JP2018097925A - 紫外線検出器 - Google Patents

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泰行 河野
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良太 掛井
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昭宏 古橋
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天界 中村
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【課題】高感度な検出を安定して行うことができる紫外線検出器を提供する。【解決手段】紫外線検出器1は、第1表面10aを有する光透過性の第1基板10と、第1表面10aと向かい合う第2表面20aを有する第2基板20と、放電ガスが封入された空間Sが第1表面10aと第2表面20aとの間に形成されるように第1基板10と第2基板20との間に配置された枠部30と、第2表面20aに設けられた陰極部21と、空間Sを介して陰極部21と対向するように第1表面10aに設けられた基体部14、及び基体部14から第2表面20a側に突出する突出部15を有する陽極部11と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、紫外線検出器に関する。
光電子放出効果及び放電現象を利用した紫外線検出器として、第1表面を有する光透過性の第1基板と、第1表面と向かい合う第2表面を有する第2基板と、放電ガスが封入された空間が第1表面と第2表面との間に形成されるように第1基板と第2基板との間に配置された枠部と、第1表面に設けられた陽極部と、空間を介して陽極部と対向するように第2表面に設けられた陰極部と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2936098号公報
上述したような紫外線検出器では、本来、次のように電子増倍作用による空間放電を生じさせて、紫外線を検出することが意図されている。すなわち、陽極部と陰極部との間に電圧が供給された状態において陰極部に紫外線が入射すると、陰極部から光電子が放出される。この光電子は、陽極部に引き寄せられ、空間内の放電ガス分子と衝突して放電ガス分子を電離させる。電離によって発生した電子及び正イオンのうち、電子は、他の放電ガス分子と衝突及び電離を繰り返して陽極部に至る。一方、正イオンは、陰極部に向けて加速され、陰極部に衝突して多くの二次電子を発生させる。この電子増倍現象が繰り返されることにより、空間放電が生じ、陽極部と陰極部との間に急激に大きな電流が流れる。
しかしながら、上述した従来の紫外線検出器では、陰極部から放出された光電子や二次電子、電離によって発生した電子及び正イオン等の荷電粒子が、枠部の内壁面に入射してしまい、枠部の内壁面が帯電することで、上記のような空間放電ではなく、枠部の内壁面に沿って進展する沿面放電が生じる場合がある。この場合、電子増倍現象は発生しないため、検出感度が低下してしまう。
そこで、本発明は、高感度な検出を安定して行うことができる紫外線検出器を提供することを目的とする。
本発明の紫外線検出器は、第1表面を有する光透過性の第1基板と、第1表面と向かい合う第2表面を有する第2基板と、放電ガスが封入された空間が第1表面と第2表面との間に形成されるように第1基板と第2基板との間に配置された枠部と、第2表面に設けられた陰極部と、空間を介して陰極部と対向するように第1表面に設けられた基体部、及び基体部から陰極部側に突出する突出部を有する陽極部と、を備える。
この紫外線検出器では、陽極部が、第1表面に設けられた基体部から陰極部側に突出する突出部を有している。これにより、陰極部と陽極部との間の実質的な空間距離が短くなるため、枠部の内壁面に沿って進展する沿面放電ではなく、突出部を起点とした、電子増倍現象を伴う空間放電を生じやすくすることができる。よって、この紫外線検出器では、高感度な検出を安定して行うことができる。
本発明の紫外線検出器では、基体部は、層状に形成されており、突出部は、塊状に形成されていてもよい。この場合、安定した突出部を容易に形成することができる。
本発明の紫外線検出器では、基体部は、層状に形成されており、突出部は、線状に形成されていてもよい。この場合、突出部の突出量を容易に調節することができる。
本発明の紫外線検出器は、第1表面に設けられた凸部を更に備え、陽極部は、第1表面及び凸部の表面に渡って層状に形成されていてもよい。この場合、基体部と突出部とが一体に形成されているので、基体部と突出部との電気的な接続を確実に行うことができる。
本発明の紫外線検出器では、凸部は、第1基板と一体に形成されていてもよい。この場合、安定した凸部を形成することができる。
本発明の紫外線検出器では、凸部は、第1基板と別体に形成されていてもよい。この場合、凸部を容易に形成することができる。
本発明の紫外線検出器では、陽極部は、一部が他の部分に対して陰極部側に位置するように曲げられた金属部材であってもよい。この場合、基体部と突出部とが一体に形成されているので、基体部と突出部との電気的な接続を確実に行うことができる。
本発明の紫外線検出器では、突出部は、陰極部の中央部と対向していてもよい。この場合、空間放電の起点となる突出部が枠部から離間するため、枠部の内壁面に沿って進展する沿面放電の発生を一層抑制することができる。
本発明の紫外線検出器では、陽極部は、複数の突出部を有していてもよい。この場合、電子増倍を伴う空間放電の発生をより一層促進することができる。
本発明によれば、高感度な検出を安定して行うことができる紫外線検出器を提供することが可能となる。
一実施形態の紫外線検出器の分解斜視図である。 図1の紫外線検出器の第1基板の底面図である。 図1の紫外線検出器のIII-III線に沿っての断面図である。 図1の紫外線検出器において生じる放電現象を示す断面図である。 突出部の有無による電流−電圧特性の違いを示すグラフである。 第1変形例の第1基板の底面図である。 (a)は、第2変形例の第1基板の底面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿っての断面図である。 (a)は、第3変形例の第1基板の底面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿っての断面図である。 (a)は、第4変形例の第1基板の底面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿っての断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1〜図3に示される紫外線検出器1は、光電子放出効果及び放電現象を利用して紫外線を検出するセンサであって、例えば炎センサとして用いられる。図1〜図3に示されるように、紫外線検出器1は、第1基板10と、第2基板20と、枠部30と、陽極部11と、陰極部21と、を備えている。第1基板10は、第1表面10aを有している。第2基板20は、第1表面10aと向かい合う第2表面20aを有している。枠部30は、空間Sが第1表面10aと第2表面20aとの間に形成されるように、第1基板10と第2基板20との間に配置されている。空間S内には、例えばネオン、アルゴン等の放電ガスが封入されている。空間Sは気密に保たれている。陽極部11は、第1表面10aに設けられている。陰極部21は、第2表面20aに設けられている。陽極部11と陰極部21とは、空間Sを介して互いに対向している。
第1基板10は、例えば石英、ガラス等の光透過性(紫外線透過性)を有する材料からなる。第1基板10は、例えば矩形平板状をなしている。第1基板10において、第1表面10aを挟んで互いに対向する一対の側縁部それぞれには、切欠10cが設けられている。切欠10cは、枠部30の第1表面10a側の表面30aを露出させている。切欠10cは、例えば平面視において(第1表面10aに垂直な方向から見た場合に)断面半円形状をなしている。切欠10cは、後述するように、電気回路Cと陽極部11との電気的な接続のために設けられている。
第1基板10の第1表面10a上には、陽極部11と、陽極部11と接続された信号導出部12と、環状の第1積層体13と、が設けられている。陽極部11及び信号導出部12は、第1積層体13の内側に配置されている。陽極部11は、空間Sを介して陰極部21と対向するように第1表面10a上に設けられた基体部14と、基体部14から陰極部21側に突出する突出部15と、を有している。
基体部14は、例えばアルミニウム、金等の導電性を有する材料からなる。基体部14は、例えば層状(膜状)に形成されており、具体的には蒸着等によって形成された金属薄膜等である。基体部14は、矩形部14aと接続部14bとを有している。矩形部14aは、行と列に配列されるように配置されており、ここでは9個の矩形部14aが3行3列となるように配置されている。中央の矩形部14aは、陰極部21の中央部と対向している。接続部14bは、直線状に延在し、行方向に隣り合う矩形部14a同士、及び行方向の端部において列方向に隣り合う矩形部14a同士を接続している。なお、格子状に、行及び列方向に隣り合うすべての矩形部14a同士が接続されてもよいが、矩形部14aと接続部14bとの間の領域は、第1基板10を透過して陰極部21に入射する紫外光が通過する窓部としても機能するため、矩形部14a同士が確実に電気的に接続されるのであれば、接続部14bはできる限り少ない方が好ましい。
突出部15は、例えば金や、インジウム、銅等の導電性を有する材料からなる。突出部15は、基体部14上に設けられた突起(バンプ)であり、塊状に形成されている。突出部15は、中央の矩形部14a上に設けられ、陰極部21の中央部と対向している。突出部15は、例えば略柱状、略錐台状等の任意の形状であってよい。突出部15は、例えばワイヤボンダを用いて形成される。
信号導出部12は、例えばアルミニウム、金等の導電性を有する材料からなる。本実施形態では、信号導出部12は、基体部14と同一の材料からなり、基体部14と一体に形成されている。信号導出部12は、直線状に延在し、四隅に配置された矩形部14aと、第1積層体13の4つの隅部とを互いに接続している。信号導出部12は、陽極部11からの信号導出のための部分として機能すると共に、陽極部11への給電のための部分としても機能する。
第1積層体13は、金属薄膜が積層されたものであり、例えば、クロムからなる第1層13a、ニッケルからなる第2層13b、及び銅からなる第3層13cが、この順で第1表面10a上に積層されることにより構成されている。図2に示されるように、第1積層体13の4つの隅部には、信号導出部12の一部12aと第1積層体13とが重なるように形成されている。これは、信号導出部12と第1積層体13とを確実に互いに電気的に接続させるためである。例えば、信号導出部12の一部12a上に、第1積層体13の第1層13aが配置されている。
第2基板20は、例えば低抵抗化されたシリコンからなる。第2基板20の第2表面20aは、例えばシリコン又は二酸化シリコンによって構成されている。第2基板20は、例えば第1基板10に対応した平面形状を有する矩形平板状をなしている。第2基板20の第2表面20a上には、給電層22が設けられている。第2基板20の第2表面20aとは反対側の反対面20b上には、給電層23が設けられている。給電層22及び給電層23の双方は、例えばアルミニウム、金等の導電性を有する材料からなる。給電層22,23間には、第2基板20を介したオーミックコンタクトが形成されており、給電層22,23は互いに電気的に接続されている。また、第2基板20として、ガラス等からなる絶縁性基板を用いてもよく、この場合、基板を貫通するように導電部材を設けたり、基板の表面に沿って導電部材を設けることで、給電経路を構成してもよい。
第2表面20a上には、第2表面20a及び給電層22の表面に渡って密着層24が設けられている。密着層24は、第2基板20と陰極部21との間の密着性を高めるための導電層であり、例えばクロムからなる。陰極部21は、密着層24上に層状に形成されている。すなわち、陰極部21は、密着層24を介して第2表面20a上に設けられている。陰極部21は、平面視矩形状をなしている。陰極部21は、紫外線の入射によって光電子を放出する材料からなる。陰極部21の材料としては、例えばニッケル、白金、金等が挙げられる。
第2表面20a上には、陰極部21と連続し、陰極部21を環状に包囲する包囲部26が更に設けられている。包囲部26は、密着層24上に層状に形成されている。すなわち、包囲部26は、密着層24を介して第2表面20a上に設けられている。包囲部26は、平面視矩形環状をなしている。包囲部26は、陽極部11と対向していない。包囲部26は、導電性を有する材料(以下、「第1材料」という)によって構成されている。
第1材料の二次電子放出係数δは、第2表面20aを構成する材料(以下、「第2材料」という)の二次電子放出係数δよりも小さい。このような第1材料及び第2材料の組み合わせとしては、ニッケル(δ=1、第1材料)と二酸化シリコン(δ=3.9、第2材料)、金(δ=1.7、第1材料)と二酸化シリコン(δ=3.9、第2材料)、白金(δ=1.6、第1材料)と二酸化シリコン(δ=3.9、第2材料)等が挙げられる。本実施形態では、包囲部26は、陰極部21と同一の材料からなり、陰極部21と一体に形成されている。
枠部30は、例えばガラスからなる。枠部30は、例えば第1基板10及び第2基板20に対応した平面形状を有する矩形枠状をなしている。枠部30は、開口31を有している。開口31は、第2表面20aに近づくほど広がる形状をなしている。つまり、開口31の内壁面31aは、第2表面20aに近づくほど広がるテーパ面である。つまり、第2表面20aに垂直な方向から見た開口31の断面積は、第1基板10側よりも第2基板20側の方が大きくなっており、第2表面20aに沿った方向から見た開口31の断面は、第2表面20aに近づくほど広がっている。本実施形態では、開口31は、第2表面20aに近づくほど広がる四角錘台状をなしており、開口31の内壁面31aは、第2表面20aに近づくほど、対向する内壁面31a同士が離れるように、傾斜している。
第2表面20aにおいて内壁面31aと対向する領域R(すなわち、第2表面20aに垂直な方向から見た場合に、第2表面20aのうち、第2表面20a側の開口31の縁よりも内側に位置し且つ第2表面20aとは反対側の開口31の縁よりも外側に位置する領域)には、密着層24及び包囲部26が設けられていない。すなわち、領域Rにおいては第2表面20aが露出している。領域Rは、包囲部26を包囲するように環状に延在している。領域Rは、第2表面20aに垂直な方向から見た場合に、枠部30によって覆われている。図3中の破線は、第2表面20a側の開口31の縁から第2表面20aに下ろした垂線である。
枠部30の第1表面10a側の表面30a上には、開口31を環状に包囲するように第2積層体32が設けられている。第2積層体32は、金属薄膜が積層されたものであり、例えば、クロムからなる第1層32a、及びニッケルからなる第2層32bが、この順で表面30a上に積層されることにより構成されている。
第1基板10と枠部30とは、例えばインジウム等の低融点金属からなり、導電性を有する環状のシール部材35を介して互いに固定されている。シール部材35は、第1積層体13の第3層13cと第2積層体32の第2層32bとの間に挟まれ、第1基板10と枠部30との間を封止している。第2基板20と枠部30とは、例えば陽極接合によって互いに固定されている。
続いて、図4を参照しつつ、紫外線検出器1の動作原理を説明する。紫外線検出器1の使用状態においては、電気回路Cから陽極部11と陰極部21との間に電圧が印可されている。陽極部11側については、切欠10cによって露出した第2積層体32が電気回路Cとの接続位置となっている。第2積層体32は、信号導出部12と電気的に接続された第1積層体13、及びシール部材35を介して、陽極部11と電気的に接続されている。陰極部21側については、給電層23が電気回路Cとの接続位置となっており、第2基板20、給電層22、及び密着層24を介して、陰極部21と電気的に接続されている。
使用状態において、第1基板10を介して陰極部21に紫外光Lが入射すると、陰極部21から光電子Eが放出される(光電子放出効果)。この光電子Eは、陽極部11と陰極部21との間に印加された電圧により形成される電界によって陽極部11の突出部15に引き寄せられ、空間S内の放電ガス分子と衝突して放電ガス分子を電離させる。電離によって発生した電子及び正イオンのうち、電子は、更に他の放電ガス分子と衝突及び電離を繰り返して陽極部11に至る。一方、正イオンは、陽極部11に向けて加速され、陽極部11に衝突して多くの二次電子を発生させる。この電子増倍が繰り返されることにより、空間放電が生じ、陽極部11と陰極部21との間に急激に大きな電流が流れる。この電流を電気回路Cで検出することにより、紫外光Lを検出することができる。このように、紫外線検出器1では、光電子放出効果及び放電現象を利用して紫外光を検出する。
以上説明したように、紫外線検出器1では、陽極部11が、第1表面10aに設けられた基体部14から陰極部21側に突出する突出部15を有している。これにより、陰極部21と陽極部11との実質的な空間距離が短くなるため、枠部30の内壁面31aに沿って進展する沿面放電ではなく、突出部15を起点とした、電子増倍現象を伴う空間放電を生じやすくすることができる。内壁面31aよって、紫外線検出器1では、高感度な検出を安定して行うことができる。
図5は、突出部15の有無による電圧−電流特性の違いを示すグラフである。図5において、実施例は、上記実施形態の紫外線検出器1に相当し、比較例は、上記実施形態の紫外線検出器1において突出部15が設けられていないものに相当する。実施例及び比較例のそれぞれについて、紫外光Lが入射している場合と入射していない場合の印可電圧に対する電流値を測定した。
図5に示されるように、比較例では、紫外光Lが入射している場合と入射していない場合とで、電圧−電流特性に大きな差がない。これは、電子増倍を伴う空間放電が発生せず、沿面放電が発生したためである。一方、実施例では、紫外光Lが入射している場合、入射していない場合と比べて電流値が大きく増加している。これは、電子増倍を伴う空間放電が発生したためである。この結果から、突出部15を設けることにより、沿面放電の発生を抑制し、空間放電の発生を促進できることが分かる。
また、紫外線検出器1は、第1表面10aにおいて基体部14と接続された信号導出部12を備えている。これにより、突出部15と信号導出部12とを基体部14を介して確実に電気的に接続することができる。
また、紫外線検出器1では、基体部14が層状に形成されており、突出部15が塊状に形成されている。これにより、安定した突出部15を容易に形成することができる。また、突出部15が塊状に形成されているので、突出部15の突出量を容易に調節することができる。これは、例えば、検出感度や放電開始電圧を調整する場合に有効である。
また、紫外線検出器1では、突出部15が陰極部21の中央部と対向している。これにより、空間放電の起点となる突出部15が枠部30から離間するため、枠部30の内壁面31aに沿って進展する沿面放電の発生を一層抑制することができる。
また、紫外線検出器1では、陰極部21と連続し、陰極部21を環状に包囲する包囲部26が第2表面20aに設けられている。包囲部26を構成する第1材料の二次電子放出係数δは、第2表面20aを構成する第2材料の二次電子放出係数δよりも小さくなっている。ここで、仮に、包囲部26が設けられておらず、陰極部21の周囲において第2表面20aが露出している場合、電子増倍の過程で発生した正イオンが第2表面20aに衝突して枠部30の内壁面31aの近傍で二次電子を発生させることにより、発生した二次電子が内壁面31aに入射して内壁面31aを帯電させやすいため、空間放電ではなく、内壁面31aに沿って進展する沿面放電の発生が促進されるおそれがある。これに対し、紫外線検出器1では、第2表面20aよりも二次電子が放出され難い包囲部26によって陰極部21の周囲の第2表面20aが覆われているので、そのような内壁面31aの帯電による沿面放電の発生を抑制することができる。
また、紫外線検出器1では、開口31の内壁面31aは、第2表面20aに近づくほど広がるテーパ面である。第2表面20aにおいて内壁面31aと対向し、包囲部26を包囲するように環状に延在する領域Rにおいては、第2表面20aが露出している。ここで、仮に、包囲部26と内壁面31aとが接触又は近接していると、内壁面31aを介した沿面放電の発生が促進されるおそれがある。これに対し、紫外線検出器1では、包囲部26と内壁面31aとが領域Rによって分離されているので、沿面放電の発生を抑制することができる。更に、紫外線検出器1では、領域Rと内壁面31aとが対向していることにより、領域Rにおいて露出する第2表面20aへの正イオンの入射が抑制されている。このため、領域Rにおいて第2表面20aが露出している場合でも、沿面放電の発生を抑制することができる。
また、紫外線検出器1では、陰極部21と包囲部26とが同一材料によって構成されている。これにより、陰極部21及び包囲部26を容易に形成することができる。
また、紫外線検出器1では、第2基板20がシリコンからなり、第2表面20aがシリコン又は二酸化シリコンによって構成されている。これにより、領域Rを容易に形成することができる。
また、紫外線検出器1の製造時には、第2基板20上に枠部30を配置した状態で枠部30側から陰極部21及び包囲部26を構成する材料を蒸着することによって陰極部21と包囲部26とを同時に形成してもよい。このとき、内壁面31aが傾斜しているため、内壁面31aで覆われた領域Rには材料が付着しない。そのため、特別なマスク等を用いることなく、領域Rを容易に形成することができる。なお、包囲部26の外縁部が内壁面31aと対向していてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、図6に示される第1変形例のように、陽極部11は、複数(この例では9個)の突出部15を有していてもよい。突出部15は、各矩形部14a上に設けられている。このような第1変形例によっても、上記実施形態と同様に、高感度な検出を安定して行うことができる。また、第1変形例では、陽極部11が複数の突出部15を有しているので、電子増倍を伴う空間放電の発生をより一層促進することができる。
図7に示される第2変形例のように突出部15Aが構成されてもよい。突出部15Aは、線状に形成されている。突出部15Aは、例えば金製のワイヤである。突出部15Aの両端は、中央の矩形部14aを挟む一対の矩形部14aに結合されている。突出部15Aの中間領域は、基体部14から空間的に離間し、陰極部21側に突出している。このような第2変形例によっても、上記実施形態と同様に、高感度な検出を安定して行うことができる。また、突出部15Aが線状に形成されているので、突出部15Aの突出量を容易に調節することができる。これは、例えば、検出感度や放電開始電圧を調整する場合に有効である。
図8に示される第3変形例のような構成であってもよい。第3変形例では、紫外線検出器1は、第1表面10aに設けられた凸部17を更に備えている。凸部17は、例えば円板状をなしている。凸部17は、第1基板10と別体に形成されて第1基板10に固定されている。このような凸部17は、例えばガラス基板を加工することによって形成することができる。陽極部11は、第1表面10a及び凸部17の表面に渡って層状に形成されている。陽極部11のうち、第1表面10aに位置し、凸部17を環状に包囲する部分によって基体部14Bが構成されており、凸部17上に位置する部分によって突出部15Bが構成されている。一対の信号導出部12Bは、直線状に延在し、基体部14Bの一方側と他方側とにおいて基体部14Bと第1積層体13とを接続している。
このような第3変形例によっても、上記実施形態と同様に、高感度な検出を安定して行うことができる。また、基体部14Bと突出部15Bとが一体に形成されているので、基体部14Bと突出部15Bとの電気的な接続を確実化することができる。また、凸部17が第1基板10と別体に形成されているので、凸部17を容易に形成することができる。なお、凸部17は、第1基板10と一体に形成されていてもよい。例えば、第1基板10を予め凸部付きの基板として成形してもよい。
図9に示される第4変形例のような構成であってもよい。第4変形例では、陽極部11は、一部が他の部分に対して陰極部21側に位置するように凸状に曲げられた板状の金属部材である。この例では、陽極部11は、陰極部21側に位置する一部が第1表面10aと平行に延在するように曲げられている。陽極部11のうち、陰極部21側に位置する一部によって突出部15Cが構成されており、他の部分によって基体部14Cが構成されている。信号導出部12Cは、陽極部11を構成する金属部材によって構成されている。陽極部11及び信号導出部12Cは、直線状に延在している。金属部材の材料としては、例えばコバール等が挙げられる。
このような第4変形例によっても、上記実施形態と同様に、高感度な検出を安定して行うことができる。また、基体部14Cと突出部15Cとが一体に形成されているので、基体部14Cと突出部15Cとの電気的な接続を確実化することができる。また、突出部15Cの突出量を容易に調節することができる。
上記実施形態において、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。また、突出部15は、必ずしも陰極部21の中央部と対向していなくてもよく、中央部以外の部分と対向していてもよい。
1…紫外線検出器、10…第1基板、10a…第1表面、11…陽極部、12…信号導出部、14…基体部、15…突出部、17…凸部、20…第2基板、20a…第2表面、21…陰極部、30…枠部、S…空間。

Claims (9)

  1. 第1表面を有する光透過性の第1基板と、
    前記第1表面と向かい合う第2表面を有する第2基板と、
    放電ガスが封入された空間が前記第1表面と前記第2表面との間に形成されるように前記第1基板と前記第2基板との間に配置された枠部と、
    前記第2表面に設けられた陰極部と、
    前記空間を介して前記陰極部と対向するように前記第1表面に設けられた基体部、及び前記基体部から前記陰極部側に突出する突出部を有する陽極部と、を備える、紫外線検出器。
  2. 前記基体部は、層状に形成されており、
    前記突出部は、塊状に形成されている、請求項1に記載の紫外線検出器。
  3. 前記基体部は、層状に形成されており、
    前記突出部は、線状に形成されている、請求項1に記載の紫外線検出器。
  4. 前記第1表面に設けられた凸部を更に備え、
    前記陽極部は、前記第1表面及び前記凸部の表面に渡って層状に形成されている、請求項1に記載の紫外線検出器。
  5. 前記凸部は、前記第1基板と一体に形成されている、請求項4に記載の紫外線検出器。
  6. 前記凸部は、前記第1基板と別体に形成されている、請求項4に記載の紫外線検出器。
  7. 前記陽極部は、一部が他の部分に対して前記陰極部側に位置するように曲げられた金属部材である、請求項1に記載の紫外線検出器。
  8. 前記突出部は、前記陰極部の中央部と対向している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の紫外線検出器。
  9. 前記陽極部は、複数の前記突出部を有している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の紫外線検出器。
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