JP2018106936A - プロトン交換形燃料電池 - Google Patents

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卓也 小俣
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友和 坂本
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唯 桑原
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浩史 岸
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Abstract

【課題】発電効率に優れるプロトン交換形燃料電池を提供すること。【解決手段】燃料電池3が、プロトン成分が移動可能な電解質層8と、電解質層8の一方側に配置され、ヒドラジン類を含む液体燃料が供給されるアノード電極9と、電解質層8の他方側に配置され、酸素が供給されるカソード電極10とを有し、アノード電極9は、PtNi合金およびPt単体を含むアノード触媒と、アイオノマーとを含有し、アイオノマーの含有割合は、アノード触媒1質量部に対して、0.35質量部を超過し0.65質量部未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、プロトン交換形燃料電池、詳しくは、液体燃料が供給されるプロトン交換形燃料電池に関する。
従来、車両などに搭載される燃料電池システムとして、ヒドラジンを含有する液体燃料を使用する燃料電池システムが知られている。そのような燃料電池は、電解質層と、液体燃料が供給される燃料側電極(アノード電極)と、酸素が供給される酸素側電極(カソード電極)とを備えている。
燃料電池として、より具体的には、例えば、燃料側電極と酸素側電極との間にプロトン移動媒体が介在されている燃料電池セルを備え、燃料側電極には水素および窒素を含有する化合物(ヒドラジンなど)が直接供給される燃料電池(プロトン交換形燃料電池)が知られている。また、プロトン交換形燃料電池では、燃料側電極として、Ni、Pt、Pdなどの金属触媒を用いることが知られており、さらに、そのような金属触媒をアイオノマーと混合して、電解質層に担持させることも知られている(例えば、特許文献1(実施例6)参照。)。
国際公開WO2003/056649パンフレット
一方、プロトン交換形燃料電池の燃料側電極において、発電効率の観点から、金属触媒として、PtNi合金と、Pt単体とを併用することが検討されている。
本発明の目的は、発電効率に優れるプロトン交換形燃料電池を提供することにある。
本発明[1]は、プロトン成分が移動可能な電解質層と、前記電解質層の一方側に配置され、ヒドラジン類を含む液体燃料が供給されるアノード電極と、前記電解質層の他方側に配置され、酸素が供給されるカソード電極とを有し、前記アノード電極は、PtNi合金およびPt単体を含むアノード触媒と、アイオノマーとを含有し、前記アイオノマーの含有割合が、前記アノード触媒1質量部に対して、0.35質量部を超過し0.65質量部未満である、プロトン交換形燃料電池を含んでいる。
本発明[2]は、前記アノード触媒の担持量が、前記電解質層に対して、3.2mg/cm未満である、上記[1]に記載のプロトン交換形燃料電池を含んでいる。
本発明のプロトン交換形燃料電池では、アノード電極において、PtNi合金およびPt単体を含むアノード触媒と、アイオノマーとが、所定割合で含有されているため、優れた発電効率を得ることができる。
図1は、プロトン交換形燃料電池システムを搭載した電動車両の概略構成図である。 図2は、本発明のプロトン交換形燃料電池の一実施形態であり、図1に示すプロトン交換形燃料電池の単位セルを示す概略構成図である。 図3は、アノード電極におけるアイオノマー質量/アノード触媒質量の比率(I/C)と、膜電極接合体の電流密度との関係を示すグラフである。 図4は、アノード触媒の担持量と、膜電極接合体の電流密度との関係を示すグラフである。
1.燃料電池システムの全体構成
図1において、電動車両1は、プロトン交換形燃料電池およびバッテリを選択的に動力源とするハイブリッド車両であって、プロトン交換形燃料電池システムとしての燃料電池システム2を搭載している。
燃料電池システム2は、プロトン交換形燃料電池としての燃料電池3と、燃料給排部4と、空気給排部5と、制御部6と、動力部7とを備えている。
(1)燃料電池
燃料電池3は、液体燃料が直接供給される固体高分子型燃料電池である。燃料電池3は、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3は、膜電極接合体11と、燃料供給部材12と、酸素供給部材17とを備える燃料電池セル(単位セル)が、複数積層されたスタック構造に形成されている。なお、図2では、複数の単位セルのうち1つだけを燃料電池3として表し、その他の単位セルについては省略している。
図2に示すように、膜電極接合体11は、プロトン成分が移動可能な電解質層(プロトン交換形電解質層)8と、電解質層8の厚み方向一方側の面に形成されるアノード電極9と、電解質層8の厚み方向他方側の面に形成されるカソード電極10とを備えている。
電解質層8は、液体燃料から生成されるプロトン(H)が移動可能な媒体であって、例えば、プロトン交換形固体高分子膜、ゼオライト、セラミックス、ガラスなどが挙げられ、好ましくは、プロトン交換形固体高分子膜が挙げられる。プロトン交換形固体高分子膜として、具体的には、例えば、パーフルオロスルホン酸膜(例えば、商品名Nafion(Du pont社製))などのプロトン導電性イオン交換膜などが挙げられる。
アノード電極9は、アノード触媒として、PtNi合金と、Pt単体とを含有しており、電解質層8の一方側に配置される。アノード電極9の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。なお、アノード電極9の詳細については後述する。
また、アノード電極9の表面(電解質層8と接触する一方面に対する他方面)には、アノード側拡散シート49が積層されている。
アノード側拡散シート49は、ガスを透過させるための気孔を有するガス拡散層(GDL)としてのアノード側GDL51を備えている。
アノード側GDL51は、ガス透過性材料から形成されている。
ガス透過性材料としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、炭素繊維不織布などが挙げられる。好ましくは、カーボンクロスが挙げられる。また、ガス透過性材料は、必要によりフッ素処理されていてもよい。
また、アノード側GDL51は、ガスを透過させるための気孔を有している。例えば、ガス透過性材料として用いられるカーボンクロスは、カーボン繊維の束を、織ることにより得られる。そのため、カーボン繊維を束ねることにより生じる繊維間の空隙(比較的小さい孔)や、さらには、編み目(比較的大きい孔)などとして、気孔を有する。
アノード側GDL51の最小気孔径は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
また、アノード側GDL51の最大気孔径は、例えば、50μm以上、好ましくは、75μm以上であり、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。
そして、アノード側GDL51の水圧10kPaにおける水透過量は、例えば、0.05μL/min・cm以上、好ましくは、0.7μL/min・cm以上であり、例えば、2.0μL/min・cm以下、好ましくは、0.9μL/min・cm以下である。
なお、水圧10kPaにおける水透過量は、パームポロメータ(Porous Material International社製)および直径25mmのサンプルを用い、0〜20kPaの昇圧条件下で測定される(以下同様)。
また、このようなアノード側GDL51は、集電体としても作用する。
アノード側GDL51の厚みは、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.10mm以上であり、例えば、0.60mm以下、好ましくは、0.50mm以下である。
カソード電極10は、電解質層8の他方側(電解質層8に対してアノード電極9の反対側)に配置される。カソード電極10は、例えば、カソード触媒を含有している。カソード電極10は、例えば、カソード触媒を担持した触媒担体(例えば、カーボンなどの多孔質物質など)により形成されている。また、触媒担体を用いずに、カソード触媒を、直接、カソード電極10として形成してもよい。
カソード触媒としては、例えば、金属単体、遷移金属錯体などが挙げられる。
金属単体としては、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素、さらには亜鉛(Zn)などが挙げられる。このような金属単体は、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属錯体は、遷移金属元素(中心金属)に有機化合物が配位した金属錯体である。遷移金属元素としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)が挙げられる。このような遷移金属は、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属元素に配位する有機化合物としては、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミン、ナイカルバジン、ピペミド酸系化合物、アミノベンズイミダゾール、アミノアンチピリン、またはこれらの重合体が挙げられる。このような有機化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
カソード電極10の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、10μm以下である。
また、カソード電極10の表面(電解質層8と接触する一方面に対する他方面)には、カソード側拡散シート50が積層されている。
カソード側拡散シート50は、ガスを透過させるための気孔を有するガス拡散層(GDL)としてのカソード側GDL52を備えている。
カソード側GDL52としては、例えば、アノード側GDL51として例示した、ガス透過性材料などが挙げられる。カソード側GDL52として、好ましくは、カーボンクロスが挙げられる。
また、カソード側GDL52は、アノード側GDL51と同様に、ガスを透過させるための気孔を有している。
カソード側GDL52の最小気孔径は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、例えば、20μm以下、好ましくは、10μm以下である。
また、カソード側GDL52の最大気孔径は、例えば、50μm以上、好ましくは、75μm以上であり、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。
そして、カソード側GDL52の水圧10kPaにおける水透過量は、例えば、0.05μL/min・cm以上、好ましくは、0.1μL/min・cm以上、より好ましくは、0.5μL/min・cm以上、さらに好ましくは、0.7μL/min・cm以上であり、例えば、2.0μL/min・cm未満、好ましくは、1.5μL/min・cm以下、より好ましくは、1.0μL/min・cm以下、さらに好ましくは、0.9μL/min・cm以下である。とりわけ好ましくは、0.8μL/min・cm以下である。
カソード側GDL52の水圧10kPaにおける水透過量が上記範囲であれば、反応に必要な水分量を供給でき、かつ、酸素の拡散を阻害する過剰な水分を排出できるため、発電効率の向上を図ることができる。
また、カソード側GDL52は、アノード側GDL51と同様に、集電体としても作用する。
カソード側GDL52の厚みは、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.10mm以上であり、例えば、0.60mm以下、好ましくは、0.50mm以下である。
なお、図示しないが、アノード側拡散シート49およびカソード側拡散シート50は、必要に応じて、マイクロポーラス層(MPL)を備えることもできる。
燃料供給部材12は、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面がアノード側拡散シート49に対向接触されている。燃料供給部材12には、アノード電極9の全体に燃料を接触させるための燃料側流路13が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。また、燃料供給部材12には、その上流側端部および下流側端部に、燃料側流路13に連通する供給口15および排出口14が形成されている。
酸素供給部材17は、燃料供給部材12と同様に、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面がカソード側拡散シート50に対向接触されている。酸素供給部材17には、カソード電極10の全体に酸素(空気)を接触させるための酸素側流路18が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。酸素側流路18には、その上流側端部および下流側端部に、酸素側流路18に連通する供給口19および排出口20が形成されている。
(2)燃料給排部
図1に示すように、燃料給排部4は、燃料供給部の一例としての燃料供給ユニット21と、燃料排出ライン31と、気液分離器23と、還流ライン32とを備えている。
燃料供給ユニット21は、アノード電極9に液体燃料を供給するように構成されている。燃料供給ユニット21は、燃料タンク22と、燃料供給ライン30と、燃料供給ポンプ33と、燃料供給弁34とを備えている。
燃料タンク22は、電動車両1の後側であって、燃料電池3よりも後方に配置されている。燃料タンク22には、液体燃料が貯留されている。
液体燃料は、ヒドラジン類を含んでおり、詳しくは、液体燃料は、ヒドラジン類と、水とを含有している。
ヒドラジン類としては、例えば、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、塩酸ヒドラジン(NHNH・HCl)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、カルボンヒドラジド((NHNHCO)などが挙げられる。
ヒドラジン類は、単独または2種類以上併用することができる。ヒドラジン類のなかでは、好ましくは、炭素を含まないヒドラジン類、すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなどが挙げられ、さらに好ましくは、水加ヒドラジンが挙げられる。
液体燃料に対するヒドラジン類の濃度は、例えば、1質量%以上、好ましくは、1.5質量%以上、より好ましくは、2質量%以上、さらに好ましくは、2.5質量%以上であり、例えば、10質量%以下、好ましくは、8質量%以下、より好ましくは、7質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下である。
液体燃料がヒドラジン類を上記の割合で含んでいれば、反応に必要な量の燃料を供給でき、かつ、燃料が過剰にカソード電極10側に透過することを抑制できるため、発電効率の向上を図ることができる。
また、液体燃料は、好ましくは、支持電解質として、アルカリ金属水酸化物を含有する。すなわち、液体燃料は、好ましくは、ヒドラジン類と、水と、アルカリ金属水酸化物とからなる。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。アルカリ金属水酸化物として、好ましくは、水酸化カリウムが挙げられる。
液体燃料に対するアルカリ金属水酸化物の濃度は、例えば、0.25モル/L以上、好ましくは、0.5モル/L以上であり、例えば、2.0モル/L以下、好ましくは、1.5モル/L以下である。
液体燃料がアルカリ金属水酸化物を上記の割合で含んでいれば、発電効率の向上を図ることができる。
燃料供給ライン30は、燃料タンク22から燃料電池3(具体的には、燃料側流路13)に液体燃料を輸送するための配管である。燃料供給ライン30の上流側端部は、燃料タンク22に接続されている。燃料供給ライン30の下流側端部は、燃料側流路13の供給口15に接続されている(図2参照)。
燃料供給ポンプ33は、燃料タンク22と燃料電池3との間において、燃料供給ライン30に設けられている。燃料供給ポンプ33は、例えば、公知の送液ポンプである。
燃料供給弁34は、燃料供給ポンプ33と燃料タンク22との間において、燃料供給ライン30に設けられている。燃料供給弁34は、燃料供給ライン30を開閉するための公知の開閉弁である。
そして、燃料供給弁34が燃料供給ライン30を開放するとともに、燃料供給ポンプ33が駆動することにより、液体燃料が、燃料タンク22から燃料電池3の燃料側流路13に供給される。なお、燃料供給ユニット21は、燃料タンク22から燃料電池3に供給される液体燃料に含まれるヒドラジンを、水素に改質するための改質機を備えていない。
燃料排出ライン31は、燃料電池3(具体的には、燃料側流路13)から排出される液体燃料を輸送するための配管である。燃料排出ライン31の上流側端部は、燃料側流路13の排出口14に接続されている(図2参照)。燃料排出ライン31の下流側端部は、気液分離器23の下部に接続されている。
気液分離器23は、燃料排出ライン31と還流ライン32との間に介在されている。気液分離器23は、例えば、中空の容器からなる。気液分離器23の下部には、燃料排出ライン31の下流側端部が接続されている。また、気液分離器23の上部には、ガス排出管26が接続されている。
ガス排出管26は、気液分離器23で分離されたガス(気体)を電動車両1から排出するための配管である。ガス排出管26の上流側端部は、気液分離器23の上部に接続されている。ガス排出管26の下流側端部は大気開放されている。ガス排出管26の途中には、ガス排出弁27が設けられている。
ガス排出弁27は、ガス排出管26を開放して気液分離器23内の圧力を開放するための弁であって、例えば、公知の開閉弁が用いられる。
還流ライン32は、気液分離器23で分離された液体燃料を、気液分離器23から燃料供給ライン30に輸送するための配管である。還流ライン32の上流側端部は、気液分離器23の下部に接続されている。還流ライン32の下流側端部は、燃料供給ポンプ33と燃料供給弁34との間において、燃料供給ライン30に接続されている。これにより、燃料供給ライン30、燃料電池3(燃料側流路13)、燃料排出ライン31、気液分離器23および還流ライン32は、クローズドライン(閉流路)を形成する。
そして、燃料電池3から排出された液体燃料は、燃料排出ライン31を介して、気液分離器23に流入した後、ガスが分離され、還流ライン32を介して燃料供給ライン30に戻される。
(3)空気給排部
空気給排部5は、酸素供給部の一例としての空気供給ユニット24と、空気排出ライン42とを備えている。
空気供給ユニット24は、カソード電極10に酸素(空気)を供給するように構成されている。空気供給ユニット24は、空気供給ライン41と、空気供給ポンプ43と、空気供給弁44とを備えている。
空気供給ライン41は、電動車両1の外部から燃料電池3(具体的には、酸素側流路18)に空気を送るための配管である。空気供給ライン41の上流側端部は、大気中に開放されている。空気供給ライン41の下流端部は、酸素側流路18の供給口19に接続されている(図2参照)。
空気供給ポンプ43は、空気供給ライン41の途中に設けられている。空気供給ポンプ43は、例えば、公知のガスポンプである。
空気供給弁44は、空気供給ポンプ43と燃料電池3との間において、空気供給ライン41に設けられている。空気供給弁44は、空気供給ライン41を開閉するための公知の開閉弁である。
そして、空気供給弁44が空気供給ライン41を開放するとともに、空気供給ポンプ43が駆動することにより、空気が、電動車両1の外部から燃料電池3の酸素側流路18に供給される。なお、空気供給ユニット24は、空気供給ライン41を通過して燃料電池3に供給される空気を加湿するための加湿器を備えていない。
空気排出ライン42は、燃料電池3(具体的には、酸素側流路18)から排出される空気を送るための配管である。空気排出ライン42の上流側端部は、酸素側流路18の排出口20に接続されている。空気排出ライン42の下流側端部は、ドレンとされる。
そして、燃料電池3から排出された空気は、空気排出ライン42を介して、電動車両1の外部に排出される。
(4)制御部
制御部6は、コントロールユニット29を備えている。コントロールユニット29は、電動車両1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。コントロールユニット29は、各ポンプ(燃料供給ポンプ33および空気供給ポンプ43)および各弁(燃料供給弁34、ガス排出弁27および空気供給弁44)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット29は、各ポンプの駆動および停止を適宜制御するとともに、各弁の開閉を適宜制御する。
(5)動力部
動力部7は、モータ37と、インバータ38と、バッテリ40と、コンバータ36とを備えている。
モータ37は、燃料電池3から出力される電気エネルギーを電動車両1の駆動力として機械エネルギーに変換する。モータ37は、電動車両1の前側であって、燃料電池3よりも前方に配置されている。
インバータ38は、燃料電池3で発電された直流電力を交流電力に変換する装置である。インバータ38は、モータ37と燃料電池3との間に配置されている。インバータ38は、配線により、燃料電池3およびモータ37にそれぞれ電気的に接続されている。
バッテリ40は、モータ37による回生エネルギーを蓄電する。バッテリ40は、インバータ38と燃料電池3との間の配線により接続される。これにより、バッテリ40は、燃料電池3からの電力を蓄電可能、かつ、モータ37に電力を供給可能である。
コンバータ36は、燃料電池3の出力電圧を昇降圧する機能を有し、燃料電池3の電力およびバッテリ40の入出力電力を調整する機能を有している。コンバータ36は、バッテリ40と燃料電池3との間に配置されている。コンバータ36は、コントロールユニット29と電気的に接続されており(図1の破線参照)、これにより、コントロールユニット29から出力される出力制御信号の入力に応じて、燃料電池3の出力(出力電圧)を制御する。
また、コンバータ36は、配線により、燃料電池3およびバッテリ40にそれぞれ電気的に接続されているとともに、配線の分岐により、インバータ38に電気的に接続されている。これにより、コンバータ36からモータ37への電力は、インバータ38において直流電力から交流電力に変換され、モータ37に供給される。
2.アノード電極の詳細
図2に示すように、アノード電極9は、アノード触媒として、PtNi合金と、Pt単体とを含有している。
PtNi合金は、ヒドラジン分解触媒であって、白金(Pt)とニッケル(Ni)との合金である。
PtNi合金における白金の含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、例えば、1モル%以上、好ましくは、5モル%以上、例えば、70モル%以下、好ましくは、60モル%以下である。
PtNi合金におけるニッケルの含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、例えば、30モル%以上、好ましくは、40モル%以上、例えば、99モル%以下、好ましくは、95モル%以下である。
このようなPtNi合金は、好ましくは、触媒担体に担持される。つまり、アノード電極9は、好ましくは、PtNi合金を担持した触媒担体(以下、PtNi担持担体とする。)を含有する。
触媒担体としては、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。カーボンとしては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。カーボンブラックのなかでは、好ましくは、ケッチェンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、単独使用または2種類以上併用することができる。
PtNi担持担体におけるPtNi合金の担持割合は、PtNi担持担体の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
PtNi担持担体の平均一次粒子径は、例えば、0.001μm以上、好ましくは、0.005μm以上、例えば、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下である。なお、平均一次粒子径は、透過電子顕微鏡により測定できる。
PtNi担持担体の比表面積は、例えば、100m/g以上、好ましくは、300m/g以上、例えば、1200m/g以下、好ましくは、1000m/g以下である。なお、比表面積は、JIS Z 8830(2013)に準拠したキャリアガス法により測定される。
このようなPtNi合金を調製するには、例えば、ニッケルの塩と、白金錯体と、必要により触媒担体とを、上記の割合となるように混合して、触媒原料を調製する。
ニッケルの塩としては、例えば、無機塩(例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、りん酸塩など)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、しゅう酸塩など)などが挙げられ、好ましくは、無機塩、さらに好ましくは、硝酸塩が挙げられる。ニッケルの塩は、単独使用または2種以上併用することができる。
白金錯体としては、例えば、ヘキサクロロ白金(IV)酸、ジクロロ白金(II)酸などが挙げられ、好ましくは、ヘキサクロロ白金(IV)酸が挙げられる。白金錯体は、単独使用または2種以上併用することができる。
混合方法としては、特に制限されず、例えば、湿式混合、乾式混合などの公知の方法が挙げられ、好ましくは、湿式混合が挙げられる。
ニッケルの塩と白金錯体とを湿式により混合するには、必要により触媒担体が分散された水に、ニッケルの塩と白金錯体とを溶解して撹拌する。
混合時間(撹拌時間)としては、例えば、5時間以上、好ましくは、10時間以上、例えば、50時間以下、好ましくは、40時間以下である。
次いで、触媒原料を、必要により乾燥させた後、焼成する。具体的には、触媒原料を、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)や、還元ガス(例えば、窒素ガスおよび水素ガスの混合ガス)の雰囲気下において焼成する。好ましくは、不活性ガス雰囲気下において、触媒原料を焼成する。
焼成条件としては、焼成温度が、例えば、400℃以上、好ましくは、500℃以上、例えば、1500℃以下、好ましくは、1000℃以下、さらに好ましくは、900℃以下である。
しかるに、ヒドラジンの分解反応では、アンモニアに分解される場合と、窒素および水素に分解される場合がある。焼成温度が上記範囲内であると、ヒドラジンの分解反応において、窒素および水素に分解される選択性の向上を図ることができ、水素を効率よく生成することができる。
焼成時間は、例えば、15分以上、好ましくは、30分以上、例えば、5時間以下、好ましくは、3時間以下である。なお、触媒原料は、一段階または多段階で焼成することができる。
これによって、触媒原料が焼成されて、PtNi合金(PtNi担持担体)が調製される。
Pt単体は、水素酸化触媒であって、白金の金属単体である。
このようなPt単体は、好ましくは、上記の触媒担体に担持される。つまり、アノード電極9は、好ましくは、Pt単体を担持した触媒担体(以下、Pt単体担持担体とする。)を含有する。
Pt単体担持担体におけるPt単体の担持割合は、Pt単体担持担体の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
Pt単体担持担体の平均一次粒子径は、例えば、0.001μm以上、好ましくは、0.003μm以上、例えば、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下である。
Pt単体担持担体の比表面積は、例えば、100m/g以上、好ましくは、300m/g以上、例えば、1200m/g以下、好ましくは、1000m/g以下である。
Pt単体担持担体を調製するには、上記の白金錯体と触媒担体とを、上記と同様に混合した後、焼成する。
そして、アノード触媒は、好ましくは、PtNi合金(PtNi担持担体)と、Pt単体(Pt単体担持担体)とからなる。
アノード触媒において、Pt単体(Pt単体担持担体)の含有割合は、PtNi合金(PtNi担持担体)1質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、Pt単体(Pt単体担持担体)の含有割合は、アノード触媒の総質量に対して、例えば、0質量%を超過し、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、20質量%以上、とりわけ好ましくは、25質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下である。
また、PtNi合金(PtNi担持担体)の含有割合が、アノード触媒の総質量に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上、より好ましくは、70質量%以上であり、例えば、100質量%未満、好ましくは、90質量%以下、より好ましくは、80質量%以下であり、とりわけ好ましくは、75質量%以下である。
PtNi合金(PtNi担持担体)およびPt単体(Pt単体担持担体)の含有割合が上記範囲であれば、発電に必要な水素量を供給でき、かつ、生成した水素を十分に酸化でき、また、それらのバランスをとることができるため、発電効率の向上を図ることができる。
また、アノード電極9は、さらに、アイオノマーを含有する。
アイオノマーとしては、例えば、炭化水素系アイオノマー、フッ素系アイオノマー、ウレタン系アイオノマーなどが挙げられ、好ましくは、炭化水素系アイオノマーが挙げられる。アイオノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
アイオノマーの含有割合は、アノード触媒(PtNi合金およびPt単体の混合物)1質量部に対して、0.35質量部を超過、好ましくは、0.4質量部以上、より好ましくは、0.45質量部以上、さらに好ましくは、0.47質量部以上であり、0.65質量部未満、好ましくは、0.6質量部以下、より好ましくは、0.55質量部以下、さらに好ましくは、0.51質量部以下である。とりわけ好ましくは、0.50質量部である。
アノード触媒に対するアイオノマーの含有割合が上記範囲であれば、アイオノマーがアノード触媒の表面を被覆して、反応に十分な燃料を保持することができ、かつ、アイオノマーが反応前後における物質拡散を阻害しないため、発電効率の向上を図ることができる。
このようなアノード電極9を調製するには、まず、PtNi合金(好ましくは、PtNi担持担体)とPt単体(好ましくは、Pt単体担持担体)とを、上記の割合で混合する。
混合方法としては、特に制限されず、例えば、湿式混合、乾式混合などの公知の方法が挙げられ、好ましくは、乾式混合が挙げられる。混合装置としては、例えば、ボールミルなどの公知の混合機が挙げられる。
以上によって、PtNi合金およびPt単体を含有するアノード触媒が調製される。
次いで、アノード触媒と、アイオノマーとを溶媒中に分散させて分散液(アノード電極インク)を調製する。
溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなど)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフランなど)などの有機溶媒、例えば、水などが挙げられる。これら溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
次いで、その分散液を、電解質層8の一方の表面に塗布して乾燥する。これによって、アノード触媒が電解質層8の一方の表面に担持される。その結果、電解質層8の一方の表面に定着したアノード電極9が調製される。
アノード触媒(金属換算)の担持量は、電解質層8に対して、例えば、3.2mg/cm未満、好ましくは、3mg/cm以下、より好ましくは、2mg/cm以下であり、例えば、0.1mg/cm以上、好ましくは、0.5mg/cm以上、より好ましくは、1mg/cm以上である。
アノード触媒の担持量が上記範囲であれば、発電効率の向上を図ることができる。
3.燃料電池システムによる発電
上記した燃料電池システム2では、コントロールユニット29の制御により、燃料供給弁34が開かれ、燃料供給ポンプ33が駆動されることにより、燃料タンク22に貯留される液体燃料が、燃料供給ライン30を介して、燃料側流路13に供給される。また、空気供給弁44が開かれ、空気供給ポンプ43が駆動されることにより、空気が空気供給ライン41を介して酸素側流路18に供給される。
すると、液体燃料がアノード電極9と接触しながら燃料側流路13を通過する。これにより、アノード電極9において、下記(A)および(B)に示す電気化学反応が生じる。
具体的には、アノード電極9において、PtNi合金がヒドラジン分解触媒として作用し、下記式(A)に示すように、ヒドラジン類を窒素と水素とに分解する。
(A)N→N+2H(アノード電極9での反応)
次いで、アノード電極9において、Pt単体が水素還元触媒として作用し、下記式(B)に示すように、ヒドラジンの分解により生じた水素を還元する。
(B)N+2H→N+4H+4e(アノード電極9での反応)
一方、空気は、カソード電極10と接触しながら酸素側流路18を通過する。これにより、カソード電極10において、下記(C)に示す電気化学反応が生じる。
具体的には、上記式(A)および(B)により生成したプロトン(H)は、電解質層8を通過してカソード電極10に向かう。また、上記式(A)および(B)により生成した電子(e)は、外部回路に流出する。
そして、電解質層8を通過したプロトンH、および、外部回路を通過した電子eは、下記(C)に示すように、カソード電極10において酸素と反応する。
(C)O+4H+4e→2HO(カソード電極10での反応)
つまり、燃料電池3全体として下記式(D)に示す反応が連続的に生じて、燃料電池3に起電力が発生する。
(D) N+O→N+2HO(燃料電池3全体での反応)
また、上記式(C)で示されるように、カソード電極10では水が生成し、この水が酸素側流路18を通過する水を加湿する。そのため、プロトン交換形燃料電池システム2は、カソード電極10に供給する空気を加湿するための加湿器を必要としない。
4.作用効果
図1および図2に示すように、燃料電池システム2および燃料電池3では、アノード電極において、PtNi合金およびPt単体を含むアノード触媒と、アイオノマーとが、所定割合で含有されているため、優れた発電効率を得ることができる。
また、この燃料電池システム2および燃料電池3では、電解質層8が、プロトン交換形電解質層であるため、入手容易性(汎用性)に優れ、さらに、アニオン交換形電解質層が用いられるアニオン交換型燃料電池に比べて、耐久性に優れる。
また、この燃料電池システム2および燃料電池3では、アノード電極9に液体燃料が供給されると、アノード電極9において、PtNi合金がヒドラジン分解触媒として作用し、上記式(A)に示すように、ヒドラジン類を窒素と水素とに分解する。そのため、燃料電池システム2では、ヒドラジン類を水素に改質するための改質機が必要ない。
また、カソード電極10では、上記式(C)に示すように、水が生成するため、酸素側流路18を通過する空気を加湿することができる。その結果、燃料電池システム2は、カソード電極10に供給する空気を加湿するための加湿器が必要ない。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
調製例1(PtNi担持担体の調製)
カーボン(ケッチェンブラック、商品名:ECP600JD、ライオン社製)0.5gを、0.4Lの純水に分散させた。次いで、その分散液に、硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO、キシダ化学社製)と、ヘキサクロロ白金(IV)酸(H(PtCl)・6HO、キシダ化学社製)とを、NiとPtとの原子数比率が1:1になり、触媒全質量に対して金属質量が20質量%になるように添加して、24時間撹拌した。
次いで、ろ過により、ろ液と触媒原料とに分離した。触媒原料は、カーボンと、硝酸ニッケルと、ヘキサクロロ白金(IV)酸とを含有していた。
次いで、触媒原料を、純水で洗浄した後、100℃で10時間乾燥させた。その後、乾燥させた触媒原料を、アルゴン雰囲気下で600℃、2時間焼成した。
これにより、PtNi合金を担持した触媒担体(PtNi担持担体)を調製した。PtNi合金における白金の含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、50モル%であった。PtNi合金におけるニッケルの含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、50モル%であった。
調製例2(Pt単体担持担体の調製)
カーボン(ケッチェンブラック、商品名:ECP600JD、ライオン社製)0.5gを、0.4Lの純水に分散させた。次いで、その分散液に、ヘキサクロロ白金(IV)酸(H2(PtCl6)・6H2O、キシダ化学社製)を触媒全質量に対して金属質量が20質量%になるように添加して、24時間撹拌した。
次いで、ろ過により、ろ液と触媒原料とに分離した。触媒原料は、カーボンと、ヘキサクロロ白金(IV)酸とを含有していた。
次いで、触媒原料を、純水で洗浄した後、100℃で10時間乾燥させた。その後、乾燥させた触媒原料を、アルゴン雰囲気下で600℃、2時間焼成した。
これにより、Pt単体を担持した触媒担体(Pt単体担持担体)を調製した。
製造例1(膜電極接合体の製造)
調製例1のPtNi担持担体0.5gと、調製例2のPt単体担持担体0.5gとを混合して、アノード触媒を調製した。
PtNi担持担体およびPt単体担持担体の総量に対して、PtNi担持担体の含有割合は、50質量%であり、Pt単体担持担体の含有割合は、50質量%であった。
次いで、アノード触媒と、アイオノマー(商品名Nafion(Du pont社製))と、2−プロパノール(有機溶媒)とを、アイオノマー質量/アノード触媒質量の比率(I/C)が0.35となるように混合し、全量30gのインクを調製し分散させて、アノード電極インクを調製した。
その後、プロトン交換形電解質膜(商品名Nafion(Du pont社製))の一方の表面に、アノード触媒(PtNi合金およびPt単体(金属換算))の担持量が1.5mg/cmとなり、かつ、乾燥後の表面の面積が4cmとなるように、アノード電極インクを塗布した。
一方、調製例4のPt単体担持担体1gと、アイオノマー(商品名Nafion(Du pont社製))と、2−プロパノール(有機溶媒)とを、アイオノマー質量/触媒質量の比率が50質量%になるように混合し、全量30gのインクを調製し分散させて、カソード電極インクを調製した。
そして、プロトン交換形電解質膜の他方の表面にカソード触媒(Pt単体)の担持量が1.0mg/cmとなり、かつ、乾燥後の表面の面積が4cmとなるように、カソード電極インクを塗布した。
その後、溶媒を常温の大気中で蒸発させ、12MPaの圧力で油圧プレス機により、膜電極接合体を2分加圧して、膜電極接合体を製造した。
製造例2(膜電極接合体の製造)
アノード電極インクの調製において、アイオノマー質量/アノード触媒質量の比率(I/C)が0.5となるように混合した以外は、製造例1と同じ操作で、膜電極接合体を製造した。
製造例3(膜電極接合体の製造)
アノード電極インクの調製において、アイオノマー質量/アノード触媒質量の比率(I/C)が0.65となるように混合した以外は、製造例1と同じ操作で、膜電極接合体を製造した。
製造例4(膜電極接合体の製造)
プロトン交換形電解質膜に対するアノード触媒(PtNi合金およびPt単体(金属換算))の担持量が3.2mg/cmとなるように調整した以外は、製造例1と同じ操作で、膜電極接合体を製造した。
なお、アノード電極インクの調製において、アイオノマー質量/アノード触媒質量の比率(I/C)が0.35であった。
評価方法
燃料電池評価セル(ラボセル、ダイハツ工業社製)に、膜電極接合体をセットして、アノード電極に、液体燃料として1%ヒドラジン水溶液(水酸化カリウム1モル/L含有)を1.2cc/minの流速で供給した。また。カソード電極に80℃の空気を100cc/minの流速で供給した。
そして、電圧を制御して、開放電圧(約0.9V)から約0.3Vの間でセル電圧を走査し、その時の電流密度(最大出力密度)を測定した。その結果を図3および図4に示す。
セル温度;60℃
背圧;アノード:0kPa、カソード:10kPa
考察
図3に示す評価結果から、アイオノマーの含有割合がアノード触媒1質量部に対して、0.35質量部(I/C=0.35)である製造例1の膜電極接合体は、製造例2の膜電極接合体に対して、発電効率に劣ることが確認された。
また、アイオノマーの含有割合がアノード触媒1質量部に対して、0.65質量部(I/C=0.35)である製造例3の膜電極接合体は、製造例2の膜電極接合体に対して、発電効率に劣ることが確認された。
一方、アイオノマーの含有割合がアノード触媒1質量部に対して、0.5質量部(I/C=0.5)である製造例2の膜電極接合体が、発電効率に最も優れることが確認された。
また、アイオノマーの含有割合がアノード触媒1質量部に対して、0.35質量部を超過し0.65質量部未満、好ましくは、0.45質量部以上0.55質量部以下であれば、アイオノマーがアノード触媒の表面を被覆して、反応に十分な燃料を保持することができ、かつ、アイオノマーが反応前後における物質拡散を阻害しないため、アイオノマーの含有割合がアノード触媒1質量部に対して0.5質量部(I/C=0.5)である場合と同等の発電効率を有すると考えられた。
また、図4に示す評価結果から、アノード触媒の担持量が1.5mg/cmである製造例2の膜電極接合体が、アノード触媒の担持量が3.2mg/cmである製造例4の膜電極接合体に比べ、発電効率に優れることが確認された。
2 燃料電池システム
3 燃料電池
8 電解質層
9 アノード電極
10 カソード電極

Claims (2)

  1. プロトン成分が移動可能な電解質層と、
    前記電解質層の一方側に配置され、ヒドラジン類を含む液体燃料が供給されるアノード電極と、
    前記電解質層の他方側に配置され、酸素が供給されるカソード電極とを有し、
    前記アノード電極は、PtNi合金およびPt単体を含むアノード触媒と、アイオノマーとを含有し、
    前記アイオノマーの含有割合が、前記アノード触媒1質量部に対して、0.35質量部を超過し0.65質量部未満である
    ことを特徴とする、プロトン交換形燃料電池。
  2. 前記アノード触媒の担持量が、前記電解質層に対して、3.2mg/cm未満である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のプロトン交換形燃料電池。
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