JP2018095661A - 電気デバイス製造用溶剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷法によって電子デバイスを形成するためのインクに使用する溶剤組成物であって、印字精度向上、低温焼成、残留灰分量の抑制を可能とする溶剤組成物を提供する。【解決手段】本発明の溶剤組成物は溶剤と下記化合物(A)を含む。化合物(A):下記式(1)(R2−HNOC)4-n−R1−(CONH−R3)n(1)(式中、R1は、ベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、又はナフタレンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基である。nは1〜3の整数を示す)で表される化合物及び/又は下記式(2)R4−(CONH−R5)4(2)(式中、R4はブタンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、R5は炭素数1以上の脂肪族炭化水素基である)で表される化合物【選択図】なし

Description

本発明は、電子デバイスの製造において、印刷法を用いて配線又は電極を形成するためのインクに用いられる溶剤組成物に関する。
印刷法を用いて製造する電子デバイスにはコンデンサ、インダクタ、バリスタ、サーミスタ、トランジスタ、スピーカ、アクチュエータ、アンテナ、固体酸化物燃料電池等が含まれる。
例えば積層セラミックコンデンサは、一般的に、次のような工程を経て製造される。
1.セラミックスの粉末、ポリビニルアセタール樹脂等のバインダー樹脂、及び溶剤を含むスラリーをシート状に成形してグリーンシートを得る。
2.電気特性付与材(例えば、ニッケル、パラジウム等)、バインダー樹脂(例えば、エチルセルロース等)、及び有機溶剤(例えば、ターピネオール等)を含むインクを、印刷法によりグリーンシート上に塗布し導電回路の配線や電極等(以後、「配線等」と称する場合がある)を形成する(塗布工程)。
3.塗布されたインクを乾燥させる(乾燥工程)。
4.配線等が形成されたグリーンシートを所定寸法に切断し、複数枚積み重ねて圧着する。
5.焼成させる(焼成工程)。
インクに含まれるバインダー樹脂は電気特性付与材をグリーンシート上に固定する働きや、適度な粘度を付与して微細な印刷パターンの形成を可能とする働きを有する。バインダー樹脂としては、従来、エチルセルロースが主に用いられてきた。しかし、エチルセルロースは熱分解性が低いため高温で焼成する必要があり、長時間高温に曝されることにより被塗布面を有する部材(以後、「被塗布面部材」と称する場合がある)が軟化、変形する場合があること、また、焼成後にカーボン成分が灰分として残留し、それにより導電性の低下が引き起こされることが問題であった。
上記問題を解決するため、バインダー樹脂の改善が種々検討された。例えば、特許文献1には、エチルセルロースに代えてポリビニルアセタール樹脂を用いることで灰分の生成量を低減できることが開示されている。しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂を使用しても、これらの問題について十分満足できる結果は得られなかった。
特開2006−299030号公報
従って、本発明の目的は、印刷法によって電子デバイスの配線や電極を形成するためのインクに使用する溶剤組成物であって、インクの印字精度を向上することができ、低温で焼成することができ、焼成後に生じる灰分量を極めて低く抑制することができる溶剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、印刷法によって電子デバイスの配線や電極を形成するためのインクであって、印字精度に優れ、低温で焼成することができ、焼成後に生じる灰分量が極めて少ないインク、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記化合物(A)は、溶剤中で加熱溶解すると自己組織化してひも状会合体を形成し、高分子化合物のような粘性を生じること、エチルセルロース等のバインダー樹脂に比べ低温で焼成可能であること、焼成後の灰分の残留量が極めて少ないことを見いだした。
そして、前記化合物(A)と溶剤を加熱溶解する工程を経て得られるインクは、印刷法による配線等の形成に適した粘性を有するため、液ダレが抑制され、高精度の配線パターンを形成することができること、焼成工程においては、エチルセルロース等のバインダー樹脂を含むインクを焼成する場合に比べて、より低温で速やかに焼成することができ、被塗布面部材が長時間高温に曝されることにより軟化、変形することを防止できること、焼成後の灰分の残留量を著しく低減することができ、灰分により引き起こされていた電気特性の低下を抑制することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、印刷法によって電子デバイスを製造するためのインクに用いられる溶剤組成物であって、溶剤と下記化合物(A)を含む電子デバイス製造用溶剤組成物を提供する。
化合物(A):下記式(1)
(R2−HNOC)4-n−R1−(CONH−R3n (1)
(式中、R1は、ベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、又はナフタレンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基である。nは1〜3の整数を示す)
で表される化合物及び/又は下記式(2)
4−(CONH−R54 (2)
(式中、R4はブタンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、4つのR5は同一又は異なって、炭素数1以上の脂肪族炭化水素基である)
で表される化合物
本発明は、また、溶剤の25℃におけるSP値[(cal/cm30.5]が7.0〜11.0である前記の電子デバイス製造用溶剤組成物を提供する。
本発明は、また、溶剤が、n−デカン、n−ドデカン、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルイソアミルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブタノール、メンタノールアセテート、メンタノール、ターピネオールアセテート、ターピネオール、シクロヘキシルアセテート、2−メチルシクロヘキシルアセテート、及び4−t−ブチルシクロヘキシルアセテートから選択される少なくとも1つである前記の電子デバイス製造用溶剤組成物を提供する。
本発明は、また、前記化合物(A)の含有量が、溶剤100重量部に対して0.1〜50重量部である前記の電子デバイス製造用溶剤組成物を提供する。
本発明は、また、前記の電子デバイス製造用溶剤組成物を30〜90℃で加熱溶解する工程を有する電子デバイス製造用インクの製造方法を提供する。
本発明は、また、前記の製造方法により得られる電子デバイス製造用インクを提供する。
本発明は、また、更に、導電性金属材料、半導体材料、磁性材料、誘電材料、又は絶縁材料を含む前記の電子デバイス製造用インクを提供する。
本発明は、また、バインダー樹脂含有量が10重量%以下である前記の電子デバイス製造用インクを提供する。
本発明の電子デバイス製造用溶剤組成物は、上記増粘剤を含有するため、加熱溶解する工程を経て、印刷法による配線等の形成に適した粘性を有するインクを製造することができる。
また、本発明の電子デバイス製造用溶剤組成物を使用して得られるインクは液ダレしにくく、印刷法により高精度の配線パターンを形成することができる。また、焼成工程において、より低温で焼成することができ、被塗布面部材が長時間高温に曝されることにより軟化、変形することを防止できる。更に、焼成後の灰分の残留量を著しく低減することができ、これにより引き起こされていた電気特性の低下を抑制することができる。
従って、本発明の電子デバイス製造用溶剤組成物を使用すれば、印刷法により電気特性に優れた配線等を形成することができ、電気特性に優れた配線等を有する電子デバイスを効率よく製造することができる。
[電子デバイス製造用溶剤組成物]
本発明の電子デバイス製造用溶剤組成物(以後、「溶剤組成物」と称する場合がある)は、印刷法を用いて電子デバイスを製造するためのインクに用いられる溶剤組成物であって、溶剤と化合物(A)を含む。
[化合物(A)]
本発明における化合物(A)は、下記式(1)
(R2−HNOC)4-n−R1−(CONH−R3n (1)
(式中、R1は、ベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、又はナフタレンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基である。nは1〜3の整数を示す)
で表される化合物、及び下記式(2)
4−(CONH−R54 (2)
(式中、R4はブタンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、4つのR5は同一又は異なって、炭素数1以上の脂肪族炭化水素基である)
で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物である。
前記nは1〜3の整数を示し、好ましくは2である。
前記R2における炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基等の炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基;エチニル、プロピニル基等の炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基等を挙げることができる。
2としては、なかでも、ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(とりわけ、直鎖状アルキル基)が好ましい。
前記R3における炭素数6以上の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ラウリル、ミリスチル、ステアリル基等の炭素数6〜20(好ましくは6〜18、特に好ましくは8〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;2−ヘキセニル、7−オクテニル、9−デセニル、オレイル基等の炭素数6〜20(好ましくは8〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基;ヘキシニル、オクチニル、デシニル、ペンタデシニル、オクタデシニル基等の炭素数6〜20(好ましくは6〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基等を挙げることができる。
3としては、なかでも、オレイル基等の炭素数6〜20(好ましくは8〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基(とりわけ、直鎖状アルケニル基)が好ましい。
前記R5における炭素数1以上の脂肪族炭化水素基としては、上記炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基と炭素数6以上の脂肪族炭化水素基の例を併せて挙げることができる。
4つのR5としては、なかでも、互いに異なる基(R51、R52;R51、R52は互いに異なって炭素数1以上の脂肪族炭化水素基を示し、上記R5と同様の例を挙げることができる)であることが好ましく、オレイル基等の炭素数6〜20(好ましくは8〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基(とりわけ、直鎖状アルケニル基)と、ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20(好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜8)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基の組み合わせが好ましい。
化合物(A)の具体例としては、下記式で表される化合物等を挙げることができる。下記式中、R2、R3、R51、R52は前記に同じ。尚、一分子中に複数のR2が存在する場合、それらは同一の基である。R3、R51、R52についても同様である。
Figure 2018095661
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化合物(A)としては、なかでも、蒸発温度が120〜380℃(好ましくは150〜330℃、更に好ましくは150〜320℃、特に好ましくは150〜315℃、最も好ましくは170〜315℃、とりわけ好ましくは200〜300℃)のものが好ましく、蒸発温度は、側鎖の種類によりコントロールすることができる。蒸発温度が上記範囲を上回ると、低温条件において速やかに気化させることが困難となり、被塗布面部材が高温に長時間曝されることにより軟化、変形する場合がある。一方、蒸発温度が上記範囲を下回ると、インク調製時若しくは印刷時に気化して組成が変動する恐れがあり、安定した配線・塗膜形成が困難となる傾向がある。尚、化合物(A)の蒸発温度は、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)を使用して20℃から400℃まで10℃/分で昇温した場合に、化合物(A)の95重量%が蒸発して、重量が元の重量の5%にまで減少した時点の温度である。
化合物(A)の分子量は、例えば400〜3000、好ましくは800〜2000、特に好ましくは800〜1200、最も好ましくは800〜1000である。化合物(A)の分子量が上記範囲を上回ると、油剤に溶解しにくくなる傾向がある。一方、化合物(A)の分子量が上記範囲を下回ると、粘性付与効果が低下する傾向がある。
化合物(A)は、下記(a)又は(b)の方法等により製造することができる。
(a)カルボン酸を塩化チオニルと反応させてカルボン酸クロライドを得、得られたカルボン酸クロライドにアミンを反応させる方法
(b)前記カルボン酸に対応するカルボン酸無水物にアミン(1)を反応させてアミック酸を得、更にアミン(2)をカルボジイミドを用いて縮合させる方法
上記(a)の製造方法により式(1)で表される化合物を製造する場合に使用するカルボン酸[R1−(COOH)4:R1は前記に同じ]としては、例えば、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸を挙げることができる。
上記(a)の製造方法により式(2)で表される化合物を製造する場合に使用するカルボン酸[R4−(COOH)4:R4は前記に同じ]としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を挙げることができる。
上記(a)の製造方法により式(1)で表される化合物を製造する場合に使用するアミンは、アミン(R2−NH2)とアミン(R3−NH2)(R2、R3は前記に同じ)である。
前記アミン(R2−NH2)としては、例えば、ブチルアミン等の、前記R2が炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基(好ましくは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基)であるアミン等を挙げることができる。
前記アミン(R3−NH2)としては、例えば、へキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等の、前記R3が炭素数6以上(好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数10〜20、最も好ましくは炭素数15〜20)の脂肪族炭化水素基(好ましくは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基)であるアミン等を挙げることができる。
上記(a)の製造方法により式(2)で表される化合物を製造する場合に使用するアミンは、アミン(R5−NH2)(R5は前記に同じ)である。アミン(R5−NH2)としては、なかでも、互いに異なる2種のアミン(R51−NH2)(R51は前記に同じ)とアミン(R52−NH2)(R52は前記に同じ)が好ましい。
前記アミン(R5−NH2)としては、例えば、ブチルアミン、へキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等の、前記R5が炭素数1以上(好ましくは炭素数6〜20)の脂肪族炭化水素基(好ましくは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基)であるアミン等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、オレイル基等の炭素数6〜20(好ましくは8〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基(とりわけ、直鎖状アルケニル基)を有するアミンと、ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20(好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜8)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を有するアミンを、アミン(R51−NH2)、アミン(R52−NH2)として、組み合わせて使用することが好ましい。
上記(a)の製造方法において、カルボン酸クロライドとアミンの反応は、例えばアミンを仕込んだ系内にカルボン酸クロライドを滴下することにより行うことができる。
カルボン酸クロライドとアミンの反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の飽和又は不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;スルホラン等のスルホラン系溶媒;ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;シリコーンオイル等の高沸点溶媒等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、なかでも、反応成分(カルボン酸クロライドとアミン)の溶解性に優れる点でハロゲン化炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
前記溶媒の使用量としては、カルボン酸クロライドとアミンの総量に対して、例えば50〜300重量%、好ましくは100〜250重量%である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。
カルボン酸クロライドとアミンの反応(=滴下)は、通常、常圧下で行われる。また、上記反応(=滴下時)の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。反応温度(=滴下時温度)は、例えば30〜60℃である。反応時間(=滴下時間)は、例えば0.5〜20時間である。反応(=滴下)終了後は、熟成工程を設けてもよい。熟成工程を設ける場合、熟成温度は例えば30〜60℃、熟成時間は例えば1〜5時間である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
上記(b)の製造方法では、例えば、カルボン酸無水物とアミン(1)及び下記溶媒を系内に仕込み、熟成させることによりアミック酸を形成し、その後、更にアミン(2)と縮合剤(カルボジイミド又はその塩)を仕込み、熟成させることにより化合物(A)を製造することができる。
上記(b)の製造方法により式(1)で表される化合物を製造する場合に使用するカルボン酸無水物としては、例えば、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,2:4,5−二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸−2,3:3’,4’−二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸−1,8:4,5−二無水物等を挙げることができる。
上記(b)の製造方法により式(2)で表される化合物を製造する場合に使用するカルボン酸無水物としては、例えば、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
上記(b)の製造方法により式(1)で表される化合物を製造する場合に使用するアミン(1)、(2)としては、上記(a)の製造方法により式(1)で表される化合物を製造する場合と同様に、アミン(R2−NH2)とアミン(R3−NH2)を使用することができる。
上記(b)の製造方法により式(2)で表される化合物を製造する場合に使用するアミン(1)、(2)としては、上記(a)の製造方法により式(2)で表される化合物を製造する場合と同様に、アミン(R5−NH2)[好ましくはアミン(R51−NH2)とアミン(R52−NH2)]を使用することができる。
アミン(1)の使用量としては、カルボン酸無水物1モルに対して、例えば2〜4モル、好ましくは2〜3モルである。また、アミン(2)の使用量としては、カルボン酸無水物1モルに対して、例えば2〜4モル、好ましくは2〜3モルである。
前記カルボジイミドは下記式で表される。
R−N=C=N−R’
上記式中、R、R’としては、例えば、ヘテロ原子含有置換基を有していてもよい、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基や、3〜8員のシクロアルキル基等を挙げることができる。R、R’は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、RとR’は互いに結合して−N=C=N−基と共に環を形成していてもよい。
前記炭素数3〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル基等を挙げることができる。
前記3〜8員のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等を挙げることができる。
前記ヘテロ原子含有置換基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基等のジ(C1-3)アルキルアミノ基等の窒素原子含有置換基を挙げることができる。
カルボジイミドとしては、例えば、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド等を挙げることができる。また、カルボジイミドの塩としては、例えば、塩酸塩(具体的には、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩等)等を挙げることができる。
カルボジイミド又はその塩の使用量としては、カルボン酸無水物1モルに対して、例えば2〜6モル、好ましくは2〜4モルである。
前記溶媒としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミック酸の溶解性に優れるプロトン受容性溶媒を使用することが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
前記溶媒の使用量としては、アミック酸の総量に対して、例えば50〜300重量%、好ましくは100〜250重量%である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。
上記反応は、通常、常圧下で行われる。また、上記反応の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。熟成温度(反応温度)は、例えば30〜70℃である。カルボン酸無水物とアミンの熟成時間は、例えば0.5〜5時間であり、アミック酸とアミンの熟成時間は、例えば0.5〜20時間である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の溶剤組成物中の化合物(A)の含有量(2種以上含有する場合は合計含有量)は、後述の溶剤100重量部に対して、例えば0.1〜50重量部である。化合物(A)の含有量の上限は、好ましくは30重量部、特に好ましくは20重量部、最も好ましくは10重量部、とりわけ好ましくは5重量部である。化合物(A)を上記範囲で含有することにより、高精度の配線パターンを形成するのに適度な粘性を付与することができる。
(溶剤)
本発明の溶剤組成物に含まれる溶剤としては、上記化合物(A)の溶解性に優れる溶剤を使用することが好ましい。
前記溶剤としては、なかでも、25℃におけるSP値[(cal/cm30.5:Fedors計算値]が7.0〜11.0(好ましくは7.5〜11.0、より好ましくは7.5〜10.0、特に好ましくは7.5〜9.0、最も好ましくは8.0〜9.0)の範囲にある溶剤を1種又は2種以上使用することが、上記化合物(A)の溶解性に優れ、且つ上記化合物(A)を溶解する際の加熱温度を低く、例えば50〜90℃程度に抑制することができる点で好ましい。SP値が上記範囲を外れる溶剤は上記化合物(A)の溶解性が低いため、前記化合物を溶解する際に、より高い温度での加熱が必要となる傾向がある。
前記溶剤としては、例えば、n−デカン(SP値:7.7)、n−ドデカン(SP値:7.7)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(SP値:8.1)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(SP値:8.1)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(SP値:8.4)、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(SP値:8.2)、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(SP値:8.2)、ジプロピレングリコールメチルイソアミルエーテル(SP値:8.0)、トリプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(SP値:8.2)、3−メトキシブチルアセテート(SP値:8.8)、3−メトキシブタノール(SP値:10.6)、メンタノールアセテート(SP値:8.3)、メンタノール(SP値:9.0)、ターピネオールアセテート(SP値:8.5)、ターピネオール(SP値:9.3)、シクロヘキシルアセテート(SP値:8.9)、2−メチルシクロヘキシルアセテート(SP値:8.5)、及び4−t−ブチルシクロヘキシルアセテート(SP値:8.2)から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
本発明の溶剤組成物中の溶剤の含有量(2種以上含有する場合は合計含有量)は、例えば20.0〜99.9重量%、好ましくは30.0〜99.5重量%、特に好ましくは40.0〜99.5重量%、最も好ましくは50.0〜99.5重量%、とりわけ好ましくは70.0〜99.5重量%である。溶剤の含有量が上記範囲を下回ると、インクの粘度が高くなりすぎ、印刷法によって配線等を形成することが困難となる場合がある。一方、溶剤の含有量が上記範囲を上回ると、温度変化によって低粘度化する等、インクの粘度を安定的に維持することが困難となり、液ダレ等により高精度の配線パターンを形成することが困難となる場合がある。
また、本発明の溶剤組成物には、その効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて上記溶剤以外の溶剤(以後、「他の溶剤」と称する場合がある。他の溶剤には、電子デバイス製造用途に用いられる周知慣用の溶剤が含まれる)を添加していてもよい。他の溶剤の添加量としては、本発明の溶剤組成物に含まれる全溶剤(100重量%)の、例えば50重量%未満、好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。
[電子デバイス製造用インク、及びその製造方法]
本発明の電子デバイス製造用インク(以後、「インク」と称する場合がある)は、印刷法によって塗布することにより電子デバイスの配線や電極を形成するためのインクである。本発明のインクは、上記溶剤組成物を30〜90℃(上限は好ましくは80℃、下限は好ましくは40℃、特に好ましくは50℃、最も好ましくは70℃)で加熱溶解する工程を経て製造される。
本発明のインクの製造方法は、電子デバイス製造用溶剤組成物を30〜90℃(上限は好ましくは80℃、下限は好ましくは40℃、特に好ましくは50℃、最も好ましくは70℃)で加熱溶解する工程を有する。
加熱溶解に要する時間は、例えば3〜60分間程度(好ましくは10〜30分間)である。
加熱溶解後は、室温(例えば、1〜30℃)以下にまで冷却する工程を有することが好ましい。冷却は、室温で徐々に冷却してもよいし、氷冷等により急速に冷却してもよい。
本発明のインクには、更に、導電性金属材料、半導体材料、磁性材料、誘電材料、及びは絶縁材料から選択される少なくとも1種の電気特性付与材を添加することが好ましい。電気特性付与材の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、インク全量(100重量%)の例えば0.1〜90重量%程度である。
前記導電性金属材料、磁性材料としては周知慣用のものを使用することができ、例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、鉄、白金、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉛、コバルト、酸化鉄・酸化クロム、フェライト、及びこれらの合金等を挙げることができる。半導体材料としては周知慣用のものを使用することができ、例えば、ペンタセン、フラーレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、金属(銅、インジウム、ガリウム、セレン、砒素、カドミウム、テルル、及びこれらの合金)、シリコン微粒子等を挙げることができる。誘電材料、絶縁材料としては周知慣用のものを使用することができ、例えば、シクロオレフィンポリマー、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、ガラス、紙、テフロン(登録商標)等を挙げることができる。
上記工程を経て得られる本発明のインクにおいては、上記化合物(A)が自己組織化してひも状会合体を形成し、高分子化合物のような粘性を生じるため、バインダー樹脂を配合しなくても、印刷法によって電子デバイスの配線や電極を精度良く形成するのに適度な粘度を有する。
本発明のインクの25℃における粘度[せん断速度0.5s-1における]は、例えば0.01〜1000Pa・s程度、好ましくは0.1〜500Pa・s、特に好ましくは1〜200Pa・sである。
そのため、本発明のインクはバインダー樹脂(例えば、エチルセルロース樹脂、アルキルセルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂等の分子量10000以上の高分子化合物)を添加する必要がなく、添加する場合であっても、バインダー樹脂の添加量は、インク全量(100重量)の例えば10重量%以下であり、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。バインダー樹脂の添加量が上記範囲を上回ると、焼成後に残留するバインダー樹脂由来の灰分によって電気特性の低下が引き起こされるため好ましくない。
また、本発明のインクに含まれる化合物(A)からなるひも状会合体は、熱分解性に優れ容易に低分子量化する。そのため、本発明のインクはエチルセルロース等のバインダー樹脂により粘度が付与されたインクに比べて低温(例えば100〜350℃、好ましくは120〜300℃、特に好ましくは150〜280℃)で焼成することができ、焼成工程における被塗布面部材の軟化、変形を防止することができる。更に、焼成後の灰分の残留量を極めて低く低減することができ、灰分によって引き起こされる電気特性の低下を抑制することができる。
本発明のインクによれば、印刷法により被塗布面部材(例えば、セラミック基板、グリーンシート等)に塗布、乾燥し、焼成する工程を経て電気特性(例えば、導電性又は絶縁性)に優れた配線等を精度良く形成することができる。従って、本発明のインクは、例えば、コンデンサ、インダクタ、バリスタ、サーミスタ、スピーカ、アクチュエータ、アンテナ、固体酸化物燃料電池(SOFC)等(特に、積層セラミックコンデンサ)の製造用インクとして特に有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
合成例1[増粘剤(1)(1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸ジ(ブチルアミド)ジ(オレイルアミド))の合成]
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにピリジン20mL、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,2:4,5−二無水物3.0g(0.014mol)、オレイルアミン7.4g(0.028mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3時間熟成した。
その後、ブチルアミン2.1g(0.028mol)、ジイソプロピルカルボジイミド7.0g(0.056mol)を仕込み、更に8時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸ジ(ブチルアミド)ジ(オレイルアミド)(分子量:863)[1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,4−ジ(ブチルアミド)−2,5−ジ(オレイルアミド)と1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,5−ジ(ブチルアミド)−2,4−ジ(オレイルアミド)の混合物]を7.3g得た(収率:61%)。生成物の蒸発温度は291℃であった。
合成例2[増粘剤(2)(3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ(ブチルアミド)ジ(オレイルアミド))の合成]
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにピリジン20mL、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物3.0g(0.012mol)、オレイルアミン6.47g(0.024mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3時間熟成した。
その後、ブチルアミン1.8g(0.024mol)、ジイソプロピルカルボジイミド6.1g(0.048mol)を仕込み、更に8時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ(ブチルアミド)ジ(オレイルアミド)(分子量:967)を4.8g得た(収率:41%)。生成物の蒸発温度は214℃であった。
実施例1
合成例1で得られた増粘剤(1)を、溶剤としてのn−デカン(和光純薬工業(株)製)に増粘剤濃度が1重量%になるように添加して溶剤組成物(1)を得た。
得られた溶剤組成物(1)を液温80℃で0.5時間加熱溶解し、室温(25℃)まで放冷して、ペースト状のインク(1)を得た(25℃における粘度[せん断速度0.5s-1における]:1.7Pa・s)。
実施例2〜6、比較例1
下記表1に記載の組成(単位:重量%)に変更した以外は実施例1と同様にして溶剤組成物を得、インクを得た。尚、比較例1では増粘剤に代えて樹脂を樹脂濃度が5重量%になるように添加し、液温80℃で3時間加熱溶解し、室温(25℃)で放冷してペースト状のインクを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られたインクについて、下記方法により蒸発温度、残留灰分量、及び塗布性について評価した。
蒸発温度及び残留灰分量:
インク各20mgを、TG−DTAにて20℃から400℃まで10℃/分で昇温して温度毎の重量を測定し、蒸発温度(重量が元の重量の5.0%にまで減少した時点の温度)と350℃における残留灰分量(インク全量に対する残留灰分の割合(重量%))を評価した。
その結果、実施例で得られたインクは何れも、比較例で得られたインクより低温で気化した。さらに、比較例で得られたインクは350℃の加熱を行ってもインク全量の3.0重量%が灰分として残ったのに対し、実施例で得られたインクの残留灰分はインク全量の1.6重量%以下であった。
塗布性:
スクリーン印刷機(商品名「LS−150型TVスクリーン印刷機」、ニューロング精密工業(株)製)を用い、塗布できたものを「○」、塗布できなかったものを「×」とした。
結果を下記表にまとめて示す。
Figure 2018095661
表1中の略号は以下の通りである。
増粘剤
1: 1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸ジ(ブチルアミド)ジ(オレイルアミド)
2: 3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ(ブチルアミド)ジ(オレイルアミド)
樹脂
EC200:エチルセルロース、商品名「エトセルSTD200」、日新化成(株)製
溶剤
decane:n−デカン(和光純薬工業(株)製、SP値:7.7)
PMNB:プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル((株)ダイセル製、SP値:8.1)
DPMNP:ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル((株)ダイセル製、SP値:8.2)
MBA:3−メトキシブチルアセテート((株)ダイセル製、SP値:8.8)
MB:3−メトキシブタノール((株)ダイセル製、SP値:10.6)

Claims (8)

  1. 印刷法によって電子デバイスを製造するためのインクに用いられる溶剤組成物であって、溶剤と下記化合物(A)を含む電子デバイス製造用溶剤組成物。
    化合物(A):下記式(1)
    (R2−HNOC)4-n−R1−(CONH−R3n (1)
    (式中、R1は、ベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、又はナフタレンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基である。nは1〜3の整数を示す)
    で表される化合物及び/又は下記式(2)
    4−(CONH−R54 (2)
    (式中、R4はブタンの構造式から4個の水素原子を除いた基であり、4つのR5は同一又は異なって、炭素数1以上の脂肪族炭化水素基である)
    で表される化合物
  2. 溶剤の25℃におけるSP値[(cal/cm30.5]が7.0〜11.0である請求項1に記載の電子デバイス製造用溶剤組成物。
  3. 溶剤が、n−デカン、n−ドデカン、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルイソアミルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブタノール、メンタノールアセテート、メンタノール、ターピネオールアセテート、ターピネオール、シクロヘキシルアセテート、2−メチルシクロヘキシルアセテート、及び4−t−ブチルシクロヘキシルアセテートから選択される少なくとも1つである請求項1又は2に記載の電子デバイス製造用溶剤組成物。
  4. 前記化合物(A)の含有量が、溶剤100重量部に対して0.1〜50重量部である請求項1〜3の何れか1項に記載の電子デバイス製造用溶剤組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の電子デバイス製造用溶剤組成物を30〜90℃で加熱溶解する工程を有する電子デバイス製造用インクの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られる電子デバイス製造用インク。
  7. 更に、導電性金属材料、半導体材料、磁性材料、誘電材料、又は絶縁材料を含む請求項6に記載の電子デバイス製造用インク。
  8. バインダー樹脂含有量が10重量%以下である請求項6又は7に記載の電子デバイス製造用インク。
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