JP2018100309A - 電着塗料組成物、電着塗料組成物用触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができる有機錫フリーのカチオン電着塗料組成物及びこの組成物用触媒を提供する。【解決手段】本発明によれば、ビスマス化合物(A)を含有する電着塗料組成物用触媒であって、前記ビスマス化合物(A)は、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子をもつことを特徴とする電着塗料組成物用触媒が提供される。【選択図】なし
Description
本発明は、有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができる有機錫フリーの電着塗料組成物、及びこの組成物に含有され且つ架橋反応を促進する触媒に関する。
金属材料を腐蝕から保護しその美感を使用期間中維持するため、その表面には一般に塗装が施される。電着塗装は、自動車、電気器具等、袋部構造を有する部材に対し、エアースプレー塗装や静電スプレー塗装と比較して、付き回り性に優れ、また環境汚染性も少ないことから、プライマー塗装として広く実用化されるに至っている。特にカチオン電着塗装は、連続的に塗装することができるので、自動車車体等の大型で、高い耐食性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として汎用されている。
カチオン電着塗装は、一般にカチオン性樹脂および硬化剤を含むバインダー成分を、有機酸等の中和剤を含む水性媒体中に分散させてなるカチオン電着塗料組成物中に被塗物を陰極として浸漬させ、電圧を印加することにより行われる。
塗装の過程において電極間に電圧を印加すると、電気化学的な反応により陰極(被塗物)表面で電着塗膜が析出する。このように形成された電着塗膜にはカチオン性樹脂とともに硬化剤が含まれるので、電着塗装終了後、当該塗膜を焼き付けることによって、塗膜が硬化し、所望の硬化塗膜が形成される。
カチオン電着塗料組成物に使用されるカチオン性樹脂としては、耐食性の観点から、アミン変性エポキシ樹脂が使用され、硬化剤として、ポリイソシアネートをアルコール等のブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネート等が使用されてきた。
さらに、塗膜の諸性能の目安である硬化性を向上させるために、硬化剤による架橋反応を促進する触媒を添加することが行われ、代表的な触媒として、有機錫化合物が使用されてきた。
しかし、有機錫化合物は、塗装ラインの焼き付け炉の脱臭触媒被毒の原因となり得、また、昨今の有機錫化合物に対する環境規制動向から今後の使用が制限される可能性もあるため、有機錫化合物に代わる触媒を使用するカチオン性電着塗料組成物の開発が強く望まれてきた。
前記有機錫化合物の代替触媒として、スルホン酸ビスマス化合物を用いたカチオン性電着塗料組成物が提案されている(特許文献1)。しかし、スルホン酸ビスマス化合物、特にメタンスルホン酸ビスマス塩のような水溶性化合物は、連続的に使用される電着塗料組成物用の硬化触媒としては適さない。例えば、特許文献2に記載されているように、水溶性の触媒化合物は、その塩が限外濾過において収容され、連続的に電着塗料から取り出される。つまり、顔料触媒分散ペーストに包含された触媒化合物が、エマルション溶液中に加えられた後、その塩が水溶性の場合、顔料触媒分散ペーストから離脱し、水層のほうへ溶け出てしまい、電着塗料組成物を連続的に塗工する過程で、水層へ溶解した塩が限外濾過において系外へ排出され、触媒として活用されない問題が生じ得る。そのため、連続塗工サイクルにおいて触媒としての効果を安定的に発現することが難しく、上記スルホン酸ビスマス化合物のような水溶性化合物は、実用的に満足できるものではなかった。
このように、有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができる有機錫フリーのカチオン電着塗料組成物はこれまでになかった。
このように、有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができる有機錫フリーのカチオン電着塗料組成物はこれまでになかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができる有機錫フリーのカチオン電着塗料組成物及びこの組成物用触媒を提供することを目的とする。
本発明によれば、ビスマス化合物(A)を含有する電着塗料組成物用触媒であって、前記ビスマス化合物(A)は、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子をもつことを特徴とする電着塗料組成物用触媒が提供される。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、多くの物質について触媒性能を評価したところ、上記ビスマス化合物(A)が非常に優れた特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者らは表3に示すようにo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸からビスマス化合物(A)を合成して、水への溶解試験を行ったところ良好な結果が得られた。一方、従来技術であるメタンスルホン酸ビスマス化合物は、水に完全に溶解してしまった。
また、ビスマス化合物(A)の触媒活性を確認するため電着硬化試験を実施したところ、表2に示すように、優れた結果が得られることが分かった。
また、ビスマス化合物(A)の触媒活性を確認するため電着硬化試験を実施したところ、表2に示すように、優れた結果が得られることが分かった。
以上の結果により、本発明のビスマス化合物(A)は従来技術のビスマス化合物と比較して水不溶の性質をもち、かつカチオン電着樹脂に対して優れた触媒活性を示す触媒であることが分かった。
本発明によれば、有機錫化合物を使用せずに、これを配合した場合と同等ないしはそれ以上の硬化性、防食性、仕上がり性に優れたカチオン性電着塗料組成物及びこの組成物用触媒を提供することができる。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明の電着塗料組成物は、ビスマス化合物(A)を含有する電着塗料組成物用触媒と、基体樹脂(B)を含有する。
本発明の電着塗料組成物は、ビスマス化合物(A)を含有する電着塗料組成物用触媒と、基体樹脂(B)を含有する。
<電着塗料組成物用触媒>
本発明の電着塗料組成物用触媒は、ビスマス化合物(A)を含有する。
本発明の電着塗料組成物用触媒は、ビスマス化合物(A)を含有する。
<<ビスマス化合物(A)>>
ビスマス化合物(A)はo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子を有する化合物である。
前記ビスマス化合物(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸と酸化ビスマス(Bi2O3)とを反応させることによって製造することが出来る。ビスマス化合物(A)は具体的には以下の方法により製造することが出来る。
例えば、酸化ビスマスとo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸をモル比1〜6、好ましくは1.0〜3.0の範囲で反応させることにより得られる。
反応溶媒は特に制限がないが、通常、水を溶媒として製造することが出来る。反応温度は特に制限がないが、通常、60〜100℃の範囲で反応させる。このようにして得られた反応物をろ過、乾燥してビスマス化合物(A)を得ることができる。必要に応じて、溶媒による洗浄により精製することもできる。
前記ビスマス化合物(A)は、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸がスルホネートとしてビスマスに結合した化合物であり、ビスマス原子1つあたりの該配位子は、好ましくは0.1〜3であり、さらに好ましくは0.5〜1である。
ビスマス化合物(A)はo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子を有する化合物である。
前記ビスマス化合物(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸と酸化ビスマス(Bi2O3)とを反応させることによって製造することが出来る。ビスマス化合物(A)は具体的には以下の方法により製造することが出来る。
例えば、酸化ビスマスとo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸をモル比1〜6、好ましくは1.0〜3.0の範囲で反応させることにより得られる。
反応溶媒は特に制限がないが、通常、水を溶媒として製造することが出来る。反応温度は特に制限がないが、通常、60〜100℃の範囲で反応させる。このようにして得られた反応物をろ過、乾燥してビスマス化合物(A)を得ることができる。必要に応じて、溶媒による洗浄により精製することもできる。
前記ビスマス化合物(A)は、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸がスルホネートとしてビスマスに結合した化合物であり、ビスマス原子1つあたりの該配位子は、好ましくは0.1〜3であり、さらに好ましくは0.5〜1である。
本発明の電着塗料組成物中におけるビスマス化合物(A)の含有量は、特に制限されないが、通常、電着塗料組成物中の基体樹脂(B)と硬化剤(C)の合計固形分100質量部に対して、0.2〜10質量部、好ましくは、0.3〜6.0質量部、更に好ましくは、0.4〜4.0質量部である。添加量が前記範囲外であっても特に塗料性能に大きな問題は生じないが、上記0.2〜10質量部の範囲内であれば、硬化性、防食性、電着塗料の安定性等の実用的なバランスが良くなる。
<<基体樹脂(B)>>
基体樹脂(B)としては、エポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリエステル系などのいずれの樹脂でもカチオン性基を導入することにより使用することができる。なかでも、カチオン性基を有するエポキシ変性樹脂が好ましい。
基体樹脂(B)としては、エポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリエステル系などのいずれの樹脂でもカチオン性基を導入することにより使用することができる。なかでも、カチオン性基を有するエポキシ変性樹脂が好ましい。
上記エポキシ変性樹脂は、出発原料であるエポキシ樹脂が有するエポキシ環を、1級アミン、2級アミン等のアミン類、3級アミンと酸との反応生成物である4級アンモニウム塩、スルフィドと酸との混合物等との反応によって開環して製造される。なお、本明細書における「カチオン性基」とは、そのもの自身がカチオンであるもの及び酸を加えることによってカチオンとなるものを意味する。
上記エポキシ変性樹脂の製造に使用されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であり、一般に少なくとも200、好ましくは、400〜4000、更に好ましくは、800〜3000の範囲の数平均分子量を有するものが適しており、特に、ポリフェノール化合物とエピクロロヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
前記ポリエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
前記ポリエポキシド化合物は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物などと一部反応させたものであっても良い。また、前記ポリエポキシド化合物は、更に、ε―カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合させたものでも良い。
エポキシ環を開環し、アミノ基を導入する際に使用するアミン類としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール等の1級アミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン等の2級アミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のポリアミン、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミン等のケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンも使用することができる。
また、N,N−ジメチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の3級アミンと酸の反応生成物である4級アンモニウム塩をエポキシ環の開環に使用することができる。
スルフィドと酸との混合物との反応によってエポキシ環を開環する例として、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフィド、チオジエタノール、チオジプロパノール、チオジブタノール、1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-プロパノール、1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3-プロパンジオール、1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-ブタノール等が挙げられる。
前記で使用する酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、スルファミン酸等が挙げられる。
基体樹脂(B)は、外部架橋型及び内部(又は自己)架橋型のいずれのタイプのものであってもよい。架橋反応は、架橋部と、これと反応する活性水素含有部(例:アミノ基、水酸基)とが必要であるので、架橋部と活性水素含有部の両方が基体樹脂(B)に含まれている場合には内部架橋型となり、これらのうちの一方のみが基体樹脂(B)に含まれている場合には外部架橋型となる。
内部架橋型のタイプとしては、例えば、基体樹脂(B)の分子中に、ブロックイソシアネート基等を導入したものが挙げられる。基体樹脂(B)中へのブロックイソシアネート基の導入方法は、既知の方法を用いることができ、例えば、部分ブロックしたポリイソシアネート化合物中の遊離のイソシアネート基と基体樹脂中の活性水素含有部とを反応させることによって導入することができる。
本発明における電着塗料組成物には、前記ビスマス化合物(A)及び基体樹脂(B)のほかに、必要に応じて、硬化剤(C)、中和剤(D)、その他の添加剤等を配合することができる。
<<硬化剤(C)>>
前記基体樹脂(B)が外部架橋型の樹脂の場合、併用される硬化剤(C)としては、架橋部を有する架橋剤(例:ブロックポリイソシアネート化合物)や、活性水素含有部を有する化合物(例:アミノ基、水酸基等を含有する樹脂)が挙げられる。より具体的には、基体樹脂(B)に活性水素含有部が含まれている場合には、硬化剤として架橋剤を用いることが好ましく、基体樹脂(B)に架橋部が含まれている場合には、硬化剤として活性水素含有部を有する化合物を用いることが好ましい。
前記基体樹脂(B)が外部架橋型の樹脂の場合、併用される硬化剤(C)としては、架橋部を有する架橋剤(例:ブロックポリイソシアネート化合物)や、活性水素含有部を有する化合物(例:アミノ基、水酸基等を含有する樹脂)が挙げられる。より具体的には、基体樹脂(B)に活性水素含有部が含まれている場合には、硬化剤として架橋剤を用いることが好ましく、基体樹脂(B)に架橋部が含まれている場合には、硬化剤として活性水素含有部を有する化合物を用いることが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物は、各々理論量のポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とを付加反応させて得ることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどの芳香族、又は脂肪族のポリイソシアネート化合物、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物を挙げることができる。
イソシアネートブロック剤としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定で且つ約100〜200℃に加熱した際、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
ブロック剤としては、例えば1−クロロ−2−プロパノール、エチレンクロルヒドリン等のハロゲン化炭化水素類、フルフリルアルコール、アルキル基置換フルフリルアルコール等の複素環式アルコール類、フェノール、m−クレゾール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等の活性メチレン化合物類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
アルコール類及びグリコールエーテル類のブロック剤解離温度は、オキシム類、活性メチレン化合物類、ラクタム類の解離温度よりも高い。しかし、アルコール類及びグリコールエーテル類は、他のブロック剤と比較して安価のため、自動車車体等の大型で経済性が要求される分野において一般的に使用されている。
前記、基体樹脂(B)/硬化剤(C)の固形分質量比は、好ましくは20/80〜90/10、より好ましくは25/75〜85/15、更に好ましくは30/70〜80/20である。
<<中和剤(D)>>
本発明の電着塗料組成物は、前記成分を水分散するための中和剤(D)をさらに含むことができる。中和剤(D)としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの脂肪族カルボン酸、スルファミン酸等が挙げることができる。この中和剤(D)の量は、上記基体樹脂(B)中のアミノ基の量によって異なるものであり、水分散できる量であればよく、電着塗料のpHを3.0〜9.0の範囲に保つ量であればよい。本発明では前記基体樹脂(B)に含まれるアミノ基を中和するのに必要な中和剤(D)の当量数は、0.25〜1.5、好ましくは0.5〜1.25である。前記範囲にある場合、組成物の仕上り性、つきまわり性、低温硬化性などの向上の効果が得られる。
本発明の電着塗料組成物は、前記成分を水分散するための中和剤(D)をさらに含むことができる。中和剤(D)としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの脂肪族カルボン酸、スルファミン酸等が挙げることができる。この中和剤(D)の量は、上記基体樹脂(B)中のアミノ基の量によって異なるものであり、水分散できる量であればよく、電着塗料のpHを3.0〜9.0の範囲に保つ量であればよい。本発明では前記基体樹脂(B)に含まれるアミノ基を中和するのに必要な中和剤(D)の当量数は、0.25〜1.5、好ましくは0.5〜1.25である。前記範囲にある場合、組成物の仕上り性、つきまわり性、低温硬化性などの向上の効果が得られる。
<<その他の添加剤>>
本発明の電着塗料組成物には、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、有機溶剤、顔料分散剤、塗面調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの慣用の塗料添加物を配合することができる。
本発明の電着塗料組成物には、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、有機溶剤、顔料分散剤、塗面調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの慣用の塗料添加物を配合することができる。
<電着塗料組成物の製造方法>
本発明の電着塗料組成物は、上記成分を一括して混合することにより製造することができるが、以下のような方法でも製造することができる。
例えば、まず、基体樹脂(B)と硬化剤(C)を混合し、中和剤(D)を加える。水単独又は水と親水性有機溶剤の混合物である水性媒体中に、前記基体樹脂(B)・硬化剤(C)・中和剤(D)の混合物を分散させてエマルションを製造する。あるいは、基体樹脂(B)と硬化剤(C)を混合し、中和剤(D)を添加した水溶液又は中和剤(D)を添加した水と親水性有機溶剤の混合溶液に、前記基体樹脂(B)・硬化剤(C)の混合物を分散させてエマルションを製造する。
次いで、予め調製したカチオン性の顔料触媒分散用の基体樹脂(B)溶液に、上記ビスマス化合物(A)、その他添加物、顔料、顔料分散剤等を所定量加えて混合した後、必要に応じて、ボールミルやサンドミルなどの通常の分散装置を用いて混合物中の固体が一定の粒径以下になるまで良く分散させて顔料触媒分散ペーストを製造する。
最後に、前記エマルションと所定量の上記顔料触媒分散ペーストを良く混合し電着塗料組成物を製造する。
本発明の電着塗料組成物は、上記成分を一括して混合することにより製造することができるが、以下のような方法でも製造することができる。
例えば、まず、基体樹脂(B)と硬化剤(C)を混合し、中和剤(D)を加える。水単独又は水と親水性有機溶剤の混合物である水性媒体中に、前記基体樹脂(B)・硬化剤(C)・中和剤(D)の混合物を分散させてエマルションを製造する。あるいは、基体樹脂(B)と硬化剤(C)を混合し、中和剤(D)を添加した水溶液又は中和剤(D)を添加した水と親水性有機溶剤の混合溶液に、前記基体樹脂(B)・硬化剤(C)の混合物を分散させてエマルションを製造する。
次いで、予め調製したカチオン性の顔料触媒分散用の基体樹脂(B)溶液に、上記ビスマス化合物(A)、その他添加物、顔料、顔料分散剤等を所定量加えて混合した後、必要に応じて、ボールミルやサンドミルなどの通常の分散装置を用いて混合物中の固体が一定の粒径以下になるまで良く分散させて顔料触媒分散ペーストを製造する。
最後に、前記エマルションと所定量の上記顔料触媒分散ペーストを良く混合し電着塗料組成物を製造する。
<電着塗料組成物の塗装方法>
本発明の電着塗料組成物は、電着塗装によって所望の基材表面に塗装することができる。
電着塗装は、一般には、固形分濃度が約5〜40質量%となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを3.0〜9.0の範囲内に調整した本発明の電着塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴温15〜45℃に調整し、印加電圧100〜400Vの条件で行うことができる。
本発明の電着塗料組成物は、電着塗装によって所望の基材表面に塗装することができる。
電着塗装は、一般には、固形分濃度が約5〜40質量%となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを3.0〜9.0の範囲内に調整した本発明の電着塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴温15〜45℃に調整し、印加電圧100〜400Vの条件で行うことができる。
本発明の電着塗料組成物を用いて形成しうる電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、硬化塗膜に基づいて5〜40μm、特に10〜30μmの範囲内が好ましい。また、塗膜の焼き付け温度は、被塗物表面で一般に100〜200℃の範囲、好ましくは140〜180℃温度が適しており、焼き付け時間は5〜60分間、好ましくは10〜30分程度、被塗物表面が保持されることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
<ビスマス化合物(A)の製造>
<<製造例1:ビスマス化合物(A−1)の合成>>
窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口ナス型フラスコに、p-アミノベンゼンスルホン酸14.9g(85.8mmol)、精製水268gを量りこみ、バス温90℃で溶解させた後、酸化ビスマス20.0g(42.9mmol)を徐々に加え、6時間撹拌した。反応スラリー溶液を吸引ろ過、水洗を行い、白色固体のビスマス化合物(A−1)30.0gを得た。
<<製造例1:ビスマス化合物(A−1)の合成>>
窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口ナス型フラスコに、p-アミノベンゼンスルホン酸14.9g(85.8mmol)、精製水268gを量りこみ、バス温90℃で溶解させた後、酸化ビスマス20.0g(42.9mmol)を徐々に加え、6時間撹拌した。反応スラリー溶液を吸引ろ過、水洗を行い、白色固体のビスマス化合物(A−1)30.0gを得た。
<<製造例2:ビスマス化合物(A−2)の合成>>
窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口ナス型フラスコに、o-アミノベンゼンスルホン酸14.9g(85.8mmol)、精製水268gを量りこみ、バス温90℃で溶解させた後、酸化ビスマス20.0g(42.9mmol)を徐々に加え、6時間撹拌した。反応スラリー溶液を吸引ろ過、水洗を行い、白色固体のビスマス化合物(A−2)27.0gを得た。
窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口ナス型フラスコに、o-アミノベンゼンスルホン酸14.9g(85.8mmol)、精製水268gを量りこみ、バス温90℃で溶解させた後、酸化ビスマス20.0g(42.9mmol)を徐々に加え、6時間撹拌した。反応スラリー溶液を吸引ろ過、水洗を行い、白色固体のビスマス化合物(A−2)27.0gを得た。
<<製造例3:ビスマス化合物(H−1)の合成>>
窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口ナス型フラスコに、メタンスルホン酸8.3g(85.8mmol)、精製水268gを量りこみ、バス温90℃で溶解させた後、酸化ビスマス20.0g(42.9mmol)を徐々に加え、6時間撹拌した。反応生成物は水に溶解した。反応生成物の水溶液を濃縮乾固し、水溶性白色固体のビスマス化合物(H−1)27.0gを得た。
窒素導入管を取り付けた500mLの4つ口ナス型フラスコに、メタンスルホン酸8.3g(85.8mmol)、精製水268gを量りこみ、バス温90℃で溶解させた後、酸化ビスマス20.0g(42.9mmol)を徐々に加え、6時間撹拌した。反応生成物は水に溶解した。反応生成物の水溶液を濃縮乾固し、水溶性白色固体のビスマス化合物(H−1)27.0gを得た。
<製造例4:基体樹脂(B)の製造>
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた3Lの4つ口フラスコに、エポキシ樹脂「jER1004AF」(三菱化学社製、エポキシ当量896g/eq、平均分子量約1650):1425g(エポキシ基換算1.59mol)、エチレングリコールモノブチルエーテル(以下、ブチルセロソルブと表記):406gを仕込み、120℃油浴で加熱し攪拌して樹脂を溶解させた。ジエタノールアミン:175.5g(1.67mol)を滴下漏斗で内温95〜115℃の範囲で1時間かけて滴下し、滴下漏斗をブチルセロソルブ:64gで洗いこんだ。そのまま、内温115〜120℃の範囲で16時間加熱攪拌した。その後、攪拌しながら、ブチルセロソルブ:597gを30分かけて滴下し、そのまま50℃まで攪拌しながら放冷し、ジエタノールアミン付加エポキシ樹脂ブチルセロソルブ溶液(B)(固形分60%):2667gを得た。(B)の水酸基価を測定し、溶媒ブチルセロソルブの水酸基価を差し引き補正した樹脂固形分の水酸基価は、199mgKOH/g(OH基換算3.55mmol/g)であった。計算によるアミン含量は、0.63mmol/gであった。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた3Lの4つ口フラスコに、エポキシ樹脂「jER1004AF」(三菱化学社製、エポキシ当量896g/eq、平均分子量約1650):1425g(エポキシ基換算1.59mol)、エチレングリコールモノブチルエーテル(以下、ブチルセロソルブと表記):406gを仕込み、120℃油浴で加熱し攪拌して樹脂を溶解させた。ジエタノールアミン:175.5g(1.67mol)を滴下漏斗で内温95〜115℃の範囲で1時間かけて滴下し、滴下漏斗をブチルセロソルブ:64gで洗いこんだ。そのまま、内温115〜120℃の範囲で16時間加熱攪拌した。その後、攪拌しながら、ブチルセロソルブ:597gを30分かけて滴下し、そのまま50℃まで攪拌しながら放冷し、ジエタノールアミン付加エポキシ樹脂ブチルセロソルブ溶液(B)(固形分60%):2667gを得た。(B)の水酸基価を測定し、溶媒ブチルセロソルブの水酸基価を差し引き補正した樹脂固形分の水酸基価は、199mgKOH/g(OH基換算3.55mmol/g)であった。計算によるアミン含量は、0.63mmol/gであった。
<製造例5:硬化剤(C)ブロックポリイソシアネートの製造>
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた3Lの4つ口フラスコに、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート「スミジュール44V20」(住化バイエルウレタン社製、イソシアネート基含有率31.5%):798g(イソシアネート基換算6.0mol)を仕込み、攪拌しながら内温95℃まで加熱した。加熱を停止し、攪拌しながら、ブチルセロソルブ:1063g(9.0mol)を内温95〜120℃の範囲で2時間かけて滴下した。その後、加熱して内温115〜120℃の範囲で5時間攪拌した。その後、加熱を停止し、サンプリングしてIRスペクトルでイソシアネート基の吸収(2241cm−1)の消失を確認した。攪拌しながら、ブチルセロソルブ:290gを15分間かけて滴下し、そのまま50℃まで攪拌しながら放冷し、ブチルセロソルブでブロック化したポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートブチルセロソルブ溶液(C)(固形分70%):2150gを得た。計算による本溶液中のブロックイソシアネート基含量は、2.79mmol/gであった。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた3Lの4つ口フラスコに、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート「スミジュール44V20」(住化バイエルウレタン社製、イソシアネート基含有率31.5%):798g(イソシアネート基換算6.0mol)を仕込み、攪拌しながら内温95℃まで加熱した。加熱を停止し、攪拌しながら、ブチルセロソルブ:1063g(9.0mol)を内温95〜120℃の範囲で2時間かけて滴下した。その後、加熱して内温115〜120℃の範囲で5時間攪拌した。その後、加熱を停止し、サンプリングしてIRスペクトルでイソシアネート基の吸収(2241cm−1)の消失を確認した。攪拌しながら、ブチルセロソルブ:290gを15分間かけて滴下し、そのまま50℃まで攪拌しながら放冷し、ブチルセロソルブでブロック化したポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートブチルセロソルブ溶液(C)(固形分70%):2150gを得た。計算による本溶液中のブロックイソシアネート基含量は、2.79mmol/gであった。
<製造例6:エマルション溶液の製造>
製造例4で得たジエタノールアミン付加エポキシ樹脂ブチルセロソルブ溶液(B)(固形分60%):100g、製造例5で得たポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートブチルセロソルブ溶液(C)(固形分70%):128g、ブチルセロソルブ:21gを良く混合し、基体樹脂(B)及び硬化剤(C)の固形分60%ブチルセロソルブ溶液を調製した。
TKホモミキサーMARKII 2.5型(プライミクス社製)を備えた3Lビーカーに、イオン交換水:737g、酢酸:3.0g(50mmol)、ブチルセロソルブ:11gを仕込み、1000rpmで攪拌混合した。ホモミキサー回転数を12000rpmとし、内温を15〜20℃に保ちながら、上記基体樹脂(B)及び硬化剤(C)のブチルセロソルブ溶液を6時間かけて滴下し、そのまま、同温度範囲で6時間攪拌し、固形分15%のエマルション溶液:1000gを得た。
製造例4で得たジエタノールアミン付加エポキシ樹脂ブチルセロソルブ溶液(B)(固形分60%):100g、製造例5で得たポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートブチルセロソルブ溶液(C)(固形分70%):128g、ブチルセロソルブ:21gを良く混合し、基体樹脂(B)及び硬化剤(C)の固形分60%ブチルセロソルブ溶液を調製した。
TKホモミキサーMARKII 2.5型(プライミクス社製)を備えた3Lビーカーに、イオン交換水:737g、酢酸:3.0g(50mmol)、ブチルセロソルブ:11gを仕込み、1000rpmで攪拌混合した。ホモミキサー回転数を12000rpmとし、内温を15〜20℃に保ちながら、上記基体樹脂(B)及び硬化剤(C)のブチルセロソルブ溶液を6時間かけて滴下し、そのまま、同温度範囲で6時間攪拌し、固形分15%のエマルション溶液:1000gを得た。
<製造例7:顔料触媒分散用3級スルホニウム塩型樹脂溶液の製造>
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと表記):222.3g(1.00mol)、MIBK:39.5gを仕込み、撹拌しながら加熱して内温50℃まで昇温した。ブチルセロソルブ:118.2g(1.00mol)を内温47〜53℃に保ち2時間かけて滴下した。同温度範囲で10時間反応しブチルセロソルブハーフブロック化IPDI:380gを得た。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた500mLの4つ口フラスコに、2−メルカプトエタノール:75.3g(0.96mol)、MIBK:154gを仕込み攪拌して均一溶液とした。
ジメチルベンジルアミン:0.39g(2.9mmol)を添加し、攪拌しながら内温50℃まで昇温した。攪拌しながら、グリシドール:78.6g(1.06mol)を47〜53℃の範囲で2時間かけて滴下し、同温度範囲で5時間反応した。反応液を1Lナスフラスコに移し、50℃の湯浴で減圧濃縮(減圧度10−20mmHg)3時間し淡黄色粘張液体1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール:163gを得た。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた3Lの4つ口フラスコに、エポキシ樹脂「jER1001AF」(三菱化学社製、エポキシ当量468g/eq、平均分子量約900):234.5g(エポキシ基換算0.50mol)を仕込み、140℃の油浴で加熱攪拌して樹脂を溶融させた。
攪拌しながら、上記ブチルセロソルブハーフブロック化IPDI:190g(0.50mol)を、内温137〜143℃の範囲で1時間かけて滴下した。同温度範囲で2時間反応した後、ブチルセロソルブ:100g添加し70℃まで冷却した。撹拌しながら上記1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール:83g、ジメチロールプロピオン酸:59g(0.50mol)、イオン交換水:60gを添加した。内温67〜73℃の範囲で6時間攪拌後、ブチルセロソルブ:50gを添加し67〜73℃の範囲で12時間反応させた。ブチルセロソルブ:134.5g添加して希釈し攪拌しながら50℃まで放冷し顔料触媒分散用3級スルホニウム塩型樹脂溶液(固形分60%):910gを得た。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと表記):222.3g(1.00mol)、MIBK:39.5gを仕込み、撹拌しながら加熱して内温50℃まで昇温した。ブチルセロソルブ:118.2g(1.00mol)を内温47〜53℃に保ち2時間かけて滴下した。同温度範囲で10時間反応しブチルセロソルブハーフブロック化IPDI:380gを得た。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた500mLの4つ口フラスコに、2−メルカプトエタノール:75.3g(0.96mol)、MIBK:154gを仕込み攪拌して均一溶液とした。
ジメチルベンジルアミン:0.39g(2.9mmol)を添加し、攪拌しながら内温50℃まで昇温した。攪拌しながら、グリシドール:78.6g(1.06mol)を47〜53℃の範囲で2時間かけて滴下し、同温度範囲で5時間反応した。反応液を1Lナスフラスコに移し、50℃の湯浴で減圧濃縮(減圧度10−20mmHg)3時間し淡黄色粘張液体1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール:163gを得た。
窒素雰囲気下、攪拌装置、温度計、冷却器を備えた3Lの4つ口フラスコに、エポキシ樹脂「jER1001AF」(三菱化学社製、エポキシ当量468g/eq、平均分子量約900):234.5g(エポキシ基換算0.50mol)を仕込み、140℃の油浴で加熱攪拌して樹脂を溶融させた。
攪拌しながら、上記ブチルセロソルブハーフブロック化IPDI:190g(0.50mol)を、内温137〜143℃の範囲で1時間かけて滴下した。同温度範囲で2時間反応した後、ブチルセロソルブ:100g添加し70℃まで冷却した。撹拌しながら上記1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール:83g、ジメチロールプロピオン酸:59g(0.50mol)、イオン交換水:60gを添加した。内温67〜73℃の範囲で6時間攪拌後、ブチルセロソルブ:50gを添加し67〜73℃の範囲で12時間反応させた。ブチルセロソルブ:134.5g添加して希釈し攪拌しながら50℃まで放冷し顔料触媒分散用3級スルホニウム塩型樹脂溶液(固形分60%):910gを得た。
<製造例8:顔料触媒分散樹脂溶液の調製>
製造例7で得た顔料触媒分散用3級スルホニウム塩型樹脂溶液(固形分60%):250g、イオン交換水:594g、「ノニオンK−220」(日油社製、界面活性剤):6gを良く混合し顔料触媒分散樹脂溶液:850g(固形分17.6%)を調製した。
製造例7で得た顔料触媒分散用3級スルホニウム塩型樹脂溶液(固形分60%):250g、イオン交換水:594g、「ノニオンK−220」(日油社製、界面活性剤):6gを良く混合し顔料触媒分散樹脂溶液:850g(固形分17.6%)を調製した。
<製造例P1〜P3:顔料触媒分散ペーストの製造>
攪拌機を備えた100mlフラスコに、前記顔料触媒分散樹脂溶液と、ビスマス化合物または有機スズ化合物を表1に示す割合(質量部)で仕込み、10分間攪拌混合した。そこへガラスビーズ(粒子径2.5mm〜3.5mm):60gを加え、そのまま2時間攪拌し、ガラスビーズを濾別して、顔料触媒分散ペーストP1〜P3を製造した。
攪拌機を備えた100mlフラスコに、前記顔料触媒分散樹脂溶液と、ビスマス化合物または有機スズ化合物を表1に示す割合(質量部)で仕込み、10分間攪拌混合した。そこへガラスビーズ(粒子径2.5mm〜3.5mm):60gを加え、そのまま2時間攪拌し、ガラスビーズを濾別して、顔料触媒分散ペーストP1〜P3を製造した。
<実施例1〜2及び比較例1:電着塗料組成物の製造、評価>
エマルション溶液及び顔料触媒分散ペーストを表2に示す割合(質量部)で配合し、混合分散することにより電着塗料組成物を製造した。得られた電着塗料組成物について、以下に示す硬化試験を行った。その結果を表2に示す。
エマルション溶液及び顔料触媒分散ペーストを表2に示す割合(質量部)で配合し、混合分散することにより電着塗料組成物を製造した。得られた電着塗料組成物について、以下に示す硬化試験を行った。その結果を表2に示す。
(電着塗装硬化試験)
「パルボンドL3080」(日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8x70x150mmの冷間圧延鋼板(日本テストパネル社製標準試験板、(社)日本防錆技術協会認定品)を予め秤量し、電着塗料組成物中に浸漬し、これを陰極として電着塗装を各々4枚の試験板で行った。電着条件は、電圧300V、15秒通電、電着槽内塗料温度20〜30℃で実施した。電着塗装した塗膜はイオン交換水で水洗し6時間風乾した。その後、該試験板をギヤーオーブン(エスペック製、GPHH−202型)にて加熱焼き付けを行った。焼き付け条件は、170℃/20分、160℃/20分、各条件該試験板2枚ずつで実施した。各試験板を秤量して電着塗装硬化塗膜重量を算出した。その後、各試験板を20℃、16時間アセトン浴に浸漬し、風乾後、100℃1時間加熱乾燥した。各試験板を秤量しアセトン浸漬後の残存乾燥塗膜の重量を算出した。下式に従い、ゲル分率を算出し、以下の基準で塗膜の硬化性を評価した。
「パルボンドL3080」(日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8x70x150mmの冷間圧延鋼板(日本テストパネル社製標準試験板、(社)日本防錆技術協会認定品)を予め秤量し、電着塗料組成物中に浸漬し、これを陰極として電着塗装を各々4枚の試験板で行った。電着条件は、電圧300V、15秒通電、電着槽内塗料温度20〜30℃で実施した。電着塗装した塗膜はイオン交換水で水洗し6時間風乾した。その後、該試験板をギヤーオーブン(エスペック製、GPHH−202型)にて加熱焼き付けを行った。焼き付け条件は、170℃/20分、160℃/20分、各条件該試験板2枚ずつで実施した。各試験板を秤量して電着塗装硬化塗膜重量を算出した。その後、各試験板を20℃、16時間アセトン浴に浸漬し、風乾後、100℃1時間加熱乾燥した。各試験板を秤量しアセトン浸漬後の残存乾燥塗膜の重量を算出した。下式に従い、ゲル分率を算出し、以下の基準で塗膜の硬化性を評価した。
ゲル分率(%)=100×(アセトン浸漬後の残存塗膜重量(g))/(アセトン浸漬前の塗膜重量(g))
◎:95%以上
○:90%以上95%未満
△:80%以上90%未満
×:80%未満
◎:95%以上
○:90%以上95%未満
△:80%以上90%未満
×:80%未満
<実施例3〜4及び比較例2:水溶解試験>
各ビスマス化合物の5%水懸濁液を25℃、3日間撹拌した後、濾別し、濾液中のビスマス含量を測定し、下式に従い、水溶解度を算出した。その結果を表3に示す。
水溶解度(%)=濾液中のビスマス含量/ビスマス化合物中のビスマス含量×100
各ビスマス化合物の5%水懸濁液を25℃、3日間撹拌した後、濾別し、濾液中のビスマス含量を測定し、下式に従い、水溶解度を算出した。その結果を表3に示す。
水溶解度(%)=濾液中のビスマス含量/ビスマス化合物中のビスマス含量×100
(考察)
表3に示すようにo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子を含むビスマス化合物A−1及びA−2は、どちらも、水溶解度が非常に小さかった。一方、従来技術であるメタンスルホン酸ビスマス化合物は、水に完全に溶解してしまった。
また、表2に示すように、ビスマス化合物A−1及びA−2は、どちらも、硬化試験において、有機スズと同等の優れた結果が得られた。
以上の結果により、本発明のビスマス化合物(A)は従来技術のビスマス化合物と比較して水不溶の性質をもち、かつカチオン電着樹脂に対して優れた触媒活性を示す触媒であることが分かった。
表3に示すようにo-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子を含むビスマス化合物A−1及びA−2は、どちらも、水溶解度が非常に小さかった。一方、従来技術であるメタンスルホン酸ビスマス化合物は、水に完全に溶解してしまった。
また、表2に示すように、ビスマス化合物A−1及びA−2は、どちらも、硬化試験において、有機スズと同等の優れた結果が得られた。
以上の結果により、本発明のビスマス化合物(A)は従来技術のビスマス化合物と比較して水不溶の性質をもち、かつカチオン電着樹脂に対して優れた触媒活性を示す触媒であることが分かった。
Claims (3)
- ビスマス化合物(A)を含有する電着塗料組成物用触媒であって、前記ビスマス化合物(A)は、o-アミノベンゼンスルホン酸またはp-アミノベンゼンスルホン酸から調製した配位子をもつことを特徴とする電着塗料組成物用触媒。
- 請求項1に記載の電着塗料組成物用触媒と基体樹脂(B)とを含有する電着塗料組成物。
- 前記基体樹脂(B)がブロックイソシアネート基を含有するか、前記電着塗料組成物がブロックポリイソシアネート化合物からなる硬化剤(C)を含有する、請求項2に記載の電着塗料組成物。
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