JP2018098075A - 蓄電素子及び蓄電装置 - Google Patents

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通弘 松崎
増田 英樹
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Abstract

【課題】本発明は、他物体による外力が作用した場合にこの他物体を容易かつ確実に検出することができる蓄電素子を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る蓄電素子は、電極体と、この電極体を収容するケースとを備え、上記ケースに、第1導体層と、この第1導体層に積層される第2導体層と、この第1導体層及び第2導体層の間に介在する絶縁層とが配され、上記第1導体層又は第2導体層が上記絶縁層と対向する面に複数の突起を有し、上記複数の突起間の領域に空隙が形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、蓄電素子及び蓄電装置に関する。
正極板及び負極板をセパレータを介して積層した電極体をケース内に収容した蓄電素子が、例えば自動車、携帯電話等の多様な機器の電源として利用されている。
蓄電素子は、外力による損傷に起因して異常発熱する場合もある。このため、蓄電素子のケースは、強度が大きい金属によって形成されることが多い。
しかしながら、蓄電素子に釘等の他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた場合、ケース内で正極板と負極板とが局所的に短絡することで異常発熱する可能性がある。
近年、電気自動車、ハイブリット自動車、スマートフォン等の実用化により、エネルギー容量が大きくかつ容積が小さい蓄電素子つまりエネルギー密度が大きい蓄電素子へのニーズが増大している。このようにエネルギー密度が大きい蓄電素子において、正極板と負極板とが短絡すると、短時間に大きなエネルギーが放出されるおそれがある。
そこで、蓄電素子に外力が作用した場合に、電極体の正極と負極とが短絡する前にこの外力を検出する技術が発案されている。また、かかる技術として、例えば正極端子及び負極端子に接続される一対の金属箔をケースの外部で短絡させることで、電極体内での異常発熱を抑制する技術が提案されている(特開2014−116260号公報参照)。
上記公報に記載の蓄電装置は、正極端子に接続される第1の金属箔と、負極端子に接続される第2の金属箔とが、ケースの外面側で絶縁層を介して積層されている。この蓄電装置は、金属製の棒状部材が第1金属箔及び第2金属箔を貫通した場合に、第1金属箔及び第2金属箔が短絡することで、内部エネルギーを放出可能に構成されている。
特開2014−116260号公報
上記公報に記載の蓄電装置は、第1の金属箔及び第2の金属箔の対向する側の全面に亘って絶縁層が積層されており、金属製の棒状部材が外面側から突き刺さった場合、第1の金属箔及び第2の金属箔が棒状部材を介して短絡するよう構成されている。そのため、この蓄電装置は、外面側から突き刺さった他物体の表面が部分的又は全面的に非導電性材料から形成されている場合等にはこの他物体を検出することができないおそれがある。
上記不都合に鑑みて、本発明は、他物体による外力が作用した場合にこの他物体を容易かつ確実に検出することができる蓄電素子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、電極体と、この電極体を収容するケースとを備え、上記ケースに、第1導体層と、この第1導体層に積層される第2導体層と、この第1導体層及び第2導体層の間に介在する絶縁層とが配され、上記第1導体層又は第2導体層が上記絶縁層と対向する面に複数の突起を有し、上記複数の突起間の領域に空隙が形成されている蓄電素子である。
本発明の蓄電素子は、他物体による外力が作用した場合にこの他物体を容易かつ確実に検出することができる。
本発明の一実施形態に係る蓄電素子を示す模式的正面図である。 図1の蓄電素子の模式的分解斜視図である。 図1の蓄電素子の模式的A−A線断面図である。 図1の蓄電素子の検出機構を示す模式図である。 図1の蓄電素子の模式的部分拡大断面図である。 図1の蓄電素子の第2導体層の複数の突起の配設状態を示す模式的部分拡大平面図である。 図1の蓄電素子とは異なる実施形態に係る蓄電素子の導体層及び絶縁層を示す模式的部分拡大断面図である。 図7の蓄電素子の第2導体層の複数の突起の配設状態を示す模式的部分平面図である。 図1及び図7の蓄電素子とは異なる実施形態に係る蓄電素子の導体層及び絶縁層を示す模式的部分拡大断面図である。 図1、図7及び図9の蓄電素子とは異なる実施形態に係る蓄電素子の導体層及び絶縁層を示す模式的部分拡大断面図である。 図1、図7、図9及び図10の蓄電素子とは異なる実施形態に係る蓄電素子の導体層及び絶縁層を示す模式的部分拡大断面図である。 図1、図7、図9〜図11の蓄電素子とは異なる実施形態に係る蓄電素子の導体層及び絶縁層を示す模式的部分拡大断面図である。 図1、図7、図9〜図12の蓄電素子とは異なる実施形態に係る蓄電素子の導体層及び絶縁層を示す模式的部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る蓄電装置を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、電極体と、この電極体を収容するケースとを備え、上記ケースに、第1導体層と、この第1導体層に積層される第2導体層と、この第1導体層及び第2導体層の間に介在する絶縁層とが配され、上記第1導体層又は第2導体層が上記絶縁層と対向する面に複数の突起を有し、上記複数の突起間の領域に空隙が形成されている。
当該蓄電素子は、第1導体層又は第2導体層が絶縁層と対向する側の面に複数の突起を有し、かつこれらの突起間の領域に空隙が形成されているので、第1導体層又は第2導体層が絶縁層と対向する側の面が平坦である場合に比べて、例えば釘等の他物体が第1導体層又は第2導体層の外面側から突き刺さる等の衝撃を受けたときに、第1導体層又は第2導体層に形成される複数の突起が絶縁層を貫いて他方の導体層と接触しやすい。そのため、当該蓄電素子は、他物体による外力が作用した場合に、第1導体層及び第2導体層の電気接触に基づきこの他物体を容易かつ確実に検出することができる。
上記絶縁層が上記突起の先端と当接しているとよい。このように、上記絶縁層が上記突起の先端と当接していることによって、第1導体層又は第2導体層に他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた際に上記突起によって絶縁層を貫きやすい。これにより、第1導体層及び第2導体層をより確実に電気接触させることができる。
上記複数の突起が全体としてストライプ状又は格子状に形成されているとよい。このように、上記複数の突起が全体としてストライプ状又は格子状に形成されていることによって、複数の突起が形成される第1導体層又は第2導体層の全領域において他物体の検出を容易かつ確実に行うことができる。
上記第1導体層が上記絶縁層とケースとの間に配設され、上記複数の突起が上記第1導体層に形成されているとよい。このように、上記第1導体層が上記絶縁層とケースとの間に配設され、上記複数の突起が上記第1導体層に形成されていることによって、第2導体層の外面側から他物体による外力を受けた場合に複数の突起がケースに突き刺さることが防止される。そのため、複数の突起がケースの破損を助長することを防止でき、ひいてはケースの破損に起因してケース内で発生する電極体の短絡を抑制することができる。
上記絶縁層が上記第1導体層及び第2導体層の間に散点的に配設されているとよい。このように、上記絶縁層が上記第1導体層及び第2導体層の間に散点的に配設されていることにより、第1導体層又は第2導体層の外面側から他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた場合、絶縁層が存在しない領域における第1導体層及び第2導体層の電気接触を促進することができる。
上記ケース表面に、第1導体層、絶縁層及び第2導体層がこの順で配置され、上記第2導体層が絶縁層と接していない側の面に凹部を有するとよい。このように、上記ケース表面に、第1導体層、絶縁層及び第2導体層がこの順で配置され、上記第2導体層が絶縁層と接していない側の面に凹部を有することによって、上記凹部に他物体をガイドすることができ、この凹部形成領域において第1導体層及び第2導体層の電気接触を促進することができる。
本発明の一実施形態に係る蓄電装置は、当該蓄電素子を少なくとも一つ以上含む二つ以上の蓄電ユニットと、上記二つ以上の蓄電素子を連結するバスバーとを備える。当該蓄電装置は、上述のように当該蓄電素子に他物体による外力を受けた場合に、この他物体を容易かつ確実に検出することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第1実施形態]
[蓄電素子]
図1乃至図3に示す本発明の一実施形態に係る蓄電素子100は、電極体1と、電極体1を収容するケース2とを備える。また、当該蓄電素子100は、ケース2に、第1導体層11と、第1導体層11に積層される第2導体層12と、第1導体層11及び第2導体層12の間に介在する絶縁層13とが配されている。この第1導体層11、第2導体層12及び絶縁層13は、釘等の他物体による外力を受けた場合にこの他物体を検出する検出機構を構成している。ケース2には電極体1と共に電解液が充填される。また、ケース2の開口は、蓋部3によって封止される。
<電極体>
電極体1は、図3に示すように、正極板4及び負極板5をセパレータ6を介して積層してなる。正極板4及び負極板5は、それぞれ集電部材7,8を介して蓋体3の外面に露出するよう配設される一対の電極端子9,10に接続される。
電極体1は、正極板4及び負極板5が平坦に積層された部分を有することが好ましい。具体例としては、電極体1は、平板状の正極板4及び負極板5をセパレータ6を介して積層したもの、又は長尺帯状の正極板4及び負極板5をセパレータ6を介して扁平に巻回することで正極板4及び負極板5が平板状に伸びる部分を有するものとすることができる。正極板4、負極板5及びセパレータ6の積層体を扁平に巻回する方法としては、板状の芯材の周囲に巻き付ける方法等が挙げられる。電極体1は、正極板4及び負極板5が平坦に積層された部分を有する場合、この平坦に積層された部分に対応する位置に、ケース2の第1導体層11が積層される領域が配設されることが好ましい。
(正極板)
正極板4は、導電性を有する箔状乃至シート状の正極集電基材と、この正極集電基材の両面に積層される多孔性の正極合材層とを有するものとすることができる。
正極集電基材の材質としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、導電性の高さとコストとのバランスからアルミニウム、アルミニウム合金、銅及び銅合金が好ましく、アルミニウム及びアルミニウム合金がより好ましい。また、正極集電基材の形状としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極集電基材としてはアルミニウム箔が好ましい。
また、正極集電基材の平均厚さとしては、例えば5μm以上50μm以下とすることができる。
正極合材層は、正極活物質を含むいわゆる合材から形成される多孔性の層である。また、正極合材層を形成する合材は、必要に応じて導電剤、結着剤(バインダ)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含んでもよい。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiNiαCo(1−α)、LiNiαMnβCo(1−α−β)、LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO、Li(PO、LiMnSiO、LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極合材層においては、これら化合物の一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。また、正極活物質の結晶構造は、層状構造又はスピネル構造であることが好ましい。
正極合材層における正極活物質の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。一方、正極活物質の含有量の上限としては、99質量%が好ましく、94質量%がより好ましい。正極活物質の含有量を上記範囲とすることで、当該蓄電素子100のエネルギー密度を高めることができる。
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
正極合材層における導電剤の含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましい。一方、導電剤の含有量の上限としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。導電剤の含有量を上記範囲とすることで、当該蓄電素子100のエネルギー密度を高めることができる。
上記結着剤としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。
正極合材層における結着剤の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。一方、結着剤の含有量の上限としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。結着剤の含有量を上記範囲とすることで、正極活物質を安定して保持することができる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素などが挙げられる。なお、「主成分」とは、最も質量含有率が大きい成分を意味する。
(負極板)
負極板5は、導電性を有する箔状乃至シート状の負極集電基材と、この負極集電基材の両面に積層される多孔性の負極合材層とを有するものとすることができる。
負極集電基材は、上述の正極集電基材と同様の形状とすることができるが、材質としては、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極板5の負極集電基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、例えば圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
負極合材層は、負極活物質を含むいわゆる合材から形成される多孔性の層である。この負極合材層を形成する合材は、必要に応じて導電剤、結着剤(バインダ)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含んでもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が好適に用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばリチウム、リチウム合金等の金属;金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛、非晶質炭素(易黒鉛化炭素または難黒鉛化性炭素)等の炭素材料などが挙げられる。
上記負極活物質の中でも、正極板4と負極板5との単位対向面積当たりの放電容量を好適な範囲とする観点から、Si、Si酸化物、Sn、Sn酸化物又はこれらの組み合わせを用いることが好ましく、Si酸化物を用いることが特に好ましい。
(セパレータ)
セパレータ6は、多孔性を有するシート状乃至フィルム状の樹脂から形成され、電解液が含浸されている。このセパレータ6は、正極板4と負極板5とを隔離すると共に、正極板4と負極板5との間に電解液を保持する。
このセパレータ6の主成分としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリオレフィン誘導体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステル等のポリエステルなどを採用することができる。中でも、セパレータ6の主成分としては、耐電解液性、耐久性及び溶着性に優れるポリエチレン及びポリプロピレンが好適に用いられる。
(電解液)
ケース2に封入される電解液としては、蓄電素子に通常用いられる公知の電解液が使用でき、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート、又はジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートを含有する溶媒に、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)等を溶解した溶液を用いることができる。
<ケース>
ケース2の材質としては、特に限定されないが、例えば樹脂、金属箔に樹脂層を積層して構成されるフィルム、金属等が挙げられる。また、上記金属としては、例えば鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等が挙げられる。
ケース2の形状としては、例えば有底四角筒状とすることができる。特に正極板4及び負極板5が平坦に積層された部分を有する場合、ケース2は、この平坦に積層された部分における正極板4及び負極板5の積層方向に対して略垂直に延びるよう配置され、電極体1を積層方向両側から挟持する一対の対向面を有することが好ましい。この場合、後述する第1導体層11、第2導体層12及び絶縁層13は、この一対の対向面に積層されることが好ましい。
<検出機構>
上記検出機構は、上述のように第1導体層11、第2導体層12及び絶縁層13を有する。本実施形態において、当該蓄電素子100は、ケース2の表面に第1導体層11、絶縁層13及び第2導体層12がこの順で、かつ少なくとも接着剤層以外の他の層を介さず積層されている。また、上記検出機構は、図4に示すように、第1導体層11及び第2導体層12の電気接触を検出するコントローラ14を有する。さらに、当該蓄電素子100は、第1導体層11及び第2導体層12が電気接触した際に、ケース2の外側で放熱させる放電機構15を有する。放電機構15としては、例えば電極端子9,10を電気抵抗を介して短絡させる回路、電極端子9,10をそれぞれ接地する回路等が挙げられる。放電機構15は、平常時における電極体1の正極板4及び負極板5間の電位差の不要な低下を防止するために電極端子9,10を切り離すためのスイッチを有する。当該蓄電素子100は、コントローラ14が第1導体層11及び第2導体層12の電気接触を検出した場合に放電機構15のスイッチを入れることで、電極体1に蓄電されているエネルギーを消費し、これによりケース2内における正極板4及び負極板5の内部短絡に起因する極端な異常発熱を抑制可能に構成されている。
(第1導体層)
図5に示すように、第1導体層11は、ケース2の外面に積層されている。第1導体層11は、上述の一対の対向面の全領域に積層されていることが好ましい。第1導体層11は、厚さが略均一な薄膜状に形成されている。第1導体層11の平均厚さの下限としては、0.2mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、第1導体層11の平均厚さの上限としては、1.5mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。第1導体層11の平均厚さを上記範囲内とすることで、製造コストを抑えつつ略均一な厚さを有する第1導体層11を容易に形成することができる。なお、「平均厚さ」とは、任意の10点の厚さの平均値を意味する。
第1導体層11の材質としては、導電性を有する限り特に限定されないが、例えばアルミニウム、ステンレス及び鉄等の金属又はこれらの合金が挙げられる。
ケース2の表面に第1導体層11を積層する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばケース2の表面に金属箔を接着剤で接着する方法、ケース2の表面に金属粒子を含むインクを塗布して乾燥した後、焼成する方法、めっきによる方法等が挙げられる。なお、本実施形態においてはケース2及び第1導体層11は別体として形成されているが、ケース2の材質が導電性を有する金属の場合、ケース2が第1導体層11を兼ねてもよい。
(第2導体層)
第2導体層12は、当該蓄電素子100の最外面を構成する。第2導体層12は、絶縁層13と対向する面に複数の突起16を有する。複数の突起16間の領域には空隙が形成されている。また、第2導体層12の複数の突起16が形成される反対側の面は平滑面として構成されている。各突起16は、図5及び図6に示すように、基端側に位置する柱状の基部と、この基部の先端から連続する錐状の先端部とを有する。なお、図5及び図6では、基部が円柱状で、かつ先端部が円錐状である構成を例示しているが、この基部は例えば三角柱状、四角柱状又は多角柱状等であってもよく、上記先端部は上記基部の形状に合わせて三角錐状、四角錘状又は多角錘状等に形成されてもよい。また、上記先端部の先端は丸められていてもよい。当該蓄電素子100は、このように各突起16が柱状の基部を有することで突起16の強度を十分に保つことができる。また、当該蓄電素子100は、各突起16が錘状の先端部を有することで突起16が絶縁層13を貫通しやすい。
複数の突起16は第2導体層12の全面に亘って略等間隔で配設されている。複数の突起16の配置としては、格子状パターンが好ましい。この格子状パターンとしては、図6に示すような四角格子状パターンであってもよく、三角格子状パターン、多角格子状パターン等であってもよい。なお、「格子状パターン」とは、各突起16が格子点に位置するよう配置される構成をいう。
各突起16の突出長さは、絶縁層13の厚さより大きいことが好ましい。また、複数の突起16の突出長さは等しいことが好ましい。複数の突起16の平均突出長さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.07mmがより好ましい。一方、複数の突起16の平均突出長さの上限としては、0.5mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。複数の突起16の平均突出長さが上記範囲内であることによって、突起16の折れを抑制しつつ、この突起16を絶縁層13に容易かつ確実に貫通させることができる。
複数の突起16のアスペクト比の下限としては、0.02が好ましく、0.05がより好ましい。一方、上記アスペクト比の上限としては、0.5が好ましく、0.2がより好ましい。上記アスペクト比が上記範囲内であることによって、突起16の折れを抑制しつつ、この突起16を絶縁層13に容易かつ確実に貫通させることができる。なお、「突起16のアスペクト比」とは、突起16底面の平均径に対する高さの比をいう。
隣接する突起16間の平均間隔の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記平均間隔の上限としては、5mmが好ましく、2mmがより好ましい。上記平均間隔が上記範囲内であることによって、他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた場所に対応する複数の突起16を絶縁層13に容易かつ確実に貫通させることができる。
第2導体層12の平均厚さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、第2導体層12の平均厚さの上限としては、2.0mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。第2導体層12の平均厚さを上記範囲内とすることで、複数の突起16の突出長さを十分に確保しつつ、第2導体層12を容易に形成することができる。なお、「第2導体層の厚さ」とは、第2導体層の複数の突起の先端からこれらの突起が形成された面の反対側の面までの厚さをいう。
第2導体層12の材質としては、導電性を有する限り特に限定されないが、例えばアルミニウム、ステンレス及び鉄等の金属又はこれらの合金が挙げられる。
第2導体層12は、例えば金属箔をプレス成形することでこの金属箔の一方の面に複数の突起を形成することで形成することができる。また、第2導体層12を絶縁層13に積層する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば複数の突起16の先端と絶縁層13とを接着剤で接着する方法が挙げられる。
(絶縁層)
絶縁層13は、絶縁性及び可撓性を有する。絶縁層13は、対向する一対の平滑面を有し、厚さが略等しい薄膜状に形成されている。絶縁層13の内面は第1導体層11の外面と全面的に当接している。また、絶縁層13の外面は複数の突起16の先端と当接している。当該蓄電素子100は、絶縁層13が複数の突起16の先端と当接していることによって、第2導体層12に他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた際に複数の突起16によって絶縁層13を貫きやすい。これにより、当該蓄電素子100は、第1導体層11及び第2導体層12をより確実に電気接触させることができる。
絶縁層13の平均厚さの下限としては、0.03mmが好ましく、0.05mmがより好ましい。一方、絶縁層13の平均厚さの上限としては、0.4mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。絶縁層13の平均厚さが上記範囲内であることで、絶縁層13によって第1導体層11及び第2導体層12を離間した状態で的確に保持することができると共に、第2導体層12の外側から他物体からの外力を受けた際に複数の突起16を絶縁層13に容易かつ確実に貫通させることができる。
絶縁層13は、合成樹脂を主成分として形成されることが好ましい。上記合成樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリオレフィン誘導体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステル等のポリエステルなどが挙げられる。中でも、耐久性等に優れるポリエチレン及びポリプロピレンが好適に用いられる。
絶縁層13を第1導体層11に積層する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば接着剤を用いて接着する方法が挙げられる。また、絶縁層13の一方の面に第1導体層11を積層した状態で、第1導体層11をケース2に積層することも可能である。
<利点>
当該蓄電素子100は、ケース2に、第1導体層11と、この第1導体層11に積層される第2導体層12と、この第1導体層11及び第2導体層12の間に介在する絶縁層13とが配されており、第2導体層12の外面側から釘等の他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた場合に第1導体層11及び第2導体層12が電気接触することで、この他物体の貫入を検出することができる。特に、当該蓄電素子100は、第2導体層12が絶縁層13と対向する側の面に複数の突起16を有し、かつこれらの突起16間の領域に空隙が形成されているので、上記他物体が第2導体層12の外面側から突き刺さる等した場合に、第2導体層12に形成される複数の突起16が絶縁層13を貫いて第1導体層11と直接電気接触しやすい。そのため、当該蓄電素子100は、他物体による外力を受けた場合に、第1導体層11及び第2導体層12の電気接触に基づきこの他物体を容易かつ確実に検出することができる。
[第二実施形態]
<検出機構>
図7及び図8を参照して、当該蓄電素子における上記検出機構の他の構成例について説明する。図7及び図8では、ケース2に、第1導体層11と、第1導体層11に積層される第2導体層22と、第1導体層11及び第2導体層22の間に介在する絶縁層13とが配されている。第1導体層11、絶縁層13及び第2導体層22は、ケース2の表面に少なくとも接着剤層以外の他の層を介さずこの順で積層されている。また、上記検出機構は、第1導体層11及び第2導体層22の電気接触を検出するコントローラ(不図示)を有する。さらに、当該蓄電素子は、第1導体層11及び第2導体層22が電気接触した際に、ケースの外側で放熱させる放電機構(不図示)を有する。本実施形態の検出機構における第1導体層11及び絶縁層13は、図1乃至図6の蓄電素子と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(第2導体層)
第2導体層22は、当該蓄電素子の最外面を構成する。第2導体層22は、絶縁層13と対向する面に複数の突起26を有し、複数の突起26間の領域に空隙が形成されている。また、第2導体層22の複数の突起26が形成される反対側の面は平滑面として構成されている。複数の突起26は先端が絶縁層13と当接している。各突起26は、第2導体層22の一端から他端に亘って直線状に伸びており、複数の突起26は全体として格子状に形成されている。本実施形態では、複数の突起26は全体として四角格子状に形成されている。但し、これらの突起26は、例えば三角格子状又は多角格子状に形成されてもよい。
なお、複数の突起26の平均突出長さ、隣接する突起26間の平均間隔、複数の突起26のアスペクト比(幅に対する突出長さの比)、第2導体層22の平均厚さ、及び第2導体層22の材質としては、図1乃至図6の蓄電素子の第2導体層12と同様とすることができる。
<利点>
当該蓄電素子は、複数の突起26が全体として格子状に形成されており、これにより複数の突起26が第2導体層22の全領域に高密度で配されている。そのため、当該蓄電素子は、複数の突起26が形成される第2導体層22の全領域において他物体の押圧の検出を容易かつ確実に行うことができる。
[第三実施形態]
<検出機構>
図9を参照して、当該蓄電素子における上記検出機構の他の構成例について説明する。図9では、ケース2に、第1導体層31と、第1導体層31に積層される第2導体層32と、第1導体層31及び第2導体層32の間に介在する絶縁層13とが配されている。第1導体層31、絶縁層13及び第2導体層32は、ケース2の表面に少なくとも接着剤層以外の他の層を介さずこの順で積層されている。第1導体層31は、絶縁層13と対向する面に複数の突起36を有し、複数の突起36間の領域に空隙が形成されている。また、上記検出機構は、第1導体層31及び第2導体層32の電気接触を検出するコントローラ(不図示)を有する。さらに、当該蓄電素子は、第1導体層31及び第2導体層32が電気接触した際に、ケースの外側で放熱させる放電機構(不図示)を有する。
本実施形態における第1導体層31は、図1乃至図6の蓄電素子の第2導体層12と同様の構成を有する。また、本実施形態における第2導体層32は、図1乃至図6の蓄電素子の第1導体層11と同様の構成を有する。具体的には、本実施形態では、図1乃至図6の蓄電素子の第1導体層11、絶縁層13及び第2導体層12の積層体における第2導体層12の外面がケース2の外面と積層された構成とされている。これにより、当該蓄電素子は、第1導体層31が、絶縁層13とケース2との間に配設され、複数の突起36が第1導体層31に形成されている。
<利点>
当該蓄電素子は、第1導体層31が絶縁層13とケース2との間に配設され、複数の突起36が第1導体層31に形成されているので、第2導体層32の外面側から他物体が突き刺さる等した場合に複数の突起36がケースに突き刺さることが防止される。そのため、当該蓄電素子は、複数の突起36がケース2の破損を助長することを防止でき、ひいてはケース2の破損に起因するケース2内における電極体の短絡を抑制することができる。
[第四実施形態]
<検出機構>
図10を参照して、当該蓄電素子における上記検出機構の他の構成例について説明する。図10では、ケース2に、第1導体層41と、第1導体層41に積層される第2導体層42と、第1導体層41及び第2導体層42の間に介在する絶縁層13が配されている。第1導体層41、絶縁層13及び第2導体層42は、ケース2の表面に少なくとも接着剤層以外の他の層を介さずこの順で積層されている。第1導体層41は、絶縁層13と対向する面に複数の突起46を有し、複数の突起46間の領域に空隙が形成されている。また、上記検出機構は、第1導体層41及び第2導体層42の電気接触を検出するコントローラ(不図示)を有する。さらに、当該蓄電素子は、第1導体層41及び第2導体層42が電気接触した際に、ケースの外側で放熱させる放電機構(不図示)を有する。
本実施形態における第1導体層41は、図7及び図8の第2導体層22と同様の構成を有する。また、本実施形態における第2導体層42は、図7及び図8の第1導体層11と同様の構成を有する。具体的には、本実施形態では、図7及び図8の第1導体層11、絶縁層13及び第2導体層22の積層体における第2導体層22の外面がケース2の外面と積層された構成とされている。これにより、当該蓄電素子は、第1導体層41が、絶縁層13とケース2との間に配設され、複数の突起46が第1導体層41に形成されている。
<利点>
当該蓄電素子は、第2導体層42の外面側から他物体による外力を受けた場合に複数の突起46がケースに突き刺さることが防止されるので、複数の突起46がケース2の破損を助長することを防止でき、ひいてはケース2の破損に起因するケース2内における電極体の短絡を抑制することができる。また、当該蓄電素子は、複数の突起46が全体として格子状に形成されているので、複数の突起46が形成される第2導体層42の全領域において他物体の検出を容易かつ確実に行うことができる。
[第五実施形態]
<検出機構>
図11を参照して、当該蓄電素子における上記検出機構の他の構成例について説明する。図11では、ケース2に、第1導体層51と、第1導体層51に積層される第2導体層52と、第1導体層51及び第2導体層52の間に介在する絶縁層13が配されている。第1導体層51、絶縁層13及び第2導体層52は、ケース2の表面に少なくとも接着剤層以外の他の層を介さずこの順で積層されている。第1導体層51は、絶縁層13と対向する面に複数の突起56を有し、複数の突起56間の領域に空隙が形成されている。図11では、第1導体層51が絶縁層13とケース2との間に配設され、複数の突起56が第1導体層51に形成されている。また、上記検出機構は、第1導体層51及び第2導体層52の電気接触を検出するコントローラ(不図示)を有する。さらに、当該蓄電素子は、第1導体層51及び第2導体層52が電気接触した際に、ケースの外側で放熱させる放電機構(不図示)を有する。本実施形態の検出機構における絶縁層13は、図1乃至図6の蓄電素子の絶縁層13と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(第1導体層)
第1導体層51は、ケース2の外面に積層されている。第1導体層51は、複数の突起56を有する面と反対側の面が平滑面として構成されており、この平滑面がケース2の外面に積層されている。第1導体層51は、ケース2の上述の一対の対向面の全領域に積層されていることが好ましい。複数の突起56の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば図5及び図6に示すように基端側に位置する柱状の基部と、この基部の先端から連続する錐状の先端部とを有していてもよく、また図7及び図8に示すように全体として格子状に形成されていてもよい。また、複数の突起56の平均突出長さ、隣接する突起56間の平均間隔、複数の突起56のアスペクト比、第1導体層51の平均厚さ、及び第1導体層51の材質としては、図1の蓄電素子の第2導体層12と同様とすることができる。
(第2導体層)
第2導体層52は、当該蓄電素子の最外面を構成する。第2導体層52は、絶縁層13と接していない側の面に凹部57を有する。また、第2導体層52の絶縁層13と接する側の面は平滑面とされており、この平滑面は絶縁層13と全面的に当接している。第2導体層52の平均厚さ及び材質としては、図1の蓄電素子の第2導体層12と同様とすることができる。
凹部57は第2導体層52の外面に複数形成されている。また、これらの凹部57は、突起56と重なる位置に形成されていることが好ましい。複数の凹部57は、底部及びこの底部から外面側かつ外側に傾斜する傾斜部を有する。この傾斜部は、他物体を底部にガイドするガイド部として構成される。複数の凹部57は、例えば第2導体層52の厚さ方向の断面が鋸刃状とされることで設けられてもよく、第2導体層52の外面に複数の穴部を設けることで形成されてもよい。
複数の凹部57の平均深さの下限としては、0.2mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記平均深さの上限としては、1.5mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。上位平均深さが上記範囲内であることによって、第2導体層52が部分的に薄くなり過ぎることを抑制しつつ、他物体を凹部57の底部にガイドしやすい。なお、「凹部の深さ」とは、傾斜部の上端から底部の下端までの厚さ方向距離をいう。また、「平均深さ」とは、任意の10点の深さの平均値をいう。
上記傾斜部の第2導体層52の平面方向に対する平均傾斜角の下限としては、10°が好ましく、15°がより好ましい。一方、上記平均傾斜角の上限としては、60°が好ましく、45°がより好ましい。上記平均傾斜角が上記範囲内であることによって、第2導体層52が部分的に薄くなり過ぎることを抑制しつつ、他物体を凹部57の底部にガイドしやすい。なお、「平均傾斜角」とは、任意の10点の傾斜角の平均値をいう。
<利点>
当該蓄電素子は、第2導体層52の絶縁層13と接していない側の面に凹部57を有することによって、凹部57の最薄部に他物体をガイドすることでき、この凹部形成領域において第1導体層及び第2導体層の電気接触を促進することができる。特に、当該蓄電素子は、凹部57の最薄部に重なる位置に突起56が形成されることで、この突起56によって、第2導体層52を第1導体層51と容易かつ確実に電気接触させることができる。
[第六実施形態]
<検出機構>
図12を参照して、当該蓄電素子における上記検出機構の他の構成例について説明する。図12では、ケース2に、第1導体層11と、第1導体層11に積層される第2導体層62と、第1導体層11及び第2導体層62の間に介在する絶縁層63とが配されている。第1導体層11、絶縁層63及び第2導体層62は、ケース2の表面に少なくとも接着剤層以外の他の層を介さずこの順で積層されている。また、上記検出機構は、第1導体層11及び第2導体層62の電気接触を検出するコントローラ(不図示)を有する。さらに、当該蓄電素子は、第1導体層11及び第2導体層62が電気接触した際に、ケースの外側で放熱させる放電機構(不図示)を有する。本実施形態の検出機構における第1導体層11は、図1乃至図6の蓄電素子の第1導体層11と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(第2導体層)
第2導体層62は、当該蓄電素子の最外面を構成する。第2導体層62は、絶縁層63と対向する面に複数の突起66を有し、複数の突起66間の領域に空隙が形成されている。また、第2導体層62の複数の突起66が形成される反対側の面は平滑面として構成されている。複数の突起66と第1導体層11との間には絶縁層63は存在していない。また、複数の突起66と第1導体層11とは離間して配設されている。
隣接する突起66間の平均間隔の下限としては、5mmが好ましく、7mmがより好ましい。一方、上記平均間隔の上限としては、15mmが好ましく、10mmがより好ましい。上記平均間隔が上記範囲内であることによって、絶縁層63を複数の突起66間の領域に比較的容易に配設することができると共に、第2導体層62の外面側から他物体が時刺さった際に複数の突起66を第1導体層11に接触させやすい。
複数の突起66の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば図5及び図6に示すように基端側に位置する柱状の基部と、この基部の先端から連続する錐状の先端部とを有していてもよく、また図7及び図8に示すように全体として格子状に形成されていてもよい。また、複数の突起66の平均突出長さ、複数の突起66のアスペクト比、第2導体層62の平均厚さ、及び第2導体層61の材質としては、図1の蓄電素子の第2導体層12と同様とすることができる。
(絶縁層)
絶縁層63は、第1導体層11及び第2導体層62の間に散点的に配設されている。具体的には、絶縁層63は、第2導体層62の複数の突起66が存在しない部分において第1導体層11及び第2導体層62間に配設されている。絶縁層63の厚さは、複数の突起66の厚さよりも大きい。これにより、当該蓄電素子は、複数の突起66と第1絶縁層11との間に空気層が形成されている。つまり、当該蓄電素子は、複数の突起66間の領域に加え、複数の突起66及び第1導体層11の間に空隙を有する。
複数の突起66の平均突出長さに対する絶縁層63の平均厚さの比の下限としては、1.2が好ましく、1.5がより好ましい。一方、上記比の上限としては、2.5が好ましく、2.0がより好ましい。上記比が上記範囲内であることによって、通常時には第1導体層11及び複数の突起66を確実に離間させつつ、第2導体層62の外面側から他物体が突き刺さる等した際に第2導体層62がケース2側に落ち込むことで複数の突起66を第1導体層11に接触させやすい。
絶縁層63を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いる方法が挙げられる。
<利点>
当該蓄電素子は、絶縁層63が第1導体層11及び第2導体層62の間に散点的に配設されているので、第2導体層62の外面側から他物体が突き刺さる等の衝撃を受けた場合、絶縁層63が存在しない領域に応力が集中しやすく、これにより絶縁層63が存在しない領域での第1導体層11及び第2導体層62の電気接触を促進することができる。特に、当該蓄電素子は、絶縁層63と重ならない領域に複数の突起66が形成されているので、複数の突起66を第1導体層11に接触させやすい。
[第七実施形態]
<検出機構>
図13を参照して、当該蓄電素子における上記検出機構の他の構成例について説明する。図13では、ケース2に、第1導体層71と、第1導体層71に積層される第2導体層72と、第1導体層71及び第2導体層72の間に介在する絶縁層73とが配されている。第1導体層71、絶縁層73及び第2導体層72は、ケース2の表面に少なくとも接着剤層以外の他の層を介さずこの順で積層されている。また、上記検出機構は、第1導体層71及び第2導体層72の電気接触を検出するコントローラ(不図示)を有する。さらに、当該蓄電素子は、第1導体層71及び第2導体層72が電気接触した際に、ケースの外側で放熱させる放電機構(不図示)を有する。
(第1導体層)
第1導体層71は、ケース2の外面に積層されている。第1導体層71は、上述の一対の対向面の全領域に積層されていることが好ましい。第1導体層71のケース2に積層される面は平滑面として構成されている。また、第1導体層71は、絶縁層73と対向する面に複数の突起76を有し、複数の突起76間の領域に空隙が形成されている。複数の突起76の先端は絶縁層73と当接している。複数の突起76の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば図5及び図6に示すように基端側に位置する柱状の基部と、この基部の先端から連続する錐状の先端部とを有していてもよく、また図7及び図8に示すように全体として格子状に形成されていてもよい。隣接する突起76間の平均間隔としては、図12の突起66の平均間隔と同様とすることができる。また、複数の突起76の平均突出長さ、複数の突起76のアスペクト比、第1導体層71の平均厚さ、及び第1導体層71の材質としては、図1の蓄電素子の第2導体層12と同様とすることができる。
(第2導体層)
第2導体層72は、当該蓄電素子の最外面を構成する。第2導体層72は、絶縁層73と対向する面に複数の突起77を有し、複数の突起77間の領域に空隙が形成されている。また、第2導体層72の複数の突起77が形成される反対側の面は平滑面として構成されている。複数の突起77と第1導体層71との間には絶縁層73は存在していない。また、複数の突起77と第1導体層71とは離間して配設されている。複数の突起77の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば図5及び図6に示すように基端側に位置する柱状の基部と、この基部の先端から連続する錐状の先端部とを有していてもよく、また図7及び図8に示すように全体として格子状に形成されていてもよい。隣接する突起77間の平均間隔としては、図12の突起66間の平均間隔と同様とすることができる。また、複数の突起77の平均突出長さ、複数の突起77のアスペクト比、第2導体層72の平均厚さ、及び第2導体層72の材質としては、図1の蓄電素子の第2導体層12と同様とすることができる。
(絶縁層)
絶縁層73は、第1導体層71及び第2導体層72の間に散点的に配設されている。絶縁層73は、第1導体層71の複数の突起76及び第2導体層72の複数の突起77のうちの一方の突起を被覆するように配設されており、本実施形態においては第1導体層71の複数の突起76を被覆するように配設されている。これにより、第1導体層71の複数の突起76及び第2導体層72が絶縁層73を介して積層される一方、第2導体層72の複数の突起77及び第1導体層71の間には空気層が形成される。絶縁層73の平均厚さ及び材質としては、図1の蓄電素子の絶縁層13と同様とすることができる。
<利点>
当該蓄電素子は、絶縁層73が第1導体層71及び第2導体層72の間に散点的に配設されているので、第2導体層72の外面側から他物体が突き刺さる等した場合、絶縁層73が存在しない領域に応力が集中しやすく、これにより絶縁層73が存在しない領域での第1導体層71及び第2導体層72の電気接触を促進することができる。特に、当該蓄電素子は、絶縁層73と重ならない領域に複数の突起77が形成されているので、複数の突起77を第1導体層71に接触させやすい。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。例えば、当該蓄電素子は、第1導体層、第2導体層及び絶縁層がケースの内面に積層されてもよい。当該蓄電素子は、第1導体層、第2導体層及び絶縁層の間に接着剤層以外の他の層が存在しないことが好ましいが、第1導体層、第2導体層及び絶縁層の間に他の樹脂層や他の金属層が配設されていてもよい。
上記複数の突起は、第1導体層及び第2導体層のいずれに形成されていてもよい。例えば図11において複数の突起が第2導体層の絶縁層と対向する面に形成されていてもよく、また図12において複数の突起が第1導体層の絶縁層と対向する面に形成されていてもよい。
当該蓄電素子は、例えば図13において絶縁層が第1導体層の全面に積層されていてもよい。
上記複数の突起は、全体としてストライプ状に形成されていてもよい。当該蓄電素子は、複数の突起が全体としてストライプ状に形成されている場合、複数の突起が形成される第1導体層又は第2導体層の全領域において他物体の検出を容易かつ確実に行うことができる。
本発明は、上述の蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図14に示す。図14において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100を備えている。複数の蓄電素子100は、図示しないバスバーによって連結されている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
本発明に係る蓄電素子は、多様な機器の電源として広く利用することができ、特にエネルギー密度が大きい蓄電素子に好適に利用される。
1 電極体
2 ケース
3 蓋体
4 正極板
5 負極板
6 セパレータ
7,8 集電部材
9,10 電極端子
11,31,41,51,71 第1導体層
12,22,32,42,52,62,72 第2導体層
13,63,73 絶縁層
14 コントローラ
15 放電機構
16,26,36,46,56,66,76,77 突起
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
57 凹部
100 蓄電素子

Claims (7)

  1. 電極体と、
    この電極体を収容するケースと
    を備え、
    上記ケースに、
    第1導体層と、この第1導体層に積層される第2導体層と、この第1導体層及び第2導体層の間に介在する絶縁層とが配され、
    上記第1導体層又は第2導体層が上記絶縁層と対向する面に複数の突起を有し、
    上記複数の突起間の領域に空隙が形成されている蓄電素子。
  2. 上記絶縁層が上記突起の先端と当接している請求項1の蓄電素子。
  3. 上記複数の突起が全体としてストライプ状又は格子状に形成されている請求項1又は請求項2の蓄電素子。
  4. 上記第1導体層が上記絶縁層とケースとの間に配設され、上記複数の突起が上記第1導体層に形成されている請求項1、請求項2又は請求項3の蓄電素子。
  5. 上記絶縁層が上記第1導体層及び第2導体層の間に散点的に配設されている請求項1から請求項4のいずれか1項の蓄電素子。
  6. 上記ケース表面に、第1導体層、絶縁層及び第2導体層がこの順で配置され、上記第2導体層が絶縁層と接していない側の面に凹部を有する請求項1から請求項5のいずれか1項の蓄電素子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項の蓄電素子を少なくとも一つ以上含む二つ以上の蓄電ユニットと、
    上記二つ以上の蓄電素子を連結するバスバーと
    を備える蓄電装置。
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