JP2018098268A - ブランキング偏向器及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

ブランキング偏向器及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Abstract

【目的】マルチビーム描画においてコンパクトなサイズでマルチビーム全体を高速でビームON/OFFを繰り返すように偏向可能なブランキング偏向器を提供する。【構成】本発明の一態様のブランキング偏向器は、平板状の第1の電極14と、前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極12と、前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と前記第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極16と、を有し、前記第1と第2と第3の電極によって、前記第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、前記第1の電極と第3の電極との間の前記第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、前記第1の電極と、前記第2と第3の電極との間に前記入力側から電圧信号が加えられることで、前記マルチビームをブランキング制御用に偏向することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、ブランキング偏向器及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置に係り、例えば、マルチビーム描画のブランキング制御に用いる偏向器に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、マスクブランクスへ電子線を使ってマスクパターンを描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、マスク像が縮小されて、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される。
ここで、マルチビーム描画では、高精度の描画を行うに際して、試料上の各々の位置に指定された照射量を与えるために、個々のビームの照射量を照射時間により個別に制御する。かかる各ビームの照射量を高精度に制御するためには、ビームのON/OFFを行うブランキング制御を高速で行う必要がある。従来、マルチビーム方式の描画装置では、マルチビームの各ブランキング電極を配置したブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載していた。そして、各ビームに対して独立に制御していた。例えば、全ビームの制御回路にビームONのトリガ信号を送る。各ビームの制御回路はトリガ信号によりビームON電圧を電極に印加すると同時に、照射時間をカウンタによりカウントし、照射時間が終了するとビームOFF電圧を印加していた。かかる制御には、例えば、10ビットの制御信号で制御していた。しかし、ブランキングプレート上での回路を設置するスペースや使用可能な電流量に制限があるため、制御信号の情報量に対して簡単な回路にせざるを得ず、高速高精度な動作が可能なブランキング回路を内蔵することが困難であった。さらに、ブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載することで、マルチビームのピッチを狭めることへの制限にもなっていた。
かかる問題に対して、発明者は、従前、1つ1つのビーム用の個別のブランキング電極とは別に、マルチビームの光路後段においてマルチビームの外側にマルチビーム全体を挟むように偏向器を設けて、かかる偏向器によりマルチビーム全体を高速に一括偏向することで露光時間を制御する機構を提案した(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−112639号公報
ここで、マルチビームでは、ビーム本数が多いため、マルチビーム全体のビーム径がシングルビームと比べて非常に大きくなる。かかるマルチビーム全体を例えば同軸構造の偏向器を用いて高速でビームON/OFFを繰り返すように偏向しようとしても、ビームが通過する通過口のサイズをマルチビーム全体のビーム径まで大きくすることは困難である。また、例えば平行平板型の偏向器で偏向しようとすると、マルチビーム全体のビーム径まで偏向器を構成する2つの電極間の隙間を広げることは可能となるが、高速でビームON/OFFを繰り返すように偏向するためには、隙間を広げた分、2つの電極の幅が非常に大きくなってしまう。そのため、コンパクトな構造の偏向器が望まれている。
そこで、本発明は、マルチビーム描画においてコンパクトなサイズでマルチビーム全体を高速でビームON/OFFを繰り返すように偏向可能なブランキング偏向器およびマルチ荷電粒子ビーム描画装置を提供する。
本発明の一態様のブランキング偏向器は、
平板状の第1の電極と、
第1の電極から電気的に分離され、第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極と、
第1の電極から電気的に分離され、第1の電極と第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極と、
を備え、
第1と第2と第3の電極によって、第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、
第1の電極と第3の電極との間の第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、
第1の電極と、第2と第3の電極との間に入力側から電圧信号が加えられることで、マルチビームをブランキング制御用に偏向することを特徴とする。
また、伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有する同軸ケーブルが伝送線路の入力側に接続され、同軸ケーブルから電圧信号が印加され、
伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有する終端抵抗が伝送線路の出力側に接続されると好適である。
また、第1と第2と第3の電極板は、共に、蛇行しながら延びる板状部材により形成されると好適である。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームを放出する放出部と、
複数の第1の開口部が形成され、複数の第1の開口部全体を含む領域に荷電粒子ビームの照射を受け、荷電粒子ビームの一部が複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
平板状の第1の電極と、
第1の電極から電気的に分離され、第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極と、
第1の電極から電気的に分離され、第1の電極と前記第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極と、
を有し、
第1と第2と第3の電極によって、第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、第1の電極と第3の電極との間の第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、第1の電極と、第2と第3の電極との間に入力側から電圧信号が加えられることで、マルチビームをブランキング制御用に偏向するブランキング偏向器と、
ブランキング制御によりビームOFFの状態になるように偏向されたマルチビーム全体を一括して遮蔽する制限アパーチャ基板と、
ブランキング制御によりビームONの状態で制限アパーチャ基板を通過したマルチビームを用いて描画される試料を載置するステージと、
を備え、
ブランキング偏向器は、偏向したマルチビームの軌道の延長線が光軸と交差する高さ位置が成形アパーチャアレイ基板の中心高さ位置になるように偏向することを特徴とする。
本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームを放出する放出部と、
複数の第1の開口部が形成され、複数の第1の開口部全体を含む領域に荷電粒子ビームの照射を受け、荷電粒子ビームの一部が複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
平板状の第1の電極と、
第1の電極から電気的に分離され、第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極と、
第1の電極から電気的に分離され、第1の電極と前記第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極と、
を有し、
第1と第2と第3の電極によって、第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、第1の電極と第3の電極との間の第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、第1の電極と、第2と第3の電極との間に入力側から電圧信号が加えられることで、マルチビームをブランキング制御用に偏向するブランキング偏向器と、
ブランキング制御によりビームOFFの状態になるように偏向されたマルチビーム全体を一括して遮蔽する制限アパーチャ基板と、
ブランキング制御によりビームONの状態で制限アパーチャ基板を通過したマルチビームを用いて描画される試料を載置するステージと、
を備え、
第1の電極と第3の電極との間の第2の隙間は、マルチビーム全体のビーム径に応じて変化することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、マルチビーム描画においてコンパクトなサイズでマルチビーム全体を高速でビームON/OFFを繰り返すように偏向できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 実施の形態1の比較例における共通ブランキング偏向器の構成を示す上面図である。 実施の形態1における共通ブランキング偏向器の構成を示す上面図である。 実施の形態1における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。 実施の形態1における共通ブランキング偏向器内を進む電位の進行波と電子ビーム中の電子の速度との関係を時系列に示す図である。 実施の形態1における共通ブランキング偏向器内を進む電位の進行波と電子ビーム中の電子の速度との関係を示すグラフ図である。 実施の形態1における磁場と電圧信号の伝播方向との関係を示す図である。 実施の形態1における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例を示す図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の構成を示す断面図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構のメンブレン領域内の構成の一部を示す上面概念図である。 実施の形態1の個別ブランキング機構の一例を示す図である。 実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と描画対象画素との一例を示す図である。 実施の形態2における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図の他の一例である。 実施の形態3における共通ブランキング偏向器の構成を示す上面図である。 実施の形態4における共通ブランキング偏向器の構成の一例を示す正面図である。 実施の形態4における共通ブランキング偏向器の構成の他の一例を示す正面図である。 実施の形態4における共通ブランキング偏向器の構成の他の一例を示す正面図である。 実施の形態5における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。 実施の形態6における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例を示す図である。 実施の形態7における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例を示す図である。 実施の形態7における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例の変形例を示す図である。 実施の形態8における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。 実施の形態9における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画機構150と制御系回路160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画機構150は、電子鏡筒102(マルチ電子ビームカラム)と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、ブランキングアパーチャアレイ機構204、縮小レンズ205、共通ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板206、対物レンズ207、偏向器208、及び偏向器209が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるレジストが塗布されたマスクブランクス等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。
制御系回路160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ロジック回路131、デジタル・アナログ変換(DAC)アンプユニット132,134、ステージ位置検出器139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ステージ位置検出器139及び記憶装置140,142は、図示しないバスを介して互いに接続されている。偏向制御回路130には、ロジック回路131、DACアンプユニット132,134及びブランキングアパーチャアレイ機構204が接続されている。ロジック回路131の出力は、共通ブランキング偏向器212に接続される。DACアンプユニット132の出力は、偏向器209に接続される。DACアンプユニット134の出力は、偏向器208に接続される。ステージ位置測定器139は、レーザ光をXYステージ105上のミラー210に照射し、ミラー210からの反射光を受光する。そして、かかる反射光の情報を利用してXYステージ105の位置を測定する。
制御計算機110に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
また、描画装置100の外部から描画データが入力され、記憶装置140に格納される。描画データには、通常、描画するための複数の図形パターンの情報が定義される。具体的には、図形パターン毎に、図形コード、座標、及びサイズ等が定義される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、縦(y方向)p列×横(x方向)q列(p,q≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2では、例えば、縦横(x,y方向)に512×512列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ直径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)k段目の列と、k+1段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)k+1段目の列と、k+2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図3は、実施の形態1の比較例における共通ブランキング偏向器の構成を示す上面図である。図3において、実施の形態1の比較例における伝送線路方式の共通ブランキング偏向器は、隙間dを開けて配置された、導電性材料を用いた幅wの2枚の平行平板電極11,13を有している。出力端には表示していない終端抵抗が接続される。電子ビームが図3の手前側から奥側に向かって進む場合を想定している。電極11にはグランド電位が印加される。電極13には、正の電位とグランド電位が切り換えられながら印加される。かかる2枚の平行平板電極11,13から構成される伝送線路の特性インピーダンスZcは、幅wが隙間dよりも十分大きい条件では真空の透磁率及び誘電率μ、εを用いて以下の式(1)で近似される。
(1) Zc=√(μ/ε)・(d/w)
ここで、係数k=Zc/√(μ/ε)とすると、インピーダンスZcを一意に設定した場合、隙間dと幅wは、一定の比例関係を維持する必要が生じる。そのため、電子ビームのビーム径が小さいうちは、隙間dを小さくできるので、幅wを小さくすることができる。そのため、例えば、シングルビームの偏向には、かかる2枚の平行平板電極11,13を用いて、ビーム偏向を行うことができる。しかしながら、マルチビーム20全体のビーム径は、シングルビームのビーム径に比べて非常に大きいため、それに合わせて隙間dを広げると、幅wのサイズを非常に大きくする必要が生じてしまう。そのため電極のコンパクト化が望まれる。そこで、実施の形態1では、以下のように3枚の電極を配置することで幅wのサイズを小さく維持したままマルチビーム20全体を一括偏向可能な偏向器を構成する。
図4は、実施の形態1における共通ブランキング偏向器の構成を示す上面図である。図4では、電子ビーム(マルチビーム20)が図4の手前側から奥側に向かって進む場合を想定している。上述したように、幅wのサイズを小さく維持するためには、隙間dを小さくする必要がある。そこで、実施の形態1における共通ブランキング偏向器212は、図4に示すように、電気的に分離された、上述した比例関係を維持した隙間d(第1の隙間)を開けて配置された、導電性材料を用いた幅wの2枚の平行平板により形成される電極12(第2の電極)と電極14(第1の電極)との他に、さらに、電極14(第1の電極)と電気的に分離された、導電性材料を用いた平行平板の電極16を配置する。電極16(第3の電極)は、電極14の両面のうち電極12が対抗する平行平面(表面)とは反対側の平行平面(表面)と対向する位置に配置される。そして、電極14,16間の隙間d’(第2の隙間)は、図4に示すように、電極12,14間の隙間dよりも十分広い隙間を開けて配置される。隙間d’は、マルチビーム20全体のビーム径よりも大きいサイズで形成される。電極12,16にはグランド電位が印加される。電極14には、正の電位とグランド電位が切り換えられながら印加される。電極14に正の電位を印加した場合、隙間dを開けて配置された2枚の平行平板電極12,14間に電極14から電極12に向かう電界Eが発生する。かかる電界Eが、同様に、電極14,16間にも形成される。そのため、上述した式(1)を満たすかぎり、電極14,16間でマルチビーム20を偏向することができる。よって、幅wのサイズを小さく維持したままビーム径の大きいマルチビーム20全体の一括偏向を可能にできる。
この場合、3枚の電極12,14,16が伝送線路を形成する。なお、図示を省略しているが、かかる伝送線路において電極12,16が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合されている。また、近傍に導体があると、信号の伝播に影響を与えるが、ここではその影響を無視出来る条件下にあると近似する。かかる伝送線路の特性インピーダンスは、実質的に電極12,14の大きさ(例えば幅w)と距離(隙間d)とによって決まるが、厳密には電極16の存在により若干異なる値となる。3枚の電極12,14,16からなる伝送線路の特性インピーダンスのより正確な値は3枚の電極12,14,16の断面形状を決めれば数値的に求めることが可能である。
図5は、実施の形態1における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。図5(b)では、実施の形態1における共通ブランキング偏向器212の正面図を示す。図5(a)では、実施の形態1における共通ブランキング偏向器212の左側面図を示す。共通ブランキング偏向器212は、2段の偏向器により構成される。前段側は、3枚の平行平板の電極12a,14a,16aで構成される。後段側は、3枚の平行平板の電極12b,14b,16bで構成される。図5(b)に示すように、前段側では、電極12a,14a間が上述した式(1)を満たす狭い隙間dを維持するように配置され、電極14a,16a間がマルチビーム20全体のビーム径よりも大きい隙間d’を開けて配置される。後段側では、電極12b,14b間がマルチビーム20全体のビーム径よりも大きい隙間d’を開けて配置され、電極14b,16b間が上述した式(1)を満たす狭い隙間dを維持するように配置される。なお、対抗電極(グランド電極)となる電極12aと電極12bは、同じ幅w(或いはwより大きい幅でも良い)で形成され、マルチビーム20の光軸(z軸)に直交する方向(x,y方向)について、同じ位置に配置される。同じく対抗電極(グランド電極)となる電極16aと電極16bは、同じ幅w(或いはwより大きい幅でも良い)で形成され、マルチビーム20の光軸(z軸)に直交する方向(x,y方向)について、同じ位置に配置される。一方、制御電極となる電極14aと電極14bは、同じ幅wで形成されるが、マルチビーム20の光軸(z軸)に直交する方向(x,y方向)のうち、例えばx方向について、前段と後段で対抗電極(グランド電極)を変えて隙間dを確保するため、別の位置に配置される。電極14aと電極14bは、y方向についは同じ位置に配置される。
また、電極12aと電極12b間は電気的に接続(導通)されている。同様に、電極14aと電極14b間は電気的に接続(導通)されている。同様に、電極16aと電極16b間は電気的に接続(導通)されている。制御電極となる電極14a,14bには、入力側から正の電位(第1の電位)とグランド電位(第2の電位)とが切り換え可能に印加される。対抗電極(グランド電極)となる電極12aと電極12bと電極16aと電極16bには、入力側からグランド電位が印加される。
そして、マルチビーム20は、共通ブランキング偏向器212の前段では、電極14a,16a間を通過し、電極14aに正の電位(第1の電位)が印加された状態では電極14a,16a間に電位差が発生するので電極14a側に偏向する。電極14aにグランド電位(第2の電位)が印加された状態では電極14a,16a間に電位差が発生しないので偏向せずに直進する。マルチビーム20は、共通ブランキング偏向器212の後段では、電極12b,14b間を通過し、電極14bに正の電位が印加された状態では電極12b,14b間に電位差が発生するので電極14b側に偏向する。電極14bにグランド電位が印加された状態では電極12b,14b間に電位差が発生しないので偏向せずに直進する。ここでは、電極14aと電極14b間は導通しているので、電極14a,14bに正の電位が印加された状態では、マルチビーム20は、共通ブランキング偏向器212の前段において、一旦、光軸から外側に偏向により振られた後、共通ブランキング偏向器212の後段において、光軸側へと偏向により振り戻される。その際、共通ブランキング偏向器212(ブランキング偏向器)は、偏向したマルチビーム20の軌道21の延長線が光軸と交差する高さ位置が成形アパーチャアレイ基板203(SAA)の中心高さ位置になるように偏向する。図5(b)の例では、共通ブランキング偏向器212の前段において振り戻されることによって振り戻されたマルチビーム20の軌道21の延長線が光軸と交差する高さ位置が成形アパーチャアレイ基板203(SAA)の中心高さ位置になるように偏向量を調整する。マルチビーム像は、成形アパーチャアレイ基板203により形成されるので、成形アパーチャアレイ基板203の中心高さ位置があたかも偏向中心になったようにビーム偏向を行うことで、成形アパーチャアレイ基板203と共役面に設定される試料101面上でのブランキング動作時における像の移動(ずれ)を無くす(或いは低減する)ことができる。なお、電極14a,14bには、同じ電位が印加されるので、偏向距離(z方向)が同じであれば同じ偏向量になる。よって、偏向量の調整は、例えば、共通ブランキング偏向器212の前段の電極14aのz方向の長さと後段の電極14bのz方向の長さとを調整することで各段の偏向量を調整すればよい。
上述した例では、振り戻されたマルチビーム20の軌道21の延長線が光軸と交差する高さ位置が成形アパーチャアレイ基板203(SAA)の中心高さ位置になるように偏向量が調整されたが、これに限るものではない。例えば、振り戻されたマルチビーム20の軌道21の延長線が光軸と交差する高さ位置がブランキングアパーチャアレイ機構204の中心高さ位置になるように偏向量が調整されてもよい。
ここで、ブランキング制御では、制御電極となる電極14a,14bへの電位の切り替えを高速で繰り返す。よって、入射される信号の反射が生じると高速応答が困難になる。これでは、高速応答性が求められるブランキング制御が困難になってしまう。そこで、実施の形態1では、制御電極となる電極14bの出力側と、対抗電極(グランド電極)となる電極12bの出力側及び対抗電極(グランド電極)となる電極16bの出力側との間を終端抵抗15で接続する。そして、制御電極となる電極14aの入力側からブランキング信号(正電位或いはグランド電位)を入力することで、電極12a,14a,16a及び12b,14b,16bのそれぞれ3枚の電極から形成される伝送線路の中を信号が伝わり、信号は終端抵抗で吸収される。また、共通ブランキング偏向器212の前段と後段では、電極14a,14bの対抗する面が逆になることは言うまでもない。同様に、電極16a,16bについても、表面だけではなく、電極16a,16b全体が伝送線路になっても良い。同様に、共通ブランキング偏向器212の前段と後段では、電極14a,14bの対抗する面が逆になることは言うまでもない。
そして、制御電極となる平板状の電極14a,14bと、対抗電極(グランド電極)となる電極12a,12b及び電極16a,16bとにより形成される伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有する同軸ケーブル18が、図5(a)に示すように、かかる伝送線路の入力側に接続される。そして、同軸ケーブル18から上述した正の電位とグランド電位とが切り換えられながら電極14a,14bに印加される。言い換えれば、電極14a,14bと、電極12a,12b及び電極16a,16bとの間に伝送線路の入力側から電圧信号が加えられる。かかる電圧信号が加えられることで、マルチビーム20をブランキング制御用に偏向する。
また、終端抵抗15は、制御電極となる平板状の電極14a,14bと、対抗電極(グランド電極)となる電極12a,12b及び電極16a,16bとにより形成される伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有するように構成する。言い換えれば、電極14a,14bと、電極12a,12b及び電極16a,16bと、により形成される伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有する終端抵抗15が伝送線路の出力側に接続される。言い換えれば、終端抵抗15は、制御電極となる平板状の電極14bと、対抗電極(グランド電極)となる電極12b及び電極16bとの間に接続される。また、共通ブランキング偏向器212の前段と後段との間についても、実質的に同様の特性インピーダンスを有する同軸ケーブル17で接続される。特性インピーダンスを合わせることで、信号反射を回避(或いは低減)できる。よって、高速応答性を高めることができる。
また、電極12,14,16は、図5(a)に示すように、共に、例えば180度折り返しながら蛇行して延びる板状部材により形成されると好適である。
図6は、実施の形態1における共通ブランキング偏向器内を進む電位の進行波と電子ビーム中の電子の速度との関係を時系列に示す図である。
図7は、実施の形態1における共通ブランキング偏向器内を進む電位の進行波と電子ビーム中の電子の速度との関係を示すグラフ図である。図6及び図7では、制御電極となる電極14aの電圧分布の時間の経過に伴う変化を示す。また、電極14a,16a間を通過するマルチビーム20中の電子の移動の変化を示す。図6及び図7において、電極14aに正の電位を印加し始めた時刻をt=0としている。
t=0の時点では、電極14a,16a間にマルチビーム20の進行方向の先側から電子A〜Dの順で突入し、まだかかる順で電極14,16間を通過中である状態を示す。かかる時点では、電子A〜Dのいずれも電場の影響を受けていない。
t=T1の時点では、電子A〜Dが少し進むも、電子A〜Dの順で電極14,16間を通過中である状態を示す。かかる時点において、電子Dが電場の影響を受ける。
t=T2の時点では、電子Aが電極14,16間から抜け出し、代わりに、電子Eが電極14,16間に突入し、電子B〜Eの順で電極14,16間を通過中である状態を示す。かかる時点において、電子D,Eが電場の影響を受ける。
t=T3の時点では、電子B〜Eが少し進むも、電子B〜Eの順で電極14,16間を通過中である状態を示す。かかる時点において、電子C,D,Eが電場の影響を受ける。
t=T4の時点では、電子B〜Eがさらに少し進むも、電子B〜Eの順で電極14,16間を通過中である状態を示す。かかる時点において、電子B〜Eが電場の影響を受ける。
以上のように、図6と図7の例では、電子Aは、電場の影響を受けずに電極14a,16a間(共通ブランキング偏向器212)を通過してしまう。電子Bは、電極14a,16a間(共通ブランキング偏向器212)の出力側の端部付近で電場中に入る。電子Cは、電極14a,16a間(共通ブランキング偏向器212)のビーム通路途中から電場中に入る。電子D以降は、電極14a,16a間(共通ブランキング偏向器212)のビーム通路の最初から最後まで電場中に入る。このように、電子によって電場の影響を受ける度合いが異なるため、電子によって偏向量が異なってくる。なお、マルチビーム20の進行方向(−z方向)の電極14aの長さをLとすると、ブランキング制御信号(正電位)の実効的なパルスの立ち上がり時間t’は、電子の速度v、光速cを用いて次の式(2)で定義できる。
(2) t’=L/v−L/c
この式は、電子の速度vと光速cとの違いが実効的なパルスの立ち上がり時間を遅らせることを示している。図5に示した様な構成にすることで、電子の進行方向にみた信号の実効的な伝播速度c‘を光速cよりも遅くし、電子の速度vとほぼ等しくすることが出来る。この条件は前述の式(2)で、光速cをc’と置き換えて電子の速度vと等しくなることと同等であり、この場合にはt’〜0と出来、実効的なパルスの立ち上がり時間の遅れを回避できる。
図8は、実施の形態1における磁場と電圧信号の伝播方向との関係を示す図である。図8(a)では、マルチビーム20の進行方向に電極12,14,16が延びる構成における磁場と電圧信号の伝播方向との関係を示している。図8(a)に示す構成では、磁場がマルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に対して常に直交する方向に生じる。そのため、マルチビーム20は磁場の影響を受け、光軸とは直交する方向に力を受けることになる。よって磁場によっても光軸からずれ得ることになる。これに対して、図8(b)では、マルチビーム20の進行方向に対して直交する方向に電極12,14,16が延びる構成における磁場と電圧信号の伝播方向との関係を示している。図8(b)に示す構成では、磁場がマルチビーム20の進行方向に対して同方向或いは逆方向に生じる。そのため、マルチビーム20は磁場から光軸とは直交する方向に力を受けないようにできる。よって、マルチビーム20が光軸からずれることを防止できる。よって、電極12,14,16は、図5(a)に示すように、共に、蛇行しながら延びる方が望ましい。但し、実施の形態1では、マルチビーム20の進行方向に電極12,14,16が延びる構成を排除するものではない。
図9は、実施の形態1における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例を示す図である。図9では、共通ブランキング偏向器212の前段の偏向信号の入力側を示している。両側の対抗電極(グランド電極)となる電極12a,16aは、入力側端で導体板23により接続される。そして、かかる導体板23に同軸ケーブル18の中心導体が通過可能なサイズの貫通孔が開口される。同軸ケーブル18の中心導体は、かかる貫通孔を抜けて、制御電極となる電極14aの入力側端に接続される。一方、同軸ケーブル18の外部導体は、導体板23を介して電極12a,16aの入力側端に接続される。図5(a)に示すように、電極12,14,16の入力側端は、マルチビーム20の進行方向に対して直交する方向に向いている。よって、共通ブランキング偏向器212へのブランキング偏向信号は、マルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に対してほぼ直交する方向から入力される。また、導体板23で接続してもビーム軌道と干渉しないように構成できる。また、両側の対抗電極(グランド電極)となる電極12b,16bの出力側端でも図示しない導体板により接続される。ここでも、図5(a)に示すように、電極12,14,16の入力側端は、マルチビーム20の進行方向に対して直交する方向に向いている。よって、出力側の導体板で電極12b,16bの出力側端を接続してもビーム軌道と干渉しないように構成できる。
図10は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の構成を示す断面図である。
図11は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構のメンブレン領域内の構成の一部を示す上面概念図である。なお、図10と図11において、制御電極24と対向電極26と制御回路41とパッド43の位置関係は一致させて記載していない。ブランキングアパーチャアレイ機構204は、図10に示すように、支持台33上にシリコン等からなる半導体基板31が配置される。基板31の中央部は、例えば裏面側から薄く削られ、薄い膜厚hのメンブレン領域330(第1の領域)に加工されている。メンブレン領域330を取り囲む周囲は、厚い膜厚Hの外周領域332(第2の領域)となる。メンブレン領域330の上面と外周領域332の上面とは、同じ高さ位置、或いは、実質的に高さ位置になるように形成される。基板31は、外周領域332の裏面で支持台33上に保持される。支持台33の中央部は開口しており、メンブレン領域330の位置は、支持台33の開口した領域に位置している。
メンブレン領域330には、図2に示した成形アパーチャアレイ基板203の各穴22に対応する位置にマルチビームのそれぞれのビームの通過用の通過孔25(開口部)が開口される。言い換えれば、基板31のメンブレン領域330には、電子線を用いたマルチビームのそれぞれ対応するビームが通過する複数の通過孔25がアレイ状に形成される。そして、基板31のメンブレン領域330上であって、複数の通過孔25のうち対応する通過孔25を挟んで対向する位置に2つの電極を有する複数の電極対がそれぞれ配置される。具体的には、メンブレン領域330上に、図10及び図11に示すように、各通過孔25の近傍位置に該当する通過孔25を挟んでブランキング偏向用の制御電極24と対向電極26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)がそれぞれ配置される。また、基板31内部であってメンブレン領域330上の各通過孔25の近傍には、各通過孔25用の制御電極24に偏向電圧を印加する制御回路41(ロジック回路)が配置される。各ビーム用の対向電極26は、グランド接続される。
また、図11に示すように、各制御回路41は、制御信号用のnビット(例えば10ビット)のパラレル配線が接続される。各制御回路41は、制御信号用のnビットのパラレル配線の他、クロック信号線、読み込み(read)信号、ショット(shot)信号および電源用の配線等が接続される。クロック信号線、読み込み(read)信号、ショット(shot)信号および電源用の配線等はパラレル配線の一部の配線を流用しても構わない。マルチビームを構成するそれぞれのビーム毎に、制御電極24と対向電極26と制御回路41とによる個別ブランキング機構47が構成される。また、図10の例では、制御電極24と対向電極26と制御回路41とが基板31の膜厚が薄いメンブレン領域330に配置される。但し、これに限るものではない。また、メンブレン領域330にアレイ状に形成された複数の制御回路41は、例えば、同じ行或いは同じ列によってグループ化され、グループ内の制御回路41群は、図11に示すように、直列に接続される。そして、グループ毎に配置されたパッド43からの信号がグループ内の制御回路41に伝達される。具体的には、各制御回路41内に、図示しないシフトレジスタが配置され、例えば、p×q本のマルチビームのうち例えば同じ行のビームの制御回路41内のシフトレジスタが直列に接続される。そして、例えば、p×q本のマルチビームの同じ行のビームの制御信号がシリーズで送信され、例えば、p回のクロック信号によって各ビームの制御信号が対応する制御回路41に格納される。
図12は、実施の形態1の個別ブランキング機構の一例を示す図である。図12において、制御回路41内には、アンプ46(スイッチング回路の一例)が配置される。図12の例では、アンプ46の一例として、CMOS(Complementary MOS)インバータ回路が配置される。そして、CMOSインバータ回路は正の電位(Vdd:ブランキング電位:第1の電位)(例えば、5V)(第1の電位)とグランド電位(GND:第2の電位)に接続される。CMOSインバータ回路の出力線(OUT)は制御電極24に接続される。一方、対向電極26は、グランド電位が印加される。そして、ブランキング電位とグランド電位とが切り替え可能に印加される複数の制御電極24が、基板31上であって、複数の通過孔25のそれぞれ対応する通過孔25を挟んで複数の対向電極26のそれぞれ対応する対向電極26と対向する位置に配置される。
CMOSインバータ回路の入力(IN)には、閾値電圧よりも低くなるL(low)電位(例えばグランド電位)と、閾値電圧以上となるH(high)電位(例えば、1.5V)とのいずれかが制御信号として印加される。実施の形態1では、CMOSインバータ回路の入力(IN)にL電位が印加される状態では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)は正電位(Vdd)となり、対向電極26のグランド電位との電位差による電界により対応ビーム20を偏向し、制限アパーチャ基板206で遮蔽することでビームOFFになるように制御する。一方、CMOSインバータ回路の入力(IN)にH電位が印加される状態(アクティブ状態)では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)はグランド電位となり、対向電極26のグランド電位との電位差が無くなり対応ビーム20を偏向しないので制限アパーチャ基板206を通過することでビームONになるように制御する。
各通過孔を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立に対となる2つの制御電極24と対向電極26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。具体的には、制御電極24と対向電極26の組は、それぞれ対応するスイッチング回路となるCMOSインバータ回路によって切り替えられる電位によってマルチビームの対応ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向する。このように、複数のブランカーが、成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。
図13は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図13に示すように、試料101の描画領域30は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20のショットで照射可能な照射領域34が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は例えば等速で連続移動させる。第1番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域32の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域34が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、−x方向に向かって同様に描画を行う。第3番目のストライプ領域32では、x方向に向かって描画し、第4番目のストライプ領域32では、−x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域32を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、成形アパーチャアレイ基板203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、最大で各穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。
図14は、実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と描画対象画素との一例を示す図である。図14において、ストライプ領域32は、例えば、マルチビームのビームサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に分割される。例えば、10nm程度のサイズにすると好適である。かかる各メッシュ領域が、描画対象画素36(単位照射領域、照射位置、或いは描画位置)となる。描画対象画素36のサイズは、ビームサイズに限定されるものではなく、ビームサイズとは関係なく任意の大きさで構成されるものでも構わない。例えば、ビームサイズの1/n(nは1以上の整数)のサイズで構成されても構わない。メッシュ領域(画素)は、マルチビームの1つのビームあたりの照射単位領域となる。図9の例では、試料101の描画領域が、例えばy方向に、1回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34(描画フィールド)のサイズと実質同じ幅サイズで複数のストライプ領域32に分割された場合を示している。なお、ストライプ領域32の幅は、これに限るものではない。照射領域34のn倍(nは1以上の整数)のサイズであると好適である。図9の例では、例えば512×512列のマルチビームの図示を8×8列のマルチビームに省略して示している。そして、照射領域34内に、1回のマルチビーム20のショットで照射可能な複数の画素28(ビームの描画位置)が示されている。言い換えれば、隣り合う画素28間のピッチがマルチビームの各ビーム間のピッチとなる。図14の例では、隣り合う4つの画素28で囲まれると共に、4つの画素28のうちの1つの画素28を含む正方形の領域で1つのグリッド29を構成する。図9の例では、各グリッド29は、4×4画素で構成される場合を示している。
そして、図13に示したように、照射領域34を画素36単位でずらしながらビームショットを繰り返すことで、マルチビーム20により描画処理を進めていく。描画装置100における描画機構150の動作について具体的に説明する。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直に成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、矩形の複数の穴(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングアパーチャアレイ機構204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
ブランキングアパーチャアレイ機構204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。そして、制限アパーチャ基板206上でマルチビーム20はクロスオーバーを形成する。ここで、ブランキングアパーチャアレイ機構204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ基板206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板206によって遮蔽される。一方、ブランキングアパーチャアレイ機構204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、図1に示すように制限アパーチャ基板206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ基板206は、個別ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビーム毎に、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板206を通過したビームにより、1回分のショットのビームが形成される。
しかしながら、上述したように、ブランキングアパーチャアレイ機構204上での回路を設置するスペースや使用可能な電流量に制限があるため、制御信号の情報量に対して簡単な制御回路41にせざるを得ず、高速高精度な動作が可能なブランキング回路を内蔵することが困難であった。そのため、共通ブランキング偏向器212の電極14と電極16(後段では電極12)との間の隙間d’にマルチビーム20を通過させ、マルチビーム20全体を一括してブランキング制御用に偏向する。実施の形態1では、上述したように、3枚の電極12,14,16を用いて構成することで十分な偏向を行うことができる。さらに、共通ブランキング偏向器212の入力の同軸ケーブルから出力の終端抵抗まで特性インピーダンスを伝送線路と合わせることで、信号反射を回避(或いは低減)できる。よって、高速応答性を高めることができる。よって、共通ブランキング偏向器212によって照射時間を高精度に制御できる。マルチビーム20全体を一括偏向により照射時間を制御するためには、例えば、1ショットを複数回の分割ショットに分割して、分割ショットの組み合わせにより、画素36(ビーム)毎に所望の照射時間になるように制御すればよい。
ブランキング制御によりビームONの状態で制限アパーチャ基板206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208,209によって、制限アパーチャ基板206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向に一括して偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的には成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。
以上のように、実施の形態1によれば、マルチビーム描画においてコンパクトなサイズでマルチビーム全体を高速でビームON/OFFを繰り返すように偏向できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、共通ブランキング偏向器212の前段及び後段それぞれの3枚の電極12,14,16を平行に配置した場合を示したがこれに限るものではない。実施の形態2では、3枚の電極12,14,16をその他の状態で配置する場合について説明する。実施の形態2における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図15は、実施の形態2における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図の他の一例である。マルチビーム20は、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。そして、制限アパーチャ基板206上でマルチビーム20はクロスオーバーを形成する。共通ブランキング偏向器212を縮小レンズ205と制限アパーチャ基板206との間に配置する場合、マルチビーム20のビーム径φは、共通ブランキング偏向器212を通過中、徐々に小さくなっていく。そこで、実施の形態2では、共通ブランキング偏向器212の前段における電極14aと電極16aとの間の隙間d’、及び後段における電極14bと電極12bとの間の隙間d’を、マルチビーム20全体のビーム径φに応じて変化させる。図15の例では、共通ブランキング偏向器212の入力側から出力側に向けて徐々に隙間d’を狭めていく。隙間d’を狭めることで偏向感度を上げ、応答特性を向上させることができる。図15の例では、制御電極となる電極14a,14bだけを斜めに配置しているが、これに限るものではない。外側の対応電極となる電極12a,12b,16a,16bについても同様に斜めに配置しても良い。特に、ビームが通過しない隙間dについて調整するように対応電極となる電極12a,16bについても同様に斜めに配置すると良い。ここで、電極12a,14a,16a及び12b,14b,16bはそれぞれビーム進行方向に沿って特性インピーダンスが一定となる様にする。これは例えば隙間d’に合わせて隙間dを変えることで可能である。
実施の形態3.
実施の形態3では、さらに、共通ブランキング偏向器212の電極12,14,16の配置構成におけるビームが通過しない領域についてさらに改良する。実施の形態3における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図16は、実施の形態3における共通ブランキング偏向器の構成を示す上面図である。図16では、マルチビーム20が図16の手前側から奥側に向かって進む場合を想定している。上述したように、共通ブランキング偏向器212は、上述した比例関係を維持した狭い隙間d(第1の隙間)を開けて配置された電極12と電極14との他に、さらに、電極14の反対面にマルチビーム20が通過する広い隙間d’を開けて電極16を配置する。ここで、電極14と電極16との間をマルチビーム20が通過する場合でも、かかるビーム通過エリアからずれた領域が存在する。かかるずれた領域を使って、電極14と電極16との間を高抵抗材料で接続する。図16の例では、電極14と電極16との間の領域のうち、マルチビーム20が通過する中心部を除いた両側の領域において高抵抗材料の棒材52a,52bで電極14と電極16とを接続する。これにより、電極14と電極16との間における機械的構造の向上及び周辺電場のマルチビーム20の軌道への影響の低減ができる。高抵抗材料として、例えば、高抵抗炭化ケイ素(SiC)或いは高抵抗膜をコートした酸化アルミニウム(Al)等が好適である。また、抵抗値としては、特性インピーダンスよりも十分高い値、例えば特性インピーダンスが50Ωの場合1MΩ以上が望ましい。
また、対抗電極同士の電極12と電極16との間についても、ビーム通過エリアからずれた領域において高抵抗材料で接続する。図16の例では、電極12と電極16との間の領域のうち、マルチビーム20が通過する中心部を除いた両側の領域において高抵抗材料の棒材50a,50bで電極12と電極16とを接続する。これにより、電極12と電極16との間における機械的構造の向上及び周辺電場のマルチビーム20の軌道への影響の低減ができる。高抵抗材料として、例えば、炭化ケイ素(SiC)或いは高抵抗膜をコートした酸化アルミニウム(Al)等が好適である。また、抵抗値としては、例えば1MΩ以上が望ましい。電極12と電極16との間を高抵抗材料の棒材50a,50bで接続する場合には、電極12と電極16との幅を、両者間に挟まれる電極14の幅wよりも大きくすると良い。
この様な高抵抗材料の付加は、抵抗成分の導入に加え、誘電率の空間分布の変化も生ずるので、電極12,14,16により形成される伝送線路の特性インピーダンスに若干の変化をきたす。しかし、例えば、特性インピーダンスが50Ωに対して1Ω程度の変化であれば通常許容できる。
かかる対策は、電極14と電極16との間と、或いは電極12と電極16との間とのうち、一方だけ実施しても構わない。
実施の形態4.
上述した各実施の形態では、電極12,14,16全体を導電性材料により作製した場合について説明した。しかし、かかる場合に限るものではない。実施の形態4では、その他の場合の一例について説明する。実施の形態4における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
ところで、高い周波数の信号を伝送線路に入力する場合、電流は電極12,14,16の表面を流れ、その電流量は表面電場が強いところ程大きい。一方で、低い周波数、或いは、直流の信号を入力した場合、直線部分において電流は電極断面で決まる抵抗で決まる値を取る。従って、電極12,14,16を流れる電流の分布は高い周波数の信号を入力する場合と低い周波数の信号を入力する場合とで異なる。この為、ステップ状の信号を加えた場合、電極を流れる電流分布が徐々に変化し、それに伴う磁場分布の変化がビーム軌道の偏向を生じさせ、その偏向量が許容出来ない場合がありうる。
図17は、実施の形態4における共通ブランキング偏向器の構成の一例を示す正面図である。図17では、2段偏向を行う共通ブランキング偏向器212のうち、前段側の構成について示している。後段側の構成については図示を省略している。図17の例では、制御電極となる電極14aについては、導電性材料で作製する。一方、対抗電極となる電極12aについては、例えば絶縁材料により基板60で作製し、基板60の表面に対象とする信号周波数の最大値で決まる表皮厚よりも薄い導電性の膜62を形成する。同様に、対抗電極となる電極16aについては、例えば絶縁材料により基板64で作製し、基板64の表面に対象とする信号周波数の最大値で決まる表皮厚よりも薄い導電性の膜66を形成する。なお、図17の例では、基板60,64の表面のうち電極14と対向する面にのみ薄膜を図示しているが、基板60,64の表面全体に導電性の薄膜を形成すると良い。かかる構成により、電極14aに正の電位を印加した際に、磁場変化を速く収束させることができる。よって、ブランキング用の偏向電圧の立ち上がりを速くできる。ブランキング偏向電圧信号の周波数の最大値が300MHz程度である場合、膜62,66の材料として、例えば銅(cu)を用いる場合、膜厚を4μm以下、例えば3μmにすると好適である。
図18は、実施の形態4における共通ブランキング偏向器の構成の他の一例を示す正面図である。図18では、2段偏向を行う共通ブランキング偏向器212のうち、前段側の構成について示している。後段側の構成については図示を省略している。図18の例では、電極12a,14a,16aを導電性材料で作製する。但し、制御電極となる電極14aに対し、狭い隙間dを開けた一方の対抗電極となる電極12aよりも広い隙間d’を開けた他方の対抗電極となる電極16aの厚さを小さくする。ここで14aと16aの厚さの分布は直流電圧を加えた際の14a,16aを流れる電流量の比が高周波信号を加えた時のそれに等しい様にする。これにより、ステップ信号を入力した後の偏向器内の磁場分布の変化を低減できる。
図19は、実施の形態4における共通ブランキング偏向器の構成の他の一例を示す正面図である。図19では、図18に示した電極の厚さを薄膜62と薄膜66とで調整する場合を示す。具体的には、制御電極となる電極14aについては、導電性材料で作製する。一方、対抗電極となる電極12aについては、例えば絶縁材料により基板60で作製し、基板60の表面に、導電性の薄膜62を形成する。同様に、対抗電極となる電極16aについては、例えば絶縁材料により基板64で作製し、基板64の表面に、導電性の薄膜66を形成する。その際、膜66、膜62の膜厚分布を電極14に電圧を加えた際に電極12,16表面に生ずる電場の強さに比例させる。この様にすることで、電極14、16表面を流れる電流分布を高周波の場合も低周波の場合もほぼ等しくすることが出来、パルス信号を加えた際のビーム軌道における磁場分布の変化を低減できる。電極14についても絶縁材料として表面に導電性の膜を形成し、その膜厚分布を電極14に電圧を加えた際に電極14表面に生ずる電場の強さに比例させることで更に効果を向上させられる。なお、図19の例では、図17の例と同様、基板60,64の表面のうち電極14と対向する面にのみ薄膜を図示しているが、基板60,64の表面全体に導電性の薄膜を形成すると良い。
実施の形態5.
実施の形態1では、電極12,14,16を蛇行させた形状で作製する場合を示したがこれに限るものではない。実施の形態5では、その他の場合の一例について説明する。実施の形態5における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図20は、実施の形態5における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。図20(b)では、実施の形態5における共通ブランキング偏向器212の正面図を示す。図20(a)では、実施の形態5における共通ブランキング偏向器212の左側面図を示す。図20(a)及び図20(b)では、2段の偏向器の前段側の電極12a,14a,16aと後段側の電極12b,14b,16bについて、いずれも蛇行形状とはせずに、まっすぐな板状で形成する。図は省略するが入力18、出力15及び接続ケーブル17との接続部は形状を徐々に変化させ接続部のパルスの反射を抑える様にする。かかる構成では、図8(a)において説明したように、磁場がマルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に対して常に直交する方向に生じる。よって、実施の形態1のように蛇行形状にした場合よりも磁場の影響を受けることにはなる。しかし、かかる場合でも電極14a,16a間および電極12b,14b間でビーム径が大きいマルチビーム20を高速でブランキング偏向することができる。
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態1とは異なる同軸ケーブルの接続構成について説明する。実施の形態6における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図21は、実施の形態6における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例を示す図である。図21(a)では、共通ブランキング偏向器212の上面図を示す。図21(b)では、共通ブランキング偏向器212の正面図を示す。図21(a)及び図21(b)では、電極12aに貫通孔を開け、同軸ケーブル18の外部導体が貫通孔の周囲に接続され、同軸ケーブル18の中心導体が電極12aの貫通孔を抜けて、制御電極となる電極14aの入力側端に接続される。両側の対抗電極(グランド電極)となる電極12a,16aは、入力側の幅方向端同士で導体板23により接続される。図21(a)に示すように、共通ブランキング偏向器212の外側から延びる同軸ケーブル18がマルチビーム20の進行方向に対して直交する方向から電極12aに接続される。よって、ビーム軌道と干渉しないように構成できる。また、導体板23で接続してもビーム軌道と干渉しないように構成できる。
実施の形態7.
実施の形態7では、電位の進行波が一直線に進む共通ブランキング偏向器212の電極の構成の一例について説明する。実施の形態7における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図22は、実施の形態7における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例を示す図である。図22では、共通ブランキング偏向器212の2段の偏向器の前段と後段が接続されておらず独立に配置される場合を示す。図22の例では、前段部分について示している。上述した各実施の形態では、伝送線路の出力側が入力側よりもマルチビーム20のビーム軌道の下流側になる場合について示したが、図22では、マルチビーム20のビーム軌道と直交する方向に電位進行波が進む場合を示している。平行平板の電極12,14,16がマルチビーム20のビーム軌道と直交する方向に延びる。そして、同軸ケーブル18が一方の端に接続され、他方の端が終端抵抗により接続されている。かかる構成によれば、図8(b)において説明したように、磁場がマルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に対して同方向或いは逆方向に生じる。よって、実施の形態1のように蛇行形状にした場合と同様、磁場の影響によるマルチビーム20のビーム軌道と直交する方向への位置ずれを回避或いは低減できる。
図23は、実施の形態7における3枚の電極と同軸ケーブルとの接続例の変形例を示す図である。図23は上面図を示す。電極12,14,16の入力側と出力側とを例えば同方向に90度折り曲げる。これにより、同軸ケーブル18を接続する方向を90度ずらすことができる。同様に、終端抵抗を接続する方向を90度ずらすことができる。よって、狭い電子鏡筒102内の空間を効率的に利用できる。
実施の形態8.
実施の形態5では、電極12,14,16をマルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に沿ってまっすぐ形成する場合を示したが、実施の形態8では、かかる実施の形態5の変形例を説明する。実施の形態8における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図24は、実施の形態8における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。図24(b)では、実施の形態8における共通ブランキング偏向器212の正面図を示す。図24(a)では、実施の形態8における共通ブランキング偏向器212の左側面図を示す。図24(a)及び図24(b)では、共通ブランキング偏向器212の2段の偏向器の前段と後段が接続されておらず独立に配置される場合を示す。図24(a)及び図24(b)の例では、前段部分について示している。マルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に沿ってまっすぐ形成する電極12,14,16の入力側と出力側とを例えば逆方向に90度曲げた形状に形成する。かかる形状により、同軸ケーブル18が電極12,14,16の伝送線路と同方向から伝送線路の入力端に接続できる。また、終端抵抗が電極12,14,16の伝送線路と同方向から伝送線路の出力端に接続できる。かかる構成によれば、同軸ケーブル18及び終端抵抗がマルチビーム20の進行方向(ビーム軌道)に干渉しないで配置できる。
実施の形態9.
実施の形態1では、電極12,14,16の一方の端からブランキング制御信号を入力する場合を示したがこれに限るものではない。実施の形態9では、他の位置から入力する場合について説明する。実施の形態9における描画装置100の構成は、図1と同様である。また、以下に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図25は、実施の形態9における共通ブランキング偏向器の構成を示す正面図と左側面図である。図25(b)では、実施の形態9における共通ブランキング偏向器212の正面図を示す。図25(a)では、実施の形態9における共通ブランキング偏向器212の左側面図を示す。図25(a)及び図25(b)では、共通ブランキング偏向器212の2段の偏向器の前段と後段が接続されておらず独立に配置される場合を示す。図25(a)及び図25(b)の例では、前段部分について示している。図25(a)に示すように、電極12a,14a,16aは、180度折り返しながら蛇行して延びるように形成する。但し、図5(a)と異なり、同軸ケーブルは、電極12a,14a,16aの中間地点から接続される。そして、電極12a,14a,16aの一方の端部は終端抵抗により接続され、他方の端部も同様に終端抵抗により接続される。かかる構成により、電極12a,14a,16aの中間地点から上方の磁場の向きと下方の磁場の向きとが逆方向に生じ、互いに打ち消し合うように構成できる。よって、通過するマルチビーム20が受ける磁場の影響をさらに小さくできる。この場合、同軸ケーブル18の特性インピーダンスをZcとする場合に、電極12a,14a,16aで構成される伝送線路の特性インピーダンス及び終端抵抗15の値は2Zcとなる様にする。
以上の説明において、共通ブランキング偏向器212の2段の偏向器の前段と後段が接続されている形態では、ロジック回路131内の図示しない1台のパルスジェネレータからブランキング制御信号(偏向電圧)のパルスを発生させ、前段の偏向器の入力側に信号を送ることになる。その結果、ブランキング制御信号(偏向電圧)のパルス(電位進行波)は、前段の偏向器を流れてから後段の偏向器を流れることになる。一方、共通ブランキング偏向器212の2段の偏向器の前段と後段が接続されていない形態では、ロジック回路131内の図示しない2台のパルスジェネレータからブランキング制御信号(偏向電圧)のパルスを発生させ、一方のパルスジェネレータから前段の偏向器の入力側に信号を送り、他方のパルスジェネレータから後段の偏向器の入力側に信号を送ることになる。このように、異なるパルスジェネレータからブランキング制御信号(偏向電圧)を送ることにより、後段の偏向器へのブランキング制御信号(偏向電圧)の伝達遅れを無くすことができる。また、異なるパルスジェネレータからブランキング制御信号(偏向電圧)を送ることにより、ブランキング制御信号(偏向電圧)の発生タイミングを電子ビームの速度に応じて調整できる。
また、上述した説明において、共通ブランキング偏向器212の2段の偏向器の前段と後段が接続されている構成として説明した実施の形態においても、前段の偏向器と後段の偏向器とを接続せずに別々のパルスジェネレータからブランキング制御信号(偏向電圧)を入力するように構成してもよい。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、上述した例では、各制御回路41の制御用に1ビットの制御信号が入力される場合を示したが、ビット数は、適宜設定すればよい。例えば、2ビット以上10ビット未満の制御信号を用いてもよい。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置、マルチ荷電粒子ビーム描画装置、及びマルチ荷電粒子ビームの不良ビーム遮蔽方法は、本発明の範囲に包含される。
12,14,16 電極
15 終端抵抗
18 同軸ケーブル
20 マルチビーム
22 穴
23 導通板
24 制御電極
25 通過孔
26 対向電極
28 画素
29 グリッド
30 描画領域
32 ストライプ領域
31 基板
33 支持台
34 照射領域
36 画素
41 制御回路
46 アンプ
47 個別ブランキング機構
60,64 基板
62,64 膜
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
130 偏向制御回路
131 ロジック回路
132,134 DACアンプユニット
139 ステージ位置検出器
140,142 記憶装置
150 描画機構
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
204 ブランキングアパーチャアレイ機構
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ基板
207 対物レンズ
208,209 偏向器
210 ミラー
212 共通ブランキング偏向器
330 メンブレン領域
332 外周領域

Claims (5)

  1. 平板状の第1の電極と、
    前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極と、
    前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と前記第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極と、
    を備え、
    前記第1と第2と第3の電極によって、前記第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、
    前記第1の電極と第3の電極との間の前記第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、
    前記第1の電極と、前記第2と第3の電極との間に前記入力側から電圧信号が加えられることで、前記マルチビームをブランキング制御用に偏向することを特徴とするブランキング偏向器。
  2. 前記伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有する同軸ケーブルが前記伝送線路の入力側に接続され、前記同軸ケーブルから前記電圧信号が印加され、
    前記伝送線路の特性インピーダンスと実質的に同様の特性インピーダンスを有する終端抵抗が前記伝送線路の出力側に接続されることを特徴とする請求項1記載のブランキング偏向器。
  3. 前記第1と第2と第3の電極は、共に、蛇行しながら延びる板状部材により形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のブランキング偏向器。
  4. 荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    複数の第1の開口部が形成され、前記複数の第1の開口部全体を含む領域に前記荷電粒子ビームの照射を受け、前記荷電粒子ビームの一部が前記複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
    平板状の第1の電極と、
    前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極と、
    前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と前記第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極と、
    を有し、
    前記第1と第2と第3の電極によって、前記第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、前記第1の電極と第3の電極との間の前記第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、前記第1の電極と、前記第2と第3の電極との間に前記入力側から電圧信号が加えられることで、前記マルチビームをブランキング制御用に偏向するブランキング偏向器と、
    前記ブランキング制御によりビームOFFの状態になるように偏向された前記マルチビーム全体を一括して遮蔽する制限アパーチャ基板と、
    前記ブランキング制御によりビームONの状態で前記制限アパーチャ基板を通過したマルチビームを用いて描画される試料を載置するステージと、
    を備え、
    前記ブランキング偏向器は、偏向したマルチビームの軌道の延長線が光軸と交差する高さ位置が前記成形アパーチャアレイ基板の中心高さ位置になるように偏向することを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    複数の第1の開口部が形成され、前記複数の第1の開口部全体を含む領域に前記荷電粒子ビームの照射を受け、前記荷電粒子ビームの一部が前記複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
    平板状の第1の電極と、
    前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と第1の隙間を開けて配置された第2の電極と、
    前記第1の電極から電気的に分離され、前記第1の電極と前記第1の隙間よりも十分広い第2の隙間を開けて配置された第3の電極と、
    を有し、
    前記第1と第2と第3の電極によって、前記第2と第3の電極が少なくとも入力側と出力側とにおいて電気的に結合された伝送線路が形成され、前記第1の電極と第3の電極との間の前記第2の隙間に荷電粒子を用いたマルチビームを通過させ、前記第1の電極と、前記第2と第3の電極との間に前記入力側から電圧信号が加えられることで、前記マルチビームをブランキング制御用に偏向するブランキング偏向器と、
    前記ブランキング制御によりビームOFFの状態になるように偏向された前記マルチビーム全体を一括して遮蔽する制限アパーチャ基板と、
    前記ブランキング制御によりビームONの状態で前記制限アパーチャ基板を通過したマルチビームを用いて描画される試料を載置するステージと、
    を備え、
    前記第1の電極板と前記第3の電極板との間の前記第2の隙間は、前記マルチビーム全体のビーム径に応じて変化することを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
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