JP2018107218A - 非接触給電トランスの送電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】送電装置に対して受電装置が傾いていても高い給電効率が維持できる非接触給電トランスの送電装置を提供する。【解決手段】中心部から放射状に延びる複数のコア41〜44と、複数のコアの各々に巻回された複数の一次側コイル51〜54と、複数の一次側コイルに供給する交流電流を制御する電流制御部と、を備え、電流制御部は、複数の一次側コイルに供給する交流電流により回転磁界が生成されるように、複数の一次側コイルの少なくとも一部に位相を違えた交流電流を供給する。そのため、受電装置が送電装置に対して傾いていても、その傾きにベクトルが一致する磁束が回転磁界によりもたらされるため、受電装置の二次側コイルには交流電流が誘起される。【選択図】図1

Description

本発明は、二次側コイルを備える受電装置に対向して非接触給電を行う、一次側コイルを備える送電装置に関し、非接触給電トランスを構成する送電装置及び受電装置の相互間に位置ずれが生じていても効率的な非接触給電ができるようにしたものである。
非接触給電は、コンセントを用いずにワイヤレスで給電を行う方式であり、電気シェーバー等の家電製品やモバイル機器等の二次電池を備える製品に充電電力を供給するために広く利用されている。また、充電に大電力を必要とする無人搬送車や電気自動車等の移動体に非接触給電を行うシステムも実用化されつつある。
大電力給電を行う非接触給電トランスの送電装置及び受電装置では、図7(a)(断面図)、図7(b)(平面図)に示すように、フラットなフェライト円板から成る磁心コア21、31の片面に渦巻き状に巻回されたコイル(送電装置では一次側コイル22、受電装置では二次側コイル32)を配置したものが知られており、また、図8(a)(断面図)、図8(b)(側面図)に示すように、矩形状のフェライトコア61、63の周りにコイル(送電装置では一次側コイル62、受電装置では二次側コイル64)を巻回したものが知られている(下記特許文献1参照)。
これらの非接触給電トランスでは、図7及び図8の送電装置の一次側コイル22、62に交流電流が供給され、それに伴って発生する交流磁界の作用で、ギャップを介して対向する受電装置の二次側コイル32、64に二次側電流が誘起される。図7(a)における点線D及び図8(a)における点線67は、一次側コイル22、62に交流電流を流したときの主磁束を示している。主磁束の向きは、一次側コイルに供給する交流電流の反転に応じて反転する。
非接触給電システムでは、対向する送電装置と受電装置とが正対位置からずれると給電効率が低下する欠点がある。下記特許文献1には、円形コイルを備える図7の非接触給電トランスに比べて、電線をコアに巻回した図8の非接触給電トランス(ソレノイドコイル形状の送電・受電装置)の方が、送電装置と受電装置との水平方向の位置ずれや、垂直方向のギャップ長変動に対して許容量が大きいと記載されている。
特開2011−50127号公報
しかし、図9に示すように、直線状のコアに電線を巻回したソレノイドコイル形状の送電装置41及び受電装置42では、送電装置41に対して受電装置42が傾くと、送電装置41から受電装置42に流入する磁束が減少し、給電効率が低下する。極端な例では、送電装置41に対して受電装置42が90度回転した状態にあると、受電装置42への給電ができなくなる。
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、送電装置に対して受電装置が傾いていても高い給電効率が維持できる非接触給電トランスの送電装置を提供することを目的としている。
本発明は、対向する受電装置に非接触給電を行う非接触給電トランスの送電装置であって、中心部から放射状に延びる複数のコアと、複数のコアの各々に巻回された複数の一次側コイルと、複数の一次側コイルに供給する交流電流を制御する電流制御部と、を備え、電流制御部は、複数の一次側コイルに供給する交流電流により回転磁界が生成されるように、複数の一次側コイルの少なくとも一部に位相を違えた交流電流を供給することを特徴とする。
そのため、受電装置が送電装置に対して傾いていても、回転磁界により受電装置の二次側コイルに交流電流を誘起させることができる。
また、本発明の非接触給電トランスの送電装置では、複数のコアは、隣接するコアとの間の中心部を挟む角度がそれぞれ均一であるように設定する。
そうすることで、回転磁界の生成が容易になる。
また、本発明の非接触給電トランスの送電装置では、複数のコアの中心部を対称中心とする点対称の位置に、他のコアが存在するように構成することが望ましい。
点対称の位置に在る二つのコアは一体に繋がるコアとして構成することができ、製造が容易である。
また、本発明の非接触給電トランスの送電装置では、点対称の位置に在る二つのコアに巻回された一次側コイルを導通させて一次側コイルの対を形成し、電流制御部が、一次側コイルの異なる対に対して位相を違えた交流電流を供給するようにしてもよい。
そうすることで、配線や一次側コイルへの電流制御を簡略化できる。
また、本発明の非接触給電トランスの送電装置では、コアの各々は、中心部から最も離れた、一次側コイルが巻回されていない先端部に、各コアの幅方向に延びる拡張部を備えるようにしてもよい。
そうすることで、回転磁界による隣接コア間の磁束を増やすことができる。
また、本発明の非接触給電トランスの送電装置では、点対称の位置に在る二つのコアに巻回する一次側コイルを導通させる場合、それらのコアの中心部から最も離れた、一次側コイルが巻回されていない先端部の受電装置に対向する面に凸部を設けることが望ましい。
コアに出入りする磁束が、この凸部に集中するため、非接触給電に寄与する磁束を増やすことができる。
また、本発明の非接触給電トランスの送電装置では、各コアに巻回する一次側コイルが独立している場合、各コアには、一次側コイルが巻回されていない中心部の受電装置に対向する面に第1の凸部を設け、中心部から最も離れた、一次側コイルが巻回されていない先端部の受電装置に対向する面に第2の凸部を設け、第1の凸部と第2の凸部との間のコア部分に巻回した一次側コイルに供給する交流電流を電流制御部により個別に制御することが望ましい。
各一次側コイルへの交流電流の供給で誘起される磁束の出入りが第1の凸部及び第2の凸部に集中するため、非接触給電に寄与する磁束を増やすことができる。
本発明の非接触給電トランスの送電装置は、受電装置が送電装置に対し傾いていても高い給電効率で非接触給電を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る非接触給電トランスの送電装置を示す平面図 二相の交流電流と、それにより生成される回転時間を示す図 本発明の第2の実施形態に係る非接触給電トランスの送電装置を示す平面図 図1の送電装置におけるコアの断面図 三相の交流電流を供給する送電装置を示す図 三相の交流電流と、それにより生成される回転時間を示す図 従来の円形コイルを備える送電・受電装置を示す図 従来のソレノイドコイル形状の送電・受電装置を示す図 ソレノイドコイル形状の送電装置に対して傾いた受電装置を示す図
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る非接触給電トランスの送電装置を示している。
この送電装置は、一次側コイルが巻回された十字構造のコアを備えている。
十字構造コアの第1のコア部41には第1の一次側コイル51が巻回され、第2のコア部42には第2の一次側コイル52が巻回され、第3のコア部43には第3の一次側コイル53が巻回され、そして、第4のコア部44には第4の一次側コイル54が巻回されている。
第1のコア部41と第3のコア部43との角度、第3のコア部43と第2のコア部42との角度、第2のコア部42と第4のコア部44との角度、及び、第4のコア部44と第1のコア部41との角度は、いずれも90度であり、第1のコア部41と第2のコア部42とは、十字の中心を対称中心とする点対称の位置にあり、同様に、第3のコア部43と第4のコア部44とは、点対称の位置にある。
第1のコア部41に巻回された第1の一次側コイル51と第2のコア部42に巻回された第2の一次側コイル52とは電気的に接続されており、これらの一次側コイル51、52には、L1−a、L1−bを通じて電流制御部(不図示)から交流電流が供給される。
また、第3のコア部43に巻回された第3の一次側コイル53と第4のコア部44に巻回された第4の一次側コイル54とは電気的に接続されており、これらの一次側コイル53、54には、L2−a、L2−bを通じて電流制御部(不図示)から交流電流が供給される。
図2(a)には、電流制御部(不図示)が一次側コイル51、52に供給する交流電流ixと、一次側コイル53、54に供給する交流電流iyとを例示している。一次側コイル53、54には、一次側コイル51、52に供給する交流電流ixより位相が90度遅れた(又は90度進んだ)交流電流iyが供給される。
このとき、一次側コイル51、52を備えるソレノイド及び一次側コイル53、54を備えるソレノイドからは、それぞれ電流に比例する磁束が形成され、それらの磁束が合成されて図2(b)に示す回転磁界が生成される。
そのため、受電装置のソレノイドコイル形状の二次側コイルが、十字構造の送電装置に対して回転した(傾いた)位置に止まっていても、その回転方向にベクトルが一致する磁束が回転磁界によりもたらされるため、十字構造の送電装置と二次側コイルとの傾き(回転角度)に関係なく、二次側コイルには、回転磁界により交流電流が誘起される。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る非接触給電トランスの送電装置を示している。
この送電装置は、十字構造コアの第1のコア部41、第2のコア部42、第3のコア部43及び第4のコア部44の先端に、各コア部の幅方向(十字の中心から放射状に延びるコア部の伸延方向に対して直交する方向)に拡がる拡張部411、421、431、441を備えている。
また、第1のコア部41に巻回された第1の一次側コイル51、第2のコア部42に巻回された第2の一次側コイル52、第3のコア部43に巻回された第3の一次側コイル53、及び、第4のコア部44に巻回された第4の一次側コイル55は、それぞれ、独立しており、第1の一次側コイル51はL1−a、L1−bを通じて、第2の一次側コイル52はL3−a、L3−bを通じて、第3の一次側コイル53はL4−a、L4−bを通じて、また、第4の一次側コイル54はL2−a、L2−bを通じて、電流制御部(不図示)から、回転磁界を生成するように位相が制御された交流電流が供給される。
各コア部の拡張部411、421、431、441は、各コア部の先端から流入・流出する磁束の拡散方向をコア部の幅方向に広げる働きをしている。そのため、回転磁界における隣接コア間の磁束を増やすことができ、受電装置が送電装置に対して傾いている場合の給電効率を高めることができる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る送電装置のコアの断面図を示している。
図4(a)は、図1の十字構造コアの第1のコア部41及び第2のコア部42の断面を示している。第1のコア部41及び第2のコア部42は、第3のコア部43及び第4のコア部44と共に、均一な厚さを保って一体化されている。
図4(b)は、導通する第1の一次側コイル51と第2の一次側コイル52とが巻回される第1のコア部41の一端に第1の凸部412を設け、第2のコア部42の他端に第2の凸部422を設けた十字構造コアの断面を示している。
第1の凸部412及び第2の凸部422は、受電装置と対向する面に設けられる。
なお、導通する第3の一次側コイル53と第4の一次側コイル54とが巻回される第3のコア部43及び第4のコア部44にも、同様に、両端に凸部を設ける。
これらの凸部に磁束の出入りが集中し、その磁束が受電装置の二次側コイルと鎖交するため、凸部の存在により、非接触給電に寄与する磁束を増やすことができ、給電効率を高めることができる。
また、図4(c)は、図3に示すように、第1のコア部41、第2のコア部42、第3のコア部43及び第4のコア部44の各々に、独立した第1の一次側コイル51、第2の一次側コイル52、第3の一次側コイル53、及び、第4の一次側コイル55を形成する場合の凸部の形成位置を示している。この場合、独立した各一次側コイル51、52、53、54の両端に当たる十字構造コアの中心部と、各コア部41、42、43、44の先端とに凸部を設ける。凸部の形成面は受電装置に対向する面である。
なお、ここでは、非接触給電トランスの送電装置として十字のコアを備える4極構造の例を示したが、中心部から放射状に延びるコアの数は、4以外の数であってもよい。
図5には、6極構造の送電装置を示し、図6には、そのソレノイドコイル形状の各一次側コイルに供給する3相の交流電流と、それにより生成される回転磁界を例示している。
また、本発明の送電装置から給電を受ける非接触給電トランスの受電装置は、ソレノイドコイル形状以外のものでも良い。図7に示すように円形コイルを備えるものでもよい。また、図1や図3に示すように、十字構造を備えるものであってもよい。
なお、各一次側コイルに異なる位相の電流を供給する電流制御部については、特開2011−139578号公報、特開2009−291035号公報等に記載され、周知であるため、ここでは詳述していない。
本発明の非接触給電トランスの送電装置は、相対的に傾いた状態の受電装置に対しても効率的な非接触給電を行うことが可能であり、二次電池を備える家電製品やモバイル機器、無人搬送車や電気自動車、電動アシスト自転車や電動アシスト三輪車、電動バイク等の非接触給電に広く利用することができる。
21 磁心コア
22 一次側コイル
31 磁心コア
32 二次側コイル
41 第1のコア部
42 第2のコア部
43 第3のコア部
44 第4のコア部
51 第1の一次側コイル
52 第2の一次側コイル
53 第3の一次側コイル
54 第4の一次側コイル
61 フェライトコア
62 一次側コイル
63 フェライトコア
64 二次側コイル
67 主磁束
411 拡張部
412 第1の凸部
421 拡張部
422 第2の凸部
431 拡張部
441 拡張部

Claims (7)

  1. 対向する受電装置に非接触給電を行う非接触給電トランスの送電装置であって、
    中心部から放射状に延びる複数のコアと、
    前記複数のコアの各々に巻回された複数の一次側コイルと、
    前記複数の一次側コイルに供給する交流電流を制御する電流制御部と、
    を備え、
    前記電流制御部は、前記複数の一次側コイルに供給する交流電流により回転磁界が生成されるように、前記複数の一次側コイルの少なくとも一部に位相を違えた交流電流を供給することを特徴とする送電装置。
  2. 請求項1に記載の非接触給電トランスの送電装置であって、
    前記複数のコアは、隣接するコアとの間の前記中心部を挟む角度がそれぞれ均一であることを特徴とする送電装置。
  3. 請求項2に記載の非接触給電トランスの送電装置であって、
    前記複数のコアの前記中心部を対称中心とする点対称の位置には、他のコアが存在することを特徴とする送電装置。
  4. 請求項3に記載の非接触給電トランスの送電装置であって、
    前記点対称の位置に在る二つのコアに巻回された一次側コイルが導通されて一次側コイルの対を形成し、前記電流制御部は、一次側コイルの異なる前記対に対して位相を違えた交流電流を供給することを特徴とする送電装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の非接触給電トランスの送電装置であって、
    前記コアの各々は、前記中心部から最も離れた、前記一次側コイルが巻回されていない先端部に、該コアの幅方向に延びる拡張部を備えることを特徴とする送電装置。
  6. 請求項4に記載の非接触給電トランスの送電装置であって、
    前記コアの各々は、前記中心部から最も離れた、前記一次側コイルが巻回されていない先端部の前記受電装置に対向する面に凸部を有することを特徴とする送電装置。
  7. 請求項1に記載の非接触給電トランスの送電装置であって、
    前記コアの各々は、前記一次側コイルが巻回されていない前記中心部の前記受電装置に対向する面に第1の凸部を有し、該中心部から最も離れた、前記一次側コイルが巻回されていない先端部の前記受電装置に対向する面に第2の凸部を有し、前記第1の凸部と前記第2の凸部との間のコア部分に巻回された一次側コイルに供給される交流電流が前記電流制御部により個別に制御されることを特徴とする送電装置。
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