JP2018106837A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種類の配光パターンを形成することができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】第1入光面52bと第1出光面52aとを含む第1導光レンズ52と、第1導光レンズ52の下方に配置され、第2入光面53bと第2出光面53aとを含む第2導光レンズ53と、第1入光面52bに入光して第1出光面52aから出光する際に第1出光面52aに光度分布を形成する光を発する第1光源32aと、第2入光面53bに入光して第2出光面53aから出光する際に第2出光面53aに光度分布を形成する第2光源32bと、第1出光面52a及び第2出光面52bに形成される光度分布を反転投影する投影レンズ60、82と、を備え、前記第1出光面52aの下端縁は段差付き第1エッジ部を含み、前記第2出光面53aの上端縁は前記第1エッジ部が反転した形状の第2エッジ部を含み、第1エッジ部と第2エッジ部とが線接触することを特徴とする車両用灯具10。
【選択図】図4
【解決手段】第1入光面52bと第1出光面52aとを含む第1導光レンズ52と、第1導光レンズ52の下方に配置され、第2入光面53bと第2出光面53aとを含む第2導光レンズ53と、第1入光面52bに入光して第1出光面52aから出光する際に第1出光面52aに光度分布を形成する光を発する第1光源32aと、第2入光面53bに入光して第2出光面53aから出光する際に第2出光面53aに光度分布を形成する第2光源32bと、第1出光面52a及び第2出光面52bに形成される光度分布を反転投影する投影レンズ60、82と、を備え、前記第1出光面52aの下端縁は段差付き第1エッジ部を含み、前記第2出光面53aの上端縁は前記第1エッジ部が反転した形状の第2エッジ部を含み、第1エッジ部と第2エッジ部とが線接触することを特徴とする車両用灯具10。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両用灯具に関し、特に、複数種類の配光パターンを形成することができる車両用灯具に関する。
従来、入光面と出光面とを含む導光レンズと、入光面から導光レンズに入光して出光面から出光する際に当該出光面に光度分布を形成する光を発光するLED等の光源と、出光面に形成される光度分布を反転投影することでロービーム用配光パターンを形成する投影レンズと、を備えた車両用灯具が提案されている(例えば、特許文献1(図1等)参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具においては、一種類の配光パターン(ロービーム用配光パターン)を形成することができるものの、複数種類の配光パターン(例えば、ロービーム用配光パターン及びADB用配光パターン、又はロービーム用配光パターン及びハイビーム用配光パターン)を形成することができないという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数種類の配光パターンを形成することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、第1入光面と第1出光面とを含む第1導光レンズと、前記第1導光レンズの下方に配置され、第2入光面と第2出光面とを含む第2導光レンズと、前記第1入光面から前記第1導光レンズに入光して前記第1出光面から出光する際に当該第1出光面に光度分布を形成する光を発光する第1光源と、前記第2入光面から前記第2導光レンズに入光して前記第2出光面から出光する際に当該第2出光面に光度分布を形成する光を発光する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源の点灯状態に応じて前記第1出光面及び前記第2出光面に形成される光度分布を反転投影する投影レンズと、を備え、前記第1導光レンズの前記第1出光面の下端縁は、段差付き第1エッジ部を含み、前記第2導光レンズの前記第2出光面の上端縁は、前記第1エッジ部が反転した形状の段差付き第2エッジ部を含み、前記第1導光レンズ及び前記第2導光レンズは、前記第1エッジ部と前記第2エッジ部とが線接触した状態で配置される車両用灯具であることを特徴とする。
この側面によれば、複数種類の配光パターンを形成することができる車両用灯具を提供することができる。
これは、第1導光レンズに加えて第2導光レンズを備えており、投影レンズが、第1光源及び第2光源の点灯状態に応じて第1導光レンズの第1出光面及び第2導光レンズの第2出光面に形成される光度分布を反転投影することによるものである。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記投影レンズは、前記第1出光面及び前記第2出光面の前方に配置され、前記投影レンズの後面は、前記第1出光面及び前記第2出光面に向かって凸の球状面であり、前記第1出光面及び前記第2出光面は、前記投影レンズの後面に面接触していることを特徴とする。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記第1光源の上方に配置され、前記第1導光レンズに入光して前記第1出光面から出光する際に当該第1出光面に光度分布を形成する光を発光する第3光源と、前記第2光源の下方に配置され、前記第2導光レンズに入光して前記第2出光面から出光する際に当該第2出光面に光度分布を形成する光を発光する第4光源と、をさらに備え、前記投影レンズは、前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源及び前記第4光源の点灯状態に応じて前記第1出光面及び前記第2出光面に形成される光度分布を反転投影することを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は、車両用灯具10の斜視図である。図2(a)は車両用灯具10の上面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。
図1及び図2に示す車両用灯具10は、ロービーム用配光パターンPLo(図9(a)参照)、又は、ロービーム用配光パターンPLo及びADB(Adaptive Driving Beam)用配光パターンPADBを含む合成配光パターン(図9(c)参照)を形成可能な車両用前照灯であり、車両(図示せず)の前端部の左側及び右側に搭載される。ロービーム用配光パターンPLo、ADB用配光パターンPADBは、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成される。なお、以下、説明の便宜のため、XYZ軸を定義する。X軸は車両前後方向に延びており、Y軸は車幅方向に延びており、Z軸は鉛直方向に延びている。
図3は、図1に示す車両用灯具10を、基準軸AXを含む水平面(X軸及びY軸を含む平面)で切断した断面図である。図4は、図1に示す車両用灯具10を、基準軸AXを含む鉛直面(X軸及びZ軸を含む平面)で切断した断面図である。図5は、車両用灯具10の分解斜視図である。
図3〜図5に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、ヒートシンク20、光源モジュール30、ホルダ40、セパレータ50、プライマリレンズ60、リテーナ70、セカンダリレンズ80等を備える。車両用灯具10は、図示しないが、アウターレンズとハウジングとによって構成される灯室内に配置され、ハウジング等に取り付けられる。
図5に示すように、ヒートシンク20は、アルミダイキャスト製で、前面22aとその反対側の後面22bとを含むベース22を含む。
前面22aは、光源モジュール実装面22a1と、当該光源モジュール実装面22a1を取り囲む周囲面22a2と、を含む。
光源モジュール実装面22a1及び周囲面22a2は、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。
光源モジュール実装面22a1には、光源モジュール30をネジ止め固定するために、ネジ穴22a5(図5中、3箇所)が設けられる。また、光源モジュール実装面22a1には、光源モジュール30を位置決めするために、位置決めピン22a6(図5中、2箇所)が設けられる。
周囲面22a2は、ホルダ40が当接するホルダ当接面22a3と、リテーナ70が当接するリテーナ当接面22a4と、を含む。
リテーナ当接面22a4は、周囲面22a2の左右両側にそれぞれ設けられる。
リテーナ当接面22a4と後面22bとの間の厚み(X軸方向の厚み)は、ホルダ当接面22a3と後面22bとの間の厚み(X軸方向の厚み)より厚く、段差部を構成している。
ベース22には、ネジN1が挿入されるネジ穴22c(図3中、2箇所)が設けられる。ネジ穴22cは、リテーナ当接面22a4と後面22bとを貫通している。
ベース22の左右両側には、それぞれ、当該ベース22の左右両側から後方(X軸方向)に向かって延びた第1延長部24が設けられる。第1延長部24の先端部には、側方(Y軸方向)に向かって延びた第2延長部26が設けられる。
ベース22の後面22bには、放熱フィン28が設けられる。
光源モジュール30は、ロービーム用の複数の光源32a及びADB用の複数の光源32bと、ロービーム用の複数の光源32a、ADB用の複数の光源32b及びコネクタ34cが実装された基板34と、を含む。複数の光源32aが本発明の第1光源に相当し、複数の光源32bが本発明の第2光源に相当する。
図8(c)は、セパレータ50を透視したロービーム用の複数の光源32a及びADB用の複数の光源32bの正面図(透視図)である。
図8(c)に示すように、ロービーム用の複数の光源32aは、上段かつY軸方向に配置された形態で基板34に実装される。ADB用の複数の光源32bは下段かつY軸方向に配置された形態で基板34に実装される。
各々の光源32a、32bは、例えば、矩形(例えば、1mm角)の発光面を備えたLEDやLD等の半導体発光素子であり、各々の発光面を前方(正面)に向けた状態で基板34に実装される。図8(c)中の複数の矩形は、各々の光源32a、32bの発光面を表す。
基板34には、ヒートシンク20の位置決めピン22a6が挿入される貫通穴34a(図5中、2箇所)、ネジN2が挿入される切欠部S1(図5中、3箇所)が設けられる。
上記構成の光源モジュール30は、ヒートシンク20の位置決めピン22a6が基板34の貫通穴34aに挿入された状態で、切欠部S1に挿入されたネジN2をヒートシンク20のネジ穴22a5に螺合させることでヒートシンク20(光源モジュール実装面22a1)に固定される。
図3〜図5に示すように、ホルダ40は、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂製で、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状のホルダ本体42を含む。
ホルダ本体42の前面42aは、セパレータ50の後面(上セパレータ本体52の後面52b及び下セパレータ本体53の後面53b)が面接触するように、当該セパレータ50の後面が反転した形状の面(後方に向かって凹の球状面)として構成される。
ホルダ本体42には、セパレータ50の導光部52d及び導光部53dが挿入される貫通穴42cが設けられる。
ホルダ本体42には、当該ホルダ本体42の外周部から後方(X軸方向)に向かって延びた筒状部44が設けられる。そして、筒状部44の先端部には、ヒートシンク20のホルダ当接面22a3に当接するフランジ部46が設けられる。
なお、ホルダ本体42(及び筒状部44)には、切欠部S4が設けられる。
ホルダ40の前方側開口端面40aには、凸部48と、凸部49と、が設けられる。
図6は、ヒートシンク20、光源モジュール30、ホルダ40及びセパレータ50を組み合わせた構造体の斜視図である。
図7は、セパレータ50の斜視図である。
図7に示すように、セパレータ50は、シリコン樹脂製で、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状の部材である。セパレータ50は、上セパレータ本体52と、下セパレータ本体53と、を含む。上セパレータ本体52が本発明の第1導光レンズに相当し、下セパレータ本体53が本発明の第2導光レンズに相当する。
図4に示すように、上セパレータ本体52は基準軸AXより上に配置され、下セパレータ本体53は基準軸AXより下に配置される。基準軸AXは、X軸方向に延びている。
上セパレータ本体52の前面52aは、プライマリレンズ60の後面60b(後方に向かって凸の球状面)の基準軸AXより上半分が面接触するように、当該プライマリレンズ60の後面60bの上半分が反転した形状の面(後方に向かって凹の球状面)として構成される。
上セパレータ本体52の後面52b(図3及び図4参照)は、ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42a(前方に向かって凹の球状面)の基準軸AXより上半分が面接触するように、当該ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aの上半分が反転した形状の面(後方に向かって凸の球状面)として構成される。
図8(a)に示すように、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁は、カットオフラインCLLo(CL1〜CL3。図11(a)参照)に対応した形状の段差付きエッジ部52a1、及び、段差付きエッジ部52a1の両側に配置された延長エッジ部52a2、52a3を含む。段差付きエッジ部52a1が本発明の第1エッジ部に相当する。なお、延長エッジ部は、片側にだけ設けられていてもよい。
段差付きエッジ部52a1は、左水平カットオフラインCL1に対応する辺e1、右水平カットオフラインCL2に対応する辺e2、及び、左水平カットオフラインCL1と右水平カットオフラインCL2とを接続する斜めカットオフラインCL3に対応する辺e3を含む。
延長エッジ部52a2は、Z軸方向に関し、辺e1と同一位置に配置される。延長エッジ部52a3は、Z軸方向に関し、辺e2と同一位置に配置される。
上セパレータ本体52の下端面52c(図4参照)は、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁から上セパレータ本体52の後面52bに向かって水平方向(X軸方向)に延びた面である。
図3及び図4に示すように、上セパレータ本体52の後面52bには、光源モジュール30(複数の光源32a)からの光を導光するために、導光部52dが設けられる。導光部52dは、その基端部が上セパレータ本体52の後面52bのうち段差付きエッジ部52a1を含む一部領域に設けられ、かつ、光源モジュール30(複数の光源32a)に向かって延びている。なお、段差付きエッジ部52a1を含む一部領域は、上セパレータ本体52の後面52bのうち光源モジュール30(複数の光源32aの発光面)が対向する領域である。導光部52dは、ホルダ40の貫通穴42cに挿入される。
導光部52dの先端部には、入光面52eが設けられる。入光面52eは、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。入光面52eが本発明の第1入光面に相当し、前面52aが本発明の第1出光面に相当する。
入光面52eは、導光部52dがホルダ40の貫通穴42cに挿入された状態で、光源モジュール30(複数の光源32aの発光面)と対向する位置に配置される(図4参照)。入光面52eと光源モジュール30(複数の光源32aの発光面)との間隔は、例えば、0.2mmである。
図5、図7に示すように、上セパレータ本体52の前方側開口端面には、フランジ部52fが設けられる。フランジ部52fには、ホルダ40の凸部48が挿入される貫通穴52f1(図5、図7中、1箇所)、ホルダ40の凸部49が挿入される貫通穴52f2(図5、図7中、2箇所)が設けられる。
下セパレータ本体53の前面53aは、プライマリレンズ60の後面60b(後方に向かって凸の球状面)の基準軸AXより下半分が面接触するように、当該プライマリレンズ60の後面60bの下半分が反転した形状の面(後方に向かって凹の球状面)として構成される。
下セパレータ本体53の後面53b(図3及び図4参照)は、ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42a(前方に向かって凹の球状面)の基準軸AXより下半分が面接触するように、当該ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aの下半分が反転した形状の面(後方に向かって凸の球状面)として構成される。
図8(b)に示すように、下セパレータ本体53の前面53aの上端縁は、段差付きエッジ部52a1が反転した形状の段差付きエッジ部53a1(辺e1´〜e3´)、及び、段差付きエッジ部53a1の両側に配置された延長エッジ部53a2、53a3を含む。段差付きエッジ部53a1が本発明の第2エッジ部に相当する。なお、延長エッジ部は、片側にだけ設けられていてもよい。
延長エッジ部53a2は、Z軸方向に関し、辺e1´と同一位置に配置される。延長エッジ部53a3は、Z軸方向に関し、辺e2´と同一位置に配置される。
下セパレータ本体53の上端面53c(図4参照)は、下セパレータ本体53の前面53aの上端縁から下セパレータ本体53の後面53bに向かって水平方向(X軸方向)に延びた面である。
図3及び図4に示すように、下セパレータ本体53の後面53bには、光源モジュール30(複数の光源32b)からの光を導光するために、導光部53dが設けられる。導光部53dは、その基端部が下セパレータ本体53の後面53bのうち段差付きエッジ部53a1を含む一部領域に設けられ、かつ、光源モジュール30(複数の光源32b)に向かって延びている。なお、段差付きエッジ部53a1を含む一部領域は、下セパレータ本体53の後面53bのうち光源モジュール30(複数の光源32bの発光面)が対向する領域である。導光部53dは、ホルダ40の貫通穴42cに挿入される。
導光部53dの先端部には、入光面53eが設けられる。入光面53eは、ADB用配光パターンを構成する複数の領域(例えば、個別に点消灯される複数の領域A1〜A4)が図9(d)に示すように円形となって相互に重なるのを防止し、図9(b)に示すように縦エッジで分割された状態で形成されるように調整された面である。なお、図9(b)、図9(d)は、ADB用の複数の光源32bが4個の場合に形成されるADB用配光パターンを表す。図9(b)、図9(d)中のハッチング領域は、当該領域に対応する光源32bが消灯されていることを表す。入光面53eが本発明の第2入光面に相当し、前面53aが本発明の第2出光面に相当する。
入光面53eは、導光部53dがホルダ40の貫通穴42cに挿入された状態で、光源モジュール30(複数の光源32bの発光面)と対向する位置に配置される(図4参照)。入光面53eと光源モジュール30(複数の光源32bの発光面)との間隔は、例えば、0.2mmである。
図5、図7に示すように、下セパレータ本体53の前方側開口端面には、フランジ部53fが設けられる。フランジ部53fには、ホルダ40の凸部48が挿入される貫通穴53f1(図5、図7中、2箇所)が設けられる。
なお、下セパレータ本体53には、当該下セパレータ本体53に光源モジュール30のコネクタ34cが当接(干渉)しないように、切欠部S5が設けられる。
図8(c)に示すように、上セパレータ本体52及び下セパレータ本体53は、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁と下セパレータ本体53の前面53aの上端縁とが線接触し、かつ、上セパレータ本体52の下端面52cと下セパレータ本体53の上端面53cとが面接触した状態で組み合わされてセパレータ50を構成する。
上記構成のセパレータ50は、上セパレータ本体52の導光部52d及び下セパレータ本体53の導光部53dがホルダ40の貫通穴42cに挿入(例えば、圧入又は嵌合)され、上セパレータ本体52(導光部52d)の入光面52eと光源モジュール30(複数の光源32aの発光面)とが対向し、下セパレータ本体53(導光部53d)の入光面53eと光源モジュール30(複数の光源32bの発光面)とが対向し(図3及び図4参照)、かつ、セパレータ50の後面(上セパレータ本体52の後面52b及び下セパレータ本体53の後面53b)がホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aに面接触(図3及び図4参照)した状態で配置される。
その際、上セパレータ本体52の貫通穴52f1及び下セパレータ本体53の貫通穴53f1にホルダ40の凸部48が挿入される(図6参照)。さらに、上セパレータ本体52の貫通穴52f2にホルダ40の凸部49が挿入される(図6参照)。
図5に示すように、プライマリレンズ60は、前面60aとその反対側の後面60bとを含む球状レンズである。前面60aは前方に向かって凸の球状面で、後面60bは後方に向かって凸の球状面である。プライマリレンズ60には、フランジ部62が設けられる。フランジ部62は、前面60aと後面60bとの間において基準軸AXを取り囲むように延びている。
図5に示すように、リテーナ70は、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂製で、前方側開口端面から後方側開口端面に向かうに従って錐体状に広くなる筒体であるリテーナ本体72を含む。
図5に示すように、セカンダリレンズ80は、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂製で、レンズ本体82を含む。
レンズ本体82は、前面82aとその反対側の後面82bとを含む(図3及び図4参照)。前面82aはY軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面で、後面82bは後方に向かって凸の球状面である。
レンズ本体82の外周部には、当該レンズ本体82の外周部から後方(X軸方向)に向かって延びた筒状部84が設けられる。
プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80は、焦点F(図8(c)参照)が上セパレータ本体52の前面52aの下端縁(段差付きエッジ部52a1)及び下セパレータ本体53の前面53aの上端縁(段差付きエッジ部53a1)近傍に位置する投影レンズを構成する。この投影レンズの像面湾曲(後方焦点面)は、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁(段差付きエッジ部52a1)及び下セパレータ本体53の前面53aの上端縁(段差付きエッジ部53a1)に略一致している。
この投影レンズを構成するプライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80としては、例えば、特開2015−79660号公報に記載の球状レンズ及び平凸レンズを用いることができる。
上記構成のセカンダリレンズ80は、レンズ本体82がプライマリレンズ60の前方に配置され、かつ、押さえ部兼ネジ受け部86がリテーナ70のフランジ部76に当接した状態で配置される(図3及び図4参照)。
上記構成の車両用灯具10においては、ロービーム用の複数の光源32aを点灯すると、当該ロービーム用の複数の光源32aからの光は、上セパレータ本体52の導光部52dの入光面52eから入光し、導光部52d内を導光され、上セパレータ本体52の前面52aから出光する。これにより、上セパレータ本体52の前面52aに、ロービーム用配光パターンに対応する光度分布が形成される。この光度分布は、カットオフラインCLLo(CL1〜CL3)に対応する辺e1〜e3(図8(a)参照)を含む。プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズは、この光度分布を前方に反転投影する。これにより、図9(a)に示すように、上端縁にカットオフラインCL(CL1〜CL3)を含むロービーム用配光パターンPLoが形成される。
ADB用の複数の光源32bを点灯すると、ADB用の複数の光源32bからの光は、下セパレータ本体53の導光部53dの入光面53eから入光し、導光部53d内を導光され、下セパレータ本体53の前面53aから出光する。これにより、下セパレータ本体53の前面53aに、ADB用配光パターンに対応する光度分布が形成される。この光度分布は、カットオフラインCLADB(CL1´〜CL3´)に対応する辺e1´〜e3´(図8(b)参照)を含む。プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズは、この光度分布を前方に反転投影する。これにより、図9(b)に示すように、下端縁にカットオフラインCLADB(CL1´〜CL3´)を含むADB用配光パターンPADBが形成される。なお、図9(b)は、ADB用の複数の光源32bが4個の場合に形成されるADB用配光パターンPADBを表す。図9(b)中のハッチング領域は、当該領域に対応する光源32bが消灯されていることを表す。
ロービーム用の複数の光源32a及びADB用の複数の光源32bを点灯すると、図9(c)に示すように、ロービーム用配光パターンPLo及びADB用配光パターンPADBを含む合成配光パターンが形成される。
以上のように、複数の光源32a及び複数の光源32bの点灯状態に応じて上セパレータ本体52の前面52a及び下セパレータ本体53の前面53aに形成される光度分布が反転投影されて、複数種類の配光パターンが形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数種類の配光パターンを形成することができる車両用灯具10を提供することができる。
これは、上セパレータ本体52に加えて下セパレータ本体53を備えており、投影レンズ(プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ)が、光源32a及び光源32bの点灯状態に応じて上セパレータ本体52の前面52a及び下セパレータ本体53の前面53aに形成される光度分布を反転投影することによるものである。
次に、変形例について説明する。
図10は車両用灯具10(変形例)の一部正面図(透視図)、図11は車両用灯具10(変形例)の一部断面図である。
上記実施形態では、ロービーム用の複数の光源32a及びADB用の複数の光源32bの二種類の光源を用いた車両用灯具10について説明したが、これに限らない。例えば、図10、図11に示すように、DRL(Daytime Running Lamp)用の光源32c、32dを追加してもよい。
DRL用の光源32cは、ロービーム用の複数の第1光源32aの上方に配置された形態で基板34に実装される(図10参照)。DRL用の光源32dは、ADB用の複数の第2光源32bの下方に配置された形態で基板34に実装される(図10参照)。
上セパレータ本体52は、DRL用の光源32cからの光を導光する導光部52gを備える(図11参照)。導光部52gは、ロービーム用の複数の第1光源32aからの光を導光する導光部52dと同様に構成される。
下セパレータ53本体は、DRL用の光源32dからの光を導光する導光部53gを備える(図11参照)。導光部53gは、ロービーム用の複数の第1光源32aからの光を導光する導光部52dと同様に構成される。
なお、各々の導光部52g、53g(例えば、入光面52h、53h)は、拡散配光パターンであるDRL用配光パターン(図示せず)が形成されるように構成される。
本変形例の車両用灯具10においては、DRL用の光源32cを点灯すると、DRL用の光源32cからの光は、上セパレータ本体52の導光部52gの入光面52hから入光し、導光部52g内を導光され、上セパレータ本体52の前面52aから出光する。これにより、上セパレータ本体52の前面52aに、DRL用配光パターンの一部に対応する光度分布が形成される。同様に、DRL用の光源32dを点灯すると、DRL用の光源32dからの光は、下セパレータ本体53の導光部53gの入光面53hから入光し、導光部53g内を導光され、下セパレータ本体53の前面53aから出光する。これにより、下セパレータ本体53の前面53aに、DRL用配光パターンの他の一部に対応する光度分布が形成される。プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズは、この光度分布を前方に反転投影する。これにより、DRL用配光パターン(図示せず)が形成される。
また、上記実施形態では、ホルダ40とセパレータ50とが物理的に別体の部品である例について説明したが、これに限らない。例えば、ホルダ40とセパレータ50とを一体の部品として一体成形してもよい。
また、上記実施形態では、下セパレータ本体53がADB用配光パターンPADBを形成するように構成した例について説明したが、これに限らない。例えば、下セパレータ本体53は、ハイビーム用配光パターンを形成するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、光源32a、32bが複数の場合について説明したが、これに限らない。光源32a、32bは、一つであってもよい。
また、上記実施形態では、セパレータ50の前面(上セパレータ本体52の前面52a及び下セパレータ本体53の前面53a)に形成される光度分布を反転投影する投影レンズとして、プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、当該投影レンズとして、1つのレンズを用いてもよいし、3つ以上のレンズを用いてもよい。
また、上記実施形態では、セパレータ50の前面(上セパレータ本体52の前面52a及び下セパレータ本体53の前面53a)と当該セパレータ50の前面に形成される光度分布を前方に反転投影する投影レンズ(プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ)とが面接触(図3及び図4参照)している例について説明したが、これに限らない。すなわち、投影レンズは、セパレータ50の前面(上セパレータ本体52の前面52a及び下セパレータ本体53の前面53a)に形成される光度分布を前方に反転投影することができるものであればよく、セパレータ50の前面と投影レンズとは、非接触であってもよい。すなわち、セパレータ50の前面と投影レンズとの間に隙間が設けられていてもよい。
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
10…車両用灯具、20…ヒートシンク、22…ベース、22a…前面、22a1…光源モジュール実装面、22a2…周囲面、22a3…ホルダ当接面、22a4…リテーナ当接面、22a5…ネジ穴、22a6…位置決めピン、22b…後面、22c…ネジ穴、24…第1延長部、26…第2延長部、28…放熱フィン、30…光源モジュール、32a…第1光源、32b…第2光源、32c、32d…DRL用の光源、34…基板、34a…貫通穴、34c…コネクタ、40…ホルダ、40a…前方側開口端面、42…ホルダ本体、42a…前面、42c…貫通穴、44…筒状部、46…フランジ部、48…凸部、49…凸部、50…セパレータ、52…上セパレータ本体、52a…前面、52a1…段差付きエッジ部、52a2…延長エッジ部、52a3…延長エッジ部、52b…後面、52c…下端面、52d…導光部、52e…入光面、52f…フランジ部、52f1…貫通穴、52f2…貫通穴、52g…導光部、52h…入光面、53…下セパレータ本体、53a…前面、53a1…段差付きエッジ部、53a2…延長エッジ部、53a3…延長エッジ部、53b…後面、53c…上端面、53d…導光部、53e…入光面、53f…フランジ部、53f1…貫通穴、53g…導光部、53h…入光面、60…プライマリレンズ、60a…前面、60b…後面、62…フランジ部、70…リテーナ、72…リテーナ本体、76…フランジ部、80…セカンダリレンズ、82…レンズ本体、82a…前面、82b…後面、84…筒状部、86…押さえ部兼ネジ受け部、88…位置決めピン、AX…基準軸、CL…カットオフライン、CL1…左水平カットオフライン、CL2…右水平カットオフライン、CL3…カットオフライン、CLADB…カットオフライン、CLLo…カットオフライン、F…焦点、N1、N2…ネジ、PADB…ADB用配光パターン、PLo…ロービーム用配光パターン
Claims (3)
- 第1入光面と第1出光面とを含む第1導光レンズと、
前記第1導光レンズの下方に配置され、第2入光面と第2出光面とを含む第2導光レンズと、
前記第1入光面から前記第1導光レンズに入光して前記第1出光面から出光する際に当該第1出光面に光度分布を形成する光を発光する第1光源と、
前記第2入光面から前記第2導光レンズに入光して前記第2出光面から出光する際に当該第2出光面に光度分布を形成する光を発光する第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源の点灯状態に応じて前記第1出光面及び前記第2出光面に形成される光度分布を反転投影する投影レンズと、を備え、
前記第1導光レンズの前記第1出光面の下端縁は、段差付き第1エッジ部を含み、
前記第2導光レンズの前記第2出光面の上端縁は、前記第1エッジ部が反転した形状の段差付き第2エッジ部を含み、
前記第1導光レンズ及び前記第2導光レンズは、前記第1エッジ部と前記第2エッジ部とが線接触した状態で配置される車両用灯具。 - 前記投影レンズは、前記第1出光面及び前記第2出光面の前方に配置され、
前記投影レンズの後面は、前記第1出光面及び前記第2出光面に向かって凸の球状面であり、
前記第1出光面及び前記第2出光面は、前記投影レンズの後面に面接触している請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記第1光源の上方に配置され、前記第1導光レンズに入光して前記第1出光面から出光する際に当該第1出光面に光度分布を形成する光を発光する第3光源と、
前記第2光源の下方に配置され、前記第2導光レンズに入光して前記第2出光面から出光する際に当該第2出光面に光度分布を形成する光を発光する第4光源と、をさらに備え、
前記投影レンズは、前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源及び前記第4光源の点灯状態に応じて前記第1出光面及び前記第2出光面に形成される光度分布を反転投影する請求項1又は2に記載の車両用灯具。
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