JP2018095894A - 高品位鉄源の製造方法 - Google Patents

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【課題】高温加熱やフラックス添加などを行わずに、高炉で利用可能な脈石分が10%以下とされた高品位鉄源を製造する。
【解決手段】本発明の高品位鉄源の製造方法は、原料鉱石に対する総鉄量Total.Fe、SiO2量、Al2O3量(質量%)を用いて、(SiO2+Al2O3)/Total.Fe×100で表される脈石率が15%以上とされた劣質鉄鉱石に対して、当該劣質鉄鉱石を原料鉱石として還元を行い、原料鉱石1を磁選して脈石率が10%以下とされた高品位鉄源を製造する高品位鉄源の製造方法であって、還元後の原料鉱石1を磁選するに際しては、原料鉱石1から磁選に用いる磁石までの距離を2乗したもので磁石の強さを除した有効磁力Mag.と、還元後の原料鉱石1の金属化率Metal.との間に所定の関係が成立することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、劣質鉄鉱石の鉄品位を向上させて、鉄鋼原料として使用可能な高品位鉄源を製造する高品位鉄源の製造方法に関するものである。
従来より、鉄鋼原料である鉄鉱石の品位は含有する脈石の少なさで決定される。つまり、脈石成分としては主にSiO2、Al2O3が挙げられ、脈石成分(不要成分)であるSiO2やAl2O3が少なければ少ないほど鉄鉱石は高品位とされている。そのため、従来より高炉で使用される鉄鉱石は、鉄鉱石中のTotal.Fe、SiO2量、Al2O3量(質量%)を用いて(SiO2+Al2O3)/Total.Fe×100で表される脈石率(%)で品位が評価され、脈石率(%)が10%以下のものを使用することとされていた。
しかし、近年は良質鉄源の枯渇に伴い、脈石分の少ない鉄鉱石を入手することが困難となりつつある。上述のように高炉には脈石率10%以下の鉄鉱石が使用されるため、10%以上の鉄鉱石については選鉱して脈石分を落としてから使用する必要がある。
このような選鉱の方法としては、粉砕した鉄鉱石を浮選あるいは磁選することにより品位を向上させる手法が行われてきた。ただ、従来より行われてきた粉砕鉱石の浮選や磁選は、酸化鉄中に脈石分が固溶した鉄鉱石を用いる場合や、微細な脈石分が分散した鉄鉱石を用いる場合には、あまり効果がない。それゆえ、このように脈石分が固溶または微分散された低品位鉱石に対しても脈石分を効果的に除去する技術として、以下の特許文献1〜3のようなものが開発されている。
例えば、特許文献1には、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物から還元鉄を製造するにあたり、還元鉄とスラグとの分離性を高め、スラグ含有量が少なく、S含有量の少ない還元鉄を製造する還元鉄の製造方法が開示されている。この特許文献1の還元鉄の製造方法は、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物を加熱炉内で加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法において、前記加熱炉外へ排出されたスラグに含まれるFeO量を2.0質量%以上とするものとなっている。
また、特許文献2には、石炭を還元剤とした還元鉄製造設備で得られた還元鉄を、冷却し、微粉砕し、磁気選別し、再成形することにより、高純度、高密度の還元鉄を製造する還元鉄の製造方法が開示されている。この特許文献2の還元鉄の製造方法は、鉄原料と石炭を含有する混合物を、高温で加熱還元処理して得られた還元鉄を粉砕処理し、次いで所定の粒径を境に粒度選別し、前記所定の粒径以下の還元鉄粒子に対し、磁力により、鉄分を多く含む強磁着物粒子と鉄分の少ない弱磁着物粒子とに分離した後、粒度選別された前記所定粒径を超える還元鉄粒子と前記強磁着物粒子とを還元鉄として用いるものとなっている。
さらに、特許文献3には、CaO、SiO2、Al2O3、およびFeを含む塊成物から粒状金属鉄を製造する方法であって、副生するスラグ量が多い場合でも、粒状金属鉄を高歩留まりで、しかも短時間で製造できる方法、言い換えれば粒状金属鉄の生産性を向上できる方法が開示されている。この特許文献3の技術は、塊成物中の全CaO量、全SiO2量、全Al2O3量、および全Fe量が、所定の関係を満足するように成分調整することで、高融点で、且つFeOxとの反応性が乏しいダイカルシウムシリケート(Dicalcium Silicate;2CaO・SiO2)の生成を抑制するものとなっている。このようにダイカルシウムシリケートの生成を抑えれば、酸化鉄を還元して生成した金属鉄同士の凝集が促進されるため、粒状金属鉄を高歩留まりで、しかも短時間で製造できるようになり、粒状金属鉄の生産性を高めることも可能となる。
特開2015−196900号公報 特開2002−363624号公報 特開2016−056416号公報
ところで、特許文献1の技術は、炭素質還元剤を内装して還元を行うため、混合原料を1200℃以上、好ましくは1300〜1500℃という高温に加熱することが必要となる。また、脈石をスラグとして溶融させて分離することを目的とするものであり、脈石分を非溶融状態で機械的に原料鉱石から分離して鉄源を回収する技術とは脈石分離に対する根本的な考え方が異なっている。さらに、還元には脈石同様に不純物となるフラックスの添加が必要であり、後で不純物であるフラックスを除去する工程が必要となるため効率の良い方法とは言えない。
また、特許文献2の技術も、石炭を内装して還元を行うため、混合物を1200℃以上に加熱することが必要となる。また、混合物の一部を溶融させるために脈石同様に不純物となるフラックスの添加が必要であり、後で不純物であるフラックスを除去する工程が必要となるため効率の良い方法とは言えない。さらに、石炭を使用することにより、石炭に由来する硫黄分が回収鉄中にも含まれることになるため、後工程(使用時)に脱硫処理が必要となる。
さらに、特許文献3には磁選条件が明記されておらず、磁選を行うことで鉱石の品位向上の本発明の技術に対して何ら指針とはなりえない。また、スラグを溶融させる特許文献3でも、不純物となるフラックスの使用や製造コストの上昇に繋がる加熱は特許文献1、2同様に必要となっている。
つまり、上述した特許文献1〜3の技術は、酸化鉄中の脈石分を除去して劣質鉄鉱石の鉄品位を向上可能なものではあっても、脈石分を除去する際に高温加熱が必要であったり、溶銑中に持ち込まれたフラックスや硫黄分を後で除去することが必要となったりするものであり、加熱設備に余計なコストが必要となったり余計な後工程が必要となったりして脈石分の除去を簡便且つ効率的に行えるものではなかった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、高温加熱やフラックス添加などを行わなくても、高炉で利用可能な脈石分が10%以下とされた高品位鉄源を簡便且つ効率的に製造することができる高品位鉄源の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の高品位鉄源の製造方法は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の高品位鉄源の製造方法は、原料鉱石に対する総鉄量Total.Fe、SiO2量、Al2O3量(質量%)を用いて、(SiO2+Al2O3)/Total.Fe×100で表される脈石率が15%以上とされた劣質鉄鉱石に対して、当該劣質鉄鉱石を原料鉱石として還元を行い、還元後の原料鉱石を磁選して脈石率が10%以下とされた高品位鉄源を製造する高品位鉄源の製造方法であって、前記還元後の原料鉱石を磁選するに際しては、前記原料鉱石から磁選に用いる磁石までの距離を2乗したもので前記磁石の強さを除した有効磁力Mag.と、還元後の原料鉱石の金属化率Metal.との間に、以下の式(1)の関係が成立することを特徴とするものである。
本発明の高品位鉄源の製造方法によれば、高温加熱やフラックス添加などを行わなくても、高炉で利用可能な脈石分が10%以下とされた高品位鉄源を簡便且つ効率的に製造することができる。
本発明に係る高品位鉄源の製造方法の手順を示した模式図である。 実施例及び比較例に用いられた原料鉱石の粒度分布を示す図である。 磁選前の鉄鉱石の体積平均径と、鉄鉱石の脈石率との相関関係を示す図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の高品位鉄源の製造方法の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、本実施形態の高品位鉄源の製造方法を模式的に示したものである。
図1に示すように、本実施形態の高品位鉄源の製造方法は、(1)鉄鉱石中(原料鉱石1中)の酸化鉄6を金属鉄4に還元する還元工程、(2)還元工程で還元された後の鉄鉱石(原料鉱石1)を磁選する磁選工程の2つの工程に従って高品位鉄源を製造するものとなっている。
次に、本実施形態の高品位鉄源の製造方法を構成する各工程について説明する。
まず、本実施形態の高品位鉄源の製造方法に原料鉱石として用いられる劣質鉱石について説明する。この劣質鉱石は、一般に高炉に原料鉱石として投入可能な脈石率が10%以下の鉄鉱石ではなく、脈石率(%)が15%以上とされたものであり、不純物を多く含有するものとなっている。
なお、脈石率とは、原料鉱石中に含まれる不純物成分(質量%)、すなわちSiO2量(質量%)や Al2O3量(質量%)を、原料鉱石(鉄鉱石)中のTotal.Fe (質量%)で除したものであり、以下の式(2)のように定義されるものである。
還元工程は、原料鉱石中に含まれる酸化鉄を金属鉄4(還元鉄)に還元するものであり、本実施形態では高温とされた雰囲気中に位置する原料鉱石に、還元性のガスを接触させることで、原料鉱石の還元を行うものとなっている。
上述した還元処理は、原料鉱石を容器などに収容して高温状態で還元性のガスと反応させることで実施されるものであり、還元性のガスを貯留すると共に加熱可能な加熱炉を用いて行われる。例えば、本実施形態では、回転する円筒型(ドラム型)の回転加熱炉の内部に原料鉱石を装入し、炉内を950℃程度の温度に加熱しつつ、還元性ガスを送り込んで還元を行うものとなっている。
また、本実施形態の還元処理で用いられる還元性ガスは、還元成分としてH2、CH4、CO等のガスを混合状態で有する混合ガスとなっている。これらの混合ガスを用いることで1000℃以下となるような比較的低温であっても酸化鉄の還元反応が可能となる。つまり、本実施形態の還元処理では1000℃を超える高温の加熱は必要ではなく、昇温に時間やコストが必要となることはない。
磁選工程は、還元工程で還元された原料鉱石1を、磁石の磁力を用いて、磁石に磁着する粒子(磁着粒子2)と磁着しない粒子(非磁着粒子3)とに分別する工程である。本実施形態の磁選工程では、上述した還元工程において原料鉱石中の酸化鉄が金属鉄4に還元されているため、還元後の原料鉱石1(鉄鉱石)の粒子に金属鉄4が多く含まれている場合は磁石に磁着し、金属鉄4が少ししか含まれていない場合は磁石に磁着しない。
本発明の磁選工程は、上述した金属鉄4の磁着特性を利用した磁選機を用いて行われるものであり、本実施形態ではベルト式の磁選機を用いて還元後の原料鉱石1の粒子の中から金属鉄4を多く含む粒子を乾式で磁選する構成となっている。なお、本発明の磁選工程には、ドラム式磁選機や吊り下げ式磁選機のようなベルト式以外の磁選機を用いても良いし、乾式磁選ではない湿式磁選を採用しても良い。また、本実施形態の磁選機の場合であれば、直下位置においてガウスメータで測定した場合に1200[G]となるような磁石(磁力)が使用されている。
上述した還元工程を行えば、原料鉱石1の粒子の中には還元によって金属鉄4が多く含まれるようになった粒子と金属鉄4をあまり含んでいない粒子とが含まれるようになる。それゆえ、還元工程に続く磁選工程で還元後の原料鉱石1の粒子を処理すると、金属鉄4を多く含む粒子は磁着粒子2として磁石に磁着し、脈石分5のような金属鉄4をあまり含まない原料鉱石の粒子1は非磁着粒子3として磁石に磁着しないので、磁着特性を具備するかどうかで還元後の原料鉱石1の粒子を磁着粒子2と非磁着粒子3とに分別することができる。そのため、劣質鉱石から脈石分5を確実に分離して高品位鉄源を製造することが可能となる。
ところで、本実施形態の高品位鉄源の製造方法は磁選工程の磁選条件を規定するものであり、この磁選条件は上述した磁着粒子2と非磁着粒子3との分別に大きく影響する。具体的には、本実施形態の製造方法では、まず原料鉱石1の粒子に実際に作用する有効磁力と、還元後の原料鉱石1の金属化率とを求める。そして、有効磁力と金属化率との関係をパラメータYとして表現し、パラメータYが所望の値以上とされているかどうかで、劣質鉱石から脈石分5を確実に分離できているかどうかを判断している。
ここで、パラメータYは、原料鉱石1の粒子に作用する磁力の影響を数値化したものであり、以下の式(1)で示されるものである。このパラメータYが大きくなればなるほど、磁着成分に含まれる金属鉄4の割合が多くなり、パラメータYが小さくなればなるほど、磁着成分に含まれる金属鉄4の割合が小さくなる。
具体的には、このパラメータYは、微細な原料鉱石1の粒子を磁着する場合に不可避的に入り込む脈石分5の量を示している。パラメータYが「0」未満の場合は、微細な脈石分5が原料鉱石1の粒子と一緒に多く磁着粒子2中に含まれており、またパラメータYが「0」以上の場合は脈石分5があまり含まれていないことを示している。
式(1)の右辺における「Metal.」は、還元後の原料鉱石1の金属化率を示している。つまり、鉄鉱石は微細な粒子から順に還元が進むので、金属化率が大きい場合は、還元が粒径が大きな原料鉱石1の粒子にも及んでいることを示している。しかし、金属化率が小さい場合は、還元が微細な粒子にしか及んでおらず、還元後の原料鉱石1の粒度が粒径が小さいもので主に構成されている可能性が高い。原料鉱石1を磁着する際に原料鉱石1の粒度が微細な場合には、微細な原料鉱石1の粒子と一緒に、微細な脈石分5の粒子が静電気の作用で磁石に引きつけられ、磁着粒子2中に混入する脈石分5の量も大きくなる。それゆえ、式(1)中では、「Metal.」が大きい場合には脈石分5の混入が少なく、「Metal.」が小さい場合には脈石分5の混入が多くなる。
一方、式(1)の右辺における「Mag.」は、磁選の際に原料鉱石1の粒子に加わる磁力の大きさを示したものである。つまり、磁力は磁石からの距離の2乗に反比例して減衰することが知られているため、磁石の強さを磁着距離の2乗で徐することで原料鉱石1の粒子に加わる実際の磁力を有効磁力として定義することができる。
この有効磁力が大きい場合は、磁着粒子2に大きな磁力が作用することになり、微細な原料鉱石1の粒子であっても磁石に磁着するようになる。そうすると、微細な原料鉱石1の粒子と一緒に、微細な脈石分5の粒子が静電気の作用で磁石に引きつけられ、磁着粒子2中に混入する脈石分5の量も大きくなる。一方、有効磁力が小さい場合は、磁着粒子2に作用する磁力は小さくなるので、磁着粒子2は比較的粒径の大きい原料鉱石1によって構成されることとなるため静電気により混入する脈石分5の量が少なくなり、結果として磁着粒子2中に混入する脈石分5の量は小さくなる。
そこで、本発明の高品位鉄源の製造方法では、微細な原料鉱石1の粒子と一緒に微細な脈石分5が混入しないように、上述した金属化率と有効磁力とを式(1)に示すように組み合わせて、パラメータYとしているのである。
このようにパラメータYが0以上となるような磁選条件で還元後の原料鉱石1の粒子を磁選すれば、脈石分5の混入を極力抑えつつ、原料鉱石1から鉄源(金属鉄4)を精度良くかつ効率的に分離(選別)することができる。
つまり、本実施形態の高品位鉄源の製造方法であれば、還元工程に1000℃以上の高温加熱を行わなくても、また後工程で除去が必要となるフラックスや炭素質還元剤(コークス)を使用しなくても、脈石率(%)が15%以上の劣質鉱石であっても、回収後の鉄源を脈石率10%以下とすることが可能となる。それゆえ、本実施形態の高品位鉄源の製造方法では、脈石率(%)が15%以上の劣質鉱石から脈石率10%以下の高品位鉄源を低い製造コストで且つ高効率に製造することが可能となるのである。
次に、実施例及び比較例を用いて、本実施形態の高品位鉄源の製造方法が有する作用効果について、さらに詳しく説明する。
上述した実施例及び比較例は、上述した還元工程の処理条件(還元条件)、磁選工程の処理条件(磁選条件)のうち、磁選工程の磁選条件のみを変更した場合に、分離回収された鉄源の脈石率がどのように変化するかを実験したものである。
なお、実施例及び比較例に用いられた原料鉱石は、以下の組成を有するものとなっている。
また、実施例及び比較例に用いられた原料鉱石(上述した表1の原料鉱石)を、還元前に粒度計測すると、図2に示すような粒度分布結果を示す。
なお、上述した還元条件及び磁選条件の詳細は、以下の通りとなっている。
実施例及び比較例の還元工程は、内径が130mmφで長さ200mmのドラム型の回転加熱炉の炉内に上述した原料鉱石を装入し、炉内を950℃に加熱し、2rpmで回転する回転加熱炉の内部に還元ガスを供給して還元を行ったものである。
なお、炉内に供給される還元ガスは、H2を45[vol%]、COを5[vol%]、CO2を5[vol%]、CH4を35[vol%]、N2を10[vol%]含む混合ガスである。これらのガス成分のうち、鉄鉱石に対する還元作用を有する成分は、H2ガス(水素ガス)、 COガス(一酸化炭素ガス) 、CH4ガス(メタンガス)である。また、炉内に還元ガスが供給されてからの経過時間、つまり還元工程が行われる還元時間は、30minと60minとの2水準で変化させた。
実施例及び比較例の磁選工程は、ベルト式の磁選機を用いて磁着高さ(粉砕後の原料鉱石と磁石との距離)を3mm〜15mmの範囲(3mm、5mm、10mm、15mm)で変更しつつ粒子を選別(磁選)したものである。なお、ベルト式磁選機に用いられる磁石には、磁石直下で800Gまたは1200Gの磁力を有する磁石を用いている。
なお、表中の「有効磁力」は、磁力(G)を、磁着高さ(mm)の二乗で除したものである。一般に、磁力は距離の2乗に反比例して減衰するので、磁力を磁着高さの二乗で除すれば磁選に実効的な磁力を求めることができるからである。
脈石率は、磁選後の原料鉱石1について、原料鉱石中に含まれる総鉄量「T.Fe」、不純物として含まれるSiO2やAl2O3の鉱石中の濃度を分析で求め、求められた分析値を上述した式(1)を用いて求めたものである。
分離回収された鉄源の脈石率の計測結果を表2に示す。
磁着高さを10mm、15mmと変化させて磁選を行っている実施例(「実験番号No.1」〜「実験番号No.7」)は、パラメータYが6〜69であり、「Y≧0」という条件をいずれも満足している。そのため、実施例については、磁選条件の「判定」を合格(○)とした。これら「判定」が合格となる実施例は脈石率が6.2%〜9.5%となっており、脈石率が10%以下まで低減された高品位鉄源が製造されていることが確認された。
これに対して、磁着高さが3mm〜10mmと低い状態で磁選を行っている比較例(「実験番号No.8」〜「実験番号No.13」)は、パラメータYが-315〜-14であり、「Y≧0」という条件をいずれも満足していなかった。そのため、比較例については、磁選条件の「判定」を不合格(×)とした。これら「判定」が不合格となる比較例は脈石率が11.2%〜17.0%となっており、脈石率が10%を超える品位が良くない鉄源が製造されていることが確認された。
一方、上述した表2の結果は、脈石率とパラメータYとの相関関係をまとめた図3においても明らかである。つまり、横軸にパラメータYを採り、縦軸に脈石率を採ると、パラメータYが増加するほど脈石率が減少するような変化傾向(右下がりの変化傾向)を示す。そして、パラメータYが0を下回った時点で、脈石率も10%を下回ることが図3からわかる。
以上のことから、パラメータYが0以上となるように磁選を行えば、脈石率が10%以下まで低減された高品位鉄源を製造可能と判断される。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 還元後の原料鉱石
2 磁着粒子
3 非磁着粒子
4 金属鉄
5 脈石分
6 酸化鉄
50 体積平均径
T.Fe 総鉄量
M.Fe 総金属鉄量

Claims (1)

  1. 原料鉱石に対する総鉄量Total.Fe、SiO2量、Al2O3量(質量%)を用いて、(SiO2+Al2O3)/Total.Fe×100で表される脈石率が15%以上とされた劣質鉄鉱石に対して、当該劣質鉄鉱石を原料鉱石として還元を行い、還元後の原料鉱石を粉砕し、粉砕した原料鉱石を磁選して脈石率が10%以下とされた高品位鉄源を製造する高品位鉄源の製造方法であって、
    前記還元後の原料鉱石を磁選するに際しては、前記原料鉱石から磁選に用いる磁石までの距離を2乗したもので前記磁石の強さを除した有効磁力Mag.と、還元後の原料鉱石の金属化率Metal.との間に、以下の式(1)の関係が成立することを特徴とする高品位鉄源の製造方法。
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