JP2018102650A - 腎神経用超音波カテーテル - Google Patents

腎神経用超音波カテーテル Download PDF

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Abstract

【課題】水冷システムが無くシンプルな構造で、従来品に比べて、より細い血管内にまで到達させることが可能で、腎神経が存在する対象部分のみを、効率よく加熱・焼灼することができる、安全性の高い腎神経用超音波カテーテルを提供する。【解決手段】本発明の腎神経用超音波カテーテルは、カテーテル本体を含むカテーテルユニット2と、カテーテル本体の先端に回転可能に配設された超音波振動ユニット1と、超音波振動ユニット1をカテーテル本体の長手方向の軸を回転軸として回転させる回転手段と、制御手段とを備え、超音波振動ユニット1は、腎神経を加熱する高強度集束超音波(HIFU)を照射可能な、微小機械形の静電容量型超音波トランスデューサ(CMUT)アレイ11を含み、CMUTアレイは、アレイを構成する超音波振動素子が、同調して動作する領域ごとにブロックに分画され、各ブロックが前記回転軸の軸方向に沿った1列状に配列されている。【選択図】図2

Description

本発明は、生体の腎動脈周りに存在する腎神経の細胞活動を、加熱により焼灼して非活性化させる腎神経用超音波カテーテルに関し、特に、カテーテル先端に配設された超音波振動ユニットに搭載される超音波振動素子が、直線状の一次元配列を有する腎神経焼灼用の超音波カテーテルに関する。
人体等の生体に負担がかからない(負荷の少ない)治療,施術方法として、下肢から血管内に挿通したカテーテルを介して、特定の生体対象部位(治療対象部位)の施術を行うカテーテル治療が知られている。
たとえば、腎臓が分泌する特定のホルモン(レニン)に端を発して、難治性の高血圧症を発症した場合、その根治治療として、交感腎神経を非活性化させることが行われる。神経を非活性化させる方法としては、外科手術により直接的に交感腎神経を切断または除去する方法の他、血管内を腎臓の近傍まで挿通したカテーテルを利用して、交感腎神経に高周波(電磁波)や超音波等を照射し、活動中の神経を焼灼(アブレーション)して非活性化する方法が用いられる(特許文献1〜3を参照)。
特表2008−515544号公報 特表2013−509266号公報 特表2016−515014号公報
ところで、特許文献1に記載のような、高周波(Radio Frequency:RF)を照射して生体の一部(対象部位)のアブレーションを行う方式は、カテーテルの先端部分に高周波発信用の電極を複数設け、各電極を腎動脈の血管内壁に接触させて高周波電流またはパルス電流を流すことにより、神経等を焼灼している。そのため、高周波の照射後に、血管内壁の損傷(火傷等)により血管の狭窄等を引き起こす可能性がある。また、アブレーション電極は点在しているため、焼灼できない部分が残ってしまうおそれがある。
一方、特許文献2,3に記載のような、超音波振動を用いて生体の対象部位のアブレーションを行う方式は、カテーテルの先端(遠位部)から超音波を神経等に照射して加熱し、これを焼灼する。しかしながら、照射に用いられる、PZT(lead zirconate titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電素子(ピエゾ素子)は、照射時の素子自身の発熱が大きく、ターゲットである腎神経以外の部分も加熱されるため、圧電素子の周囲に冷却水を循環させて、素子に接する血管内壁を保護する(65℃以下に保つ)必要がある。そのため、カテーテル先端の超音波照射部(圧電素子部)周りの小形化が難しいという問題があった。また、非集束超音波(Unfocused Ultrasound)を幅広い範囲で照射するため、細胞が広い範囲にわたって加熱され、他の神経や細胞に損傷を与える可能性がある。
本発明は、上記のような従来法の欠点の克服を企図したものであり、その目的は、水冷システムが無く、シンプルな構造で、従来品に比べて小型化された、より細い血管内にまで到達させることができる腎神経用超音波カテーテルを提供することである。また、本発明は、腎神経が存在する対象部分のみを効率よく加熱・焼灼でき、他の部位への影響を最低限化できる安全性の高い腎神経用超音波カテーテルを提供することを目的とする。
本発明の腎神経用超音波カテーテルは、哺乳類の腎神経伝達を非活性化するために生体内に挿入される医療用のカテーテルであって、
管状のカテーテル本体と該カテーテル本体の近位側の根元部に配設された操作部とからなるカテーテルユニットと、
前記カテーテル本体の遠位側の先端部に回転可能に配設された超音波振動ユニットと、
該超音波振動ユニットを、前記カテーテル本体の長手方向の軸を回転軸として回転させる超音波振動ユニット回転手段と、
前記超音波振動ユニットを制御する制御手段と、を備え、
前記超音波振動ユニットは、複数の微小機械形の超音波振動素子からなる静電容量型超音波トランスデューサアレイ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer Array)を含み、
該静電容量型超音波トランスデューサアレイは、隣接する複数の超音波振動素子が同調して動作する領域ごとにチャネルと呼ばれる複数のブロックに分画され、これらのブロックが、前記回転軸の軸方向に沿った1列状に配列されていることを特徴とする。
なお、前記ブロックを1列状に配列させた超音波トランスデューサアレイを、1D配列トランスデューサアレイ、または、単に「1Dアレイ素子」と呼ぶ場合がある。
また、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記制御手段が、前記各ブロックの発振タイミングと発振周波数とを調整して、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイが発振する超音波の集束距離と被写界深度(Depth of Field)とを調節する焦点調節機構を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記制御手段が、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイから超音波を発振させるアブレーションモードと、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイで血管断面の超音波映像を構成するための、超音波の送受信を交互に繰り返すエコーモードと、を備えることを特徴とする。
またさらに、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記超音波ユニットが、中空円筒状の収納容器に収容され、該収納容器の内部に、音響インピーダンスマッチング用の液体が充填されていることを特徴とするカテーテルである。
また、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記収納容器の材料の音響インピーダンスおよびその形状により超音波音響レンズとしての役割を果たし、該円筒状の収納容器が、前記回転軸に直交する方向に放射される拡散(非集束)超音波を集束させるという特徴を持つ。
また、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記中空円筒状の収納容器内の、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイの表面に、超音波を集束させる凸形状の超音波音響レンズを備えていてもよい。この場合、前記円筒状の収納容器は、超音波音響レンズの役割を果たさない。
そして、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記カテーテル本体先端の前記超音波振動ユニットの周囲に、カテーテル本体の軸方向に延びる展開用ワイヤが複数本配設され、各ワイヤをカテーテル本体の径方向に展開させてこれらワイヤが腎動脈の内壁に当接した状態で、前記各ワイヤは、前記超音波振動ユニットを、前記腎動脈の中央部に前記カテーテル本体の軸を回転軸とする回転自在に保持するか、または、前記カテーテル本体先端の前記超音波振動ユニットの周囲に、カテーテル本体の径方向に展開可能なバルーンが配設され、前記バルーンを展開させ該バルーンの外周が腎動脈の内壁に当接した状態で、前記バルーンは、前記超音波振動ユニットを、前記腎動脈の中央部に前記カテーテル本体の軸を回転軸とする回転自在に保持する、ことを特徴とする。
一方、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、前記超音波振動ユニット用の水冷システムを持たないことを特徴とする。
本発明の腎神経用超音波カテーテルによれば、カテーテル本体の先端に位置する、超音波振動ユニットを小型化できるため、従来より細い血管内にまで到達させることが可能で、加熱対象部位以外に、血管狭窄等の原因となる余計な熱を与えることなく、従来品より効率的に腎神経等の対象部位のみを加熱して焼灼することができる。また、超音波振動ユニットを回転軸周りに回転させる超音波振動ユニット回転手段を有することから、超音波振動ユニットにおける超音波照射面を360度回転させながら、腎神経が分布されている部位に対してのみ超音波を集束させることができるため、効率高い超音波の焼灼(アブレーション)が可能になる。
また、本発明の腎神経用超音波カテーテルのなかでも、前記制御手段が、前記各ブロック(チャネル)の発振タイミングを調整して、1Dアレイ素子の配列方向に、超音波を電子的手段により集束させることができる。一方、その直行方向へは、たとえば単純な形状の超音波音響レンズ等を用いて、発振超音波を、各ブロック(チャネル)が並ぶ前記回転軸の軸方向(チャネルの配列方向)の収束点に、集束させることができる。さらに、本発明の腎神経用超音波カテーテルは、高い駆動周波数によって、超音波ビームの被写界深度(Depth of Field:以下、DOF)が短くなるため、腎動脈周りの腎神経が分布している部分に対して、より選択的に狭い範囲に対する超音波集束が可能になる。
さらに、本発明の腎神経用超音波カテーテルのなかでも、特に、前記制御手段が、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイから超音波を発振させるアブレーションモードと、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイで血管断面の超音波映像を構成するための、超音波の送受信を交互に繰り返すエコーモードと、を備えるものは、これらエコーモードとアブレーションモードとを交互に切り替えて使用することにより、前記エコーモードにより腎神経等の照射対象の位置を認識しながら、対象部位に効果的に超音波を照射することができる。
前記腎神経用超音波カテーテルのなかでも、前記超音波ユニットが、中空円筒状の収納容器に収容され、該収納容器の内部に、音響インピーダンスマッチング用の液体が充填されているカテーテルは、発振した超音波が反射等により戻ってくることがなく、超音波の振動(熱)を、腎神経に効率的に伝達することができる。
前記腎神経用超音波カテーテルのなかでも、前記中空円筒状の収納容器が、その材質の音響特性および構造によって、超音波集束のためのレンズの役割を果たすものは、前記回転軸に直交する方向に放射される拡散超音波を集束させることができる。その具体例として、前記中空円筒状の収納容器が超音波透過性の材料を用いて構成され、超音波音響レンズとして、その円筒状の壁の厚みが、前記回転軸に直交する方向に放射される拡散超音波あるいは非集束超音波を集束させる厚さに形成されている構成をあげることができる。
また、前記腎神経用超音波カテーテルの中でも、前記中空円筒状の収納容器内の、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイの表面に、超音波を集束させる凸形状の超音波音響レンズを備えているものは、レンズの材料固有の音速および構造の曲率半径にしたがって、超音波の集束が設定され、前記トランスデューサアレイから発振される超音波を、集束点に集束させることができる。なお、この場合、前記円筒状の収納容器は、超音波音響レンズの役割を果たさない構成としてもよい。
そして、本発明の腎神経用超音波カテーテルのなかでも、前記カテーテル本体先端の前記超音波振動ユニットの周囲に、カテーテル本体の軸方向に延びる展開用ワイヤが複数本配設され、各ワイヤをカテーテル本体の径方向に展開させてこれらワイヤが腎動脈の内壁に当接した状態で、前記各ワイヤは、前記超音波振動ユニットを、前記腎動脈の中央部に前記カテーテル本体の軸を回転軸とする回転自在に保持する構成を有するものは、腎動脈内の血流を止めることなく、血管内の適切な位置に、超音波振動ユニットを位置決めすることができる。したがって、腎神経に対する効率的な超音波照射が可能になる。
また、前記カテーテル本体先端の前記超音波振動ユニットの周囲に、カテーテル本体の径方向に展開可能なバルーンが配設され、前記バルーンを展開させ該バルーンの外周が腎動脈の内壁に当接した状態で、前記バルーンが、前記超音波振動ユニットを、前記腎動脈の中央部に前記カテーテル本体の軸を回転軸とする回転自在に保持する本発明の腎神経用超音波カテーテルも、腎動脈内の適切な位置に、超音波振動ユニットを位置決めすることができる。したがって、ワイヤを有するカテーテルと同様、腎神経に対する効率的な超音波照射が可能になる。
一方、本発明の腎神経用超音波カテーテルのなかでも、特に、前記超音波振動ユニット用の水冷システムが無いものは、従来品に比べて、構造がシンプルで、小型化することができ、その結果、超音波振動ユニットを、細い血管内にまで到達させ、腎神経のすぐ近傍で、より効率的な焼灼が可能になる。
本発明の実施形態の腎神経用超音波カテーテルの概略構成図である。 (a)は本実施形態の腎神経用超音波カテーテルの先端部分の拡大図、(b)は超音波振動ユニットの斜視図、(c)は超音波振動ユニットに配設された超音波音響レンズの作用を説明する模式図である。 (a)は超音波振動子のセル単体の断面図であり、(b)はこれらセルの集合体であるチャネルの平面図である。 超音波トランスデューサアレイの構造を説明する(a)斜視図と(b)断面図である。 本実施形態の腎神経用超音波カテーテルにおける(a)アブレーションモードと(b)エコーモードの動作を説明する図であり、(c)はアブレーションモードとエコーモードの切り替え(デューティータイム)を説明する図である。 1列状の超音波振動子(CMUT)から発振される超音波ビームの集束の様子を説明する図である。 ワイヤを備える腎神経用超音波カテーテルの先端部分の概略構成図である。 バルーンを備える腎神経用超音波カテーテルの先端部分の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる腎神経用超音波カテーテルの概略構成図であり、図2は、この腎神経用超音波カテーテルの先端部(遠位側)を拡大した図である。
この例で示す腎神経用超音波カテーテル10は、特定の高血圧症の治療として、腎臓に繋がる血管(腎動脈RAまたは腹部大動脈AA)の内側から、この血管の周囲(血管壁の外)に存在する腎神経(交感腎神経)RNに、集束超音波を照射して加熱し、焼灼を行う腎神経焼灼用のカテーテルであり、カテーテル本体21および操作部22とからなるカテーテルユニット2と、カテーテル本体21の遠位側の先端部に配設された超音波振動ユニット1と、超音波振動ユニット1を回転させる超音波振動ユニット回転手段(操作部22に内臓)と、超音波振動ユニット1を制御する制御手段(超音波制御システム3)とで構成されている。
カテーテル本体21は、細長い筒状の外筒(シース23)と、その内側(内径)に挿通されたワイヤ軸(シャフト24)とからなる芯鞘構造を有する。シース23は、たとえばポリオレフィン系,ポリウレタン系,ポリアセタール系,ポリイミド系,フッ素系等の樹脂チューブや、ステンレス鋼等の金属チューブ、NiTi系合金等の超弾性金属チューブ、または、樹脂とステンレス鋼等のワイヤをコイル巻きあるいはブレード巻きした複合チューブ等が使用される。超音波を送受信する先端部分(遠位部)には、超音波透過性または超音波非吸収性に優れるポリオレフィン系,ポリウレタン系,フッ素系の樹脂が好適に使用される。
そして、シース23の遠位側の先端部には、図2(a)に示すような、円筒状のトランスデューサハウジング25が形成され、このトランスデューサハウジング25の中に、シャフト24の先端に接続された、微小機械形の静電容量型超音波トランスデューサアレイ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer Array:以下、CMUTアレイ)11を含む超音波振動ユニット1〔図2(b)〕が、トランスデューサハウジング25の軸方向に回転自在に配設されている。
トランスデューサハウジング25は、たとえばポリオレフィン系,ポリウレタン系,フッ素系等、超音波透過性に優れる樹脂からなる中空円筒状であり、図2(c)に示すように、その内径は、同じく円筒状の超音波振動ユニット1の外径より若干大きな径に形成されている。そのため、超音波振動ユニット1は、トランスデューサハウジング25内で自由に回転することができる。
トランスデューサハウジング25の内径と超音波振動ユニット1の外径との間に形成される僅かな隙間(円周状の間隙)には、これらの間の音響インピーダンスを合わせるための「液体」(以下、音響インピーダンスマッチング用液体)が封入されている。音響インピーダンスマッチング用液体としては、生理食塩水,生理食塩水と造影剤の混合液等が使用される。
また、前記中空円筒状のトランスデューサハウジング25は、図2(c)のように、CMUTアレイ11の回転軸(X軸)方向に直交するY軸方向に広がる発振超音波を、該CMUTアレイ11の放射方向(図示上方)の所定位置に向けて屈折させて集束させる、超音波音響レンズの機能を備えており、その厚さ(外径と内径の差である「周壁の壁厚」)は、材料によって異なるが、約0.05〜0.2mm程度の厚さに形成されている。
なお、前記中空円筒状のトランスデューサハウジング25の超音波音響レンズによる、発振超音波のY軸方向の焦点〔集束距離と被写界深度(DOF)〕の調節は、発振超音波の波長(周波数)を可変することによって、その集点とDOFとを調整することができる。超音波トランスデューサ上に設けられた超音波音響レンズによる音圧の変化は、下記の式(1)で示される。
上記式(1)において、Pは元(トランスデューサ表面で)の音圧、aはレンズ中心点の表面からレンズ中心を通る軸上の距離、Rはレンズの曲率半径、cはレンズの音速、cは媒質(水など)の音速、Dはトランスデューサアレイ全体の直径(1D配列の列長さ)、λは駆動超音波の波長である。レンズの集点はP値が最も高い距離であり、この集束距離は、トランスデューサの寸法や駆動周波数、レンズの曲率半径、レンズの音速等によって、当初の設計値にしたがって設定され、調整はできない。
これは、前記超音波音響レンズ作用を奏するトランスデューサハウジング25や別途配設される固体音響レンズ等、物理的な超音波音響レンズの特性から起因する1Dアレイトランスデューサの特徴である。しかし、帯域が広くて駆動周波数(λ)の調整ができれば、集点の調整は可能になる。本実施形態の1Dアレイトランスデューサ(CMUT)は、周波数帯域範囲内での駆動周波数調整によって、集点およびDOFの調整が可能な超音波システムである。
つぎに、カテーテルユニット2の操作部22は、先端に取り付けられた前記超音波振動ユニット1の回転と、後述するバルーンやワイヤ等の展開・収縮とを制御する手段(超音波振動ユニット回転手段)を備えている。前記超音波振動ユニット回転手段は、回転方向および回転角度(位相角)の調整機構を備えていてもよい。
さらに、腎神経用超音波カテーテルの最終的な形態では、トランスデューサハウジング25の外径側に、図7,図8に示すような、超音波振動ユニット1の位置を血管内で保持・固定するためのワイヤ26やバルーン27等が配設される。これらワイヤやバルーン等に関する説明は後記で述べる。
ここで、シャフト24の先端に固定された超音波振動ユニット1について、詳しく説明すると、超音波振動ユニット1は、図2(b)の上面図および図2(c)の端面図に示すように、外径がシャフト24とほぼ等しい円筒状であり、その円弧の一部を軸方向にほぼ2/3を切除することにより、上面が平坦な、超音波トランスデューサ(CMUTアレイ11)の固定部1a(切り欠き)が形成されている。
CMUTアレイ11は、その基本構成を図3に示すように、個々のセル〔図3(a)〕が、図3(b)のアレイ表面の拡大図のように数個から数百個集まって配列され、図2(b)または図4(a)に示すような、アレイ表面の所定の分画〔ブロック単位、以下「チャネル(channel)」と呼ぶ〕が形成されている。
チャネルを形成する各セルは、いわゆる微小電気機械的システム(Micro Electro Mechanical System:以下、MEMS)プロセスによって形成され、図3(a)のように、基板12と、基板12に設けられた凹部12a(キャビティ)を挟んで対向する振動膜14と、振動膜14上に配設された第1電極(膜側電極15)と、基板12の凹部12aの底面上に設けられて前記膜側電極15に対向する第2電極(基板側電極13)と、を基本構成としている。基板12と振動膜14との間のキャビティは真空とされ、電極13と電極15との間に電圧が印加されて、振動膜14が上下に振動するようになっている。
基板12のキャビティ(凹部12a)は、基板の一面側にパターニングを行うことにより形成されたものであり、凹部の外縁を基準として、0.1〜5.0μm程度の深さを有する。
凹部12aの底面に形成された基板側電極13は、振動膜14上の膜側電極15〔図3(b)参照〕と同一形に形成されており、図3(a)に示すように、コントローラ16を介して、直流電源DCおよび交流電源ACの一方極側に接続されている。
振動膜14は、単結晶シリコン(Si)を含む基板接合によって形成された膜状体であり、0.01〜100μm程度の厚みを有する。また、振動膜14は、図3(a)に示すように、キャビティから外れた周辺部が、凹部12aの外縁部(基板上面)に固定され、固定されていない中央部が、凹部12aの底面に対する振動領域とされる。
振動膜14上の膜側電極15は、凹部12aの底面に形成されている基板側電極13に対向(正対)する位置に、同一形状に設けられており、前記基板側電極13に対応して、コントローラ16を介して直流電源DCおよび交流電源ACの他方極側に接続されている。
なお、各超音波振動子セルは、個別に形成されるのではなく、一つのチャネル〔図2(b)または図4(a)参照〕単位でまとめて処理(形成)されるため、実際は、図3(b)に示すように、チャネル内で隣接するセル同士は、電極間が電気的に並列に接続された、同一位相の状態となる。そのため、該チャネル内の各超音波振動子セルは、発信時も受信時も、1つの制御信号により、全セルが同一位相で同期して動作するようになっている。
そして、本実施形態におけるCMUTアレイ11の特徴は、図4(a)の斜視図〔図2(b)参照〕に示すように、先に述べた超音波振動子セルの集合体であるチャネル(ブロック)が、超音波振動ユニット1の回転軸方向(図示X軸方向)に沿った1列状に配列されている点である。また、CMUTアレイ11の立体構造は、たとえば図4に示すように、先述のCMUTアレイ11と、その下側に積層された集積回路(基盤)17と、これらを支持するユニット基板18と、からなる。
各基板(基盤)の縁部には、図4(b)に示すように、基板(基盤)を厚み方向に貫通する貫通電極(ビア電極)19が設けられており、各貫通電極19間は、導電性バンプ19Aを介したフリップチップボンディングにより接続(積層)されている。
CMUTアレイ11下側(素子面の裏側)の集積回路17には、超音波の送受信のためのアンプやドライバ,スイッチ等の回路が設けられており、受信(エコーモード)の場合、この集積回路17を介して、アレイの各チャンネルからの電気信号やデータが、ユニット基板18に伝達され、ユニット基板18の回路18aおよびカテーテルユニット2(シース23)内の配線等を通して、表示装置を備える超音波制御システム3(図1参照)に伝達される。
逆に、発信(アブレーションモード)の場合、超音波制御システム3から発信された信号等は、カテーテルユニット2(シース23)内の配線等を通してユニット基板18に伝達され、前記アンプやドライバ等を有する集積回路17を介して、超音波振動が発振される。
なお、CMUTは、振動膜14の厚みが薄く、柔らかく振動するため、元々の音響インピーダンスが、トランスデューサハウジング25周囲の液体(血液や体液等)に近いうえ、前記超音波振動ユニット1は、外側のトランスデューサハウジング25との間に、音響インピーダンスマッチング用液体が封入されている。そのため、本実施形態の超音波振動ユニット1は、その周囲に、圧電素子を用いたトランスデューサのようなインピーダンス・マッチング・レイヤー等を配設せずとも、高効率で超音波を外部に伝達することができる。
加えて、CMUTから発振される超音波は、指向性の集束超音波(Focused Ultrasound)であることから、前述の伝達の高効率と相俟って、非集束超音波(Unfocused Ultrasound)を発する、圧電素子を用いたトランスデューサより低い送信音圧で、腎神経のアブレーションに必要な音圧を与えることが可能である。そのため、周囲の血管等の損傷が少なく、腎神経のみに対する治療ができる。しかも、本実施形態の超音波振動ユニット1(CMUT)は、素子自身の発熱が少ないため、RF素子や圧電素子を用いた従来のアブレーションカテーテルのような、血管壁当接部を冷却するための機構や配管等を設ける必要がない。
つぎに、上記構成の超音波振動ユニット1における、CMUTアレイ11の回転軸(X軸)方向の発振超音波の焦点の調節は、先にも述べたように、超音波制御システム3による駆動周波数調整によって行われる。
図5(a)は、本実施形態の腎神経用超音波カテーテルのアブレーションモードにおける送信動作を説明する図であり、図5(b)は腎神経用超音波カテーテルのエコー(イメージング)モードにおける受信動作を説明する図であり、図5(c)は、アブレーションモードとエコーモードの切り替えを説明する図である。なお、後記の実施形態は、腹腔外から臓器や血管等のイメージを得ることのできる、X線透視法や他のエコー装置等を利用して、腎神経用超音波カテーテル10先端の超音波振動ユニット1が、焼灼対象の腎動脈(RA)近傍に達した後の状態(図1の状態)について説明する。
腎神経の焼灼に用いられる超音波カテーテル10は、超音波制御システム3と、超音波振動ユニット1を回転させる超音波振動ユニット回転手段(操作部22に内臓)とを有し、前記超音波制御システム3が、超音波振動子(CMUTアレイのチャネル)から超音波を発信させるアブレーションモードと、超音波振動子で超音波の送受信を交互に繰り返すエコーモードと、を切り替えて使用している。
これらを用いた腎神経用超音波カテーテル10の操作は、まず、カテーテル先端の超音波振動ユニット1部位が腎動脈RAの近傍に達したのを確認してから、図5(b)に示すエコーモードを用いて、周囲の腎動脈RAの血管断面をイメージングし、腎神経RNの分布を推定する。これは、主に血管の外膜周辺に分布する腎神経RNの分布領域を把握するために行う。
ついで、分布が確認された腎神経RNの近傍へ超音波振動ユニット1を進め、たとえば図7に示すワイヤ26等を展開させ、超音波振動ユニット1の位置を仮固定する。その位置で、前記と同様のエコーモードを用いたイメージングを行うことにより、後の照射時の超音波の収束点(集束距離)を調整することができる。
焼灼(アブレーション)時の発振超音波の集束距離の調整は、先に述べたアブレーションモードで行う。すなわち、図5(a)に示すアブレーションモードでは、超音波振動ユニット1(CMUTアレイ)上の超音波振動子を、図4(a)に示すようなチャネル単位で、発信(発振)タイミングを制御することにより、超音波ビームの集束距離および方向を調節している。
そして、本実施形態のCMUTアレイ11は、図4(a)のようにX軸方向の1列(一次元)に配列されているため、X軸方向の集束は電子的制御によって設定できる。しかし、Y軸方向の集束は超音波音響レンズによって行われるため、駆動周波数を調整することによって集束点(F)およびDOFを制御する。
なお、このような駆動周波数の変更による焦点の位置やDOFの制御(フォーカシング)は、静電容量型超音波振動子(CMUT)の広帯域周波数特性によって実現できる。従来の圧電素子の超音波振動子は、周波数帯域が狭いため、駆動周波数の変更は不可能である。ちなみに、本実施形態の腎神経用超音波トランスデューサは、たとえば、中心周波数が20MHzで、周波数帯域が100%の場合、10〜30MHzの範囲で駆動周波数を調整することができる。
これを、より詳しく説明すると、前記超音波振動ユニット1のCMUTアレイ(チャネル列)から発振される超音波ビームは、図6の原理図のように表すことができる。なお、この図において、「D」はアレイ(チャネル)の長さ(直径)、「Fgeo」は集束距離、「DOF」は被写界深度(Depth of Field)を示す。
本実施形態のような小形の超音波振動子において、超音波ビームの集束は、図6および下記式(2)で表されるように、アレイの長さ約〜2mm、Fgeo約4〜6mmの条件で、被写界深度(DOF)は、低い周波数(〜数MHz以下)において4〜6mm以上と長くなり、その帯域における集束距離や被写界深度の調整は難しい。
上記式(2)において、λは超音波の波長である。
すなわち、本実施形態のような4〜6mm程度の集束距離で、2〜3mm以下の被写界深度を保つためには、約15MHz以上の高い周波数のアレイ素子が必要となる。しかしながら、従来既存の圧電セラミックス(PZT)の超音波素子アレイでは、10MHz程度が駆動周波数の限界である。
これに対して、本実施形態のCMUTアレイは、微小電気機械的システム(MEMS)技術により、発振周波数15MHz以上の高周波数のアレイ素子の作製が可能となる。また、これを搭載する、本実施形態の超音波振動ユニット1は、4〜6mm程度の集束距離を保ちながら、2〜3mm以下の被写界深度を確保することができる。
つぎに、本実施形態の腎神経用超音波カテーテル10の操作においては、超音波の焼灼(アブレーションモード)と、イメージング(エコーモード)とを一定のタイミングで繰り返すことによって、腎神経RNの分布を把握しながら、焦点Fを調節することができる。通常、前記超音波制御システム3は、アブレーションモードとイメージング(エコーモード)とを、毎秒1回以上交互に切り替えることができるように構成されている。
具体的には、図5(c)のように、所定のタイミングでアブレーションモード〔図5(a)〕と、エコーモード〔図5(b)〕とを繰り返し、超音波の集束位置(焦点F)を調整する。
本実施形態においては、腎神経用超音波カテーテル10は、アブレーションモード(超音波送信)を0.02秒間実施し、エコーモード(超音波送受信)を0.01秒間実施することを1周期(1ターン)として、これを複数回繰返す。すなわち、アブレーションモード(超音波送信)においては、たとえば、周波数20MHzの超音波パルスを0.02秒にわたって発振する。
また、エコーモード(超音波送受信)においては、たとえば0.001秒間の超音波パルスの送信と0.001秒間のエコーの受信とを1サイクルとして、これを5サイクル程度繰り返し、腎動脈RAの血管壁およびその近傍の断面のイメージングを行う。
このように、アブレーションモードの動作では、集束超音波の送信のみを行い、エコーモードの動作では、主にイメージングの送受信動作を行う。なお、本実施形態の腎神経用超音波カテーテル10は、イメージング無しでアブレーションのみの動作を行うこともできる。
また、上記腎神経用超音波カテーテル10は、エコーモード(イメージング)により、対象部位(腎神経RN周り)の固さの変化を計測し、このデータから温度変化を計測する。具体的には、超音波照射によって細胞の硬さが変更される場合、そこを通る超音波の音速が線形的に変化するので、そのデータを補正・計算することにより、細胞の硬さ変化を知ることができる。これにより、本実施形態の腎神経用超音波カテーテル10は、治療部位周辺の壊死等を発生させることなく、焼灼治療の進捗を判断することができる。したがって、より安全な治療が可能になる。
前記構成とモード切り替え操作の結果、本実施形態の腎神経用超音波カテーテル10は、エコーモードにより腎神経等の照射対象の分布を認識しながら、その位置でアブレーションモードに切り替え、対象部位に効果的に超音波を照射することができた。また、これにより、血管の狭窄等を引き起こす原因となる血管内壁の損傷(火傷等)や壊死の発生を抑制することができた。
なお、本実施形態の腎神経用カテーテル10は、目的の治療部位(細い血管内)に到達して超音波を照射する際に、その位置がずれないように、図7,図8に図示するような、超音波振動ユニット1の位置を血管内で保持するためのワイヤ26やバルーン27等が配設されている。
ワイヤ26を構成する材料には、チタン合金,純チタン,ステンレス(SUS),CoCr系合金等の金属や、ポリイミド,ポリアミド,ポリエーテルエーテルケトン,PDMS(Polydimethylsiloxane)等の樹脂が使用可能で、なかでも、超音波の照射に比較的影響を与えず、展開−折り畳みの繰り返しに耐える適度な柔軟性を有することから、チタン合金製のワイヤが好適に用いられる。
バルーン27を構成する材料には、生体適合性と適度な弾性を備えた樹脂系材料、たとえばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリウレタン,ポリエステル,ポリテトラフルオロエチレン,ポリアミド,ポリジメチルシロキサン,ラテックス等の樹脂、および、これらの素材の組み合わせが使用できる。なかでも、超音波の照射に影響を与えず、展開−折り畳みの繰り返しに耐える適度な柔軟性を有することから、ポリウレタン(ポリウレタンエラストマー)製のバルーンが好適に用いられる。
そして、超音波の照射(焼灼)を行う際は、図7(ワイヤ)および図8(バルーン)のように、トランスデューサハウジング25(超音波振動ユニット1)の周りにワイヤ等を展開させ、CMUTアレイ11の表面から腎動脈の血管内壁およびその外側に存在する腎神経までの距離をできるだけ一定に維持した状態で、超音波の照射を行う。
なお、バルーン27の展開(膨張)には、前記音響インピーダンスマッチング用液体と同等の液体(通常は、生理食塩水と造影剤の混合液)が用いられる。このバルーン27内の液体は、血管内壁の冷却のために循環しても良いし、循環しなくても良い。また、バルーン27の外周面には、腎動脈の血流を止めてしまうことのないように、血管壁との間に隙間を作るための凹凸が形成されている。
一方、カテーテルユニット2の近位側の手元操作部(操作部22)は、ワイヤ26やバルーン27等を膨張させるための機構と、超音波振動ユニット1を回転させるための超音波振動ユニット回転手段を、備えている。
さらに、シース23の表面(外周面)は、樹脂のまま、あるいは表面修飾処理等により、その表面を実質的に潤滑性,親水性を有するものとすることができる。また、シース23は、シャフト24だけではなく、その内側に、ルーメンと呼ばれる複数のワイヤ軸(ガイドルーメンや、ドライブルーメン等)を挿通する構成としてもよい。
また、カテーテルユニット2のシャフト24は、たとえばNi−Ti系合金等、弾性に富む金属または合成樹脂等で形成される。なお、カテーテルの先端部にバルーンが配設されている場合、このシャフト24とシース23との間には、バルーン27に液体を供給するための輸液路が形成される。また、シース23の内側には、先端部の超音波振動ユニット1制御用の複数の信号線(信号ワイヤ)が挿通されることもある。
そして、カテーテル本体21は、柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)および細径化の観点から、その外径(シース23の外径)は、通常0.3〜3mm、好ましくは0.5〜2.0mmに設定される。
以上の構成により、本実施形態の腎神経用超音波カテーテル10は、従来のアブレーションカテーテルに比べ、カテーテル先端のアブレーションユニット(超音波振動ユニット1)を、大幅に小形化することができた。ちなみに、本実施形態のような、チャネルが1列配列の超音波振動ユニット1〔図2(a)〕の場合で、シャフト24およびアレイ長手方向(X軸方向)のユニットサイズは約3mm以下、アレイ短手(幅)方向(Y軸方向)のユニット幅は0.5〜2.0mm程度であり、円筒状のユニットの直径は、1.5mmφ程度に収まるようになっている。この小形化により、本実施形態のアブレーションカテーテル10は、従来のアブレーションカテーテルより、細い血管(腎動脈RA)内にまで到達させることが可能となった。
1 超音波振動ユニット
2 カテーテルユニット
3 制御手段
10 カテーテル
11 CMUTアレイ
12 基板
13 基板側電極
14 振動膜
15 膜側電極
16 コントローラ
17 集積回路
18 ユニット基板
19 貫通電極
19A 導電性バンプ
21 カテーテル本体
22 操作部
23 シース
24 シャフト
25 トランスデューサハウジング
26 ワイヤ
27 バルーン
AA 腹部大動脈
RA 腎動脈
RN 腎神経

Claims (9)

  1. 哺乳類の腎神経伝達を非活性化するために生体内に挿入される医療用のカテーテルであって、
    管状のカテーテル本体と該カテーテル本体の近位側の根元部に配設された操作部とからなるカテーテルユニットと、
    前記カテーテル本体の遠位側の先端部に回転可能に配設された超音波振動ユニットと、
    該超音波振動ユニットを、前記カテーテル本体の長手方向の軸を回転軸として回転させる超音波振動ユニット回転手段と、
    前記超音波振動ユニットを制御する制御手段と、を備え、
    前記超音波振動ユニットは、複数の微小機械形の超音波振動素子からなる静電容量型超音波トランスデューサアレイ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer Array)を含み、
    該静電容量型超音波トランスデューサアレイは、隣接する複数の超音波振動素子が同調して動作する領域ごとに複数のブロックに分画され、これらのブロックが、前記回転軸の軸方向に沿った1列状に配列されていることを特徴とする腎神経用超音波カテーテル。
  2. 前記制御手段が、前記各ブロックの発振タイミングと発振周波数とを調整して、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイが発振する超音波の集束距離と被写界深度(Depth of Field)とを調節する焦点調節機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の腎神経用超音波カテーテル。
  3. 前記制御手段が、
    前記静電容量型超音波トランスデューサアレイから超音波を発振させるアブレーションモードと、
    前記静電容量型超音波トランスデューサアレイで血管断面の超音波映像を構成するための、超音波の送受信を交互に繰り返すエコーモードと、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の腎神経用超音波カテーテル。
  4. 前記超音波ユニットが、中空円筒状の収納容器に収容され、該収納容器の内部に、音響インピーダンスマッチング用の液体が充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の腎神経用超音波カテーテル。
  5. 前記中空円筒状の収納容器が、その材質の音響特性および構造によって、超音波集束のためのレンズの役割を果たし、前記回転軸に直交する方向に放射される拡散超音波を集束させることを特徴とする請求項4に記載の腎神経用超音波カテーテル。
  6. 前記中空円筒状の収納容器が、超音波集束のためのレンズの役割を果たさない場合、前記超音波振動ユニットは、前記静電容量型超音波トランスデューサアレイの表面に、超音波を集束させる超音波音響レンズを備えていることを特徴とする請求項4に記載の腎神経用超音波カテーテル。
  7. 前記超音波振動ユニットの周囲に、カテーテル本体の軸方向に延びる展開用ワイヤが複数本配設され、
    各ワイヤをカテーテル本体の径方向に展開させてこれらワイヤが腎動脈の内壁に当接した状態で、前記各ワイヤは、前記超音波振動ユニットを、前記腎動脈の中央部に前記カテーテル本体の軸を回転軸とする回転自在に保持することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の腎神経用超音波カテーテル。
  8. 前記超音波振動ユニットの周囲に、カテーテル本体の径方向に展開可能なバルーンが配設され、
    前記バルーンを展開させ該バルーンの外周が腎動脈の内壁に当接した状態で、前記バルーンは、前記超音波振動ユニットを、前記腎動脈の中央部に前記カテーテル本体の軸を回転軸とする回転自在に保持することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の腎神経用超音波カテーテル。
  9. 前記超音波振動ユニット用の水冷システムを持たないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の腎神経用超音波カテーテル。
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