外径が導体挿通孔42bに接しない程度に大きく設定されている。そして、樹脂導入凹部52の径方向の幅は、回転子鉄心15に端板42を重ね合わせた際、樹脂導入凹部52が第1空洞部21および第2空洞部22に跨る幅に設定される。
また、樹脂導入凹部52の外周縁には、第4空洞部24に配置された導体バー41が挿入される導体挿通孔42bに対応する位置に、この導体挿通孔42bに向かって径方向に突出する樹脂導入副凹部53が4箇所形成されている。樹脂導入副凹部53は、樹脂導入凹部52に連通していると共に、軸方向からみて第3空洞部23と重なる位置に形成されている。樹脂導入副凹部53を形成することにより、端板42の内面42dのできる限り広い範囲に、凹部(樹脂導入凹部52、樹脂導入副凹部53)が形成される。そして、樹脂導入凹部52および樹脂導入副凹部53を介し、第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23が連通される。
図1に示すように、端板42の導体挿通孔42bを介して突出する導体バー41の軸方向両端部は、それぞれ短絡環45によって短絡されている。
短絡環45は、端板42から軸方向両方に離間して配置された環状の部材である。短絡環45の径方向中心も回転軸線Oに一致している。短絡環45は、導体バー41と同様に、非磁性で且つ導電性を有する材料により形成されている。具体的には、短絡環45の材料は、導体バー41と同じ材料で例えばアルミ合金や銅合金により形成されることが好ましい。しかしながら、これに限られるものではない。
短絡環45には、導体バー41に対応する位置に、それぞれ導体挿通孔45aが形成されている。これら導体挿通孔45aに、導体バー41が挿通されている。導体バー41が挿通された短絡環45は、例えば、ロウ付けにより導体バー41と接合される。
なお、例えばロウ付けにより短絡環45と導体バー41とを接合する場合、短絡環45と端板42との所定間隔は、短絡環45の導体挿通孔45aと導体バー41の端部との間に、ロウが十分に回り込む間隔に設定される。また、短絡環45と導体バー41との接合は、ロウ付けに限られるものではなく、短絡環45と導体バー41とを接合できればよい。例えば、導体挿通孔45aに導体バー41を圧入したり、ロウ付け以外の溶接を採用したりできる。
次に、回転子4の製造方法について説明する。
まず、シャフト14に、回転子鉄心15および端板42を圧入や焼嵌め等によって組み付けると共に、回転子鉄心15の各空洞部21〜24および端板42の導体挿通孔42bにそれぞれ導体バー41を挿入する。このとき、回転子鉄心15の軸方向両端に、端板42の内面42d(図5参照)を当接させる。また、回転子鉄心15と端板42との周方向の位置決めは、不図示の治具等を用いて行う。
次に、各導体バー41の軸方向両端に、短絡環45の導体挿通孔45aを差し込む。そして、各導体バー41の軸方向両端と短絡環45とをロウ付け等により接合する。これにより、シャフト14、回転子鉄心15、導体バー41、端板42、および短絡環45の組付け作業が完了する。
続いて、回転子鉄心15の各空洞部21〜24に樹脂体51を充填する。この充填作業の方法としては、例えば真空含浸方法が採用される。すなわち、まず、回転子鉄心15の各空洞部21〜24を、真空ポンプを用いて真空にしつつ、溶融された樹脂が貯留された容器内に回転子4を浸漬する。すると、端板42に形成された導体挿通孔42bと、この導体挿通孔42bに挿通されている導体バー41との間に形成される僅かなクリアランスから回転子鉄心15内に溶融された樹脂が流入され、さらに各導体挿通孔42bを介して各空洞部21〜24に樹脂が流れ込む。つまり、端板42の導体挿通孔42b(導体バー41が挿通された導体挿通孔42bの僅かなクリアランス)は、各空洞部21〜24に樹脂を流入する樹脂導入口として機能している。
ここで、端板42の内面42dには、樹脂導入凹部52および樹脂導入副凹部53が形成されている。そして、これら凹部52,53を介して第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23が連通される。このため、第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23の何れか1つに流れ込んだ樹脂は、各凹部52,53を介してその他の第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23の何れかに流れ込む。すなわち、各凹部52,53を介して各空洞部21,22,23に万遍なく樹脂が行き渡る。
各空洞部21〜24に充填された樹脂は、その後冷却されて樹脂体51になる。これにより、回転子4の製造が完了する。
次に、回転電機1の動作について説明する。
回転電機1を駆動する場合、固定子3の電機子巻線13に三相交流を供給する。すると、所定のティース11に磁束が形成される。そして、磁束が形成されるティース11が回転子4の回転方向(周方向)に沿って順次切り替えられる(形成される磁束が回転移動する)。
このとき、停止した状態の回転子4が固定子3側の磁束の回転移動に同期して回転するまでの非同期状態において、回転子鉄心15に設けられた導体バー41に誘導電流が生じる。つまり、各導体バー41は、二次コイルとして機能し、固定子3との間で、回転子4を回転させるための始動トルクを発生する。
ここで、第1空洞部21、第2空洞部22、および第3空洞部23の長手方向両端に配置されている導体バー41は、それぞれ対応する第1ブリッジ26、第2ブリッジ27、および第3ブリッジ28から所定の間隙をあけて配置されている。間隙は、磁束を通しにくい。このため、所定の間隙を形成することによって、固定子3で形成される磁束が導体バー41と鎖交し、回転子4の回転に寄与しない高調波電流が導体バー41に流れてしまうことが抑制される。換言すれば、固定子3と回転子4との間のエアギャップGで生じるトルクリップルに起因した高調波磁束が各導体バー41と鎖交しにくく、高調波二次銅損が発生しにくい。
このように、上述の第1の実施形態では、回転子鉄心15の軸方向両端に設けられた端板42の内面42dに、第1空洞部21および第2空洞部22に跨るように樹脂導入凹部52が形成されている。また、樹脂導入凹部52の外周縁に、軸方向からみて第3空洞部23と重なる樹脂導入副凹部53が形成されている。そして、これら凹部52,53を介して第1空洞部21、第2空洞部22および第3空洞部23が連通されている。このため、例えば各空洞部21〜24に真空含浸法により樹脂を充填する場合、各凹部52,53を介して各空洞部21〜23(第1空洞部21、第2空洞部22、第3空洞部24)に万遍なく樹脂を行き渡らせることができる。また、各凹部52,53を形成する分、樹脂流路が増大するので、樹脂の湯流れが良好になる。このため、特殊な治具を用いることなく、各空洞部21〜24に十分に樹脂を充填できる。
また、端板42の樹脂導入凹部52を、軸方向からみて略円環状に形成している。このため、1極あたりに形成されている各空洞部21〜23のみならず、これら空洞部21〜23と他極に形成されている他の空洞部21〜23とを、各凹部52,53を介して連通することができる。このため、各空洞部21〜23に、より確実に樹脂を行き渡らせることができる。
さらに、各空洞部21〜24に導体バー41を配置し、導体バー41の軸方向両端を短絡環45によって短絡している。そして、導体バー41を二次コイルとして機能させ、固定子3との間で、回転子4を回転させるための始動トルクを発生させるようにしている。このため、インバータ等を用いることなく、回転子4を始動させることが可能になる。
また、端板42に形成された導体バー41を挿通させる導体挿通孔42b(導体バー41が挿通された導体挿通孔42bの僅かなクリアランス)が、各空洞部21〜24に樹脂を流入する樹脂導入口として機能している。このため、各空洞部21〜24に真空含浸法により樹脂を充填する場合において、端板42に別途樹脂導入口を設ける必要がない。よって、端板42の加工コストを低減できる。
(第2の実施形態)
次に、図7に基づいて、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態における回転電機という201を示す一部断面斜視図である。なお、前述の第1の実施形態と同一態様については、同一符号を付して説明を省略する。
同図に示すように、第2の実施形態では、回転子鉄心15の軸方向両端に端板42(前述の図1参照)が設けられておらず、回転子鉄心15の軸方向両端に直接短絡環245が配置されている。この点、前述の第1の実施形態と相違する点である。
短絡環245は、例えばアルミダイキャストからなり、各空洞部21〜24の軸方向両端の開口を閉塞している。不図示の導体バーは、軸方向両端側が、例えば融着等によって短絡環245に接続固定されている。これにより、各導体バー(不図示)が、短絡環245によって短絡される。
ここで、短絡環245の回転子鉄心15側の内面には、軸方向からみて略円環状の樹脂導入凹部252や樹脂導入副凹部253が形成されている。これら樹脂導入凹部252および樹脂導入副凹部253によって、少なくとも1極当り2層以上の空洞部21〜24(前述の図2参照)が連通されている。
また、短絡環245には、各空洞部21〜24に樹脂を流入させるための複数(例えば、4つ)の樹脂導入口54が短絡環245の内外を連通するように貫通形成されている。
したがって、上述の第2の実施形態によれば、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上述の実施形態では、各空洞部21〜24に導体バー41を設け、回転子4を回転させるための始動トルクを発生させるように構成する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各空洞部21〜24のうち、任意の空洞部21〜24のみに導体バー41を設けてもよいし、導体バー41を設けなくてもよい。導体バー41を設けない場合、短絡環45,245を設ける必要はない。
また、上述の実施形態では、回転子鉄心15には、1/4周の周角度領域のそれぞれに(1極当りに)、4層の空洞部21〜24が形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、4層以上の複数層の空洞部が形成されていてもよい。
さらに、上述の実施形態では、各空洞部21〜24は、周方向の中央が最も径方向内側に位置するように(径方向内側に向かって凸形状となるように)、湾曲形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各空洞部21〜24は、径方向内側に向かって凸形状に形成されていればよい。すなわち、各空洞部21〜24が湾曲形成されていなくてもよい。
また、上述の実施形態では、回転子鉄心15は、4極に構成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、回転子鉄心15を4極以上で構成してもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、回転子鉄心15の軸方向両端に設けられた端板42の内面42dや短絡環245の内面に、各空洞部21〜24のうち1極当り2層以上の空洞部21〜24(例えば、上述の第1の実施形態では3つの空洞部21〜23)に跨る樹脂導入凹部52,252や樹脂導入副凹部53,253を形成することにより、これら凹部52,53,252,253を介して各空洞部21〜24に万遍なく樹脂を行き渡らせることができる。このため、特殊な治具を用いることなく、各空洞部21〜24に十分に樹脂を充填できる。
また、端板42の樹脂導入凹部52,252を、軸方向からみて略円環状に形成している。このため、1極あたりに形成されている各空洞部21〜23のみならず、これら空洞部21〜23と他極に形成されている他の空洞部21〜23とを、各凹部52,252を介して連通することができる。このため、各空洞部21〜23に、より確実に樹脂を行き渡らせることができる。
さらに、各空洞部21〜24に導体バー41を配置し、導体バー41の軸方向両端を短絡環45,245によって短絡している。そして、導体バー41を二次コイルとして機能させ、固定子3との間で、回転子4を回転させるための始動トルクを発生させるようにしている。このため、インバータ等を用いることなく、回転子4を始動させることが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…リラクタンス回転電機、14…シャフト、15…回転子鉄心、21…第1空洞部(空洞部)、22…第2空洞部(空洞部)、23…第3空洞部(空洞部)、24…第4空洞部(空洞部)、41…導体バー、42…端板(回転子端板)、42b…導体挿通孔(挿通孔、樹脂導入口)、45,245…短絡環、51…樹脂体、52,252…樹脂導入凹部、53,253…樹脂導入副凹部(樹脂導入凹部)、54…樹脂導入口、O…回転軸線

Claims (5)

  1. 回転軸線回りに回転するシャフトと、
    前記シャフトに固定され、1極当りに径方向内側に向かって凸形状となる空洞部が複数層形成されている回転子鉄心と、
    前記空洞部に充填される樹脂体と、
    前記回転子鉄心の前記回転軸線方向両側に配置され、複数の前記空洞部の軸方向両端の開口を閉塞するプレートと、
    を備え、
    前記プレートは、前記空洞部に連通し外部から前記プレートを介して前記空洞部に前記樹脂体を導入可能な樹脂導入口を有し、
    前記プレートの前記回転子鉄心側の一面には、1極当りに形成されている複数層の前記空洞部のうち2層以上の前記空洞部に跨る少なくとも1つの樹脂導入凹部が形成されており、該樹脂導入凹部を介して1極当りの前記2層以上の前記空洞部が連通されている
    回転子。
  2. 前記空洞部に配置されると共に、前記プレートに連結されている複数の導体バーを備えている
    請求項1に記載の回転子。
  3. 前記プレートは、前記回転子鉄心を前記回転軸線方向両側から押さえて保持する回転子端板であり、各前記導体バーを挿通可能な挿通孔を有し、該挿通孔が前記樹脂導入口として機能しており、
    前記複数の導体バーは、前記プレートを介して該プレートの前記回転子鉄心とは反対側に突出しており、
    前記複数の導体バーの前記回転軸線方向両端に設けられ、前記複数の導体バーを連結する短絡環を備えている
    請求項1または請求項2に記載の回転子。
  4. 前記樹脂導入凹部は、前記シャフトの周囲を取り囲むように前記回転軸線方向からみて環状に形成されている
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の回転子。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の回転子と、
    前記回転子の周囲を取り囲むように設けられ、電機子巻線が巻回されている固定子と、
    を備えたリラクタンス回転電機。
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