以下では、図1から図5までを参照して、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
電力供給システム1は、住宅等に設けられ、系統電源Kからの電力や、太陽光を利用して発電された電力を負荷Hへと供給するものである。電力供給システム1は、主として第一蓄電システム1(1)から第N蓄電システム1(N)までと、制御部60と、を具備する。なお、第N蓄電システム1(N)の「N」は、蓄電システムの設置数を示す変数であり、具体的には2以上の整数が入ることを示している。
第一蓄電システム1(1)は、太陽光を利用して発電された電力を蓄電したり、負荷Hへと供給するものである。第一蓄電システム1(1)は、第一太陽光発電部2(1)、第一蓄電池3(1)、第一ハイブリッドパワコン4(1)及び第一センサ5(1)を具備する。
第一太陽光発電部2(1)は、太陽光を利用して発電する装置である。第一太陽光発電部2(1)は、太陽電池パネル等により構成される。第一太陽光発電部2(1)は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。
第一蓄電池3(1)は、電力を充電可能に構成されるものである。第一蓄電池3(1)は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。第一蓄電池3(1)は、後述する第一ハイブリッドパワコン4(1)等を介して第一太陽光発電部2(1)と接続される。
第一ハイブリッドパワコン4(1)は、電力を適宜変換するもの(ハイブリッドパワーコンディショナ)である。第一ハイブリッドパワコン4(1)は、第一太陽光発電部2(1)で発電された電力及び第一蓄電池3(1)から放電された電力を負荷Hに出力可能であると共に、第一太陽光発電部2(1)で発電された電力及び系統電源Kからの電力を第一蓄電池3(1)に出力可能に構成される。第一ハイブリッドパワコン4(1)は、系統電源Kから負荷Hへと電力を供給する電力経路Lの第一接続点P1(1)と接続される。
第一センサ5(1)は、電力経路Lにおいて、第一接続点P1(1)と第二蓄電システムが接続される第二接続点(不図示)との間に設けられる。第一センサ5(1)は、設けられた箇所を流通する電力(例えば、負荷H及び第一蓄電池3(1)へと供給される電力)の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。第一センサ5(1)は、第一ハイブリッドパワコン4(1)と接続され、検出結果に関する信号を第一ハイブリッドパワコン4(1)へ出力可能に構成される。
第二蓄電システム(不図示)から第N蓄電システム1(N)までは、電力経路Lとの接続箇所が異なる点を除いて、第一蓄電システム1(1)と同様に構成される。第二蓄電システムから第N蓄電システム1(N)までは、電力経路Lの第一接続点P1(1)(第一蓄電システム1(1))よりも上流側(系統電源K側)に配置される接続点(図1に示す第N−1接続点P1(N−1)及び第N接続点P1(N)参照)と順番に接続される。このような第一蓄電システム1(1)から第N蓄電システム1(N)までにおいては、第N蓄電システム1(N)が最も上流側に配置される。
制御部60は、蓄電システム1(1〜N)の情報を管理すると共に、当該蓄電システム1(1〜N)の動作を制御するものである。制御部60は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、並びにタッチパネル等の入出力装置等により構成される。制御部60は、太陽光発電部2(1〜N)で発電された電力の出力や、蓄電池3(1〜N)の充放電を制御することができる。また、制御部60は、プログラムや種々の情報を前記記憶装置に格納しており、当該プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、後述する売電モード及びエコモードを実行することができる。このような制御部60は、例えば、EMS(Energy Management System)によって構成される。
また、制御部60は、ハイブリッドパワコン4(1〜N)と接続される。制御部60は、ハイブリッドパワコン4(1〜N)から出力された信号により、センサ5(1〜N)の検出結果や太陽光発電部2(1〜N)及び蓄電池3(1〜N)の運転状態に関する情報を取得することができる。
以下では、上述の如く構成された電力供給システム1において、蓄電池3(1〜N)及び負荷Hへ電力を供給する流れについて、簡単に説明する。
系統電源Kや、太陽光発電部2(1〜N)からの電力は、電力経路Lを介して負荷Hへ供給される。こうして、住宅の居住者は、系統電源Kや、太陽光発電部2(1〜N)からの電力を用いて照明を点灯させたり、調理器具やエアコンを使用したりすることができる。
この場合において、負荷Hの消費電力が太陽光発電部2(1〜N)からの電力だけで賄える場合には、系統電源Kからの電力を用いないことも可能である。このようにして系統電源Kからの買電量を減少させ、電力料金を節約することができる。
また、系統電源Kや、太陽光発電部2(1〜N)からの電力は、適宜の時間帯に蓄電池3(1〜N)に供給することができる。蓄電池3(1〜N)に供給された電力は、当該蓄電池3(1〜N)に充電することができる。蓄電池3(1〜N)が充電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば、前記時間帯を深夜に設定すれば、料金の安い深夜電力を蓄電池3(1〜N)に充電することができる。また、前記時間帯を昼間の時間帯に設定すれば、太陽光発電部2(1〜N)からの電力を蓄電池3(1〜N)に充電することができる。
また、蓄電池3(1〜N)に充電された電力は、電力経路Lを介して負荷Hへ供給することができる。具体的には、蓄電池3(1〜N)を放電すると、当該放電された電力が電力経路Lを介して負荷Hに供給される。蓄電池3(1〜N)が放電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば、前記時間帯を昼間の時間帯に設定すれば、蓄電池3(1〜N)に充電した料金の安い深夜電力を当該昼間の時間帯に用いることができる。こうして、昼間の時間帯に系統電源Kからの電力量(買電量)を減少させ、電力料金を節約することができる。
次に、電力供給システム1における電力の供給態様(モード)について説明する。
電力供給システム1では、電力の供給態様として、売電モード及びエコモードを有する。売電モード及びエコモードは、例えば、住宅の居住者により制御部60の前記タッチパネルが操作されることで、任意に設定可能に構成される。
売電モードは、太陽光発電部2(1〜N)で発電した電力の売電(系統電源Kへと逆潮流させて金銭的な利益を得ること)を目的としたモードである。また、売電モードは、蓄電池3(1〜N)を充放電する時間帯を任意に設定することができるモードである。
より詳細には、売電モードにおいて、蓄電池3(1〜N)には、充電を開始する時間(以下、「充電開始時間」と称する)と、充電を終了する時間(以下、「充電終了時間」と称する)と、が設定されている。本実施形態において、充電開始時間から充電終了時間までの時間帯は、深夜の時間帯となるように設定されている。例えば、充電開始時間が23時、充電終了時間が7時に設定されていると、蓄電池3(1〜N)は、23時から翌日の7時まで充電する。
また、売電モードにおいて、蓄電池3(1〜N)には、放電を開始する時間(以下、「放電開始時間」と称する)と、放電を終了する時間(以下、「放電終了時間」と称する)と、が設定されている。本実施形態において、放電開始時間から放電終了時間までの時間帯は、昼間の時間帯となるように設定されている。例えば、放電開始時間が8時、放電終了時間が20時に設定されていると、蓄電池3(1〜N)は、8時から20時まで必要に応じて放電する。
このような充電開始時間、充電終了時間、放電開始時間及び放電終了時間は、例えば、住宅の居住者により制御部60の前記タッチパネルが操作されることで、任意に設定可能に構成される。また、充電開始時間、充電終了時間、放電開始時間及び放電終了時間は、制御部60の前記記憶装置に格納される。
なお、売電モードにおいて、ハイブリッドパワコン4(1〜N)は、蓄電池3(1〜N)に充電された電力量(容量)を確認し、当該確認した電力量に応じて充放電の可否を適宜判断する。例えば、ハイブリッドパワコン4(1〜N)は、蓄電池3(1〜N)の残量がない場合、放電指示を出さない。ハイブリッドパワコン4(1〜N)は、蓄電池3(1〜N)が満充電である場合、充電指示を出さない。また、ハイブリッドパワコン4(1〜N)は、充電開始時間から充電終了時間までの時間帯に蓄電池3(1〜N)が満充電となった場合、放電指示も出さない。また、ハイブリッドパワコン4(1〜N)は、充電開始時間から充電終了時間までの時間帯と放電開始時間から放電終了時間までの時間帯とが重複していた場合、蓄電池3(1〜N)の充電を優先する。
エコモードは、太陽光発電部2(1〜N)で発電した電力の負荷Hでの消費(負荷Hで消費することで省エネ効果を得ること)を目的としたモードである。
エコモードが設定された場合、太陽光発電部2(1〜N)で発電が行われている場合には、当該太陽光発電部2(1〜N)からの電力が負荷Hの消費電力に対して余剰すると、当該余剰電力が系統電源Kへと逆潮流されずに蓄電池3(1〜N)に充電される。蓄電池3(1〜N)が満充電となると、当該余剰電力が系統電源Kへと逆潮流される。また、エコモードが設定された場合、太陽光発電部2(1〜N)からの電力が負荷Hの消費電力に対して不足すると、蓄電池3(1〜N)が放電されて当該蓄電池3(1〜N)からの電力が負荷Hに供給される。
このように、エコモードでは、売電モードのように予め設定された時間に応じて蓄電池3(1〜N)が充放電するのではなく、太陽光発電部2(1〜N)からの電力と負荷Hの消費電力との大小関係(太陽光発電部2(1〜N)からの電力が余剰するか否か)に応じて蓄電池3(1〜N)が充放電する。なお、制御部60は、このような売電モード及びエコモードを、蓄電システム1(1〜N)(蓄電池3(1〜N))毎に異なる設定にすることができる。
以上のような売電モード及びエコモードにおいて、負荷Hには、下流側に配置される蓄電システムから電力が優先的に供給される。当該電力を供給する蓄電システムは、太陽光発電部及び蓄電池のうち、太陽光発電部からの電力を負荷Hへ優先的に供給する。このような構成において、図2に示すような、太陽光発電部による売電と蓄電池の放電とが同時に行われる場合がある。
具体的には、図2に示すように、2000Wの電力を消費している負荷Hには、最も下流側に配置される第一蓄電システム1(1)から最初に電力が供給される。当該第一蓄電システム1(1)は、第一太陽光発電部2(1)からの電力(1000W)を負荷Hに対して優先的に供給する。この際、第一センサ5(1)は、1000Wを検出し、その検出結果に関する信号を第一ハイブリッドパワコン4(1)に送信する。第一ハイブリッドパワコン4(1)は、第一センサ5(1)の検出結果に基づいて、第一太陽光発電部2(1)からの電力で負荷Hの消費電力を賄えていないことを検知し、第一蓄電池3(1)を放電させる。この際、第一ハイブリッドパワコン4(1)は、第一センサ5(1)の検出結果に基づいて第一蓄電池3(1)から放電させる電力量を決定する負荷追従運転を行う。これにより、図2に示す第一蓄電池3(1)は、1000Wの電力を放電する。これによって、図2に示す第一蓄電システム1(1)は、第一太陽光発電部2(1)及び第一蓄電池3(1)からの電力で負荷Hの消費電力を賄うこととなる。
図2に示す状態において、第一蓄電システム1(1)よりも上流側に配置される第二蓄電システムから第N蓄電システム1(N)までの太陽光発電部は、第一太陽光発電部2(1)と同様に1000Wの電力を発電している。負荷Hの消費電力が第一蓄電システム1(1)からの電力によって賄われているため、当該発電された電力(1000W)は、逆潮流される(売電される)こととなる。この場合、太陽光発電部2(1〜N)で発電された電力で負荷Hの消費電力を賄えるにも関わらず第一蓄電池3(1)を放電させることとなり、太陽光発電部2(1〜N)で発電された電力を負荷Hで有効に活用することができなくなってしまう。以下では、このような売電と放電とが同時に行われている状態(図2に示す状態)を「売電放電状態」と称する。
なお、第一蓄電システム1(1)からの電力(第一太陽光発電部2(1)及び第一蓄電池3(1)からの電力)で負荷Hの消費電力を賄えない場合、第二蓄電システムから第一蓄電システム1(1)と同様にして電力が供給される。それでも負荷Hの消費電力を賄えない場合、第三蓄電システムから電力が供給される。このように、売電モード及びエコモードにおいては、負荷Hの消費電力を賄えない場合に、第一太陽光発電部2(1)、第一蓄電池3(1)、第二太陽光発電部、・・・、第N−1蓄電池3(N−1)、第N太陽光発電部2(N)及び第N蓄電池3(N)からの電力が順番に負荷Hへ供給される。
本実施形態に係る制御部60は、放電停止処理を行うことで、図2に示すような売電放電状態となることを抑制して、太陽光発電部2(1〜N)で発電された電力を有効に活用することができるようにしている。
以下では、図3から図5までを参照して、放電停止処理について説明する。
放電停止処理は、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合とエコモードが設定されている場合とでその処理の内容が異なる。このため、まず、蓄電システム1(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図3に示すように、まず、ステップS10において、制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか(第N太陽光発電部2(N)で発電された電力を逆潮流させているか)を確認する。このとき、制御部60は、第Nハイブリッドパワコン4(N)から第Nセンサ5(N)の検出結果を取得する。そして、制御部60は、当該取得結果に基づいて、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。
前述の如く、負荷Hには、下流側に配置される蓄電システムから電力が優先的に供給される。このため、最も上流側に配置される第N蓄電システム1(N)の第N太陽光発電部2(N)が売電していなければ、その下流側に配置される第一太陽光発電部2(1)から第N−1太陽光発電部2(N−1)までも売電していないこととなる。よって、制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電しているかを確認することで、全ての太陽光発電部2(1〜N)が売電していないか否かを確認することができる。制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS20へ移行する。一方、制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS50へ移行する。
ステップS20において、制御部60は、第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)まで、すなわち第N蓄電池3(N)を除く蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認する。このとき、制御部60は、前記記憶装置から蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間を取得する。また、制御部60は、自身に備えられた時計機能を用いて現在の時刻を取得する。そして、制御部60は、取得した放電終了時間と現在の時刻とを比較することで、放電終了時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認する。この際、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)の全ての放電終了時間が現在の時刻よりも前である場合に限り、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻よりも前であると判断する。
仮に、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻よりも前である場合、蓄電池3(1〜N−1)は、既に放電不能な状態となっている。この場合、第N太陽光発電部2(N)が売電していても、蓄電池3(1〜N−1)が放電することはない。また、第N蓄電池3(N)は、放電可能な状態であっても(放電終了時間が現在の時刻よりも前でない場合でも)、第N太陽光発電部2(N)が売電していると、第Nハイブリッドパワコン4(N)によって放電の必要がないと判断されて、放電が停止される。このように、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻よりも前である場合(ステップS20:YES)、全ての蓄電池3(1〜N)が放電不能な状態となっており、売電放電状態にはならない。このため、制御部60は、ステップS20において放電終了時間が現在の時刻よりも前であると判断した場合に、放電停止処理を終了する。
一方、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻よりも前でない場合(ステップS20:NO)、蓄電池3(1〜N−1)は、放電可能な状態となっている。この場合、第N太陽光発電部2(N)等が売電中に蓄電池3(1〜N−1)が放電し、売電放電状態になる可能性がある。この場合、制御部60は、ステップS30へ移行する。
ステップS30において、制御部60は、第一ハイブリッドパワコン4(1)から第N−1ハイブリッドパワコン4(N−1)までに適宜信号を送信し、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間を現在の時間に変更する。これにより、制御部60は、ハイブリッドパワコン4(1〜N−1)を介して蓄電池3(1〜N−1)を放電不能な状態にする(放電を停止する)。制御部60は、ステップS30の処理の後、ステップS40へ移行する。
ステップS40において、制御部60は、ステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間を予め設定される発電停止時刻に変更する。発電停止時刻は、太陽光発電部2(1〜N)が発電できない時刻、本実施形態では日が沈んだと考えられる時刻である。具体的には、本実施形態に係る発電停止時刻は、20時に設定されている。これにより、制御部60は、太陽光発電部2(1〜N)が発電できなくなるまでの間、蓄電池3(1〜N−1)を放電不能な状態にすることができる。制御部60は、ステップS40の処理の後、放電停止処理を終了する。
これによれば、図4に示すように、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)の放電を停止して売電放電状態となることを抑制し、(ステップS30)、負荷Hの消費電力(2000W)を太陽光発電部2(1〜N)の電力のみで賄うようにすることができる。このため、太陽光発電部2(1〜N)の電力を有効に活用することができる。
ここで、売電放電状態となった場合、電力会社が買い取る電力の単価が売電放電状態でない場合の電力の単価よりも低くなってしまう。そこで、第一実施形態に係る放電抑制処理によって売電放電状態を抑制すれば、電力の単価が下がることなく太陽光発電部2(1〜N)の電力を売電することができる。これによって、売電による金銭的な利益が減ってしまうことを抑制することができる。
図3に示すように、第N太陽光発電部2(N)が売電していない場合にステップS10から移行するステップS50において、制御部60は、ステップS10と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認する。
仮に、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間が現在の時刻よりも前である場合、蓄電池3(1〜N−1)は、既に放電可能な状態となっている。この場合、蓄電池3(1〜N)は、既に放電されている。また、第N蓄電池3(N)は、第N太陽光発電部2(N)が売電していない場合、第Nハイブリッドパワコン4(N)によって放電の必要があると判断されて、放電されている。このように、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間が現在の時刻よりも前である場合(ステップS50:YES)、全ての蓄電池3(1〜N)が放電されて、負荷Hの消費電力に対して太陽光発電部2(1〜N)では不足する電力が賄われている。このため、制御部60は、ステップS50において放電開始時間が現在の時刻よりも前であると判断した場合に、放電停止処理を終了する。
一方、放電開始時間が現在の時刻よりも前でない場合(ステップS50:NO)、蓄電池3(1〜N−1)は、前述したステップS30が行われる等して放電不能な状態となっている。この場合、負荷Hの消費電力に対して太陽光発電部2(1〜N)では不足する電力が、第N蓄電池3(N)及び系統電源Kで賄われている。この場合、制御部60は、ステップS60へ移行する。
ステップS60において、制御部60は、ステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間を現在の時刻に変更する。これにより、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)を放電可能な状態にすることができる。これによって、蓄電池3(1〜N−1)の放電を開始して、太陽光発電部2(1〜N)からの電力では不足する電力を蓄電池3(1〜N)で賄うことができる。制御部60は、ステップS60の処理の後、ステップS70へ移行する。
ステップS70において、制御部60は、ステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間を予め設定される発電開始時刻に変更する。発電開始時刻は、太陽光発電部2(1〜N)が発電できる時刻、本実施形態では日が昇ると考えられる時間である。具体的には、本実施形態に係る発電開始時刻は、6時に設定されている。これにより、制御部60は、太陽光発電部2(1〜N)が発電を開始するまでの間、蓄電池3(1〜N−1)を放電可能な状態にすることができる。制御部60は、ステップS70の処理の後、放電停止処理を終了する。
これによれば、制御部60は、太陽光発電部2(1〜N)の電力では負荷Hの消費電力を賄えない場合に(ステップS10:NO)、蓄電池3(1〜N−1)を放電させることができる(ステップS60)。これによって、太陽光発電部2(1〜N)が発電していても売電放電状態となることなく、蓄電池3(1〜N)を放電させることができる。このため、太陽光発電部2(1〜N)の電力を有効に活用しつつ、必要なときに蓄電池3(1〜N)を放電させて買電量を抑制することができる。
次に、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図5に示すように、まず、ステップS110において、制御部60は、ステップS10と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS120へ移行する。一方、制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS170へ移行する。
ステップS120において、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードであるか否かを確認する。このとき、制御部60は、前記記憶装置から蓄電池3(1〜N−1)のモードを取得する。そして、制御部60は、当該取得結果に基づいて蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードであるか否かを確認する。この際、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)の全てが売電モードである場合に限り、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードであると判断する。制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードであると判断した場合にステップS140へ移行する。一方、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードでないと判断した場合にステップS130へ移行する。
ステップS130において、制御部60は、ハイブリッドパワコン4(1〜N−1)に信号を送信し、蓄電池3(1〜N−1)のモードを売電モードに変更する。制御部60は、ステップS130の処理の後、ステップS150へ移行する。
ステップSS140〜S160において、制御部60は、ステップS20〜S40と同様の処理を行う。すなわち、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認し(ステップS140)、放電終了時間が現在の時刻よりも前でないと判断した場合に、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS150・S160)。制御部60は、ステップS160の処理の後、放電停止処理を終了する。
以上のように、制御部60は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合に、蓄電池3(1〜N−1)のモードを売電モードに変更すると共に、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間及び放電終了時間を変更する。これにより、制御部60は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合と同じように蓄電池3(1〜N)の放電を停止することができるため、売電放電状態となることを抑制できる。
また、第N太陽光発電部2(N)が売電していない場合にステップS110から移行するステップS170において、制御部60は、ステップS120と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)のモードがエコモードであるか否かを確認する。第N太陽光発電部2(N)が売電していない場合、売電放電状態にはならないため、蓄電池3(1〜N−1)の放電を停止する(売電モードに変更する)必要がない。このため、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードがエコモードであると判断した場合に放電停止処理を終了する。また、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードがエコモードでないと判断した場合にステップS180へ移行して、ステップS130と同じ要領で蓄電池3(1〜N−1)のモードをエコモードに変更する。
以上のように、制御部60は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合に、蓄電池3(1〜N−1)を一時的に売電モードに変更し、当該売電モードの設定(放電開始時間及び放電終了時間)を利用して蓄電池3(1〜N)の放電を停止することができる。これによれば、制御部60は、既存のモードを利用して(新たにモードを作ることなく)、売電放電状態を抑制し、太陽光発電部2(1〜N)の電力を有効に活用することができる。
以上の如く、第一実施形態に係る電力供給システム1は、自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を負荷Hへと供給可能な第N太陽光発電部2(N)(発電部)を有する第N蓄電システム1(N)(第一の供給部)と、前記第N蓄電システム1(N)よりも前記負荷H側に配置され、前記第N蓄電システム1(N)で発電された電力及び系統電源Kからの電力を充電可能であると共に、当該充電された電力を放電して前記負荷Hへと供給可能な第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)まで(蓄電池)を有する第一蓄電システム1(1)から第N−1蓄電システム1(N−1)まで(第二の供給部)と、前記系統電源Kへと逆潮流される電力を検出可能な第Nセンサ5(N)(検出部)と、前記第Nセンサ5(N)の検出結果を取得可能であると共に前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までを制御可能に構成され、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出した場合に、前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までの放電を規制する制御部60と、を具備するものである。
このように構成することにより、売電放電状態となることを抑制できるため、第N太陽光発電部2(N)で発電した電力を負荷Hで有効に活用することができる。
また、前記制御部60は、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出した場合に、前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までを放電不能な状態に変更するものである。
このように構成することにより、蓄電池3(1〜N−1)の放電を停止して売電放電状態となることを抑制できるため、第N太陽光発電部2(N)で発電した電力を負荷Hで有効に活用することができる。
また、電力の供給態様として、前記第N太陽光発電部2(N)で発電した電力の売電を目的とする売電モード(第一のモード)を有し、前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までは、前記売電モードにおいて、放電開始時間(第一の時間)から放電終了時間(第二の時間)までの間、放電可能な状態となり、前記制御部60は、前記売電モードにおいて、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出し(ステップS10:YES)、かつ前記放電終了時間が現在の時刻よりも後である場合に(ステップS20:NO)、前記放電終了時間を前記現在の時刻に設定するものである(ステップS30)。
このように構成することにより、簡単に蓄電池3(1〜N−1)の放電を停止することができる。
また、前記制御部60は、前記売電モードにおいて、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出し、かつ前記放電終了時間が前記現在の時刻よりも後である場合に、前記放電開始時間を発電停止時刻(前記第N太陽光発電部2(N)が電力を発電できない時刻)に設定するものである(ステップS40)。
このように構成することにより、太陽光発電部2(1〜N)が電力を発電できない時刻になってから、蓄電池3(1〜N−1)を放電させることができる。これによって、売電放電状態となることを抑制しつつ蓄電池3(1〜N−1)を放電させることができ、蓄電池3(1〜N−1)に充電した電力を負荷Hで有効に活用することができる。
また、電力の供給態様として、前記第N太陽光発電部2(N)で発電した電力を前記負荷Hで消費することを目的とするエコモード(第二のモード)を有し、前記制御部60は、前記エコモードにおいて、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出した場合に(ステップS110:YES)、前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までの前記電力の供給態様を前記売電モードに切り替えるものである(ステップS130)。
このように構成することにより、電力の供給態様がエコモードである場合に、売電モードを利用して第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までの充電を規制することができる。
また、前記第N蓄電システム1(N)は、前記第N太陽光発電部2(N)で発電された電力及び前記系統電源Kからの電力を充電可能であると共に、当該充電された電力を放電して前記負荷Hへと供給可能な第N蓄電池3(N)を有する、ものである。
このように構成することにより、第N太陽光発電部2(N)で発電した電力を多くの蓄電池に充電することができる。
また、前記第一蓄電システム1(1)から第N−1蓄電システム1(N−1)までは、自然エネルギーを利用して発電可能な第一太陽光発電部2(1)から第N−1太陽光発電部2(N−1)(発電部)までをさらに有するものである。
このように構成することにより、自然エネルギーを利用して、より多くの電力を発電することができる。
なお、第一実施形態に係る第N太陽光発電部2(N)は、本発明に係る第一の供給部の発電部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る第N蓄電システム1(N)は、本発明に係る第一の供給部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までは、本発明に係る第二の供給部の蓄電池の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る第一蓄電システム1(1)から第N−1蓄電システム1(N−1)までは、本発明に係る第二の供給部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る第Nセンサ5(N)は、本発明に係る検出部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る売電モードは、本発明に係る第一のモードの実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る発電停止時刻は、電力を発電できない時刻の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係るエコモードは、本発明に係る第二のモードの実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る放電開始時間は、本発明に係る第一の時間の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る放電終了時間は、本発明に係る第二の時間の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る第一太陽光発電部2(1)から第N−1太陽光発電部2(N−1)までは、本発明に係る第二の供給部の発電部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る第N蓄電池3(N)は、本発明に係る第一の供給部の蓄電池の実施の一形態である。
次に、第二実施形態に係る電力供給システムについて説明する。
第二実施形態に係る電力供給システムは、放電停止処理の内容が異なる点を除いて、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に構成される。
以下では、図6及び図7を参照して、第二実施形態に係る放電停止処理について説明する。
第二実施形態に係る放電停止処理は、充電開始時間及び充電終了時間を変更する点で、第一実施形態に係る放電停止処理と異なっている。
まず、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図6に示すように、まず、ステップS210において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS10と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS220へ移行する。一方、制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS260へ移行する。
ステップS220において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS20と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認する。
仮に、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻よりも前である場合、蓄電池3(1〜N−1)は、既に充電可能な状態となっている。また、前述の如く、充電開始時間から充電終了時間までの時間帯と放電開始時間から放電終了時間までの時間帯とが重複していた場合、蓄電池3(1〜N−1)の充電が優先される。この場合、蓄電池3(1〜N−1)が満充電となっても、蓄電池3(1〜N−1)の充電が優先されて放電されることはない。以上のように、第二実施形態においては、充電可能な状態となっていれば、放電不能な状態となる。よって、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻よりも前である場合、第N太陽光発電部2(N)が売電していても、蓄電池3(1〜N−1)が放電することはない。第二実施形態においては、このような充電可能、かつ放電不能な状態を、単に「充電可能な状態」と称する。
また、第N蓄電池3(N)は、放電可能な状態であっても(充電開始時間が現在の時刻よりも前でない場合でも)、第N太陽光発電部2(N)が売電していると、第Nハイブリッドパワコン4(N)によって放電の必要がないと判断されて、放電が停止される。このように、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻よりも前である場合(ステップS220:YES)、全ての蓄電池3(1〜N)が放電不能な状態となっており、売電放電状態にはならない。このため、制御部60は、ステップS220において充電開始時間が現在の時刻よりも前であると判断した場合に、放電停止処理を終了する。
一方、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻よりも前でない場合(ステップS220:NO)、蓄電池3(1〜N−1)は、充電不能な状態(充放電不能な状態、又は充電不能であると共に放電可能な状態)となっている。この場合、第N太陽光発電部2(N)等が売電中に蓄電池3(1〜N−1)が放電し、売電放電状態になる可能性がある。この場合、制御部60は、ステップS230へ移行する。
ステップS230において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間を現在の時間に変更する。これにより、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)を充電可能な状態にする。これによって、制御部60は、蓄電池3(1〜N)に太陽光発電部2(1〜N)の電力を充電する。制御部60は、ステップS230の処理の後、ステップS240へ移行する。
ステップS240において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の充電終了時間を発電停止時刻(太陽光発電部2(1〜N)が発電できない時刻)に変更する。これにより、制御部60は、太陽光発電部2(1〜N)が発電できなくなるまでの間、蓄電池3(1〜N−1)を充電可能な状態にすることができる。制御部60は、ステップS240の処理の後、ステップS250へ移行する。
ステップS250において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間を発電開始時刻(太陽光発電部2(1〜N)が発電できる時刻)に変更する。これにより、制御部60は、太陽光発電部2(1〜N)が発電できるようになるまでの間、蓄電池3(1〜N−1)を放電可能な状態にすることができる。制御部60は、ステップS250の処理の後、放電停止処理を終了する。
これによれば、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)の充電を開始して売電放電状態となることを抑制し、(ステップS230)、負荷Hの消費電力を太陽光発電部2(1〜N)の電力のみで賄うようにすることができる。
また、第N太陽光発電部2(N)が売電していない場合にステップS210から移行するステップS260において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS10と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の放電開始時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認する。制御部60は、放電開始時間が現在の時刻よりも前であると判断した場合に放電停止処理を終了する。制御部60は、放電開始時間が現在の時刻よりも前でないと判断した場合にステップS270へ移行する。
ステップS270において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS30と同じ要領で、蓄電池3(1〜N−1)の充電終了時間及び放電開始時間を現在の時間に変更する。これにより、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)を充電不能、かつ放電可能な状態にする。これによって、蓄電池3(1〜N−1)を放電させ、負荷Hの消費電力に対して太陽光発電部2(1〜N)では不足する電力を蓄電池3(1〜N)で賄うことができる。制御部60は、ステップS270の処理の後、放電停止処理を終了する。
以上によれば、制御部60は、売電放電状態となる可能性がある場合に(ステップS210:YES、S220:NO)、蓄電池3(1〜N−1)に太陽光発電部2(1〜N)の電力を充電することができる(ステップS230〜S250)。これによって、負荷Hの消費電力を太陽光発電部2(1〜N)の電力で賄うだけではなく、負荷Hの消費電力に対して余剰となった太陽光発電部2(1〜N)の電力を、蓄電池3(1〜N−1)に充電することができる。このため、太陽光発電部2(1〜N)の電力を有効に活用することができる。
次に、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図7に示すように、まず、ステップS310において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS110と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているかを判断する。制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS320へ移行する。一方、制御部60は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS370へ移行する。なお、制御部60は、ステップS370へ移行すると、ステップS170・S180と同様に、必要に応じて蓄電池3(1〜N−1)のモードをエコモードに変更し、放電停止処理を終了する(ステップS370・S380)。
ステップS320において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS120と同様に、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードであるか否かを確認する。制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードであると判断した場合にステップS340へ移行する。一方、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)のモードが売電モードでないと判断した場合にステップS330へ移行する。
ステップS330において、制御部60は、第一実施形態に係るステップS130と同様に、蓄電池3(1〜N−1)のモードを売電モードに変更する。制御部60は、ステップS330の処理の後、ステップS350へ移行する。
ステップS340〜S360において、制御部60は、ステップS220〜S240と同様の処理を行う。すなわち、制御部60は、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻よりも前であるか否かを確認し(ステップS340)、充電開始時間が現在の時刻よりも前でないと判断した場合に、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間及び充電終了時間を変更する(ステップS350・S360)。制御部60は、ステップS360の処理の後、放電停止処理を終了する。
以上のように、制御部60は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合に、蓄電池3(1〜N−1)を一時的に売電モードに変更し、当該売電モードの充電開始時間及び充電終了時間を利用して売電放電状態を規制することができる。これによれば、制御部60は、新たにモードを作ることなく、売電放電状態を抑制することができると共に、太陽光発電部2(1〜N)の電力を蓄電池3(1〜N−1)に充電することができる。
以上の如く、第二実施形態に係る電力供給システムにおいて、前記制御部60は、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出した場合に、前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までを充電可能、かつ放電不能な状態に変更するものである。
このように構成することにより、負荷Hの消費電力に対して余剰となった第N太陽光発電部2(N)の電力を蓄電池3(1〜N)に充電することで売電放電状態を抑制できるため、第N太陽光発電部2(N)で発電した電力を負荷H及び蓄電池3(1〜N)で有効に活用することができる。
また、電力の供給態様として、前記第N太陽光発電部2(N)で発電した電力の売電を目的とする売電モードを有し、前記第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までは、前記売電モードにおいて、充電開始時間(第三の時間)から充電終了時間(第四の時間)までの間、充電可能、かつ放電不能な状態となり、前記制御部60は、前記売電モードにおいて、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出し(ステップS310:YES)、かつ前記充電開始時間が現在の時刻よりも後である場合に(ステップS340:NO)、前記充電開始時間を前記現在の時刻に設定するものである(ステップS350)。
このように構成することにより、簡単に蓄電池3(1〜N−1)の放電を停止することができる。
また、前記制御部60は、前記売電モードにおいて、前記第Nセンサ5(N)が前記逆潮流される電力を検出し、かつ前記充電開始時間が前記現在の時刻よりも後である場合に、前記充電終了時間を前記発電停止時刻に設定するものである(ステップS360)。
このように構成することにより、第一蓄電池3(1)から第N−1蓄電池3(N−1)までに充電した電力を負荷Hで有効に活用することができる。
なお、第一実施形態に係る充電開始時間は、本発明に係る第三の時間の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る充電終了時間は、本発明に係る第四の時間の実施の一形態である。
次に、図8から図12までを参照して、第三実施形態に係る電力供給システム301について説明する。
なお、以下において、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に構成される機器については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、第三実施形態に係る電力供給システム301は、第一蓄電システム1(1)から第N蓄電システム1(N)までと、第一太陽光発電システム37(1)から第N第一太陽光発電システム37(N)までと、制御部360と、を具備する。
第一太陽光発電システム37(1)は、太陽光を利用して発電された電力を負荷Hへと供給するものである。第一太陽光発電システム37(1)は、第N蓄電システム1(N)よりも上流側に配置される。第一太陽光発電システム37(1)は、第一太陽光発電部38(1)及び第一発電センサ39(1)等を具備する。
第一太陽光発電部38(1)は、太陽電池パネルや発電した電力を適宜変換するパワコン等を具備する。第一太陽光発電部38(1)は、電力経路Lの第N接続点P1(N)よりも上流側に配置される第一太陽光接続点P37(1)と接続される。
第一発電センサ39(1)は、電力経路Lにおいて系統電源Kと第一太陽光接続点P37(1)との間に設けられ、当該設けられた箇所を流通する電力の電圧及び電流を検出する。第一発電センサ39(1)は、第一太陽光発電部38(1)(パワコン)と接続され、検出結果に関する信号を第一太陽光発電部38(1)へ出力可能に構成される。
第二太陽光発電システム(不図示)から第N太陽光発電システム37(N)までは、電力経路Lとの接続箇所が異なる点を除いて、第一太陽光発電システム37(1)と同様に構成される。第二太陽光発電システムから第N太陽光発電システム37(N)までは、電力経路Lの第一太陽光接続点P37(1)(第一太陽光発電システム37(1))よりも上流側に順番に接続される(図8に示す第N−1太陽光接続点P37(N−1)及び第N太陽光接続点P37(N)参照)。このような第一太陽光発電システム37(1)から第N太陽光発電システム37(N)までにおいては、第N太陽光発電システム37(N)が最も上流側に配置される。
制御部360は、ハイブリッドパワコン4(1〜N)及び太陽光発電部38(1〜N)と接続される点を除いて、第一実施形態に係る制御部60と同様に構成される。制御部360は、太陽光発電部38(1〜N)から出力された信号により、発電センサ39(1〜N)の検出結果等に関する情報を取得することができる。
このように、第三実施形態に係る電力供給システム301は、第N蓄電システム1(N)よりも上流側に、別の装置(太陽光発電システム37(1〜N))が設けられている点で、第一実施形態の電力供給システム1と異なっている。
このような電力供給システム301においては、図9に示すように、第一蓄電システム1(1)から第N蓄電システム1(N)までの蓄電池3(1〜N)(図9では第一蓄電池3(1))が放電することで、売電放電状態となる可能性がある。
次に、図10から図12までを参照して、第三実施形態に係る電力供給システム301の放電停止処理について説明する。
第三実施形態に係る放電停止処理は、第一実施形態に係る放電停止処理と同様に、放電開始時間及び放電終了時間を変更することで、売電放電状態となることを抑制する処理である。第三実施形態に係る放電停止処理は、その処理の対象が第一実施形態に係る放電停止処理と異なっている。
まず、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図10に示すように、まず、ステップS410において、制御部360は、第一実施形態に係るステップS10と同じ要領で、第N太陽光発電システム37(N)の第N太陽光発電部38(N)が売電しているか否かを確認する。
第三実施形態において、太陽光を利用して発電するのは、蓄電システム1(1〜N)の太陽光発電部2(1〜N)及び太陽光発電システム37(1〜N)の太陽光発電部38(1〜N)である。当該太陽光発電部2(1〜N)・38(1〜N)のうち、最も上流側に配置されるのは第N太陽光発電部38(N)である。このため、第N太陽光発電部38(N)が売電していなければ、他の太陽光発電部2(1〜N−1)・38(1〜N−1)も売電していないこととなる。よって、制御部60は、電力供給システム301の中で最も上流側に配置される第N太陽光発電部38(N)が売電しているか否かを確認することで、全ての太陽光発電部2(1〜N)・38(1〜N)が売電しているか否かを確認することができる。制御部60は、第N太陽光発電部38(N)が売電していると判断した場合にステップS420へ移行する。一方、制御部60は、第N太陽光発電部38(N)が売電していないと判断した場合にステップS450へ移行する。
ステップS420へ移行した制御部360は、第一実施形態に係るステップS20〜S40と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)の放電終了時間を確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)の放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS420〜S440)。
一方、ステップS450へ移行した制御部360は、第一実施形態に係るステップS50〜S70と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)の放電開始時間を確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)の放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS450〜S470)。
このように、第三実施形態に係る制御部360は、売電放電状態となる可能性がある場合に(ステップS410:YES、S420:NO)、全ての蓄電池3(1〜N)の放電終了時間を変更している(ステップS430)。これによって、図11に示すように、制御部360は、第N蓄電システム1(N)の上流側に他の発電装置が配置されている場合に、全ての蓄電池3(1〜N)の放電を停止し、売電放電状態となることを抑制できる。
次に、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図12に示すように、まず、ステップS510において、制御部360は、ステップS410と同様に、第N太陽光発電部38(N)が売電しているか否かを確認する。制御部360は、第N太陽光発電部38(N)が売電していると判断した場合にステップS520へ移行する。一方、制御部360は、第N太陽光発電部38(N)が売電していないと判断した場合にステップS570へ移行する。
ステップS520へ移行した制御部360は、第一実施形態に係るステップS120〜S160と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)のモード及び放電終了時間を確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)のモード、放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS520〜S560)。
一方、ステップS570へ移行した制御部360は、第一実施形態に係るステップS170・S180と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)のモードを確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)のモードをエコモードに変更する(ステップS570・S580)。
以上によれば、第三実施形態に係る制御部360は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電モードの放電開始時間及び放電終了時間を利用して、全ての蓄電池3(1〜N)の放電を停止することができる。これによって、制御部360は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電放電状態となることを抑制できる。
次に、第四実施形態に係る電力供給システムについて説明する。
第四実施形態に係る電力供給システムは、放電停止処理の内容を除いて、第三実施形態に係る電力供給システム301と同様に構成される。第四実施形態に係る放電停止処理は、第二実施形態に係る放電停止処理と同様に、充電開始時間及び充電終了時間を変更することで、売電放電状態となることを抑制する処理である。第四実施形態に係る放電停止処理は、その処理の対象が第二実施形態に係る放電停止処理と異なっている。
以下では、図13及び図14を参照して、第四実施形態に係る電力供給システムの放電停止処理について説明する。
まず、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図13に示すように、まず、ステップS610において、制御部360は、第三実施形態に係るステップS510と同様に、第N太陽光発電部38(N)が売電しているかを判断する。制御部360は、第N太陽光発電部38(N)が売電していると判断した場合にステップS620へ移行する。一方、制御部360は、第N太陽光発電部38(N)が売電していないと判断した場合にステップS660へ移行する。
ステップS620へ移行した制御部360は、第二実施形態に係るステップS220〜S260と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)のモード及び充電開始時間を確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)の充電開始時間、充電終了時間及び放電終了時間を変更する(ステップS620〜S650)。
一方、ステップS660へ移行した制御部360は、第二実施形態に係るステップ260・S270と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)の放電開始時間を確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)の充電終了時間及び放電開始時間を変更する(ステップS660・S670)。
このように、第四実施形態に係る制御部360は、売電放電状態となる可能性がある場合に(ステップS610:YES、S620:NO)、全ての蓄電池3(1〜N)の充電開始時間を変更している(ステップS630)。これによって、制御部360は、第N蓄電システム1(N)の上流側に他の発電装置が配置されている場合に、全ての蓄電池3(1〜N)の充電を開始し、売電放電状態となることを抑制できる。
次に、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図14に示すように、まず、ステップS710において、制御部360は、ステップS610と同様に、第N太陽光発電部38(N)が売電しているかを判断する。制御部360は、第N太陽光発電部38(N)が売電していると判断した場合にステップS720へ移行する。一方、制御部360は、第N太陽光発電部38(N)が売電していないと判断した場合にステップS770へ移行する。
ステップS720へ移行した制御部360は、第二実施形態に係るステップS320〜S360と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)のモード及び充電開始時間を確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)のモード、充電開始時間及び充電終了時間を変更する(ステップS720〜S760)。
一方、ステップS770へ移行した制御部360は、第二実施形態に係るステップS370・S380と同じ要領で、全ての蓄電池3(1〜N)のモードを確認し、その結果に応じて全ての蓄電池3(1〜N)のモードをエコモードに変更する(ステップS770・S780)。
以上によれば、第四実施形態に係る制御部360は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電モードの充電開始時間及び充電終了時間を利用して、全ての蓄電池3(1〜N)の充電を開始することができる。これによって、制御部360は、蓄電システム1(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電放電状態となることを抑制できる。
なお、第三実施形態及び第四実施形態に係る第一太陽光発電部38(1)から第N太陽光発電部38(N)までは、本発明に係る第一の供給部の発電部の実施の一形態である。
また、第三実施形態及び第四実施形態に係る第一太陽光発電システム37(1)から第N太陽光発電システム37(N)までは、本発明に係る第一の供給部の実施の一形態である。
また、第三実施形態及び第四実施形態に係る第一蓄電池3(1)から第N蓄電池3(N)までは、本発明に係る第二の供給部の蓄電池の実施の一形態である。
また、第三実施形態及び第四実施形態に係る第一蓄電システム1(1)から第N蓄電システム1(N)までは、本発明に係る第二の供給部の実施の一形態である。
また、第三実施形態及び第四実施形態に係る第N発電センサ39Nは、本発明に係る検出部の実施の一形態である。
次に、図15から図19までを参照して、第五実施形態に係る電力供給システム501について説明する。
なお、以下において、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に構成される機器については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、第五実施形態に係る電力供給システム501は、第一蓄電システム1(1)から第N蓄電システム1(N)までと、第一蓄電池システム57(1)から第N蓄電池システム57(N)までと、制御部560と、を具備する。
第一蓄電池システム57(1)は、電力を充放電するためのものである。第一蓄電池システム57(1)は、蓄電システム1(1〜N)よりも下流側に配置される。第一蓄電池システム57(1)は、第一蓄電池58(1)、第一パワコン59(1)及び第一蓄電池センサ60(1)等を具備する。
第一蓄電池58(1)は、第一蓄電システム1(1)の第一蓄電池3(1)と同様に構成される。第一パワコン59(1)は、第一蓄電池58(1)と接続され、第一蓄電池58(1)に充電される電力及び第一蓄電池58(1)から放電される電力を適宜変換する。第一パワコン59(1)は、電力経路Lの第一接続点P1(1)よりも下流側に配置される第一蓄電池接続点P57(1)と接続される。
第一蓄電池センサ60(1)は、電力経路Lにおいて第一蓄電池接続点P57(1)と第二蓄電池システムが接続される第二蓄電池接続点(不図示)との間に設けられ、当該設けられた箇所を流通する電力の電圧及び電流を検出する。第一蓄電池センサ60(1)は、第一パワコン59(1)と接続され、検出結果に関する信号を第一パワコン59(1)へ出力可能に構成される。
第二蓄電池システム(不図示)から第N蓄電池システム57(N)までは、電力経路Lとの接続箇所が異なる点を除いて、第一蓄電池システム57(1)と同様に構成される。第二蓄電池システムから第N蓄電池システム57(N)までは、電力経路Lの第一蓄電池接続点P57(1)(第一蓄電池システム57(1))と第一接続点P1(1)(第一蓄電システム1(1))との間に順番に接続される(図15に示す第N蓄電池接続点P57(N)参照)。このような第一蓄電池システム57(1)から第N蓄電池システム57(N)までにおいては、第N蓄電池システム57(N)が最も上流側に配置される。
このように構成される第一蓄電池システム57(1)から第N蓄電池システム57(N)までは、売電モードが設定されている場合に、放電開始時間及び放電終了時間により設定される時間帯に放電を行うと共に、充電開始時間及び充電終了時間により設定される時間帯に充電を行う。また、第一蓄電池システム57(1)から第N蓄電池システム57(N)までは、エコモードが設定されている場合に、太陽光発電部2(1〜N)の電力を充電すると共に、必要に応じて当該充電した電力を放電する。
制御部560は、ハイブリッドパワコン4(1〜N)及びパワコン59(1〜N)と接続される点を除いて、第一実施形態に係る制御部60と同様に構成される。制御部560は、パワコン59(1〜N)から出力された信号により、蓄電池センサ60(1〜N)の検出結果等に関する情報を取得することができる。
このように、第五実施形態に係る電力供給システム501は、第一蓄電システム1(1)よりも下流側に、別の装置(蓄電池システム57(1〜N))が設けられている点で、第一実施形態の電力供給システム1と異なっている。
このような電力供給システム501においては、図16に示すように、第一蓄電池システム57(1)から第N蓄電池システム57(N)までの蓄電池58(1〜N)及び第一蓄電システム1(1)から第N−1蓄電システム1(N−1)までの蓄電池3(1〜N)(図16では第一蓄電池58(1))が放電することで、売電放電状態となる可能性がある。
次に、図17から図19までを参照して、第五実施形態に係る電力供給システム501の放電停止処理について説明する。
第五実施形態に係る放電停止処理は、第一実施形態に係る放電停止処理と同様に、放電開始時間及び放電終了時間を変更することで、売電放電状態となることを抑制する処理である。第五実施形態に係る放電停止処理は、その処理の対象が第一実施形態に係る放電停止処理と異なっている。
まず、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図17に示すように、まず、ステップS810において、制御部560は、第一実施形態に係るステップS10と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。
第五実施形態において、太陽光を利用して発電するのは、第一実施形態と同様に、蓄電システム1(1〜N)の太陽光発電部2(1〜N)である。このため、第N太陽光発電部2(N)が売電していなければ、他の太陽光発電部2(1〜N−1)も売電していないこととなる。このため、制御部560は、第一実施形態と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認することで、全ての太陽光発電部2(1〜N)が売電しているか否かを確認する。制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS820へ移行する。一方、制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS850へ移行する。
ステップS820へ移行した制御部560は、第一実施形態に係るステップS20〜S40と同じ要領で、第N蓄電システム1(N)の第N蓄電池3(N)以外の蓄電池、すなわち蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電終了時間を確認し、その結果に応じて当該蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS820〜S840)。なお、以下においては、第N蓄電池3(N)以外の蓄電池を、「その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)」と称する。
一方、ステップS850へ移行した制御部560は、第一実施形態に係るステップS50〜S70と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電開始時間を確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS850〜S870)。
このように、第五実施形態に係る制御部560は、売電放電状態となる可能性がある場合に(ステップS810:YES、S820:NO)、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電開始時間を変更している(ステップS830)。これによって、図18に示すように、制御部360は、第一蓄電システム1(1)の下流側に他の蓄電装置が配置されている場合に、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電を停止し、売電放電状態となることを抑制できる。
次に、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図19に示すように、まず、ステップS910において、制御部560は、第一実施形態に係るステップS110と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS920へ移行する。一方、制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS970へ移行する。
ステップS920へ移行した制御部560は、第一実施形態に係るステップS120〜S160と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモード及び放電終了時間を確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモード、放電開始時間及び放電終了時間を変更する(ステップS920〜S960)。
一方、ステップS970へ移行した制御部560は、第一実施形態に係るステップS170・S180と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモードを確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモードをエコモードに変更する(ステップS970・S980)。
以上によれば、第五実施形態に係る制御部560は、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電モードの放電開始時間及び放電終了時間を利用して、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電を停止することができる。これによって、制御部560は、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電放電状態となることを抑制できる。
次に、第六実施形態に係る電力供給システムについて説明する。
第六実施形態に係る電力供給システムは、放電停止処理の内容を除いて、第五実施形態に係る電力供給システム501と同様に構成される。第六実施形態に係る放電停止処理は、第二実施形態に係る放電停止処理と同様に、充電開始時間及び充電終了時間を変更することで、売電放電状態となることを抑制する処理である。第六実施形態に係る放電停止処理は、その処理の対象が第二実施形態に係る放電停止処理と異なっている。
以下では、図20及び図21を参照して、第六実施形態に係る電力供給システムの放電停止処理について説明する。
まず、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対して売電モードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図20に示すように、まず、ステップS1010において、制御部560は、第二実施形態に係るステップS210と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS1020へ移行する。一方、制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS1060へ移行する。
ステップS1020へ移行した制御部560は、第二実施形態に係るステップS220〜S260と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモード及び充電開始時間を確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の充電開始時間、充電終了時間及び放電終了時間を変更する(ステップS1020〜S1050)。
一方、ステップS1060へ移行した制御部560は、第二実施形態に係るステップ260・S270と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の放電開始時間を確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の充電終了時間及び放電開始時間を変更する(ステップS1060・S1070)。
このように、第六実施形態に係る制御部560は、売電放電状態となる可能性がある場合に(ステップS1010:YES、S1020:NO)、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の充電開始時間を変更している(ステップS1030)。これによって、制御部560は、第N蓄電システム1(N)の下流側に他の蓄電装置が配置されている場合に、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の充電を開始し、売電放電状態となることを抑制できる。
次に、初期設定において、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合の放電停止処理の内容について説明する。
図21に示すように、まず、ステップS1110において、制御部560は、ステップS1010と同様に、第N太陽光発電部2(N)が売電しているか否かを確認する。制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していると判断した場合にステップS1120へ移行する。一方、制御部560は、第N太陽光発電部2(N)が売電していないと判断した場合にステップS1170へ移行する。
ステップS1120へ移行した制御部560は、第二実施形態に係るステップS320〜S360と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモード及び充電開始時間を確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモード、充電開始時間及び充電終了時間を変更する(ステップS1120〜S1160)。
一方、ステップS1170へ移行した制御部560は、第二実施形態に係るステップS370・S380と同じ要領で、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモードを確認し、その結果に応じてその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)のモードをエコモードに変更する(ステップS1170・S1180)。
以上によれば、第六実施形態に係る制御部560は、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電モードの充電開始時間及び充電終了時間を利用して、その他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)の充電を開始することができる。これによって、制御部560は、蓄電システム1(1〜N)及び蓄電池システム57(1〜N)に対してエコモードが設定されている場合でも、売電放電状態となることを抑制できる。
なお、第五実施形態及び第六実施形態に係る第N太陽光発電部2(N)は、本発明に係る第一の供給部の発電部の実施の一形態である。
また、第五実施形態及び第六実施形態に係る第N蓄電システム1(N)は、本発明に係る第一の供給部の実施の一形態である。
また、第五実施形態及び第六実施形態に係るその他の蓄電池3(1〜N−1)・58(1〜N)は、本発明に係る第二の供給部の蓄電池の実施の一形態である。
また、第五実施形態及び第六実施形態に係る第一蓄電システム1(1)から第N−1蓄電システム1(N−1)まで及び第一蓄電池システム57(1)から第N蓄電池システム57(N)までは、本発明に係る第二の供給部の実施の一形態である。
また、第五実施形態及び第六実施形態に係る第Nセンサ5(N)は、本発明に係る検出部の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、電力供給システムは、住宅へ電力を供給するものとしたが、これに限定されるものではなく、オフィス等へ電力を供給する構成であってもよい。
また、発電部は、自然エネルギーとして太陽光を利用するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、水力、風力、潮力等を利用するものであってもよい。
また、蓄電池3(1〜N)は、リチウムイオン電池によって構成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ニッケル水素電池等によって構成されるものであってもよい。
また、制御部60は、放電終了時間や充電開始時間を設定することで、蓄電池3(1〜N−1)の放電を停止するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、蓄電池の放電を停止する命令をハイブリッドパワコン4(1〜N)に送信することで蓄電池の放電を停止してもよい。
また、制御部60は、ステップS20・S140において、蓄電池3(1〜N−1)の放電終了時間が現在の時刻と同一である場合、必ずしも放電終了時間等を変更する(ステップS30・S150へ移行する)必要はなく、例えば、放電停止処理を終了してもよい。
また、制御部60は、ステップS220・S340において、蓄電池3(1〜N−1)の充電開始時間が現在の時刻と同一である場合、必ずしも充電開始時間等を変更する(ステップS230・S350へ移行する)必要はなく、例えば、放電停止処理を終了してもよい。
また、発電停止時刻は、20時に設定されるものとしたが、太陽光発電部2(1〜N)が発電できない時刻であれば、これに限定されるものではなく、任意の時刻に設定することができる。また、発電停止時刻は、一年を通して同じ値が設定されている必要はなく、例えば、月日に応じた日没の時刻等に基づいて適宜変更される(一日毎に再設定される)ものであってもよい。
また、発電開始時刻は、6時に設定されるものとしたが、太陽光発電部2(1〜N)が発電を開始する時刻であれば、これに限定されるものではなく、任意の時刻に設定することができる。また、発電開始時刻は、一年を通して同じ値が設定されている必要はなく、例えば、月日に応じた日の出の時刻等に基づいて適宜変更される(一日毎に再設定される)ものであってもよい。
また、電力供給システム1は、必ずしも蓄電システム1(1〜N)を具備する必要はなく、例えば、図22に示す第七実施形態に係る電力供給システム701のように、蓄電システム1(1〜N)を具備しない構成であってもよい。
第七実施形態に係る電力供給システム701は、第三実施形態に係る太陽光発電システム37(1〜N)と、第五実施形態に係る蓄電池システム57(1〜N)と、制御部760と、を具備する。太陽光発電システム37(1〜N)は、第N蓄電池システム57(N)よりも上流側に配置される。制御部760は、第三実施形態及び第四実施形態に係る放電停止処理と同様に、第N太陽光発電システム37(N)の第N太陽光発電部38(N)が売電しているか否かを確認して放電停止処理を行う。また、制御部760は、当該判断結果等に応じて、蓄電池58(1〜N)のモードや充電開始時間等を適宜変更する。このように、電力供給システムは、蓄電システム1(1〜N)を具備しないものに対しても適用可能である。